(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5894482
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月30日
(54)【発明の名称】無線LAN設定方法およびプログラムならびにその記録媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 76/02 20090101AFI20160317BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20160317BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20160317BHJP
H04M 3/42 20060101ALI20160317BHJP
【FI】
H04W76/02
H04W84/12
H04W88/02 131
H04M3/42 B
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-73487(P2012-73487)
(22)【出願日】2012年3月28日
(65)【公開番号】特開2013-207493(P2013-207493A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(74)【代理人】
【識別番号】100084870
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 香樹
(74)【代理人】
【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二
(72)【発明者】
【氏名】土岐 卓
(72)【発明者】
【氏名】吉原 貴仁
【審査官】
桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/139437(WO,A1)
【文献】
特開2004−127187(JP,A)
【文献】
Apple Inc.,iPhone 構成ユーティリティ,2011年 3月 4日,1−26頁,URL,https://developer.apple.com/jp/documentation/FA_iPhone_Configuration_Utility.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
H04M 3/42
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被設定端末に対して無線LAN接続用の設定を行う無線LAN設定方法において、
設定端末との間に第1通信路を確立するための第1設定情報に基づいて第1プロファイルを生成する手順と、
前記第1プロファイルを、当該被設定端末のメモリ領域上に構築されたWebサーバ機能へアップロードする手順と、
Webブラウザから前記Webサーバ機能にアクセスして前記第1プロファイルを取得する手順と、
前記第1プロファイルを被設定端末にインストールすることで前記第1設定情報に基づく第1無線LAN設定を行う手順と、
前記第1無線LAN設定に基づいて、設定端末との間に第1通信路を確立する手順と、
前記設定端末との間に第2通信路を確立するための第2設定情報を、前記第1通信路を利用して前記設定端末から取得する手順と、
前記第2設定情報に基づいて第2プロファイルを生成する手順と、
前記第2プロファイルを前記Webサーバ機能へアップロードする手順と、
Webブラウザから前記Webサーバ機能にアクセスして前記第2プロファイルを取得する手順と、
前記第2プロファイルを被設定端末にインストールすることで前記第2設定情報に基づく第2無線LAN設定を行う手順とを含むことを特徴とする無線LAN設定方法。
【請求項2】
前記Webブラウザに第1プロファイルを取得させる手順において、前記Webブラウザは、予め登録されているWebサーバ機能の宛先アドレスに接続要求を送信し、前記Webサーバ機能は、当該接続要求に対して第1プロファイルを応答することを特徴とする請求項1に記載の無線LAN設定方法。
【請求項3】
前記Webブラウザに第2プロファイルを取得させる手順において、前記Webブラウザは、予め登録されているWebサーバ機能の宛先アドレスに接続要求を送信し、前記Webサーバ機能は、当該接続要求に対して第2プロファイルを応答することを特徴とする請求項1に記載の無線LAN設定方法。
【請求項4】
前記請求項1または3に記載の無線LAN設定方法を、コンピュータに実行させるための無線LAN設定プログラム。
【請求項5】
前記請求項4に記載した無線LAN設定プログラムをコンピュータが読み取り可能に記憶した無線LAN設定プログラムの記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LAN機能を備えた無線端末に無線LAN接続の設定を行う方法およびプログラムならびにその記録媒体に係り、特に、無線LAN設定の手順が、Web経由でサーバから取得した設定情報(プロファイル)をインストールするWeb API (Application Programming Interface)利用に制限された被設定端末に対して、簡単化された手順による無線LAN設定を可能にする無線LAN設定方法およびプログラムならびにその記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン、携帯ゲーム機あるいはデジタルフォトフレーム等に代表される無線LAN機器が急速に普及している。これらの無線LAN機器を利用する際には、利用者が予め用意した無線LANの親機となるアクセスポイント(AP)との接続設定を実施する必要がある。この接続設定では、次のような設定情報を無線LAN機器に登録する必要がある。
(1)APが持つSSID(Service Set Identifier:アクセスポイントを一意に識別するID
(2)暗号方式
(3)暗号鍵(KEY)
【0003】
しかしながら、これらの設定情報を無線LAN機器に入力する際には、無線LANに関する専門知識が必要となるため、不慣れな利用者にとっては簡単な操作ではなかった。
【0004】
このような技術課題に対して、非特許文献1には、設定操作を自動化して利用者の負担を軽減する技術が開示されている。非特許文献1では、アクセスポイントが具備するボタンを操作することで、アクセスポイントが仮の設定情報で無線LAN機器と通信路を確立することを許容するモード(設定モード)に移行し、その間に無線LAN機器は、仮の設定情報を用いてアクセスポイントに一時的に接続し、この無線LAN通信路を使って、アクセスポイントから通常用の設定情報を取得する。その後、取得した通常用の設定情報を用いたアクセスポイントへの再接続により、無線LANの利用(通信)が可能になる。
【0005】
図7は、非特許文献1による無線LAN設定の手順を示したシーケンスフローであり、スマートフォンなどの被設定端末には、設定用通信路を確立するための第1設定情報として、全端末に共通のSSID1、KEY1および暗号方式が予め登録されている。無線APなどの設定端末には、SSID1、KEY1および暗号方式と共に、通常通信路を確立するための第2設定情報として、各端末に固有のSSID2、KEY2および暗号方式が予め登録されている。
【0006】
手順S1では、設定端末が具備するボタンを利用者が押下操作等することにより、当該設定端末に対して設定の開始が要求される。なお、ボタン操作の代わりに画面表示等が利活用される場合もある。ボタン操作された設定端末では、動作モードが「通常モード」から「設定モード」に変更される。
【0007】
手順S2では、利用者が被設定端末を操作して設定開始を要求する。この要求操作には、物理ボタンやソフトウェアボタン等を利用できる。
【0008】
手順S3,S4では、被設定端末において、予め保持されているSSID1およびKEY1が自身に設定登録される。なお、KEY1は全設定端末に共通の文字列で構成される。
【0009】
手順S5では、被設定端末が前記SSID1およびKEY1を用いて一時的に設定端末に接続することで設定用の仮通信路が確立される。
【0010】
手順S6では、被設定端末から設定端末へ、前記仮通信路を用いて設定開始の指示が送信される。
【0011】
手順S7では、設定端末において、前記設定開始指示の受信に応答して被設定端末のMACアドレスが読み取られる。
【0012】
手順S8では、設定端末から被設定端末へ、通常モード時に利用するSSID2およびKEY2の設定情報が送信される。
【0013】
手順S9では、被設定端末から設定端末へ、前記設定情報の正常受信を通知するための受信確認データが送信される。
【0014】
手順S10では、設定端末において、被設定端末からの受信確認データの受信に応答して、被設定端末のMACアドレスが設定端末自身に登録される。
【0015】
手順S11では、設定端末から被設定端末へ、前記MACアドレスの登録を完了したことを被設定端末に通知するための端末MACアドレス登録完了データが送信される。
【0016】
手順S12,S13では、被設定端末において、前記端末MACアドレス登録完了データの受信に応答して、前記手順S8で取得したSSID2およびKEY2の設定が実行される。
【0017】
一方、非特許文献2には、被設定端末に対して、当該端末の開発業者により無線LANの設定方法に制限を設ける技術が開示されている。非特許文献2では、無線LAN設定に必要なSSIDやKEYなどの設定情報が、開発業者により独自に規定されたフォーマットで記述されたファイル(以下、プロファイルと呼ぶ)としてネットワーク上のサーバに保持されている。被設定端末の利用者は、Webブラウザから前記サーバにアクセスしてプロファイルを取得する。また、被設定端末には、当該プロファイルを自動でインストールするプログラムが予め実装されており、前記プロファイルが取得されると、当該プログラムが起動されて前記プロファイルをインストールすることで、前記各設定情報が登録される。
【0018】
図8は、非特許文献2による無線LAN設定の手順を示したシーケンスフローであり、サーバ等から構成される設定端末には、無線LANの設定情報(SSID、KEYおよび暗号方式)の記述されたプロファイルが予め保持されている。
【0019】
手順U1では、スマートフォン等の被設定端末において、第三者からのメールによる通知や、利用者がWebサーバへの接続方法が掲載されたホームページなどを閲覧するなどの方法を利用して、設定情報を含んだプロファイルを管理する設定端末へのURL、IPアドレスあるいはリンク(以下、URLで代表する)などが取得される。
【0020】
手順U2では、被設定端末において、利用者の操作に応答して設定端末のURLに接続要求が送信される。
【0021】
手順U3では、設定端末から被設定端末へ、前記要求されたURLのWebページが応答される。
【0022】
手順U4では、被設定端末において、前記要求したURLから応答されたWebページを受信する。このとき、利用者は受信したWebページの内容を確認することで、信頼できる設定端末からのWebページであることを確認することができる。そのため、利用者の意図しない設定端末の設定情報を受信することを防止でき、セキュリティを担保することも可能である。
【0023】
手順U5では、被設定端末において、そのディスプレイ上に表示された設定情報を取得するためのリンク先にアクセスすることで、無線LANアクセスポイントの設定情報を含んだプロファイルが保持されているURLに接続する。
【0024】
手順U6では、設定端末において、前記要求されたURLに保持されている、無線LAN設定情報の記述されたプロファイルが応答される。
【0025】
手順U7では、被設定端末において、前記設定端末から受信したプロファイルをインストールすることで、当該被設定端末に無線LANの設定情報が登録される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0026】
【非特許文献1】1 AOSS(AirStation One-Touch Secure System);(http://www.buffalotech.com/files/AOSS_WP_Final.pdf)
【非特許文献2】iPhone構成プロファイル;(http://developer.apple.com/jp/devcenter/ios/library/documentation/FA_iPhone_Configuration_Utility.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
非特許文献1に開示された技術を利用すれば、無線LAN設定の操作を簡単化できるが、非特許文献2の技術により無線LANの設定方法に制限が設けられた被設定端末に対しては、非特許文献1に開示された技術を適用して無線LAN設定の操作を簡単化することができなかった。
【0028】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を全て解決し、無線LAN設定の手順が、Web経由で外部のサーバから取得した設定情報をインストールするWeb API利用に制限された被設定端末に対して、既存の簡単化された手順と同様の手順で無線LAN設定を行える無線LAN設定方法およびプログラムならびにその記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記の目的を達成するために、本発明は、被設定端末に対して無線LAN接続用の設定をWeb経由で行う無線LAN設定方法において、以下の手順を具備した点に特徴がある。
【0030】
手順1では、第1通信路を確立するための第1設定情報に基づいて第1プロファイルが生成される。
【0031】
手順2では、第1プロファイルが、メモリ領域上のWebサーバ機能へアップロードされる。
【0032】
手順3では、WebブラウザからWebサーバ機能にアクセスして第1プロファイルが取得される。
【0033】
手順4では、第1プロファイルを被設定端末にインストールすることで第1設定情報に基づく第1無線LAN設定が行われる。
【0034】
手順5では、第1無線LAN設定に基づいて、接続先の設定端末との間に第1通信路が確立される。
【0035】
手順6では、第2通信路を確立するための第2設定情報が第1通信路を利用して設定端末から取得される。
【0036】
手順7では、第2設定情報に基づいて第2プロファイルが生成される。
【0037】
手順8では、第2プロファイルが、メモリ領域上のWebサーバ機能へアップロードされる。
【0038】
手順9では、WebブラウザからWebサーバ機能にアクセスして第2プロファイルが取得される。
【0039】
手順10では、第2プロファイルを被設定端末にインストールすることで第2設定情報に基づく第2無線LAN設定が行われる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、SSIDやKEYなどの無線LAN設定情報を、被設定端末の開発業者が規定した固有の設定方法でしか設定できない環境下でも、それ以外の簡便な方法で設定できるようになる。
【0041】
すなわち、本発明によれば、被設定端末上にWebサーバが仮想的に構築され、無線LAN設定情報をプロファイル化して当該WebサーバにアップロードすることでWeb APIを模擬できるので、無線LAN設定の手順が、Web経由で外部のサーバから取得したプロファイルをインストールするWeb API利用に制限された被設定端末に対しても、外部サーバとの接続なしに、既存の簡単化された手順により無線LAN設定を行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明が適用される無線LANの構成を示した図である。
【
図2】無線AP(設定端末)の構成を示した機能ブロック図である。
【
図3】無線端末MN(被設定端末)の構成を示した機能ブロック図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る無線LAN設定手順のシーケンスフローである。
【
図5】無線端末MNの表示パネルの表示例を示した図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る無線LAN設定手順のシーケンスフローである。
【
図7】非特許文献1に開示された無線LAN設定手順のシーケンスフローである。
【
図8】非特許文献2に開示された無線LAN設定手順のシーケンスフローである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される無線LANのネットワーク構成を示した図であり、ここでは、被設定端末としての無線端末MNと設定端末として無線アクセスポイントAPとの間に無線LAN接続を確立するための無線LAN設定操作を無線端末MNに対して行う場合を例にして説明する。
【0044】
無線端末MNはIEEE 802.11規格に準拠した無線LANモジュールを搭載し、無線APには、後述する無線LAN設定ボタンスイッチ103aが装備されている。無線APは複数のネットワーク名(SSID)を所持することが可能であり、SSIDごとに通信路の暗号化の要否、暗号方式の種類、暗号鍵(KEY)の文字列等のセキュリティレベルを定義できる。端末MNには、無線APから設定情報を取得するために、当該無線APに接続するためのURLが予め保持されている。
【0045】
本実施形態では、無線APおよび無線端末MNに、全ての無線APおよび無線端末MNに共通のネットワーク名SSID1および暗号鍵KEY1が予め保持されており、初めにSSID1およびKEY1を用いて無線APと無線端末MNとの間に設定用通信路が確立され、この設定用通信路を利用して、本通信路を確立するためのSSID2およびKEY2が無線端末MNにより無線APから受信される。
【0046】
図2は、前記無線APの構成を示した機能ブロック図であり、ここでは、本発明の説明に不要な構成は図示が省略されている。
【0047】
無線LANインタフェース101は無線信号を送受信する。通信制御部102は、前記無線LANインタフェース101から送信される無線信号を暗号化すると共に、無線LANインタフェース101で受信される無線信号を復号する。ボタンスイッチ(SW)103は、利用者による無線LAN設定操作を受け付ける。
【0048】
メモリ領域105において、第1無線LAN設定保持部105aには、端末MNとの間に第1通信路(設定用通信路)を確立するための第1設定情報として、全端末MNに共通のネットワーク名SSID1、暗号鍵KEY1および暗号方式が予め保持されている。第2無線LAN設定保持部105bには、端末MNとの間に第2通信路(通常通信路)を確立するための第2設定情報として、当該無線APに固有のネットワーク名SSID2、暗号鍵KEY2および暗号方式が予め保持されている。
【0049】
前記第1設定情報は、利用者による書換および閲覧が禁止されている。前記第2設定情報は、利用者による書換および閲覧が許可されている。なお、第2設定情報の保持数は一つとは限らず、相互に異なる複数の設定情報が保持される場合もある。
【0050】
図3は、前記無線端末MNの構成を示した機能ブロック図であり、ここでも、本発明の説明に不要な構成は図示が省略されている。
【0051】
無線LANインタフェース201は、無線信号を送受信する。通信制御部202は、前記無線LANインタフェース201から送信される無線信号を暗号化すると共に、無線LANインタフェース201で受信される無線信号を復号する。UI部203は、利用者の操作を受け付けるタッチSW203aおよび表示パネル203bを含み、本実施形態では、表示パネル203bに表示されたアイコンやスイッチがタッチされると、これがタッチSW203aにより検知されるように構成されている。
【0052】
メモリ領域205において、第1設定情報保持部205aには、無線APとの間に前記第1通信路を確立するための無線LAN設定情報として、ネットワーク名SSID1、暗号鍵KEY1および暗号方式が予め保持されている。プログラム領域205bには、後述する無線LAN設定を実行するプログラム(アプリケーション)Pwlanが保持されている。ブラウザ領域205cには、Webブラウザが保持されている。Webサーバ領域205dには、後述するWebサーバ機能が仮想的に構築される。無線LAN設定登録部205eには、無線APとの間に確立される通信路に応じて、設定用通信路の設定情報[SSID1、KEY1、暗号方式1]または通常通信路の設定情報[SSID2、KEY2、暗号方式2]が設定登録される。
【0053】
制御部204において、プログラム制御部204aは、前記無線LAN設定プログラムPwlanを管理する。ブラウザ制御部204bは、前記Webブラウザを制御する。インストール実行部204cは、無線LAN設定情報の記述されたプロファイルを端末MNにインストールする。これにより、当該プロファイルに記述されていた無線LAN設定情報が無線LAN設定登録部205eに設定登録され、無線APとの間に無線LANの通信路を確立できるようになる。
【0054】
図4は、本発明の第1実施形態の動作を示したフローチャートであり、
図5は、被設定端末としての無線端末MNに設けられた表示パネル203bの表示例を示している。無線端末MNのホーム画面には、
図5(a)に示したように、無線LAN設定プログラムPwlanを含む各種の実装済みソフトウェアのショートカットアイコンが一覧表示されている。
【0055】
手順W1では、利用者によって無線LAN設定プログラムPwlanのアイコンがホーム画面上でタップ等され、これがプログラム管理部204aにより検知されて設定プログラムPwlanが起動される。
手順W2では、設定プログラムPwlanが実行され、予め第1設定情報保持部205aに保持されている、全端末に共通の第1設定情報(SSID1、KEY1および暗号方式2)に基づいてプロファイルF1が生成される。
手順W3では、無線端末MNのメモリ領域205に仮想的に設けられたWebサーバSwebが、前記設定プログラムPwlanにより起動される。
手順W4では、手順W2で生成されたプロファイルF1が、設定プログラムPwlanによりWebサーバSwebにアップロードされる。
【0056】
手順W5では、WebサーバSwebが、設定プログラムPwlanからの指示に応答してバックグラウンドで動作を開始する。
手順W6では、設定プログラムPwlanが、WebサーバSwebの宛先アドレスを指定してブラウザを起動する。
手順W7では、起動されたブラウザが、前記指定されたWebサーバSwebの宛先アドレスへ接続要求を送信する。
手順W8では、WebサーバSwebが前記接続要求に応答して、手順W4でアップロードされたプロファイルF1を応答する。
【0057】
手順W9では、
図5(b)に示したように、前記プロファイルF1の無線端末MNへのインストールを促すアイコンが表示パネル203bに表示される。
手順W10では、表示パネル203bに表示されたアイコンが利用者によりタップされ、制御部204へインストール要求が送信される。
手順W11では、制御部204によりプロファイルF1のインストールが実行され、当該プロファイルF1に記述されているSSID1、KEY1および暗号方式が無線LAN設定登録部205eに設定登録される。表示パネル203bでは、
図5(c)に示したように、設定登録の完了を利用者に通知するメッセージが表示される。
【0058】
手順W12では、制御部204によりブラウザが再び起動される。
手順W13では、ブラウザからWebサーバSwebへ接続要求が送信される。
手順W14では、WebサーバSwebからブラウザへWebページが応答される。
手順W15では、
図5(d)に示したように、ブラウザの画面上に、各端末に固有の第2設定情報(SSID2、KEY2、暗号方式2)の設定開始を促すアイコンが表示される。
【0059】
手順W16では、無線APのボタンスイッチ103aが利用者により押下される。
手順W17では、前記ブラウザの画面上に表示されているアイコンが利用者によりタップされる。
手順W18では、前記タップ操作に応答して設定プログラムPwlanが再起動される。
【0060】
手順W19では、設定プログラムPwlanから制御部204へ、無線APへの接続要求と共に無線APに固有の第2設定情報が要求される。
手順W20では、制御部204により、前記無線LAN設定登録205eに設定登録された第1設定情報(SSID1等)に基づいて無線APへ接続要求が送信される。
手順W21では、無線APが前記接続要求に応答することで、第1設定情報に基づく設定用通信路が確立される。
【0061】
手順W22では、制御部204から無線APへ、前記設定用通信路を利用して、無線APに固有の第2設定情報が要求される。
手順W23では、無線APから制御部204へ、無線APに固有のSSID2、KEY2および暗号方式2が応答される。
手順W24では、制御部204から設定プログラムPwlanへ、無線APから受信した無線APに固有のSSID2、KEY2が応答される。
【0062】
手順W25では、設定プログラムPwlanにおいて、受信したSSID2等に基づいてプロファイルF2が生成される。
【0063】
手順W26では、設定プログラムPwlanにより前記Webサーバが起動される。
手順W27では、設定プログラムPwlanからWebサーバSwebへ、手順W25で生成されたプロファイルF2がアップロードされる。
手順W28では、設定プログラムPwlanからの指示に応答して、WebサーバSwebがバックグラウンドで動作を開始する。
手順W29では、設定プログラムPwlanがWebサーバSwebの宛先アドレスを指定してブラウザを起動する。
【0064】
手順W30では、ブラウザから前記WebサーバSwebの宛先アドレスに接続要求が送信される。
手順W31では、WebサーバSwebがブラウザからの接続要求を受信して、手順W27でアップロードされたプロファイルF2を応答する。
手順W32では、
図5(e)に示したように、プロファイルF2のインストールを促すアイコンが表示パネル203a上に表示される。
手順W33では、利用者によりアイコンがタップされる。このとき、
図5(f)に示したように、表示パネル203bには設定操作の完了を通知するメッセージが表示される。
手順W34では、制御部204によりプロファイルF2のインストールが実行され、当該プロファイルF2に記述されていたSSID2、KEY2および暗号方式が無線LAN設定登録部205eに設定登録される。
【0065】
手順W35では、制御部204により、前記無線LAN設定登録部205eに設定登録された第2設定情報(無線APに固有のSSID2、KEY2)に基づいて無線APへ接続要求が送信される。
【0066】
手順36では、無線APが制御部204へ、無線LANの接続を応答することで、設定が完了する。
【0067】
以上のようにして、無線LAN設定登録部205eへの第2設定情報の登録が完了すると、
図5(f)に示したように、表示パネル203bには、無線LAN設定の完了を通知するメッセージが表示される。
【0068】
なお、上記の実施形態では、無線端末MNが通常通信路を設定するための第2設定情報(SSID2、KEY2、暗号方式)を無線APから取得し、この設定情報に基づいてプロファイルF2を自ら生成して仮想のWebサーバにアップロードするものとして説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、無線APからSSID2等のプロファイルF2を直接取得するようにしても良い。
【0069】
図6は、本発明の第2実施形態の動作を示したフローチャートであり、手順W1〜W21までは第1実施形態と同様なので、その説明は省略する。
【0070】
手順W41では、制御部204から無線APへ、前記設定用通信路を利用して、無線APに固有のプロファイルF2が要求される。
手順W42では、無線APから制御部204へプロファイルF2が応答される。
手順W43では、プロファイルF2のインストールを促すアイコンが表示パネル203a上に表示される。
【0071】
手順W44では、利用者により前記アイコンがタップされる。
手順W45では、制御部204によりプロファイルF2のインストールが実行され、当該プロファイルF2に記述されていたSSID2、KEY2および暗号方式が無線LAN設定登録部205eに設定登録される。
【0072】
手順W46では、制御部204により、前記無線LAN設定登録部205eに設定登録された第2設定情報(無線APに固有のSSID2、KEY2)に基づいて無線APへ接続要求が送信される。
【0073】
手順47では、無線APが制御部204へ、無線LANの接続を応答することで、設定が完了する。
【0074】
なお、上記の一連の無線LAN設定手順は、コンピュータにより実行可能なプログラム言語で記述することができ、当該プログラムをCD-ROMやDVDなどの記憶媒体に記録し、これを携帯端末等のコンピュータに読み込ませて実行させることにより、無線LAN設定機能を備えた無線端末を実現できる。
【符号の説明】
【0075】
201…無線LANインタフェース,202…通信制御部,203…UI部,204…制御部,205…メモリ領域