(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記殺虫剤の吐出流が前記第一及び第二の高圧ノズルから放射されると、土壌の表面下約2インチから約12インチ(約5.08cmから約30.48cm)で前記吐出流が相互に交差するように、前記第一及び第二の高圧ノズルからの前記吐出流の方向が予め定められている、請求項1に記載の注入装置。
前記殺虫剤の吐出流が前記第一及び第二の高圧ノズルから放射されると、土壌の表面下約6インチ(約15.24cm)で前記吐出流が相互に交差するように、前記第一及び第二の高圧ノズルからの前記吐出流の方向が予め定められている、請求項4に記載の注入装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
モンロー(Monroe)の特許に開示されたようなデバイスは、土壌処理物質を表面下に入れるのに有効であるが、土壌表面下の短い距離に、且つ広いオープンスペース範囲にわたってかかる物質を分配するように設計されており、機器のサイズは制限されない。これらの既知のデバイスは、昆虫の発生に対する処理に特に関連する処理が一般的である、構造物、装飾用植栽、柱、フェンス、デッキ、並びに他の木製要素の下及び周りに土壌処理剤を戦略的に注入するのには適していない。
【0008】
したがって、構造物に隣接した地面の表面下にシロアリ防除剤又は他の殺虫剤を適用するための、手持ち式の高圧適用器具が必要とされている。なお、かかる手持ち式器具は、家屋、デッキ、家屋及び/又はデッキに近接していることがあるあらゆる緑地、電柱の周り、並びに植物の周りなど、構造物の周りに操作者が戦略的に器具を位置付けることを可能にし、殺虫剤を所望の所定深さまで注入するため、制御圧力で所定量の殺虫剤を適用する複数のノズルを含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一つの態様では、構造物に隣接した土壌を処理する方法は、全体として、構造物にほぼ隣接した第一の注入場所の上に注入装置を位置付けるステップを含む。注入装置は、第一の注入場所の土壌を事前に乱すことなく、第一の注入場所で殺虫剤を土壌に注入するように操作される。注入装置は、第一の注入場所とは少なくとも部分的に異なり、且つ構造物にほぼ隣接した第二の注入場所の上に移動される。注入装置は、第二の注入場所で殺虫剤を土壌に注入するように、且つ第二の注入場所の土壌を事前に乱すことなく操作される。
【0010】
別の態様では、構造物に隣接した土壌を処理する方法は、全体として、処理装置のベースユニットを構造物に対して固定位置に位置付けるステップを含む。処理装置の適用器具は、構造物にほぼ隣接した第一の注入場所の上に位置付けられる。適用器具は少なくとも一つのノズルを含む。ベースユニットは、処理液供給源から適用器具に加圧処理液を供給するように操作される。適用器具は、第一の注入場所の土壌を事前に乱すことなく第一の注入場所で土壌に注入するため、少なくとも一つのノズルを通して加圧処理液を送達するように操作される。適用器具は、第一の注入場所とは少なくとも部分的に異なり、且つ構造物にほぼ隣接した第二の注入場所の上の位置へとベースユニットに対して移動される。適用器具は、第二の注入場所の土壌を事前に乱すことなく第二の注入場所で土壌に注入するため、少なくとも一つのノズルを通して更なる加圧処理液を送達するように操作される。
【0011】
更に別の態様では、構造物に隣接した土壌を処理する方法は、全体として、注入装置の少なくとも一つの高圧ノズルが殺虫剤を注入するべき土壌に隣接するようにして、注入装置を位置付けるステップを含む。殺虫剤溶液は、少なくとも一つの高圧ノズルに送達される。殺虫剤溶液は、殺虫剤溶液が少なくとも一つの高圧ノズルを通って流れ、土壌を事前に乱すことなく土壌に流入できるようにすることによって、土壌に注入される。
【0012】
更に別の態様では、構造物に隣接した土壌を処理する方法は、全体として、注入装置の少なくとも一つの高圧ノズル及び少なくとも一つの低圧ノズルが土壌に隣接するようにして、注入装置を位置付けるステップを含む。殺虫剤溶液は、少なくとも一つの高圧ノズル及び少なくとも一つの低圧ノズルに送達される。殺虫剤溶液は、殺虫剤溶液が少なくとも一つの高圧ノズルを通って流れ、土壌を事前に乱すことなく土壌に流入できるようにすることによって、土壌に注入される。殺虫剤溶液は、殺虫剤溶液が少なくとも一つの低圧ノズルを通って流れ、土壌の上に注がれることができるようにすることによって、土壌の上に適用される。
【0013】
更にまた別の態様では、構造物に隣接した土壌を処理する方法は、全体として、注入装置の少なくとも一つの高圧ノズルが土壌に隣接するようにして、注入装置を位置付けるステップを含む。殺虫剤溶液は、少なくとも一つの高圧ノズルに送達される。殺虫剤溶液は、殺虫剤溶液が少なくとも一つの高圧ノズルを通って流れ、地面を事前に乱すことなく土壌に流入できるようにすることによって、土壌に注入される。殺虫剤溶液がどこで土壌に注入されたかを示すため、マーキング材料が土壌の上に置かれる。
【0014】
更なる態様では、構造物に隣接した土壌を処理する方法は、全体として、構造物にほぼ隣接した第一の注入場所の上に注入装置を位置付けるステップを含む。注入装置は、第一の注入場所で鉛直以外の方向で殺虫剤を土壌に注入するように操作される。操作ステップは、第一の注入場所の土壌を事前に乱すことなく実施される。注入装置は、第一の注入場所とは少なくとも部分的に異なり、且つ構造物にほぼ隣接した第二の注入場所の上へと移動される。注入装置は、第二の注入場所で鉛直以外の方向で殺虫剤を土壌に注入するように操作される。操作ステップは、第二の注入場所の土壌を事前に乱すことなく実施される。
【0015】
更に別の態様では、構造物に隣接した土壌を処理する方法は、全体として、処理装置のベースユニットを構造物に対して固定位置に位置付けるステップを含む。処理装置の適用器具は、構造物にほぼ隣接した注入場所の上に位置付けられる。適用器具は、処理物質のリザーバ、混合デバイス、及び少なくとも一つのノズルを含む。ベースユニットは、加圧液体を適用器具に供給するように操作可能である。加圧液体は、混合デバイスを使用して処理物質と混合されて加圧処理溶液を形成する。適用器具は、注入場所の土壌を事前に乱すことなく注入場所で土壌に注入するため、少なくとも一つのノズルを通して加圧処理溶液を送達するように操作される。
【0016】
別の態様では、構造物に隣接した土壌を処理する注入装置は、全体として、ハンドル及びハンドルに接続されたマニホルドヘッドを備える。マニホルドヘッドは、第一の高圧ノズル、第二の高圧ノズル、及び少なくとも一つの開口部を有する接触部材を有する。接触部材は、注入装置の操作中は地表に置かれているように構成される。第一の高圧ノズルは、殺虫剤を土壌に注入するため、接触部材の少なくとも一つの開口部を通して殺虫剤の吐出流を放射するように適合される。第一の高圧ノズルからの吐出流は第一の方向で放射される。第二の高圧ノズルは、殺虫剤を土壌に注入するため、接触部材の少なくとも一つの開口部を通して殺虫剤の吐出流を放射するように適合される。第二の高圧ノズルからの吐出流は、第一の高圧ノズルから放射される殺虫剤の吐出流の第一の方向に対して角度を付けられた第二の方向で放射される。殺虫剤の供給源は、第一及び第二の高圧ノズルと流体連通している。
【0017】
更に別の態様では、表面及びその下に殺虫剤を適用する注入装置は、全体として、ハンドル及びハンドルに取り付けられたマニホルドヘッドを備える。マニホルドヘッドは、少なくとも一つの入口、及び少なくとも一つの入口と流体連通している少なくとも一つの内部通路を有する。高圧ノズルは、マニホルドヘッドの少なくとも一つの内部通路と流体連通しており、殺虫剤を表面下に注入するために殺虫剤の吐出流を放射するように適合される。また、殺虫剤を表面に適用するための低圧ノズルが設けられる。
【0018】
更に別の態様では、表面下に殺虫剤を適用する注入装置は、全体として、ハンドル及びハンドルに取り付けられたマニホルドヘッドを備える。マニホルドヘッドは、少なくとも一つの入口、及び少なくとも一つの入口と流体連通している少なくとも一つの内部通路を有する。高圧ノズルは、マニホルドヘッドの少なくとも一つの内部通路と流体連通しており、注入範囲を画定するようにして、殺虫剤を表面下に注入するために殺虫剤の吐出流を放射するように適合される。ノズルは、殺虫剤が注入された注入範囲を示すため、マーカー材料を表面上に配置するように構成される。
【0019】
更に別の態様では、構造物に隣接した土壌を殺虫剤で処理する注入装置は、全体として、複数の第一の高圧ノズル及び複数の第二の高圧ノズルを備える。複数の第一の高圧ノズルはそれぞれ、殺虫剤を土壌に注入するために殺虫剤の吐出流を放射するように適合される。複数の第一の高圧ノズルそれぞれからの吐出流は第一の方向で放射される。複数の第二の高圧ノズルはそれぞれ、殺虫剤の吐出流を土壌の上に放射するように適合される。複数の第二の高圧ノズルそれぞれからの吐出流は、第一の高圧ノズルから放射される殺虫剤の吐出流の第一の方向に対して角度を付けられた第二の方向で放射される。
【0020】
更なる態様では、構造物に隣接した土壌を殺虫剤で処理する注入装置は、全体として、複数の第一の高圧ノズル及び複数の第二の高圧ノズルを備える。複数の第一の高圧ノズルはそれぞれ、殺虫剤を土壌に注入するために殺虫剤の吐出流を放射するように適合される。複数の第一の高圧ノズルそれぞれからの吐出流は、外側の注入域を集合的に画定する。複数の第二の高圧ノズルはそれぞれ、殺虫剤の吐出流を土壌中に放射するように適合される。複数の第二の高圧ノズルそれぞれからの吐出流は、中央の注入域を集合的に画定する。中央の注入域は外側の注入域の中に配置される。
【0021】
更にまた別の態様では、注入装置は、全体として、ハンドル及びハンドルに搭載された殺虫剤原液を保持するリザーバを備える。殺虫剤原液をキャリア液体と混合して殺虫剤溶液を形成する、混合デバイスが装置に搭載される。マニホルドヘッドはハンドルに取り付けられる。マニホルドヘッドは、少なくとも一つの入口、及び少なくとも一つの入口と流体連通している少なくとも一つの内部通路を有する。ノズルは、マニホルドヘッドの少なくとも一つの内部通路と流体連通しており、殺虫剤溶液を表面下に注入するように適合される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
地面の表面下に殺虫剤、防虫剤、又はシロアリ防除剤を適用するための高圧注入システムを、以下に詳細に記載する。本明細書で開示されるシステムは、あらゆる適切な殺虫剤、防虫剤、又はシロアリ防除剤を適用するのに使用することができ、様々な種類の害虫を抑制又は制御するのに使用できることが理解される。例えば、シロアリ、アリ、ゴキブリ、カブト虫、ハサミムシ、セイヨウシミ、コオロギ、クモ、ムカデ、ヤスデ、サソリ、ダンゴムシ、ワラジムシ、ハエ、カ、ブヨ、ガ、バチ、スズメバチ、ミツバチなどを抑制及び/又は制御するのが望ましいことがある。本明細書で使用するとき、用語「殺虫剤」は、昆虫、動物(例えば、ハツカネズミ、ネズミ)、植物(例えば、雑草)、菌類、微生物(例えば、バクテリア及びウィルス)、偽体腔動物(例えば、線虫)、並びにプリオンを含むあらゆる害虫を予防、駆除、忌避、又は軽減する、あらゆる物質若しくは混合物を指す。用語「防虫剤」は一種の殺虫剤であり、本明細書では、昆虫を予防、駆除、忌避、又は軽減するあらゆる物質若しくは混合物を意味するのに使用される。用語「シロアリ防除剤」は一種の防虫剤であり、本明細書では、シロアリを予防、駆除、忌避、又は軽減するあらゆる物質若しくは混合物を意味するのに使用される。
【0024】
本明細書に記載される方法及びシステムは、地面の表面下にシロアリ防除剤を適用することに関するが、方法及びシステムは、殺虫剤、防虫剤、又は他の土壌処理剤を適用するのに使用することもできる。本明細書に記載されるようなシロアリ防除剤の使用は、いかなる形でも限定的であることを意図しない。より正確には、これは例示目的のものである。したがって、本明細書に記載される方法及びシステムは、あらゆる種類の土壌処理剤(例えば、殺虫剤、肥料、他の土壌改良剤、及び構造物の周囲の周りに置かれる防虫剤を含む昆虫処理剤)を地面の下に適用するのに使用されてもよく、シロアリ防除剤には一切限定されない。
【0025】
本明細書に記載される方法及びシステムは、シロアリ防除剤流体供給カート(ベースユニット)と、構造物、装飾用植栽、柱、フェンス、デッキ、並びに他の木製要素の下及び周りの土壌にシロアリ防除剤を適用又は注入するのを容易にする可搬型の手持ち式適用器具とを含む。例示の実施形態は、地面若しくは土壌の少なくとも表面を機械的に乱すことをいずれも必要とする、掘削、溝掘り、及び/又は棒突きなどの特定の既知の技術を使用して、シロアリ防除剤を適用する必要性をなくす。これらの既知の技術は、植生に損害をもたらし、景観を壊すとともに、植物が回復するか又は新たな植栽が設置されるまで、処理済みの範囲の美観及び価値に影響を与え、又はそれを損なう可能性がある。
【0026】
本明細書に記載される適用システムは、器具の頂部にあるT字ハンドル及び器具の底部にあるマニホルドアセンブリを有する適用器具を含む。T字ハンドルは、ハンドルとマニホルドアセンブリとの間に延在する鉛直シャフトの両側にハンドグリップ部分を含む。ハンドグリップ部分は、適用中に器具を保持するのを助け、手の負担を低減するゴム製グリップを含んでもよい。器具の鉛直シャフトは、ホッピングスティックに酷似した、ハンドルを押し下げたときにシャフトを圧縮できるようにする、いくつかの部品で構成される。シャフトの圧縮によって、吐出弁、例えばポペットを一時的に開く、電子的トリガースイッチ(概して、「アクチュエータ」)が始動する。操作者がマニホルドアセンブリ(即ち、デバイスプレート)を地面の適所で保持すると、操作者は、ハンドルを使用して下向きの圧力(約15〜20ポンド(約6.80〜9.07kg))をシャフトに加えて、トリガースイッチを作動させ、それによって次にシロアリ駆除剤が一回分地面に注入される。操作者は、スイッチを係脱するにはシャフトに加えられた圧力を解放しなければならず、その結果、システムがリセットされる。
【0027】
例示の実施形態では、シャフトを圧縮する毎にスイッチは吐出弁を一回作動させる。したがって、シャフトを圧縮する毎に、吐出弁が一回開き、所定量のシロアリ防除剤が器具から吐出される。シャフトが解放されると、器具のスイッチがリセットされる。その後、次の適用はシャフトを再び圧縮することによって行うことができる。
【0028】
適用器具はまた、マニホルドアセンブリをシャフトに搭載する取付けブラケットを含む。このブラケットによって、適用ヘッド又はマニホルドアセンブリが少なくとも一つの軸線を中心にして枢動することができる。これによって、適用スイッチを始動させる前にマニホルドアセンブリが適切に位置付けられるように、操作者が器具を調節することができる。
【0029】
マニホルドアセンブリは、入口ポート、吐出弁、複数の高圧ノズル、マニホルドヘッド、及び複数の高圧ノズルを保護する接触プレートを含む。システムはまた、少なくとも一つの高圧液体ライン、及び供給カートと手持ち式の適用器具との間に延在する電気接続を含む。システムはまた、圧力マニホルド、及び電子スイッチを始動させる毎にその間吐出弁を開いたままにする時間の長さを設定する電子コントローラ(概して、「閉弁装置(valve closer)」)を含む。
【0030】
操作の際、供給カートに収容された容器からの計量済み用量の液体シロアリ防除剤原液は、計量済み供給量の水と混合され、インライン注入システムによって適用器具に供給される。別の実施形態では、シロアリ防除剤溶液は、インライン注入ポンプ又はデバイスを必要とすることなく、タンク又は容器から適用器具に供給される。更に別の実施形態では、シロアリ防除剤原液は、操作者によって運ばれ、バックパック、肩掛けホルスター若しくはスリング、ベルトホルスター、レッグホルスター、又は殺虫剤容器を保持することができる他の適切なデバイス内に形成される、且つ/又はその中で保持される運搬可能な容器に収容することができる。
【0031】
本明細書に記載される方法及びシステムは、高圧を利用してシロアリ防除剤を地面の表面下の土壌に注入する。本明細書に記載される高圧注入システムは、現行の業界標準の液体シロアリ防除剤注入システムが、25〜35psi(0.17〜0.24N/mm
2)の圧力を使用し、且つ単一の注入ポート又は先端部を通して液体を地面に注入するという点で、土壌に適用するためにシロアリ防除剤を適用する少なくとも一部の既知の液体注入システムとは異なる。本明細書に記載される例示のシステムは、約50psi〜約10,000psi(約0.34N/mm
2〜約68.9N/mm
2)の範囲、別の実施形態では約1,000psi〜約7,000psi(約6.89N/mm
2〜約48.2N/mm
2)、更に別の実施形態では約4,000psi(約27.5N/mm
2)の圧力でシロアリ防除剤溶液を地面に注入する。
【0032】
操作の際、適用器具はシロアリ防除剤を適用するための所望の圧力に設定される。次に、操作者はマニホルドアセンブリを、より具体的には注入ノズルを保護する接触プレートを、所望の適用範囲に置く。所望の範囲は、構造物の壁又は基礎に隣接していてもよい。次に、操作者は、適用ハンドルを押し下げて器具のシャフトを圧縮する。この下向きの圧力によって、デバイスシャフトの上側及び下側部分が一体となり、それによって電子スイッチが始動する。スイッチは、吐出弁を一時的に開き、所定量のシロアリ防除剤溶液が高圧注入ノズルを通過し、地面に入ることを可能にする。スイッチは、一回分の吐出量(即ち、定義済みの量のシロアリ防除剤溶液)のみがノズルを通過することを可能にする。スイッチは、ハンドルに対する圧力を解放し、電子スイッチの二つの部品を分離させることによってリセットされる。次に、操作者アプリケータは、手持ち式の適用器具を持ち上げるか、又は壁に沿って次の適用ポイントへと滑らせ、ハンドルを再び押し下げ、それによって土壌へのシロアリ防除剤溶液の注入を繰り返す。操作者は、所望の適用範囲が注入されるまで、手持ち式の適用器具を移動させ、シロアリ防除剤を注入することを継続する。一例では、所望の適用範囲は構造物の周囲なので、シロアリ防除剤の障壁は構造物を完全に取り囲み、それによってシロアリが障壁を通り抜けて構造物に至るのを抑制する。
【0033】
代替実施形態では、操作者が指若しくは親指でボタン又はスイッチを押し下げることによって始動させることができる、器具のT字ハンドル部分上又はその付近に電子スイッチを位置付けることができる。別の実施形態では、器具は、シロアリ防除剤が適用されるときに適用される、発泡体、粉末、粉、塗料、又は染料などの位置マーカーを含むことができる。位置マーカーは、適用毎に接触プレートの位置を印付けするため、マーキング材料を地面に適用する。これによって、構造物の周囲の周りでシロアリ防除剤を確実に継続して適用するため、どこに適用が行われたか、どこにデバイスプレートを位置付け直すべきかを操作者が視覚的に判断することができる。マーカーはまた、適用範囲におけるシロアリ防除剤溶液の過度な適用又は適用不足を防ぐ助けとなる。
【0034】
本明細書に記載される高圧適用器具及びその使用方法は、既知のシステムに対して多くの利点を有する。例えば、本明細書に記載される器具は、多量のシロアリ防除剤溶液を混合する必要性をなくし、公道又は私有地で多量のシロアリ防除剤を運搬する又は取り扱うことに関連する危険を低減する、インライン注入アセンブリを含んでもよい。高圧注入器具の使用によって、シロアリ防除剤溶液を地面に適用する前に掘削(即ち、溝掘り)を行う必要性もなくなる。これは、処理される構造物の周囲の周りにおける景観及び/又は自然植生の破壊を低減する。高圧注入器具はまた、シロアリ防除剤溶液を適用するために適用デバイスで土壌を棒突きする必要性を低減するか又はなくす。高圧器具はまた、ノズル当たり特定量のシロアリ防除剤溶液を送達し、適用圧力を制御することによって溶液が土壌に浸透する深さを制御するようにプログラムすることができる。量及び圧力を制御することによって、シロアリ防除剤の適用量を、標準的な液体シロアリ防除剤適用量の25%〜80%低減し、それによってコストを節約するとともに水の需要を低減することができる。これは、より乾燥した気候において、又は乾期中には特に重要である。高圧器具はまた、構造物の周りのシロアリ防除剤処理を完了するのに要する時間を大幅に低減する。この時間の低減は40%〜80%の範囲であり得る。その結果、現場で費やす時間が少なくなり、それによって現場の準備及び適用に関連する労働コストが低減される。また、シロアリ防除剤を地面に注入するときに注入ノズルを地面に近接させて置くように設計された適用器具は、適用範囲のすぐ近くに居る操作者又は他者に対する暴露の危険を低減する。
【0035】
図面を参照すると、
図1は、本発明の例示的な実施形態による、シロアリ防除剤を地面に注入する高圧注入システム10の概略図である。注入システム10は、手持ち式の可搬型適用器具12(概して、「注入装置」)及びシロアリ防除剤流体供給カート14(概して、「ベースユニット」)を含む。適用器具12は、流体通路を画定する導管13(例えば、ホース)及び少なくとも一つの電気接続15を介してカート14に接続される。導管13は、流体(例えば、水及び/又はシロアリ防除剤溶液)がカート14から適用器具12まで流れることを可能にする。電気接続15は、適用器具12とカート14との間で様々な制御信号を送信するのに使用される。
【0036】
図2は、手持ち式の可搬型適用器具12の概略正面図であり、
図3は、適用器具12の概略側面図である。手持ち式の可搬型適用器具12は、ハンドル17及びハンドルに搭載されたマニホルドヘッド16を含む。ハンドル17は上側部分18及び下側部分19を含む。上側部分18は、管状区画20及び管状区画20の上端部24に取り付けられたハンドグリップ区画22を含む。その結果、ハンドル17の上側部分18はほぼT字形を有する。管状であるハンドル17の下側部分19は、ハンドルの上側部分18の管状区画20に挿入されるようにサイズ決めされる。ハンドル17の下側部分19がハンドルの上側部分18の管状区画20に挿入されるので、上側部分は第一の延長位置から第二の圧縮位置へと下側部分に対して移動することができる。ハンドル17の上側部分18をその第一の延長位置に向かって付勢するため、バネ26などの付勢要素が設けられる。しかし、あらゆる既知の付勢要素26が使用されてもよいことが理解される。ハンドル17の下側部分19が引っ張られるか、或いは別の形で上側部分18から引き抜かれるのを妨げ、それによって下側部分が上側部分に入れ子状に取り付けられたままであることを確保するため、フランジ(図示なし)又は他の適切な保定具(一つ若しくは複数)が設けられてもよい。ハンドル17の下側部分19の下端部28は、逆U字形の取付けブラケット30に取り付けられる。マニホルドヘッド16は、その端部32、34それぞれで、一対の枢動ピン36を介して取付けブラケット30に枢動可能に取り付けられる。
【0037】
マニホルドヘッド16は、内部通路と流体連通している複数の高圧ノズル38にシロアリ防除剤を分配する少なくとも一つの内部通路を含む。
図3に見られるように、図示されるマニホルドヘッド16は、二つの主要内部通路40、42、及び主要内部通路を接続する横断通路44を含む。マニホルドヘッド16は任意の数の高圧ノズル38を含んでもよい。例えば、例示的な実施形態のマニホルドヘッド16は、各ノズルが相互にほぼ等距離である、六つの高圧ノズル38のマトリックスを有する。高圧ノズル38はそれぞれ、一実施形態では、約0.002インチ〜約0.01インチ(約0.005cm〜約0.025cm)の範囲のオリフィス径を有する。
【0038】
図2を再び参照すると、高圧ノズル38を保護するため、接触プレート50がマニホルドヘッド16の底面52に取り付けられる。図示される実施形態では、接触プレート50は複数の開口部54を含み、開口部はそれぞれ、複数の高圧ノズル38の個々の一つとほぼ位置合わせされる。その結果、高圧ノズル38は接触プレート50によって土壌から離隔され、したがって土壌に直接接触しない。更に、接触プレート50は、シロアリ防除剤の注入中に「蹴立てられる」ことがある土壌、岩、及び/又は他の岩屑を遮蔽するか、或いは別の形で遮断する。接触プレート50は、器具12の滑りを容易にするように丸み付けられた縁部を含む。接触プレート50は、任意の適切な材料、例えば金属及び/又はプラスチックから作ることができる。
【0039】
マニホルドヘッド16のサイズ及び形状は、器具12を使用することが意図される特定の用途に基づいて選択されてもよい。一実施形態では、マニホルドヘッド16は、
図4に示されるように列状で直線的に配列された高圧ノズル38のように、長さ対幅の比が大きい形状を有する。別の実施形態では、マニホルドヘッド16は
図5に示されるようなアーチ形状を有する。アーチ形状のマニホルドヘッド16は、木の周りなど、円形の縁部の周りに適応させるのに使用されてもよい。マニホルドヘッド16は交換可能であり得る。つまり、器具12の操作者はマニホルドヘッド16を選択的に取り替えることができる。また、シロアリ防除剤の供給量を低圧で送達するため、マニホルドヘッド16を他の送達手段(例えば、棒状注入器具)と交換できる。これらの低圧送達手段は、高圧注入に余り適さない範囲に使用することができる。
【0040】
マニホルドヘッド16の重量は、操作者が器具を手動で位置付け移動させるのが面倒になり過ぎることなく、複数の高圧ノズル38からの吐出中、マニホルドヘッド16の質量が器具12を適所で保定するのを支援するように選択されてもよい。一般に、マニホルドヘッド16の質量が軽量であるほど、高圧ノズル38からシロアリ防除剤を吐出している間、器具12を適所で保定するために操作者がハンドル17に加えなければならない力が大きくなる。
【0041】
図2に示されるように、吐出弁56はマニホルドヘッド16に取り付けられており、マニホルドヘッドの内部通路40、42、44及びシロアリ防除剤の供給源と流体連通している。より具体的には、吐出弁56の一端は高圧入口ポート58に連結され、吐出弁の他端はホース13に連結される。吐出弁56は開位置と閉位置との間で移動可能である。吐出弁がその閉位置にあるとき、シロアリ防除剤が、ホース13を介してシロアリ防除剤の供給源から高圧入口ポート58を介してマニホルドヘッドの内部通路40、42、44へと流れるのが妨げられる。吐出弁56が開かれると、シロアリ防除剤溶液は、シロアリ防除剤の供給源からホース13を通して高圧下で入口ポート58に流入する。入口ポート58から、加圧シロアリ防除剤は、マニホルドヘッド16の内部通路40、42、44に流入し、高圧ノズル38を通してそこからシロアリ防除剤が地面に注入される。一実施形態では、シロアリ防除剤は、約25psi〜約10,000psi(約0.17N/mm
2〜約68.9N/mm
2)、別の実施形態では約1,000psi〜約7,000psi(約6.89N/mm
2〜約48.2N/mm
2)、更に別の実施形態では約4,000psi(約27.5N/mm
2)の圧力に加圧される。
【0042】
適切な一実施形態では、吐出弁56は、使用中の圧力に基づいて土壌の適当な深さに、また特定の用途に対して適当な量のシロアリ防除剤溶液が浸透できるようにするため、所望の時間パラメータ内で吐出弁56を開閉できるようにする十分に迅速な動作が可能なソレノイド式ポペット弁である。水圧で作動する弁を使用することが可能であるが、かかる弁のサイズ及び重量の制約が、別の形で手持ち式の適用器具12の有用性を制限することがある。
【0043】
別の適切な実施形態では、マニホルドヘッド16は、複数の高圧ノズル38全体にわたるシロアリ防除剤流体の均等な分配が確保できるように、高圧ノズル38それぞれと関連した関連した吐出弁56を有してもよい。吐出の釣り合わせは、単に内部通路40、42、44の適正なサイズ決めによって合理的なパラメータ内で得ることができるが、必要とされる場合、且つ費用が妥当である場合は、吐出弁56のそれぞれに供給される供給ホースに含まれる加圧シロアリ防除剤溶液が、適当な量のシロアリ防除剤溶液が高圧ノズル38のそれぞれに対して利用可能であることを規定できるように、複数の吐出弁56が使用されてもよい。しかし、かかる構成は、単一の作動に応答してコントローラが複数の吐出弁56を作動させることができなければならないという点で、即ち、弁を制御するのに必要な配線量及び動力を増加させるという点でシステム10を複雑にする。動力要件はより小型の吐出弁56を使用することによって相殺されてもよい。
【0044】
図2に示されるように、トリガースイッチ60(概して、「アクチュエータ」)はハンドル17の下側部分19に搭載され、トリガースイッチアクチュエータ62は上側部分18に搭載される。吐出弁56に電気的に連結されるトリガースイッチ60は、トリガースイッチアクチュエータ62がトリガースイッチ60を係合すると吐出弁56を始動させる。図示される実施形態では、また
図3に見られるように、ハンドル17の上側部分18がその第二の圧縮位置へと移動されると、トリガースイッチアクチュエータ62がトリガースイッチと係合される。したがって、ハンドル17の上側部分18に力を加えて、トリガースイッチアクチュエータがトリガースイッチ60を係合するまでハンドルの下側部分19に対して下向きに滑らせることにより、上側部分をその第一の延長位置からその第二の圧縮位置へと移動させることによって、トリガースイッチ60を作動させることができる。
【0045】
別の実施形態(図示なし)では、トリガースイッチ60は、指又は親指を使用して操作者が作動させることができる、ハンドル17の上側部分18のハンドグリップ区画22に位置させることができる。トリガースイッチは、吐出弁56から高圧ノズル38へのシロアリ防除剤の流れを中断する機械的デバイスであってもよく、或いは、吐出弁56への電気信号を中断し、結果として吐出弁56の作動を防ぐ電気的スイッチであってもよい。
【0046】
シロアリ防除剤を地面に注入するため、操作者は、接触プレート50が地面と接触するようにして、手持ち式の可搬型適用器具12を位置付ける。約15〜20ポンド(約6.80〜9.07kg)の下向きの力が操作者によってハンドル17の上側部分18に加えられて、上側部分18がその第一の位置からその第二の位置へと移動し、それによって、上側部分に搭載されたトリガースイッチアクチュエータ62が下側部分19に搭載されたトリガースイッチ60を係合する。トリガースイッチアクチュエータ62及びトリガースイッチ60の係合によって、トリガースイッチ60が作動する。その結果、電子信号がトリガースイッチ60から吐出弁56に送られて、吐出弁が所定の時間量の間その閉位置からその開位置へと移動し、それによって、シロアリ防除剤を地面に注入するため、シロアリ防除剤が高圧ノズル38へと流れ、そこから流出することができる。次に、操作者は圧力をハンドル17から解放し、それによってトリガースイッチをリセットする。より具体的には、バネ26によってハンドル17の上側部分18がその第一の延長位置に戻る。図示されるトリガースイッチ60は、ハンドル17がリセットされるまでに吐出弁56が繰返し開くのを防ぐため、ハンドル17を圧縮する毎に一度だけ働くように構成される。
【0047】
シロアリ防除剤が地面に浸透する深さは、シロアリ防除剤溶液が器具12から吐出される圧力と、シロアリ防除剤が吐出される土壌の種類とに応じて決まる。例えば、粘土などの固く締まった土壌又は圧縮土壌はより浸透しづらく、柔らかい砂質土壌よりも高い圧力を要することがある。したがって、所与の圧力での砂質土壌へのシロアリ防除剤の浸透は約12〜14インチ(約30.48〜35.56cm)であることがあり、同じ圧力での砂土壌へのシロアリ防除剤の浸透は約6〜9インチ(約15.24〜22.86cm)であることがあり、同じ圧力での粘土質土壌へのシロアリ防除剤の浸透は約2〜5インチ(約5.08〜12.70cm)であることがある。
【0048】
図5を参照すると、マニホルドヘッドは、アーチ状、半円状、又は角度を付けられた偏向の他の形態に形成することができる。かかる形で形成されたマニホルドは、湾曲した若しくは角度を付けられたマニホルドによって、アプリケータが目標適用ポイントに近接した範囲に殺虫剤を位置付けることが可能になる場合に、木、茂み、柱、鉢植え、根鉢、又は他の植物若しくは構造的要素の周りに、殺虫剤溶液を注入するのを容易にするのに好適である。
【0049】
図6及び7も参照すると、マニホルドヘッド16はまた、複数の低圧ノズル66を含んでもよい。
図6に図示される実施形態では、より低圧のノズル66はそれぞれ、複数の高圧ノズル38それぞれに隣接して位置付けられる。
図7に示される別の実施形態では、低圧ノズル66はそれぞれ高圧ノズル38の一つと同心である。低圧吐出弁68が開かれると、低圧ノズル66は地面の上にシロアリ防除剤溶液を適用する。より低圧の吐出弁は上述した吐出弁65と同じように動作する。低圧ノズル66は、約35psi(約0.24N/mm
2)未満の圧力でシロアリ防除剤溶液を地面に適用するように構成される。
【0050】
次に
図8を参照すると、手持ち式の可搬型適用器具12はまた、シロアリ防除剤が注入された範囲を示すために位置マーカー材料を土壌の表面上に置き、適用毎の間のマニホルドヘッド16の位置を印付けする、複数のノズル70(概して、「ディスペンサ」)を含んでもよい。マニホルドヘッド16の位置を印付けすることによって、シロアリ防除剤がどこに適用されたか、マニホルドヘッドを次にどこに位置付けるべきかを操作者が視覚的に観察することができるので、シロアリ防除剤の均一な適用を構造物の周囲の周りに適用することができる。それに加えて、適用されたマーキング材料は、シロアリ防除剤の過度な適用及び/又は適用不足を防ぐ助けにもなってもよい。任意の適切なマーキング材料、例えば発泡体、粉、塗料、及び染料が使用されてもよい。図示される実施形態では、マーキング材料は、マニホルドヘッド16の外周の周りにある複数のノズル70によって適用される。マーキング材料を含む容器72は、塗布器具12、又は
図1に示されるカート14などの離れて位置するデバイスによって運ばれてもよい。マーキング材料は任意の適切な送達デバイスによって適用されてもよく、依然として本発明の範囲内にあってもよいことが理解される。
【0051】
シロアリ防除剤溶液の供給は供給カート14によってもたらされてもよい。一実施形態では、カート14は、水リザーバ80、シロアリ防除剤溶液を加圧する高圧ポンプ82、シロアリ防除剤原液リザーバ84、及び適正量の水と混合される適正量のシロアリ防除剤原液を供給してシロアリ防除剤溶液を形成する混合デバイス86を含む。外部水源(例えば、標準的な住居用水栓)からの水を受け入れる水入口81も設けられる。水リザーバ80又は水入口81のどちらかを省略することができる。供給カート14はまた、圧力ポンプ82を動作させる動力を発生し、器具12と関連付けられたコントローラ92を動作させる電流を発生する発電機90を備えたガソリンエンジン88を含む。別の実施形態では、電力は、適用現場に置かれた電気コンセントに接続することによって供給することができる。
【0052】
供給カート14は、カート14を作業現場へと牽引し、次にそれ自体の動力によって区域を動き回らせることができるように、車載型(例えば、トラック、小型トラック、ATV)、トレーラー搭載型、自動推進式、又は更にはそれらの組み合わせであってもよい。また、供給カート14に搭載されるものとして本明細書に記載されるシステム10の様々な構成要素の一部は、適用器具12に搭載されてもよい。例えば、シロアリ防除剤原液リザーバ84及び混合デバイス86を、供給カート14の代わりに適用器具12に搭載することができる。更に、供給カート14を省略することができる。かかる実施形態では、少なくともシロアリ防除剤原液リザーバ84、混合デバイス86、及び水入口81は適用器具12に積載される。
【0053】
カート14に搭載されるコントローラ92によって、システム10の操作者が、シロアリ防除剤を注入するパルス持続時間及び圧力レベルを選択的に設定することができる。コントローラ92は、混合デバイス86を通る用量を適切に制御できるように、又は注入回数を追跡できるように、オリフィスの数及びそれらのサイズ、使用中のシロアリ防除剤溶液のパラメータを定義することなどによって、操作者が使用中の特定のマニホルドヘッド16と関連付けられたパラメータを入力できるように、プログラム可能であってもよい。
【0054】
図10に示されるように、システム10は、家屋94などの構造物に隣接した土壌を処理する方法の一実施形態に従って使用することができる。例えば、システム10は、家屋94の周囲の周りの土壌にシロアリ防除剤を注入及び/又は適用し、それによってシロアリが家屋に近付くのを妨げ、家屋に近接しているシロアリを制御する障壁を確立するのに使用することができる。一つの方法によれば、ベースユニット14は家屋94に対して固定位置に置かれ、器具12は、家屋にほぼ隣接した注入場所96の上に、より具体的にはそこと接触して位置付けられる。器具12は、土壌を事前に乱すことなく注入部位96でシロアリ防除剤を土壌に注入するように、上述したように操作される。次に、器具12は、前回の注入場所とは少なくとも部分的に異なり、家屋94にほぼ隣接した別の注入場所96へと、供給カート14に対して移動される。図示される実施形態では、注射場所96は相互にほぼ隣り合った関係である。器具12は、土壌を事前に乱すことなく、この次の注入場所96でシロアリ防除剤を土壌に注入するように再び操作される。
【0055】
図10に見られるように、器具12は、注入場所が家屋94の全周を協調的にほぼ取り囲むようにして、構造物に隣接した複数の注入場所96へと移動され、そこで操作される。
図10は、シロアリ防除剤が注入された複数の注入場所96(図面では実線で示される)、及びシロアリ防除剤が今後注入される複数の注入場所(図面では破線で示される)を示す。シロアリ防除剤は、注入場所96それぞれ又はそれらの一部で土壌の表面に適用することもできることが理解される。更に、殺虫剤溶液がどこで土壌に注入されたかを示すため、マーキング材料を土壌の上に置くことができることが理解される。また、必要であれば、手持ち式の器具12が家屋94の周囲の周りで使用されるに従って、供給カート14が別の位置に移動されてもよい。
【0056】
次に
図11を参照すると、別の実施形態では、マニホルドヘッド16は、長方形に配列された、より適切には隣接したノズル38が相互にほぼ等距離である正方形のマトリックス構成100で配列された、四つの高圧ノズル38を含む。図示される実施形態では、高圧ノズルはそれぞれ、正方形のマトリックス構成100の各角にほぼ位置付けられる。高圧ノズル38の一つを超える正方形のマトリックスがマニホルドヘッド16に形成されてもよい。例えば、
図12は、六つの高圧ノズル38が二つの隣り合った正方形のマトリックス100(又は単一の長方形のマトリックス)を形成する一実施形態を示す。マニホルドヘッド16は、1+(x/2)個の隣り合った正方形のマトリックス100を形成する4+x個の等距離の高圧ノズル38(xは0よりも大きい偶数の整数)を含んでもよい。また、高圧ノズル38は、直交マトリックス構成、例えば長方形のマトリックス、六角形のマトリックス、八角形のマトリックスなどで配列できる。
【0057】
図11及び12に見られるように、マルチポート高圧ノズル102を正方形のマトリックス100それぞれの中心に位置付けることができる。図示されるマルチポートノズル102はそれぞれ、マトリックス100の角に向かって角度を付けられた四つのポート104を含む。高圧ノズル38はそれぞれ、ノズル38からのシロアリ防除剤の吐出流106がマニホルドヘッド16の底面52にほぼ直交するように向き付けられる。マニホルドヘッド16が地面に位置付けられたとき、吐出流106は、地面の表面がほぼ水平であるときに地表に対してほぼ垂直、例えば鉛直である。マルチポートノズル102のポート104はそれぞれ、ポートからのシロアリ防除剤の吐出流108を方向付けて、高圧ノズル38の一つからの吐出流106と交差させるように構成される。高圧ノズル38の一つからの吐出流106とマルチポート高圧ノズル102のポート104の一つからの吐出流108との交差は、地面の下約1インチ〜約12インチ(約2.54cm〜約30.48cm)であってもよい。マルチポートノズル102のポート104の一つの吐出流108の鉛直角110は、所望の交差の深さ及びノズル38間の距離に基づく。吐出流の交差は、潜在的に、注入されたシロアリ防除剤の一部の貯留をもたらす。例えば、高圧ノズル38が相互に2インチ(5.08cm)離れているとき、ポート104の吐出流108の鉛直角110は、表面の下1インチ(2.54cm)で交差する場合は約54°、表面の下6インチ(15.24cm)で交差する場合は約9°、表面の下12インチ(30.48cm)で交差する場合は約5°である。
【0058】
マルチポートノズル102のポート104を、そこから放射されるシロアリ防除剤の吐出流がほぼ鉛直であるように構成することができ、複数の高圧ノズル38の一部又は全てを、そこから放射されるシロアリ防除剤の吐出流が鉛直以外であるように構成できる。適切な一実施形態では、シロアリ防除剤は、ほぼ円錐形の吐出流の形でノズル38から放射される。更に、マルチポートノズル102のポート104及び複数の高圧ノズル38は、鉛直以外のシロアリ防除剤の吐出流を放射するように構成することができる。これらの構成のいずれかにおいて、複数の高圧ノズル38の一部又は全てを、制御プレートの周縁に向かって(即ち、マルチポートノズル102から離れるように)角度を付けられた吐出流を放射するように構成して、それによってシロアリ防除剤の被覆範囲を増加させることができ、複数の高圧ノズル38の一部又は全てを、マルチポートノズルのポート104から放射される吐出流を交差させるため、マルチポートノズル102に向かって内向きに角度を付けられた吐出流を放射するように構成することができる。
【0059】
操作の際、マニホルドヘッド16は地面上に位置付けられ、操作者がトリガースイッチ60を始動して吐出弁56を開き、それによって所定量のシロアリ防除剤が高圧ノズル38それぞれ及びマルチポート高圧ノズル102のポート104それぞれへと流れ、そこから流出できるようにし、それによってシロアリ防除剤を地面に注入する。高圧ノズル38それぞれからのシロアリ防除剤の吐出流106は、ほぼ鉛直に地面に注入される。ポート104からのシロアリ防除剤の吐出流108は鉛直角110で地面に注入され、それによってポート104それぞれからの吐出流108が、地面の下で高圧ノズル38からの個々の吐出流106と交差する。
【0060】
ポート104の角度を付けられた吐出流108は、単に高圧ノズル38を使用するよりも広い注入範囲にシロアリ防除剤を供給する。ポート104の角度を付けられた吐出流108は、高圧ノズル38によって注入されるシロアリ防除剤によって画定される外側の注入域内に位置する、注入範囲の中央の注入域内で土壌にシロアリ防除剤を注入する。高圧でシロアリ防除剤を注入することによって、シロアリ防除剤の吐出流106、108が土壌を通過するにつれて土壌が割れる。別の実施形態では、ポート104はそれぞれ、それらのシロアリ防除剤の吐出流108が高圧ノズル38からの吐出流106と正確に交差しないように僅かにずらされる。
【0061】
図12を再び参照すると、別の実施形態では、マルチポートノズル102の代わりに四つの中心高圧ノズル112が使用されてもよい。四つの中心ノズル112は、マトリックス100の中心に集合的に位置付けられ、それぞれ正方形のマトリックスの異なる角に向かって角度を付けられる。上述のマルチポートノズル102と同様に、中心ノズル112は、それらの吐出流108を方向付けて高圧ノズル38の一つからの個々の吐出流106と交差させるように構成される。高圧ノズル38の一つからの吐出流106と中心高圧ノズル112の一つからの吐出流108との交差は、土壌の表面の下約1インチ〜約12インチ(約2.54cm〜約30.48cm)であってもよい。中心ノズル112の吐出流108の鉛直角110は、所望の交差の深さ及び高圧ノズル38間の距離に基づく。例えば、高圧ノズル38が相互に2インチ(5.08cm)離れているとき、中心ノズル112からの吐出流108の鉛直角110は、表面の下1インチ(2.54cm)で交差する場合は約54°、表面の下6インチ(15.24cm)で交差する場合は約9°、表面の下12インチ(30.48cm)で交差する場合は約5°である。
【0062】
図13は、上述したシロアリ防除剤を地面に注入する高圧注入システムとともに使用するのに適した、手持ち式の可搬型適用器具212(概して、「注入装置」)の別の実施形態の概略図である。器具212の相対サイズによって、狭い空間(例えば、縦に狭い空間)並びに広い空間(例えば、芝生)で使用するのに適したものになる。
図13に見られるように、適用器具212は、ハンドル217及びハンドルに搭載されたマニホルドヘッド216を含む。一対の枢動ピン236(枢動ピンの一つが
図13及び14に見られる)を介してハンドル217に枢動可能に搭載されたマニホルドヘッド216は、
図1〜3に示されるマニホルドヘッド16とほぼ同じである。そのため、
図13及び14に示されるマニホルドヘッド216は詳細には記載しない。
【0063】
器具212のハンドル217は上側部分218及び下側部分219を含む。図示される実施形態では、器具の上側部分218及び下側部分219は両方とも、ほぼU字形のブラケットを備える。ハンドル217の上側部分218は、第一の延長位置(
図13)から第二の圧縮位置(
図14)へと下側部分219に対して移動することができる。一対のバネ226などの付勢要素は、ハンドル217の上側部分218をその第一の延長位置に向かって、且つ下側部分219から離れる方向に付勢する。図示される実施形態では、バネ226はそれぞれボルト223を介してハンドル217に搭載される。それに加えて、一対の上側停止具225及び一対の下側停止具227が下側部分219に搭載され、上側部分218に形成されたスロット229を通って延在して、下側部分に対する上側部分の移動範囲を制限する。上側停止具225の一つ及び下側停止具227の一つが
図13及び14に示される。しかし、任意の既知の付勢要素226が使用されてもよく、付勢要素を他の適切なやり方でハンドル217に搭載できることが理解される。また、他のタイプの停止具を使用して、ハンドル217の上側部分218と下側部分219との間の相対移動を制限できることが理解される。
【0064】
図13及び14に示されるように、トリガースイッチ260(概して、「アクチュエータ」)は、ハンドル217の下側部分219に搭載される。トリガースイッチ260は、吐出弁256に電気的に連結され、トリガースイッチが作動すると吐出弁を始動する。
図14に見られるように、トリガースイッチ260は、ハンドル217の上側部分218を手動で押圧してトリガースイッチと接触させることによって作動する。つまり、ハンドル217の上側部分218に力を加えて、トリガースイッチ260が作動するまでハンドルの下側部分219に対して下向きに滑らせることにより、上側部分をその第一の延長位置からその第二の圧縮位置へと手動で移動させることによって、トリガースイッチ260を作動させることができる。トリガースイッチ260の作動によって、マニホルド216を通してシロアリ防除剤が地面に注入される。
【0065】
次に
図15〜17を参照すると、これらの図面は、別の例示的な実施形態による、シロアリ防除剤(又は他の適切な処理剤)を地面に注入する高圧注入システム310を概略的に示す。
図15に見られるように、注入システム310は、手持ち式の可搬型適用器具312(概して、「注入装置」)及び供給カート314(概して、「ベースユニット」)を含む。適用器具312は、流体通路を画定する導管313(例えば、ホース)及び少なくとも一つの電気接続315を介してカート314に接続される。導管313によって、流体(例えば、水及び/又はシロアリ防除剤溶液)がカート314から適用器具312へと流れることが可能になる。電気接続315は、適用器具312とカート314との間で様々な制御信号を送信するのに使用される。
【0066】
図16は、手持ち式の可搬型適用器具312の概略正面図であり、
図17は、適用器具312の概略側面図である。手持ち式の可搬型適用器具312は、ハンドル317及びハンドルに搭載されたマニホルドヘッド316を含む。ハンドル317は上側部分318及び下側部分319を含む。上側部分318は、管状区画320及び管状区画320の上端部324に取り付けられたハンドグリップ区画322を含む。その結果、ハンドル317の上側部分318はほぼT字形を有する。やはり管状であるハンドル317の下側部分319は、ハンドルの上側部分318の管状区画320に挿入されるようにサイズ決めされる。ハンドル317の下側部分319がハンドルの上側部分318の管状区画320に挿入されるので、上側部分は第一の延長位置から第二の圧縮位置へと下側部分に対して移動することができる。ハンドル317の上側部分318をその第一の延長位置に向かって付勢するため、バネ326などの付勢要素が設けられる。しかし、あらゆる既知の付勢要素326が使用されてもよいことが理解される。ハンドル317の下側部分319が引っ張られるか、或いは別の形で上側部分318から引き抜かれるのを妨げ、それによって下側部分が上側部分に入れ子状に取り付けられたままであることを確保するため、フランジ(図示なし)又は他の適切な保定具(一つ若しくは複数)が設けられてもよい。
【0067】
ハンドル317の下側部分319の下端部328は、逆U字形の取付けブラケット330に取り付けられる。マニホルドヘッド316は、その端部332、334それぞれで、一対の枢動ピン336を介して取付けブラケット330に枢動可能に取り付けられる。マニホルド316に対するハンドル317の枢動を制限するため、一つ又は複数の停止具(図示なし)を設けることができる。U字形の取付けブラケット330にはフットブラケット331が取り付けられる。器具312の使用中、ユーザは、自分の足をフットブラケット331に乗せて、注入中に器具が移動しないようにすることができる。
【0068】
マニホルドヘッド316は、内部通路と流体連通している複数の高圧ノズル338にシロアリ防除剤を分配する少なくとも一つの内部通路を含む。
図17に見られるように、図示されるマニホルドヘッド316は、二つの主要内部通路340、342、及び主要内部通路を接続する横断通路344を含む。マニホルドヘッド316は任意の数の高圧ノズル338を含んでもよい。例えば、例示的な実施形態のマニホルドヘッド316は、各ノズルが相互にほぼ等距離である、六つの高圧ノズル338のマトリックスを有する。高圧ノズル338はそれぞれ、一実施形態では、約0.002インチ〜約0.01インチ(約0.005cm〜約0.025cm)の範囲のオリフィス径を有する。
【0069】
図16を再び参照すると、高圧ノズル338を保護するため、接触プレート350がマニホルドヘッド316の底面352に取り付けられる。図示される実施形態では、接触プレート350は複数の開口部354を含み、開口部はそれぞれ、複数の高圧ノズル338のそれぞれに対して位置合わせされる。その結果、高圧ノズル338は接触プレート350によって土壌から離隔され、したがって土壌に直接接触しない。更に、接触プレート350は、シロアリ防除剤の注入中に「蹴立てられる」ことがある土壌、岩、及び/又は他の岩屑を遮蔽するか、或いは別の形で遮断する。
図17に見られるように、接触プレート350は、器具312の滑り(例えば、引きずり)を容易にするように丸み付けられた縁部を含む。接触プレート350は、任意の適切な材料、例えば金属及び/又はプラスチックから作ることができる。
【0070】
この実施形態では、キックガード398が接触プレート350の三つの辺から外向きに延在して、シロアリ防除剤の注入中に「蹴立てられる」ことがある土壌、岩、及び/又は岩屑を更に遮蔽するか、或いは別の形で遮断する。図示される実施形態では、接触プレート及びマニホルドヘッド316を物体及び構造物に近接して配置するのを容易にするため、接触プレート350の一つの辺にはキックガード398がない。しかし、キックガード398は、接触プレート350の全周(即ち、四辺全て)の周りに延在できることが理解される。適切な一実施形態では、キックガード398は三つの適切なゴム材料片から作られ、それらの各ゴム材料片は接触プレート350の各辺から外向きに延在する。しかし、キックガード398が他の適切な構成(例えば、剛毛、ストリップ、フラップ)を有し、任意の適切な材料から作ることができることが理解される。
【0071】
図16に示されるように、吐出弁356はマニホルドヘッド316に取り付けられており、マニホルドヘッドの内部通路340、342、344及びシロアリ防除剤の供給源と流体連通している。吐出弁356は開位置と閉位置との間で移動可能である。吐出弁がその閉位置にあるとき、シロアリ防除剤溶液が、高圧入口ポート358を介してマニホルドヘッドの内部通路340、342、344へと流れるのが妨げられる。吐出弁356が開かれると、シロアリ防除剤溶液は高圧下で入口ポート358に流入する。入口ポート358から、加圧シロアリ防除剤溶液は、マニホルドヘッド316の内部通路340、342、344に流入し、高圧ノズル338を通してそこからシロアリ防除剤溶液が地面に注入される。一実施形態では、シロアリ防除剤溶液は、約25psi〜約10,000psi(約0.17N/mm
2〜約68.9N/mm
2)、別の実施形態では約1,000psi〜約7,000psi(約6.89N/mm
2〜約48.2N/mm
2)、更に別の実施形態では約4,000psi(約27.5N/mm
2)の圧力で加圧される。
【0072】
適切な一実施形態では、吐出弁356は、使用中の圧力に基づいて土壌の適当な深さに、また特定の用途に対して適当な量のシロアリ防除剤溶液が浸透できるようにするため、所望の時間パラメータ内で吐出弁356を開閉できるようにする十分に迅速な動作が可能なソレノイド式ポペット弁である。水圧で作動する弁を使用することが可能であるが、かかる弁のサイズ及び重量の制約が、別の形で手持ち式の適用器具312の有用性を制限することがある。
【0073】
図16に示されるように、トリガースイッチ360(概して、「アクチュエータ」)はハンドル317の下側部分319に搭載され、トリガースイッチアクチュエータ362は上側部分318に搭載される。吐出弁356に電気的に連結されるトリガースイッチ360は、トリガースイッチアクチュエータ362がトリガースイッチ360を係合すると吐出弁356を始動させる。図示される実施形態では、また
図16に見られるように、ハンドル317の上側部分318がその第二の圧縮位置へと移動されると、トリガースイッチアクチュエータ362がトリガースイッチと係合される。したがって、ハンドル317の上側部分318に力を加えて、トリガースイッチアクチュエータがトリガースイッチ360を係合するまでハンドルの下側部分319に対して下向きに滑らせることにより、上側部分をその第一の延長位置からその第二の圧縮位置へと移動させることによって、トリガースイッチ360を作動させることができる。
【0074】
適切な一実施形態では、停止スイッチ(図示なし)をハンドル317の上側部分318のハンドグリップ区画322に置くことができ、その場合、操作者が作動させることによって、迅速に且つ簡単にシステム310を止めることができる。停止スイッチを、ハンドル317のハンドグリップ区画322に加えて器具312の他の部分に置くことができる。また、器具312に置かれた停止スイッチに加えて、又はその代わりに、カート314に停止スイッチを設けることができる。
【0075】
この実施形態では、第一のシロアリ防除剤原液リザーバ384'及び投与デバイス385は、器具312のハンドル317に搭載される。投与デバイス385は、シロアリ防除剤原液リザーバ384'と流体連通しており、トリガースイッチ360を作動させる毎に、濃縮シロアリ防除剤の所定量(即ち、用量)を適切な混合デバイス386'に送達するように適合される。適切な一実施形態では、濃縮シロアリ防除剤の所定量を調節できるように投与デバイス385は調節可能である。別の適切な実施形態では、投与デバイス385は調節不能である。つまり、投与デバイスを交換することなく、トリガースイッチ360を作動させる毎に混合デバイス386'に送達される濃縮シロアリ防除剤の量を変更することはできない。一つの適切な投与デバイス385は、米国インディアナ州インディアナポリスのSMC社(SMC Corporation)から、部品番号NCMB075-0125として入手可能である。図示される実施形態では、混合デバイス386'はマニホルドヘッド316の頂部に搭載されるが、混合デバイスを別の形で搭載できることが理解される。例えば、混合デバイス386'は、ハンドル317の下側部分319に搭載することができる。
【0076】
やはり
図16を参照すると、蓄圧器387がハンドル317に搭載される。蓄圧器387は、混合デバイス386'に送達される前のカート314からの加圧水を格納するように適合される。蓄圧器387は、カート314から混合デバイス386'までの間の圧力低下の影響を最小限に抑える。したがって、蓄圧器387は、加圧水がカートから混合デバイスに直接送達された場合よりも高圧で、加圧水をカート314から混合デバイス386'に供給する。
【0077】
図15に示される実施形態では、カート314は、水リザーバ380、高圧ポンプ382、第二のシロアリ防除剤原液リザーバ384、及び適正量の水と混合される適正量のシロアリ防除剤原液を供給してシロアリ防除剤溶液を形成することができる第二の混合デバイス386を含む。外部水源(例えば、標準的な住居用水栓)からの水を受け入れる水入口381も設けられる。水リザーバ380又は水入口381のどちらかを省略することができる。
【0078】
供給カート314はまた、圧力ポンプ382を動作させる動力を発生し、システム310と関連付けられたコントローラ392を動作させる電流を発生する発電機390を備えたガソリンエンジン388を含む。別の実施形態では、電力は、適用現場に置かれた電気コンセントに接続することにより供給することができる。高圧ポンプ382によって駆動される加圧水を冷却するため、放熱器191が設けられる。図示される実施形態では、カート314と適用器具312との間に延在するホース313を巻き取るホースリール193がカート314に搭載される。加圧水を蓄圧器387の前に放射できるようにするため、加圧水バイパス389が器具312のハンドル317に設けられる。バイパス389を使用して、高圧ポンプ382をプライミングするとともにホース313からシロアリ防除剤溶液を洗い流すのを容易にすることができる。
【0079】
コントローラ392によって、システム310の操作者が、シロアリ防除剤を注入するパルス持続時間及び圧力レベルを選択的に設定することができる。コントローラ392は、混合デバイス386を通る用量を適切に制御できるように、又は注入回数を追跡できるように、オリフィスの数及びそれらのサイズ、使用中のシロアリ防除剤溶液のパラメータを定義することなどによって、操作者が使用中の特定のマニホルドヘッド316と関連付けられたパラメータを入力できるように、プログラム可能であってもよい。
【0080】
シロアリ防除剤を地面に注入するため、操作者は、接触プレート350が地面と接触するようにして、手持ち式の可搬型適用器具312を位置付ける。約15〜20ポンド(約6.80〜9.07kg)の下向きの力が操作者によってハンドル317の上側部分318に加えられて、上側部分318がその第一の位置からその第二の位置へと移動し、それによって、上側部分に搭載されたトリガースイッチアクチュエータ362が下側部分319に搭載されたトリガースイッチ360を係合する。トリガースイッチアクチュエータ362及びトリガースイッチ360の係合によって、吐出弁356が作動する。より具体的には、電子信号がトリガースイッチ360から吐出弁356に送られて、吐出弁が所定の時間量の間その閉位置からその開位置へと移動する。
【0081】
それに加えて、ハンドル317の上側部分318が下側部分319に対して移動することで、所定量のシロアリ防除剤原液が投与デバイス385によって第一のシロアリ防除剤原液リザーバ384'から混合デバイス386'へと送達される。吐出弁356を開くことによって、蓄圧器387が中に格納された加圧水(又は他の適切なキャリア液体)の少なくとも一部分を混合デバイス386'へと放出する。シロアリ防除剤原液及び加圧水は混合デバイス386'内で混合されて、シロアリ防除剤溶液を形成する。次に、シロアリ防除剤溶液はマニホルドヘッド316へと推進されて、地面に注入するために高圧ノズル338へと流れ、そこから流出する。
【0082】
次に、操作者は圧力をハンドル317から解放し、それによってトリガースイッチ360、投与デバイス385、及び蓄圧器387をリセットする。より具体的には、バネ326によってハンドル317の上側部分318が第一の延長位置に戻る。図示されるトリガースイッチ360は、ハンドル317がリセットされるまでに吐出弁356が繰返し開くのを防ぐため、ハンドル317を圧縮する毎に一度だけ働くように構成される。
【0083】
シロアリ防除剤溶液が地面に浸透する深さは、シロアリ防除剤溶液が器具312から吐出される圧力と、シロアリ防除剤が吐出される土壌の種類とに応じて決まる。適切な一実施形態では、地面へのシロアリ防除剤の浸透が約12〜16インチ(約30.48〜40.64cm)である。
【0084】
カート314に搭載される第二のシロアリ防除剤原液リザーバ384及び第二の混合デバイス386によって、カートを低圧での適用に使用することができる。シロアリ防除剤の低圧での適用は、本明細書に示される適用器具312を使用して、又は従来の棒突き技術を使用して実施することができる。第二のシロアリ防除剤原液リザーバ384及び第二の混合デバイス386は省略できることが理解される。
【0085】
本明細書は、最良の形態を含めて本発明を開示するとともに、あらゆるデバイス又はシステムの作成と使用及び任意の組み込まれた方法の実施を含めて、当業者が本発明を実施できるようにするため、実施例を使用している。本発明の特許可能な範囲は請求項によって定義され、当業者が想起する他の実施例を含んでもよい。かかる他の実施例は、請求項の文言と異ならない構造的要素を有する場合、又は請求項の文言と実質的に異ならない等価の構造的要素を含む場合は、請求項の範囲内にあるものとする。