特許第5895715号(P5895715)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5895715チオエーテル含有ウレア誘導体、およびその用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5895715
(24)【登録日】2016年3月11日
(45)【発行日】2016年3月30日
(54)【発明の名称】チオエーテル含有ウレア誘導体、およびその用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 231/12 20060101AFI20160317BHJP
   C09D 7/12 20060101ALI20160317BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20160317BHJP
【FI】
   C07D231/12 ZCSP
   C09D7/12
   C09D201/00
【請求項の数】3
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-125806(P2012-125806)
(22)【出願日】2012年6月1日
(65)【公開番号】特開2013-249282(P2013-249282A)
(43)【公開日】2013年12月12日
【審査請求日】2015年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田上 安宣
(72)【発明者】
【氏名】藤村 俊伸
(72)【発明者】
【氏名】幸田 一洋
【審査官】 瀬下 浩一
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 231/12
C09D 7/12
C09D 201/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表されるチオエーテル含有ウレア誘導体。
【化1】

(式中のmは1または2である。RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜7のアシロキシ基である。Rは下記式(2)または下記式(3)で表される2価の基である。Rは水素、または炭素数が1〜18の炭化水素基、または炭素数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素数が2〜5の炭化水素基である。)
【化2】

(Rは水素原子またはメチル基であり、Rは−CO−あるいは−COOR−である(Rは炭素数1〜6のアルキレン基である)。)
【化3】

(Rは水素原子またはメチル基であり、Rは−CO−あるいは−COOR−である(Rは炭素数1〜6のアルキレン基である)。)
【請求項2】
下記式(4)で表される(メタ)アクリレートと下記式(5)で表されるチオール化合物とを反応させてなる、請求項1に記載のチオエーテル含有ウレア誘導体。
【化4】

(式中のRおよびRはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜7のアシロキシ基である。Rは水素原子またはメチル基であり、Rは−CO−あるいは−COOR−である(Rは炭素数1〜6のアルキレン基である)。)
【化5】

(式中のmは1または2である。Rは水素、または炭素数が1〜18の炭化水素基、または炭素数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素数が2〜5の炭化水素基である。)
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のチオエーテル含有ウレア誘導体を有効成分とする密着性向上剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密着性向上剤等に好適に用いられる新規なチオエーテル含有ウレア誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種塗料をガラス等の無機基材に塗工する際に、密着性を向上させる目的でシランカップリング剤等の密着性向上剤が塗料に添加されている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、シランカップリング剤は加熱すると分解するため、量産ラインで使用すると、オーブン等の加熱炉に酸化ケイ素が析出し汚染の原因となることが問題となっている。また、シランカップリング剤は密着性向上効果も充分とは言えず、例えばチタン、ジルコニウム等の塩や、イミダゾール等のアミン、リン酸エステル、ウレタン樹脂等の密着性助剤も同時に添加することによって初めて密着性を達成できる場合も多かった。密着性助剤の添加は、製造工数増大やコスト増大につながるだけではなく、密着性助剤を添加することによって、塗料の耐熱性や硬度が低下するといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−300491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記実状に鑑みて成し遂げられたものであり、その目的は、密着性向上効果に優れるチオエーテル含有ウレア誘導体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは前記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有するチオエーテル含有ウレア誘導体が優れた密着性向上効果を有することを見出し発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の〔1〕から〔3〕である。
【0006】
〔1〕下記式(1)で表されるチオエーテル含有ウレア誘導体
【化1】

(式中のmは1または2である。RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜7のアシロキシ基である。Rは下記式(2)または下記式(3)で表される2価の基である。Rは水素、または炭素数が1〜18の炭化水素基、または炭素数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素数が2〜5の炭化水素基である。)
【化2】

(Rは水素原子またはメチル基であり、Rは−CO−あるいは−COOR−である(Rは炭素数1〜6のアルキレン基である)。)
【化3】

(Rは水素原子またはメチル基であり、Rは−CO−あるいは−COOR−である(Rは炭素数1〜6のアルキレン基である)。)
【0007】
〔2〕下記式(4)で表される(メタ)アクリレートと下記式(5)で表されるチオール化合物とを反応させてなる、請求項1に記載のチオエーテル含有ウレア誘導体。なお、本明細書では、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを指し、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基及びメタクリロイル基を指す。
【化4】

(式中のRおよびRはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜7のアシロキシ基である。Rは水素原子またはメチル基であり、Rは−CO−あるいは−COOR−である(Rは炭素数1〜6のアルキレン基である)。)
【化5】

(式中のmは1または2である。Rは水素、または炭素数が1〜18の炭化水素基、または炭素数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素数が2〜5の炭化水素基である。)
【0008】
〔3〕〔1〕または〔2〕に記載のチオエーテル含有ウレア誘導体を有効成分とする密着性向上剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明のチオエーテル含有ウレア誘導体は、優れた密着性向上効果を有しており、塗料に例えば0.1〜10重量%という比較的少量添加することで、密着性助剤の添加を必要とすることなく塗料に高い密着性を付与することが可能である。上述の密着性向上効果は、ウレア構造とチオエーテル基が1分子内に共存することによって初めて効果を発揮する。ウレア構造が基材と引き合うため、結果としてチオエーテル基と基材との距離が近くなり、チオエーテル基と基材との化学的な結合を形成しやすくなるために、上述の密着性向上効果が得られるものと考えている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1−1で得られた化合物のIRスペクトルを示すチャートである。
図2】実施例1−2で得られた化合物のIRスペクトルを示すチャートである。
図3】実施例1−3で得られた化合物のIRスペクトルを示すチャートである。
図4】実施例1−4で得られた化合物のIRスペクトルを示すチャートである。
図5】実施例1−5で得られた化合物のIRスペクトルを示すチャートである。
図6】実施例1−1で得られた化合物の核磁気共鳴スペクトルを示すチャートである。
図7】実施例1−2で得られた化合物の核磁気共鳴スペクトルを示すチャートである。
図8】実施例1−3で得られた化合物の核磁気共鳴スペクトルを示すチャートである。
図9】実施例1−4で得られた化合物の核磁気共鳴スペクトルを示すチャートである。
図10】実施例1−5で得られた化合物の核磁気共鳴スペクトルを示すチャートである。
図11】密着性評価用の試験片の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
<チオエーテル含有ウレア誘導体>
本実施形態のチオエーテル含有ウレア誘導体は、下記式(1)で表される化合物である。
【化6】

(式中のmは1または2である。RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜7のアシロキシ基である。Rは下記式(2)または下記式(3)で表される2価の基である。Rは水素、または炭素数が1〜18の炭化水素基、または炭素数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素数が2〜5の炭化水素基である。)
【化7】

(Rは水素原子またはメチル基であり、Rは−CO−あるいは−COOR−である(Rは炭素数1〜6のアルキレン基である)。)
【化8】

(Rは水素原子またはメチル基であり、Rは−CO−あるいは−COOR−である(Rは炭素数1〜6のアルキレン基である)。)
式(1)で示されるチオエーテル含有ウレア誘導体の具体例(具体的名称)を挙げてください。その中で特に好ましいものがあれば、その旨と理由を記載してください。
【0012】
上記式(1)中のRは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数が1〜6のアルキル基としては、直鎖のアルキル基、側鎖を持つアルキル基、環状のアルキル基が挙げられる。直鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ヘキシル基などが挙げられ、側鎖をもつアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基などが挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロブチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。塗料との相溶性が良いことから、水素原子あるいは炭素数1〜4の直鎖のアルキル基が特に好ましい。
【0013】
上記式(1)中のRは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数が1〜6のアルキル基としては、直鎖のアルキル基、側鎖を持つアルキル基、環状のアルキル基が挙げられる。直鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ヘキシル基などが挙げられ、側鎖をもつアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基などが挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロブチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。塗料との相溶性が良いことから、水素原子あるいは炭素数1〜4の直鎖のアルキル基が特に好ましい。
【0014】
上記式(2)および(3)中のRは、炭素数が1〜6のアルキレン基である。炭素数が1〜6のアルキレン基としては、直鎖のアルキレン基、側鎖を持つアルキレン基、環状のアルキレン基が挙げられる。密着性向上効果が高くなることから、炭素数1〜4の直鎖のアルキレン基が特に好ましい。
【0015】
上記式(1)中のR4は、水素、または炭素数が1〜18の炭化水素基、または炭素数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素数が2〜5の炭化水素基である。炭素数が1〜18の炭化水素基であるものとしては、直鎖の炭化水素基、側鎖をもつ炭化水素基、環状の炭化水素基などが挙げられる。直鎖の炭化水素基には、飽和の炭素結合のみからなる炭化水素基(直鎖のアルキル基)と不飽和の炭素結合をもつ炭化水素基があり、直鎖の飽和の炭素結合をのみからなる炭化水素基としては、メチル基、ブチル基、オクチル基、オクタデシル基などが挙げられ、直鎖の不飽和の炭素結合をもつものとしては、ビニル基、アリル基、パルミトレイル基などが挙げられる。側鎖をもつ炭化水素基には、飽和の炭素結合のみからなる炭化水素基(側鎖を持つのアルキル基)と不飽和の炭素結合をもつ炭化水素基があり、側鎖を持つ飽和の炭素結合のみからなる炭化水素としては、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、側鎖を持つ不飽和の炭素結合をもつ炭化水素基としては、イソプロペニル基などが挙げられる。環状の炭化水素基には、飽和結合のみからなる炭化水素基(環状のアルキル基)と不飽和結合をもつ炭化水素基があり、環状の飽和結合のみからなる炭化水素基としてシクロヘキシル基やシクロプロピルメチル基などが挙げられる。環状の不飽和結合をもつ炭化水素基としては、フェニル基やベンジル基などが挙げられる。
【0016】
また、炭素数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素数が1〜4の炭化水素基としては、飽和の炭素結合のみからなる炭化水素基がアルコキシ基に置換されたものと不飽和の炭素結合がアルコキシ基に置換されたものがある。飽和の炭素結合のみからなる炭化水素基がアルコキシ基に置換されたものとしては、メトキシメチル基、プロポキシメチル基、メトキシブチル基、プロポキシペンチル基などが挙げられる。不飽和の炭素結合をもつ炭化水素基がアルコキシ基に置換されたものとしては、メトキシアリル基やビニロキシアリル基などが挙げられる。チオエーテル含有ウレア誘導体を配合した塗料の保存安定性が良くなることから、炭素数が1〜18のアルキル基、または炭素数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素数が2〜5のアルキル基が好ましい。
【0017】
上記式(1)で示されるチオエーテル含有ウレア誘導体として、3−[3−[2−(3,5−ジメチルピラゾール−1−カルボニル)アミノ]エトキシ]−2−メチル−3−オキソ−プロピル]サルファニルプロパノイックアシッド、2−[(3,5-ジメチルピラゾール−1−カルボニル)アミノ]エチル3−(3−メトキシ−3−オキシ−プロピルサルファニル−2−メチルプロパノート、2−[(3,5-ジメチルピラゾール−1−カルボニル)アミノ]エチル3−(3−(2―エチルヘキソキシ)−3−オキシ−プロピルサルファニル−2−メチルプロパノート、2−[(3,5-ジメチルピラゾール−1−カルボニル)アミノ]エチル3−(3−オクタデコキシ−3−オキシ−プロピルサルファニル−2−メチルプロパノートなどが好ましい例として挙げられる。
【0018】
<チオエーテル含有ウレア誘導体の製造方法>
前記式(1)で表されるチオエーテル含有ウレア誘導体は、例えば下記式(4)で表されるように(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以降、A成分という)と、下記式(5)で表されるチオール基(−SH)を有するチオール化合物(以降、B成分という)とを反応させることによって得ることができる。
【化9】

(式中のRおよびRはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜7のアシロキシ基である。Rは水素原子またはメチル基であり、Rは−CO−あるいは−COOR−である(Rは炭素数1〜6のアルキレン基である)。)
【化10】

(式中のmは1または2である。Rは水素、または炭素数が1〜18の炭化水素基、または炭素数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素数が2〜5の炭化水素基である。)
【0019】
上記式(4)中のRは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数が1〜6のアルキル基としては、直鎖のアルキル基、側鎖を持つアルキル基、環状のアルキル基が挙げられる。直鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ヘキシル基などが挙げられ、側鎖をもつアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基などが挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロブチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。反応後に得られるチオエーテル含有ウレア誘導体と塗料との相溶性が良くなることから、水素原子あるいは炭素数1〜4の直鎖のアルキル基が特に好ましい。
【0020】
上記式(4)中のRは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数が1〜6のアルキル基としては、直鎖のアルキル基、側鎖を持つアルキル基、環状のアルキル基が挙げられる。直鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ヘキシル基などが挙げられ、側鎖をもつアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基などが挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロブチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。反応後に得られるチオエーテル含有ウレア誘導体と塗料との相溶性が良くなることから、水素原子あるいは炭素数1〜4の直鎖のアルキル基が特に好ましい。
【0021】
上記式(4)のRは、炭素数が1〜6のアルキレン基である。炭素数が1〜6のアルキレン基としては、直鎖のアルキレン基、側鎖を持つアルキレン基、環状のアルキレン基が挙げられる。反応後に得られるチオエーテル含有ウレア誘導体を配合した塗料の保存安定性が良くなることから、炭素数1〜4の直鎖のアルキレン基が特に好ましい。
【0022】
上記式(4)で表されるA成分として、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルアクリレート、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]メチルメタクリレート、2-(ピラゾリルカルボニルアミノ)エチルメタクリレートなどが好ましく挙げられる。
【0023】
上記式(5)中のR4は、水素、または炭素数が1〜18の炭化水素基、または炭素数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素数が2〜5の炭化水素基である。炭素数が1〜18の炭化水素基であるものとしては、直鎖の炭化水素基、側鎖をもつ炭化水素基、環状の炭化水素基などが挙げられる。直鎖の炭化水素基には、飽和の炭素結合のみからなる炭化水素基(直鎖のアルキル基)と不飽和の炭素結合をもつ炭化水素基があり、直鎖の飽和の炭素結合をのみからなる炭化水素基としては、メチル基、ブチル基、オクチル基、オクタデシル基などが挙げられ、直鎖の不飽和の炭素結合をもつものとしては、ビニル基、アリル基、パルミトレイル基などが挙げられる。側鎖をもつ炭化水素基には、飽和の炭素結合のみからなる炭化水素基(側鎖を持つのアルキル基)と不飽和の炭素結合をもつ炭化水素基があり、側鎖を持つ飽和の炭素結合のみからなる炭化水素としては、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、側鎖を持つ不飽和の炭素結合をもつ炭化水素基としては、イソプロペニル基などが挙げられる。環状の炭化水素基には、飽和結合のみからなる炭化水素基(環状のアルキル基)と不飽和結合をもつ炭化水素基があり、環状の飽和結合のみからなる炭化水素基としてシクロヘキシル基やシクロプロピルメチル基などが挙げられる。環状の不飽和結合をもつ炭化水素基としては、フェニル基やベンジル基などが挙げられる。
また、炭素数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素数が1〜4の炭化水素基としては、飽和の炭素結合のみからなる炭化水素基がアルコキシ基に置換されたものと不飽和の炭素結合がアルコキシ基に置換されたものがある。飽和の炭素結合のみからなる炭化水素基がアルコキシ基に置換されたものとしては、メトキシメチル基、プロポキシメチル基、メトキシブチル基、プロポキシペンチル基などが挙げられる。不飽和の炭素結合をもつ炭化水素基がアルコキシ基に置換されたものとしては、メトキシアリル基やビニロキシアリル基などが挙げられる。反応後に得られるチオエーテル含有ウレア誘導体を配合した塗料の保存安定性が良くなることから、炭素数が1〜18のアルキル基、または炭素数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素数が2〜5のアルキル基が好ましい。
【0024】
上記式(5)で表されるチオール化合物として、例えば、m=1のものとしては、チオグリコール酸、メチルチオグリコール酸、ブチルチオグリコール酸、オクチルグリコール酸、オクタデシルチオグリコール酸、2−エチルヘキシルチオグリコール酸、メトキシメチルチオグリコール酸、プロポキシメチルチオグリコール酸、メトキシブチルチオグリコール酸、プロポキシブチルグリコール酸などである。m=2のものとしては、メルカプトプロピオン酸、メチル−3−メルカプトプロピオネート、ブチル−3−メルカプトプロピオネート、オクチル−3−メルカプトプロピオネート、オクタデシル−3−メルカプトプロピオネート、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート、メトキシメチル−3−メルカプトプロピオネート、プロポキシメチル−3−メルカプトプロピオネート、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート、プロポキシブチル−3−メルカプトプロピオネートなどである。上記式(5)で表される化合物のうち、m=2のチオール化合物が2重結合との反応性を制御しやすいために好ましい。
【0025】
チオエーテル含有ウレア誘導体の製造方法においては、5℃以上の温度で反応させることができるが、5時間以内といった短時間で反応させるためには、60〜80℃で反応させることがより好ましい。塩基触媒やラジカル発生剤を添加すれば、より短時間で高収率にて反応させることができる。
【0026】
塩基性触媒としては、アミン系の塩基性触媒が好ましく、一級、二級あるいは三級のアミン類、もしくはイミダゾール系化合物が使用できる。例えば一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等が挙げられる。二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等が挙げられる。三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8−ジアザビシクロ [5.4.0]ウンデカ−アミノメチル)フェノール等が挙げられる。イミダゾール系化合物としては、例えば1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メチル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾール等のアルキル誘導体、1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチルー5(4)−アミノイミダゾール等のニトロおよびアミノ誘導体、ベンゾイミダゾール、1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチル−ベンジルベンゾイミダゾール等が挙げられる。
【0027】
ラジカル発生剤としては、過酸化物もしくはアゾ化合物が好ましい。過酸化物として、例えば、過酸化ジベンゾイル、tert-ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート、ジラウロイルペルオキシドなどが挙げられる。アゾ化合物としては、例えばアゾビス(イソ−ブチロニトリル)や2、2‘−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)などが挙げられる。
【0028】
チオエーテル含有ウレア誘導体の製造方法においては、無溶剤でも反応を進行させることができるが、低温で反応させる場合など、粘度を下げたい場合には溶剤を加えて反応させることもできる。その際には、(メタ)アクリロキシ基の炭素−炭素2重結合やチオール基と反応しない溶剤、例えばアルコール類、ケトン類、エステル類が好ましい。
【0029】
溶剤として用いられるアルコール類は炭素−炭素2重結合やチオール基と反応する、炭素−炭素2重結合、チオール基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、スルホニル基、ニトリル基、ハロゲン原子等の官能基を含んではならない。上記の官能基を含まないアルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ターシャリーブタノール、ヘキサノール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールのアルキルエーテルやエステル等が挙げられる。なかでも、好ましくは、沸点が80℃以上のアルコール類が反応温度を高く保てるために好ましい。
【0030】
溶剤として用いられるケトン類は炭素−炭素2重結合やチオール基と反応する、炭素−炭素2重結合、チオール基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、スルホニル基、ニトリル基、ハロゲン原子等の官能基を含んではならない。上記の官能基を含まないケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン等が挙げられる。なかでも、好ましくは、沸点が80℃以上のケトン類が反応温度を高く保てるために好ましい。
【0031】
溶剤として用いられるエステル類は炭素−炭素2重結合やチオール基と反応する、炭素−炭素2重結合、チオール基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、スルホニル基、ニトリル基、ハロゲン原子等の官能基を含んではならない。上記の官能基を含まないケトン類としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル、プロピレングリコールアセテート等が挙げられる。なかでも、好ましくは、沸点が80℃以上のエステル類が反応温度を高く保てるために好ましい。
【0032】
A成分とB成分との2成分は、A成分の(メタ)アクリロイル基と、B成分のチオール基とが下記式(6)で表される反応式で反応する。なお、Xは水素原子またはメチル基、YはA成分の(メタ)アクリロイル基の2重結合に結合するX以外の残基を表し、ZはB成分のチオール基に結合する残基を表す。
【化11】
【0033】
式(6)に示すように、A成分の(メタ)アクリロイル基の2重結合を形成する2つの炭素のどちらもチオール基のSと結合する。2つの生成物の生成比率は反応条件により異なり、例えば本反応の触媒にアミンなどの塩基触媒を反応系に添加した場合には、生成物(1)が多く生成し、ラジカル発生剤を反応系に添加した場合には生成物(2)が多く生成する傾向にある。多くの場合、製造後のチオエーテル含有ウレア誘導体は生成物(1)と(2)の混合物となっている。
【0034】
<密着性向上剤>
本発明のチオエーテル含有ウレア誘導体を配合した塗料は無機基材と有機材料の両方に対して高い密着性を有している。この密着性向上効果は、本発明のチオエーテル含有ウレア誘導体のチオエーテル基に起因している。したがって、チオエーテル基と化学的な結合を形成する(化学的な親和力の高い)基材、例えば、遷移金属あるいはその合金や珪素化合物、リン化合物、硫黄化合物、ホウ素化合物、不飽和結合(芳香環を含む)を有する有機物、水酸基やカルボキシル基を有する有機物、プラズマやUVオゾン処理された有機物等への密着性向上効果に優れる。上記の無機基材としては、ガラス、シリコン、各種金属などが挙げられる。有機基材として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ABS樹脂、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、ポリアセタールなどが好ましく挙げられる。
【0035】
チオエーテル含有ウレア誘導体を有効成分とする密着性向上剤は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアセチレンなどの二重結合を有する化合物等に配合することによって、高い密着性向上効果を発揮することができる。チオエーテル含有ウレア誘導体を有効成分とする密着性向上剤は、有効成分として樹脂に対し好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.1〜10質量%添加すると高い密着性を発揮することができる。
【実施例】
【0036】
以下に、本発明の実施例について具体的に説明する。本実施例で用いた試薬は次の通りである。各チオールの25℃における粘度は東機産業(株)製のR型粘度計を用いて測定した。
【0037】
<ブロック化イソシアネート:A成分>
(A−1)
2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート。その構造を下記に示す。
【化12】
【0038】
<チオール化合物:B成分>
(B−1)
β-メルカプトプロピオン酸(粘度8.4mPa・s)。その構造を下記式に示す。
【化13】
【0039】
(B−2)
メチル-3-メルカプトプロピオネート(粘度1.5mPa・s)。その構造を下記式に示す。
【化14】
【0040】
(B−3)
2−エチルヘキシル−3メルカプトプロピオネート(粘度3.7mPa・s)。その構造を下記式に示す。
【化15】
【0041】
(B−4)
メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート(粘度3.6mPa・s)。その構造を下記式に示す。
【化16】
【0042】
(B−5)
ステアリル−3−メルカプトプロピオネート(常温固体)。その構造を下記式に示す。
【化17】
【0043】
セパラブルの4つ口フラスコに撹拌羽、温度計および還流管を備え、内部を窒素雰囲気にした。この4つ口フラスコに、表1に示す量のB成分をしこみ、90℃の条件下で表1に示す量のA成分を0.14g/minの速度で滴下した。滴下後、さらに90℃で4時間反応させ、実施例1−1〜1−5を得た。実施例1−1〜1−4の25℃における粘度と実施例1−5の40℃における粘度を表1に示す。なお、粘度は東機産業(株)製のR型粘度計を用いて測定した。
【0044】
【表1】
【0045】
<赤外線吸収スペクトル分析(IR)>
得られた実施例1−1〜1−5について、下記条件にて赤外線吸収スペクトル分析を行った。その結果を図1〜5に示すと共に、代表的なIRピークを以下に示す。
機種;日本分光(株)製 FT/IR-600
セル;KBr上に展開、分解;4cm−1、積算回数;32回
【0046】
実施例1−1(結果I1)
3352cm−1:25%T、2931cm−1:26%T、1730cm−1:51%T、1520cm−1:47%T、1415cm−1:29%T、1377cm−1:31%T、1346cm−1:58%T、1167cm−1:36%T、1030cm−1:19%T、970cm−1:15%T、800cm−1:12%T、756cm−1:19%T
【0047】
実施例1−2(結果I2)
3392cm−1:17%T、2952cm−1:19%T、1732cm−1:63%T、1574cm−1:16%T、1518cm−1:56%T、1493cm−1:29%T、1375cm−1:28%T、1346cm−1:48%T、1167cm−1:39%T、1030cm−1:20%T、970cm−1:19%T、756cm−1:14%T
【0048】
実施例1−3(結果I3)
3394cm−1:10%T、2958cm−1:27%T、2931cm−1:28%T、1732cm−1:53%T、1574cm−1:10%T、1518cm−1:43%T、1462cm−1:21%T、1377cm−1:21%T、1346cm−1:36%T、1169cm−1:29%T、1028cm−1:15%T、970cm−1:14%T、756cm−1:8%T
【0049】
実施例1−4(結果I4)
3394cm−1:15%T、2972cm−1:36%T、2931cm−1:31%T、2823cm−1:15%T、1732cm−1:76%T、1574cm−1:16%T、1518cm−1:62%T、1462cm−1:32%T、1375cm−1:41%T、1346cm−1:56%T、1250cm−1:42%T、1159cm−1:52%T、1084cm−1:38%T、1030cm−1:27%T、970cm−1:23%T、758cm−1:11%T
【0050】
実施例1−5(結果I5)
3396cm−1:10%T、2925cm−1:44%T、2854cm−1:30%T、1730cm−1:49%T、1518cm−1:43%T、1464cm−1:20%T、1375cm−1:19%T、1346cm−1:35%T、1167cm−1:26%T、1028cm−1:22%T、968cm−1:12%T、771cm−1:7%T
【0051】
上記赤外線吸収スペクトル分析の結果からも明らかなように、C=Cに由来する1600〜1700cm−1のピークが観測されないことから、A−1がそれぞれB−1〜B−5と反応していることがわかる。
【0052】
<核磁気共鳴スペクトル分析(NMR)>
また、実施例1−1〜1−5について、下記条件にて核磁気共鳴スペクトル分析を行った。その結果を図6〜10に示すと共に、各NMRスペクトルにおけるピークの帰属を下記に示す。
機種;日本ブルカー(株)製、400MHz−Advance400、
条件;積算回数16回
溶媒;重クロロホルム
規準ピーク:TMS
【0053】
実施例1−1(結果N1)
【化18】

a:2.1〜2.2ppm、b、c、d、e:2.6〜2.9ppm、f:1.2〜1.3ppm、g:4.1〜4.3ppm、h:3.6〜3.8ppm、i:8.0〜8.1ppm、j、l:2.5〜2.6ppm、k:5.9〜6.0ppm
【0054】
実施例1−2(結果N2)
【化19】

a:3.6〜3.7ppm、b、c、d、e:2.6〜2.9ppm、f:1.2〜1.3ppm、g:4.2〜4.3ppm、h:3.5〜3.5ppm、i:8.0〜8.1ppm、j、l:2.5〜2.6ppm、k:5.9〜6.0ppm
【0055】
実施例3(結果N3)
【化20】

a、e:0.9〜1.0ppm、b、c、d、f、g:1.0〜1.6ppm、h:4.2〜4.3ppm、i、j、k、l:2.6〜3.0ppm、m:1.0〜1.2ppm、n:4.2〜4.3ppm、o:3.6〜3.8ppm、p:8.0〜8.1ppm、q、s:2.5〜2.6ppm、r:5.9〜6.0ppm
【0056】
実施例1−4(結果N4)
【化21】

a:3.2〜3.3ppm、b:1.2〜1.3ppm、c:3.3〜3.4ppm、d:1.6〜1.8ppm、e:4.1〜4.2ppm、f、j:1.1〜1.2ppm、g、h、i:2.6〜2.9ppm、k:4.2〜4.3ppm、l:3.6〜3.7ppm、m:8.0〜8.1ppm、n、p:2.5〜2.6ppm、o:5.8〜5.9ppm、
【0057】
実施例1−5(結果N5)
【化22】

a:0.8〜0.9ppm、b、f、i:1.2〜1.4 ppm、c:1.5〜1.7 ppm、d、j:4.0〜4.3、f、g、h:3.6〜4.0 ppm、k:3.6〜3.7ppm、 l:8.0〜8.1ppm、 m、o:3.5〜3.6ppm、n:5.9〜6.0ppm
【0058】
図6〜10及び上記の結果より、CH=Cに由来する5.5〜6.5ppmのピークが観測されないことから、A−1がそれぞれB−1〜B−5と反応していることが分る。
【0059】
<密着性評価>
次に、上記実施例1−1〜1−5を用いて密着性を評価した。さらに、比較例として反応前の上記A−1のみを用いた場合、反応前の上記B−1のみを使用した場合、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランをB−2に反応させることで得た生成物(C−1)、及び密着性向上剤未使用の場合について密着性を評価した。C−1の構造式を下記式に示す。
【0060】
(C−1)
【化23】
【0061】
密着性の評価対象としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂〔東都化成(株)製、YDPN638〕を使用した。当該エポキシ樹脂98質量%に触媒〔イミダゾール型触媒:(株)アデカ製、EH−4344S〕を2質量%混合した混合物(D−1とする)へ、実施例1−1〜1−5、A−1、B−1およびC−1を密着性向上剤として表2の配合量に従って配合した。当該組成物(密着性向上剤)2を25mm幅のPETフィルム3〔東レ(株)製、ルミラー100−U46〕上にバーコーターで100ミクロンの厚みに塗布し、対向基材に上記PETフィルム4を重ねた後、110℃、1時間の条件で硬化させ評価用試験片を得た(実施例2−1〜2−5、比較例2−1〜2−4:図11に試験片1の側面図を載せる)。このようにして得られた試験片の密着性を、90℃の条件下、JIS K6854−3に規定されるT型はく離法で評価した。これらの結果を表2に示す。なお評価基準は次の通りである。 ○:引っ張り強度が5N/mm以上(PET破断も含む) ×:引っ張り強度が5N/mm未満
【0062】
【表2】
【0063】
表2に示した結果より、実施例1−1〜1−5の密着性向上剤を使用した試験片(実施例2−1〜2−5)では、密着性が良好であった。比較例2−1、比較例2−2は、チオエーテル含有ウレア誘導体の原料を用いており、いずれも密着性は低い結果となった。比較例2−3は、ウレア構造を有さない化合物を用いており、密着性は低い結果となった。比較例2−4は、密着性向上剤が無添加のため、密着性は低い結果となった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11