【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前の段階の反応混合物の一部が次の段階の反応の試料となる、閉鎖系の多段階核酸増幅反応の系、方法及び装置を提供する。
【0009】
一態様では、本発明が、試料中の一つ以上の標的ポリヌクレオチドの有無を検出する、以下の工程を包含する方法を提供する:(a)第一反応混合物中で第一段階増幅試薬(前記第一段階増幅試薬には、各標的ポリヌクレオチドの開始プライマーが含まれる)を使用して、試料由来の一つ以上の標的ポリヌクレオチドを流体的に閉じた反応系(fluidly closed reaction system)において増幅して、一つ以上の第一増幅産物を形成する工程;(b)流体的に閉じた反応系において第一反応混合物の試料を単離する工程;及び(c)第二反応混合物中で第二段階増幅試薬(前記第二段階増幅試薬には、一つ以上の第一増幅産物それぞれの少なくとも一つの第二プライマーが含まれる)を使用して、試料中の一つ以上の第一増幅産物を流体的に閉じた反応系において増幅して、一つ以上の第二増幅産物を形成し、各第二プライマーが前記第一増幅産物の開始プライマーに比例して第一増幅産物中でネスト化されるようにする工程。
【0010】
別の態様では、本発明が、ネステッド増幅反応を制御する、以下の工程を包含する方法を提供する:(i)第一段階増幅反応において、反応混合物中の蛍光指示薬の存在下で標的ポリヌクレオチドを増幅する工程(前記蛍光指示薬は、第一段階増幅反応における増幅産物の量に関連する光信号を生成することができる);(ii)第一段階増幅反応において蛍光指示薬の光信号をモニタリングする工程;及び(iii)第一段階増幅反応の反応混合物の有効部分を自動的に分離し、光信号が所定のレベルに達した又は超えたときにはいつでも、第二段階増幅反応を開始する工程。
【0011】
別の態様では、本発明が、試料中の一つ以上の標的ポリヌクレオチドの有無を検出する、以下の工程を包含する方法を提供する:(i)廃棄物レザバ、試料を含む試料レザバ、第一段階増幅試薬を含む第一反応物レザバ、及び第二段階増幅試薬を含む第二反応物レザバと選択的に流体連絡されており、各レザバが流体的に閉じている反応チャンバーを提供する工程;(ii)試料レザバ由来の試料、及び第一反応物レザバ由来の第一段階増幅試薬を反応チャンバーに流体的に移動させることで、試料中に標的ポリヌクレオチドが存在するときにはいつでも、第一段階増幅試薬が増幅反応において試料と反応し、第一増幅産物を含む反応生成物を生成するようにする工程;(iii)反応チャンバー内に残存する有効部分を除き、反応生成物を廃棄物レザバに流体的に移動させる工程;(iv)第二反応物レザバ由来の第二段階増幅試薬を反応チャンバーに流体的に移動させることで、反応生成物中に第一増幅産物が存在するときにはいつでも、第二段階増幅試薬が増幅反応において試料の有効部分と反応し、第二増幅産物を生成するようにする工程;及び(v)試料中に標的ポリヌクレオチドが存在するかどうかを決定するために第二増幅産物を検出工程。
【0012】
別の態様では、本発明が、試料中の一つ以上の標的ポリヌクレオチドの相対量を決定する、以下の工程を包含する方法を提供する:(i)一つ以上の標的ポリヌクレオチド、及び第一増幅反応物(第一増幅反応物には、標的ポリヌクレオチド及び参照配列それぞれの開始プライマーが含まれる)中の少なくとも一つの参照配列を試料において増幅して、標的ポリヌクレオチド及び参照配列それぞれの第一増幅産物を含む第一反応生成物を形成する工程;(ii)第一反応生成物の有効部分由来の一つ以上の標的ポリヌクレオチドの第一増幅産物を第二増幅反応物(前記第二増幅反応物には、各標的ポリヌクレオチドの第二プライマーが含まれる)において増幅して、各第一増幅産物の第二増幅産物を形成し、各第一増幅産物の各第二プライマーが、それらの開始プライマーに関連する当該第一増幅産物においてネスト化されるようにする工程;及び(iii)第二増幅反応物の第二増幅産物と第一増幅反応中の少なくとも一つの参照配列の増幅産物とを比較し、試料中の一つ以上の標的ポリヌクレオチドの相対量を決定する工程。
【0013】
本発明の別の態様では、ネステッド増幅反応を実施する、以下を含む流体的に閉じた反応系が提供される:(i)試料レザバ、廃棄物レザバ、第一段階増幅試薬を含む第一反応物レザバ、及び第二段階増幅試薬を含む第二反応物レザバと選択的に流体連絡されており、各レザバが流体的に閉じている反応チャンバー;及び(ii)前記試料レザバ中の試料、及び第一段階増幅試薬を反応チャンバーに流体的に移動し(ここで第一増幅反応は、反応混合物中に一つ以上の第一増幅産物を形成するために実施される);反応混合物の有効部分を単離し;前記第二段階増幅試薬及び有効部分を反応チャンバーに流体的に移動させる(ここで第二増幅反応は、一つ以上の第二増幅産物を形成するために実施される)、回転バルブと作動的に関連したポンプ。
【0014】
別の態様では、本発明が、本発明の方法を実施するための、以下を含む容器を提供する:(i)液体を含むための反応チャンバー;(ii)入口チャネルによって反応チャンバーに接続される入口;(iii)出口チャネルによって反応チャンバーに接続される出口;及び(iv)反応チャンバー内の保持部材(前記保持部材は反応チャンバー内の規定の容積を維持するように配置されており、液体の残りの部分は出口チャネルを通じて反応チャンバーから排出される)。
【0015】
別の態様では、本発明が、多段階反応を実施するための装置を提供し、前記装置が、(a)少なくとも第一チャネル及び第二チャネルがその中に形成されている本体;及び(b)(i)液体を含むための反応チャンバー;(ii)入口チャネルによって反応チャンバーに接続される入口;(iii)出口チャネルによって反応チャンバーに接続される出口;及び(iv)反応チャンバー内の保持部材(前記保持部材は、反応チャンバー内の規定の容積を維持するように配置されており、液体の残りの部分は出口チャネルを通じて反応チャンバーから排出される)を含む、前記本体から延長された反応容器からなり、容器の入口が、本体内の第一チャネルと接続しており、容器の出口が、本体内の第二チャネルと接続している装置を提供する。
【0016】
更に別の態様では、本発明が、ネステッド増幅反応の性能を制御するコンピュータによる実行用のプログラムを具現化するコンピュータ読み取り可能な製品であって、以下の命令を含むコンピュータ読み取り可能な製品を提供する:(a)第一段階増幅反応からの光信号(前記光信号は第一段階増幅反応の増幅産物の濃度と単調に関連し、前記光信号が直近の値を有する)の値を読み取る命令;(b)前記光信号の値からベースライン信号を決定する命令;(c)前記光信号の値から所定のレベルを計算する命令;(d)所定のレベルを光信号の直近の値と比較する命令;(e)前記光信号の直近の値が所定のレベル以上であるときにはいつでも、第二段階増幅反応を開始する命令;(f)第二段階の反応が開始するまで、工程(d)及び(e)を繰り返す命令。
【0017】
別の態様では、本発明が、一つ以上のRNA配列を増幅する方法であって、以下の工程を包含する方法を提供する:(i)第一反応混合物中で逆転写酵素を使用して、一つ以上のRNA配列を流体的に閉じた反応系において転写して、一つ以上の相補的な一本鎖DNA配列を形成する工程;(ii)流体的に閉じた反応系において第一反応混合物の第一有効部分を単離する工程;及び(iii)第二反応混合物中の第一段階増幅試薬(第一段階増幅試薬には、相補的な一本鎖DNA配列のそれぞれに対する開始プライマーが含まれる)を使用して、第一有効部分中の一つ以上の相補的な一本鎖DNAを流体的に閉じた反応系において増幅して、一つ以上の第一増幅産物を形成する工程。
【0018】
本発明は、(1)「キャリーオーバー」反応物の回避による閉鎖系内での二段階増幅反応における高い感度;(2)反応開始のクローズループ制御を使用した、リアルタイム多段階増幅反応の性能、特にリアルタイムネステッドPCRの性能;(3)参照配列の一段階増幅及び標的配列の多段階増幅による、多段階増幅中の更に正確な少量の標的ポリヌクレオチド;及び(4)本発明の方法を実施する好都合且つ使い捨ての反応容器を含むがこれらに限定されない、最新の技法を上回る様々な利点を種々の態様で有する、検体又は試料中の一つ以上のポリヌクレオチドを検出又は測定する系及び方法を提供する。
【0019】
定義
本明細書で使用される、核酸化学、生化学、遺伝学、及び分子生物学の用語及び記号は、例えば、Kornberg and Baker,DNA Replication,Second Edition(W.H.Freeman,New York,1992);Lehninger,Biochemistry,Second Edition(Worth Publishers,New York,1975);Strachan and Read,Human Molecular Genetics,Second Edition(Wiley−Liss,New York,1999);Eckstein;Oligonucleotides and Analogs:A Practical Approach(Oxford University Press,New York,1991);Gait,Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach(IRL Press,Oxford,1984);Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2
nd Edition(Cold Spring Harbor Laboratory,1989)等の、これらの分野における標準的論文及びテキストに従う。
【0020】
「増幅産物(amplicon)」とは、ポリヌクレオチド増幅反応の生成物を意味する。即ち、一つ以上の開始配列から複製される、ポリヌクレオチドの集団であり、通常は二本鎖である。一つ以上の開始配列は、同じ配列の一つ以上のコピーとなる場合もあれば、異なる配列の混合物となる場合もある。増幅産物は、その生成物が一つ以上の標的核酸の複数の複製である、種々の増幅反応によって生成することができる。一般的に、増幅産物を生成する増幅反応生成物は、反応生成物の生成に必要な鋳型ポリヌクレオチド中で相補体を有する、ヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドのいずれかである、反応生成物の塩基対を形成するという点において、「鋳型由来」である。一態様では、鋳型由来の反応が、核酸ポリメラーゼを使用したプライマー伸長法、又は核酸リガーゼを使用したオリゴヌクレオチドライゲーション反応となる。当該反応には、本明細書に参考文献として組み入れられる、米国特許第4,683,195号、米国特許第4,965,188号、米国特許第4,683,202号、米国特許第4,800,159号(Mullis et al.)(PCR);米国特許第5,210,015号(Gelfand et al.)(「タックマン」プローブ付きリアルタイムPCR);米国特許第6,174,670号(Wittwer et al.);米国特許第4,988,617号(Landegren et al.)(LCR);米国特許第5,427,930号(Birkenmeyer et al.)(「ギャップ−LCR」);米国特許第5,399,491号(Kacian et al.)(NASBA);米国特許第5,648,211号、米国特許第5,712,124号(Walker)(SDA);米国特許第5,854,033号(Lizardi);日本国特許出願公開平4−262799(Aono et al.)(ローリングサークル増幅反応)等の文献に開示されるような、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、線状ポリメラーゼ反応、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖変位増幅(SDA)、核酸配列増幅(NASBA)、ローリングサークル増幅等が含まれるが、これらに限定されない。一態様では、本発明の増幅産物がPCRによって生成される。増幅反応は、増幅反応の進行として反応生成物を測定することを可能にする検出化学が利用できる場合に、例えば、後述する「リアルタイムPCR」又はLeone et al.,Nucleic Acids Research,26:2150−2155(1998)等の文献に記載されるような「リアルタイムNASBA」等の「リアルタイム」増幅となる場合もある。本明細書で使用される「増幅する」とは、増幅反応を実施することを意味する。「反応混合物」とは、反応を実施する上で必要な全ての反応物(反応の際の選択されたレベルにおいてpHを維持するための緩衝剤、塩、補因子、捕捉剤等が含まれるが、これらに限定されない)を含む溶液を意味する。
【0021】
増幅反応に関する「閉鎖(閉じた)」とは、液体、特に、核酸、タンパク質、ウイルス、細菌等が含まれるが、これらに限定されない、非試料材料生体分子又は生物等の非試料材料を含む液体が通過できるような開口を有さない、容器又はコンテナ又はチャンバー内で当該反応が行われることを意味する。一態様では、閉鎖増幅反応物を入れる容器、チャンバー又はコンテナに、気体を透過するが液体を透過しない出入口又は排出口、例えば、フィルター膜を通じて空気を排出するが、従来の反応条件下では液体を排出しない排出口が含まれる場合がある。当該排出口に適した膜には、TyrekOフィルム(Dupont)等の織られたポリオレフィンフィルムが含まれる。
【0022】
「相補的又は実質的に相補的」とは、例えば、二本鎖DNA分子の2本鎖の間、又はオリゴヌクレオチドプライマーと一本鎖核酸のプライマー結合部位との間等の、ヌクレオチド又は核酸の間のハイブリダイゼーション、又は塩基対形成又は二重鎖の形成を意味する。一般的に、相補的ヌクレオチドは、A及びT(又はA及びU)、又はC及びGである。適切なヌクレオチド挿入又は欠失を認め、一本鎖のヌクレオチドを適切に並べ、比較し、他方の鎖と少なくとも約80%、通常は少なくとも約90%〜95%、更に好ましくは約98〜100%が対を形成する場合に、一本鎖RNA又はDNA分子は実質的に相補的と言える。又、その相補体に対する選択的なハイブリダイゼーション条件下でRNA又はDNA鎖がハイブリダイズする場合、実質的な相補性が存在する。通常は、選択的ハイブリダイゼーションは、少なくとも14〜25ヌクレオチドの伸びを超えて少なくとも約65%、好ましくは少なくとも約75%、更に好ましくは少なくとも約90%の相補性がある場合に生じる(本明細書に参考文献として組み入れられる、M.Kanehisa Nucleic Acids Res.12:203(1984)を参照)。
【0023】
「コンピュータ読み取り可能な製品」とは、コンピュータによって読み取ることができるか、伝達される情報を保存するための任意の有形の媒体を意味する。コンピュータ読み取り可能な製品には、磁気ディスク、磁気テープ、光ディスク、CD−ROM、穿孔テープ又はカード、読み込み専用記憶装置、直接アクセス記憶装置、ゲートアレイ、静電記憶装置、及びその他の同様の媒体が含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
「二重鎖」とは、安定した複合体が形成されるように、完全に又は部分的に相補し合う少なくとも二本のオリゴヌクレオチド及び/又はポリヌクレオチドが、全て又は殆どのヌクレオチドの間でワトソン−クリック型塩基対を形成することを意味する。「アニーリング」及び「ハイブリダイゼーション」という用語は、安定した二重鎖の形成を意味するために同じ意味で使用される。二重鎖に関する「完全に一致」とは、各鎖中の全てのヌクレオチドが他の鎖中のヌクレオチドとワトソン−クリック型塩基対を形成するように、二重鎖を構成するポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド鎖が互いに二重鎖構造を形成することを意味する。「二重鎖」という用語は、いずれも利用されることがある、デオキシイノシン、2−アミノプリン塩基を有するヌクレオシド、PNA等のヌクレオシド類似体の対を含む。二本のオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの間の二重鎖における「不一致」とは、二重鎖中のヌクレオチドの対がワトソン−クリック型結合を形成しないことを意味する。
【0025】
「流体的に閉じた(閉じている)」とは、従来の操作条件において、一つ以上の容器、チャンバー、バルブ及び/又は通路を含む系内の液体が相互に通じており、この系の外部とは通じることができず、同様に、この系の外部の液体が、系の内部に含まれる液体とは通じることができないことを意味する。一態様では、流体的に閉じた系の容器、チャンバー、バルブ及び通路が100psi未満の範囲、別の態様では、50psi未満の範囲又は30psi未満の範囲に加圧されていることを、従来の作動条件が意味する。
【0026】
「蛍光指示薬」とは、反応混合物中の生成物が、少なくとも所定の濃度範囲を超えて蓄積すると、蛍光指示薬のシグナルが増加するように、増幅反応の生成物(即ち、「増幅生成物」)の存在下で蛍光シグナルを生成することのできるプローブを意味する。蛍光指示薬は、二本鎖DNA生成物と結合する、YO−PRO−1、SYBRグリーン1等のインターカレーティング色素(intercalating dye)(Ishiguro et al.,Anal.Biochem.,229:207−213(1995);Tseng et al.,Anal.Biochem.,245:207−212(1997);Morrison et al.,Biotechniques,24:954−962(1998))、又はプライマーの伸長によって離れるまで、蛍光クエンチャーに近接することを防止する、蛍光分子を有するヘアピン構造を有するプライマー等(Amplifluor
TMプライマー)(例えば、Whitecombe et al.,Nature Biotechnology,17:804−807(1999))のように非特異的になる場合もある。又、蛍光指示薬は、通常、オリゴヌクレオチド部分が増幅生成物に特異的に結合するまで、蛍光クエンチャーに近接している蛍光分子を含む、標的配列に特異的になる場合もある(例えば、Gelfand et al.,米国特許第5,210,015号(「タックマン」);Nazarenko et al.,Nucleic Acids Research,25:2516−2521(1997)(「スコーピオンプローブ」);Tyagi et al.,Nature Biotechnology,16:49−53(1998)(「モレキュラービーコン」))。蛍光指示薬は、リアルタイムPCRと共に使用される場合もあれば、反応完了ときに反応生成物の全量を測定するために使用される場合がある。
【0027】
「内標準」とは、試料中の標的ポリヌクレオチドの絶対的又は相対的定量を可能にするために、標的ポリヌクレオチドとして、同一の増幅反応中で増幅される核酸配列を意味する。内標準は、内生的である場合もあれば、外生的である場合もある。即ち、内標準は試料中で自然に発生することもでき、又は、増幅前に試料に加えることもできる。一態様では、試料中の対応する標的ポリヌクレオチドの量を決定するために標的増幅産物を対比することができるような検定を規定するために、一連の所定の濃度で反応混合物に複数の外生的内標準配列が加えられる場合がある。外生的内標準の数、配列、長さ及びその他の特徴の選択は、当業者にとって通常の設計上の選択である。好ましくは、外生的内標準(又、本明細書では「参照配列」とも称する)は、一定の又は細胞サイクルに依存する転写レベルを示す、最小限に制御された遺伝子に対応する試料に対して自然な配列である(例えば、Selvey et al.,Mol.Cell Probes,15:307−311(2001))。具体的な参照配列には、以下の遺伝子、即ち、GAPDH、β
2−ミクログロブリン、18SリボゾームRNA、及びβ−アクチンの遺伝子(上記に引用したSelvey et al.を参照)からの配列が含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
「キット」とは、本発明の方法を実施するための材料又は試薬を送達するための任意の送達系を意味する。反応アッセイとの関連で、当該送達系には、任意の位置から別の位置への反応試薬(例えば、適切なコンテナ中のプローブ、酵素等)及び/又は支持材(例えば、アッセイを実施するための緩衝剤、説明書等)の保存、輸送又は送達を可能にする系が含まれる。例えば、キットには、関連する反応試薬及び/又は支持材を含む一つ以上の筐体(例えば、箱)が含まれる。当該内容物は、一緒に又は別々に、所期の受容者に送達される。例えば、第一コンテナにはアッセイに使用される酵素が含まれ、第二コンテナにはプローブが含まれる。
【0029】
「ライゲーション」とは、鋳型由来反応において、複数の核酸、例えば、オリゴヌクレオチド及び/又はポリヌクレオチドの末端の間に共有結合又は連鎖を形成することを意味する。結合又は連鎖の性質は広く変化することができ、ライゲーションは酵素的又は化学的に実施することができる。本明細書で使用されるように、ライゲーションは、通常、1本のオリゴヌクレオチドの末端ヌクレオチドの5’炭素と別のオリゴヌクレオチドの3’炭素との間にリン酸ジエステル結合を酵素的に形成して実施される。鋳型由来ライゲーション反応は、本明細書に参考文献として組み入れられる、以下の文献、即ち、米国特許第4,883,750号(Whitely et al.);米国特許第5,476,930号(Letsinger et al.);米国特許第5,593,826号(Fung et al.);米国特許第5,426,180号(Kool);米国特許第5,871,921号(Landegren et al.);Xu and Kool,Nucleic Acids Research,27:875−881(1999);Higgins et al.,Methods in Enzymology,68:50−71(1979);Engler et al.,The Enzymes,15:3−29(1982);及び米国特許出願公開第2004/0110213号(Namsaraev)に記載されている。
【0030】
「微小流体デバイス」とは、相互接続され、流体連絡されており、単独で、又は試料の投入、流体及び/又は試薬駆動手段、温度制御、及び検出系等の支援機能を提供する装置又は計器と連携して、分析反応又はプロセスを実施するために設計されている、一つ以上のチャンバー、排出口、及びチャネルの統合された系を意味する。微小流体には更に、バルブ、ポンプ、内壁に特定の機能性コーティング、例えば、試料成分又は試薬が吸着するのを防止するか、又は電気浸透等による試薬の移動を促進するコーティングが含まれる場合がある。通常、当該装置は、ガラス、プラスチック、又はその他の固体ポリマー材料である場合がある固体基板において、又は固体基板として製造され、一般的には、特に光学的又は電気化学的方法による、検出、及び試料のモニタリング、及び試薬の移動を容易にするための平面型を有している。微小流体デバイスの特徴は、通常、数100平方マイクロメートル以下の断面積を有し、通路は、通常、毛細血管の寸法、例えば、約1000μm〜約0.1μmの最大断面寸法を有する。微小流体デバイスは、通常、100μL〜数nLの範囲、例えば、10〜100nLの容積を有する。微小流体デバイスは、本明細書に組み入れられる、以下の文献、即ち、米国特許第6,001,229号、米国特許第5,858,195号、米国特許第6,010,607号及び米国特許第6,033,546号(Ramsey);米国特許第5,126,022号及び米国特許第6,054,034号(Soane et al.);米国特許第6,613,525号(Nelson et al.);米国特許第6,399,952号(Maher et al.);国際特許出願公開WO 02/24322号(Ricco et al.);国際特許出願公開WO 99/19717号(Bjornson et al.);米国特許第5,587,128号及び米国特許第5,498,392号(Wilding et al.)によって例示されているように、当業界において周知である。
【0031】
本明細書で使用される、「ヌクレオシド」には、例えば、Kornberg and Baker,DNA Replication,2
nd Edition(Freeman,San Francisco,1992)に開示されているように、2’−デオキシ及び2’−ヒドロキシ型を含む天然ヌクレオシドが含まれる。ヌクレオシドに関する「類似体」には、特定のハイブリダイーションを行なう能力があるという条件で、例えば、Scheit,Nucleotide Analogs(John Wiley,New York,1980);Uhlman and Peyman,Chemical Reviews,90:543−584(1990)等に記載されているような、修飾塩基部分及び/又は修飾糖部分を含む合成ヌクレオシドが含まれる。当該類似体には、結合特性を向上し、複雑さを減少し、特異性を向上させる等のために設計された合成ヌクレオシドが含まれる。ハイブリダイゼーション、又はヌクレアーゼ耐性を向上させた類似体を含むポリヌクレオチドは、Uhlman and Peyman(上記で引用);Crooke et al.,Exp.Opin.Ther.Patents,6:855−870(1996);Mesmaeker et al.,Current Opinion in structural Biology,5:343−355(1995)等に開示されている。二重鎖の安定性を向上することのできる、模範的なタイプのポリヌクレオチドには、オリゴヌクレオチドN3’→P5’ホスホロアミデート(本明細書では「アミデート」と称する)、ペプチド核酸(本明細書では「PNAs」と称する)、オリゴ−2’−O−アルキルリボヌクレオチド、C−5プロピニルピリミジンを含むポリヌクレオチド、ロックド核酸(LNAs)及び同様の化合物が含まれる。当該オリゴヌクレオチドは、市販されているか、又は文献に開示される方法を使用して合成することができる。
【0032】
「ポリメラーゼ連鎖反応」又は「PCR」とは、DNAの相補鎖の同ときに起こるプライマー伸長による、特定のDNA配列のインビトロ増幅のための反応を意味する。即ち、PCRは、プライマー結合部位に隣接する標的核酸の複数のコピー又は複製物を製造するための反応であって、当該反応は以下の工程を1回以上繰り返すことを包含する:(i)標的核酸を変性させる工程、(ii)プライマーをプライマー結合部位にアニーリングする工程、及び(iii)ヌクレオシド三リン酸の存在下で、核酸ポリメラーゼによってプライマーを伸長させる工程。通常、反応は、サーマルサイクラー手段中で各工程に適した種々の温度を通して循環する。特定の温度、各工程における持続時間、工程間の変化速度は、当業者に周知の多くの要因に依存し、例えば、McPherson et al.,PCR:A Practical Approach(IRL Press,Oxford,1991)及びMcPherson et al.,PCR2:A Practical Approach(IRL Press,Oxford,1995)等の文献に例示されている。例えば、Taq DNAポリメラーゼを使用する従来のPCRにおいては、二重鎖標的核酸は90℃を超える温度で変性され、プライマーは50〜75℃の範囲の温度でアニーリングされ、プライマーは、72〜78℃の範囲の温度で伸長される。「PCR」という用語には、RT−PCR、リアルタイムPCR、ネステッドPCR、定量的PCR、マルチプレックスPCR等の派生した型形の反応が含まれるが、これらに限定されない。反応容積は、数100nL、例えば200nL〜数100μL、例えば200μLの範囲である。「逆転写PCR」又は「RT−PCR」とは、標的RNAを、次に増幅される相補的一本鎖DNAに変換する逆転写反応によって先行するPCRを意味する(例えば、本明細書に参考文献として組み入れられる、米国特許第5,168,038号(Tecott et al.))。「リアルタイムPCR」とは、反応が進行するにつれて、反応生成物、即ち増幅産物の量をモニタリングするPCRを意味する。主に反応生成物をモニタリングするために使用する検出化学がことなる、多くの形態のリアルタイムPCRがある(例えば、本明細書に参考文献として組み入れられる、米国特許第5,210,015号(Gelfand et al.)(「タックマン」);米国特許第6,174,670号及び第6,569,627号(Wittwer et al.)(インターカレーティング色素);米国特許第5,925,517号(Tyagi et al.)(モレキュラービーコン))。リアルタイムPCRのための検出化学は、本明細書に参考文献として組み入れられる、Mackay et al.,Nucleic Acids Research,30:1292−1305(2002)に論評されている。「ネステッドPCR」とは、第一PCRの増幅産物が、いずれかが第一増幅産物の内部に結合する、プライマーの新しいセットを使用した第二PCRの試料となる二段階PCRを意味する。本明細書で使用されるように、ネステッド増幅反応に関する「開始プライマー」は第一増幅産物を生成するために使用されるプライマーを意味し、「第二プライマー」は第二、又はネステッド増幅産物を生成するために使用される一つ以上のプライマーを意味する。「マルチプレックスPCR」とは、同じ反応混合物中で同ときに複数の標的配列(又は単一の標的配列及び一つ以上の参照配列)が実施されるPCRを意味する(例えば、Bernard et al.,Anal.Biochem.,273:221−228(1999)(二色リアルタイムPCR))。通常、各配列の増幅のために、プライマーの別個のセットが使用される。通常、マルチプレックスPCRにおける標的配列の数は、2〜10、又は2〜6、更に一般的には2〜4の範囲である。
【0033】
「定量的PCR」とは、試料又は検体中の一つ以上の特定の標的配列の存在量を測定するために設計されたPCRを意味する。定量的PCRには、当該標的配列の絶対的定量及び相対的定量の両方が含まれる。定量的測定は、標的配列と別個に、又は一緒にアッセイされ得る、一つ以上の参照配列を使用して行われる。参照配列は、試料又は検体に対して内生的である場合もあれば、外生的である場合もあり、後者の場合は、一つ以上の競合鋳型を含む場合もある。一般的な内生的参照配列には、β−アクチン、GAPDH、β
2−ミクログロブリン、リボゾームRNA等の遺伝子の断片又は転写物が含まれる。定量的PCRの技法は、本明細書に参考文献として組み入れられる、Freeman et al.,Biotechniques,26:112−126(1999);Becker−Andre et al.,Nucleic Acids Research,17:9437−9447(1989);Zimmerman et al.,Biotechniques,21:268−279(1996):Diviacco et al.,Gene,122:3013−3020(1992):Becker−Andre et al.,Nucleic Acids Research,17:9437−9446(1989)等に例示されているように、当業者に周知である。
【0034】
「ポリヌクレオチド」及び「オリゴヌクレオチド」とは、同じ意味で使用され、それぞれヌクレオチドモノマーの直鎖状ポリマーを意味する。ポリヌクレオチド及びオリゴヌクレオチドを生成するモノマーは、ワトソン−クリック型塩基対形成、塩基対の積み重ね、フッグスティーン又は逆フッグスティーン型塩基対形成等の、モノマー−モノマー相互作用の規則的なパターンによって天然ポリヌクレオチドと特異的に結合することができる。当該モノマー及びそれらのヌクレオシド内結合は、自然に発生するか、又はそれらの、自然に発生するか、又は自然に発生しない類似体等の類似体となる場合がある。自然に発生しない類似体には、PNA、ホスホロチオエートヌクレオシド内結合、蛍光色素分子又はハプテン等の、標識の結合を可能にする結合基を含む塩基が含まれる。オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドが、ポリメラーゼによる伸長、リガーゼによるライゲーション等の酵素処理を必要とするときにはいつでも、事例におけるオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドは、幾つかの位置で、ヌクレオシド内結合の特定の類似体、糖成分、又は塩基を含まないことを当業者は理解するであろう。通常に「オリゴヌクレオチド」として言及される時は、ポリヌクレオチドは、通常、数個のモノマー単位、例えば5〜40から数千のモノマー単位のサイズに及ぶ。ポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドは、「ATGCCTG」のように文字の配列(大文字又は小文字)によって表わされ、指摘されるか、事情から明らかでない限りは、左から右への順序で5’→3’であり、「A」はデオキシアデノシンを示し、「C」はデオキシシチジンを示し、「G」はデオキシグアノシンを示し、及び「T」はチミジンを示し、「I」はデオキシイノシンを示し、「U」はウリジンを示すことが理解される。特に断らない限り、専門用語及び原子の番号付けの慣習は、Strachan and Read,Human Molecular Genetics 2(Wiley−Liss,New York,1999)に開示されたものに従う。通常、ポリヌクレオチドは、リン酸ジエステル結合によって結合された4種の天然ヌクレオシド(例えば、DNA用のデオキシアデノシン、デオキシシチジン、デオキシグアノシン、デオキシチミジン、又はRNA用のこれらのリボソーム相当品)を含むが、修飾塩基、糖、又はヌクレオシド内結合等の、非天然ヌクレオチド類似体を含む場合もある。酵素が、活性のために、一本鎖DNA、RNA/DNA二重鎖等の、特異的なオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド基質要求性を有することは当業者に明らかであり、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド基質についての適切な組成物の選択は、当業者の知識内、特に、Sambrook et al.,Molecular Cloning,第二版(Cold Spring Harbor Laboratory,New York,1989)及び同様の文献等の論文からのガイダンス内で十分である。
【0035】
「プライマー」とは、伸長された二重鎖が形成されるように、核酸合成の開始点として作用し、3’末端から鋳型に沿って伸長するためのポリヌクレオチド鋳型と二重鎖を形成することのできる、天然又は合成のいずれかのオリゴヌクレオチドを意味する。プライマーの伸長は、通常、DNA又はRNAポリメラーゼ等の核酸ポリメラーゼを使用して実施される。伸長プロセスで加えられるヌクレオチドの配列は、鋳型ポリヌクレオチドの配列によって決定される。通常、プライマーはDNAポリメラーゼによって伸長される。プライマーは、通常、14〜40ヌクレオチドの範囲、又は18〜36ヌクレオチドの範囲の長さを有する。プライマーは、単一のプライマーを使用した直線増幅反応、又は複数のプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応等の、種々の核酸増幅反応で使用される。特定の用途のためのプライマーの長さ及び配列の選択のためのガイダンスは、本明細書に参考文献として組み入れられる、Dieffenbach,PCR Primer:A Laboratory Manual,2
nd Edition(Cold Spring Harbor Press,New York,2003)等によって証明されるように、当業者に周知である。
【0036】
「読み出した情報(readout)」とは、測定及び/又は検出し、数字又は値に変換することができるパラメータを意味する。ある事情においては、読み出した情報は、このように集めた又は記録したデータの実際の数値的な表現を意味する。例えば、マイクロアレイからの蛍光強度信号の読み出した情報は、マイクロアレイの各ハイブリダイゼーション部位において生成された信号のアドレス及び蛍光強度である。従って、かかる読み出した情報は、種々の方法、例えば、マイクロアレイの画像として、数字の表として、記録又は保存することができる。
【0037】
一分子の別の分子への結合、例えば、プローブについての標識された標的配列への結合に関する「特異的に」又は「特異性」とは、認識し、接触し、2個の分子間で安定した複合体を形成し、その他の分子とは、実質的に認識せず、接触せず、又は複合体を形成しないことを意味する。一態様では、第一分子の第二分子への結合に関する「特異的」が、第一分子が反応物又は試料中で、別の分子を認識して複合体を形成する範囲で、第二分子と多くの複合体を形成することを意味する。好ましくは、この多くの複合体は、少なくとも50%である。一般的に、特異的結合現象に関与する分子は、相互に結合する分子の間の特異的認識を起こす表面又は空洞における領域を有する。特異的結合の具体例には、抗体−抗原相互作用、酵素−基質相互作用、ポリヌクレオチド及び/又はオリゴヌクレオチドの間の二重鎖又は三重鎖の形成、受容体−リガンド相互作用等が含まれる。本明細書で使用されるように、特異性又は特異的結合に関する「接触」とは、2個の分子が、ファンデルワールス力、水素結合、塩基の積み重ね相互作用、イオン及び疎水性相互作用等の弱い非共有化学的相互作用に十分に接近することを意味する。
【0038】
「Tm」又は「融解温度」とは、二重鎖核酸分子の集団が、半分が一本鎖に解離する温度を意味する。核酸のTmを計算するための幾つかの式は当業界で周知である。例えば、Tm値の簡単な概算は、以下の式によって計算することができる。1M NaClにおける水溶液中に核酸がある場合、Tm=81.5+0.41(G+C%)。二重鎖形成及び解離の更に完全なモデルに基づくTmの計算方法は、Breslauer et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,83:3746−3750(1986);及びWetmur,Crit.Rev.Biochem.Mol.Biol.,26:227−259(1991)に開示されている。
【0039】
「試料」とは、標的核酸の検出又は測定が求められている、生物学的、環境的、医学的又は患者からの材料の分量を意味する。一方で、検体又は培養物(例えば、微生物の培養物)を含むことを意味する。他方では、生物学的及び環境的試料の両方を含むことを意味する。試料には合成起源の検体が含まれる場合もある。生物学的試料には、ヒトを含む動物、液体、固体(例えば、便)又は組織、液体及び固体の食品及び加工食品、酪農製品、野菜、肉及び肉の副産物及び廃棄物等の成分が含まれるが、これらに限定されない。生物学的試料には、培養物、血液、唾液、脳、髄液、胸水、乳、リンパ液、痰、精液、針吸引した試料等が含まれる。生物学的試料は、全ての種々の系統の家畜、及び野生動物、例えば、有蹄動物、熊、魚、げっし類等から得られるが、これらに限定されない。環境的試料には、表面材料、土、水及び工業的試料、及び食品及び酪農加工手段、装置、設備、道具、使い捨て及び使い捨てでない部品から得られる試料等の、環境的材料が含まれる。これらの具体例は、本発明に適用できる試料のタイプを限定するとして解釈されない。「試料」及び「検体」という用語は、同じ意味で使用される。
【0040】
多数の蛍光標識に関する「スペクトル分解可能」とは、標識の蛍光放射が十分に識別され、即ち、十分に重複しておらず、結合したそれぞれの標識が結合した分子タグが、標準的光検出系によるそれぞれの標識によって生成される蛍光信号に基づいて、例えば、米国特許第4,230,558号、米国特許第4,811,218号等、又はWheeless et al.,Flow Cytometry,Instrumentation and Data Analysis:21−76(Academic Press,New York,1985)に例示されるような、バンドパスフィルター及び光電子増倍管を使用して区別することができることを意味する。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
ネステッド増幅反応を制御する方法であって、
第一段階増幅反応において、反応混合物中の蛍光指示薬の存在下で標的ポリヌクレオチドを増幅する工程であって、該蛍光指示薬は、該第一段階増幅反応における増幅産物の量に関連する光信号を生成することができる、工程;
該第一段階増幅反応において該蛍光指示薬の光信号をモニタリングする工程;及び、
該第一段階増幅反応の反応混合物の有効部分を自動的に分離し、該光信号が閾値に達するか、又は閾値を超えるときに第二段階増幅反応を開始する工程
を包含する、方法。
(項目2)
前記第一段階増幅反応の前記反応混合物が、流体的に閉じた反応系の第一反応チャンバー内にあり、前記自動的に分離する工程が、該第一段階の反応混合物の前記有効部分を第二反応チャンバーに流体的に移動させることを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第一段階増幅反応の前記反応混合物が、流体的に閉じた反応系の第一反応チャンバー内にあり、前記自動的に分離する工程が、第一反応チャンバー内に残存する有効部分を除き、該第一段階の反応混合物を廃棄物レザバに流体的に移動させることを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記第一反応チャンバーが、底部及び出口を有し、該出口は、前記第一段階の反応混合物が該出口を通じて前記廃棄物レザバに流体的に移動されるときにはいつでも、該第一段階の反応混合物の一定の容積が該第一反応チャンバーにおいて該出口よりも下に維持されているように、該底部よりも上に配置される、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記第一反応チャンバーにおいて維持されている前記容積は、前記有効部分を含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記有効部分が、少なくとも1分子の前記増幅産物を含むのに十分な前記反応混合物の容積である、項目3に記載の方法。
(項目7)
前記有効部分が、少なくとも100分子の前記増幅産物を含むのに十分な前記反応混合物の容積である、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記反応混合物が一定の容積を有し、前記有効部分が該反応混合物の容積の一定の割合であり、該割合が、0.5〜10%の範囲から選択される、項目3に記載の方法。
(項目9)
前記閾値が、多様なベースライン信号レベルであり、該多様性が、1.5〜25の範囲から選択される、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記閾値が、前記光信号によって規定される成長曲線の最大値、最小値、又はゼロ値に対応する、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記蛍光指示薬が、二本鎖DNAに特異的に結合するか、又は増幅生成物に特異的に結合するオリゴヌクレオチド部分を含むインターカレーティング色素から選択される、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記増幅産物が、前記第一段階増幅反応における参照配列の増幅によって生成される、項目10に記載の方法。
(項目13)
前記増幅産物が、前記第一段階増幅反応における標的ポリヌクレオチドの増幅によって生成される、項目10に記載の方法。
(項目14)
試料中の一つ以上の標的ポリヌクレオチドの有無を検出する方法であって、
第一反応混合物中の第一段階増幅試薬を使用して、該試料由来の一つ以上の標的ポリヌクレオチドを流体的に閉じた反応系において増幅して、一つ以上の第一増幅産物を形成する工程であって、該第一段階増幅試薬は、各標的ポリヌクレオチドに対する開始プライマーを含む、工程;
該流体的に閉じた反応系において第一反応混合物の有効部分を単離する工程;
第二反応混合物中の第二段階増幅試薬を使用して、該有効部分中の該一つ以上の第一増幅産物を該流体的に閉じた反応系において増幅して、一つ以上の第二増幅産物を形成する工程であって、該第二段階増幅試薬は、該一つ以上の第一増幅産物のそれぞれに対する少なくとも一つの第二プライマーを含み、その結果、各第二プライマーはそのような第一増幅産物の開始プライマーに比例してそのような第一増幅産物中でネスト化される、工程;及び、
該一つ以上の第二増幅産物を検出して、該試料中の該一つ以上の標的ポリヌクレオチドの有無を決定する工程
を包含する、方法。
(項目15)
前記第一反応混合物が、流体的に閉じた反応系の第一反応チャンバー内にあり、前記単離工程が、該第一反応混合物の前記有効部分を第二反応チャンバーに流体的に移動させることを含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記第一反応混合物が、流体的に閉じた反応系の第一反応チャンバー内にあり、前記単離工程が、該第一反応チャンバー内に残存する有効部分を除き、該第一反応混合物を廃棄物レザバに流体的に移動させることを含む、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記第一反応チャンバーが、底部及び出口を有し、該出口は、前記第一段階の反応混合物が該出口を通じて前記廃棄物レザバに流体的に移動されるときにはいつでも、該第一段階の反応混合物の一定の容積が該第一反応チャンバーにおいて該出口よりも下に維持されているように、該底部よりも上に配置される、項目16に記載の方法。
(項目18)
第一反応チャンバーにおいて維持されている前記容積が、前記有効部分を含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記有効部分が、少なくとも1分子の前記増幅産物を含むのに十分な前記第一反応混合物の容積である、項目16に記載の方法。
(項目20)
前記有効部分が、少なくとも100分子の前記増幅産物を含むのに十分な前記第一反応混合物の容積である、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記反応の第一混合物が一定の容積を有し、前記有効部分が該第一反応混合物の容積の一定の割合であり、該割合が、0.5〜10%の範囲から選択される、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記単離工程が、前記第一反応混合物中の一つ以上の増幅産物の一つと関連する蛍光指示薬からの光信号をモニタリングする工程であって、該光信号は、該増幅産物の量と単調に関連する、工程;及び該光信号が所定のレベル以上であるときにはいつでも、該第一反応混合物の前記有効部分を自動的に分離する工程を包含する、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記所定のレベルが、多様なベースライン信号レベルであり、該多様性が1.5〜25の範囲から選択される、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記第一段階増幅試薬及び前記第二段階増幅試薬が、ポリメラーゼ連鎖反応又はNASBA反応を実施するための試薬を含む、項目16〜23のいずれかに記載の方法。
(項目25)
前記蛍光指示薬が、二本鎖DNAに特異的に結合するか、又は前記第一反応混合物中の増幅生成物に特異的に結合するオリゴヌクレオチド部分を含むインターカレーティング色素から選択される、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記一つ以上の増幅産物のうちの一つが、前記第一反応混合物における参照配列の増幅によって生成される、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記流体的に閉じた反応系が微小流体デバイスである、項目24に記載の方法。
(項目28)
前記流体的に閉じた反応系が、
反応チャンバーであって、前記試料を含む試料レザバ、第一段階増幅試薬を含む第一反応物レザバ、及び第二段階増幅試薬を含む第二反応物レザバと選択的に流体連絡し、該レザバのそれぞれは流体的に閉じている、反応チャンバー;ならびに
ポンプであって、該試料及び該第一段階増幅試薬を該反応チャンバーに流体的に移動させるため;前記光信号が所定のレベル以上であるときにはいつでも、前記第一反応混合物の前記有効部分を自動的に分離するため;そして該有効部分中の前記一つ以上の第一増幅産物を増幅するために該反応チャンバーに該第二段階増幅試薬を流体的に移動させるために、回転バルブと作動的に関連した、ポンプ
を含む、項目24に記載の方法。
(項目29)
試料中の一つ以上の標的ポリヌクレオチドの有無を検出する方法であって、
反応チャンバーを提供する工程であって、該反応チャンバーは、廃棄物レザバ、試料を含む試料レザバ、第一段階増幅試薬を含む第一反応物レザバ、及び第二段階増幅試薬を含む第二反応物レザバと選択的に流体連絡し、該レザバのそれぞれは流体的に閉じている、工程;
試料レザバ由来の試料、及び第一反応物レザバ由来の第一段階増幅試薬を反応チャンバーに流体的に移動させる工程であって、その結果、該試料中に標的ポリヌクレオチドが存在するときにはいつでも、該第一段階増幅試薬が増幅反応において該試料と反応し、第一増幅産物を含む反応生成物が生成される、工程;
該反応チャンバー内に残存する有効部分を除き、該反応生成物を該廃棄物レザバに流体的に移動させる工程;
第二反応物レザバ由来の第二段階増幅試薬を該反応チャンバーに流体的に移動させる工程であって、その結果、該反応生成物中に該第一増幅産物が存在するときにはいつでも、該第二段階増幅試薬が増幅反応において該反応生成物の有効部分と反応し、第二増幅産物が生成される、工程;ならびに
該第二増幅産物を検出して、該試料中に該標的ポリヌクレオチドが存在するかどうかを決定する工程
を包含する、方法。
(項目30)
前記第一段階増幅試薬との前記増幅反応が、所定のサイクル数の間実施されるポリメラーゼ連鎖であり、前記反応生成物を流体的に移動させる工程が、該増幅反応の所定のサイクル数の後に実施される、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記増幅反応における前記所定のサイクル数が20〜50の範囲である、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記反応生成物を流体的に移動させる工程が、前記第一増幅産物に関連する蛍光指示薬からの光信号をモニタリングする工程であって、該光信号は、該第一増幅産物の量と単調に関連する工程;及び該光信号が所定のレベル以上であるときにはいつでも、該反応生成物の前記有効部分を自動的に分離する工程、を包含する、項目29に記載の方法。
(項目33)
前記反応生成物が一定の容積を有し、前記有効部分が前記反応生成物の容積の一定の割合であり、該割合が0.5〜10%の範囲から選択される、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記所定のレベルが多様なベースライン信号レベルであり、該多様性が1.5〜25の範囲から選択される、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記増幅反応がそれぞれポリメラーゼ連鎖反応又はNASBA反応である、項目33に記載の方法。
(項目36)
前記蛍光指示薬が、二本鎖DNAに特異的に結合するか、又は増幅生成物に特異的に結合するオリゴヌクレオチド部分を含むインターカレーティング色素から選択される、項目35に記載の方法。
(項目37)
試料中の一つ以上の標的ポリヌクレオチドの相対量を決定する方法であって、
一つ以上の標的ポリヌクレオチド、及び第一増幅反応中の少なくとも一つの参照配列を該試料において増幅して、標的ポリヌクレオチド及び参照配列それぞれの第一増幅産物を含む第一反応生成物を形成する工程であって、該第一増幅反応は、標的ポリヌクレオチド及び参照配列それぞれの開始プライマーを含む、工程;
該第一反応生成物の有効部分由来の一つ以上の標的ポリヌクレオチドの第一増幅産物を第二増幅反応において増幅して、各第一増幅産物の第二増幅産物を形成する工程であって、該第二増幅反応は、各標的ポリヌクレオチドの第二プライマーを含み、その結果、各第一増幅産物の各第二プライマーが、それらの開始プライマーに比例してそのような第一増幅産物においてネスト化される、工程;ならびに
該第二増幅反応の第二増幅産物と該第一増幅反応中の少なくとも一つの参照配列の増幅産物とを比較し、試料中の一つ以上の標的ポリヌクレオチドの相対量を決定する工程
を包含する、方法。
(項目38)
前記第一増幅反応及び前記第二増幅反応が流体的に閉じた反応系において実施される、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記第一増幅反応及び前記第二増幅反応がそれぞれリアルタイム増幅反応である、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記第二増幅反応における前記増幅工程が、少なくとも一つの前記第一増幅産物と関連する蛍光指示薬からの光信号をモニタリングする工程であって、該光信号は、そのような第一増幅産物の量と単調に関連する、工程;及び前記光信号が所定のレベル以上であるときにはいつでも、前記反応生成物の前記有効部分を自動的に分離する工程、を包含する、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記反応生成物が一定の容積を有し、前記有効部分が該反応生成物の容積の一定の割合であり、該割合が、0.5〜10%の範囲から選択される、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記所定のレベルが多様なベースライン信号レベルであり、前記多様性が1.5〜25の範囲から選択される、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記増幅反応がそれぞれポリメラーゼ連鎖反応又はNASBA反応である、項目42に記載の方法。
(項目44)
ネステッド増幅反応を実施するための流体的に閉じた反応系であって、
反応チャンバーであって、試料レザバ、廃棄物レザバ、第一段階増幅試薬を含む第一反応物レザバ、及び第二段階増幅試薬を含む第二反応物レザバと選択的に流体連絡し、該レザバのそれぞれが流体的に閉じている、反応チャンバー;ならびに
ポンプであって、該ポンプは、該試料レザバ中の試料、及び該第一段階増幅試薬を該反応チャンバーに流体的に移動させるため;反応混合物の有効部分を単離するため;及び該第二段階増幅試薬及び該有効部分を該反応チャンバーに流体的に移動させるために回転バルブと作動的に関連し、ここで第一増幅反応は該反応混合物中に一つ以上の第一増幅産物を形成するために実施され、第二増幅反応は、一つ以上の第二増幅産物を形成するために実施される、ポンプ
を含む、反応系。
(項目45)
前記ポンプが前記反応混合物の前記有効部分を単離するときにはいつでも、前記反応チャンバー内に残存する前記有効部分を除き、該反応混合物が廃棄物レザバに流体的に移動される、項目44に記載の流体的に閉じた反応系。
(項目46)
前記反応チャンバーが、底部及び出口を有し、該出口は、前記反応混合物が該出口を通じて前記廃棄物レザバに流体的に移動されるときにはいつでも、該反応混合物の一定の容積が前記第一反応チャンバーにおいて該出口よりも下に維持されているように、該底部よりも上に配置され、該容積は前記有効部分を含む、項目45に記載の流体的に閉じた反応系。
(項目47)
少なくとも一つの前記第一増幅産物と関連する一つ以上の蛍光指示薬からの一つ以上の光信号を収集するために前記反応チャンバーと作動的に関連した一つ以上の検出器をさらに含み、該一つ以上の光信号はそれぞれ、該第一増幅産物のうちの一つの量と単調に関連する、項目46に記載の流体的に閉じた反応系。
(項目48)
マイクロプロセッサをさらに含み、該マイクロプロセッサは、前記一つ以上の光信号の値をモニタリングするため;及び該光信号の少なくとも一つの値が所定のレベル以上あるときにはいつでも、前記反応混合物の有効部分を単離するように前記ポンプ及び前記回転バルブを作動させるために、該ポンプ、該回転バルブ、及び前記一つ以上の検出器と作動的に関連する、項目47に記載の流体的に閉じた反応系。
(項目49)
反応容器であって、
液体を含むための反応チャンバー;
入口チャネルによって該反応チャンバーに接続される入口;
出口チャネルによって該反応チャンバーに接続される出口;及び、
該反応チャンバー内の保持部材であって、該保持部材は該反応チャンバー内の該液体の規定の容積を維持するように配置されており、該液体の残り部分は該出口チャネルを通じて該反応チャンバーから排出される、保持部材
を含む、反応容器。
(項目50)
前記反応容器が、
前記反応チャンバーの側壁を規定する硬質なフレーム;及び、
該反応チャンバーの反対側の主壁を形成するために該硬質なフレームの反対側に取り付けられた第一及び第二のポリマーフィルム
をさらに含む、項目49に記載の反応容器。
(項目51)
前記主壁のそれぞれが各熱表面に適合するのに十分に可撓性である、項目50に記載の反応容器。
(項目52)
前記側壁のうちの少なくとも二つが光透過性を備えており、互いに角度オフセットしている、項目50に記載の反応容器。
(項目53)
前記反応チャンバーが、該前記反応チャンバーの深さ及び幅が少なくとも4:1の比率を有するような幅及び深さを有し、該反応チャンバーの深さが2mm未満である、項目49に記載の反応容器。
(項目54)
多段階反応を実施するための装置であって、
少なくとも第一チャネル及び第二チャネルがその中に形成されている本体;ならびに
該本体から延びる反応容器を含み、該反応容器は、
液体を含むための反応チャンバー;
入口チャネルによって該反応チャンバーに接続される入口;
出口チャネルによって該反応チャンバーに接続される出口;及び
該反応チャンバー内の保持部材であって、該保持部材は反応チャンバー内の液体の規定の容積を維持するように配置されており、該液体の残りの部分は出口チャネルを通じて反応チャンバーから排出される、保持部材
を含み、
該容器の入口は、該本体内の第一チャネルと接続されており、該容器の出口は、該本体内の該第二チャネルと接続されている、装置。
(項目55)
前記本体が更に排出口を含み、該排出口は、前記液体が前記入口及び前記第一チャネルを通じて前記反応チャンバーに流入するときにはいつでも、前記第二チャネルからガスを放出するために、該第二チャネルと流体連絡している、項目54に記載の装置。
(項目56)
前記本体内の前記第一チャネル中の液体を、前記反応容器の入口を通じて前記反応チャンバーに流れさせるための差圧源を更に含む、項目54に記載の装置。
(項目57)
ネステッド増幅反応の性能を制御するためのコンピュータによる実行用のプログラムを具現化するコンピュータ読み取り可能な製品であって、該プログラムが、
(a)第一段階増幅反応からの光信号の値を読み取る工程であって、該光信号は該第一段階増幅反応の増幅産物の濃度と単調に関連し、該光信号の値は直近の値を有する、工程;(b)該光信号の値からベースライン信号レベルを決定する工程;
(c)該光信号の値から所定のレベルを計算する工程;
(d)該所定の値を該光信号の直近の値と比較する工程;
(e)該光信号の直近の値が該所定のレベル以上であるときにはいつでも、第二段階増幅反応を開始する工程;及び、
(f)該第二段階の反応が開始するまで、工程(d)及び(e)を繰り返す工程
のための命令を含む、コンピュータ読み取り可能な製品。
(項目58)
前記所定のレベルを計算する工程が、1.5〜25の範囲から選択される係数を前記ベースライン信号レベルに乗じて、該所定のレベルを得ること、又は前記光信号の値から増幅産物の成長曲線の指標値を計算して、該所定の値を得ることを含む、項目57に記載のコンピュータ読み取り可能な製品。
(項目59)
前記第一段階増幅反応及び前記第二段階増幅反応が、それぞれポリメラーゼ連鎖反応又はNASBA反応である、項目58に記載のコンピュータ読み取り可能な製品。
(項目60)
前記ネステッド増幅反応が流体的に閉じた反応系において実施され、前記第二段階増幅反応を開始する工程が、流体的に閉じた反応系において前記第一段階増幅反応の反応混合物の有効部分を単離すること、及び流体的に閉じた反応系において該有効部分と該第二段階増幅反応の反応物とを混合すること、のための命令を生成する工程を包含する、項目59に記載のコンピュータ読み取り可能な製品。
(項目61)
試料中の一つ以上の標的ポリヌクレオチドを増幅する方法であって、
第一反応混合物中の第一段階増幅試薬を使用して、該試料由来の一つ以上の標的ポリヌクレオチドを流体的に閉じた反応系において増幅して、一つ以上の第一増幅産物を形成する工程であって、該第一段階増幅試薬は、各標的ポリヌクレオチドに対する第一プライマーを含む、工程;
該流体的に閉じた反応系において該第一反応混合物の有効部分を単離する工程;及び、
第二反応混合物中で第二段階増幅試薬を使用して、該有効部分中の一つ以上の増幅産物を該流体的に閉じた反応系において増幅して、一つ以上の第二増幅産物を形成する工程であって、該第二段階増幅試薬は、該一つ以上の第一増幅産物のそれぞれの少なくとも一つの第二プライマーを含み、その結果、各第二プライマーがそのような第一増幅産物の第一プライマーに比例してそのような第一増幅産物中でネスト化される、工程
を包含する、方法。
(項目62)
前記第一反応混合物が、流体的に閉じた反応系の第一反応チャンバー内にあり、前記単離工程が、該第一反応チャンバー内に残存する有効部分を除き、該第一反応混合物を廃棄物レザバに流体的に移動させることを含む、項目61に記載の方法。
(項目63)
前記第一反応チャンバーが、底部及び出口を有し、該出口は、前記第一段階の反応混合物が該出口を通じて前記廃棄物レザバに流体的に移動されるときにはいつでも、該第一段階の反応混合物の一定の容積が該第一反応チャンバーにおいて該出口よりも下に維持されているように、該底部よりも上に配置される、項目62に記載の方法。
(項目64)
前記第一反応チャンバー内に維持される前記容積が、前記有効部分を含む、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記有効部分が、少なくとも1分子の前記増幅産物を含むのに十分な前記第一反応混合物の容積である、項目63に記載の方法。
(項目66)
前記有効部分が、少なくとも100分子の前記増幅産物を含むのに十分な前記第一反応混合物の容積である、項目65に記載の方法。
(項目67)
前記反応の第一混合物が一定の容積を有し、前記有効部分が、該第一反応混合物の該容積の一定の割合であり、該割合が、0.5〜10%の範囲から選択される、項目63に記載の方法。
(項目68)
前記単離工程が、前記第一反応混合物中の前記一つ以上の増幅産物の一つと関連する蛍光指示薬からの光信号をモニタリングする工程であって、該光信号は、該増幅産物の量と単調に関連する、工程;及び該光信号が所定のレベル以上であるときにはいつでも、該第一反応混合物の前記有効部分を自動的に分離する工程、を包含する、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記所定のレベルが多様なベースライン信号レベルであり、前記多様性が1.5〜25の範囲から選択される、項目68に記載の方法。
(項目70)
前記第一段階増幅試薬及び前記第二段階増幅試薬が、ポリメラーゼ連鎖反応又はNASBA反応を実施するための試薬を含む、項目69に記載の方法。
(項目71)
一つ以上のRNA配列を増幅する方法であって、
第一反応混合物中の逆転写酵素を使用して、一つ以上のRNA配列を流体的に閉じた反応系において転写して、一つ以上の相補的な一本鎖DNA配列を形成する工程;
該流体的に閉じた反応系において該第一反応混合物の第一有効部分を単離する工程;及び、
第二反応混合物中の第一段階増幅試薬を使用して、該第一有効部分中の該一つ以上の相補的な一本鎖DNA配列を該流体的に閉じた反応系において増幅して、一つ以上の第一増幅産物を形成する工程であって、該第一段階増幅試薬は、該相補的な一本鎖DNA配列のそれぞれの開始プライマーを含む、工程
を包含する、方法。
(項目72)
前記第一反応混合物が、前記の流体的に閉じた反応系の反応チャンバー内にあり、前記第一有効部分を単離する工程が、該反応チャンバー内に残存する該第一有効部分を除き、該第一反応混合物を廃棄物レザバに流体的に移動させることを含む、項目71に記載の方法。
(項目73)
前記第一反応チャンバーが、底部及び出口を有し、該出口は、前記第一段階の反応混合物が該出口を通じて前記廃棄物レザバに流体的に移動されるときにはいつでも、該第一段階の反応混合物の残留容積が前記第一反応チャンバーにおいて該出口よりも下に維持されているように、該底部よりも上に配置され、該残留容積が前記第一有効部分を含む、項目72に記載の方法。
(項目74)
前記第一反応混合物が一定の容積を有し、前記有効部分が、該第一反応混合物の該容積の一定の割合であり、該割合が、0.5〜20%の範囲から選択される、項目72に記載の方法。
(項目75)
前記流体的に閉じた反応系において前記第二反応混合物の第二有効部分を単離する工程;及び、
第三反応混合物中の第二段階増幅試薬を使用して、該第二有効部分中の一つ以上の第一増幅産物を該流体的に閉じた反応系において増幅して、一つ以上の第二増幅産物を形成する工程であって、該第二段階増幅試薬は、該一つ以上の第一増幅産物のそれぞれに対する少なくとも一つの第二プライマーを含み、その結果、各第二プライマーがそのような第一増幅産物の前記開始プライマーに比例してそのような第一増幅産物中でネスト化される、工程
をさらに包含する、項目74に記載の方法。
(項目76)
前記第二反応混合物が、前記流体的に閉じた反応系の反応チャンバー内にあり、前記第二有効部分を単離する工程が、該反応チャンバー内に残存する該第二有効部分を除き、該第二反応混合物を廃棄物レザバに流体的に移動させることを含む、項目75に記載の方法。
(項目77)
前記第二反応混合物が、前記出口を通じて前記廃棄物レザバに流体的に移動され、該第二反応混合物の残留容積が、該出口より下で前記反応チャンバー中に維持されており、該残留容積が前記第二有効部分を含む、項目76に記載の方法。
(項目78)
前記第二反応混合物が一定の容積を有し、前記第二有効部分が該第二反応混合物の容積の一定の割合であり、該割合が、0.5〜20%の範囲から選択される、項目77に記載の方法。
(項目79)
ネステッド増幅反応の性能を制御するためのコンピュータによる実行用のプログラムを具現化するコンピュータ読み取り可能な製品であって、該プログラムは、
(a)第一段階増幅反応からの光信号の値を読み取る工程であって、該光信号は第一段階増幅反応の増幅産物の量又は濃度と関連する、工程;
(b)閾値交差が発生したかどうかを該光信号の値から決定する工程;及び
(c)該閾値交差が発生した場合、第二増幅反応を開始する工程
のための命令を含む、コンピュータ読み取り可能な製品。
(項目80)
前記閾値交差が発生したかどうかを決定する工程が、一つ以上の前記光信号の値が、ノイズをベースとする閾値、ユーザーが定義する閾値、又は初期設定の閾値を超えたかどうかを決定することを含む、項目79に記載の方法。
(項目81)
前記閾値交差が発生したかどうかを決定する工程が、前記光信号の値によって規定される成長曲線の導関数が、最大、最小、又はゼロであるかどうかを決定することを含む、項目79に記載の方法。
(項目82)
前記ネステッド増幅反応が流体的に閉じた反応系において実施され、前記第二段階増幅反応を開始する工程が、該流体的に閉じた反応系において前記第一段階増幅反応の反応混合物の有効部分を単離する工程、及び該流体的に閉じた反応系において該有効部分と前記第二段階増幅反応の反応物とを混合する工程、のための命令を生成する工程を包含する、項目79に記載のコンピュータ読み取り可能な製品。
(項目83)
試料中の一つ以上の標的ポリヌクレオチドの有無を検出する方法であって、
第一段階増幅試薬を含む反応チャンバーを提供する工程であって、該反応チャンバーが、廃棄物レザバ、試料を含む試料レザバ、及び第二段階増幅試薬を含む第二反応物レザバと選択的に流体連絡されており、該レザバのそれぞれが流体的に閉じている、工程;
該試料レザバ由来の試料を該反応チャンバーに流体的に移動させる工程であって、その結果、該試料中に標的ポリヌクレオチドが存在する場合に、該第一段階増幅試薬が増幅反応において該試料と反応し、第一増幅産物を含む第一反応生成物が生成される、工程;
該反応チャンバー内に残存する該第一反応生成物の有効部分を除き、該第一反応生成物を該廃棄物レザバに流体的に移動させる工程;
該第二反応物レザバ由来の該第二段階増幅試薬を反応チャンバーに流体的に移動させる工程であって、その結果、該第一反応生成物中に該第一増幅産物が存在するときにはいつでも、該第二段階増幅試薬が増幅反応において該第一反応生成物の有効部分と反応し、第二増幅産物が生成される、工程;及び、
該試料中に標的ポリヌクレオチドが存在するかどうかを決定するために該第二増幅産物を検出する工程
を包含する、方法。