(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
風力エネルギー及び太陽エネルギー等の代替エネルギー又は再生可能エネルギーを使用する装置及び技術が長年にわたって研究されている。このようなエネルギー生成装置には未だに開拓されていない巨大な市場が存在する。有限の天然資源(化石燃料、石油及び石炭)に関する問題に直面しているのは米国だけではない。全ての国が同様な問題に直面しており、安価で使い易い代替エネルギー製品に対する世界規模の需要がある。
【0004】
世界風力エネルギー協会によれば、大気圏における風力の利用可能性は世界全体における(全ての形態の)エネルギー年間消費量の5倍を上回るが、風力エネルギーによって現在供給されている電力は世界全体の電力使用量の約1%である。
【0005】
汎用的な商業用/住宅用装置には、安価であるだけではなく、審美性、高効率及び設置容易性が要求される。
【0006】
住宅及び市街地用途に適した大量生産可能な再生可能エネルギー発電装置はいかなる場合においても有益であると考えられる。しかし、「弱風」(階級1、2又は3)を有意義な方法で利用する装置を経済的に製造するには大きな問題がある。第1に、既存の発電機は慣性モーメントを上回る力が加わることで発電を開始するが、そのような静止状態を克服するためには弱風では通常は不十分である。また、市街地及び郊外の居住用及び商業用ビルには遵守すべき厳しい規定が定められており、風力発電の利用は実質的に制限されている。風力タービンは巨大であり、回転するタービンの動力は大きい。そのようなタービンを市街地で使用するのは危険である。
【0007】
また、構造物周辺及び地上近傍(「境界層」)における乱れを生じた風(乱流)は有用ではなく、望ましくない。従って、風力発電装置の使用は農村地域に限られていた。例えば、農村地域にはタービンを高い位置に保持するための頑丈な塔を建てるために十分な場所があり、周辺地域には構造物がなく、大きな乱れを生じることなく風力を流動させる(層流)ことができる。
【0008】
従来、代替エネルギー発電装置は、大規模又は実用規模での用途(例えば、家庭又はオフィスにおいて外部エネルギー源の必要性をなくしたり、ネットメータリング(net metering)システムによって使用しないエネルギーを電力会社へ売却したり、使用しないエネルギーを公共電力網(public utility grid)へ供給する)において主に利用されてきた。小型の風力タービンであっても数十フィートの直径を有する。そのため、市街地では利用可能なエネルギーの大部分が無視されている。
【0009】
2009年2月10日付のNews.cnet.comの記事(「調査によって明らかとなった市街地型微風力タービンの問題」、Martin LaMonica著)によると、柱上型の小型風力タービンを製造するSouthwest Wind Power社では、平均風速10マイル/時及び上方に障害物のない20フィートの空間があること等の最低設置要件を設けている。また、2009年3月17日付で同サイトに掲載された別の記事(「検証:マサチューセッツ州における微風力タービンの厳しい販売状況」、Martin LaMonica著)では、有用な出力を得るためには小型タービンであっても障害物をはるかに上回る位置に設置する必要があるとしている。
【0010】
タービンが受ける風速は、地表からのタービンの高さ及びタービン周辺の障害物に応じて異なる。樹木、低木、建物及びその他の障害物によって風の流れが妨げられる。タービンの高さを倍にすると利用可能な風力が10%増大するとされている。Paul Gipe(「Wind Energy Come of Age」の著者)が示唆しているように、タービンの高さを増大させることによって利用可能な風力が約2倍増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、必要とされているのは、上述したような非実用的な技術ではなく、費用効率及びエネルギー効率のよい弱風を利用する技術である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
弱風
本願発明者等は、「弱風力」を経済的に利用することを可能にする方法を模索した。市街地及び回廊地帯には「弱風力」の風又は「微風」が存在し、予測可能かつ安定した大量の風力を定常的に得ることは困難である。自然風以外の風としては、住宅地において建物や屋根の間の狭い通路で通常生じる「谷間風(ビル風)(wind rush)」や、道路、トンネル又は高架を通過する自動車によって生じる「突風(wind burst)」があるが、これらは風力として利用されていない。このような風のエネルギーを利用し、低電力システム及び機器のエネルギー必要量を補うことができる。
【0014】
装置は小型(例えば、ブレード高さ:2〜5フィート、ブレード幅:高さの約1/4〜1/2)であるため、装置を使用することができる場所は限定されない。従って、装置は屋根、壁又はフェンス沿いに設置することができ、ユーザーの電力需要を補うことができる。
【0015】
小型で効率的な装置は、風速約2m/秒(約4.5mph)の低速の風を利用するように設計される。
【0016】
複数の発電機を含み、上部に複数のタービンを有する基部により、任意の方向からの極めて低速の風を利用する画期的な方法を提供することができる。
【0017】
得られた電力は、持続可能なエネルギー資源に変換することができる。
【0018】
風力理論
流体駆動タービンによって生成される電力は、タービンのブレードの受風面積に比例する。
【0019】
複数の小型発電機の使用と1つの大型発電機の使用との比較
本願発明者等は、所与の毎分回転数において3つの50W発電機を回転させるために必要なトルクは、1つの150W発電機を回転させるために必要なトルクの3分の1であると考えている。従って、前者(3つの「x」W発電機)に必要な「風力」は、後者(1つの「3x」W発電機)に必要な風力の3分の1である。
【0020】
少なくともいくつかの好適な実施形態の目的
本発明の要件ではないが、少なくともいくつかの好適な実施形態の目的は、静的慣性モーメントが低く、比較的出力が低い発電機と垂直軸で位置合わせされた比較的小型で軽量のタービンを使用することで、従来の大型タービンよりも実質的に高い割合(2又は4倍程度(例えば、60〜90%の割合))でエネルギーを生成することである。
【0021】
好ましくは、装置は軽量かつモジュール式であり、故障及び障害耐性を有する。装置は、自然要素(雨、雪、汚染等)及び堆積物から電気部品を保護及び遮蔽するように設計される。
【0022】
モジュール性
ユニットは容易に設置することができ、スナップ連結するか、デイジーチェーン接続(コード等によって連結)することによって大きな総発電能力を得ることができる。
【0023】
好ましくは、各装置はブロック構造を有し、故障及び障害制御機能を有するスタンドアロン電源装置として構成される。他のブロックとスナップ連結又は接続して発電量を増加させることができ、カスタマイズ可能な発電システムとすることができる。
【0024】
好ましくは、ブロック構造は再生プラスチックを使用して形成され、射出成形又はブロー成形等の大量生産方法を利用する。従って、従来の風車とは異なり、装置は大量生産が可能である。装置は小型化することができるため、大量生産が可能である。すなわち、タービン、基部及び部品が小さいため、従来の風車とは異なり、大量生産することができる。また、複数のタービン及び発電機を使用することも大量生産の理由となる。
【0025】
装置をモジュール式とすることにより、各タービンに対して任意のブレード設計を行い、(例えばキー/ロックシステムを使用して)スナップ接続を行うことができる。ブレードの好適な設計としては、ダリウス(Darrieus)型及びサボニウス(Savonius)型が知られている。ブレード設計パラメータ(型及び高さ/幅)は、特定の用途及び取付(設備)に応じて変更することができる。ブレード、発電機及び全て又はほとんどの部品は交換可能であり、取り替えが容易であることが好ましい。
【0026】
各装置を別の装置に直接接続(カスケード接続)するか、(プラグコネクタ及びワイヤを使用して)デイジーチェーン接続することができるようにモジュール式とすることにより、利用者(ユーザー)は装置を簡便に設置することができる。
【0027】
応用例
本発明の一実施形態では、集風(風力発電)装置(wind capturing device)(又はユニット)及びシステムは幅広い用途で利用可能である。装置は、屋根の上、フェンス沿い、道路の中央分離帯、建物の側面及び風力源が存在する任意の場所に設置することができる。
【0028】
各ブロック又は複数のブロックからなるシステムで生成された電力は、任意の装置に安全に電力を供給するために使用することができる。装置により、携帯電話、iPod(登録商標)、ビデオカメラ、ノートパソコン又はその他の小型装置を充電したり、インバーターを駆動させたり、バッテリー又はその他の蓄電装置に蓄電することができる。
【0029】
装置を道路の中央分離帯沿いに設置し、車両による「突風(wind burst)」を利用して高速道路の照明装置や緊急用設備に電力を供給することができる。生成した電力は公共電力網に供給することもできる。
【0030】
別の実施形態では、特に、高層ビル周辺及び/又は高層ビル内において、装置によって全ての共用領域の照明又は通信サービスに対して電力を供給することができる。
【0031】
他の実施形態
装置は、風力発電装置と連動する小型ソーラーパネルを備えたハイブリッド型及び/又はソーラーパネルを2以上の風力発電装置の上に搭載可能としたハイブリッド型とすることができる。風は太陽が沈む際に通常は強くなるため、太陽エネルギーの取得と集風とは互いに補完し得る。
【0032】
システムは、1つの装置(基部上に設けられた2以上のタービン、基部内に配置されたタービンと同数の発電機)、蓄電装置、小型電気装置及びコードを含むキットとして実現することが好ましい。
【0033】
公共電力網に電力を供給したり、公共電力網から供給される電力を低減することが望ましい場合には、民生(COTS:commercial off the shelf)のインバーターを使用することができる。装置は小型であり、大量生産が可能であり、汎用性を有するため、多種多様な用途において使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係る代替エネルギー発電装置の一例を示す概略分解図である。
【
図2】2つのタービンを有する代替エネルギー発電装置の別の例を示す概略分解図である。
【
図2A】ダリウス型ブレードを有するタービンを備えた装置を示す斜視図である。
【
図3】サボニウス型ブレード及びダリウス型ブレードを有するタービンを備えた装置を示す概略図である。
【
図4】本発明の発電装置に使用する発電機及びタービンとの接続を示す概略図である。
【
図5】代替エネルギー発電装置の電気部品及び配線を示す概略図である。
【
図6】装置のスナップ接続方法を示す側面図及び上面図である。
【
図7】装置のスナップ接続方法を示す側面図及び上面図である。
【
図8】実接ぎ機械的接続機構及びばね負荷電気的接続機構を備えた装置を示す概略端面図及び概略上面図である。
【
図9】実接ぎ機械的接続機構及びばね負荷電気的接続機構を備えた装置を示す概略端面図及び概略上面図である。
【
図10】タービンと発電機のローターの接続の一形態を示す概略上面図である。
【
図11】
図1に示す3つのタービンを有する代替エネルギー発電装置を備えた本発明の第1のシステム実施形態に係る代替エネルギー発電システムを示す概略図である。
【
図12】代替エネルギー発電装置を備えた本発明の第2のシステム実施形態に係る代替エネルギーシステムを示す概略図である。
【
図13】本発明の第3のシステム実施形態に係る別の代替エネルギー発電システムを示す概略図である。
【
図14】本発明の第4のシステム実施形態に係る代替エネルギー発電装置及び当該装置に取り付けられたソーラーパネルを示す概略分解図である。
【
図15】本発明の第5のシステム実施形態に係る別の代替エネルギー発電システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
風力発電装置及びシステムの各種実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図面では、同一の参照番号は同一の構成要素を示す。
【0036】
なお、本願の図面及び明細書では本発明と特に関連する構成要素について説明し、通常のタービン及びタービン制御システムにおける他の構成要素については便宜上説明を省略する。
【0037】
本発明のシステム、装置及び動作方法について以下に説明する。各実施形態の態様は、プロセッサベース装置、マルチプロセッサシステム及びプロセッサによって処理された場合に本発明の動作をプロセッサに制御させる命令を含む製品に含まれていてもよい。本願明細書における「一実施形態」、「ある実施形態」という記載又は実施形態に関するその他の記載は、当該実施形態に関連して記載する特定の特徴、構造又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれ、その他の実施形態においても使用することができることを意味する。また、本願明細書における上述した用語の使用は、必ずしも全てが同一の実施形態を意味する訳ではない。「又は」という記載は包括的な意味で使用しており、「及び/又は」と同義に解釈されるべきである。
【0038】
装置
図1は、第一の好適な実施形態に係る風力発電装置1を示す。装置1は、少なくとも2以上のタービン20と、底板3及びカバー3aを有するハウジングと、2以上の発電機22と、プリント回路基板(PCB)(後述)と、一対のタービン20及び発電機22をそれぞれ連結する2以上のシャフト60と、を含む。
【0039】
タービン20(又はブレード)は、タービン20の中心を通る垂直軸を中心に回転することが好ましい。ハウジング(3,3a)は、(各タービンに対応する)複数の(例えば交流)発電機22を収容する。各タービンのシャフトは、対応する交流発電機のシャフトに(例えば止めネジによって)直接連結されている。
【0040】
図2は、基部13及びカバー13aを有するハウジングに設けられた2つのタービン20a及び2つの発電機22aを有する風力発電装置の別の実施形態を示す。タービン20aは、
図1に示すタービンと同一であってもよく、異なっていてもよい。なお、特記しない限り、垂直軸タービンの形状は各実施形態において任意に選択することができる。
【0041】
図2Aは、3つのタービン20bを有する別の装置1bを示す。装置1bは、基部及びカバー13bを有するハウジングを含む。それ以外は、装置1bは装置1と同一である。コンタクト13cが装置の一端に設けられている。
【0042】
ブレードのサイズ、色及び材料は任意に変更することができ、ユーザーが選択できることが好ましい。装置の部品は交換可能であることが好ましい。ハウジングの形状、サイズ及び色も任意に変更することができる。
【0043】
装置は、水平面又は垂直面に固定するためのタブ又は傾斜面又は任意の面に固定するためのタブを基部上に有していてもよい。また、装置はタービンが垂直となるように配置しなくてもよい。装置は、横向き又は基部がタービンの上方に位置する上下逆さまの状態で設置することができる。
【0044】
タービンブレードの設計は公知のものであってもよい。
図1及び
図2はサボニウス型ブレードを有するタービンの例を示しているが、ダリウス型ブレード(
図2Aを参照)又はそれらの組み合わせ(
図3を参照)又はその他のブレードを使用することもできる。
【0045】
図3は、複数の発電機103がモータとしても機能し、及び/又は螺旋型(例えば、サボニウス型)ブレードを有するタービン105が自己作動する装置101の実施形態を示す。装置101はバッテリー109を含むことができる。弱風の場合には、タービン105はタービン106(ダリウス型ブレード)よりも容易に作動する。従って、一つのシャフト105aを介してそれに接続された一つの発電機が作動すると、その他の複数の発電機がモータとして作動し、複数のシャフト106a及び複数のタービン106を回転させる。そのため、風が非常に弱い場合であっても、発電機及びタービンの慣性を克服することができる。
【0046】
バッテリー109には装置内で使用されるエネルギーを蓄積し、発電機をモータとして作動させてタービン106を回転させるために使用することができる。内蔵風力センサー109aは、モータを作動させるために十分な風が存在することを検出するために使用することができる。十分な風が存在する場合には、モータとして作動する発電機に電力を生成させることができる。
【0047】
発電機及び発電機の電気的及び機械的接続
最も好適な実施形態では、各タービンに対応して発電機が設けられ、タービンシャフトによってローターを直接駆動する(すなわち、ギア又ギア装置が存在しない)。別の実施形態では、ギア装置、ベルト又はプーリー等を使用して発電機のローターの速度を上昇させることができる。
【0048】
発電機の設計は公知のものであってもよいが、通常の発電機よりも低い毎分回転数(rpm)で作動することが好ましい。そのような要件を満たす例を本願明細書において開示する。
【0049】
図1に示すように、基部3及びカバー3aには発電機22及びワイヤ28が取り付けられ、ワイヤ28は、発電機の出力同士を実質的に直列又は並列に接続する。ワイヤ28(正負ワイヤ)は、基部の端部に設けられたプラグの入力端子30と直列に接続され、基部の出力端子32とも直列に接続されている。基部は好ましくは耐水性を有するか、密閉されており、屋外で使用することができる。また、装置は48V(DC)以下の低電圧装置であることが好ましい。
【0050】
各発電機のローターと基部3との間のシール部26によって装置の耐水性を向上させる。
【0051】
また、装置を設置するためにストラップを使用することができる。その他の設置方法は当業者には明らかであろう。
【0052】
図4は、タービン(例えば22又は22a)の下部(タービンの垂直軸上にあるタービンシャフト60を含む)の概略図である。シャフトは、シャフトが貫通する軸受41を有し、自由に回転することができる。軸受は、ハウジングのカバー3a(又は13a)の上部の一部12に配置されている。各発電機22は、発電機22のローター48及び発電機22が配置される軸受40を含む発電機アセンブリの一部である。軸受は発電機と分離されていてもよく、アセンブリの一部として発電機に組み込まれていてもよい。
【0053】
各発電機は、三相交流軸方向磁束発電機(three phase alternating current axial flux generator)であることが好ましい。各発電機は、複数のコイル42と、複数の永久磁石44と、ステーター46と、軸受40上に配置されたローター48と、複数の絶縁体(stand off)45と、を含む。軸受40は、ハウジングの基部3(又は13)の下部14に取り付けられている。シャフト60は、軸受41だけではなく、軸受40、ローター48及びタービンにも連結されている。ステーター46は、基部の下部14に固定された絶縁体45によって保持(固定)されている。
【0054】
タービンは風の運動エネルギーに押されて回転し、シャフト60を介して風力を機械的エネルギーとしてローター48に伝達し、ローター48が回転する。回転するローター48及び永久磁石44によってコイル42に交流電流及び電圧が生じる。生じた三相交流は整流されて直流(DC)電力が生じる。
【0055】
各発電機22は複数のタービン20の1つによって駆動される。交流電流(AC)電力を生成し、整流回路220を使用して整流して直流電流(DC)としてもよい。各発電機22は、システムに必要とされる電圧及び電流に応じて、スター又はY結線又はデルタ結線によって結線することができる。
【0056】
一例として、以下のパラメータを好適な発電機の設計において使用することができる。
【0058】
例えば、装置は3つの発電機(例えば、各50W)を有し、合計で150Wの電力を出力することができる。ただし、発電機のサイズ及び数は必要に応じて変更することができ、出力電力も必要に応じて変更することができる。1発電機あたり50Wという出力電力は、1m×1/3mの受風面積に基づくものである。別の実施形態では、0.75m
2の受風面積の場合に、タービンは高さ1.5m以下の高さ及び0.5mの直径を有していてもよい。
【0059】
各ユニット1(又は1a又は1b)(
図5には3つの発電機を有するユニット1を示す)は、発電機22と、プリント回路基板と、を含む。プリント基板は、各発電機用の整流回路220、コントローラ230、一端(例えば、入力端)に設けられたコネクタ30、他端(例えば、出力端)に設けられたコネクタ32を含む。
【0060】
コントローラ230は、システム要件に応じて、スター又はデルタ結線又は各発電機22のコイルをリアルタイムで変更することができることが好ましい。また、コントローラ230は、発電機の出力をコネクタ30,32に並列又は直列に接続することが好ましい。また、コントローラ230は、外部機器が装置(1、1a又は1b)に接続されているか否かや、外部機器が電源又はシンクであるか否かを検出することができることが好ましい。コントローラ230が別の装置1等の外部電源を検出した場合には、コントローラ230は入力端のコネクタ30から電力を受け、合計電力出力を出力端のコネクタ32に供給する。
【0061】
コントローラ230が一対のコネクタ(例えば、出力端のコネクタ32)において電気的シンク(外部インバーター等)を検出した場合には、コントローラ230は装置から出力される電圧要件に関してインバーターとネゴシエートするようにプログラムされていてもよい。コントローラ230が一対のコネクタにおいてバッテリー等の電気的シンクを検出した場合には、コントローラは過充電を回避するために外部バッテリーの充電を監視することができる。
【0062】
また、各装置に設けられた各コントローラは、コネクタ30,32を介して接続された他の全てのコントローラと通信するようにプログラムされていてもよい。コントローラは、接続された全ての装置1(1a等)が次段の装置に同一の外部電圧を印加するように電圧出力レベルをネゴシエートすることができる。十分な装置が接続されている場合には、コントローラ230は出力電圧を上昇させて伝達される電流を減少させる必要がある場合がある。また、コントローラ230は、システム健全性又は気象条件を監視するウェブサイト等の外部コントローラから情報を送受信してもよい。
【0063】
また、各コントローラは風速を監視し、各発電機の電気回路を開くか、各発電機22に電力を供給してモーターとして動作させ、対応するタービン20(20a等)に制動作用を与えることができる。いずれの場合も、発電機22が定格出力を超える(発電機が破損する場合がある)ことを防ぐことが目的である。
【0064】
装置のモジュール性
図6及び
図7は、複数の装置をスナップ連結するための装置のハウジングの構造の例を示す。装置301の一端には、例えば機械的レセプター325(溝か空洞)内に2つの電気的レセプター330が設けられている。他端には、隣接する装置の電気的レセプターに嵌め込まれる2つの電気的プラグ(突起)332と、隣接する装置の機械的レセプター325等の機械的レセプターに摩擦的に嵌め込まれる大きさを有する機械的プラグ335と、が設けられている。また、装置の電気的レセプター及びプラグに適合する電気的プラグ及びレセプターを備えたコードを形成し、複数の装置を選択的に連結又はスナップ連結することもできる。装置301はその他の点に関しては装置1と同様であり、タービン20と同様なタービン320と、発電機と、本願明細書に開示するその他の構造と、を有する。
【0065】
図8及び
図9は、実接ぎ機械的接続機構及びばね負荷電気的接続機構を有する装置の概略図を示す。
図8は装置の端面図であり、
図9は装置の上面図である。装置の一端には電気的コンタクト630が設けられ、電気的コンタクト630の間には溝625が設けられている。別の装置の突起部635が溝625に嵌め込まれ、溝625及び突起部635の穴635aを貫通するピン525aによって保持される。ネジを使用する場合には、ナット526を使用してネジを固定することができる。コンタクト630は、ピン(ネジ)525aを挿入した場合に他方の装置のコンタクト632と係合するばね負荷ディスクによって形成することができる。取付穴529を使用して、ネジ又はボルト等によって装置を表面に取り付けることができる。
図9はレイアウトの例を示し、破線は電気的ワイヤ(正負)を示し、円形の実線は発電機を示す。
【0066】
タービンと発電機の接続
好適な実施形態では、
図10(概略上面図)に示すように、タービンと発電機をローターで回転させるが、簡単に交換できるように容易に挿入・除去できるようにタービンを発電機に取り付ける。好ましくはタービン及びローターを含むシャフト60の長さ全体にわたって延びる正方形(又は非円形の断面形状を有する)キー1210が設けられている。シャフトは、シャフトに嵌め込まれるキーの断面形状を有する雌切り欠き(溝)107を有する。溝107は、シャフトの上部から下側の軸受40(
図4を参照)までシャフトの長さ全体にわたって形成され、キーはシャフトに形成された溝に滑り込む。タービン20は、タービンに嵌め込まれるキーの部分に対応する溝を有する。キーはローターと同様にタービンに滑り込む。ローター48及び軸受40,41は、キーを収容する同様の溝を有する。タービンが垂直方向に外れることを防止するためにナット又は他の固定部品を上部に設けることができる。キーは直線的であることが好ましい(ねじれは必要ないため)。また、シャフト60及びキーを一体的に形成することもできる。
【0067】
上記装置を使用した代替エネルギー発電システム
図11に示すように、各装置は好ましくはモジュール式であり、電気ワイヤーを含むコード5で接続するか、プラグ等を使用して直接接続することができる。コード5によって接続された装置はカバー3aを介して接続され、装置1301は直接接続されている。
【0068】
構造の天井6の左側では3つの装置がコード5によって接続されており、右側では3つの装置が直接接続されている。使用条件に応じていずれかの接続形態を使用することが好ましい。例えば、装置を直線経路に沿って配置する場合には、直接接続が好ましい場合がある。装置を互いに対して角度を設けて接続する必要がある場合には、コード5を使用して連結することが好ましい。
【0069】
コード5を使用して装置を連結する場合には、装置の一端にコンセント型コネクタ又は他の雌コネクタを設け、他端にプラグ又は雄コネクタを設けることができる。各コード5は、一端に雄コネクタ5aを有し、他端に雌コネクタ5bを有していてもよい。コードの長さは、用途に応じて変更することができる。
【0070】
好適に使用されるコードはプラグインコネクタ(例えば、一端に設けられた雄コネクタと他端に設けられた雌コネクタ)であり、電源装置及び/又は装置は一体的なコードを使用して構成することもできる。
【0071】
また、各代替エネルギー発電装置は同一に構成するか、少なくとも端部において同一に構成することが最も好ましい。従って、接続された一連の装置のいくつかをコードによって連結し、その他の装置をスナップ又は摩擦連結することができる。
【0072】
図11は代替エネルギー発電システムを示す。装置はモジュール式に構成され、比較的小さなローター(発電機)を使用していても、各装置によって生成された少量のエネルギーを加算することができる。例えば、各発電機及びタービンは、1発電機あたり100W未満の電力を生成し、ローター回転数を1000rpm未満とするようなサイズ及び組み合わせにすることができる。
【0073】
図11はそれぞれが3つの装置からなる2組の装置を示している。各組は、長尺コード15(又はワイヤー)によって電源装置17に接続されている。通常、電源装置17は、複数のコンセント(差し込み口)17aを有する標準的な(厚みは大きい)テーブルタップ(power strip)のような形状を有し、壁コンセント18に接続することができる。また、電源装置17は、他端において代替エネルギー発電装置に接続される長尺コード15の差し込み口を有し、代替エネルギー発電装置から電気的出力の供給を受けることができる。電源装置は、代替エネルギー発電装置によって充電される1又は複数のバッテリー17b又はインバーター17cを含むことができる。
【0074】
電源装置17は、電子装置(携帯電話充電器、iPod(登録商標)、ノートパソコン等)のための複数の電源コンセント17aを有する。
【0075】
図11には、ノートパソコン19a、携帯電話19b、ラジオ19c、カメラ19d、別の携帯電話19e及び機器(比較的少量の電力を消費する装置又は機器(カメラ、携帯電話、ノートパソコン、クロックラジオ等)等の小型装置を例として示している。
【0076】
また、電源装置は、システムの代替エネルギー発電装置による電力が不足した場合のための通常の電源コンセントを任意に有していてもよい。また、電源装置は、風力発電装置から供給を受けた余分な電気エネルギーを蓄積するために、リチウムバッテリー等のバッテリーを任意に有していてもよく、バッテリーを有することが好ましい。
【0077】
図11には、建物120の一階100のための代替エネルギー発電システム及び二階140のための代替エネルギー発電システムを示している。代替エネルギー発電システムをさらに追加することもできる。追加の装置を3つの装置(例えば、装置1301)に接続するか、他の3つの装置(カバー3aを有する)にコードによって連結することもできる。
【0078】
上述したように、各装置は複数のタービン及び複数の発電機を有し、特にプラスチックからなる場合にはタービンは非常に軽量であるため、各装置は非常に弱風(軽風)のエネルギーを取得する。小さな発電機及び小さなタービンを使用することにより、タービンを回転させ、発電機(巻線(windings))の慣性を克服するために必要なエネルギーを減少させることができる。装置は全方向動作する(すなわち、実質的に全方向からの弱風で動作する)ことができる。
【0079】
装置及びシステムは自己作動する、すなわち、弱風で作動することが好ましい。螺旋状のブレード配列によって自己作動を容易にすることが一つの方法であり、その他の方法も使用することができる。また、各装置に風センサーとバッテリーを設け、バッテリーは、静的慣性モーメントを克服するには不十分だが、動的慣性モーメントを克服するには十分な風速に達した場合に発電機を回転させてもよい。例えば、
図12に示す実施形態において、ソーラーパネルを有するハイブリッド装置は内蔵バッテリーを有し、風速が動的慣性モーメントに達したか、超えた場合に太陽エネルギーを使用してタービンを作動させてもよい。
【0080】
図12は、
図11のシステムと同様な別の実施形態を示しているが、代替エネルギー発電装置の少なくともいくつかがハイブリッド装置であるか、システムが異なる装置を含んでいる(又はその両方)。具体的には、コードで連結された3つの装置(左側)の1つは、(支柱403a上に設けられた)小型ソーラーパネル403と、2つの風力タービン20と、1つのハウジング402と、を有するハイブリッド装置401である。従って、太陽光が十分である場合には、装置は風がない場合でも少なくとも多少のエネルギーを生成することができる。そのようなエネルギーは、タービンを回転させ続けるには十分だが、タービンに対応する発電機の慣性モーメントを克服するためには十分ではない弱風条件下においてタービンを作動させるために使用することができる。また、コードで連結された3つの装置の別の1つは、複数の太陽のパネル403及びハウジング402aを有する。ソーラーパネルは電気エネルギーを生成するため、ソーラーパネルに対応して発電機を基部に設ける必要はない。その代わりに、(タービンに対応する)発電機の正負ワイヤを接続する正負端子を設ける。
【0081】
また、建物の天井の右側には、3つのソーラーパネル403を備えたハウジング402bを有する装置と、2つの支柱403b上の大型ソーラーパネル403cを支持するハウジング402cを有する2つの装置を示している。これらの装置はタービンを有していてもよく、
図14に示すような構成を有することができる。
図14では、ソーラーパネルを支持するためにタービンの基部に取り付けることができる取付ブラケットが設けられている。
【0082】
図13は、タービン代替エネルギー発電装置群から電力の供給を受ける電源装置に必要に応じて接続することができる太陽電池を使用した構成を示す。従って、各電源装置はタービン発電装置及び/又は太陽電池のための複数の接続部(inlet)を有することができる。
図14は、装置1a(本発明に係る装置1又は他の装置であってもよい)を横方向の取付状態を示す。
【0083】
図14に示すように、3つの代替エネルギー発電装置又はユニット1b(装置1又は1aと同一又は実質的に同一であってもよく、ブラケット801を支持する構造を備える)によって支持されたブラケット801にソーラーパネル800が取り付けられている。そのような構造は当業者には明らかであると思われる。
【0084】
汎用性及びスタンドアロンの使用
図15に示すように、装置及びシステムの様々なスタンドアロンの使用が考えられる。例えば、閉鎖型システムにおける走行速度表示装置、公衆電話ボックス、セキュリティ装置及び照明が例として挙げられる。また、クリスマスのイルミネーション又は電子掲示板に電力を供給したり、(キャンプ用の)携帯用電源又はブイを点灯させるための電源等のその他の無数のスタンドアロンの使用が考えられる。そのような場合には、上述した実施形態と同様に、様々な条件下で電力を供給するハイブリッドシステムを実現するために装置/システムを太陽発電装置と組み合わせることができる。
【0085】
例えば、
図15は、フリーウェイサイン、掲示板、街灯、速度計又はビデオカメラ等の遠隔装置901に取り付けられた代替エネルギー発電装置1を有することができる閉鎖型システム900を示している。遠隔装置901はバッテリー902を含むことができる。また、バッテリー902に接続されたソーラーパネル903を使用する太陽発電装置を設けることもできる。バッテリー902は、遠隔装置に接続するためのケーブル(ワイヤ)908を有することができる。遠隔装置901は地面に直接配置されていてもよく、支持体904によって遠隔構造、装置、車両又は場所905(例えば、高速道路、中央分離帯、埠頭、ドック、農場、ビーチ、ボート、車両、トラック、燈台、ブイ、建物、タワー、給水塔、フェンス、高層建築物、キャンプ場、テント、RV、道具小屋等)に配置されていてもよい。
【0086】
特定の用語、装置及び/又は方法を使用して本発明について説明したが、上記説明は好適な実施形態を例示することのみを目的とするものである。特許請求の範囲に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、当業者は好適な実施形態に様々な変更を加えることができる。また、好適な実施形態の態様は全体又は一部を入れ替えることができる。