(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のヤーンを編組しての紐状体によりなるとともに、角形の断面を有して前記断面における前記ヤーンの方向が対角線に平行となるように、かつ、前記ヤーンの移動経路数が4に設定されているグランドパッキンであって、
前記紐状体の側面にて露呈されている前記ヤーンの交差角度が、四つの前記側面のうちの互いに隣り合う側面どうしで異なる状態に編組されているグランドパッキン。
四つの前記側面のうち、内周面となる側面の前記交差角度が、これに相隣る側周面となる側面の前記交差角度よりも大となるように前記紐状体を丸めてなる請求項1に記載のグランドパッキン。
前記紐状体における隣り合う前記側面どうしで形成される角部には、前記隣り合う側面どうしのうちの一方の前記側面から他方の前記側面へ連続するヤーンが配置されている請求項1〜3の何れか一項に記載のグランドパッキン。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明によるグランドパッキンの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書においては、便宜上、紐状体2が丸められて環状とされたものをグランドパッキンGと定義するものとする。
【0021】
〔実施形態1〕
本発明によるグランドパッキンGは、
図1〜
図3に示すように、複数のヤーン1を編組しての紐状体2によりなるとともに、角形の断面を有して断面におけるヤーン1の方向が対角線に平行となるように、かつ、ヤーン1の移動経路数が4に設定されている。そして、紐状体2の側面2a,2b,2c,2dにて露呈されているヤーン1の交差角度αが、四つの側面2a〜2dのうちの互いに隣り合う側面どうしで異なる角度a≠bに編組されている。
【0022】
この種のグランドパッキンG(紐状体2)の構造及び断面を
図1に示す。即ち、正方形の対角線に沿って平行に伸び、かつ、互いに交差するように設定された四つのヤーン(編み糸)経路w1〜w4(
図5,6を参照)上において、各々の経路上の複数本のヤーン1を他の経路上の各ヤーン1と交互に重合交差するように順次移動させながら編組させていくことにより、断面が正方形の紐状体2として得られるものである。
ヤーン1としては、アクリル系繊維、好ましくはアクリロニトリル酢酸ビニル共重合体からなる繊維を加撚りしてなるものが挙げられるが、これ以外でも良い。また、PTFEなどの固形潤滑剤や液体潤滑剤をヤーン1に含浸させても良い。
【0023】
グランドパッキンGとしての紐状体2は、径の細い36本のヤーン(編み糸)1を、
図5にモデル化して示す4つの移動経路w1〜w4上においてそれぞれ矢印方向に順次移動させることにより、交互に重合交差するように編組して得られる紐状のものであって、断面形状は正方形を呈している。ヤーン1は合成繊維などの繊維を束ねてなるものである。
この紐状体2の製造は、36本の編み糸ボビン(ヤーン1が巻かれたボビン)3〜6が、複数の爪車(図示省略)などを介して、
図5に示す移動経路w1〜w4を形成すべく設定された複数の所定経路上を順次移動するように構成された編組機(図示省略)を用いて行われる。
【0024】
この編組機にあっては、
図5に示すように、対角線上に位置する各移動経路w1,w4上においては各々8本のヤーン1、即ち各々8個の第1,第4編み糸ボビン3,6が移動されるとともに、他の移動経路w2,w3上においては各々10本のヤーン1、即ち各々10個の第2,第3編み糸ボビン4,5が移動されるように配置されている。つまり、このような構成に編組された紐状体2は、ヤーン1の移動経路w1〜w4数が4で、ヤーン1の本数は36本のものとされている。
【0025】
編組機は、
図6に示すように、8個の第1編み糸ボビン3、各10個の第2及び第3編み糸ボビン4,5、8個の第4編み糸ボビン6(
図3においては、各々一つのボビンのみ示す)が、
図5に示す如く4つの移動経路w1〜w4に沿って夫々移動されていくように構成されたものである。
【0026】
従来の紐状体22においては、
図3(a)に示すように、側面にて露呈されているヤーン21の交差角度αは、四つの側面22a〜22dにおいて全て等しい。従って、それらのうちの互いに隣り合う側面どうしの交差角度(α)も互いに同じであり、露出ヤーン長Lも互いに等しく構成されている。そして、通常は、各側面22a〜22dにおけるヤーン21の交差角度αは90度に設定されることが多い。
また、四つの側面22a〜22dのうち、互いに対向する2つの側面どうし(第1側面22aと第3側面22c、第2側面22bと第4側面22d)は互いに同じ模様(形状)となり、互いに隣り合う2つの側面(例:第1側面22aと第2側面22b)は互いに異なる模様(形状)となる。
【0027】
通常、上記の紐状体22をポンプのグランド部に装填する場合は、紐状体22所定の長さに切断した後、その端部と端部とを付き合せた環状形状(ドーナツ状の形状)の状態、即ちグランドパッキンGとしてから挿入することになる。この挿入のときに、4つの側面22a〜22dのうち、内周面となる側面(例:第2側面12b)が内径中心側に撓んで盛り上がる傾向となる。従来、この盛り上がりが内周面の凹凸となり、シール性能に悪影響を与えるおそれが生じていた。
【0028】
これに対して、本発明のグランドパッキンGにおいては、
図1,2、及び
図3(b)に示すように、ヤーンの交差角度αは、紐状体2の4つの側面2a〜2dのうちの互いに隣り合う側面どうし(例:第3側面2cと第4側面2d)では、互いに異なる角度aと角度b(a≠b)となるように構成されている。
図3(b)において、交差角度αは、角度c>角度dであり、第3側面2cと第4側面2dにおいて、互いに重合交差する箇所どうしの間におけるヤーン1の長さL(以下、露出ヤーン長Lと称する)は、第3側面2cの長さLcよりも第4側面2dの長さLdの方が明確に長い(Lc<Ld)ものとなっている。
【0029】
即ち、
図3(b)に示すように、例えば、第4側面2dにおいて、露出ヤーン長Lが交差する二つ分の幅寸法をWとすれば、
sin(d)=(W/2)/L
つまり、L=W/{2sin(d/2)}
従って、角度d(ヤーンの交差角度α)を小さくすれば、露出ヤーン長Lは大きくなることが判る。
【0030】
さて、本発明によるグランドパッキンGを実機に組み付けてシール装置Sとする場合について説明する。例えば、
図4に示すように、ポンプのグランド部8に装填する場合は、紐状体2を、その第3側面2cが内周面となるように、端部と端部とを付き合せて丸めた環状形状のもの、即ち、グランドパッキンGとして、グランドボックス11の内周面11a及びステム(軸)9に接触する状態で挿入する。なお、11bはパッキン受けの段差部であり、14はアダプタリングである。
この場合、第2側面2bや第4側面2dは、ステム9の軸心P方向に向く状態、即ち、グランド押え10の端面10a又は隣のグランドパッキンGの第2側面2b又は第4側面2dに接触する状態になる。この場合、露出ヤーン長Lは、第1側面2aの長さ=第3側面2cの長さ<第2側面2bの長さ=第4側面2dの長さ、となる。
【0031】
第3側面2cを内周面とした場合、第3側面2cの露出ヤーン長Lは短い(第2,4側面2b,2dの露出ヤーン長Lより短い)ので、紐状体2を丸めてグランドパッキンGとする際に、第3側面2cにおける径内側への撓みによる盛り上がりは無視できる程度に小さいものとなる。従って、ステム9と接触する面である第3側面2cの平面度が、従来品〔
図3(a)参照〕よりも改善され、シール性能が向上する効果が得られる。この好ましい効果は、第3側面2cと同じ交差角度α(a)を有する第1側面2aが内周面となるように、紐状体2を丸めてなるグランドパッキンGにおいても同様に得られる。
【0032】
また、上述のグランドパッキンGの場合、その側周面(内周面と外周面とを繋ぐドーナツ状の面)は、紐状体2としての第2,第4側面2b,2dで形成される。これら第2,第4側面2b,2dにおける露出ヤーン長Lは長い(第1,3側面2a,2cの露出ヤーン長Lより長い)ため、紐状体2を丸めてグランドパッキンGとする際に、第2,第4側面2b,2dにおける径内側への撓みにより比較的明確な凹凸となる盛り上がりが生じるようになる。この凹凸な盛り上がりが隣のグランドパッキンGの第4,第2側面2d,2bの凹凸な盛り上がりと咬み合いこととなり、互いに回り止め作用を生じるという効果が得られる。
【0033】
加えて、
図1〜
図3に示すように、グランドパッキンGにおいては、紐状体2における隣り合う側面2c,dどうしで形成される角部13には、隣り合う側面どうしのうちの一方の側面2cから他方の側面2dへ連続するヤーン1が配置されている。これは、他の隣り合う側面どうし2a,2b(2b,2c、2d,2a)においても、同様に構成されている。
このように連続するヤーン1が角部13に配置されていることにより、角部13が保護されることや、ヤーン1が解けることが防止されるという作用効果が得られる。また、
図4に示すように、ポンプのグランド部8にシール装置Sとして用いる場合、紐状体2を丸めて環状形状のグランドパッキンGとして挿入するが、この際に、角部13の撓みによる変形が防止される作用効果も得られる。
【0034】
上記のシールに関する作用効果を検証すべく、グランドパッキンGの漏洩試験を従来品と本発明品とで行った。その結果を、
図7、及び
図8(a),(b)にそれぞれ示す。従来品でも本発明品でも、試験開始時から数時間で漏洩量が大きく減少し、そのご漸減して行くという傾向についてはほぼ同等である。しかしながら、その絶対値は大きく異なり、開始直後では本発明品の漏洩量(単位時間当りの漏洩量)は従来品の1/3〜1/2程度で、かつ、数時間以降においては本発明品の漏洩量は従来品の1/4程度であり、大きく改善されているのが見て取れる。
【0035】
次に、第3側面2cにおける交差角度αを従来よりも大きく〔角度c:
図3(b)を参照〕できること(露出ヤーン長Lを従来よりも長くできること)を、製造面から検討してみる。
図9〜
図18に、第3側面2cにおける時間経過に伴う第2,第3移動経路w2,w3を移動する第2,第3編み糸ボビン4,5の位置を記した編糸状況の作用図を示している。
なお、
図5や
図6において、各移動経路w1〜w4は直線移動と半円移動との組み合わせに単純化して描いてあるが、実際は、
図9〜
図18に示すように、多数の歯車列12,7の組み合わせによる経路であり、各移動経路w1〜w4は、それぞれ円弧移動を交互に繰り返すような移動経路(移動軌跡)となる。
図9〜
図18においては、第2移動経路w2を実線で、かつ、第3移動経路w3を破線でそれぞれ示すものとする。
【0036】
まず、
図9(a)に示す状態を第2,第3編み糸ボビン4,5それぞれの開始位置、即ち第1位置とし、それらから各々1/5回転移動した第2,第3編み糸ボビン4,5それぞれの第2位置を
図9(b)に示している。なお、16個の歯車列12,13のうち、四隅の角歯車7の直径は、その他の12個の普通歯車12の4/5に設定されており、普通歯車12が4/5回転すると角歯車7は1回転する状態に構成されている。
【0037】
図10(a)は、第2,第3移動経路w2,w3において、第2,第3編み糸ボビン4,5(各ヤーン1)のそれぞれが、
図9(b)に示す第2位置から角歯車7の1/4回転分移動した第3位置を示している。
図10(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図10(a)に示す第3位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第4位置を示している。
図11(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図10(b)に示す第4位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第5位置を示している。
図11(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図11(a)に示す第5位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第6位置を示している。この第5位置から第6位置への移動により、第2,第3編み糸ボビン4,5は互いに交差する。
【0038】
図12(a)は、第2,第3移動経路w2,w3において、第2,第3編み糸ボビン4,5(各ヤーン1)のそれぞれが、
図11(b)に示す第6位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第7位置を示している。
図12(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図12(a)に示す第7位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第8位置を示している。
図13(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図12(b)に示す第8位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第9位置を示している。
図13(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図13(a)に示す第9位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第10位置を示している。第6位置において交差した第2,第3編み糸ボビン4,5は、その第6位置の反対側(裏側)である第10位置に来たとき、第6位置におけるヤーン1の交差角度αが大きく〔例:
図3(b)に示す角度c〕なる。第10位置は、第6位置から4ステップ(4/5回動)移動した位置であり、露出ヤーン長Lは比較的短いものとなる。
【0039】
図14(a)は、第2,第3移動経路w2,w3において、第2,第3編み糸ボビン4,5(各ヤーン1)のそれぞれが、
図13(b)に示す第10位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第11位置を示している。
図14(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図14(a)に示す第11位置から角歯車7の1/4回転分移動した第12位置を示している。
図15(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図14(b)に示す第12位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第13位置を示している。
図15(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図15(a)に示す第13位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第14位置を示している。
【0040】
図16(a)は、第2,第3移動経路w2,w3において、第2,第3編み糸ボビン4,5(各ヤーン1)のそれぞれが、
図15(b)に示す第14位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第15位置を示している。
図16(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図16(a)に示す第15位置から普通歯車12の1/5の1/4回転分移動した第16位置を示している。
図17(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図16(b)に示す第16位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第17位置を示している。
図17(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図17(a)に示す第17位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第18位置を示している。
【0041】
図18(a)は、第2,第3移動経路w2,w3において、第2,第3編み糸ボビン4,5(各ヤーン1)のそれぞれが、
図17(b)に示す第18位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第19位置を示している。
図18(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図18(a)に示す第19位置から普通歯車12の1/5の1/4回転分移動した第20位置を示している。
そして、
図18(b)に示す第20位置から、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが普通歯車12の1/5回転分移動すると、
図9(a)に示す第1位置に戻る。この第1位置〜第20位置の移動が、第3側面2cにおける各移動経路w2,w3の1サイクルである。
【0042】
次に、第4側面2dにおける交差角度αを従来よりも小さく〔角度d:
図3(b)を参照〕できること(露出ヤーン長Lを従来よりも短くできること)を、製造面から検討してみる。
図19〜
図28に、第4側面2dにおける時間経過に伴う第2,第3移動経路w2,w3を移動する第2,第3編み糸ボビン4,5の位置を記した編糸状況の作用図を示している。
これら
図19〜
図28においても、
図9〜
図18と同様に、各移動経路w1〜w4は、それぞれ円弧移動を交互に繰り返すような移動経路(移動軌跡)であり、第2移動経路w2は実線、第3移動経路w3は破線、ということも
図9〜
図18と同様とする。
【0043】
まず、
図19(a)に示す状態を、第4側面2dにおける第2,第3編み糸ボビン4,5それぞれの開始位置、即ち第1位置とし、それらから各々普通歯車12の1/5回転移動した第2,第3編み糸ボビン4,5それぞれの第2位置を
図19(b)に示す。なお、
図19〜
図28においては、
図9〜
図18と同様に、16個の歯車列12,13のうち、四隅の角歯車7の直径は、その他の12個の普通歯車12の4/5に設定されており、普通歯車12が4/5回転すると角歯車7は1回転する状態に構成されている。
【0044】
図20(a)は、第2,第3移動経路w2,w3において、第2,第3編み糸ボビン4,5(各ヤーン1)のそれぞれが、
図19(b)に示す第2位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第3位置を示している。
図20(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図20(a)に示す第3位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第4位置を示している。この第3位置から第4位置への移動により、第2,第3編み糸ボビン4,5は互いに交差する。
図21(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図20(b)に示す第4位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第5位置を示している。
図21(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図21(a)に示す第5位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第6位置を示している。
【0045】
図22(a)は、第2,第3移動経路w2,w3において、
図21(b)に示す第6位置から、第2編み糸ボビン4(ヤーン1)は角歯車7の1/4回転分、第3編み糸ボビン5(ヤーン1)は普通歯車12の1/5回転分それぞれ移動した第7位置を示している。
図22(b)は、第2,
図22(a)に示す第7位置から、第2編み糸ボビン4は普通歯車12の1/5回転分、第3編み糸ボビン5は角歯車7の1/4回転分それぞれ移動した第8位置を示している。
図23(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図22(b)に示す第8位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第9位置を示している。
図23(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図23(a)に示す第9位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第10位置を示している。
【0046】
図24(a)は、第2,第3移動経路w2,w3において、第2,第3編み糸ボビン4,5(各ヤーン1)のそれぞれが、
図23(b)に示す第10位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第11位置を示している。
図24(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図24(a)に示す第11位置から角歯車7の1/4回転分移動した第12位置を示している。
第4位置において交差した第2,第3編み糸ボビン4,5は、その第4位置の反対側(裏側)である第12位置に来たとき、より内側に向かう姿勢となる。これ即ち、第4位置におけるヤーン1の交差角度αが小さく〔例:
図3(b)に示す角度d〕なる。第12位置は、第4位置から8ステップ(8/5回動)移動した位置である。この交差角度dは、第3側面2cの第6位置による交差角度cよりも小さく、従って、露出ヤーン長Lは第3側面2cの場合よりも明確に長くなる。
【0047】
図25(a)は、第2,第3移動経路w2,w3において、第2,第3編み糸ボビン4,5(各ヤーン1)のそれぞれが、
図24(b)に示す第12位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第13位置を示している。
図25(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図25(a)に示す第13位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第14位置を示している。
図26(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図25(b)に示す第14位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第15位置を示している。
図26(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図26(a)に示す第15位置から普通歯車12の1/5の1/4回転分移動した第16位置を示している。
【0048】
図27(a)は、
図26(b)に示す第16位置から、第2編み糸ボビン4(ヤーン1)は角歯車7の1/4回転分、第3編み糸ボビン5(ヤーン1)は普通歯車12の1/5回転分それぞれ移動した第17位置を示している。
図27(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図27(a)に示す第17位置から、第2編み糸ボビン4は普通歯車12の1/5回転分、第3編み糸ボビン5は角歯車7の1/4回転分それぞれ移動した第18位置を示している。
図28(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図27(b)に示す第18位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第19位置を示している。
図28(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、
図28(a)に示す第19位置から普通歯車12の1/5の1/4回転分移動した第20位置を示している。
そして、
図28(b)に示す第20位置から、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが普通歯車12の1/5回転分移動すると、
図19(a)に示す第1位置に戻る。この第1位置〜第20位置の移動が、第4側面2dにおける各移動経路w2,w3の1サイクルである。
【0049】
図9〜
図28を用いた以上の検討により、紐状体2を作製するにおいて、第3側面2cと第4側面2dそれぞれの開始点(第1位置)を、
図9,
図19に示されるように工夫して設定されている。それにより、第3側面2cにおいて表面に出るヤーン1の交差角度αは、従来の角度(90度)より大きい角度c(
図3参照)にすることができる。従って、露出ヤーン長Lを従来よりも短くすることができている。第1側面2aにおける交差角度αである角度aは、第3側面2cの角度cと同じ(a=c)である。
また、第3側面2cに相隣る第2及び第4側面2b,2d(側周面)においては、交差角度αを従来の角度(90度)より小さい角度b,d(
図3参照)にすることができ、従って、露出ヤーン長Lを従来よりも長くすることができる。