【実施例1】
【0012】
以下、本発明のLANケーブル作業区画冶具の実施例について、図面を参照して説明する。
本発明の一実施例によるLANケーブル作業区画冶具は、2つの仕分け板10と、4本のロック棒21と、左側接続コネクタ30Lおよび右側接続コネクタ30Rと、2つの90°用仕切り板41と、2つの75°用仕切り板42と、2つの60°用仕切り板43とを具備する。
なお、以下の説明では、仕分け板10の
図1(a)紙面表側の面を「上面」、同図紙面裏側の面を「下面」、同図紙面上側の面を「前面」、同図紙面下側の面を「後面」、同図紙面左側の面を「左側面面」、同図紙面右側の面を「右側面面」、同図紙面横方向の長さを「横寸法」、同図紙面縦方向の長さを「縦寸法」、同図紙面に垂直方向の長さを「厚さ寸法」とする。
【0013】
仕分け板10は、
図1(a),(b)に示すように、仕分け板10を左側接続コネクタ30Lおよび右側接続コネクタ30Rに取り付けるための仕分け板取付板11(横600mm×縦20mm×厚さ10mm)と、蛇腹部材12(開いた状態の縦寸法≒100mm)と、後面(蛇腹部材12と反対側の面)が仕分け板取付板11の前面(蛇腹部材12側の面)に固定された蛇腹部材取付板13(横400mm×縦10mm×厚さ8mm)と、蛇腹部材取付板13と同一形状および同一寸法の蛇腹部材開閉板14とを備える。
【0014】
仕分け板取付板11の上面および下面の左右端部には、溝11a(左上面溝、左下面溝、右上面溝、右下面溝)が、仕分け板取付板11の前面から後面まで仕分け板取付板11の左右側面に平行に形成されている。
【0015】
蛇腹部材12は、後面が蛇腹部材取付板13の前面に取り付けられるとともに前面が蛇腹部材開閉板14の後面に取り付けられており、蛇腹部材開閉板14を仕分け板取付板11と反対側に向かって引くと開くようにされている。
【0016】
蛇腹部材取付板13および蛇腹部材開閉板14の左右側面には、開口面が矩形状とされた差込穴13a,14a(第1および第2の左側差込穴と第1および第2の右側差込穴)が形成されている。
また、ロック棒21は、
図1(b)に示すように、両端部が直角に同じ向きに曲げられた1本の金属矩形断面棒(両端部間の長さ=100mm)から構成されている。
これにより、同図に矢印で示すように2本のロック棒21の一方の端部を蛇腹部材取付板13の左右側面に形成された差込穴14a(第1の左側および右側差込穴)にそれぞれ差し込むとともに2本のロック棒21の他方の端部を蛇腹部材開閉板14の左右側面に形成された差込穴13a(第2の左側および右側差込穴)にそれぞれ差し込むと、蛇腹部材取付板13を中心軸として蛇腹部材12および蛇腹部材開閉板14が回転することなく蛇腹部材12を開いた状態に保つことができるようにされている。
【0017】
左側接続コネクタ30Lは、
図1(c)に示すように、後面(同図紙面右側の面)が平面とされるとともに前面が曲面とされた板状(横80mm×縦100mm×厚さ40mm)のものである。
左側接続コネクタ30Lの後面には、左側接続コネクタ30Lをパッチパネル架のフレーム2に吸着させて取り付けるための平板状の磁石(不図示)が取り付けられている。
右側接続コネクタ30Rについても同様である(
図1(d)参照)。
【0018】
左側接続コネクタ30Lの右側面31R(
図1(c)紙面表側の面)には、第1乃至第4の左側仕分け板取付板差込溝32L
1〜32L
4(1組の第1乃至第4の左側仕分け板取付板差込溝)が、左側接続コネクタ30Lの前面から左側接続コネクタ30Lの横方向の中央部付近まで形成されている。
ここで、左側接続コネクタ30Lを上下に2等分する線を「左側2等分線」とすると、第1の左側仕分け板取付板差込溝32L
1は、その長手方向に沿った延長線と左側2等分線とのなす角が45°(時計回りを+とする。以下同様。)となるように形成されており、第2の左側仕分け板取付板差込溝32L
2は、その長手方向に沿った延長線と左側2等分線とのなす角が30°となるように形成されており、第3の左側仕分け板取付板差込溝32L
3は、その長手方向に沿った延長線と左側2等分線とのなす角が−30°となるように形成されており、第4の左側仕分け板取付板差込溝32L
4は、その長手方向に沿った延長線と左側2等分線とのなす角が−45°となるように形成されている。
すなわち、第1乃至第4の左側仕分け板取付板差込溝32L
1〜32L
4は、第1および第4の左側仕分け板取付板差込溝32L
1,32L
4の長手方向に沿った延長線が90°で交差し、第1および第3の左側仕分け板取付板差込溝32L
1,32L
3の長手方向に沿った延長線が75°で交差し、第2および第4の左側仕分け板取付板差込溝32L
2,32L
4の長手方向に沿った延長線が75°で交差し、第2および第3の左側仕分け板取付板差込溝32L
2,32L
3の長手方向に沿った延長線が60°で交差するように、形成されている。
【0019】
右側接続コネクタ30Rの左側面31L(
図1(d)紙面表側の面)には、
図1(d)に示すように、第1乃至第4の右側仕分け板取付板差込溝32R
1〜32R
4(1組の第1乃至第4の右側仕分け板取付板差込溝)が、右側接続コネクタ30Rの前面(同図紙面右側の面)から右側接続コネクタ30Rの横方向の中央部付近まで形成されている。
ここで、右側接続コネクタ30Rを上下に2等分する線を「右側2等分線」とすると、第1の右側仕分け板取付板差込溝32R
1は、その長手方向に沿った延長線と右側2等分線とのなす角が−45°となるように形成されており、第2の右側仕分け板取付板差込溝32R
2は、その長手方向に沿った延長線と右側2等分線とのなす角が−30°となるように形成されており、第3の右側仕分け板取付板差込溝32R
3は、その長手方向に沿った延長線と右側2等分線とのなす角が30°となるように形成されており、第4の右側仕分け板取付板差込溝32R
4は、その長手方向に沿った延長線と右側2等分線とのなす角が45°となるように形成されている。
すなわち、第1乃至第4の右側仕分け板取付板差込溝32R
1〜32R
4は、第1および第4の右側仕分け板取付板差込溝32R
1,32R
4の長手方向に沿った延長線が90°で交差し、第1および第3の右側仕分け板取付板差込溝32R
1,32R
3の長手方向に沿った延長線が75°で交差し、第2および第4の右側仕分け板取付板差込溝32R
2,32R
4の長手方向に沿った延長線が75°で交差し、第2および第3の右側仕分け板取付板差込溝32R
2,32R
3の長手方向に沿った延長線が60°で交差するように、形成されている。
【0020】
第1の左側仕分け板取付板差込溝32L
1の左側接続コネクタ30Lの右側面31Rの開口面側の上部および下部には、
図3(a),(b)に示すように仕分け板10をスライドさせて左側接続コネクタ30Lに取り付ける際に仕分け板取付板11の2つの溝11aにそれぞれ挿入されて仕分け板10を案内するための2本の案内用レール部がそれぞれ形成されている。
第2乃至第4の左側仕分け板取付板差込溝32L
2〜32L
4と第1乃至第4の右側仕分け板取付板差込溝32R
1〜32R
4とについても同様である。
これにより、仕分け板10を左側および右側接続コネクタ30L,30Rにスムーズに取り付けることができるとともに、仕分け板10を左側および右側接続コネクタ30L,30Rを取り付けたのちに左側または右側接続コネクタ30L,30Rが左右方向に動いても仕分け板10が左側および右側接続コネクタ30L,30Rから外れることを防止することができる。
【0021】
なお、左側接続コネクタ30Lの第1の左側仕分け板取付板差込溝32L
1に差し込んだ仕分け板取付板11が第1の左側仕分け板取付板差込溝32L
1から抜け出さないように、第1の左側仕分け板取付板差込溝32L
1の奥側の上面および下面に板バネを設けて、差し込んだ仕分け板取付板11と第1の左側仕分け板取付板差込溝32L
1の上面および下面との間の隙間に板バネが押し潰されるようにするか、第1の左側仕分け板取付板差込溝32L
1に差し込んだ仕分け板取付板11の手前の位置の第1の左側仕分け板取付板差込溝32L
1の上面および下面に板バネを設けて、差し込んだ仕分け板取付板11の前面を板バネで押えるようにしてもよい。
第2乃至第4の左側仕分け板取付板差込溝32L
2〜32L
4および第1乃至第4の右側仕分け板取付板差込溝32R
1〜32R
4についても同様である。
【0022】
2つの90°用仕切り板41は、1つの仕分け板10を左側接続コネクタ30Lの第1の左側仕分け板取付板差込溝32L
1および右側接続コネクタ30Rの第1の右側仕分け板取付板差込溝32R
1に取り付けるとともに他の1つの仕分け板10を左側接続コネクタ30Lの第4の左側仕分け板取付板差込溝32L
4および右側接続コネクタ30Rの第4の右側仕分け板取付板差込溝32R
4に取り付け、左側および右側接続コネクタ30L,30Rをフレーム2に取り付け、2つの仕分け板10の蛇腹部材12を開いたのちに、ロック棒21で蛇腹部材12を固定し、2つの仕分け板10の蛇腹部材12の間に差し込んで、2つ枚の仕分け板10の蛇腹部材12と共に作業箇所を区画するためのものである(
図6参照)。
そのため、90°用仕切り板41は、
図2(a)に示すように、後面(同図右側の面)が上底面とされ、前面が下底面とされるとともに下底の端点にある2つの角が45°とされた等脚台形板の形状を有する。
【0023】
2つの75°用仕切り板42は、1つの仕分け板10を左側接続コネクタ30Lの第2の左側仕分け板取付板差込溝32L
2および右側接続コネクタ30Rの第2の右側仕分け板取付板差込溝32R
2に取り付けるとともに他の1つの仕分け板10を左側接続コネクタ30Lの第4の左側仕分け板取付板差込溝32L
4および右側接続コネクタ30Rの第4の右側仕分け板取付板差込溝32R
4に取り付けるか1つの仕分け板10を左側接続コネクタ30Lの第1の左側仕分け板取付板差込溝32L
1および右側接続コネクタ30Rの第1の右側仕分け板取付板差込溝32R
1に取り付けるとともに他の1つの仕分け板10を左側接続コネクタ30Lの第3の左側仕分け板取付板差込溝32L
3および右側接続コネクタ30Rの第3の右側仕分け板取付板差込溝32R
3に取り付け、左側および右側接続コネクタ30L,30Rをフレーム2に取り付け、2つの仕分け板10の蛇腹部材12を開いたのちに、ロック棒21で蛇腹部材12を固定し、2つの仕分け板10の蛇腹部材12の間に差し込んで、2つの仕分け板10の蛇腹部材12と共に作業箇所を区画するためものである。
そのため、75°用仕切り板42は、
図2(b)に示すように、後面(同図右側の面)が上底面とされ、前面が下底面とされるとともに下底の端点にある2つの角が52.5°とされた等脚台形板の形状を有する。
【0024】
2つの60°用仕切り板43は、1つの仕分け板10を左側接続コネクタ30Lの第2の左側仕分け板取付板差込溝32L
2および右側接続コネクタ30Rの第2の右側仕分け板取付板差込溝32R
2に取り付けるとともに他の1つの仕分け板10を左側接続コネクタ30Lの第3の左側仕分け板取付板差込溝32L
3および右側接続コネクタ30Rの第3の右側仕分け板取付板差込溝32R
3に取り付け、左側および右側接続コネクタ30L,30Rをフレーム2に取り付け、2つの仕分け板10の蛇腹部材12を開いたのちに、ロック棒21で蛇腹部材12を固定し、2つの仕分け板10の蛇腹部材12の間に差し込んで、2つの仕分け板10の蛇腹部材12と共に作業箇所を区画するためのものである。
そのため、60°用仕切り板43は、同図(c)に示すように、後面(同図右側の面)が上底面とされ、前面が下底面とされるとともに下底の端点にある2つの角が60°とされた等脚台形板の形状を有する。
【0025】
このように、左側および右側接続コネクタ30L,30Rに4本の仕分け板取付板差込溝(第1乃至第4の左側仕分け板取付板差込溝32L
1〜32L
4と第1乃至第4の右側仕分け板取付板差込溝32R
1〜32R
4)を形成するとともに90°、75°および60°用仕切り板41〜43を2つずつ備えることにより、作業対象LANケーブルの上下左右に配置された4本のLANケーブルとの間の間隔に応じて2つの仕分け板10を左側および右側接続コネクタ30L,30Rに取り付ける角度を変えて作業個所を区画することができる。
【0026】
次に、本実施例によるLANケーブル作業区画冶具の使用方法について、
図4(a)に示すようにパッチパネル1の第2行目(p=2)の第4列目(q=4)に配置された第10のLANケーブル3
10を作業対象LANケーブルとするとともに2つの仕分け板10の蛇腹部材12がなす角を90°とする場合を例として、
図4乃至
図6を参照して説明する。
【0027】
作業員は、
図4(b)に矢印で示すように、1つの仕分け板10(以下、「第1の仕分け板10」と称する。)を、蛇腹部材開閉板14が手前となるようにして、パッチパネル1の第1行目に配置された第1乃至第6のLANケーブル3
1〜3
6とパッチパネル1の第2行目に配置された第7乃至第12のLANケーブル3
7〜3
12との間に同図左側から第1乃至第6のLANケーブル3
1〜3
6を潜らせて挿入したのち、他の1つの仕分け板10(以下、「第2の仕分け板10」と称する。)を、蛇腹部材開閉板14が手前となるようにして、パッチパネル1の第2行目に配置された第7乃至第12のLANケーブル3
7〜3
12とパッチパネル1の第3行目に配置された第13乃至第18のLANケーブル3
13〜3
18との間に同図左側から第7乃至第12のLANケーブル3
7〜3
12を潜らせて挿入する。
【0028】
続いて、作業員は、第1の仕分け板10の仕分け板取付板11の左右端部を左側接続コネクタ30Lの第1の左側仕分け板取付板差込溝32L
1および右側接続コネクタ30Rの第1の右側仕分け板取付板差込溝32R
1に差し込んでいったのち、第2の仕分け板10の仕分け板取付板11の左右端部を左側接続コネクタ30Lの第4の左側仕分け板取付板差込溝32L
4および右側接続コネクタ30Rの第4の右側仕分け板取付板差込溝32R
4に差し込んでいって、第1および第2の仕分け板10を左側および右側接続コネクタ30L,30Rに取り付ける。その後、作業員は、
図5(a)に示すように、左側接続コネクタ30Lの裏面(磁石が取り付けられている。)をパッチパネル架のフレーム2に吸着させるとともに右側接続コネクタ30Rの裏面(磁石が取り付けられている。)をパッチパネル架のフレーム2に吸着させて、左側および右側接続コネクタ30L,30Rをフレーム2に取り付ける。
【0029】
続いて、作業員は、
図5(b)に矢印で示すように、第1の仕分け板10の蛇腹部材開閉板14を手前斜め45°上に向かって引くことにより第1の仕分け板10の蛇腹部材12を開いたのち、第2の仕分け板10の蛇腹部材開閉板14を手前斜め45°下に向かって引くことにより第2の仕分け板10の蛇腹部材12を開く。
これにより、第1の仕分け板10の蛇腹部材12と第2の仕分け板10の蛇腹部材12とは90°の角度をもって上下に開かれる。
【0030】
続いて、作業員は、
図6に示すように、第1の仕分け板10の蛇腹部材取付板13の左端部に形成された差込穴13aおよび第1の仕分け板10の蛇腹部材開閉板14の左端部に形成された差込穴14aに1本のロック棒21の両端部を差し込むとともに、第1の仕分け板10の蛇腹部材取付板13の右端部に形成された差込穴13aおよび第1の仕分け板10の蛇腹部材開閉板14の右端部に形成された差込穴14aに他の1本のロック棒21の両端部を差し込むことにより、第1の仕分け板10の蛇腹部材12を開いた状態に保つ。その後、作業員は、第2の仕分け板10の蛇腹部材取付板13の左端部に形成された差込穴13aおよび第2の仕分け板10の蛇腹部材開閉板14の左端部に形成された差込穴14aに別の1本のロック棒21の両端部を差し込むとともに、第2の仕分け板10の蛇腹部材取付板13の右端部に形成された差込穴13aおよび第2の仕分け板10の蛇腹部材開閉板14の右端部に形成された差込穴14aに更に別の1本のロック棒21の両端部を差し込むことにより、第2の仕分け板10の蛇腹部材12を開いた状態に保つ。
これにより、パッチパネル1の第1行目に配置された第1乃至第6のLANケーブル3
1〜3
6の接続部分は、第1の仕分け板10の蛇腹部材12に載せられて45°斜め上側に向かって上げられるとともに、パッチパネル1の第2行目に配置された第7乃至第12のLANケーブル3
7〜3
12の接続部分は、第2の仕分け板10の蛇腹部材12に載せられて45°斜め下側に向かって下げられる。
【0031】
続いて、作業員は、2つの90°仕切り板41(以下、同図左側の90°仕切り板41を「第1の90°仕切り板41」と称し、同図右側の90°仕切り板41を「第2の90°仕切り板41」と称する。)を、第1の仕分け板10の蛇腹部材12と第2の仕分け板10の蛇腹部材12と共に第10のLANケーブル3
10(作業対象LANケーブル)を取り囲むように、かつ、パッチパネル1の前面に対して垂直に、後面から先に挿入して少し左右にそれぞれ移動したのち、第10のLANケーブル3
10の真上に接続された第4のLANケーブル3
4を第1の90°仕切り板41の同図左側に位置するように移す。
これにより、作業員は、作業箇所(第10のLANケーブル3
10の接続箇所)を簡単に区画することができる。