【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、第1の発明は、例えば、
図1Aから
図4D、又は
図5Aから
図5Dに示すように、第1接当面Fを有するプラグ側の第1ロッド1と、その第1接当面Fに接当可能な第2接当面Sを有するソケット側の第2ロッド2とを連結する装置を、次のように構成した。
上記第1ロッド1の上記第1接当面Fからプラグ部8を先端方向へ突出させる。そのプラグ部8の先端面から挿入孔9を基端方向へ形成する。その挿入孔9に操作シャフト10を軸心方向へ移動可能かつ軸心回りに回転可能に挿入する。その操作シャフト10を先端方向へ付勢する弾性部材12を設ける。上記挿入孔9の環状壁に収容孔15を半径方向へ貫通させ、その収容孔15にロック用のボール16を挿入する。上記操作シャフト10は、その操作シャフト10の基端寄り部の外周面に形成されると共に上記ボール16が嵌合されるカム溝17と、当該操作シャフト10の先端寄り部に設けられた第1嵌合部18と、を備える。
上記第2ロッド2の上記第2接当面Sからソケット穴24を基端方向へ形成する。そのソケット穴24の周壁の先端寄り部の内周面から環状突出部25を半径方向の内方へ突出させる。その環状突出部25の基端側の環状端部に係合部28を形成する。その係合部28は、上記ボール16が上記ソケット穴24の基端側から係合可能に構成される。上記ソケット穴24と上記プラグ部8との挿抜時に上記ボール16が上記の環状突出部25を軸心方向へ通過するように、当該環状突出部25にガイド溝30を形成する。上記ソケット穴24の基端寄り部に第2嵌合部34を設ける。その第2嵌合部34は、上記第1嵌合部18に対して、軸心回りの相対回転を阻止すると共に軸心方向へ相対移動可能に、嵌合される。
上記操作シャフト10の上記外周面に形成された上記カム溝17を、先端方向へ突出するアーチ状または山形状もしくは台形状に形成する。
【0007】
上記の第1の発明は、例えば次のように作用する。
プラグ側の第1ロッドとソケット側の第2ロッドとが分離された状態では、その第1ロッドのプラグ部に設けたボールが、アーチ状等に形成されたカム溝の周方向の両側の溝のうちの一方側の溝の所定のリリース位置(ホームポジション)に位置されると共に、弾性部材が操作シャフトを先端方向へ進出させている。
上記第1ロッドと第2ロッドとを連結するときには、第2ロッドのソケット穴に上記プラグ部を挿入していく。すると、まず、プラグ部がソケット穴の環状突出部の内周面に挿入されると共に、上記ボールがガイド溝内を通過していく。引き続いて、第1嵌合部が第2嵌合部に嵌合し、第2接当面に第1接当面が接当する。
次いで、第1ロッドと第2ロッドとを相対的にロック回転させる。すると、上記第2ロッド及び当該第2ロッドに回転不能に連結された操作シャフトに対して第1ロッドのプラグ部およびボールが相対的にロック方向へ回転する(換言すれば、上記プラグ部およびボールに対して第2ロッド及び操作シャフトが相対的にロック方向へ回転する)。これにより、上記ボールが、前記カム溝の周方向の両側の溝のうちの一方側の溝から他方側の溝へ相対的に移動することが可能となり、当該ボールが前記の係合部に基端側から対面する。これにより、上記第1ロッドと第2ロッドとの2つのロッドがロック状態に切換えられる。
【0008】
第1の発明は、次の効果を奏する。
上記ロック状態において、ソケット側の第2ロッドに対してプラグ側の第1ロッドを分離させる方向へ引っ張り力が作用した場合でも、その引っ張り力は上記ボールと係合部とを介して第2ロッドに受け止められる。また、当該ロック状態において、上記第1ロッドに対して第2ロッドを分離させる方向へ引っ張り力が作用した場合でも、その引っ張り力は上記係合部とボールとを介して第1ロッドのプラグ部に受け止められる。従って、上記の引っ張り力が上記2つのロッドの連結状態を解除させることは確実に防止される。
また、上記ロック状態では、上記弾性部材の付勢力が操作シャフトを先端方向へ押しているため、その操作シャフトのカム溝のうちの前記の他方側の溝が上記ボールをロック回転の終点方向へ相対的に押している。このため、連結装置に振動や衝撃などが作用した場合であっても、その振動や衝撃などが上記ボールをリリース方向へ相対移動させることは防止され、上記2つのロッドの連結状態を保持できる。
【0009】
また、前記目的を達成するため、第2の発明は、例えば、前記の
図1Aから
図4D、又は前記の
図5Aから
図5Dに示すように、
第1接当面Fを有するプラグ側の第1ロッド1と、その第1接当面Fに接当可能な第2接当面Sを有するソケット側の第2ロッド2とを連結する装置を、次のように構成した。
即ち、
上記第1ロッド1の上記第1接当面Fからプラグ部8を先端方向へ突出させる。そのプラグ部8の先端面から挿入孔9を基端方向へ形成する。その挿入孔9に操作シャフト10を軸心方向へ移動可能かつ軸心回りに回転可能に挿入する。その操作シャフト10を先端方向へ付勢する弾性部材12を設ける。上記挿入孔9の環状壁に収容孔15を半径方向へ貫通させ、その収容孔15にロック用のボール16を挿入する。上記操作シャフト10は、その操作シャフト10の基端寄り部の外周面に形成されると共に上記ボール16が嵌合されるカム溝17と、当該操作シャフト10の先端寄り部に設けられた第1嵌合部18と、を備える。
上記第2ロッド2の上記第2接当面Sからソケット穴24を基端方向へ形成する。そのソケット穴24の周壁の先端寄り部の内周面から環状突出部25を半径方向の内方へ突出させる。その環状突出部25の基端側の環状端部に係合部28を形成する。その係合部28は、上記ボール16が上記ソケット穴24の基端側から係合可能に構成される。上記ソケット穴24と上記プラグ部8との挿抜時に上記ボール16が上記の環状突出部25を軸心方向へ通過するように、当該環状突出部25にガイド溝30を形成する。上記ソケット穴24の基端寄り部に第2嵌合部34を設ける。その第2嵌合部34は、上記第1嵌合部18に対して、軸心回りの相対回転を阻止すると共に軸心方向へ相対移動可能に、嵌合される。
上記カム溝17は、
上記操作シャフト10と
上記プラグ部8とを軸心回りに相対的にロック回転させたときに、そのロック回転の終点部41bへ向かうにつれて当該操作シャフト10の基端部に近づくように形成されたロック溝41と、そのロック溝41とは周方向の反対側に形成されたリリース溝42であって
上記操作シャフト10が
上記ロック回転とは反対方向ヘリリース回転されたときに
上記ボール16を所定のリリース位置に保持可能なリリース溝42と、を有するように構成した。
なお、上記の第2発明においては、上記リリース溝42を下記(a)又は(b)のように構成することが考えられる。
(a) ロック溝41の始点部41aからリリース溝42を操作シャフト10の軸心と直交する外周線に沿って周方向へ延設する(換言すれば、操作シャフト10の端面と平行状にリリース溝42を形成する。)。この場合、そのリリース溝42の周方向の一部が所定のリリース位置(ホームポジション)を構成することになる。
(b)ロック溝41の始点部41aからリリース溝42を当該ロック溝41とほぼ同じ方向へ延設し、そのリリース溝42の底壁に凹所を設け、その凹所によって所定のリース溝(ホームポジション)を構成する。
【0010】
上記の第2の発明は、前記の第1の発明と同様に、例えば次のように作用する。
プラグ側の第1ロッドとソケット側の第2ロッドとが分離された状態では、第1ロッドのプラグ部に設けたボールが、操作シャフトのリリース溝の所定のリリース位置(ホームポジション)に位置されると共に、弾性部材が操作シャフトを先端方向へ進出させている。
上記第1ロッドと第2ロッドとを連結するときには、第2ロッドのソケット穴に上記プラグ部を挿入していく。すると、まず、プラグ部がソケット穴の環状突出部の内周面に挿入されると共に、上記ボールがガイド溝内を通過していく。引き続いて、第1嵌合部が第2嵌合部に嵌合し、第2接当面に第1接当面が接当する。
次いで、第1ロッドと第2ロッドとを相対的にロック回転させる。すると、上記第2ロッド及び当該第2ロッドに回転不能に連結された操作シャフトに対して第1ロッドのプラグ部およびボールが相対的にロック方向へ回転する(換言すれば、上記プラグ部およびボールに対して第2ロッド及び操作シャフトが相対的にロック方向へ回転する)。これにより、上記ボールが前記リリース溝から前記ロック溝へ相対的に移動することが可能となり、当該ボールが前記の係合部に基端側から対面する。これにより、上記第1ロッドと第2ロッドとの2つのロッドがロック状態に切換えられる。
【0011】
第2の発明は、前記の第1の発明と同様に、次の効果を奏する。
上記ロック状態において、ソケット側の第2ロッドに対してプラグ側の第1ロッドを分離させる方向へ引っ張り力が作用した場合でも、その引っ張り力は上記ボールと係合部とを介して第2ロッドに受け止められる。また、当該ロック状態において、上記第1ロッドに対して第2ロッドを分離させる方向へ引っ張り力が作用した場合でも、その引っ張り力は上記係合部とボールとを介して第1ロッドのプラグ部に受け止められる。従って、上記の引っ張り力が上記2つのロッドの連結状態を解除させることは確実に防止される。
また、上記ロック状態では、上記弾性部材の付勢力が操作シャフトを先端方向へ押しているため、その操作シャフトの前記ロック溝が上記ボールをロック回転の終点方向へ相対的に押している。このため、連結装置に振動や衝撃などが作用した場合であっても、その振動や衝撃などが上記ボールをリリース方向へ相対移動させることは防止され、上記2つのロッドの連結状態を保持できる。
【0012】
また、前記目的を達成するため、第3の発明は、例えば
図8に示すように、連結装置を次のように構成した。
即ち、前記の第2の発明の連結装置において、前記の環状突出部25に前記ガイド溝30を形成することに代えて、前記リリース溝42の前記リリース回転の終点部42bまたはその近傍に凹部51が設けられる。その凹部51は、前記ソケット穴24と前記プラグ部8との挿抜時に、前記収容孔15内の前記ボール16が半径方向の内方へ後退するのを許容するように構成される。換言すれば、凹部51の深さは、上記の挿抜時に、ボール16が収容孔15内に殆んど収容されてしまうような深さに設定される。
【0013】
上記の第3の発明は、次の作用効果を奏する。
プラグ側の第1ロッドとソケット側の第2ロッドとが分離された状態では、第1ロッドのプラグ部に設けたボールが、操作シャフトのリリース溝の前記凹部(ホームポジション)に位置されるので、当該ボールが収容孔内で半径方向の内方へ後退可能とされ、また、弾性部材が操作シャフトを先端方向へ進出させている。
上記第1ロッドと第2ロッドとを連結するときには、第2ロッドのソケット穴に上記プラグ部を挿入していく。すると、まず、プラグ部および上記ボールがソケット穴の環状突出部の内周面に挿入され、その挿入抵抗により、上記ボールが、半径方向の内方へ後退して環状突出部の内周面の内側を通過していく。引き続いて、第1嵌合部が第2嵌合部に嵌合し、第2接当面に第1接当面が接当する。
上記の第3の発明におけるその他の作用効果は、上記の第1の発明または第2の発明と実質的に同じである。
【0014】
上記の第1発明から第3発明のいずれかの発明(以下、単に「本発明」という)においては、前記プラグ部8に設けた前記挿入孔9の前記環状壁に複数の前記収容孔15を周方向へ所定の間隔をあけて設けると共に、前記操作シャフト10に複数の前記カム溝17を周方向へ所定の間隔をあけて設けることが好ましい。
この場合、上記第1ロッドと第2ロッドとを周方向にほぼ均等に連結できる。
【0015】
本発明には、下記の構成を加えることが好ましい。
即ち、前記カム溝17は、前記ロック溝41と、前記操作シャフト10がリリース回転されたときに当該リリース回転の終点部42bへ向かうにつれて前記操作シャフト10の基端部に近づくように形成された前記リリース溝42と、前記ロック溝41と前記リリース溝42との間に形成された切換溝43であって前記ロック溝41及び前記リリース溝42よりも先端側に配置された切換溝43と、を備えるように構成する。
この場合、前記リリース状態において、前記の弾性体の付勢力により、前記ボールをリリース溝内に確実に保持することが可能になり、振動や衝撃等を受けた場合であっても当該リリース状態を維持できる。
【0016】
また、本発明では、前記ロック溝41の底壁の深さを、前記ロック回転の始点部41aから前記終点部41bへ向かうにつれて浅くなるように形成することが好ましい。
この場合、前記ロック状態では、ロック回転の終点方向へ浅くなるように形成された上記ロック溝の楔作用により、当該ロック溝が前記ボールを前記の係合部へ向けて押すことが可能になった。このため、前記第1ロッドのプラグ部と前記第2ロッドのソケット穴との両者の間には、これら両者を挿入するときに要求される半径方向の嵌合隙間が存在するにもかかわらず、上記ロック溝の楔作用により、第1ロッドと第2ロッドとの2つのロッドが半径方向にガタ付くことを防止できる。そのうえ、上記ボールが係合部を介して上記2つのロッドを引き寄せることができるので、第1当接面と第2当接面とが強力に接当される。その結果、上記2つのロッドが軸心方向にガタ付くことも防止できる。
【0017】
なお、本発明では、前記リリース溝42及び前記切換溝43の底壁の深さをほぼ一定に形成することが好ましい。
この場合、前記ボールがリリース溝及び切換溝内を円滑に相対移動できるので、リリース領域内と切換領域内では第1ロッドと第2ロッドとの2つのロッドを軽い力で操作できる。
【0018】
また、本発明では、例えば、
図2Dに示すように、前記ボール16を前記カム溝17に装着するための組込溝45を、前記ロック溝41の基端部と前記操作シャフト10の基端部との間に形成することが好ましい。
なお、本発明では、例えば、
図5Dに示すように、前記ボール16を前記カム溝17に装着するための組込溝45を、前記リリース溝42の先端部と前記操作シャフト10の先端寄り部との間に形成してもよい。