【文献】
斎藤景太郎他,新規アミノ酸系油ゲル化剤の特性と化粧品への応用,FRAGRANCE JOURNAL,日本,フレグランスジャーナル社,2007年 7月15日,35(7),pp.60-65
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
[(a)N−アシルアミノ酸アミド誘導体]
(a)成分は、下記式(1)で表されるN−アシルアミノ酸アミド誘導体である。
【0014】
R
1及びR
2で示される炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状、又はそれらの組み合わせのうちのいずれであってもよい。R
1及びR
2の炭化水素基としては、炭素数1〜26であり不飽和結合を含む炭化水素基であってもよいが、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であるのが好ましい。R
1及びR
2の炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数2〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、炭素数3〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がさらに好ましく、n−ブチル基がさらに好ましい。
【0015】
R
3で示される炭化水素基としては、炭素数7〜18の不飽和結合を含む炭化水素基であってもよいが、飽和炭化水素基であるのが好ましく、さらに直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基であるのがより好ましい。製造のしやすさの観点から、R
3の炭化水素基としては、炭素数7〜15の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数7〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましい。
【0016】
nは1又は2の数を示すが、2が好ましい。したがって、(a)成分としては、N−アシルグルタミン酸アミド誘導体が好ましい。
【0017】
(a)成分としては、例えば、N−オクタノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−デカノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−パルミトイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドなどから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド(ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド)、N−ラウロイル−L―グルタミン酸ジブチルアミド(ジブチルラウロイルグルタミド)を用いるのが好ましく、十分な基材の透明性を確保する観点から、特にこの両者を併用するのが好ましい。
【0018】
(a)成分の含有量は、油性メイクアップ化粧料の総量を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜15質量%であり、さらに好ましくは3〜15質量%である。当該範囲内で含有することにより、特に優れた基材の透明性を得ることができる。
【0019】
[(b)揮発性炭化水素油]
本発明のおける(b)揮発性炭化水素油は、基材の透明性、べたつきのないさっぱりとした感触、化粧もちのよさを付与するためのものである。揮発性炭化水素油は、常圧における沸点が60〜260℃の範囲にあり、化粧品に一般的に用いられているものであれば、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、特に限定されず使用できる。例えば、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、イソヘキサデカン、イソドデカン等を挙げることができ、市販品としては、IPソルベント1620、IPソルベント2028(出光石油化学社製)、マルカゾールR(丸善石油化学社製)、パールリーム3(日油社製)等が挙げられる。これらの揮発性炭化水素油は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0020】
(b)成分の含有量は、油性メイクアップ化粧料の総量を基準として、20〜90質量%であり、好ましくは30〜85質量%であり、より好ましくは40〜80質量%であり、さらに好ましくは45〜80質量%である。当該範囲内で含有することにより、特に優れた基材の透明性、使用性(べたつき感のなさ)及び化粧もち効果を得ることができる。
【0021】
[(c)有色顔料]
本発明における(c)有色顔料とは、白色以外の着色を行う顔料であり、具体的には無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、カーボンブラック、黒酸化鉄、チタンブラック等);無機紫色系顔料(例えば、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号、青色1号及び黒色401号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0022】
本発明の油性メイクアップ化粧料は、発色に優れるものであることから、特に黒色系顔料を用いて、アイライナーや睫毛用化粧料等のアイメイクアップ化粧料とすることが好ましい。
本発明における黒色系顔料としては、例えば、黒酸化鉄、カーボンブラック、チタンブラック等の無機顔料、黒色401号等の有機顔料、またこれらの黒色系顔料と、球状粉体、板状粉体等との複合顔料を用いることができる。これら黒色系顔料の中でも、カーボンブラックは特に黒く、本発明においては最も好適に利用できる。カーボンブラックの製法は特に限定されないが、ファーネス法にて製造されたものが好ましい。カーボンブラックは、顔料形態で化粧料に混合してもよいし、あらかじめ油剤に分散させたプレミックス原料を化粧料に混合させてもよい。カーボンブラックをあらかじめ油剤に分散させたプレミックス原料としてはISD−CB2(大東化成工業社製)等が挙げられる。またこれらの黒色系顔料は適宜表面処理をして用いることもできる。
【0023】
(c)成分の含有量は、油性メイクアップ化粧料の総量を基準として、0.1〜60質量%が好ましく、0.5〜40質量%がより好ましく、1〜20質量%がさらに好ましい。当該範囲内で含有することにより、より優れた発色性が得られる。特に(c)成分として黒色系顔料を当該範囲内で含有させた場合には、黒色度が増大し、かつ延び広がり等の使用感も良好となる。
【0024】
本発明の油性メイクアップ化粧料は、上記必須成分に加えて、さらに、(d)皮膜形成性高分子を配合すると、耐水性、耐油性に優れ、化粧もちがよくなる。
(d)皮膜形成性高分子は、化粧品に使用することができるものであれば、その種類は特に限定されず、有機シリコーン樹脂の中から適宜選択することができる。有機シリコーン樹脂はアルキルやフッ素で変性したものであってもよい。例えば、アルキル変性シリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂等を使用することが可能である。好ましい有機シリコーン樹脂は、トリメチルシロキシケイ酸であり、市販品としては、予め溶剤に溶解させたKF−7312F、KF−7312J、KF−7312K、X−21−5595(以上、信越化学工業社製)、SR−1000(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)等が挙げられる。これらの皮膜形成性高分子は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0025】
(d)成分の含有量は、油性メイクアップ化粧料の総量を基準として、1〜40質量%が好ましく、より好ましくは1〜15質量%であり、さらに好ましくは1〜10質量%である。当該範囲内で含有することにより、特に優れた化粧もち効果を得ることができる。
【0026】
本発明の油性メイクアップ化粧料の製品形態としては、特に限定されない。例えば、口紅、リップグロス、チーク、アイライナー、アイカラー、アイブロウ、睫毛用化粧料等が挙げられ、その形状としては容器充填、棒状(スティック状)、ケーキ状、皿流し込み型等が挙げられる。特に、アイライナーや睫毛用化粧料等のアイメイクアップ化粧料として用いることで、目をぱっちりと見せると言う化粧効果を発揮することができる。
【0027】
本発明の油性メイクアップ化粧料には、本発明の効果を損なわない限り、任意の成分を配合することができる。好ましく配合されるその他の成分としては、基材の透明性を損なわない配合範囲にて、粉末、油脂、ロウ、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、界面活性剤、保湿剤、紫外線吸収剤等がある。
【0028】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等)等が挙げられる。
【0029】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、
モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0030】
ロウとしては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ホホバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0031】
炭化水素油(不揮発性)としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、スクワレン、ワセリン等が挙げられる。
エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0032】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0033】
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、レシチン等が挙げられる。
【0034】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物、トレハロース、エリスリトール、POE・POPランダム共重合体メチルエーテル等が挙げられる。
【0035】
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。
【0036】
酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては例えばビタミン類、消炎剤、生薬等が挙げられる。
【0037】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール、クロルフェネシン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、チオタウリン、ヒポタウリン、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、ユキノシタ抽出物、アルブチン、トラネキサム酸、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、L−アスコルビン酸グルコシド、4−メトキシサリチル酸カリウム等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤等が挙げられる。
【0038】
また、睫毛用化粧料とする場合には、睫毛を長くする目的で、裁断されたナイロン、レーヨン等の繊維を配合することも可能である。
【0039】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の化粧料を開示する。
【0040】
本発明は、下記<1>に記載の化粧料である。
<1> 次の成分(a)〜(c)を含有することを特徴とする油性メイクアップ化粧料。
(a)下記式(1)で表されるN−アシルアミノ酸アミド誘導体
(b)揮発性炭化水素油20〜90質量%
(c)有色顔料
【0042】
(式(1)において、R
1及びR
2は、それぞれ独立に炭素数1〜26の炭化水素基を示し、R
3は、炭素数7〜18の炭化水素基を示し、nは、1又は2の数を示す)
【0043】
本発明はさらに以下の化粧料であることが好ましい。
【0044】
<2>(a)成分が、N−オクタノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−デカノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−パルミトイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド及びN−ステアロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはN−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド(ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド)及び/又はN−ラウロイル−L―グルタミン酸ジブチルアミド(ジブチルラウロイルグルタミド)である前記<1>の油性メイクアップ化粧料。
【0045】
<3>(a)成分の含有量が、油性メイクアップ化粧料の総量を基準として、0.1〜20質量%であり、1〜15質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい前記<1>又は<2>の油性メイクアップ化粧料。
【0046】
<4>(b)成分が、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン及びイソヘキサデカン、イソドデカンから選ばれる1種又は2種以上である前記<1>〜<3>の油性メイクアップ化粧料。
【0047】
<5>(b)成分の含有量が、油性メイクアップ化粧料の総量を基準として、20〜90質量%であり、30〜85質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましく、45〜80質量%がさらに好ましい前記<1>〜<4>の油性メイクアップ化粧料。
【0048】
<6>(c)成分が、黒色系顔料であり、黒酸化鉄、カーボンブラック、チタンブラック等の無機顔料、黒色401号等の有機顔料、またこれらの黒色系顔料と、球状粉体、板状粉体等との複合顔料から選ばれる1種又は2種以上であるのが好ましく、カーボンブラックであるのがより好ましい前記<1>〜<5>の油性メイクアップ化粧料。
【0049】
<7>(c)成分の含有量が、油性メイクアップ化粧料の総量を基準として、0.1〜60質量%であり、0.5〜40質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい前記<1>〜<6>の油性メイクアップ化粧料。
【0050】
<8>さらに(d)皮膜形成性高分子を含有し、アルキル変性シリコーン樹脂及び/又はフッ素変性シリコーン樹脂であるのが好ましい前記<1>〜<7>の油性メイクアップ化粧料。
【0051】
<9>(d)成分の含有量が、油性メイクアップ化粧料の総量を基準として、1〜40質量%であり、1〜15質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい前記<1>〜<8>の油性メイクアップ化粧料。
【0052】
<10>口紅、リップグロス、チーク、アイライナー、アイカラー、アイブロウ、又は睫毛用化粧料であり、油性アイメイクアップ化粧料であることが好ましく、アイライナー又は睫毛用化粧料であることがより好ましい前記<1>〜<9>の油性メイクアップ化粧料。
【実施例】
【0053】
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例により技術範囲が限定されるものではない。尚、表中の数値は含有量(質量%)を示す。
アイライナー(実施例1〜9及び比較例1〜7)を調製し、目の輪郭を強調するという化粧効果、使用性(塗布時の伸び広がり、べたつき感)及び化粧効果の持続性について官能評価を行った。各実施例で採用した評価方法を説明する。
なお、実施例5、6、8及び9は参考例であって、特許請求の範囲に包含されるものではない。
【0054】
[化粧効果]
官能評価:塗布後の目の輪郭の強調効果について、専門パネル25名により下記評価基準により評価した。
◎:20名以上が、塗布前と比較し、目の輪郭が強調されていると評価した
○:15名以上20名未満が、塗布前と比較し、目の輪郭が強調されていると評価した
△:11名以上15名未満が、塗布前と比較し、目の輪郭が強調されていると評価した
×:11名未満が、塗布前と比較し、目の輪郭が強調されていると評価した
【0055】
[使用性]
官能評価:塗布時の伸び広がり、べたつき感の項目について、専門パネル25名により下記評価基準により評価した。
伸び広がり
◎:20名以上が、伸び広がりが良いと評価した
○:15名以上20名未満が、伸び広がりが良いと評価した
△:11名以上15名未満が、伸び広がりが良いと評価した
×:11名未満が、伸び広がりが良いと評価した
べたつき感
◎:20名以上が、さっぱりとした感触であると評価した
○:15名以上20名未満が、さっぱりとした感触であると評価した
△:11名以上15名未満が、さっぱりとした感触であると評価した
×:11名未満が、さっぱりとした感触であると評価した
【0056】
[化粧もち]
官能評価:経時での化粧もちについて、塗布してから5時間経った後に、専門パネル25名により下記評価基準により評価した。
◎:20名以上が、化粧もちがよいと評価した
○:15名以上20名未満が、化粧もちがよいと評価した
△:11名以上15名未満が、化粧もちがよいと評価した
×:11名未満が、化粧もちがよいと評価した
【0057】
(1)(a)成分の効果について
室温にて表1の全成分を計量し110℃まで加温後、均一になるまで分散させ、脱気して室温にて固化させた。
【0058】
【表1】
【0059】
(*1)EB−21(味の素ヘルシーサプライ社製)
(*2)GP−1(味の素ヘルシーサプライ社製)
(*3)NPA−DX(日本サーファクタント工業社製)
(*4)レオパールISK2(千葉製粉社製)
(*5)ポリエチレンワックスPW−655N(東洋ペトロライト社製)
(*6)ISD−CB2(カーボンブラック含有率15質量%、大東化成工業社製)
(*7)TAROX合成酸化鉄BL−100P(チタン工業社製)
(*8)マルカゾールR(丸善石油化学社製)
【0060】
表1から明らかなように、実施例1〜実施例4では、目の輪郭の強調効果、使用性(伸び広がり、べたつき感)、化粧もちのいずれも良好であった。一方、比較例1〜比較例4は、使用性(伸び広がり、べたつき感)、化粧もちは良好であったが、目の輪郭の強調効果に問題があった。また、比較例4は、目の輪郭の強調効果、化粧もちは良好であったが、使用性(伸び広がり、べたつき感)に問題があった。
【0061】
(2)(b)成分の効果について
室温にて表2の全成分を計量し110℃まで加温後、均一になるまで分散させ、脱気して室温にて固化させた。
【0062】
【表2】
【0063】
(*9)シリコンKF−96L−2cs(信越化学工業社製)
(*10)サラコス913(日清オイリオグループ社製)
【0064】
表2から明らかなように、揮発性炭化水素油を20〜90質量%含む実施例1、実施例5および実施例6では、目の輪郭の強調効果、使用性(伸び広がり、べたつき感)、化粧もちのいずれも良好であった。一方、比較例5では、べたつき感がなく、化粧もちも良好であったが、目の輪郭の強調効果、塗布時の伸び広がりに問題があった。比較例6および比較例7では、目の輪郭の強調効果、塗布時の伸び広がりは良好であったが、べたつき感があり、化粧もちにも問題があった。揮発性炭化水素油の配合量が増加すれば残存油分量が減り、べとつき感が減るとともに、さっぱり感、さらさら感に優れ、化粧もちも優れる。
【0065】
(3)(d)成分の効果
室温にて表2の全成分を計量し110℃まで加温後、均一になるまで分散させ、脱気して室温にて固化させた。
【0066】
【表3】
【0067】
(*11)SR−1000(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
【0068】
表3から明らかなように、実施例7、実施例8および実施例9では、目の輪郭の強調効果、使用性(伸び広がり、べたつき感)、化粧もちのいずれも良好であった。さらに皮膜形成性高分子を配合することにより、皮膜効果が発揮され、化粧もちに優れる。
【0069】
下記の油性メイクアップ化粧料を常法により製造した。
【0070】
実施例10:アイライナー
【0071】
【表4】
【0072】
実施例11
(特許請求の範囲に含まれない参考例である):マスカラ
【0073】
【表5】
【0074】
実施例12
(特許請求の範囲に含まれない参考例である):アイシャドウ
【0075】
【表6】
【0076】
上記実施例の油性メイクアップ化粧料はいずれも濃く黒色が発色し、目の輪郭強調効果に優れ、(上記の目の輪郭強調効果評価はすべて◎である)、伸び広がりがよく、べとつきのないさっぱりとした感触をもつ化粧料である。