特許第5894812号(P5894812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5894812
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月30日
(54)【発明の名称】無線通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20160317BHJP
   G01S 19/14 20100101ALI20160317BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20160317BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
   G01S19/14
   H04W64/00
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-25232(P2012-25232)
(22)【出願日】2012年2月8日
(65)【公開番号】特開2013-162472(P2013-162472A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2014年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 収
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−267411(JP,A)
【文献】 特開2002−262337(JP,A)
【文献】 特開2004−317298(JP,A)
【文献】 特開2000−292521(JP,A)
【文献】 特開2004−020347(JP,A)
【文献】 特開2010−223594(JP,A)
【文献】 特開2010−230372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S5/00−5/14、19/00−19/55
G06F13/00
G08B19/00−31/00
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者からの入力操作を受け付ける操作部と、
基地局との間で無線信号を送受信する無線部と、
GPS衛星から衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報とを受信するGPS受信部と、
各種情報を記憶する記憶部と、
前記操作部、前記無線部、前記GPS受信部、前記記憶部を制御する制御部とを備える無線通信装置であって、
前記制御部は、
前記操作部が、操作者からの定点モードの設定指示を受け付けた場合は、当該無線通信装置を定点モードとし、前記定点モード以外の場合は、当該無線通信装置を非定点モードとし、
前記非定点モードにおいて、
前記操作部が、操作者からの電子メール作成開始指示と、当該無線通信装置の位置情報であるGPS測位情報を前記電子メールへ添付させる添付指示とを受け付けると、操作者からの電子メール本文入力の受け付けと並行して、前記GPS受信部に衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報を受信させ、該受信した衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報とに基づき、前記GPS測位情報を取得して、前記電子メール作成が終了した後、前記取得したGPS測位情報を前記電子メールに添付して、前記無線部から無線送信させ
前記定点モードにおいて、
前記操作部が、操作者からの電子メール作成開始指示と、当該無線通信装置の位置情報であるGPS測位情報を前記電子メールへ添付させる添付指示とを受け付けると、操作者からの電子メール本文入力の受け付けと並行して、前記GPS受信部に衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報を受信させ、該受信した衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報とに基づき、前記GPS測位情報を取得して前記記憶部に記憶させ、前記電子メール作成が終了した後、前記記憶部に記憶させたGPS測位情報を前記電子メールに添付して、前記無線部から無線送信させ、次に、前記操作部が、操作者からの電子メール作成開始指示と、当該無線通信装置の位置情報であるGPS測位情報を前記電子メールへ添付させる添付指示とを受け付けると、前回取得して前記記憶部に記憶させたGPS測位情報を前記電子メールに添付して、前記無線部から無線送信させることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載された無線通信装置であって、
前記非定点モードにおいて、
前記制御部は、
前記操作部が、操作者からの第1の電子メールの作成開始指示と、該第1の電子メールへGPS測位情報を添付させる第1の添付指示とを受け付けると、前記GPS受信部に第1の衛星軌道情報と位置測定用の第1の時刻情報を受信させ、該第1の衛星軌道情報を前記記憶部に記憶させるとともに、前記第1の衛星軌道情報と前記第1の時刻情報とに基づき第1のGPS測位情報を取得し、前記第1の電子メール作成が終了した後、前記第1のGPS測位情報を前記第1の電子メールに添付して前記無線部から無線送信させ、次に、操作者からの第2の電子メールの作成開始指示と、該第2の電子メールへGPS測位情報を添付させる第2の添付指示とを受け付けると、前記記憶部に記憶された第1の衛星軌道情報が使用可能であるか否かを、前記第1の衛星軌道情報を取得したときの時刻と現在時刻との比較により判断し、前記記憶部に記憶された第1の衛星軌道情報が使用可能な場合は、前記GPS受信部に位置測定用の第2の時刻情報を受信させ、該第2の時刻情報と前記第1の衛星軌道情報とに基づき、第2のGPS測位情報を取得し、前記第2の電子メール作成が終了した後、前記第2のGPS測位情報を前記第2の電子メールに添付して前記無線部から無線送信させることを特徴とする無線通信装置。
【請求項3】
請求項2に記載された無線通信装置であって、
前記第1の衛星軌道情報は、第1の衛星軌道情報Aと該第1の衛星軌道情報Aよりも有効期間の短い第1の衛星軌道情報Bとを含み、
前記制御部は、操作者からの前記第2の電子メールの作成開始指示と、該第2の電子メールへGPS測位情報を添付させる第2の添付指示とを受け付けたときに、前記記憶部に記憶された第1の衛星軌道情報が使用可能であるか否かを、前記第1の衛星軌道情報を取得したときの時刻と現在時刻との比較により判断し、前記記憶部に記憶された第1の衛星軌道情報Aが使用可能であるが第1の衛星軌道情報Bが使用可能でない場合は、前記GPS受信部に前記第2の時刻情報と第2の衛星軌道情報Bとを受信させ、該第2の時刻情報と第2の衛星軌道情報Bと前記記憶部に記憶された第1の衛星軌道情報Aとに基づき、第2のGPS測位情報を取得し、前記第2の電子メール作成が終了した後、該第2の電子メールに前記第2のGPS測位情報を添付して前記無線部から無線送信させることを特徴とする無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS(Global Positioning System)測位機能を搭載する無線通信装置に関し、無線通信装置から電子メールやテキストデータや画像データ等を、他の装置、例えば上位装置に送信する際、これらの送信データにGPS測位情報を添付する無線通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯無線機等の携帯型の無線通信装置において、電子メールやテキストデータや画像データ等を、他の装置に送信する際、これらの送信データにGPS測位情報(経度、緯度)を添付することが行われている。例えば、市町村防災無線システム等の携帯無線機を用いて、災害現場の状況を市役所等に設置された上位装置に送信する際、その地点のGPS測位情報を、電子メール本文に添付して送信する。こうすることで、上位装置において、どの災害現場からの状況報告であるかを容易に識別することができる。
【0003】
あるいは、災害現場の状況をカメラで撮影し、撮影した地点のGPS測位情報を、撮影した画像データに添付して送信する。こうすることで、上位装置において、撮影した画像データが、どの災害現場の画像データであるかを容易に識別することができる。
【0004】
GPS測位においては、距離を測るための時刻信号と、GPS衛星の位置を知るための衛星軌道情報とを、GPS衛星から受信して用いる。衛星軌道情報は、アルマナック情報と、アルマナック情報よりも詳細なエフェメリス情報とを含む。時刻信号は短時間で取得できるが、衛星軌道情報は、GPS衛星から取得するのに多くの時間を要する。例えば、時刻信号とアルマナック情報とエフェメリス情報とを取得するには約40秒を要し、時刻信号とエフェメリス情報とを取得するには約25秒を要し、時刻信号のみを取得するには約3秒を要す。
【0005】
したがって、携帯無線機から、電子メールやテキストデータや画像データを上位装置に送信する際、これらの送信データにGPS測位情報を添付するためにGPS測位を行うと、GPS測位に時間がかかるため、上位装置へのデータ送信完了迄に多くの時間がかかる、つまり、上位装置へのデータ送信が、起動に時間のかかるコールドスタートになるという問題がある。
【0006】
この問題を回避するためには、アルマナック、エフェメリスの両衛星軌道情報を定期的にGPS衛星より得て携帯無線機に記憶しておき、両衛星軌道情報を常に使用できる状態、つまり、上位装置へのデータ送信を、起動の最も速いホットスタートできる状態にしておくことが望ましい。しかしながら、アルマナック情報は1週間程度、エフェメリス情報は2時間程度しか有効でなく、それ以上時間が経過すると無効になる。したがって、頻繁に衛星軌道情報を取得する必要があるが、携帯無線機等の携帯型の電池(バッテリー)を使用する無線通信装置では、バッテリー容量が有限であるので、常にGPS受信機を動作させていると、すぐに使用可能なバッテリー残量が無くなってしまうという問題がある。
【0007】
下記の特許文献1には、携帯電話で、倒壊等した設備の画像付メールを送信する際に、情報の正確性保証のため、GPSにより位置情報を自動的に取得して送信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−134119公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述したような従来の課題を解決するために為されたもので、頻繁にGPS衛星から情報を取得しなくても、GPS測位情報を添付してデータを送信する際に、短時間でデータ送信完了することのできる無線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための、本願発明に係る無線通信装置の代表的な構成は、次のとおりである。すなわち、
操作者からの入力操作を受け付ける操作部と、
基地局との間で無線信号を送受信する無線部と、
GPS衛星から衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報とを受信するGPS受信部と、
前記操作部、前記無線部、前記GPS受信部を制御する制御部とを備える無線通信装置であって、
前記制御部は、
前記操作部が、操作者からの電子メール作成開始指示と、当該無線通信装置の位置情報であるGPS測位情報を前記電子メールへ添付させる添付指示とを受け付けると、操作者からの電子メール本文入力の受け付けと並行して、前記GPS受信部に衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報を受信させ、該受信した衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報とに基づき、前記GPS測位情報を取得して、前記電子メール作成が終了した後、前記取得したGPS測位情報を前記電子メールに添付して、前記無線部から無線送信させることを特徴とする無線通信装置。
【発明の効果】
【0011】
頻繁にGPS衛星から情報を取得しなくても、GPS測位情報を添付してデータを送信する際に、短時間でデータ送信完了することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る無線通信装置の構成例を示す図である。
図2(a)】第1実施例に係るGPS測位情報を電子メールに添付する場合における無線通信装置の制御部の動作フローである。
図2(b)】第1実施例に係るGPS測位情報を電子メールに添付する場合における無線通信装置の制御部の動作フローである。
図3】第2実施例に係るGPS測位情報を電子メールに添付する場合における無線通信装置の制御部の動作フローの一部である。
図4】第3実施例に係るGPS測位情報をカメラからの画像情報に添付する場合における無線通信装置の制御部の動作フローである。
図5】第5実施例に係るGPS測位情報をデータ伝送装置からの情報に添付する場合の動作フローである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図1図5を用いて説明する。
まず、無線通信装置の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る無線通信装置の構成例を示す図である。
図1において、101は、例えば市役所等に設置された上位装置との間で基地局を介して無線信号を送受信するためのアンテナである。102は、無線通信装置が属する無線通信システムの基地局からアンテナ101を介して無線周波数帯域の信号を受信し、該受信した無線周波数帯域の信号からベースバンド帯域の信号へと帯域変換する、または、ベースバンド信号から無線周波数帯域への信号へ帯域変換し、該帯域変換した無線周波数帯域の信号を、アンテナ101を介して、基地局へ送信する無線部である。
【0014】
103は、無線部102でベースバンド帯域に変換された信号のベースバンド復調処理やデータ復号化処理、及び無線部102を経由し、基地局に対してデータを送信するためのデータ符号化処理やベースバンド変調処理を行う信号処理部である。104は、信号処理部103にて復調したアナログ音声信号を音声に変換して出力するスピーカ、105は入力された音声を音声信号に変換するためのマイク、107は操作者からのメールの文字入力等の入力操作を受け付ける操作部、108は無線通信装置の状態等を表示するLCD等を用いた表示部、109は後述するGPS測位情報やGPS測位情報取得フラグ等を記憶する記憶部、110はGPS衛星からの衛星軌道情報や位置測定用の時刻情報等の各種情報を受信するGPS受信部、111はGPS受信機用のアンテナ、112は無線通信装置外部の機器との間で送受信するデータの受渡を行う、つまりインタフェースをとるデータインタフェース部(データIF部)である。ここで、無線通信装置外部の機器とは、例えば、カメラや、データ伝送装置としてのパソコン(パーソナルコンピュータ)等である。
【0015】
106は、以上説明した無線通信装置の各部を制御する制御部であり、操作部107で受け付けた操作者からの指示に基づき、GPS衛星からの衛星軌道情報や位置測定用の時刻情報をGPS受信部110に受信させ、該受信した衛星軌道情報や位置測定用の時刻情報に基づき、当該無線通信装置の位置情報であるGPS測位情報を算出して取得し、記憶部109に記憶させる。このGPS測位情報には、取得した時点の時刻情報が含まれる。また、制御部106は、該取得したGPS測位情報を、無線部102から基地局を介して上位装置へ送信する。
【0016】
また、制御部106は、操作者が操作部107と表示部108を用い電子メールを作成して上位装置へ送信する場合は、電子メール本文作成前に、GPS測位情報を電子メールに添付するか否かの操作(操作者からの指示)を求め、GPS測位情報を添付する場合は、操作者による電子メール本文作成、つまり操作部107への文字入力作業と並行して、GPS衛星からの衛星軌道情報や位置測定用の時刻情報を受信して、GPS測位情報を算出して取得するように制御する。
【0017】
また、制御部106は、カメラが無線通信装置に接続された場合は、カメラが無線通信装置に接続、つまり無線通信装置のデータIF部112に接続されたことを検出したことに基づき、又は、カメラからの画像データ伝送要求情報をデータIF部112を介して受信したことことに基づき、カメラから無線通信装置への画像データ伝送と並行して、GPS衛星からの衛星軌道情報や位置測定用の時刻情報を受信して、GPS測位情報を算出して取得するように制御する。
【0018】
また、制御部106は、パソコン等のデータ伝送装置が無線通信装置に接続された場合は、データ伝送装置からのGPS測位命令をデータIF部112を介して受信したことことに基づき、データ伝送装置におけるデータ作成処理と並行して、GPS衛星からの衛星軌道情報や位置測定用の時刻情報を受信して、GPS測位情報を算出して取得するように制御する。制御部106の動作は、後述の実施例において詳しく説明する。
【0019】
(第1実施例)
本実施形態の第1実施例として、GPS測位情報を電子メールに添付する場合における、無線通信装置としての無線機の制御部の動作を、図2を用いて説明する。図2は、GPS測位情報を電子メールに添付する場合における無線機の制御部の動作フローである。
【0020】
まず、図2(a)に示すように、無線機の電源が操作者によりオンされ、無線機の起動が完了し無線機が動作可能状態になる(ステップS201)。次に、制御部106は、表示部108にメール作成メニューを表示し、操作者によりメール作成メニューが選択される(ステップS202)と、メール本文にGPS測位情報を添付するかどうかの選択肢を表示部108に表示する。操作者は、メール本文にGPS測位情報を添付するかどうかの選択を、操作部107から行う。
【0021】
制御部106は、メール本文にGPS測位情報を添付する指示がなされたか否かを判断し(ステップS203)、GPS測位情報を添付しない場合は(ステップS203でNo)、操作者によるメール本文入力を受け付けるメール本文入力受付け動作を行う(ステップS204)。その後、制御部106は、メール本文入力が完了したか判断し(ステップS205)、入力完了したと判断すると(ステップS205でYes)、表示部108にメール送信メニューを表示する。操作者によりメール送信メニューが選択されると(ステップS206)、GPS測位情報を添付することなくメールを送信し(ステップS207)、処理を終了する。
【0022】
ステップS203で、メール本文にGPS測位情報を添付する指示がなされたと判断した場合は(ステップS203でYes)、制御部106は、図2(b)に示すステップS211以下のメール本文入力受付け動作とステップS221以下のGPS測位情報取得動作を並行して行う。
【0023】
GPS測位情報取得動作において、制御部106は、GPS衛星からの衛星軌道情報や位置測定用の時刻情報をGPS受信部110に受信させ、該受信した衛星軌道情報や位置測定用の時刻情報に基づき、GPS測位情報(緯度、経度、取得時の時刻情報を含む)を算出して取得する(ステップS221)。次に、制御部106は、取得したGPS測位情報を記憶部109に記憶し、記憶部109のGPS測位情報取得フラグを「1」にして(ステップS222)、GPS測位情報取得動作を終了する。
【0024】
メール本文入力受付け動作において、制御部106は、メール本文入力を受付け(ステップS211)、メール本文入力が完了したか否か判断し(ステップS212)、例えば操作部107のメール入力完了キーが押下されたか判断し、メール本文入力が完了したと判断すると(ステップS212でYes)、記憶部109にGPS測位情報データが記憶されているか否か、つまり、GPS測位情報取得フラグが「1」になったか否かを確認する(ステップS213)。なお、GPS測位情報取得フラグは、本実施例では、操作者によりメール作成メニューが選択された時点(ステップS202)で、「0」にリセットされるようになっている。
【0025】
GPS測位情報データが記憶されていない場合は(ステップS214でNo)、一定時間待った後(ステップS217)、ステップS213へ戻り再度、記憶部109にGPS測位情報データが記憶されているか否かを確認する。記憶部109にGPS測位情報データが記憶されていた場合は(ステップS214でYes)、表示部108にメール送信メニューを表示する。操作者によりメール送信メニューが選択されると(ステップS215)、記憶部109に記憶していたGPS測位情報データをメールに添付して、無線部102から基地局へ無線送信し(ステップS216)、メール送信動作を終了する。
【0026】
第1実施例によれば、少なくとも次の(1)〜(2)の効果を得ることができる。
(1)メール本文作成前にGPS測位情報を取得開始し、メール本文作成と並行してGPS測位情報を取得するので、GPS測位情報を添付せずにメール送信する場合と略同様の時間でGPS測位情報を添付してメール送信できる。
(2)メール本文作成前の時点で、GPS測位情報をメールに添付するかどうかを操作者が選択し、メールに添付する場合は、メール本文作成と並行してGPS測位情報を取得するようにしたので、メールの内容等に応じてGPS測位情報を添付することができる。また、GPS測位情報をメールに添付しない場合は、GPS測位情報を取得することがなく消費電力を低減でき、バッテリーを長持ちさせることができる。
【0027】
(第2実施例)
次に、本実施形態の第2実施例を説明する。第2実施例は、第1実施例の変形例であり、第1実施例のステップS221を、ステップS321に変えたものであり、他のステップは第1実施例と同様である。ここでは、変更部分のみ説明する。
【0028】
ステップS203で、メール本文にGPS測位情報を添付する指示がなされたと判断した場合は(ステップS203でYes)、制御部106は、ステップS211以下のメール本文入力受付け動作とステップS321以下のGPS測位情報取得動作を並行して行う。
【0029】
ステップS321のGPS測位情報取得動作において、制御部106は、まず、記憶部109に記憶されている前回取得したGPS衛星からの衛星軌道情報(アルマナック情報、エフェメリス情報)が使用可能であるか否かを判断する(ステップS321a)。前回取得した衛星軌道情報が使用可能であるか否かは、前回取得したときの時刻と現在時刻との比較により判断できる。アルマナック情報は1週間程度、エフェメリス情報は2時間程度の間有効であるから、前回取得したときの時刻から約2時間程度であれば、アルマナック情報とエフェメリス情報の両方を使用可能である。
【0030】
アルマナック情報とエフェメリス情報の両方の衛星軌道情報が使用可能である場合は(ステップS321aでYes)、制御部106は、位置測定用の時刻情報をGPS受信部110に受信させ、該受信した位置測定用の時刻情報と記憶部109に記憶されている衛星軌道情報とに基づき、GPS測位情報を算出して取得する(ステップS321c)。このとき、GPS受信部110では衛星軌道情報を受信しないようにするので、短時間でGPS測位情報を取得することができる。
【0031】
アルマナック情報とエフェメリス情報の少なくとも一方が使用可能でない場合は(ステップS321aでNo)、制御部106は、使用可能でない衛星軌道情報をGPS受信部110に受信させ取得して記憶部109に記憶させ(ステップS321b)、さらに、位置測定用の時刻情報をGPS受信部110に受信させ、該受信した衛星軌道情報や位置測定用の時刻情報と、記憶部109に記憶させていた使用可能な衛星軌道情報とに基づき、GPS測位情報を算出して取得する(ステップS321c)。また、受信し取得した衛星軌道情報とその取得時刻情報とを対応付けて記憶部109に記憶させる。
例えば、アルマナック情報とエフェメリス情報の両方が使用可能でない場合は、制御部106は、アルマナック情報とエフェメリス情報の両方、及び位置測定用の時刻情報をGPS衛星から取得するので、この取得に約40秒間を要する。また、アルマナック情報は使用可能だがエフェメリス情報が使用可能でない場合は、エフェメリス情報、及び位置測定用の時刻情報をGPS衛星から取得するので、この取得に約25秒間を要する。
【0032】
制御部106は、取得したGPS測位情報を記憶部109に記憶し、記憶部109のGPS測位情報取得フラグを「1」にして(ステップS222)、GPS測位情報取得動作を終了する。
【0033】
なお、上述の例では、ステップS321のGPS測位情報取得動作において、前回取得した衛星軌道情報を利用するようにしたが、無線機の位置が変わらないような場合、例えば、一定時間、同じ位置で定点観測を行うような場合は、前回取得した衛星軌道情報を利用するのではなく、前回取得したGPS測位情報を利用することが可能である。
この場合、例えば操作者が操作部107から、予め定点観測モードを設定しておく。制御部106は、定点観測モードの場合は、ステップS321のGPS測位情報取得動作において衛星軌道情報の受信や取得動作をすることなく、前回取得して記憶部109に記憶させたGPS測位情報を維持し、記憶部109のGPS測位情報取得フラグを「1」にして(ステップS222)、GPS測位情報取得動作を終了する。
【0034】
第2実施例によれば、第1実施例の(1)〜(2)の効果に加えて、少なくとも次の(3)〜(4)の効果を得ることができる。
(3)記憶させていたアルマナック情報とエフェメリス情報の両方の衛星軌道情報が使用可能である場合は、新たに衛星軌道情報を取得する必要がないので、記憶させていた衛星軌道情報が使用可能でない場合に比べて、消費電力を低減できる。また、記憶させていた衛星軌道情報が使用可能でない場合に比べて、短時間でGPS測位情報を取得することができるので、メール本文作成時間が極短いような場合、例えば、無線機のGPS測位情報のみを送信するような場合に、GPS測位情報を取得するためにメール送信が遅れることを抑制することができる。
(4)記憶させていたアルマナック情報とエフェメリス情報の少なくとも一方の衛星軌道情報が使用可能である場合は、使用可能でない方の衛星軌道情報のみを新たに受信すればよいので、両方とも使用可能でない場合に比べて、消費電力を低減でき、また、短時間でGPS測位情報を取得することができる。
【0035】
(第3実施例)
本実施形態の第3実施例として、カメラ(撮像部)で撮影した画像情報にGPS測位情報を添付する場合の無線機の制御部の動作を、図4を用いて説明する。図4は、カメラからの画像情報にGPS測位情報を添付する場合の制御部の動作フローである。
【0036】
まず、無線機の電源が操作者によりオンされ、無線機の起動が完了し無線機が動作可能状態になった後、制御部106は、無線機がカメラモードになったか否かを判断する(ステップS401)。カメラモードとは、操作者の操作により設定されるモードであって、例えば、撮影済みの画像を内蔵するカメラが無線機に外付けされて、カメラで撮影済みの画像が無線機に伝送可能な状態になることである。例えば、カメラが無線機、つまり無線機のデータIF部112に接続されたことを検出すると、カメラモードと判断する。
あるいは、カメラモードとは、無線機にカメラが内蔵されている場合は、操作者の操作により内蔵カメラで撮影済みの画像が無線機に伝送可能な状態になることである。例えば、表示部108にカメラモード選択メニューを表示し、操作部107から操作者にカメラモード選択メニューを選択させることで、カメラモードにすることができる。
【0037】
カメラモードにおいて、さらに操作者により画像伝送操作が行われることにより、カメラから画像伝送要求が無線機へ送信され、続いて、撮影済みの画像が無線機へ伝送される。このように、操作者の第1の操作によりカメラモードにされ、さらにカメラモードにおいて、操作者の第2の操作により画像伝送操作が行われることにより、撮影済みの画像がカメラから無線機へ伝送される
【0038】
制御部106は、無線機がカメラモードになると(ステップS401でYes)、ステップS402以下のカメラ画像データ受信動作とステップS412のGPS測位情報取得動作を並行して行う。
【0039】
ステップS412のGPS測位情報取得動作において、制御部106は、GPS衛星からの衛星軌道情報や位置測定用の時刻情報をGPS受信部110に受信させ、該受信した衛星軌道情報や位置測定用の時刻情報に基づき、GPS測位情報を算出して取得する。制御部106は、GPS測位情報を取得完了すると、GPS測位情報を記憶部109に記憶し、記憶部109のGPS測位情報取得フラグを「1」にして、GPS測位情報取得動作を終了する。
【0040】
ステップS402以下の、カメラからの画像データ受信動作において、制御部106は、画像データ伝送要求をカメラから受信したか否かを判断し(ステップS402)、画像データ伝送要求を受信すると(ステップS402でYes)、続けて、複数の画像データをカメラから受信する(ステップS403)。画像データをカメラから受信する時間は、例えば1分程度である。
制御部106は、カメラから画像データを受信完了したか否かを判断し(ステップS404)、カメラから画像データを受信完了すると(ステップS404でYes)、記憶部109にGPS測位情報データが記憶されているか否か、つまり、GPS測位情報取得フラグが「1」になったか否かを確認する(ステップS405)。なお、本実施例では、GPS測位情報取得フラグは、カメラモードになった時点で、「0」にリセットされるようになっている。
【0041】
記憶部109にGPS測位情報データが記憶、つまり、GPS測位情報取得フラグが「1」になると(ステップS405でYes)、上位装置と接続するため基地局との間の回線を接続し(ステップS406)、送信用無線フレームに画像データとGPS測位情報を割り付け(ステップS407)、画像データとGPS測位情報を無線部102から無線送信して(ステップS408)、処理を終了する。画像データとGPS測位情報を無線送信する時間は、例えば1〜2分程度である。
【0042】
上述の図4の例では、ステップS401で無線機がカメラモードになると、ステップS402以下のカメラ画像データ受信動作とステップS412のGPS測位情報取得動作を並行して行うようにしたが、ステップS412のGPS測位情報取得動作は、カメラモード以外の別の事象をトリガに開始するよう構成することもできる。
例えば、ステップS402で画像データ伝送要求をカメラから受信したことをトリガにして、ステップS412のGPS測位情報取得動作を開始するように構成してもよい。上述したように、画像データをカメラから受信する時間は1分程度要するので、ステップS408で画像データとGPS測位情報を無線送信開始するまでに、GPS測位情報を受信して取得することができる。
【0043】
また、例えば、ステップS406の回線接続や、ステップS408の無線送信開始をトリガにして、ステップS412のGPS測位情報取得動作を開始するように構成してもよい。上述したように、画像データを無線送信する時間は1〜2分程度であるので、ステップS408の画像データ送信中にGPS測位情報を取得し、送信中の画像データの最後尾にGPS測位情報を添付して無線送信することが可能である。
【0044】
第3実施例によれば、少なくとも次の(5)〜(6)の効果を得ることができる。
(5)画像データをカメラから受信開始する前にGPS測位情報を取得開始し、カメラからの画像データ受信と並行してGPS測位情報を取得できるので、GPS測位情報を取得するために、上位装置への画像データ送信時間が長くなることを抑制できる。
(6)あるいは、上位装置への画像データ送信開始以前に、GPS測位情報を取得開始し、上位装置への画像データ送信と並行してGPS測位情報を取得できるので、GPS測位情報を取得するために、上位装置への画像データ送信時間が長くなることを抑制できる。
【0045】
(第4実施例)
次に、本実施形態の第4実施例を説明する。上述の第3実施例では、カメラで撮影済みの複数の画像をまとめて無線機に伝送し、無線機から基地局へ複数の画像をまとめて無線送信する例を説明したが、カメラで撮影する都度、撮影した画像を無線機に伝送し、その画像をGPS測位情報とともに無線機から基地局へ無線送信するよう構成することも可能である。
【0046】
この第4実施例の場合は、まず、操作者の第1の操作により無線機をカメラモードに設定する。例えば、カメラを無線機に外付けする、又は、無線機にカメラが内蔵されている場合は、カメラモード選択メニューを操作者が選択することによりカメラモードに設定する。カメラモードになると、制御部106は、GPS衛星からの衛星軌道情報をGPS受信部110に受信させ、該受信した衛星軌道情報を記憶部109に記憶させる。このとき、位置測定用の時刻情報は受信してもよいが、必ずしも受信する必要はない。
【0047】
次に、操作者がカメラで撮影すると、つまり操作者が第2の操作を行うと、制御部106は、GPS衛星からの位置測定用の時刻情報をGPS受信部110に受信させ、該受信した位置測定用の時刻情報と、記憶部109に記憶された衛星軌道情報とに基づき、GPS測位情報を算出して取得する。このようにして、カメラで撮影する都度、撮影した画像情報と、撮影した時点のGPS測位情報とを、無線機から上位装置へ無線送信することができる。
【0048】
第4実施例によれば、少なくとも次の(7)の効果を得ることができる。
(7)移動しながらカメラで撮影した画像を、撮影した位置のGPS測位情報とともに、無線機から上位装置へ無線送信することができる。
【0049】
(第5実施例)
本実施形態の第5実施例として、GPS測位情報を、メッセージデータを作成し無線機から伝送するパソコン等のデータ伝送装置からのメッセージデータに添付する場合の無線機の制御部の動作を、図5を用いて説明する。図5は、第5実施例に係るGPS測位情報をデータ伝送装置からのメッセージデータに添付する場合の動作フローである。
【0050】
まず、メッセージデータ作成装置としてのデータ伝送装置の動作フローを説明する。
データ伝送装置がデータIF部112を介して無線機に接続された状態で、データ伝送装置において、例えば操作者の操作により、メッセージを作成し送信するためのアプリケーションプログラムが起動されると(ステップS601)、データ伝送装置から無線機へ、ATコマンドが発行される(ステップS602)。ATコマンドは、データ伝送装置において、これからメッセージが作成され送信されることを示す信号である。
【0051】
次に、データ伝送装置において、そのメッセージ送信にGPS測位情報を添付するか否かが判断される(ステップS603)。このGPS測位情報を添付するか否かの指示は、データ伝送装置において、例えば操作者の操作により行われる。
GPS測位情報を添付する場合は(ステップS603でYes)、データ伝送装置から無線機へ、GPS測位を開始させるためのGPS測位命令が発行される(ステップS604)とともに、メッセージ作成が開始される(ステップS605)。例えば、データ伝送装置において、操作者からの文字入力を受け付ける。GPS測位情報を添付しない場合は(ステップS603でNo)、ステップS604のGPS測位命令が発行されることなく、メッセージ作成が開始される(ステップS605)。
【0052】
メッセージ作成が終了すると(ステップS606)、無線機からGPS測位完了通知を受信する(ステップS506)のを待って、作成したメッセージデータが無線機へ送信され(ステップS607)、無線機へのデータ転送が行われる(ステップS608)。
【0053】
次に、無線機の動作フローを説明する。
無線機がスリープ状態にあるときに(ステップS501)、データ伝送装置からATコマンドを受信すると(ステップS502)、無線機はウエイクアップ状態になる(ステップS503)。スリープ状態とは、例えば無線機の送受信部への電力供給が停止されて送受信機能が停止中の状態であり、ウエイクアップ状態とは、無線機の送受信部への電力供給が行われて送受信機能が作動中の状態である。
【0054】
ウエイクアップ状態でデータ伝送装置からGPS測位命令を受信すると(ステップS604)、無線機は、GPS測位を開始する(ステップS504)。GPS測位が終了すると(ステップS505)、無線機は、GPS測位完了通知をデータ伝送装置へ送信する(ステップS506)。その後、データ伝送装置からメッセージデータ送信が行われる(ステップS608)と、転送されたメッセージデータを受信し、該受信データに、ステップS505で測位終了したGPS測位情報を添付して(ステップS507)、無線機から上位装置へ無線送信する(ステップS508)。
【0055】
なお、上述のように、データ伝送装置は、無線機からのGPS測位完了通知(ステップS506)を待ってから、メッセージデータ送信(ステップS607)を行うように構成するのではなく、データ伝送装置は、無線機からのGPS測位完了通知(ステップS506)を待つことなく、メッセージデータ作成終了次第、メッセージデータ送信(ステップS607)を行うように構成することも可能である。この場合、無線機は、GPS測位終了し、かつ、データ伝送装置からのメッセージデータを受信した後、メッセージデータにGPS測位情報を添付して無線送信する。したがって、無線機からのGPS測位完了通知(ステップS506)は必要ではない。
【0056】
このように、第5実施例においては、データ伝送装置のような外部機器からGPS測位情報の取得指示を受信すると、衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報を受信し、該受信した衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報とに基づき、当該無線機のGPS測位情報を取得し、上記外部機器からのGPS測位情報取得指示を受信後、外部機器で作成されたメッセージデータを受信すると、該メッセージデータに取得したGPS測位情報を添付して、無線送信するものである。
【0057】
第5実施例によれば、少なくとも次の(8)〜(9)の効果を得ることができる。
(8)データ伝送装置において、メッセージデータを作成開始する前にGPS測位命令を無線機へ発行することにより、データ伝送装置でメッセージデータを作成終了する前に、無線機でGPS測位情報を取得開始し、メッセージデータ作成と並行してGPS測位情報を取得できるので、GPS測位情報をメッセージデータに添付しても、上位装置へのメッセージデータ送信時間が長くなることを抑制できる。
(9)メッセージデータ作成前の時点で、GPS測位情報をメッセージデータに添付するかどうかを選択し、メッセージデータに添付する場合は、メッセージデータ作成と並行してGPS測位情報を取得するようにしたので、メッセージデータの内容等に応じてGPS測位情報を添付することができる。また、GPS測位情報をメッセージデータに添付しない場合は、GPS測位情報を取得することがなく消費電力を低減でき、バッテリーを長持ちさせることができる。
【0058】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。例えば、第2実施例で説明した技術は、第3実施例ないし第5実施例にも適用可能である。
また、本発明は、本発明に係る処理を実行する装置としてだけでなく、システム、方法として、或いは、このような方法やシステムを実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして把握することができる。
また、本発明は、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行することにより制御する構成としてもよく、また、ハードウエア回路として構成してもよい。
【0059】
本明細書には、少なくとも次の構成が含まれる。
第1の構成は、
操作者からの入力操作を受け付ける操作部と、
基地局との間で無線信号を送受信する無線部と、
GPS衛星から衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報とを受信するGPS受信部と、
前記操作部、前記無線部、前記GPS受信部を制御する制御部とを備える無線通信装置であって、
前記制御部は、
前記操作部が、操作者からの電子メール作成開始指示と、当該無線通信装置の位置情報であるGPS測位情報を前記電子メールへ添付させる添付指示とを受け付けると、操作者からの電子メール本文入力の受け付けと並行して、前記GPS受信部に衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報を受信させ、該受信した衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報とに基づき、前記GPS測位情報を取得して、前記電子メール作成が終了した後、前記取得したGPS測位情報を前記電子メールに添付して、前記無線部から無線送信させることを特徴とする無線通信装置。
【0060】
第2の構成は、第1の構成の無線通信装置であって、
各種情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記操作部が、操作者からの第1の電子メールの作成開始指示と、該第1の電子メールへGPS測位情報を添付させる第1の添付指示とを受け付けると、前記GPS受信部に第1の衛星軌道情報と位置測定用の第1の時刻情報を受信させ、該第1の衛星軌道情報を前記記憶部に記憶させるとともに、前記第1の衛星軌道情報と前記第1の時刻情報とに基づき第1のGPS測位情報を取得し、前記第1の電子メール作成が終了した後、前記第1のGPS測位情報を前記第1の電子メールに添付して前記無線部から無線送信させ、次に、操作者からの第2の電子メールの作成開始指示と、該第2の電子メールへGPS測位情報を添付させる第2の添付指示とを受け付けると、前記記憶部に記憶された第1の衛星軌道情報の取得時刻が使用可能な場合は、前記GPS受信部に位置測定用の第2の時刻情報を受信させ、該第2の時刻情報と前記第1の衛星軌道情報とに基づき、第2のGPS測位情報を取得し、前記第2の電子メール作成が終了した後、前記第2のGPS測位情報を前記第2の電子メールに添付して前記無線部から無線送信させることを特徴とする無線通信装置。
【0061】
第3の構成は、第2の構成の無線通信装置であって、
前記第1の衛星軌道情報は、第1の衛星軌道情報A(例えばアルマナック情報)と該第1の衛星軌道情報Aよりも有効期間の短い第1の衛星軌道情報B(例えばエフェメリス情報)とを含み、
前記制御部は、操作者からの前記第2の電子メールの作成開始指示と、該第2の電子メールへGPS測位情報を添付させる第2の添付指示とを受け付けたときに、前記記憶部に記憶された第1の衛星軌道情報Aの取得時刻が使用可能であるが第1の衛星軌道情報Bの取得時刻が使用可能でない場合は、前記GPS受信部に前記第2の時刻情報と第2の衛星軌道情報Bとを受信させ、該第2の時刻情報と第2の衛星軌道情報Bと前記記憶部に記憶された第1の衛星軌道情報Aとに基づき、第2のGPS測位情報を取得し、前記第2の電子メール作成が終了した後、該第2の電子メールに前記第2のGPS測位情報を添付して前記無線部から無線送信させることを特徴とする無線通信装置。
【0062】
第4の構成は、第1の構成の無線通信装置であって、
各種情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記操作部が、操作者からの第1の電子メールの作成開始指示と、該第1の電子メールへGPS測位情報を添付させる第1の添付指示とを受け付けると、前記GPS受信部に衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報を受信させ、該受信した衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報とに基づき第1のGPS測位情報を取得して前記記憶部に記憶させ、前記第1の電子メール作成が終了した後、該第1の電子メールに前記第1のGPS測位情報を添付して前記無線部から無線送信し、次に、操作者からの第2の電子メールの作成開始指示と、該第2の電子メールへGPS測位情報を添付させる第2の添付指示と、前回取得したGPS測位情報を使用する旨の指示(例えば、定点観測モードの設定)とを受け付けると、前記第2の電子メール作成が終了した後、前記記憶部に記憶された第1のGPS測位情報を前記第2の電子メールに添付して前記無線部から無線送信させることを特徴とする無線通信装置。
【0063】
第5の構成は、
操作者からの入力操作を受け付ける操作部と、
基地局との間で無線信号を送受信する無線部と、
GPS衛星から衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報とを受信するGPS受信部と、
画像を撮影し該撮影した画像の画像情報を記憶するカメラと、
前記操作部、前記無線部、前記GPS受信部、前記カメラを制御する制御部とを備えた無線通信装置であって、
前記制御部は、
前記カメラから該カメラに記憶された画像情報を受信して前記無線部から無線送信させる際に、前記カメラからの画像情報の受信と並行して、前記GPS受信部に衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報を受信させ、該受信した衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報とに基づき、当該無線通信装置の位置情報であるGPS測位情報を取得し、前記カメラから受信した画像情報に前記GPS測位情報を添付して、前記無線部から無線送信させることを特徴とする無線通信装置。
【0064】
第6の構成は、
操作者からの入力操作を受け付ける操作部と、
基地局との間で無線信号を送受信する無線部と、
GPS衛星から衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報とを受信するGPS受信部と、
画像を撮影するカメラと、
前記操作部、前記無線部、前記GPS受信部、前記カメラを制御する制御部とを備えた無線通信装置であって、
前記制御部は、
前記操作部で操作者からの第1の操作を受け付けると、前記GPS受信部に衛星軌道情報を受信させて取得し、その後、前記操作部で操作者からの第2の操作を受け付けると、前記カメラに画像を撮影させるとともに、前記GPS受信部に位置測定用の時刻情報を受信させて取得して、前記取得した衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報とに基づき、当該無線通信装置の位置情報であるGPS測位情報を取得し、前記カメラで撮影した画像情報に前記取得したGPS測位情報を添付して、前記無線部から無線送信させることを特徴とする無線通信装置。
【0065】
第7の構成は、
操作者からの入力操作を受け付ける操作部と、
基地局との間で無線信号を送受信する無線部と、
GPS衛星から衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報とを受信するGPS受信部と、
メッセージデータを作成する外部機器から、該外部機器で作成されたメッセージデータを受信するデータインタフェース部と、
前記操作部、前記無線部、前記GPS受信部、前記データインタフェース部を制御する制御部とを備える無線通信装置であって、
前記制御部は、
前記データインタフェース部が、前記外部機器から、当該無線通信装置の位置情報であるGPS測位情報の取得指示を受信すると、前記GPS受信部に衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報を受信させ、該受信した衛星軌道情報と位置測定用の時刻情報とに基づき、前記GPS測位情報を取得し、前記データインタフェース部が、前記外部機器からのGPS測位情報取得指示を受信後、前記外部機器から該外部機器で作成されたメッセージデータを受信すると、前記取得したGPS測位情報を前記外部機器から受信したメッセージデータに添付して、前記無線部から無線送信させることを特徴とする無線通信装置。
【符号の説明】
【0066】
101…アンテナ、102…無線部、103…信号処理部、104…スピーカ、105…マイク、106…制御部、107…操作部、108…表示部、109…記憶部、110…GPS受信部、111…GPS受信機用アンテナ、112…データIF部。
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3
図4
図5