(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5894840
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月30日
(54)【発明の名称】互換可能なアンテナ探針を有するマイクロ波焼灼器具
(51)【国際特許分類】
A61B 18/18 20060101AFI20160317BHJP
【FI】
A61B17/36 340
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-87246(P2012-87246)
(22)【出願日】2012年4月6日
(65)【公開番号】特開2012-217854(P2012-217854A)
(43)【公開日】2012年11月12日
【審査請求日】2015年1月16日
(31)【優先権主張番号】13/083,185
(32)【優先日】2011年4月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513109016
【氏名又は名称】コビディエン エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(72)【発明者】
【氏名】アーノルド ブイ.デカルロ
【審査官】
毛利 大輔
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−535370(JP,A)
【文献】
特表平09−500804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼灼エネルギー源と、
前記焼灼エネルギー源と選択的にかつ解放可能に係合するように適合された取手であって、
近位端および遠位端を有する筐体と、
その中に画定されたプレナムを有する前記筐体内に含まれるハブと、
第1の連結部材と、
前記プレナムとその近位端にて流体連通し、かつその遠位端にて前記第1の連結部材に接合された近位供給線と、
を備える、取手と、
前記取手と選択的にかつ解放可能に係合するように適合された焼灼探針であって、
近位端および遠位端を有する探針ハイポチューブと、
前記第1の連結部材と選択的にかつ解放可能に係合するように適合された前記探針ハイポチューブの近位端にて配置された第2の連結部材と、
組織を貫通するように適合された遠位先端と、
を備える、焼灼探針と、
前記焼灼探針が全く前記取手に連結されない際に前記焼灼エネルギー源の作動を妨げるように適合された連動装置と、
を備える外科焼灼システムであって、
前記焼灼エネルギー源が前記取手と選択的にかつ解放可能に係合され、かつ前記取手が前記焼灼探針と選択的にかつ解放可能に係合される際に、焼灼エネルギーが前記焼灼探針により送達可能である、外科焼灼システム。
【請求項2】
前記近位供給線が、
供給線ハイポチューブと、
前記供給線ハイポチューブの縦軸に沿って配置された供給線内部導体と、
前記供給線内部導体の周りに同軸上に配置された供給線絶縁体と、
前記供給線絶縁体の周りに同軸上に配置された供給線外部導体と、
供給線流入導管および供給線流出導管を形成するように、前記供給線ハイポチューブおよび前記供給線外部導体の間に同心円状に配置された供給線冷却剤管と、
をさらに備える、請求項1に記載の外科焼灼システム。
【請求項3】
前記供給線流出導管の近位端が、前記プレナムと流体連通している、請求項2に記載の外科焼灼システム。
【請求項4】
前記取手が近位端および遠位端を有する流入管をさらに備え、前記流入管の近位端が冷却剤源と選択的にかつ解放可能に係合するように適合され、前記流入管の遠位端が前記供給線流入導管と流体連通している、請求項2に記載の外科焼灼システム。
【請求項5】
前記取手が近位端および遠位端を有する流出管をさらに備え、流入管の遠位端が前記供給線流出導管と流体連通している、請求項2に記載の外科焼灼システム。
【請求項6】
前記取手が近位端および遠位端を有する同軸入力ケーブルをさらに備え、前記同軸入力ケーブルの近位端が前記焼灼エネルギー源と選択的にかつ解放可能に係合するように適合され、前記同軸入力ケーブルの遠位端が前記供給線内部導体または前記供給線外部導体のうち少なくとも1つに連結される、請求項2に記載の外科焼灼システム。
【請求項7】
冷却剤源をさらに備える、請求項1に記載の外科焼灼システム。
【請求項8】
外科器具取手を伴う使用のための使い捨て焼灼探針であって、
近位端および遠位端を有する探針ハイポチューブと、
前記探針ハイポチューブの縦軸に沿って配置された探針内部導体と、
前記探針内部導体の周りに同軸上に配置された探針絶縁体と、
前記探針絶縁体の周りに同軸上に配置された探針外部導体と、
探針流入導管および探針流出導管を形成するように、前記探針ハイポチューブおよび前記探針外部導体の間に同心円状に配置された探針冷却剤管と、
前記探針流入導管または前記探針流出導管のうち少なくとも1つと流体連通している、前記探針ハイポチューブの遠位端内に画定された冷却室と、
前記探針を取手と選択的にかつ解放可能に係合させるように適合された、前記探針ハイポチューブの近位端にて配置された連結部材と、
組織を貫通するように適合された、前記ハイポチューブの遠位端に配置された先端と、
前記焼灼探針が全く前記取手に連結されない際に焼灼エネルギー源の作動を妨げるように適合された連動装置と、
を備える、使い捨て焼灼探針。
【請求項9】
前記探針内部導体の近位端に配置された電気接続器をさらに備える、請求項8に記載の使い捨て焼灼探針。
【請求項10】
前記探針外部導体の近位端に配置された電気接続器をさらに備える、請求項8に記載の使い捨て焼灼探針。
【請求項11】
前記探針ハイポチューブの近位端にて張り出し部分をさらに備える、請求項8に記載の使い捨て焼灼探針。
【請求項12】
前記探針冷却剤管の近位端にて張り出し部分をさらに備える、請求項8に記載の使い捨て焼灼探針。
【請求項13】
前記探針内部導体の遠位端に固定された遠位放射部分をさらに備える、請求項8に記載の使い捨て焼灼探針。
【請求項14】
使い捨て焼灼探針を伴う使用のための外科器具取手であって、
近位端および遠位端を有する筐体と、
その中に画定されたプレナムを有する前記筐体内に含まれるハブと、
第1の連結部材と、
前記プレナムとその近位端にて流体連通し、かつその遠位端にて前記第1の連結部材に接合された近位供給線であって、
近位端および遠位端を有する供給線ハイポチューブと、
前記供給線の縦軸に沿って配置された供給線内部導体と、
前記供給線内部導体の周りに同軸上に配置された供給線絶縁体と、
前記供給線絶縁体の周りに同軸上に配置された供給線外部導体と、
供給線流入導管および供給線流出導管を形成するように、前記供給線ハイポチューブおよび前記供給線外部導体の間に同心円状に配置された供給線冷却剤管と、を備える、近位供給線と、
前記焼灼探針が全く前記取手に連結されない際に焼灼エネルギー源の作動を妨げるように適合された連動装置と、
を備える、外科器具取手。
【請求項15】
前記供給線流出導管の近位端が、前記プレナムと流体連通している、請求項14に記載の外科器具取手。
【請求項16】
前記取手が近位端および遠位端を有する流入管をさらに備え、前記流入管の近位端が冷却剤源と選択的にかつ解放可能に係合するように適合され、前記流入管の遠位端が前記供給線流入導管と流体連通している、請求項14に記載の外科器具取手。
【請求項17】
前記取手が近位端および遠位端を有する流出管をさらに備え、流入管の遠位端が前記供給線流出導管と流体連通している、請求項14に記載の外科器具取手。
【請求項18】
前記取手が近位端および遠位端を有する同軸入力ケーブルをさらに備え、前記同軸入力ケーブルの近位端が焼灼エネルギー源と選択的にかつ解放可能に係合するように適合され、前記同軸入力ケーブルの遠位端が前記供給線内部導体または前記供給線外部導体のうち少なくとも1つに連結される、請求項14に記載の外科器具取手。
【請求項19】
前記供給線内部導体が、前記供給線絶縁体または前記供給線外部導体のうち少なくとも1つを超えて遠位に延在する、請求項14に記載の外科器具取手。
【請求項20】
焼灼エネルギー源を作動させるための作動器をさらに備える、請求項14に記載の外科器具取手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
1.技術分野
本開示は、生物組織にエネルギーを提供するためのシステムおよび方法に、より具体的には、互換可能なアンテナ探針を有する組織焼灼を行うように適合された電気外科器具に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の背景
エネルギーに基づく組織治療は、当該技術分野で十分に知られている。様々な種類のエネルギー(例えば、電気、超音波、マイクロ波、極低温、熱、レーザー等)が、所望の結果を実現するために組織に印加される。電気外科術は、組織を切断、焼灼、凝固、または封止する外科部位への高無線周波数電流の印加を伴う。単極式電気外科術では、源つまり活性電極は無線周波数エネルギーを電気外科発電機から組織に送達し、戻り電極は電流を発電機に運搬して戻す。単極式電気外科術では、源電極は、典型的に、外科医により保持されかつ治療される組織に適用される外科器具の一部である。患者戻り電極は、電流を発電機に運搬して戻すために活性電極から離れて配置される。組織焼灼の電気外科術では、無線周波数エネルギーをアンテナまたは探針により標的組織に送達することができる。
【0003】
用いられているいくつかの種類のマイクロ波アンテナ組立体、例えば、単極、双極、および螺旋形があり、それらを組織焼灼用途にて用いることができる。単極および双極のアンテナ組立体では、マイクロ波エネルギーは、一般的に、導体の軸から離れて垂直に放射する。単極アンテナ組立体は、典型的に、単一で伸長した導体を含む。典型的な双極アンテナ組立体は2つの伸長した導体を含み、それらは直線的に整列され、かつそれらの間に配置された電気絶縁体と互いに対して端々に位置付けられる。螺旋形アンテナ組立体は、接地面に接続された螺旋形状の導体を含む。螺旋形アンテナ組立体は、螺旋により放射される場が螺旋軸に対する垂直面内で最大である通常モード(ブロードサイド)と、最大の放射線が螺旋軸に沿っている軸モード(エンドファイア)と、を含む、いくつかのモードにおいて動作することができる。螺旋形アンテナ要素の物理的特性、例えば、螺旋の直径、螺旋の線輪間の螺距つまり距離、および、それが搭載される探針組立体に関連する螺旋の位置により、螺旋形アンテナ組立体の同調を少なくとも部分的に決定することができる。
【0004】
典型的なマイクロ波アンテナは、探針の縦軸に沿って延在し、かつ誘電性材料に包囲され、かつ、外部導体も探針の軸に沿って延在するように、誘電性材料の周りにある外部導体にさらに包囲される、長く薄い内部導体を有する。効果的なエネルギーの外方放射つまり加熱を提供する探針の別の変化形では、外部導体の一部または複数部を選択的に撤去することができる。この種類の構造物は、典型的に、「漏れ導波路」または「漏れ同軸」アンテナと称される。マイクロ波探針における別の変化形は、効果的な放射のために必要な構成を提供する、螺旋等の均一の渦巻パターンで形成された先端を有することを伴う。この変化形を用いて、特定の方向、例えば、軸に垂直な方向に、順方向に(すなわち、アンテナの遠位端に向かって)、またはそれらの組み合わせにエネルギーを指向することができる。組織焼灼の場合では、約500MHz乃至約10GHzの範囲内の高無線周波数電流が、ある焼灼容積を創出するように標的組織部位に印加され、それは特定の規模および形状を有することがある。焼灼容積は、アンテナの設計、アンテナの同調、アンテナのインピーダンス、および組織のインピーダンスに相関される。
【0005】
特定の外科処置は、多数回の焼灼探針の配置を必要とする。このような処置にて頻繁に用いられる針状探針は鈍くなりかつ屈曲することがあり、結果的に再使用される際に配置するのがより困難になることがある。この懸念に対処するために、外科医は外科処置の最中に多数の探針を利用することがある。この手法は、多数の探針が配置される際に、当該多数の探針と関連する取手およびケーブルが、外科部位にて調整および操縦するのに扱いにくくなり得るという点において欠点を有することがある。これは、今度は、増加した手術時間および準最適な外科予後に繋がることがある。
【発明の概要】
【0006】
概要
本開示は、取手部分および互換可能なアンテナ探針を有するマイクロ波焼灼器具を対象とする。取り換え可能な探針は、再使用可能または使い捨てであり得る。当該探針は、取手および探針の間に電気的かつ流動的な連結を提供するように構成された接続器を用いて、取手に動作可能に接続するように適合される。当該探針は、焼灼エネルギーを組織に送達するように構成された単極または双極アンテナ組立体を含む。当該取手は、焼灼エネルギー源、例えば、発電機に動作可能に連結するように適合される。当該取手を、追加的にまたは代替的に、冷却剤源に連結するように構成することができる。使用中に、外科医は、互換可能な探針のうち1つ以上を標的組織のあらかじめ選択された領域に挿入することができる。その後、当該外科医は、取手を第1の探針に取り付け、発電機を作動させて焼灼エネルギーを組織の第1の領域に送達し、その後取手を第2の探針等へ動かし、焼灼エネルギーを各あらかじめ位置付けられた探針に順々に送達することができる。このように、単一の探針の繰り返される再挿入を必要とすることなく、単一の取手を用いて組織の多数の領域を治療することができる。加えて、固定探針をそれぞれ有する多数の先行技術の取手ではなく、多数の互換可能な探針を有する単一の取手の使用は、手術部位にてケーブルの数および散乱物を大幅に低減することができ、それは、処置を合理化しかつ手術予後を改善することにより、外科医および患者の両方のためになる。
【0007】
当該探針としては、単極アンテナ、双極アンテナ、およびそれらの変形(制限なく、湿式先端単極アンテナまたは詰まった湿式先端双極アンテナ等)を挙げることができる。
【0008】
本開示の一実施形態に従う外科焼灼システムは、焼灼エネルギー源と、当該焼灼エネルギー源に動作可能に連結するように適合された取手と、当該取手に動作可能に連結するように適合された焼灼探針と、を含む。当該取手は、近位端および遠位端を有する筐体と、その中に画定されたプレナムを有する当該筐体内に含まれるハブと、当該プレナムとその近位端にて
流体連通し、かつその遠位端にて第1の連結部材に接合された近位供給線と、を含む。当該焼灼探針は、近位端および遠位端を有する探針ハイポチューブ心棒と、当該第1の連結部材と動作可能に連結するように適合された当該探針ハイポチューブ心棒の近位端にて配置された第2の連結部材と、組織を貫通するように適合された遠位先端と、を含む。当該焼灼エネルギー源が当該取手に動作可能に連結され、かつ当該取手が当該焼灼探針に動作可能に連結される際に、焼灼エネルギーが当該焼灼探針により送達可能である。
【0009】
本開示の一実施形態に従う使い捨て焼灼探針は、近位端および遠位端を有する探針ハイポチューブ心棒と、当該探針ハイポチューブ心棒の縦軸に沿って配置された探針内部導体と、探針内部導体の周りに同軸上に配置された探針絶縁体と、探針絶縁体の周りに同軸上に配置された探針外部導体と、探針流入導管および探針流出導管を形成するように、探針ハイポチューブおよび当該探針外部導体の間に同心円状に配置された探針冷却剤管と、を含む。冷却室は、当該探針ハイポチューブ心棒の遠位端内に画定され、かつ当該探針流入導管または当該探針流出導管のうち少なくとも1つと
流体連通している。連結部材は、当該探針ハイポチューブ心棒の近位端にて配置され、かつ当該探針を取手に動作可能に連結するように適合される。当該ハイポチューブ心棒の遠位端には、組織を貫通するように適合された先端がある。
【0010】
本開示に従う使い捨て焼灼探針を伴う使用のための外科器具取手の一実施形態は、近位端および遠位端を有する筐体と、その中に画定されたプレナムを有する当該筐体内に含まれるハブと、当該プレナムとその近位端にて
流体連通し、かつその遠位端にて第1の連結部材に接合された近位供給線と、を含む。当該近位供給線は、近位端および遠位端を有する供給線ハイポチューブ心棒と、当該供給線の縦軸に沿って配置された供給線内部導体と、供給線内部導体の周りに同軸上に配置された供給線絶縁体と、供給線絶縁体の周りに同軸上に配置された供給線外部導体と、供給線流入導管および供給線流出導管を形成するように、供給線ハイポチューブおよび当該供給線外部導体の間に同心円状に配置された供給線冷却剤管と、を含む。
【0011】
また開示されているのは、本明細書に記載されているとおりの焼灼探針に動作的に連結された焼灼エネルギー源を有する焼灼システムである。開示されているシステムは、本明細書に記載されているとおりの焼灼探針に動作的に連結された冷却剤源または圧力源のうち少なくとも1つをさらに含むことがある。
【0012】
図面の簡単な記載
本開示の上記および他の態様、特徴、および利点は、添付図面と併用されることにより、以下の詳細な記載に照らしてより明白となるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示に従う取手および撤去可能な探針を含む焼灼システムの一実施形態の概略図表を示す。
【
図2】本開示に従う取手および撤去可能な探針を有する焼灼器具の側面の切り取り図を示す。
【
図3】本開示に従う撤去可能な探針を有する焼灼器具の構成部間の関係の概略図を示す。
【
図4】本開示に従う撤去可能な探針を有する焼灼器具のハブ部分の拡大した切り取り図を示す。
【
図5】本開示に従う撤去可能な探針を有する焼灼器具の接続器部分の拡大した切り取り図を示す。
【
図6】本開示に従う撤去可能な探針を有する焼灼器具の供給線の断面図を示す。
【
図7】本開示に従う撤去可能な探針を有する焼灼器具の先端部分の拡大した切り取り図を示す。
【
図8】本開示に従う撤去可能なアンテナ組立体の別の実施形態の側面の切り取り図を示す。
【
図9】
図8の撤去可能なアンテナ組立体の断面図を示す。
【
図10】
図8の撤去可能なアンテナ組立体の雄接続器の詳細な側面の切り取り図を示す。
【
図11】
図8の撤去可能なアンテナ組立体の雌接続器の詳細な側面の切り取り図を示す。
【
図12A】本開示の一実施形態に従う焼灼器具を利用して行われる焼灼処置を示す。
【
図12B】本開示の一実施形態に従う焼灼器具を利用して行われる焼灼処置を示す。
【
図12C】本開示の一実施形態に従う焼灼器具を利用して行われる焼灼処置を示す。
【
図12D】本開示の一実施形態に従う焼灼器具を利用して行われる焼灼処置を示す。
【
図12E】本開示の一実施形態に従う焼灼器具を利用して行われる焼灼処置を示す。
【
図12F】本開示の一実施形態に従う焼灼器具を利用して行われる焼灼処置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な記載
本開示の特定の実施形態は、添付図面を参照して下文に記載されているが、開示されている実施形態は単に本開示の例であり、それらを様々な形態で具現することができることを理解されたい。十分に知られている機能または構造および繰り返しの事柄は、不要または冗長な詳細にて本開示を分かりにくくすることを避けるために、詳細には記載されていない。従って、本明細書に開示されている具体的な構造上および機能上の詳細は、限定的であると解釈されるものではないが、単に、請求の範囲の基礎として、かつ、当業者に事実上いかなる適切に詳細な構造においても本開示を様々に使用することを教示するための代表的な基礎として解釈されるものである。
【0015】
図面内で、および続く記載では、「近位」という用語は、従来通りに、使用者により近い器具の端を指すものとし、一方で、「遠位」という用語は、使用者からより遠い端を指すものとする。加えて、本明細書で用いられる際に、配向に言及する用語、例えば、「頂」、「底」、「上」、「下」、「左」、「右」、「時計回り」、「反時計回り」、および同様のものは、そこで示されている図および特徴を参照して例解目的のために用いられる。本開示に従う実施形態を、制限なく任意の配向にて実施することができることを理解されたい。本記載で、ならびに図面では、同じように参照される番号は、同じ、同様、または同等の機能を果たすことができる要素を表す。
【0016】
本明細書で提示されている接続器の性別への言及は例解目的のみのためのものであり、記載されている様々な構成部が、雄、雌、雌雄同体、または無性の性別の何れでもあり得る実施形態が想定される。同様に、円形および同軸の接続器への言及は本質的に例解的であり、他の接続器の種類、形状、および構成が本開示の範囲内で予期される。
【0017】
電磁エネルギーは、一般的に、エネルギーを増加させるかまたは波長を減少させることにより、無線波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、およびガンマ線に分類される。本記載において用いられる際に、「マイクロ波」は、概して、300メガヘルツ(MHz)(3×10
8周波/秒)乃至300ギガヘルツ(GHz)(3×10
11周波/秒)の周波数範囲にある電磁波を指す。本記載において用いられる際に、「焼灼処置」は、概して、マイクロ波焼灼、無線周波数(RF)焼灼、またはマイクロ波焼灼により支援される切除等の、任意の焼灼処置を指す。本記載において用いられる際に、「伝送線」は、概して、ある地点から別の地点への信号の伝播のために用いることができる任意の伝送媒体を指す。
【0018】
本開示の様々な実施形態は、組織を治療するための指向性反射器組立体と動作可能に関連する電気外科機器と、組織の標的容積に電磁放射線を指向する方法と、を提供する。マイクロ波周波数で、または、他の周波数で電磁放射線を用いて、実施形態を実施することができる。指向性反射器組立体と動作可能に関連するエネルギー印加器を含む開口組立体を有する電気外科システムは、様々な実施形態に従い、指向性放射パターンをもって約300MHzおよび約10GHzの間で動作するように構成される。
【0019】
目下開示されている電気外科機器と、それに対する指向性反射器組立体と、同一物を含む電気外科システムとの様々な実施形態は、マイクロ波焼灼に、および、マイクロ波焼灼により支援される外科切除のために組織を前凝固させる使用に適している。下文に記載されている様々な方法は、マイクロ波焼灼および標的組織の破壊および/または切除を対象とするが、標的組織が、例えば、心臓組織内の電気インパルスの伝導を防ぐために、部分的に破壊、損傷、または解剖される他の療法と共に、電磁放射線を指向するための方法を用いることができることを理解されたい。加えて、本開示の教示は、双極、単極、螺旋形、または他の適した種類のマイクロ波アンテナに当てはまることがある。
【0020】
図1は、本開示の一実施形態に従う焼灼システム10を示す。焼灼システム10は、ケーブル15により接続器16に動作可能に接続される焼灼器具12を含み、それはさらに器具12を発電機組立体14に動作可能に接続する。発電機組立体14は、焼灼エネルギー、例えば、約915MHz乃至約10.0GHzの範囲内にあるマイクロ波またはRFエネルギーの源であり得る。器具12は、様々な外科処置における使用に適合され、かつ、概して、アンテナ探針20と動作可能に係合するように構成された取手組立体30を含む。探針20の近位端23は、取手30の遠位端31に電気機械的に係合する。ケーブル15は、追加的にまたは代替的に、冷却剤源18から焼灼器具12へ冷却剤を提供するように構成された導管(
図1には明示せず)を提供することができる。
【0021】
図2、3、および4に目を向けると、本開示に従う焼灼器具の一実施形態は、筐体32を有する取手30を含む。任意の適した様態の取り付け、例えば、レーザー溶接、化学溶接、接着剤、機械的締結具、クリップ、ねじ込み式締結具、および同様のものにより共通の縁に沿って接合される、2個組(左および右半)の二枚貝型組立体から、筐体32を組み立てることができる。筐体32は、入力ケーブル60、流入管40、および流出管41と取手供給線70を連結するハブ34を含む。ハブ34は、供給線流出導管47の近位端46から使用済みの冷却剤を受け取るプレナム42を含み、そこから使用済みの冷却剤が流出管41に流れ込む。入力ケーブル60は、それらの間に配置された絶縁体63を有する外部導体64内に同軸上に配置された内部導体62を含む。
【0022】
近位供給線70は、電気外科エネルギーおよび冷却剤をアンテナ探針20に送達し、アンテナ探針20から冷却剤を除去するように適合される、その中に同心円状に配列されたいくつかの要素を含む。近位供給線70は、
図5に示されているように、ハブ34の遠位端35から遠位に延在し、かつ雄ルアー式部材24内に遠位に終端する供給線ハイポチューブ51から形成される。入力ケーブル60は、封止口66を介してハブ34の近位壁を通じて延在し、プレナム42および供給線ハイポチューブ51の縦軸を通じて続き、雄ルアー式部材24内に遠位に終端する。
図6に示されているように、入力ケーブル60は、その縦軸に沿って配置された供給線内部導体62を含む。供給線絶縁体63は、供給線内部導体62の周りに同軸上に配置される。供給線外部導体64は、供給線絶縁体63の周りに配置される。供給線冷却剤管50は、供給線流入導管47および供給線流出導管48を形成するために、供給線ハイポチューブ51および入力ケーブル60の間に同心円状に配置される。供給線流出導管48の近位端46は、プレナム42と
流体連通している。流入管40の遠位端45は、使用の最中に冷却剤をアンテナ探針20に提供するために、供給線流入導管47の近位端と
流体連通している。封止物49は、供給線流入導管47を通じて遠位に流入する未使用の冷却剤を指向し、供給線流出導管48を通じて出る使用済みの冷却剤と流入する未使用の冷却剤の混ざり合いを防ぐために、供給線冷却剤管50の近位端にて配置される。供給線内部導体62の遠位端65は、ケーブル60の遠位端を超えて延在し、かつ、アンテナ探針20が取手30に接合される際に、探針内部導体82と供給線内部導体62の電気的連結を容易にするために内部導体接続器86に係合するように適合される。
【0023】
取手30は作動器71を含み、それは、外科医により作動される際に発電機14を作動させるように構成される、図示されているようなハンドスイッチ、または、代替的に、かつ制限なく、トリガースイッチ、押しボタンスイッチ、スライドスイッチ、レバースイッチであってよい。制御ケーブル72および/または制御ケーブル73により、作動器71を発電機14に動作可能に連結することができる。一実施形態では、作動器71は瞬間接触型の単極単投(SPST)スイッチを含む。一実施形態では、作動器71はスナップドームスイッチを含むことがある。アンテナ探針20が全く取手30に連結されない際に発電機14の作動を妨げるために、連動装置(明示せず)を取手30内に含めることができる。
【0024】
アンテナ探針20は、供給線ハイポチューブ51のものに概して対応する内部構造を有する探針ハイポチューブ81を含み、かつ、供給線ハイポチューブ51の遠位端に動作的に係合するように適合されたその近位端23にて形体を含む。ハイポチューブ81は、ハイポチューブ81の縦軸に沿って延在する探針内部導体82を含む。探針絶縁体83は探針内部導体81の周りに同軸上に配置され、探針外部導体84は絶縁体83の周りに同軸上に配置される。探針冷却剤管80は、探針流入導管87および探針流出導管88を形成するために、探針ハイポチューブ81および探針外部導体84の間に同心円状に配置される。
【0025】
内部導体接続器86は、探針内部導体82に動作的に固定され、かつ、アンテナ探針20が取手30に接合される際に、供給線内部導体62に動作可能に係合するように構成される。図示されているように、内部導体接続器86は雌接続器として構成されているが、内部導体接続器86は、雄接続器、雌雄同体接続器、または任意の他の適した形態の接続器であってよい。探針外部導体84は、アンテナ探針20が取手30に接合される際に、供給線外部導体64の近位端66に動作可能に係合するように構成されるその近位端に動作的に固定された外部導体接続器85を含む。
【0026】
半田付け、蝋付け、溶接、圧着、またはねじ込み式締結具を制限なく含む、任意の適した様態の電気機械結合により、当該導体接続器をそれらのそれぞれの導体に(例えば、内部導体接続器86を探針内部導体82に、および外部導体接続器85を外部導体84に)接合することができる。外部導体絶縁体(明示せず)を、供給線外部導体64および/または探針外部導体84の周りに同軸上に配置することができる。
【0027】
探針ハイポチューブ81の近位端は、供給線ハイポチューブ51の遠位端の周りに流体密封接続を形成するように構成される張り出し部分89を含む。探針冷却剤管80の近位端は、供給線冷却剤管50の遠位端の周りに流体密封接続を形成するように構成される張り出し部分90を含む。一実施形態では、供給線ハイポチューブ51および張り出し部分89の間、および供給線冷却剤管50および張り出し部分90の間の合わせ面は、Oリング、エラストマー性被膜、潤滑被膜、または一連の連動畝部を制限なく含む、封止強化要素(明示せず)を含むことがある。一実施形態では、当該張り出し部分、すなわち、張り出し部分89および/または張り出し部分90を、対応する合わせ近位構成部、すなわち、供給線ハイポチューブ51および/または供給線冷却剤管50の挿入の際にそれぞれ拡大するように構成することができ、それは、今度は、接合された構成部の間に改善した封止を提供する。
【0028】
取手30およびアンテナ探針は、それぞれ、取手30および探針20を動作的に連結するように適合される、連結要素24および22を含む。より具体的には、かつ
図5および6で見られるように、取手30は、雌ルアー式接管22に動作可能に係合するように構成される雄ルアー式部材24を含む。連結される際に、雄ルアー部材24の外部合わせ面25は、アンテナ探針20を取手30に対して固定関係に保持するために、雌ルアー接管22の内部合わせ面26に係合する。一実施形態では、雄ルアー部材24は、摩擦保持により雌ルアー接管22の内部合わせ面26に係合する。本開示の範囲内にある他の想定される実施形態では、雄ルアー部材24は、ねじ込み係合、差し込み架台(例えば、「2分の1ひねり」接続器)、急速脱着接続器(MPT−FTP対)、および同様のものを制限なく含む、任意の適した様態の接続により雌ルアー接管22に係合する。
【0029】
当該一例の実施形態では、それぞれ、連結要素24および22は雄および雌の連結器であるものの、本開示に従う実施形態は、取手30および探針20の動作的連結をもたらすために、協働的な雄、雌、および雌雄同体の連結器24および22の任意の組み合わせを利用することができる。
【0030】
ここで
図7に目を向けると、ハイポチューブ81は遠位に延在し、かつ、組織の貫通を容易にするように構成された輪郭を有する遠位先端21を含む。図示されているように、先端21は概円錐形の先細部分99を含むが、他の先端構成は、のみの先端、平坦な先端、匙の先端等を制限なく含む、本開示の範囲内にある。冷却室92は、その中の冷却剤の循環を容易にし、かつ探針20の温度を制御するために先端21内に画定される。探針冷却剤管80の遠位端93は、それを通じて冷却剤が探針流入導管87から冷却剤室92に流れ込む冷却剤流入口94を画定する。探針冷却剤管80の遠位端93は、冷却剤流入口94の周りに概して同心円状に配列される冷却剤流出口95も画定し、それを通じて、使用済みの冷却剤は、冷却剤室92から近位に探針流出導管88に流れ込む。
【0031】
探針絶縁体83および探針内部導体82は、冷却剤管80の遠位端93および探針外部導体84の遠位端96を超えて冷却室92へ遠位に延在する。内部導体82の遠位端90は、探針絶縁体83の遠位端97を超えて遠位放射部分91へ遠位に延在する。遠位放射部分91は、半田付け、溶接、蝋付け、圧着、および同様のものを制限なく含む、任意の適した様態の取り付けにより、探針内部導体の遠位端90に電気機械的に連結される。先端21の領域への放射されたマイクロ波エネルギーを含有するように適合された4分の1波長短絡バランを形成するために、4分の1波長バラン98を外部導体98の周りに同軸上に配置することができる。
【0032】
本開示に従う焼灼探針20は、長さにして約1cmから約1mに及ぶ長さLを有し得る。外科処置の最中に、外科医は、所望の外科予後を実現するために、1つ以上の長さにある1つ以上の焼灼探針を用いることを選ぶことができる。本開示に従う焼灼探針の直径Dは、約.1mm乃至約10mmの範囲を有し得る。
【0033】
一実施形態では、取手組立体30および複数の焼灼探針20を含むキットを外科医に提供することができる。当該キット内に提供される焼灼探針の数量、長さ、および/または直径は、そのために当該キットを適応させ得る特定の外科処置により少なくとも部分的に基礎とされることがある。取手30および探針20が生物汚染物質のない外科部位に提供されることを確実にするために、当該キットを無菌包装にて提供することができる。
【0034】
本開示による別の例の実施形態は、
図8−11に例解されている。アンテナ組立体200は、取手側連結器240およびアンテナ探針280を含む。探針280の近位端284は、取手組立体231またはその一部、例えば、連結器240と選択的にかつ解放可能に係合可能であり得る。アンテナ探針280を、使い捨てで再使用可能と見なすことができ、かつ「再使い捨て」という鞄語で称することができる。従って、新しいかまたは異なる探針280は、必要に応じて従前に結合された探針280に選択的に取って代わることができる。
【0035】
ハイポチューブ210は、取手230内に固定される。制限なく、ステンレス鋼等の、流体を送達することができ、かつ/または電気を伝導することができる任意の適した材料から、ハイポチューブ230を形成することができる。ハイポチューブ201を、導体264により電気外科エネルギー源に動作可能に連結することができる。連結器240は、取手230の遠位端231に固定される雄接続器224を含む。雄接続器224は、制限なくステンレス鋼を含む、電気伝導性の剛性材料から形成されたルアー式接続器であってよい。雄接続器224は、ハイポチューブ201に電気的に連結される。1つの態様では、導体264、ハイポチューブ201、および/または接続器224の組み合わせは、さらに下記に詳細に記載されることになるように、電気外科エネルギーを探針280に送達するように適合される。
【0036】
接続器225は、それとの電気伝導性でかつ流体密封の接続を形成するために、その外径の周りにハイポチューブ201に固定可能に係合するように構成される直径を有する近位基部228を含む。接続器224の近位基部228は取手230へ近位に延在することができ、それは全体のアンテナ組立体200の剛性および接合強度を増加させることができる。近位基部228のそれより大きい直径を有する接続器224の張り出し遠位部226は、アンテナ探針280から出る冷却剤の流れを収容する内部プレナム容積227を形成し、かつ、探針280の近位端284にて固定される雌接続器282内に画定された対応する円周鞍部285に選択的に係合するように構成された遠位縁225を含む。
【0037】
冷却剤管202は、ハイポチューブ201内に同心円状に位置付けられる。冷却剤管202の内側部分は、冷却剤管202の近位端に動作可能に連結することができる冷却剤源(この図には明示せず)から、探針組立体280に冷却剤を送達するように適合される流入導管207を画定する。流出導管208は、冷却剤管202およびハイポチューブ201の同軸配列により画定され、かつ、探針280から出る使用済みの冷却剤を受け取るプレナム277と
流体連通している。冷却剤管202を任意の適した材料から形成することができるが、冷却剤管202が伝導性材料から形成されることが想定される。冷却剤管202を、導体262により電気外科エネルギー源に動作可能に連結することができる。この配列により、冷却剤管202を、電気外科エネルギーを探針280に提供するように適合させることができる。冷却剤管202は、接続器224の遠位縁225により画定された面の周りへ遠位に延在する。
【0038】
探針280は、連結器240との選択的で動作可能な係合を容易にするように設計されたいくつかの形体を含む。雌連結器250は、探針280の近位端284に固定される雌接続器282を含む。雌接続器282は、制限なくステンレス鋼を含む、電気伝導性の剛性材料から形成されたルアー式接続器であってよい。雌接続器282は、探針ハイポチューブ281に電気的に連結される。雌接続器282および/または探針ハイポチューブ281を、制限なく、ステンレス鋼等の、任意の適した電気伝導性で、高強度で、温度耐性の材料から形成することができる。探針ハイポチューブ281の遠位端は、そのおよび探針280の、概して組織への貫通を容易にするために、概先細形状、例えば、円錐形状を有する套管針先端299を含む。円周鞍部285は雌接続器282内に画定され、かつ、探針280の取手230への電気機械連結を容易にするために、接続器224の縁225に選択的に動作可能に係合するように構成される。鞍部285および縁225は、制限なく、スナップ嵌合、干渉嵌合、協働ねじ込み係合、または差し込み(例えば、「2分の1ひねり」)連結を含む、任意の適した様態の係合を用いて係合することができる。連結される際に、接続器224および接続器228の組み合わせは、それらを通じる電気外科エネルギーの伝導を可能にする。
【0039】
探針280は、探針ハイポチューブ281内に同心円状に配置された概管状のアンテナ要素293を含む。アンテナ要素293の近位端は、冷却剤管202の遠位端203に動作可能に係合するように構成される雌樽形連結器290を含む。アンテナ要素293の遠位端は張り出し開口294を含むことがあり、それを通じて流入導管287から出る冷却剤は探針ハイポチューブ281内に画定された冷却室291に流れ込む。樽形連結器290を、例えば、鍛造、冷間圧延、または機械加工により、アンテナ要素293と一体的に形成することができるか、あるいは、例えば、溶接、蝋付け、半田付け、圧着により、かつ/またはねじ込み締結により、別個に製作しかつアンテナ要素293に接合することができる。Oリング289または他の形態の弾性封止物は、冷却剤管202およびアンテナ要素293の間に流体密封接続を促進し、かつ、流入導管207および/または287からプレナム227の領域内およびその周りにある使用済みの冷却剤を分離するために、樽形連結器290内に保持される。樽形連結器290は、Oリング289を定位置に保持するように構成された1つ以上の捲縮つまり鋸歯283を含むことがある。アンテナ探針280が取手230に連結される際に、電気外科焼灼エネルギーを標的組織に送達するように、電気外科エネルギーが冷却剤管202、樽形連結器290、およびアンテナ要素293の間に伝導される。
【0040】
1つ以上の隔子286を探針ハイポチューブ281内に含め、かつハイポチューブ281内でアンテナ要素293を中心付けるように適合させることができる。隔子286は、中央ハブ295から放射状に延在する1つ以上の支持脚292を含む。中央ハブ295は、探針ハイポチューブ281内でアンテナ要素293を中心に保持し、例えば、流出導管288を画定し、アンテナ要素293およびハイポチューブ281の間で短絡を防ぎ、かつ樽形連結器290および冷却剤管202の間で安固な係合を促進するように構成される。任意の適した流体および温度耐性の電気絶縁性材料から、隔子286を形成することができる。隔子286を形成するために、制限なく、ポリイミド等の熱硬化性重合体を有利に用いることができる。
【0041】
ここで
図12A−12Fに目を向けると、標的組織Tに焼灼処置を行う方法が例解されている。外科医は、手術要件に基づいて、焼灼探針20の数、規模(例えば、長さおよび直径)、および配置を決定する。
図12Aに示されているように、複数の探針20、20’、20’’…20
nは標的組織T内に挿入される。当然ながら、より多いかまたはより少ない数の探針20を必要に応じて挿入することができ、探針20は必要に応じて異なる長さおよび直径を有し得る。
【0042】
取手30も発電機14に動作的に連結され、加えて、上文に記載されているように冷却剤源18に動作的に連結することができる。
【0043】
所望の探針が位置付けられた後に、外科医は、それを用いて焼灼エネルギーが組織Tに送達される第1の探針と取手30を軸上に整列させることができる。
図12Bおよび12Cで見られるように、外科医は、本開示に従う焼灼器具12を形成するために、雄ルアー部材24が雌ルアー接管22に係合するように位置付けられるように取手30を第1の探針20と整列させ、雄ルアー部材24を雌ルアー接管22に番わせ、雄ルアー部材24を雌ルアー接管22に固定する。様々な実施形態では、適宜に係合をもたらすために、その係合部分をひねり、ねじ込み、またはそうでなければ操縦することにより、雄ルアー部材24を雌ルアー接管22に固定することができる。
【0044】
器具12を形成するために取手30を第1の探針20に係合させた後に、外科医は、その時、
図12Dに示されているように、焼灼エネルギーを組織Tに送達するために発電機14を作動させることができる。発電機14の作動は、加えて、器具12を通じる冷却剤源18からの冷却剤の送達を活性化することができる。所望の焼灼エネルギーが組織に送達された際に、発電機14(および、活性化している場合は冷却剤の送達)は停止される。
【0045】
その後、外科医は、焼灼探針20から取手30を脱連結し、取手30を後続の探針20’に連結することができ、焼灼エネルギーは第2の探針20’に印加される。当該手順は、各探針20および後続のものが焼灼エネルギーを組織Tに送達するまで、
図12Eおよび12Fにより例解されているように、各連続する焼灼探針20’’…20
nをもって必要に応じて繰り返される。
【0046】
本開示の記載されている実施形態は、制限的よりむしろ例解的であるように意図されており、本開示の全ての実施形態を表すようには意図されていない。本明細書で提供されている方法のステップを、本開示の範囲および精神から逸脱することなく、組み合わせて、かつ/または、本明細書に提示されているものとは異なる手順で行うことができることを理解されたい。上記に開示されている実施形態および他の特徴および機能のさらなる変形、またはそれらの代替を、文字どおりにおよび法律で認められている均等物での両方にて以下の請求の範囲に明記されているとおりに、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、為すかまたは望ましく組み合わせて多くの他の異なるシステムまたはアプリケーションにすることができる。