(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5894552
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月30日
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲーム制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 9/00 20060101AFI20160317BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20160317BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20160317BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20160317BHJP
A63F 13/85 20140101ALI20160317BHJP
【FI】
A63F9/00 513
A63F13/792
A63F13/30
A63F13/822
A63F13/85
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-66358(P2013-66358)
(22)【出願日】2013年3月27日
(65)【公開番号】特開2014-188173(P2014-188173A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2014年12月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(72)【発明者】
【氏名】東 尚吾
(72)【発明者】
【氏名】田村 喜隆
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 信也
(72)【発明者】
【氏名】落合 仁美子
【審査官】
宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−135855(JP,A)
【文献】
特開2011−120744(JP,A)
【文献】
特開2002−119761(JP,A)
【文献】
特開2011−078690(JP,A)
【文献】
特開2001−321571(JP,A)
【文献】
特開2011−156014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00, 9/24
A63F 13/00−13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが購入した第1の遊技価値の消費を条件として、該第1の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第1のゲームをプレイさせる第1のゲーム提供手段と、
ユーザが前記第1の遊技価値とは区別して購入し、かつ前記第1の遊技価値として通用させることができない第2の遊技価値の消費を条件として、該第2の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第2のゲームをプレイさせる第2のゲーム提供手段と、を具備し、
前記第1のゲーム提供手段には、プレイ結果に応じた前記第1の遊技価値の配当を付与しない特別ゲームを前記第1のゲームの少なくとも一部としてユーザに提供する特別ゲーム提供手段が設けられ、
前記第2のゲーム提供手段には、前記第2のゲームのプレイ結果に応じて、前記特別ゲームで利用可能な第2の特典を付与する第2特典付与手段が設けられているゲームシステム。
【請求項2】
前記第1のゲーム提供手段には、前記第1のゲームの一部として、前記特別ゲームでプレイ可能な範囲に対して、プレイ可能な範囲が重ならない通常ゲームをユーザに提供する通常ゲーム提供手段が設けられ、
前記通常ゲーム提供手段には、前記通常ゲームのプレイ結果に応じてユーザに配当を付与する配当付与手段が設けられている請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記通常ゲーム提供手段には、前記通常ゲームのプレイ結果に応じて、前記特別ゲームで利用可能な第1の特典を付与する第1特典付与手段が設けられている請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記第1のゲーム提供手段及び前記第2のゲーム提供手段が、単一のゲーム機に設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
複数の前記ゲーム機と、サーバ装置と、がネットワークを介して接続され、前記サーバ装置には、いずれかのゲーム機でユーザが取得した前記第2の特典に関する情報が記述されたプレイデータを記憶するデータ記憶手段が設けられ、
前記特別ゲーム提供手段は、前記複数のゲーム機のうちいずれのゲーム機で取得された前記第2の特典であっても利用を許可する請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記第2の遊技価値が電子通貨を利用した場合に限って購入可能である請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記特別ゲーム提供手段は、前記第1の遊技価値の消費を条件として、ユーザに前記特別ゲームを一定時間プレイさせる請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記第2の特典として、前記特別ゲームで利用可能なキャラクタの能力パラメータを上昇させることが設定されている請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記第2の特典として、前記特別ゲームでプレイ可能な範囲を拡張させることが設定されている請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
ユーザが購入した第1の遊技価値の消費を条件として、該第1の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第1のゲームをプレイさせる第1のゲーム提供手順と、
ユーザが前記第1の遊技価値とは区別して購入し、かつ前記第1の遊技価値として通用させることができない第2の遊技価値の消費を条件として、該第2の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第2のゲームをプレイさせる第2のゲーム提供手順と、を具備するゲームシステムのゲーム制御方法であって、
前記第1のゲーム提供手順には、プレイ結果に応じた前記第1の遊技価値の配当を付与しない特別ゲームを前記第1のゲームの少なくとも一部としてユーザに提供する特別ゲーム提供手順が設けられ、
前記第2のゲーム提供手順には、前記第2のゲームのプレイ結果に応じて、前記特別ゲームで利用可能な第2の特典を付与する第2特典付与手順が設けられているゲーム制御方法。
【請求項11】
ゲームシステムのコンピュータ装置を、ユーザが購入した第1の遊技価値の消費を条件として、該第1の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第1のゲームをプレイさせる第1のゲーム提供手段、及びユーザが前記第1の遊技価値とは区別して購入し、かつ前記第1の遊技価値として通用させることができない第2の遊技価値の消費を条件として、該第2の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第2のゲームをプレイさせる第2のゲーム提供手段、として機能させるように構成されたコンピュータプログラムであって、
前記第1のゲーム提供手段の少なくとも一部を、プレイ結果に応じた前記第1の遊技価値の配当を付与しない特別ゲームを前記第1のゲームの少なくとも一部としてユーザに提供する特別ゲーム提供手段、として機能させるように構成され、
前記第2のゲーム提供手段の少なくとも一部を、前記第2のゲームのプレイ結果に応じて、前記特別ゲームで利用可能な第2の特典を付与する第2特典付与手段、として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購入した遊技価値の消費を条件としてユーザにゲームをプレイさせるゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
メダルの消費に応じた範囲でゲームをプレイさせる商業用のゲーム機が周知である(例えば特許文献1参照)。商業用のゲーム機においてメダルの購入には、現金決済の他、電子マネーと呼ばれる仮想通貨を利用した決済が導入され(例えば特許文献2参照)、複数の支払い方法が用意されていることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−215782号公報
【特許文献2】特開2010−262389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メダルゲーム機では、ユーザに配当を付与するためのペイアウト率が設定され、メダル払い出しの管理がされている。このため、メダルゲームのプレイにはペイアウト率が関係することがあり、プレイ結果を引き継いでゲームを継続させにくい事情がある。そうすると、長期的なゲーム継続の動機付けを付与しにくい。
【0005】
そこで、本発明は新規なゲーム提供の仕組みを実現して稼動率を高めることができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、ユーザが購入した第1の遊技価値の消費を条件として、該第1の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第1のゲームをプレイさせる第1のゲーム提供手段(33)と、ユーザが前記第1の遊技価値とは区別して購入し、かつ前記第1の遊技価値として通用させることができない第2の遊技価値の消費を条件として、該第2の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第2のゲームをプレイさせる第2のゲーム提供手段(34、41)と、を具備し、前記第1のゲーム提供手段には、プレイ結果に応じた前記第1の遊技価値の配当を付与しない特別ゲームを前記第1のゲームの少なくとも一部としてユーザに提供する特別ゲーム提供手段(33)が設けられ、前記第2のゲーム提供手段には、前記第2のゲームのプレイ結果に応じて、前記特別ゲームで利用可能な第2の特典を付与する第2特典付与手段(34、41)が設けられているものである。
【0007】
本発明のゲーム制御方法は、ユーザが購入した第1の遊技価値の消費を条件として、該第1の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第1のゲームをプレイさせる第1のゲーム提供手順(S2〜S6、S10〜S13)と、ユーザが前記第1の遊技価値とは区別して購入し、かつ前記第1の遊技価値として通用させることができない第2の遊技価値の消費を条件として、該第2の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第2のゲームをプレイさせる第2のゲーム提供手順(S7〜S9)と、を具備するゲームシステム(1)のゲーム制御方法であって、前記第1のゲーム提供手順には、プレイ結果に応じた前記第1の遊技価値の配当を付与しない特別ゲームを前記第1のゲームの少なくとも一部としてユーザに提供する特別ゲーム提供手順(S10〜S12)が設けられ、前記第2のゲーム提供手順には、前記第2のゲームのプレイ結果に応じて、前記特別ゲームで利用可能な第2の特典を付与する第2特典付与手順(S8、S9)が設けられているものである。
【0008】
本発明のコンピュータプログラムは、ゲームシステム(1)のコンピュータ装置(31)を、ユーザが購入した第1の遊技価値の消費を条件として、該第1の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第1のゲームをプレイさせる第1のゲーム提供手段(33)、及びユーザが前記第1の遊技価値とは区別して購入し、かつ前記第1の遊技価値として通用させることができない第2の遊技価値の消費を条件として、該第2の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第2のゲームをプレイさせる第2のゲーム提供手段(34、41)、として機能させるように構成されたコンピュータプログラムであって、前記第1のゲーム提供手段の少なくとも一部を、プレイ結果に応じた前記第1の遊技価値の配当を付与しない特別ゲームを前記第1のゲームの少なくとも一部としてユーザに提供する特別ゲーム提供手段(33)、として機能させるように構成され、前記第2のゲーム提供手段の少なくとも一部を、前記第2のゲームのプレイ結果に応じて、前記特別ゲームで利用可能な第2の特典を付与する第2特典付与手段(34、41)、として機能させるように構成されたものである。
【0009】
本発明によれば、ユーザに第2の遊技価値の消費に応じて第2のゲームをプレイさせるが、第2のゲームでは、第1のゲームの特別ゲームで利用できる第2の特典が付与される。第2の特典が利用できる特別ゲームでは、第1の遊技価値の配当が付与されないので、第2の特典が利用されても第1のゲームにおける第1の遊技価値の配当を考慮しなくてもよい。従って、配当を付与する筺体が偏ることを防ぐために第1のゲームをプレイ可能な筺体を制限する必要もなく、ユーザのゲームプレイの自由度を高めてゲームシステムの稼動率を向上させることができる。
【0010】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記第1のゲーム提供手段には、前記第1のゲームの一部として、前記特別ゲームでプレイ可能な範囲に対して、プレイ可能な範囲が重ならない通常ゲームをユーザに提供する通常ゲーム提供手段(33)が設けられ、前記通常ゲーム提供手段には、前記通常ゲームのプレイ結果に応じてユーザに配当を付与する配当付与手段(33)が設けられていてもよい。これによれば、第1のゲームには、配当を付与する通常ゲームと、配当を付与しない特別ゲームとが設けられ、両ゲームが区別されている。第1のゲームのように配当を付与するタイプのゲームであっても、配当が付与されない特別ゲームを設け、その特別ゲームで他のゲームで取得した第2の特典を利用させることで、継続的なプレイを実現することができる。
【0011】
この形態において、前記通常ゲーム提供手段には、前記通常ゲームのプレイ結果に応じて、前記特別ゲームで利用可能な第1の特典を付与する第1特典付与手段(33)が設けられていてもよい。特別ゲームでは、配当が付与されないため、第1の特典によりゲームが有利に進んでも配当には影響がない。従って、配当が付与されない特別ゲームで利用できる第1の特典を通常ゲームで付与することにより、ユーザを特別ゲームに誘導することができ、ゲームの稼動率を向上させることができる。
【0012】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記第1のゲーム提供手段及び前記第2のゲーム提供手段が、単一のゲーム機(3)に設けられていてもよい。また、この形態において、複数の前記ゲーム機と、サーバ装置(2)と、がネットワーク(5)を介して接続され、前記サーバ装置には、いずれかのゲーム機でユーザが取得した前記第2の特典に関する情報が記述されたプレイデータ(25)を記憶するデータ記憶手段(22)が設けられ、前記特別ゲーム提供手段は、前記複数のゲーム機のうちいずれのゲーム機で取得された前記第2の特典であっても利用を許可してもよい。これによれば、第2の特典は、取得したゲーム機に拘わらず、どのゲーム機でも利用することができる。従来、配当が付与されるタイプのゲーム機では、プレイデータを利用して継続的にゲームをプレイすることが難しかったが、特別ゲームで第2の特典を利用させることで、プレイデータを反映させて続きからゲームをすることができる。プレイデータを利用することにより、どのゲーム機でも特別ゲームがプレイできるので、ユーザの利便性を向上させることができる。また、ゲーム機が設置される店舗が閉店した場合であっても、プレイデータが保存されていることにより他の店舗のゲーム機にて、今までプレイしたデータを引き継いでゲームをプレイすることができる。
【0013】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記第2の遊技価値が電子通貨を利用した場合に限って購入可能であってもよい。これによれば、第2のゲームで消費される第2の遊技価値が電子通貨による購入に限定されているので、電子通貨の利用を促すことができ、収益を上げることができる。
【0014】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記特別ゲーム提供手段は、前記第1の遊技価値の消費を条件として、ユーザに前記特別ゲームを一定時間プレイさせてもよい。これによれば、配当を付与しないゲームを特別ゲームとして提供することができる。また、本発明のゲームシステムの一形態において、前記第2の特典として、前記特別ゲームで利用可能なキャラクタの能力パラメータを上昇させることが設定されていてもよい。また、前記第2の特典として、前記特別ゲームでプレイ可能な範囲を拡張させることが設定されていてもよい。
【0015】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザに第2の遊技価値の消費に応じて第2のゲームをプレイさせるが、第2のゲームでは、第1のゲームの特別ゲームで利用できる第2の特典が付与される。第2の特典が利用できる特別ゲームでは、第1の遊技価値の配当が付与されないので、第2の特典が利用されても第1のゲームにおける第1の遊技価値の配当を考慮しなくてもよい。従って、配当を付与する筺体が偏ることを防ぐために第1のゲームをプレイ可能な筺体を制限する必要もなく、ユーザのゲームプレイの自由度を高めてゲームシステムの稼動率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を示す図。
【
図2】ゲームシステムで実施されるゲーム提供サービスについて説明する図。
【
図3】ゲームシステムに関する制御系の主要部の構成を示す機能ブロック図。
【
図5】ゲーム機の制御ユニットが実行するゲーム制御処理ルーチンを示すフローチャート。
【
図6】本発明の変形例に係るゲームシステムの全体構成を示す図。
【
図7】本発明の変形例に係るゲームシステムに関する制御系の主要部の構成を示す機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を示す図である。ゲームシステム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としてのゲーム機(端末装置に相当する。)3とを含む。センターサーバ2は、複数のサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0019】
ゲーム機3は、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置されるコンピュータゲーム装置である。なお、店舗6には一以上の適宜数のゲーム機3が設置される。
図1では、ゲーム機3を区別せずに描いているが、そのハードウエア構成やゲームの内容は適宜に選択されてよい。ゲーム機3は、特定のゲームに適合する物理的構成(例えば操作部等)を備えた専用機として構成されてもよいし、ソフトウエアの書き換えにより種々のゲームに対応可能な汎用機として構成されてもよい。
【0020】
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
【0021】
図2は、ゲームシステム1で実施されるゲーム提供サービスについて説明する図である。ゲーム機3は、第1の遊技価値としてのメダルを消費してゲームをプレイする、いわゆるメダルゲーム機である。ゲーム機3は、ゲーム操作部等の入力装置11と、モニタやスピーカ等の出力装置12と、メダルを投入するメダル投入口13と、ユーザが所持するカード15を読み取るカードリーダ14とを備えている。ゲーム機3では、ダンジョンを冒険するダンジョンRPG型のコンピュータゲームが提供される。ゲーム機3は、メダルの消費を条件として、メダルの消費量に見合った範囲でユーザにプレイさせる第1のゲームとしてのメダルゲームと、第2の遊技価値としてのゲームポイントを購入させ、ゲームポイントの消費を条件として、ゲームポイントの消費量に見合った範囲でユーザに第2のゲームとしての関連ゲームとを提供する。
【0022】
メダルゲームには、通常ゲームと特別ゲームとが設けられている。ユーザは、いずれかのゲームを選択してプレイする。通常ゲームは、所定量のメダルを消費して冒険するダンジョンを選択することでプレイできる。メダルは、店舗6に設置されるメダル貸出機6aでユーザが支払った金額に応じて貸し出される。貸し出されたメダルは、店舗6からの持出し、又は換金することはできない。第1の遊技価値の購入の概念には、ユーザが支払った金額に応じて貸し出されるメダルも含まれる。ダンジョンには、モンスターや宝箱が出現し、プレイに応じてメダルの配当や第1の特典を獲得できる。ダンジョンをクリアすると、ユーザには、ダンジョン内で獲得したメダルの配当や第1の特典に加え、クリアボーナスとしての配当が付与される。通常ゲームにおいて、メダルの配当は、ゲーム機3毎に設定されるペイアウト率に応じてユーザに付与される。ペイアウト率の設定は、周知技術を利用してよい。また、第1の特典として、例えば、特別ゲームを有利に進行させるアイテムや、所定のゲーム条件を満たすことによる特定ダンジョンのプレイ許可等が設定される。第1の特典は、所定の第1特典付与条件を満たすとユーザに付与される。
【0023】
一方、特別ゲームは、ダンジョンを選択してダンジョン内を冒険するゲームであるが、選択したダンジョンプレイできるプレイ可能時間は、ユーザが消費するメダルの枚数に応じて決定される。通常ゲームと違って特別ゲームでは、ダンジョン内ではメダルの配当を獲得できず、ダンジョンをクリアしてもクリアボーナスとしての配当はユーザに付与されない。特別ゲームでは、プレイに応じたメダルの配当はなく、メダルを消費するのみである。特別ゲームでは、通常ゲームで付与された第1の特典及び後述する関連ゲームで付与された第2の特典を利用できる。第1の特典及び第2の特典の利用により、特別ゲームを有利に進行させることができる。特別ゲームでは、通常ゲームや関連ゲームのプレイ結果を反映させることができる。
【0024】
ゲーム機3で提供される関連ゲームは、メダルゲームとは異なり、メダルの消費によるプレイはできない。ユーザが所有する電子通貨を利用して関連ゲームで利用できるゲームポイントを購入させ、そのゲームポイントの消費量に応じた範囲のプレイが関連ゲームでは許可される。ユーザは、クレジットカードやプリペイドカード等の電子決済を利用して後述する口座管理システム20bで処理可能な電子通貨を保有し、この電子通貨を利用してゲームポイントを購入する。あるいは、電子決済にて直接、ゲームポイントを購入してもよい。関連ゲームでは、ゲームポイントの消費量に応じてユーザがゲームをプレイできるプレイ可能時間が設定される。これは、特別ゲームと同様の仕組みである。関連ゲームでは、ユーザが操作するキャラクタの能力パラメータや特殊な能力を発動するスキルを強化できる。第2の特典は、能力パラメータの上昇やスキル強化に相当する。第2の特典は、所定の第2特典付与条件を満たすと、ユーザに付与される。関連ゲームで強化されたキャラクタは特別ゲームで使用できる。また、第2の特典として所定のゲーム条件を満たすことによる特定ダンジョンのプレイ許可であってもよい。この場合、第2の特典を利用すると特別ゲームでプレイ可能な範囲を拡張させることができる。
【0025】
通常ゲームや関連ゲームで取得した第1の特典及び第2の特典は、ユーザのプレイデータ25に保存される。プレイデータ25は、センターサーバ2でユーザ毎に管理される。センターサーバ2には、ゲーム管理システム20aが構築されている。ゲーム管理システム20aでは、ゲーム機3で実行されるメダルゲーム及び関連ゲームのゲームプログラムの更新管理や、ゲーム機3でプレイするユーザ毎のプレイデータ25の管理がされる。プレイデータ25には、通常ゲーム、特別ゲーム、関連ゲームの各ゲームデータや、各ゲームで取得した特典情報を記述した特典データが記録されている。
【0026】
また、センターサーバ2には、口座管理システム20bが構築されている。口座管理システム20bは、電子通貨の利用を管理する機能を提供するためのシステムであり、ゲーム機3からの電子通貨消費要求に応じて電子通貨を消費させるといった電子通貨の消費に関連する各種の処理を実行する。口座管理システム20bには、ユーザIDとそのユーザIDが保有する電子通貨の量(残高)とを対応付けて記録した口座データ25が設けられている。
【0027】
一般的に、ユーザがゲーム機3でメダルゲームをプレイすると、メダルゲームを長時間プレイすることによりペイアウト率が上昇し、ゲームを有利に進めることができるようになる。しかし、一旦ゲームを終了すると、次回同じゲームをプレイしてもペイアウト率は前回の環境が維持されておらず、ユーザは最初の状態からプレイをしなければならなくなる。また、ダンジョンRPG型のゲームでは、ダンジョンをクリアするとメダルの配当(ペイアウト率)にも関連するキャラクタの能力パラメータの上昇がリセットされるので、継続的にゲームをプレイしていたとしても結果としてペイアウト率がリセットされることもある。ユーザのプレイデータ25にペイアウト率を含むゲームデータを記録することもできるが、ペイアウト率は店舗6の収入にも関係し、店舗6毎に管理されるので、ある店舗6でプレイした状態を引き継いで異なる店舗6でプレイすることは、店舗6間で不公平が生じるため採用することは困難である。
【0028】
そこで、本形態では、メダルゲームや関連ゲームでプレイしたプレイ結果を、メダルの配当がない特別ゲームに反映させることで、ゲームデータを引き継いでプレイさせることができる。特別ゲームはゲーム機3毎に設定されるペイアウト率に関係しないので、別の機会にプレイする場合や、異なる店舗6でゲームをプレイする場合でもゲームデータを利用して継続的なプレイを可能にする。
【0029】
図3は、ゲームシステム1に関する制御系の主要部の構成を示す機能ブロック図である。ゲーム機3には、制御ユニット31と記憶装置32とが設けられている。制御ユニット31は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサにて実行されるべきオペレーティングシステム等のプログラムが記録されたROM、及びマイクロプロセッサに対する作業領域を提供するRAM等の内部記憶装置(不図示)とを備えたコンピュータユニットである。記憶装置32は、制御ユニット31にて実行されるべきゲームプログラム及びそのプログラムが参照すべき各種のデータを記憶する。記憶装置32は、例えばハードディスク記憶装置等の記憶保持が可能な記憶装置である。記憶装置32には、プレイデータ25が記憶される。
【0030】
制御ユニット31の内部には、メダルゲーム制御部33と、関連ゲーム制御部34とが設けられる。各制御部33、34は、制御ユニット31のコンピュータハードウエアと所定のソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。メダルゲーム制御部33は、ゲーム機3で実行される通常ゲーム及び特別ゲームに関する各種の処理を実行する。関連ゲーム制御部34は、ゲーム機3で実行される関連ゲームに関する各種の処理を実行する。制御ユニット31には、入力装置11、出力装置12、メダル投入口13及びカードリーダ14が接続される。カードリーダ14により読み取られるカード15のカードIDは、センターサーバ2上に保存されたプレイデータ25の少なくとも一部を記憶装置32に読み出すために利用される。また、カードIDは、後述するID管理データ27を参照してカードIDに対応付けられたユーザIDを特定し、ユーザIDに紐付けられた口座データ25から電子通貨を消費させるために利用される。
【0031】
センターサーバ2には、制御ユニット21と、記憶装置22とが設けられている。制御ユニット21及び記憶装置22の構成は、ゲーム機3の制御ユニット31及び記憶装置32と同様の構成でよく、説明は省略する。制御ユニット21には、内部のコンピュータハードウエアと所定のソフトウエアとの組合せによってゲーム機3の運営に必要な各種の論理的装置が生成される。制御ユニット21には、ゲーム機管理部23と、口座管理部24とが設けられる。ゲーム機管理部23は、ゲーム機3からユーザの識別情報(カードID)を受け取ってそのユーザを認証し、そのユーザのプレイデータ25をゲーム機3から受け取って保存し、あるいはゲーム機3に提供する。口座管理部24は、電子通貨の口座の残高を管理するために必要な各種の処理を実行する。口座管理部24は、ゲーム機3から送信されるカードIDに対応付けられたユーザIDを特定し、ユーザIDに紐付けられた口座データ25から電子通貨を消費させる。ユーザIDは、ユーザ毎にユニークに設けられ、複数のカードIDを有するユーザに対して、一のユーザIDに対して複数のカードIDを紐付けて管理することができる。
【0032】
記憶装置22には、プレイデータ25、口座データ26、及びID管理データ27が記録されている。プレイデータ25は、カードID毎に作成され、管理される。ゲーム機3でユーザが競馬ゲーム又はカードゲームをプレイする際には、そのユーザがゲーム機3のカードリーダ14に認識させたカードIDがセンターサーバ2に提供され、そのカードIDに関連付けられたユーザIDに対応するプレイデータ25の少なくとも一部がセンターサーバ2からゲーム機3に提供されてゲーム機3の記憶装置32に記憶される。口座データ25には、電子通貨の残高をユーザIDと対応付けて記録されている。
【0033】
図4は、プレイデータ25の一例を示す図である。プレイデータ25には、ユーザの識別情報(ユーザID)と対応付けられた、通常ゲームデータ、特別ゲームデータ及び関連ゲームデータや、特典データ等のゲーム機3でのゲームプレイに関連付けられた情報が含まれる。通常ゲームデータには、通常ゲームをプレイするユーザのプレイ回数や、プレイ成績、評価、取得したアイテム等のゲームプレイに必要な情報が含まれている。特別ゲームデータや関連ゲームデータにも各ゲームにおけるゲームプレイに必要な情報が含まれる。特典データには、通常ゲームや関連ゲームで取得した第1の特典及び第2の特典が記録される。所定の第1特典付与条件又は第2特典付与条件を満たすことにより取得あるいは許可された、例えば、関連ゲームで強化したキャラクタの情報や、関連ゲーム又は通常ゲームで取得したアイテムや、特定ダンジョンのプレイ許可情報等が記録される。
【0034】
図5は、ゲーム機3の制御ユニット31が実行するゲーム制御処理ルーチンを示すフローチャートである。ゲーム制御処理は、ゲーム機3で提供されるメダルゲーム及び関連ゲームをユーザの操作に応じて実行する処理である。まず、制御ユニット31は、ユーザによりメダルゲームが選択されたか否かを判別する(ステップS1)。ゲーム機3では、ユーザにメダルゲーム又は関連ゲームを選択させ、選択結果に基づいていずれかのゲームを実行する。あるいは、ユーザがメダルを投入するとメダルゲームを選択したと判別し、ゲームポイントを消費すると関連ゲームを選択したと判別してもよい。メダルゲームが選択された場合、制御ユニット31は、ユーザにより通常ゲームが選択されたか否かを判別する(ステップS2)。通常ゲーム及び特別ゲームをユーザに選択させる画面をモニタに表示させ、ユーザに選択をさせればよい。
【0035】
通常ゲームが選択された場合、制御ユニット31は、通常ゲームを実行する(ステップS3)。ユーザのメダル消費に応じて通常ゲームをプレイさせる。例えば、通常ゲームでプレイするダンジョンを選択させ、ユーザのプレイに応じて、アイテム付与やメダル配当等をする。ユーザへのアイテム付与等は、ダンジョンをクリアすることを条件としてもよい。制御ユニット31は、通常ゲームの実行中に第1特典付与条件を満たすか否かを判別する(ステップS4)。第1特典付与条件は、第1の特典に応じて設定される。例えば、第1の特典がアイテム付与であれば、所定の宝箱を開くことや、所定の敵キャラクタを倒したことが第1特典付与条件として設定される。第1の特典が、特定ダンジョンへのプレイ許可であっても同様である。ゲームに応じて適宜の条件を設けてよい。また、第1の特典に応じて獲得の難易度を設けてもよい。第1特典付与条件を満たす場合、制御ユニット31は、第1の特典を付与する(ステップS5)。第1特典付与条件を満たさない場合、制御ユニット31は、ステップS5の処理をスキップする。また、制御ユニット31は、配当付与処理を実行する(ステップS6)。配当付与処理は、設定されたペイアウト率に応じてユーザにメダルの配当を付与する。例えば、ダンジョンクリアや所定アイテム獲得等が設定された配当付与条件を満たすとそれに応じた配当がユーザに付与される。
【0036】
一方、ステップS1でメダルゲームが選択されなかった場合、制御ユニット31は、関連ゲームを実行する(ステップS7)。ユーザのゲームポイントの消費に応じて関連ゲームをプレイさせる。例えば、関連ゲームでプレイするダンジョンを選択させ、ユーザのプレイに応じて、スキルポイントやアイテム等を付与する。ユーザへのアイテム付与等は、ダンジョンをクリアすることを条件としてもよい。制御ユニット31は、関連ゲームの実行中に第2特典付与条件を満たすか否かを判別する(ステップS8)。例えば、第2の特典がキャラクタの強化である場合、関連ゲームで獲得したスキルポイントを使用することが第2特典付与条件として設定される。スキルポイントは、例えば、関連ゲームでプレイしたダンジョンのクリアに応じて付与されてもよいし、ゲーム内の所定の敵キャラクタの退治、アイテム獲得等に応じて付与されてもよい。強化する能力パラメータに応じてスキルポイントが設定され、集めたスキルポイントを使用することによりキャラクタの能力が強化される。
【0037】
あるいは、第2の特典がアイテム付与であれば、所定の宝箱を開くことや、所定の敵キャラクタを倒したことが第2特典付与条件として設定される。第2の特典が、特定ダンジョンへのプレイ許可であっても同様である。ゲームに応じて適宜の条件を設けてよい。また、第2の特典に応じて獲得の難易度を設けてもよい。第2特典付与条件を満たす場合、制御ユニット31は、第2の特典を付与する(ステップS9)。第2特典付与条件を満たさない場合、制御ユニット31は、ステップS9の処理をスキップする。
【0038】
ステップS2で通常ゲームが選択されなかった場合、制御ユニット31は、特別ゲームを実行する(ステップS10)。ユーザのメダル消費に応じたプレイ可能時間を付与し、特別ゲームをプレイさせる。特別ゲームでプレイするダンジョンを選択させ、ユーザのプレイに応じて、ゲームの進行を制御する。制御ユニット31は、第1の特典又は第2の特典の利用があるか否かを判別する(ステップS11)。いずれかの特典の利用がある場合、制御ユニット31は利用された特典に応じた処理を実行する(ステップS12)。例えば、第1の特典を利用する場合、それが、取得したアイテムであれば、特別ゲームの進行にアイテムに応じた効果を反映させる。また、第1の特典が、特定ダンジョンへのプレイ許可であれば、ユーザがプレイするダンジョンを選択するときに、特定ダンジョンを選択できるようにすればよい。ユーザが特定ダンジョンを選択した場合には、特定ダンジョン用のプログラムを実行し、ユーザの操作に応じてゲーム進行を制御すればよい。
【0039】
第2の特典を利用する場合、例えば、関連ゲームで強化したキャラクタを使用することができる。関連ゲームで強化されたキャラクタを特別ゲームで使用できるので、関連ゲームをプレイする動機付けをユーザに付与し、両ゲームの相乗効果によりゲーム機3の稼動率を向上させることができる。また、第2の特典が、アイテムの付与や、特定ダンジョンへのプレイ許可であれば、ユーザが取得したアイテムや許可された特定ダンジョンに応じて第1の特典の利用時と同様の処理をすればよい。いずれの特典の利用もない場合、制御ユニット31は、ステップS12をスキップする。
【0040】
ステップS4、S5、S8、S9、S12の処理の後、制御ユニット31は、各ゲームでのプレイ結果をプレイデータ25に記憶させ、更新し(ステップS13)、今回の処理を終了する。ステップS5で付与された第1の特典及びステップS9で付与された第2の特典をプレイデータ25の特典データに記録する。また、各ゲームのプレイ結果、例えば、クリアしたダンジョンで取得した特典以外のアイテムや、通常ゲームの配当、プレイ成績、評価等をプレイデータ25のそれぞれのゲームデータに記録する。
【0041】
上述した処理によれば、ユーザの操作によりいずれかのゲームが選択されるとそのゲームが実行される(ステップS1〜S3、S7、S10)。通常ゲームで第1特典付与条件が満たされると第1の特典が付与され(ステップS4、S5)、関連ゲームで第2特典付与条件が満たされると第2の特典が付与される(ステップS8、S9)。一方、特別ゲームでは、第1の特典又は第2の特典を利用すると、特典に応じた処理が実行される(ステップS11、S12)。関連ゲーム又は通常ゲームのプレイ結果をメダル配当がない特別ゲームに反映させることで、メダルゲームにおいてもプレイデータ25を利用して継続的にゲームをプレイさせることができる。これまでに育成、強化したキャラクタや、取得したアイテムをプレイデータ25に保存して(ステップS13)、継続的に利用することができるので、ユーザがゲームを継続する動機付けを付与し、ゲーム機3の稼動率を向上させることができる。プレイデータ25を利用することにより、どの店舗6のゲーム機3でも特別ゲームがプレイできるので、ユーザの利便性を向上させることができる。また、ゲーム機3が設置される店舗6が閉店した場合であっても、プレイデータ25が保存されていることにより他の店舗6のゲーム機3にて今までプレイしたデータを引き継いでゲームをプレイすることができる。また、関連ゲームで消費されるゲームポイントは電子通貨による購入に限定されているので、電子通貨の利用を促し、収益を上げることができる。
【0042】
上述した処理において、制御ユニット31のメダルゲーム制御部33が実行するステップS2〜S6、S10〜S12の処理が第1のゲーム提供手段として機能し、制御ユニット31の関連ゲーム制御部34が実行するステップS7〜S9の処理が第2のゲーム提供手段として機能する。また、メダルゲーム制御部33が実行する、ステップS3〜S5の処理が通常ゲーム提供手段として、ステップS10〜S12の処理が特別ゲーム提供手段として、ステップS4、S5の処理が第1特典付与手段として、ステップS6の処理が配当付与手段としてそれぞれ機能する。また、関連ゲーム制御部34が実行するステップS8、S9の処理が第2特典付与手段として機能する。
【0043】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、通常ゲームで第1の特典を付与するとして説明したが、これに限られない。第1の特典を付与せず、第2の特典のみ付与する形態であってもよい。また、付与する第2の特典は、上述した形態に限られない。ゲームに応じて適宜変更してよい。例えば、関連ゲームがモンスター等の敵キャラクタを仲間にするゲームである場合、仲間にした敵キャラクタを特別ゲームで利用できるようにしてもよい。この場合、第2の特典が仲間にした敵キャラクタとなる。また、関連ゲームが抽選ゲームである場合、抽選で獲得したアイテムやサービス(例えば、特別ゲームでのプレイ時間延長)を特別ゲームで利用できるようにしてもよい。第2の特典に限られず、第1の特典としてもよい。
【0044】
上述した形態では、関連ゲームとメダルゲームとを同一の筺体で提供するゲーム機3で説明したがこれに限られない。例えば、関連ゲームをユーザ端末装置4で提供させるようにゲームシステムを構成してもよい。
図6は、本発明の変形例に係るゲームシステム1Aの全体構成を示す図である。変形例に係るゲームシステム1Aの構成は、ユーザ端末装置4の追加と、ゲーム機3Aの一部及びセンターサーバ2aの一部が変更されていることを除いて、同様の構成なので同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0045】
ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
【0046】
図7は、本発明の変形例に係るゲームシステム1Aに関する制御系の主要部の構成を示す機能ブロック図である。センターサーバ2aの制御ユニット21には、ユーザ端末管理部28がさらに設けられている。ユーザ端末管理部28は、ユーザ端末装置4からユーザを識別するユーザ識別情報(一例としてユーザID等)を受け取ってユーザを認証し、ユーザ端末装置4で関連ゲームをプレイさせるために必要なデータを提供し、あるいはゲーム進行に必要なゲーム制御処理を実行する。一方、ユーザ端末装置4には、関連ゲーム制御部41が設けられる。関連ゲーム制御部41は、ユーザ端末装置4のコンピュータハードウエアと所定のソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。関連ゲーム制御部41は、ユーザ端末装置4で提供される関連ゲームに関する各種の処理を実行する。具体的な処理は、上述したゲーム機3Aの関連ゲーム制御部34と同様でよい。なお、関連ゲームに関する処理は、ユーザ端末装置4及びセンターサーバ2aのいずれか一方、あるいは両方の制御ユニットで実行されればよい。なお、ゲーム制御処理では、ステップS6〜S8、S12の関連ゲームに関係する処理を関連ゲーム制御部41(あるいはセンターサーバ2のユーザ端末管理部28)で実行し、ゲーム機3Aでは、ステップS1、S6〜S8の処理を省略すればよい。センターサーバ2aのプレイデータ25を参照することで、ユーザ端末装置4で関連ゲームをプレイしながらゲーム機3Aでメダルゲームをプレイすることもできる。プレイできる店舗6に制限がないので、ユーザはどの店舗6のゲーム機3Aでもプレイすることができ、ゲームプレイの自由度を高めることができる。
【0047】
ユーザ端末装置4(あるいはセンターサーバ2)で実行される関連ゲームのプレイ結果をゲーム機3Aの特別ゲームに反映させることで、メダルゲームを提供するゲーム機3Aとの連動が可能となる。特別ゲームにはペイアウト率の設定がないので、プレイできる店舗6を制限することなく、関連ゲームで取得した特典を利用することができる。なお、変形例において、ゲーム機3Aの関連ゲーム制御部41及びセンターサーバ2aのユーザ端末管理部28が実行するステップS7〜S9の処理が第2のゲーム提供手段として機能し、ステップS8、S9の処理が第2特典付与手段として機能する。
【0048】
また、特別ゲームにおいて、関連ゲームで利用可能な第3の特典を付与してもよい。第3の特典として、例えば、上述した第1の特典及び第2の特典のようなアイテム付与、キャラクタ強化、プレイ可能な特定ダンジョンの追加等であってもよい。特典は、各ゲームとの関係に基づいて適宜変更してよい。これにより特別ゲームから関連ゲームへのプレイ誘導ができる。特別ゲームから関連ゲームへ、さらに、関連ゲームから特別ゲームへユーザを誘導でき、ユーザを循環させ、ゲーム機3の稼動率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 ゲームシステム
2 センターサーバ
3 ゲーム機
6 店舗
25 プレイデータ
31 制御ユニット
33 メダルゲーム制御部(第1のゲーム提供手段、通常ゲーム提供手段、特別ゲーム提供手段、第1特典付与手段、配当付与手段)
34 関連ゲーム制御部(第2のゲーム提供手段、第2特典付与手段)