(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
流水の流れと平行に配置された主軸に取り付けられたプロペラ形状の羽根の回転力により発電を行う水車発電機が1本の導水管に複数台直列に設けられ、複数台の前記水車発電機には、単位時間当たり同水量が流れ込み、前記水車発電機間は、有効落差が互いに等しくなるように設定され得る水車発電設備による発電方法であって、
前記水車発電機間に同一有効落差が設定され、かつ同一形態で設定された水車発電機で発電され、
同一有効落差に基づき、かつ同一形態で設定された水車発電機ごと設定された、各水車発電機の所有権を保持する所有権者情報が取得され、
同一有効落差に基づき、かつ同一形態で設定された水車発電機の所有者ごとに、計測された同一の発電電力量が取得され、該発電電力量に基づく同一の売電価が取得されること
を特徴とする水車発電設備による発電方法。
流水の流れと平行に配置された主軸に取り付けられたプロペラ形状の羽根の回転力により発電を行う水車発電機が1本の導水管に複数台直列に設けられ、複数台の前記水車発電機には、単位時間当たり同水量が流れ込み、前記水車発電機間は、有効落差が互いに等しくなるようにされ、各水車発電機に発電された電力量を計測する計測手段が附属され、各計測手段が計測した電力量を取得するように構成され、水車発電機ごとに端末PCが備えられ、該端末PCは各水車発電機の管理を行う取りまとめ企業の端末PCに接続され、
各端末PCが、記憶手段、演算処理手段及び画像表示手段を備え、
前記水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの記憶手段に、同一の有効落差の基づく同一形態で設定された、水車発電機ごとに所有権を保持する所有権者が格納され、
前記水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの演算処理手段によって、水車発電機ごとに発電され積算された計測電力量が取得され、所有権者ごとに演算された計測電力量に対応する売電価が取得されること
を特徴とする水車発電設備。
請求項2に記載された水車発電設備において、水車発電機監視装置が、前記取り纏め企業の端末PCに、各水車発電機の運転状態の監視状態を取得するように設置され、各水車発電機の運転状態の監視状態が取得されて、該売電価を含む各水車発電機の運転状態の監視結果が監視可能なようにしてデータとされ、全水車発電機により発電されたトータルの計測電力量が統計され、
前記取り纏め企業の端末PCの画像表示手段に、水車発電機ごとに積算された、発電された計測電力量、所有権者ごとに、積算された計測電力量に対応する売電価、データとされた売電価を含む各水車発電機の運転状態の監視結果及び発電されたトータルの計測電力量が画像表示されること
を特徴とする水車発電設備。
請求項3に記載された水車発電設備において、電力量を計測する計測手段が、水車発電機ごと個別に設置され、水車発電機の所有権者ごと個別に、積算された計測電力量に対応する売電価が演算されることを特徴とする水車発電設備。
請求項2または3に記載された水車発電設備において、前記水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの記憶手段に、当該水車発電設備が設置された河川の水利権を所有する水利権所有者が格納され、発電された計測電力量に基づく売電価について、契約に基づいて水利権所有者に分配される分配比率が予め格納され、
前記水車発電機ごとに設置された端末PCまたは前記水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの演算処理手段によって、トータルの計測電力量に対応した売電価が演算され、予め決められた分配比率に基づいて、水利権所有者に分配される分配売電価が演算され、
前記水車発電機ごとの計測電力量に対応した売電価が演算され、予め決められた分配比率に基づいて、水利権所有者に分配される分配売電価が演算され
前記画像表示手段に、水利権所有者に分配される分配売電価が表示されることを特徴とする水車発電設備。
流水の流れと平行に配置された主軸に取り付けられたプロペラ形状の羽根の回転力により発電を行う水車発電機が1本の導水管に複数台直列に設けられ、複数台の前記水車発電機には、単位時間当たり同水量が流れ込み、前記水車発電機間は、有効落差が互いに等しくなるようにされ、各水車発電機に発電された電力量を計測する計測手段が附属され、各計測手段が計測した電力量を取得するように構成され、水車発電機ごとに端末PCが備えられ、該端末PCに接続された各水車発電機を含む水車発電設備の管理を行う、取りまとめ企業の端末PCに設置された管理装置において、
各端末PCが、記憶手段、演算処理手段及び画像表示手段を備え、
前記記憶手段に、同一の有効落差の基づく同一形態で設定された、水車発電機ごとに所有権を保持する所有権者が格納され、
前記水車発電機ごとに設置された端末PCの演算処理手段によって取得された水車発電機ごとに発電され積算された計測電力量及び所有権者ごとに、計測電力量に対応する売電価を取得し、
各水車発電機の運転状態の監視状態を取得して、該売電価を含む各水車発電機の運転状態の監視結果を監視可能なようにしてデータとし、全水車発電機により発電されたトータルの計測電力量を統計し、
予め決められた分配比率に基づいて、水利権所有者に分配される分配売電価を演算すること
を特徴とする水車発電設備の管理を行う、取りまとめ企業の端末PCに設置された管理装置。
流水の流れと平行に配置された主軸に取り付けられたプロペラ形状の羽根の回転力により発電を行う水車発電機が1本の導水管に複数台直列に設けられ、複数台の前記水車発電機には、単位時間当たり同水量が流れ込み、前記水車発電機間は、有効落差が互いに等しくなるようにされ、各水車発電機に発電された電力量を計測する計測手段が附属され、各計測手段が計測した電力量を取得するように構成され、水車発電機ごとに端末PCが備えられ、該端末PCは各水車発電機の管理を行う取り纏め企業の端末PCに接続され、
各端末PCが、記憶手段、演算処理手段及び画像表示手段を備えた水車発電設備による水車発電方法において、
前記水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの記憶手段に、同一の有効落差の基づく同一形態で設定された、水車発電機ごとに所有権を保持する所有権者が格納され、
前記水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの演算処理手段が、水車発電機ごとに発電され積算された計測電力量を取得し、所有権者ごとに演算された計測電力量に対応する売電価を取得すること
を特徴とする水車発電設備による水車発電方法。
流水の流れと平行に配置された主軸に取り付けられたプロペラ形状の羽根の回転力により発電を行う水車発電機が1本の導水管に複数台直列に設けられ、複数台の前記水車発電機には、単位時間当たり同水量が流れ込み、前記水車発電機間は、有効落差が互いに等しくなるようにされ、各水車発電機に発電された電力量を計測する計測手段が附属され、各計測手段が計測した電力量を取得するように構成され、水車発電機ごとに端末PCが備えられ、該端末PCに接続された各水車発電機を含む水車発電設備の管理を行う、取りまとめ企業の端末PCに設置された管理装置による水車発電設備の管理方法において、
各端末PCが、記憶手段、演算処理手段及び画像表示手段を備え、
前記記憶手段に、同一の有効落差の基づく同一形態で設定された、水車発電機ごとに所有権を保持する所有権者が格納され、
前記水車発電機ごとに設置された端末PCの演算処理手段によって取得された水車発電機ごとに発電され積算された計測電力量及び所有権者ごとに、計測電力量に対応する売電価を取得し、
各水車発電機の運転状態の監視状態を取得して、該売電価を含む各水車発電機の運転状態の監視結果を監視可能なようにしてデータとし、全水車発電機により発電されたトータルの計測電力量を統計し、
予め決められた分配比率に基づいて、水利権所有者に分配される分配売電価を演算すること
を特徴とする水車発電設備の管理を行う、取りまとめ企業の端末PCに設置された管理装置による水車発電設備の管理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1には、上流のダムから複数本の導水管を配置し、同じ有効落差を持つ水車発電機に通水することが記載されている。このシステムによれば、大きな電力を発電可能であるが、1000Kw以上の発電能力を持つ水車発電設備に適用されるシステムであり、多額の建設コストと建設期間を要して、小規模の水源を有効に利用して発電するには適していない。特許文献2に記載された装置は、有効落差を等しくして水力発電機を設置しているが、上水あるいは下水を一時的又は長期的に貯留する貯留槽が用いられていて、継続的な流れの水量を持つ水源を活用して再生可能なエネルギーとして回収する装置を記載するものではない。
【0010】
小規模の水源を有効に利用して発電するにしても、導水管を備え、建設コストを多額に必要とすることに相違がなく、例えば50Kwの発電能力を有する水力発電設備を建設する場合でも、土木工事費を含め、1億円以上の初期投資が必要となる。小規模の水源を活用して再生可能なエネルギーを回収することがコスト面から困難になることが考えられ、日本の多くの場所で有効な埋蔵エネルギーとして期待されている河川での開発が進まないことになる。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑み日本の多くの場所で有効な埋蔵エネルギーとして期待されている河川での開発に際して、多数の投資家が参加し易くすることで、実現できるようにするもので、河川特有の有効落差を一つの情報として着目することで活用し、多数の小規模の投資家が公平に参加できるようにした発電を実現すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、多数の投資家が公平に参加できるようにするために、河川特有の有効落差を一つの情報として活用し、各水車発電機間の有効落差に対応して、水車発電設備の所有権を設定できるようにしたことを特徴とする。特に、有効落差を各水車発電機間で等しくすることで、多数の投資家が公平に参加できるばかりでなく、水車発電設備の設置後の維持管理が極めて簡素化される。
【0013】
本発明は、具体的には、流水の流れと平行に配置された主軸に取り付けられたプロペラ形状の羽根の回転力により発電を行う水車発電機が1本の導水管に複数台直列に設けられ、複数台の前記水車発電機には、単位時間当たり同水量が流れ込み、前記水車発電機間は、有効落差が互いに等しくなるように設定され得る水車発電設備による発電方法であって、
前記水車発電機間に同一有効落差が設定され、かつ同一形態で設定された水車発電機で発電され、
同一有効落差に基づき、かつ同一形態で設定された水車発電機ごと設定された、各水車発電機の所有権を保持する所有権者情報が取得され、
同一有効落差に基づき、かつ同一形態で設定された水車発電機の所有者ごとに、計測された同一の発電電力量が取得され、該発電電力量に基づく同一の売電価が取得されること
を特徴とする水車発電設備による発電方法を提供する。
【0014】
本発明は、流水の流れと平行に配置された主軸に取り付けられたプロペラ形状の羽根の回転力により発電を行う水車発電機が1本の導水管に複数台直列に設けられ、複数台の前記水車発電機には、単位時間当たり同水量が流れ込み、前記水車発電機間は、有効落差が互いに等しくなるようにされ、各水車発電機に発電された電力量を計測する計測手段が附属され、各計測手段が計測した電力量を取得するように構成され、水車発電機ごとに端末PCが備えられ、該端末PCは各水車発電機の管理を行う取りまとめ企業の端末PCに接続され、
各端末PCが、記憶手段、演算処理手段及び画像表示手段を備え、
前記水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの記憶手段に、同一の有効落差の基づく同一形態で設定された、水車発電機ごとに所有権を保持する所有権者が格納され、
前記水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの演算処理手段によって、水車発電機ごとに発電され積算された計測電力量が取得され、所有権者ごとに演算された計測電力量に対応する売電価が取得されること
を特徴とする水車発電設備を提供する。
【0015】
本発明は、上述された水車発電設備において、水車発電機監視装置が、前記取り纏め企業の端末PCに、各水車発電機の運転状態の監視状態を取得するように設置され、各水車発電機の運転状態の監視状態が取得されて、該売電価を含む各水車発電機の運転状態の監視結果が監視可能なようにしてデータとされ、全水車発電機により発電されたトータルの計測電力量が統計され、
前記取り纏め企業の端末PCの画像表示手段に、水車発電機ごとに積算された、発電された計測電力量、所有権者ごとに、積算された計測電力量に対応する売電価、データとされた売電価を含む各水車発電機の運転状態の監視結果及び発電されたトータルの計測電力量が画像表示されること
を特徴とする水車発電設備を提供する。
【0016】
本発明は、上述された水車発電設備において、電力量を計測する計測手段が、水車発電機ごと個別に設置され、水車発電機の所有権者ごと個別に、積算された計測電力量に対応する売電価が演算されることを特徴とする水車発電設備を提供する。
本発明は、上述された水車発電設備において、前記水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの記憶手段に、当該水車発電設備が設置された河川の水利権を所有する水利権所有者が格納され、発電された計測電力量に基づく売電価について、契約に基づいて水利権所有者に分配される分配比率が予め格納され、
前記水車発電機ごとに設置された端末PCまたは前記水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの演算処理手段によって、トータルの計測電力量に対応した売電価が演算され、予め決められた分配比率に基づいて、水利権所有者に分配される分配売電価が演算され、
前記水車発電機ごとの計測電力量に対応した売電価が演算され、予め決められた分配比率に基づいて、水利権所有者に分配される分配売電価が演算され
前記画像表示手段に、水利権所有者に分配される分配売電価が表示されることを特徴とする水車発電設備を提供する。
【0017】
本発明は、流水の流れと平行に配置された主軸に取り付けられたプロペラ形状の羽根の回転力により発電を行う水車発電機が1本の導水管に複数台直列に設けられ、複数台の前記水車発電機には、単位時間当たり同水量が流れ込み、前記水車発電機間は、有効落差が互いに等しくなるようにされ、各水車発電機に発電された電力量を計測する計測手段が附属され、各計測手段が計測した電力量を取得するように構成され、水車発電機ごとに端末PCが備えられ、該端末PCに接続された各水車発電機を含む水車発電設備の管理を行う、取りまとめ企業の端末PCに設置された管理装置において、
各端末PCが、記憶手段、演算処理手段及び画像表示手段を備え、
前記記憶手段に、同一の有効落差の基づく同一形態で設定された、水車発電機ごとに所有権を保持する所有権者が格納され、
前記水車発電機ごとに設置された端末PCの演算処理手段によって取得された水車発電機ごとに発電され積算された計測電力量及び所有権者ごとに、計測電力量に対応する売電価を取得し、
各水車発電機の運転状態の監視状態を取得して、該売電価を含む各水車発電機の運転状態の監視結果を監視可能なようにしてデータとし、全水車発電機により発電されたトータルの計測電力量を統計し、
予め決められた分配比率に基づいて、水利権所有者に分配される分配売電価を演算すること
を特徴とする水車発電設備の管理を行う、取りまとめ企業の端末PCに設置された管理装置を提供する。
【0018】
本発明は、流水の流れと平行に配置された主軸に取り付けられたプロペラ形状の羽根の回転力により発電を行う水車発電機が1本の導水管に複数台直列に設けられ、複数台の前記水車発電機には、単位時間当たり同水量が流れ込み、前記水車発電機間は、有効落差が互いに等しくなるようにされ、各水車発電機に発電された電力量を計測する計測手段が附属され、各計測手段が計測した電力量を取得するように構成され、水車発電機ごとに端末PCが備えられ、該端末PCは各水車発電機の管理を行う取り纏め企業の端末PCに接続され、
各端末PCが、記憶手段、演算処理手段及び画像表示手段を備えた水車発電設備による水車発電方法において、
前記水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの記憶手段に、同一の有効落差の基づく同一形態で設定された、水車発電機ごとに所有権を保持する所有権者が格納され、
前記水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの演算処理手段が、水車発電機ごとに発電され積算された計測電力量を取得し、所有権者ごとに演算された計測電力量に対応する売電価を取得すること
を特徴とする水車発電設備による水車発電方法を提供する。
【0019】
本発明は、流水の流れと平行に配置された主軸に取り付けられたプロペラ形状の羽根の回転力により発電を行う水車発電機が1本の導水管に複数台直列に設けられ、複数台の前記水車発電機には、単位時間当たり同水量が流れ込み、前記水車発電機間は、有効落差が互いに等しくなるようにされ、各水車発電機に発電された電力量を計測する計測手段が附属され、各計測手段が計測した電力量を取得するように構成され、水車発電機ごとに端末PCが備えられ、該端末PCに接続された各水車発電機を含む水車発電設備の管理を行う、取りまとめ企業の端末PCに設置された管理装置による水車発電設備の管理方法において、
各端末PCが、記憶手段、演算処理手段及び画像表示手段を備え、
前記記憶手段に、同一の有効落差の基づく同一形態で設定された、水車発電機ごとに所有権を保持する所有権者が格納され、
前記水車発電機ごとに設置された端末PCの演算処理手段によって取得された水車発電機ごとに発電され積算された計測電力量及び所有権者ごとに、計測電力量に対応する売電価を取得し、
各水車発電機の運転状態の監視状態を取得して、該売電価を含む各水車発電機の運転状態の監視結果を監視可能なようにしてデータとし、全水車発電機により発電されたトータルの計測電力量を統計し、
予め決められた分配比率に基づいて、水利権所有者に分配される分配売電価を演算すること
を特徴とする水車発電設備の管理を行う、取りまとめ企業の端末PCに設置された管理装置による水車発電設備の管理方法を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、有効落差情報、特に同一の有効落差が用いられ、同一形態各水車発電機が採用され、この形態の水車発電機を水車発電機ごとに所有権を保持する所有権者が設定される。このような設定によって、日本の多くの場所で有効な埋蔵エネルギーとして期待されている河川での開発を多数の小規模の投資家の参加を得て、実施できるようになり、河川特有の有効落差を一つの情報として活用し、多数の投資家が公平に参加できるようにした発電を行うことができる。
【0021】
特に、有効落差を各水車発電機間で等しくすることで、多数の投資家が公平に参加できるばかりでなく、水車発電設備の設置後の極めて簡素化される維持管理を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の実施例の水車発電設備の各水車発電機の所有権設定方法及び発電方法を説明する図である。以下の説明では、軸流水車発電機を例にとって説明するが、本発明は、軸流水車発電機に限定されず、例えばフランシスタイプの水車発電機についても適用することが出来る。
【0024】
図1において、水車発電設備建設並びに建設後のメンテナンス環境は、取りまとめ企業1中心として、該当の河川に設置される水車発電設備の所有権を持つ所有権者2、及び水利権者3が存在する。
【0025】
取りまとめ企業1は、当該河川に数段になる軸流水車発電機22を持つ水車発電設備20の建設を計画し、投資家(A)(B)(C)2に投資を呼びかけ、賛同を得て、投資金である資金4を得て水車発電設備に所有権5を設定する。何段にするかは、河川の状態による。投資家(A)(B)(C)2Aと所有権5を有することになった所有権者2は、同一の人(当然法人を含む)となる。この投資家(A)(B)(C)2Aに対する投資の呼びかけは、水利権者3の了解の下になされる。
【0026】
取りまとめ企業1は、事前に担当の役所6に建設のための許可申請7をなし、設置許可8を得る。
【0027】
取りまとめ企業1は、事前に水利権者3と契約を結び、水利利用金9の支払いについて合意する。
【0028】
取りまとめ企業1は、地域電力会社10と所有権者2とを加えて契約を結び、水車発電設備20で発電された発電電力量11を地域電力会社10に売り渡すこと、その対価としての売電価12が所有権者2に直接に支払われることが契約される。
【0029】
取りまとめ企業1は、このような条件がすべて整うと、建設会社(建設業者)13に建設を発注14する。
【0030】
ここで、水車発電設備20は、軸流水車発電機システムと同義語であり、次のように構成される。
【0031】
図2は、水車発電設備20の詳細を示す。
図2において、導水管21の最上流に貯水槽25が設けられ、貯水槽25に堰堤26が設けられ、最上流側軸流水車発電機の入り口部に閉止バルブ27が設けられ、最下流に放水路29が設けられ、その上流側に閉止バルブ28が設けられる。導水管24には、軸流水車発電機間が同一の有効落差で軸流水車発電機22が設置される。同一の有効落差といっても数学的な同一ではなく、発電電力量取扱上、同一とみなされる範囲のことをいう。ここで重要なことは、河川を流れる流水から再生エネルギーを回収することであり、導水管は斜面上に設置され、滝のような場所に設置することは想定されない。有効落差が同一になるように計算され、段数が決定され、同一の有効落差の基づく同一形態で設計された軸流水車発電機22が設置され、原価低減される。
【0032】
各軸流水車発電機22は、周波数変換器31に接続され、地域電力網32の周波数に調整されて接続される。
【0033】
図1、
図2において、流水の流れと平行に配置された主軸に取り付けられたプロペラ形状の羽根の回転力により発電を行う軸流水車発電機22が1本の導水管21に複数台直列に設けられ、複数台の軸流水車発電機22には、単位時間当たり同水量が流れ込み、軸流水車発電機間は、有効落差が互いに等しくなるようにされ、各軸流水車発電機22に発電された電力量を計測する計測手段(図示せず)が附属され、各計測手段が計測した電力量を取得するように構成される。また、軸流水車発電機監視を含む管理を行う装置が設置される。各軸流水車発電機の運転の監視状態が取得される。
【0034】
軸流水車発電機22の間に、障害物40(
図1)が存在したような場合にも、有効落差24は、同一の有効落差とされ、同一の有効落差の基づく同一形態の軸流水車発電機22が設置され易いようにされる。同一の有効落差の基づく同一形態で設定された、各軸流水車発電機22の所有権を保持する所有権者2が設定される。全軸流水車発電機の原価は、水車発電設備20、建設コスト及び諸経費が含まれたものとされ、全軸流水車発電機の原価が全軸流水車発電機台数で割った値となる。同一の有効落差が用いられないときには、該当の軸流水車発電機に設定された有効落差に基づいて、各軸流水車発電機の売り出し価格が設定されるようにする。
【0035】
取り纏め企業1、各軸流水車発電機22の所有者及び水利権者3は、それぞれが所有する端末PC15、16、17によってネット接続される。端末PC16は、各軸流水車発電機に発電された電力量を計測する計測手段からの計測発電量、計測発電量に基づいた売電価12を端末PC15に送信する。これらの発電及び売電情報は、端末PC17に送信される。
【0036】
図2に示されるように、
・同一有効落差、同一形態の軸流水車発電機に採用
・同一条件下で所有権設定、取得
・所有条件・同一
・同一の発電電力量取得
・同一の売電価取得
がなされる。
【0037】
各軸流水車発電機には電力計測用の計測装置が設置され、電力が計測される。通常の場合、同一有効落差、同一形態の軸流水車発電機が採用されているので同一の発電電力量が取得される。効率ηに変化を来したような時に発電電力量に変化を来すことがあり得る。このために、電力計測用に計測装置は、個別に設置するとする。所有者の合意によってトータル発電量を平均化したデータが採用されるとしたときには、平均された計測電力量が採用される。したがってここでいう同一の発電電力量とは、同一有効落差、同一形態の軸流水車発電機で生成された電力量をいう。
【0038】
図3は、本発明の実施例の概略をブロックで示した図である。
【0039】
図3において、軸流水車発電機の管理装置100は、取りまとめ企業1の端末PC(パソコン)内に形成され、入力手段41、演算処理手段42、出力手段43、記憶手段44、画面表示手段45及びこれらを接続する通信回線46を備える。画面表示手段45は、画面45Aを備える。軸流水車発電機の管理装置100は、各軸流水車発電機の管理データを取扱い、管理データを出力する。
【0040】
軸流水車発電機の管理装置100には、端末PC16(47,48)及び端末PC17(49)が接続される。端末PC16(47、48)には、それぞれの軸流水車発電機に取り付けた計測装置が計測した電力が送信され、端末PC47、48で、計測電力量とされ、単価売電価が掛け算されて売電価が計算される。この売電価に契約で定めた分配率が掛け算され、分配売電価が計算される。また、端末PC47、48には、計測装置を含めた軸流水車発電機の運転状態が取り込まれ、健全性が判定された健全性報告が形成される。端末PC17(49)は、各軸流水車発電機からの分配売電価を取り込み、自らも検証して、水利利用金を計算し、入金状態を確認する。
【0041】
入力手段41は、それぞれの端末PC16からのデータを計測電力量、売電価として入力する。
【0042】
演算処理手段42は、計測電力量並びに売電価を取得し、自らも計算してこれらのデータを検証し、すべての軸流水車発電機についての計測電力量とトータルの売電価を計算する。また、すべての軸流水車発電機の健全性報告を取り込んで水車発電設備の運転状態の監視を行う。
【0043】
演算処理手段42は、また契約に基づいた分配率を用いて個々の売電価及びトータルの売電価から水利権者3に支払われる分配売電価を計算し、確認する。
【0044】
演算処理手段42は、また所有者に変更があった時に、変更された所有者の登録と該所有者に対する管理サービスを提供する。
【0045】
出力手段43は、演算処理結果に基づき、軸流水車発電機の健全性を外部に報告し、確認された分配売電価を外部に報告すると共に、画面表示手段45の画面45Aにこれらの情報を伝える。
【0046】
記憶手段44は、軸流水車発電機ごとに設定された所有権を保持する所有権者、水利権者及び契約による売電価の分配率を記録する。記憶手段44は、また演算処理された結果を記録する。
【0047】
画面表示手段45は、上述したように軸流水車発電機ごとに取得された健全性を示す情報を画面45Aに表示する。確認された分配売電価の支払い状態が画面45Aに表示され、水車発電設備全体の運転状態が監視され、健全性が視認される。
【0048】
現在の1000Kw以上の発電能力を持つ水車発電設備では、
図4に示されるようにダムから複数本の導水管を配置し、同じ有効落差を持つ水車発電機に通水している。この方式は、大きな電力を得るのに適しているが、少ない水量を水源とする場合には、多額の建設コストを要することから適していない。少ない水量を水源とする場合に、導水管に一つあるいは2つの水車発電機を設置して発電電力を得ることが考えられるが、事業者にとって資金回収面で魅力がなく、建設がなされなかった。
【0049】
本実施例では、流水の流れと平行に配置された主軸に取り付けられたプロペラ形状の羽根の回転力により発電を行う軸流水車発電機が1本の導水管に複数台直列に設けられ、複数台の前記軸流水車発電機には、単位時間当たり同水量が流れ込み、前記軸流水車発電機間は、有効落差が互いに等しくなるようにされ、各軸流水車発電機に発電された電力量を計測する計測手段が附属され、各計測手段が計測した電力量を取得するように構成された水車発電設備の各軸流水車発電機の所有権設定方法を採用する。この際に、
端末PCが用いられる。有効落差に基づき、かつ同一形態で設定された軸流水車発電機ごとに所有権を保持する所有権者が設定されたときに、該端末PCの演算処理手段によって、有効落差に基づき、かつ同一形態で軸流水車発電機ごと設定された、各軸流水車発電機の所有権を保持する所有権者が取得され、該所有権者が軸流水車発電機ごとに記憶手段に格納される。
【0050】
有効落差に基づき、かつ同一形態で設定された軸流水車発電機の所有者ごとに計測された発電電力量が取得され、該発電電力量に基づく売電価が軸流水車発電機ごと取得される。
【0051】
このようにして、水車発電設備の各軸流水車発電機の所有権設定方法及び発電方法が形成される。
【0052】
有効落差を所有権価値に関連付け、投資家(A)、(B)、(C)にとって価値が視認できることで魅力あるものとなる。
【0053】
事業開始時は、取りまとめ企業1が開発水源の調査、水利権利用の確保、地方自治体との調整、建設をおこない、完成した水力発電設備を複数の投資家に分割して所有権を販売し、初期投資資金を回収する。購入した複数の投資家は、自己が所有する水力発電設備が発電した電力を地域電力会社へ固定買取制度を活用して売電し、初期投資に対する資金回収を行う。小型水力発電設備は、水量の影響を受け、発電された電気の周波数が変化する。売電を行う際に、周波数を安定させ、地域電力会社が求める周波数に変換し、地域電力会社の電力網に接続する。最終的に売電された電力を水力発電機ごとに積算するシステムとする。
【0054】
一つの水源から1本の導水管でつながった水力発電設備を複数の投資家が所有することが出来るようにすることで、一般市民でも小さな投資で再生ネルギーによる発電システムへの参加が可能になる。このビジネスシステムの構築には、投資に対して投資家に対してのリターン、すなわち売電が公平に、視認出来るようになされる。
【0055】
1台の水車発電機の出力Pは、流量をQ,有効落差をH、水車効率をηとすると、
P=Q×H×η
で表される。
【0056】
水車発電機を同じ設計で製作すれば、水車効率ηは同じになり、1本の導水管からの水で発電を行うので、導水管を流れる流量Qは同じになる。
【0057】
複数台の水車発電機の有効落差Hを同じにすることで、Q×H×ηの値は同値となり、各発電機とも同じ出力Pとすることが出来る。
【0058】
有効落差が同じとするため、導水管をすべての場所で同じ傾斜であることが必要とされない。発電に寄与する落差、すなわち有効落差を同じにすることで、
図1に示されるように導水管の途中で傾斜する部分があっても発電機間の有効落差は、同一になる。
【0059】
このため、本実施例では、流水の流れと平行に配置された主軸に取り付けられたプロペラ形状の羽根の回転力により発電を行う軸流水車発電機が1本の導水管に複数台直列に設けられ、複数台の前記軸流水車発電機には、単位時間当たり同水量が流れ込み、前記軸流水車発電機間は、有効落差が互いに等しくなるように設定され得る水車発電設備による発電方法であって、
前記軸流水車発電機間に同一有効落差が設定され、かつ同一形態で設定された軸流水車発電機で発電することを特徴とする水車発電設備による発電方法が採用される。
【0060】
また、同一有効落差に基づき、かつ同一形態で軸流水車発電機ごと設定された、各軸流水車発電機の所有権を保持する所有権者情報が取得され、該所有権者情報が軸流水車発電機ごとに記憶手段に格納され、
同一有効落差に基づき、かつ同一形態で設定された軸流水車発電機の所有者ごとに計測された同一の発電電力量が取得され、該発電電力量に基づく売電価が軸流水車発電機ごと取得される水車発電設備による発電方法が採用される。
【0061】
これによって、投資家に対して複数台の水車発電機の所有権を分割して複数の投資家に販売するに際して、1台の水車発電機の発電能力に差が生じないので、公平に所有権を配分することが出来、各所有権者は、それぞれ軸流水車発電機を所有し、所有権内容が明確である
太陽光発電ではエネルギー源に所有者はいないが、水源の水には水利権が設けられていることが多い。したがって水力発電設備を所有する投資家は、売電して得られた収益から水利権を持つ水利権者、例えば自治体や地域機関へ一定の割合で水の使用料金を支払うことが求められる。
【0062】
本実施例によれば、次に示される態様が提案されることになる。水車発電設備及び水車発電方法が、次に示す態様で構成される。
【0063】
・流水の流れと平行に配置された主軸に取り付けられたプロペラ形状の羽根の回転力により発電を行う軸流水車発電機が1本の導水管に複数台直列に設けられ、複数台の前記軸流水車発電機には、単位時間当たり同水量が流れ込み、前記軸流水車発電機間は、有効落差が互いに等しくなるようにされ、各軸流水車発電機に発電された電力量を計測する計測手段が附属され、各計測手段が計測した電力量を取得するように構成され、軸流水車発電機ごとに端末PCが備えられ、該端末PCは各軸流水車発電機の管理を行う取りまとめ企業の端末PCに接続され、
各端末PCが、記憶手段、演算処理手段及び画像表示手段を備え、
前記軸流水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの記憶手段に、同一の有効落差の基づく同一形態で設定された、軸流水車発電機ごとに所有権を保持する所有権者が格納され、
前記軸流水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの演算処理手段によって、軸流水車発電機ごとに発電され積算された計測電力量が取得され、所有権者ごとに演算された計測電力量に対応する売電価が取得される。
【0064】
・軸流水車発電機監視装置が、前記取り纏め企業の端末PCに、各軸流水車発電機の運転状態の監視状態を取得するように設置され、各軸流水車発電機の運転状態の監視状態が取得されて、該売電価を含む各軸流水車発電機の運転状態の監視結果が監視可能なようにしてデータとされ、全軸流水車発電機により発電されたトータルの計測電力量が統計され、
前記取り纏め企業の端末PCの画像表示手段に、軸流水車発電機ごとに積算された、発電された計測電力量、所有権者ごとに、積算された計測電力量に対応する売電価、データとされた売電価を含む各軸流水車発電機の運転状態の監視結果及び発電されたトータルの計測電力量が画像表示される。
【0065】
・電力量を計測する計測手段が、軸流水車発電機ごと個別に設置され、軸流水車発電機の所有権者ごと個別に、積算された計測電力量に対応する売電価が演算される。
【0066】
・前記前記軸流水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの記憶手段に、当該水車発電設備が設置された河川の水利権を所有する水利権所有者が格納され、発電された計測電力量に基づく売電価について、契約に基づいて水利権所有者に分配される分配比率が予め格納され、
前記軸流水車発電機ごとに設置された端末PCまたは前記軸流水車発電機ごとに設置された端末PC及び取り纏め企業の端末PCの演算処理手段によって、トータルの計測電力量に対応した売電価が演算され、予め決められた分配比率に基づいて、水利権所有者に分配される分配売電価が演算され、
前記軸流水車発電機ごとの計測電力量に対応した売電価が演算され、予め決められた分配比率に基づいて、水利権所有者に分配される分配売電価が演算され
前記画像表示手段に、水利権所有者に分配される分配売電価が表示される。
【0067】
取りまとめ企業の端末PCに設置された管理装置及び管理方法が、次に示す態様で構成される。
【0068】
・流水の流れと平行に配置された主軸に取り付けられたプロペラ形状の羽根の回転力により発電を行う軸流水車発電機が1本の導水管に複数台直列に設けられ、複数台の前記軸流水車発電機には、単位時間当たり同水量が流れ込み、前記軸流水車発電機間は、有効落差が互いに等しくなるようにされ、各軸流水車発電機に発電された電力量を計測する計測手段が附属され、各計測手段が計測した電力量を取得するように構成され、軸流水車発電機ごとに端末PCが備えられ、該端末PCに接続された各軸流水車発電機を含む水車発電設備の管理を行う、取りまとめ企業の端末PCに設置された管理装置において、
各端末PCが、記憶手段、演算処理手段及び画像表示手段を備え、
前記記憶手段に、同一の有効落差の基づく同一形態で設定された、軸流水車発電機ごとに所有権を保持する所有権者が格納され、
前記軸流水車発電機ごとに設置された端末PCの演算処理手段によって取得された軸流水車発電機ごとに発電され積算された計測電力量及び所有権者ごとに、計測電力量に対応する売電価を取得し、
各軸流水車発電機の運転状態の監視状態を取得して、該売電価を含む各軸流水車発電機の運転状態の監視結果を監視可能なようにしてデータとし、全軸流水車発電機により発電されたトータルの計測電力量を統計し、
予め決められた分配比率に基づいて、水利権所有者に分配される分配売電価を演算する。
【0069】
図5は、同一の有効落差の基づく同一形態で設定された軸流水車発電機21の1例を示す図である。本実施例は、
図5に示す例に限定されない。
【0070】
図5において、導水管21に接続されたケーシング29内に、軸流水車50が設置される。導水管21は、ケーシング29を含めて導水管21と扱うことが出来る。ケーシング29は、外方に膨らんだ形状をなす。この形状のケーシング29内に、軸流水車50が配置される。
【0071】
軸流水車50は、導水管21内を流れる流水と同一方向に配置され、本体51、回転羽根52、回転羽根52に接続された主軸53、主軸53に継手55を介して接続されたギアーBox54、ガイドベーン58及びギアーBox内に配置された一群のギアーからの出力軸に設けられた継手56、及び主軸53を受ける軸受59から構成される継手56を介して発電機61が設置される。ケーシング29は、軸流水車50を保持し、自身は、土台63によって支持される。また、土台63は、発電機61を保持する。
【0072】
本体50とケーシング29との間に流水路60が形成され、この流水路60の下流点に回転羽根52が設けられる。
【0073】
流水が回転羽根52を回転することで生成された回転力は、一群のギアーで方向転換され、発電機61の回転軸を回転させ、電力が生成される。これによって、再生されたエネルギーとなる。このようにして軸流水車発電機22が構成される。
【0074】
このようにして構成された軸流水車発電機22は、
図1、
図2に示される軸流水車発電機22となる。
【0075】
本実施例のように、一つの水源から1本の導水管21に複数の軸流水車発電機22を設置して発電する場合、
図4に示されるような導水管に1個の水車発電機が設置されている場合と異なった運転が必要とされる。1本の導水管に1台の水車発電機が設置されている場合、導水管と水車発電機本体の接触部に流水を完全に遮断可能な閉止バルブが設けられる。このバルブは、水車のメンテナンスや異常な状態の発生時には完全に閉となり、水車発電機内の水は放水口に流すことで点検が可能になる。また、水車発電機の起動時には流水を完全に遮断した状態から徐々にバルブの開度を開き、水車発電機の本体に流水しながら、バルブを全開まで開いて、発電が開始される。
【0076】
図1、
図2に示されるように、1本の導水管21に複数の水車発電機(本例の場合、軸流水車発電機)が直列に配置されている水車発電設備では、一番上流の水車発電機と導水管との間に同じ目的で閉止バルブ28を設置する。
【0077】
このバルブ開閉だけでは水車発電機の運転を開始するとき、上流の水車発電機と下流の水車発電機では流れる水量に差が生じることになるので、水車発電機内を水と空気が入り混じった状態が形成されて羽根の回転が不安定になり、振動の原因となる。
【0078】
安定して、水車発電機の回転を始めるため、最下流の水車発電機の放水口の手前の閉止バルブを設置し、初めにこのバルブを閉め、最上流の閉止バルブを開いて、導水管21と水車発電機内に水を徐々に充満させる。導水管21と水車発電機内の空気をすべて抜き、次に最下流の閉止バルブ28を徐々に開いて、導水管21に流れる水量を増やしながら、複数台の水車発電機の回転羽根52の回転数を増速する。二つの閉止バルブ27,28を全開し、定常の回転速度まで水車発電機の回転を増やし、安定した回転が確認できたら、水車発電機の発電を始める。このように、安定した水車発電機の起動を行うため、少なくとも複数の水車発電機の最上流側と最下流側の水車発電機の放流口側に閉止バルブを設ける。
【0079】
本実施例によれば、有効落差情報に同一の有効落差が用いられ、同一形態各軸流水車発電機が採用され、この形態の軸流水車発電機を軸流水車発電機ごとに所有権を保持する所有権者が設定される。このような設定によって、日本の多くの場所で有効な埋蔵エネルギーとして期待されている河川での開発を多数の投資家の参加を得て、実施できるようになり、河川特有の有効落差を一つの情報として活用し、多数の投資家が公平に参加できるようにすることができる。
【解決手段】水車発電機間に同一有効落差が設定され、かつ同一形態で設定された水車発電機で発電され、同一有効落差に基づき、かつ同一形態で設定された水車発電機ごと設定された、各水車発電機の所有権を保持する所有権者情報が取得され、同一有効落差に基づき、かつ同一形態で設定された水車発電機の所有者ごとに、計測された同一の発電電力量が取得され、該発電電力量に基づく同一の売電価が取得される。