特許第5894449号(P5894449)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5894449
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月30日
(54)【発明の名称】ラベル発行装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/70 20060101AFI20160317BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20160317BHJP
   B65C 9/46 20060101ALI20160317BHJP
【FI】
   B41J11/70
   B41J3/36 T
   B65C9/46
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-17349(P2012-17349)
(22)【出願日】2012年1月30日
(65)【公開番号】特開2013-154553(P2013-154553A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2015年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】林 光信
【審査官】 藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−244087(JP,A)
【文献】 特開2003−260832(JP,A)
【文献】 特開2009−166869(JP,A)
【文献】 特開2010−228209(JP,A)
【文献】 特開2011−016300(JP,A)
【文献】 特開2011−235595(JP,A)
【文献】 実開昭53−088146(JP,U)
【文献】 米国特許第06786263(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/315−2/345, 2/42−2/425,
2/475−2/48,3/01−3/54,3/62,
11/00−11/70,15/00−15/24
B65C1/00−11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台紙レスのラベルシートに印字を行い、切断し、ラベルを前方へ出すラベル発行装置であって、
ラベルシートの下面に接触して搬送する上流側ローラ及び下流側ローラと、
前記上流側ローラ及び前記下流側ローラの間にあるラベルシートを切断する切断装置と、
前記切断装置の上流側においてラベルシートに印字する印字装置と、
前記下流側ローラへの接近状態と離反状態との切替ができるラベル押さえ部材と、
前記ラベル押さえ部材を制御する制御部と、
を備えた、
ラベル発行装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ラベル押さえ部材を前記ラベルシートに印字中に、前記離反状態にする、
請求項1に記載のラベル発行装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記ラベル押さえ部材を前記ラベルシート切断時に、前記接近状態にする、
請求項1又は2に記載のラベル発行装置。
【請求項4】
前記ラベル押さえ部材は、前記下流側ローラよりも前方に張り出していない、
請求項1〜3のいずれかに記載のラベル発行装置。
【請求項5】
前記ラベル押さえ部材は、その横断面がL字型になっている、
請求項1〜4のいずれかに記載のラベル発行装置。
【請求項6】
負圧により前記ラベルを吸着して搬送するラベル吸着搬送部、
をさらに備えた、
請求項1〜5のいずれかに記載のラベル発行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、粘着面に台紙が付いていない台紙レスのラベルシートを用いてラベルを印字発行するラベル発行装置が存在する。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2004―262017号公報)や、特許文献2(特開2009―166869号公報)には、台紙レスのラベルシートを用いるラベル発行装置が開示されている。これらのラベル発行装置は、印字部においてラベルシートの印字面に印字をした後、切断部においてラベルシートをラベルに切断し、発行口からラベルを出す。ラベルシートは、印字部から発行口までローラにより搬送される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1や特許文献2に記載の台紙レスのラベルシートを用いるラベル発行装置では、発行口付近では、ラベルシートを上下に対向して設けられたローラにより上下から挟んでいる。しかし、このような構成では、印字部によりラベルシートに印字中にラベルシートの先端がローラに挟まれることになり、その際にラベルシートが撓んだり、搬送方向からズレたりして印字に悪影響を及ぼす問題が発生する。
【0005】
そこで、安定した印字が可能な台紙レスのラベルシートを用いるラベル発行装置が要望されている。
【0006】
本発明の課題は、安定した印字が可能な台紙レスのラベルシートを用いるラベル発行装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るラベル発行装置は、台紙レスのラベルシートに印字を行い、切断し、ラベルを前方へ出すラベル発行装置である。ラベル発行装置は、上流側ローラ及び下流側ローラと、切断装置と、印字装置と、ラベル押さえ部材と、制御部とを備える。上流側ローラ及び下流側ローラは、ラベルシートの下面に接触して搬送する。切断装置は、上流側ローラ及び下流側ローラの間にあるラベルシートを切断する。印字装置は、切断装置の上流側においてラベルシートに印字する。ラベル押さえ部材は、下流側ローラへの接近状態と離反状態との切替えができる。制御部は、ラベル押さえ部材を制御する。
【0008】
本発明に係るラベル発行装置では、ラベル押さえ部材は、下流側ローラへの接近状態と離反状態との切替えが可能である。したがって、ラベル押さえ部材により、ラベルシートを適宜押さえたり離したりすることができる。これにより、印字への影響を抑制することが可能となる。よって、安定した印字が可能な台紙レスのラベルシートを用いるラベル発行装置を提供することができる。
【0009】
また、制御部は、ラベル押さえ部材をラベルシートに印字中に、離反状態にすることが好ましい。
【0010】
ここでは、ラベル押さえ部材による印字への影響を抑制することが出来る。
【0011】
また、制御部は、ラベル押さえ部材をラベルシート切断時に、接近状態にすることが好ましい。
【0012】
ここでは、切断時にラベルシートをラベル押さえ部材により押さえることにより、安定してラベルシートを切断することが可能となる。
【0013】
また、ラベル押さえ部材は、下流側ローラよりも前方に張り出していないことが好ましい。
【0014】
ここでは、ラベル押さえ部材に妨害されずに、発行されたラベルを取り上げることが可能となる。
【0015】
また、ラベル押さえ部材は、その横断面がL字型になっていることが好ましい。
【0016】
ここでは、横断面がL字型になっているため、ラベル押さえ部材は、下流側ローラ上からラベルを取り上げるのを妨害しない。
【0017】
また、ラベル発行装置は、負圧によりラベルを吸着して搬送するラベル吸着搬送部をさらに備えることが好ましい。
【0018】
ここでは、ラベル吸着搬送部をさらに備えることにより、ラベルを自動で商品等に貼り付けることが出来る。
【0019】
また、ラベル吸着搬送部は、ラベル押さえ部材とは非接触の状態を保ちながら下流側ローラの上方空間に入り込んで、ラベルを吸着することが好ましい。
【0020】
ここでは、ラベル吸着搬送部は、ラベル押さえ部材に妨害されずにラベルを吸着することが出来る。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るラベル発行装置では、安定した印字が可能な台紙レスのラベルシートを用いるラベル発行装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係るラベル発行装置を備えた包装装置の外観斜視図。
図2】本発明の一実施形態に係るラベル発行装置の外観斜視図。
図3】ラベル発行装置の正面図。
図4】ラベル発行装置の側面図。
図5図3のラベル発行装置のV−V断面図。
図6】ラベル発行装置の制御部のブロック図。
図7】ラベル発行装置の動作を説明する模式図。
図8】ラベル発行装置の動作を説明する模式図。
図9】ラベル発行装置の動作を説明する模式図。
図10】ラベル発行装置の動作を説明する模式図。
図11】ラベル発行装置の動作を説明する模式図。
図12】ラベル発行装置の動作を説明する模式図。
図13】ラベル発行装置の動作を説明する模式図。
図14】ラベル発行装置の動作を説明する模式図。
図15】ラベル発行装置の各部の動作タイミングチャート。
図16】変形例に係るラベル発行装置の各部の動作タイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態に係るラベル発行装置100について、以下、図を参照しながら説明する。なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。
【0024】
(1)全体構成
図1は、ラベル発行装置100を備えた包装装置1の外観斜視図である。包装装置1は、ラベル発行装置100のほか、計量搬入機構2、包装ステーション3、及びフィルムロールFR等を備えている。包装装置1は、計量搬入機構2により食品等の商品を計量し、包装ステーション3により商品をトレーTに入れ、トレーTに入った商品をフィルムで包装し、前方へ出す。ラベル発行装置100は、包装された商品TGに貼り付けるためのラベルを前方へ発行する。また、ラベル発行装置100は、発行したラベルを包装された商品TGに自動で貼るためのラベル貼り機構111も備えている。なお、ここで前方とは、図1に示す方向である。また、図中にFとして示されているのは、フィルムのロールである。
【0025】
図1に示すように、包装装置1の本体1aの上部には、表示パネル94、操作キー95などを備えたコンピュータから成る制御部109が配置されている。この制御部109は、上記の各機構の作動を制御するとともに、計量搬入機構2により計量された商品の重量を示す信号に基づいて商品の価格の算出等を行い、商品の重量や価格等をラベルに印字するラベル発行装置100の作動を制御している。表示パネル94は、タッチパネル式のディスプレイであり、パネル上に操作ボタンも配される。また、コンピュータ内には記憶部96も収められており、記憶部96には、表示パネル94や操作キー95などから入力された、あるいは外部の装置から転送されたフィルムに関するデータ96a、被包装物に関するデータ96bおよびトレーTに関するデータ96cが記憶されている。
【0026】
(2)ラベル発行装置100の詳細構成
次に、図を参照しながらラベル発行装置100の詳細構成について説明する。
【0027】
図2は、ラベル発行装置100の外観斜視図である。図3は、ラベル発行装置100の正面図である。図4は、ラベル発行装置100の側面図である。図5は、図3のV−V断面図である。
【0028】
ラベル発行装置100は、ラベルシートロール・ホルダー101、3つの搬送ローラR1、R2、R3、印字ヘッドP、カッター機構C、ラベル押さえ機構102、ラベル保持部103、及びラベル貼り機構111を備えている。また、上述の制御部109もラベル発行装置100の構成要素である。ラベル発行装置100は、台紙レスのラベルシートLsに印字を行い、切断し、ラベルLbを前方へ出す。
【0029】
ラベルシートLsは、帯状の紙材であり、一方の面が印字面となっており、他方の面が粘着面となっている。印字面は、感熱発色層及びその上面にシリコン等からなる剥離層が形成されている。粘着面には、粘着性のある接着剤層が形成されている。しかし、粘着面には、台紙は付いていない。即ち、ラベルシートLsは、台紙レスである。
【0030】
ラベルシートロール・ホルダー101は、ロール状になったラベルシートLs(ラベルシート・ロールLsR)を回転可能に保持する機構である。ラベルシートロール・ホルダー101は、嵌合部101aと、ストッパー101bと、回転軸101cとを有する。嵌合部101aは、金属製の回転軸101cの周りに設けられた略8角形をした金属製の部材である。嵌合部101aは、ラベルシート・ロールLsRの芯部分に形成された孔に嵌合する。嵌合部101aに装着されたラベルシート・ロールLsRの外側からストッパー101bが回転軸101cの先端に装着され、ラベルシート・ロールLsRが抜けないように固定する。
【0031】
3つの搬送ローラR1、R2、R3は、ラベルシートLsの下面に接し、ラベルシートLsを前後方向に搬送する。即ち、搬送ローラR1、R2、R3は、ラベルシートLsの搬送経路を形成している。なお、搬送されるラベルシートLsの下面は、粘着面である。搬送ローラR1、R2、R3の表面はゴム製であり、全面に複数の凹凸が設けてある。これにより、ラベルシートLsの粘着面が当該表面に粘着しにくくなっている。一番下流の搬送ローラR1を第1ローラR1、一番上流の搬送ローラR3を第3ローラR3、第1ローラR1と第3ローラR3との間に位置する搬送ローラR2を第2ローラR2と呼ぶ。第2ローラR2は、図示しないステッピングモータにより回転駆動される。第2ローラR2と第3ローラ3は、ベルトBにより連結されており、第3ローラR3は、第2ローラR2と一緒に回転するようになっている。第2ローラR2の回転軸には、ギヤG3が設けられており、第2ローラR2の前方向の回転、即ちギヤG3の前方回転は、ギヤG2を介して、第1ローラR1の回転軸に取り付けられたギヤG1に伝わるようになっている。したがって、第1ローラR1は、第2ローラR2が前方向に回転すると一緒に前方向に回転する。しかし、ギヤG3が後ろ方向に回転した場合、ギヤG3とギヤG2とが噛み合わなくなっている。即ち、第2ローラR2の後方向の回転は、第1ローラR1に伝わらないように構成されている。したがって、第2ローラR2が後方向に回転しても第1ローラR1は、後方向に回転しない。
【0032】
印字ヘッドPは、第2ローラR2の上方に位置し、ラベルシートLsの印字面の感熱発色層を熱により発色させることにより、商品の重量や価格等をラベルシートLsに印字する。ラベルシートLsの印字面は、ラベルシートLsを搬送ローラR1、R2、R3により搬送している状態では、上面である。
【0033】
カッター機構Cは、第1ローラR1と第2ローラR2との間、即ち印字ヘッドPよりもラベルシートLsの搬送経路における下流に位置し、印字ヘッドPにより印字されたラベルシートLsを所定の位置で切断し、印字された部分をラベルLbとして切り離す。カッター機構Cは、ラベルシートLsの搬送経路の上下に配置された2枚の刃C1、C2を備えている。上側の刃C1は、可動に構成されており、下側の刃C2は、固定されている。カッター機構Cは、図示しないアクチュエータにより上側の刃C1を下方に下降させて、上下の刃C1、C2でラベルシートLsを挟むことにより、ラベルシートLsを切断し、ラベルLbを生成する。
【0034】
ラベル押さえ機構102は、ラベル発行装置100の正面(前面)に設けられており、ラベル押さえ部材L、及び連結部材102a等から構成されている。ラベル押さえ部材Lは、金属製の長方形の板を長手方向の折り目に沿って折り曲げたような形状をしている。即ち、ラベル押さえ部材Lは、横断面がL字型をした部材であり、当該L字型の底辺にあたる平面によりラベルシートLS又はラベルLbを上から第1ローラR1上にて押さえる。ラベル押さえ部材Lの前後方向の幅は、第1ローラR1の前後方向の幅よりも小さく、ラベル押さえ部材Lは、側面視において、第1ローラR1よりも前方に張り出していない。ラベル押さえ部材Lは、連結部材102aを介して図示しないアクチュエータに連結されている。連結部材102aは、フックのような形状をしており、軸102bを軸に回転可能なように構成されている。連結部材102aの一端は、ラベル押さえ部材Lに取り付けられている。連結部材102aがアクチュエータにより回転駆動されると、ラベル押さえ部材Lが上下に動くように構成されている。このため、ラベル押さえ部材Lは、第1ローラR1に接近した接近状態と第1ローラR1から離反した離反状態とをとることが出来るようになっている。
【0035】
ラベル保持部103は、ラベル発行装置100の正面(前面)に、ラベル押さえ機構102よりも前に設けられており、ラベル貼り機構111のラベル吸着搬送部111aによりラベルLbが吸着されるまでラベルLbが落ちたりしないように保持するためのものであり、樹脂製のローラ103aを有している。ローラ103aには、複数の樹脂製のO−リング103bが装着されており、ラベルLbが粘着しにくくなっている。
【0036】
ラベル貼り機構111は、発行されたラベルLbを包装された商品TGに貼るための機構であり、ラベル吸着搬送部111aと、図示しない吸引部を有する。ラベル吸着搬送部111aは、第1ローラR1上においてラベル押さえ部材Lにより保持されているラベルLbを負圧により吸着する。負圧は、吸引部により生成される。ラベル吸着搬送部111aの先端には、複数の孔が形成されており、当該先端(以下、吸着部と呼ぶ)は、下を向いている。吸着部の孔は、吸引部から延びるチューブと連通するように構成されており、吸引部が空気を吸引すると、吸着部の孔から空気が吸引されるように構成されている。ラベル吸着搬送部111aは、ラベル押さえ部材Lに接触することなく、上方からラベルLbに接近し、吸着部の孔から空気を吸引することによりラベルを吸着する。なおラベル吸着搬送部111aにより吸着されたラベルLbは、包装された商品TGの上まで搬送され、当該商品TGに貼り付けられる。
【0037】
また、上記のほか、ラベル発行装置100は、ラベル検知センサSをラベルシートLsの搬送経路に複数備えている。ラベル検知センサSは、光学式透過センサであり、ラベルシートLs及びラベルLbの存在を検知すると検知信号を制御部109へ送信する。これにより、制御部109はラベルシートLs及びラベルLbの先端の位置を把握することができるようになっている。
【0038】
次に、制御部109について説明する。図6は、制御部109のブロック図である。制御部109は、主にCPU91、ROM92、及びRAM93、等からなる。制御部109は、バス等により第2ローラR2、印字ヘッドP、カッター機構C、ラベル押さえ機構102、ラベル貼り機構111、及びラベル検知センサ、等、ラベル発行装置100の各構成要素と接続されている。制御部109は、これらの各構成要素との間で信号を送受信し、これらの各構成要素を制御する。
【0039】
(3)動作
次に、ラベル発行装置100の動作について、図7図15を用いて説明する。
【0040】
図7図14は、ラベル発行装置100の動作を模式的に示した図である。図15は、タイミングチャートである。なお、以下に説明する動作は、制御部109が、制御用プログラムを実行し、ラベル発行装置100の各構成要素を制御することにより実現される。
【0041】
先ず、図7は、動作開始前の待機状態(ステップS1)を示している。待機状態とは、ラベル貼り機構111によるラベルLbの貼付けの完了と計量搬入機構2の計量の安定を待機している状態である。待機状態では、ラベル押さえ部材Lは、第1ローラから離反した状態で待機している。
【0042】
次に、ステップS2では、図8に示すように、ラベルシートLsが印字開始位置までバックフィードされる。即ち、ラベルシートの印字開始位置が印字ヘッダPの位置に合うまで、第2ローラR2と第3ローラR3が後方に回転し、ラベルシートLsを後方に搬送する。
【0043】
次に、ステップS3では、図9に示すように、印字ヘッドPによりラベルシートLsに印字を開始するとともに、第1ローラR1及び第2ローラR2を前方に回転させ、印字速度に合わせてラベルシートLsを前方に送る。ラベルシートLsは、その所定の位置(切断位置)とカッター機構Cがある位置とが合うまで前方に搬送される。なお、ラベル押さえ部材Lは、第1ローラR1から離反した状態を維持している。したがって、ラベルシートLsが印字中にラベル押さえ部材Lに接触し、印字が妨害されることがないようになっている。
【0044】
次に、ステップS4では、図10に示すように、ラベルシートLsの先端は、第1ローラR1の上に位置するまで搬送されている。ここで、ラベル押さえ部材Lが第1ローラR1に接近し、上方からラベルシートLsを押さえる。即ち、ラベルシートLsは、第1ローラR1とラベル押さえ部材Lとに挟まれ保持される。そして、カッター機構Cが作動し、上の刃C1がラベルシートLsに向かって下降し、ラベルシートLsを切断する。このように、切断中にラベルシートLsが、第1ローラR1とラベル押さえ部材Lとに挟まれて保持されるので、安定して切断される。
【0045】
次に、ステップS5では、図11に示すように、カッター機構Cの上の刃C1が上昇し、第2ローラR2は後方回転してラベルシートLsを後方に搬送する。この時切断したラベルLbは、第1ローラR1上にあり、上からラベル押さえ部材Lにより押さえられている。
【0046】
次に、ステップS6では、図12に示すように、第1ローラR1及び第2ローラR2が前方回転し、ラベルLbをラベル吸着搬送部111aによる吸着位置まで搬送する。このとき、ラベルシートLsも前方に搬送される。
【0047】
次に、ステップS7では、図13に示すように、ラベル吸着搬送部111aがラベルLbに上方から接近し、ラベルLbを吸着して取っていく。第1ローラR1及び第2ローラR2は、ラベル吸着搬送部111aによるラベルLbの吸着に合わせて前方に少し回転する。このとき、ラベル吸着搬送部111aは、一切ラベル押さえ部材Lと接触しない。すなわち、ラベル押さえ部材Lは、ラベル吸着搬送部111aによるラベルLbの吸着搬送を妨害しない。これは、ラベル押さえ部材Lは、第1ローラR1よりも前方に張り出していないからである。
【0048】
次に、ステップS8では、図14に示すように、ラベル押さえ部材Lが上昇して、第1ローラR1から離反する。第2ローラR2は、後方回転し、ステップS6及びS7において前方に搬送されたラベルシートLsを後方に搬送する。これにより、図7の待機状態に戻る。
【0049】
(4)特徴
(4−1)
上記実施形態では、ラベル発行装置100は、台紙レスのラベルシートLsに印字を行い、切断してラベルLbを生成し、ラベルLbを前方へ出す。ラベル発行装置100では、ラベル押さえ部材Lが、第1ローラR1への接近状態と離反状態とを切替えることが可能となっている。したがって、ラベル押さえ部材Lにより、ラベルシートLs又はラベルLbを適宜押さえたり離したりすることができる。これにより、発行時のラベルLbの姿勢を一定に保持できるとともに、印字への影響を抑制することが可能となる。よって、安定した印字が可能な台紙レスのラベルシートLsを用いるラベル発行装置100を提供することができている。
【0050】
(4−2)
上記実施形態では、制御部109は、印字ヘッドPがラベルシートLsに印字中に、ラベル押さえ部材Lが第1ローラR1から離反状態になるように制御する。これにより、ラベル押さえ部材Lによる印字への影響を抑制することが出来ている。
【0051】
(4−3)
上記実施形態では、制御部109は、カッター機構CがラベルシートLsを切断するときには、ラベル押さえ部材Lが第1ローラR1に接近し、ラベルシートLsを押さえるように制御する。これにより、安定してラベルシートLsを切断することが可能となっている。
【0052】
(4−4)
上記実施形態では、ラベル押さえ部材Lは、第1ローラR1よりも前方に張り出していない。これにより、ラベル押さえ部材Lに妨害されずに、発行されたラベルLbを取り上げることが可能となっている。
【0053】
(4−5)
上記実施形態では、ラベル押さえ部材Lは、その横断面がL字型になっている。これにより、ラベル押さえ部材Lは、第1ローラR1上からラベルを取り上げるのを妨害しないようになっている。
【0054】
(4−6)
上記実施形態では、ラベル発行装置100は、負圧によりラベルLbを吸着して搬送するラベル吸着搬送部111aをさらに備えている。これにより、ラベルLbを包装された商品TGに自動で貼り付けることが出来ている。
【0055】
(4−7)
上記実施形態では、ラベル吸着搬送部111aは、ラベル押さえ部材Lとは非接触の状態を保ちながら第1ローラR1の上方空間に入り込んで、ラベルLbを吸着する。即ち、ラベル吸着搬送部111aは、ラベル押さえ部材Lに妨害されずにラベルLbを吸着することが出来ている。
【0056】
(5)変形例
(5−1)変形例1 他のタイミング
上記実施形態では、制御部109は、ラベル発行装置100の各構成要素を図15のタイミングチャートに示すようなタイミングで制御していた。しかし、他の実施形態においては、図16のタイミングチャートに示すようなタイミングで動作を制御してもよい。
【0057】
この場合、ステップS1からステップS6までは、上記実施形態と同じであるが、ステップS7から、上記実施形態と異なり、次のように変形される。
【0058】
即ち、次のステップS7’では、ステップS6においてラベルLbをラベル吸着搬送部111aによる吸着位置まで搬送した後、第2ローラR2を後回転させラベルシートLsを後方に搬送する。ラベル押さえ部材Lは、第1ローラR1に接近した状態を維持しており、ラベルLbを第1ローラR1の上で挟んでいる。
【0059】
次に、ステップS8’では、ラベル吸着搬送部111aがラベルLbに上方から接近し、ラベルLbを吸着して取っていく。第1ローラR1及び第2ローラR2は、ラベル吸着搬送部111aによるラベルLbの吸着に合わせて前方に少し回転する。これにより、図7の待機状態に戻る。
【0060】
(5−2)変形例2 手動で貼る
上記実施形態では、発行されたラベルLbをラベル貼り機構111が包装された商品TGに貼り付けていた。しかし、他の実施形態においては、発行されたラベルLbを手動で包装された商品TGに貼り付けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、台紙レスのラベルシートを用いてラベルを発行するのに有効である。
【符号の説明】
【0062】
100 ラベル発行装置
109 制御部
111a ラベル吸着搬送部
C カッター機構(切断装置)
L ラベル押さえ部材
Ls ラベルシート
Lb ラベル
P 印字ヘッド(印字装置)
R1 第1ローラ(下流側ローラ)
R2 第2ローラ(上流側ローラ)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】特開2004―262017号公報
【特許文献2】特開2009―166869号公報
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