特許第5895783号(P5895783)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5895783
(24)【登録日】2016年3月11日
(45)【発行日】2016年3月30日
(54)【発明の名称】車両接近通報装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 5/00 20060101AFI20160317BHJP
【FI】
   B60Q5/00 650A
   B60Q5/00 640E
   B60Q5/00 630B
   B60Q5/00 620A
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-204510(P2012-204510)
(22)【出願日】2012年9月18日
(65)【公開番号】特開2014-58237(P2014-58237A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2014年10月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】390001812
【氏名又は名称】アンデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】特許業務法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】都築 治幸
【審査官】 石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−230724(JP,A)
【文献】 特開2011−051446(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0199199(US,A1)
【文献】 特開2011−152842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、発音体から通報音を発生させることにより、車両が接近していることを周囲に通報する車両接近通報装置であって、
前記車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であるか否かを判定する路面状況判定手段と、
前記路面状況判定手段により前記車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であると判定された場合、前記通報音の音量を低下させるように前記通報音の音量を調整する第1の音量調整手段と、
前記車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であるか否かを判定するタイヤ状況判定手段と、
前記タイヤ状況判定手段により前記車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であると判定された場合、更に、前記通報音の音量を低下させるように前記通報音の音量を調整する第2の音量調整手段と、を備えたことを特徴とする車両接近通報装置。
【請求項2】
前記路面状況判定手段は、前記車両の走行路の路面が濡れているか否かを判定するための情報を取得し、当該情報に基づいて前記車両の走行路の路面が濡れていると判定した場合、前記車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であると判定することを特徴とする請求項1に記載の車両接近通報装置。
【請求項3】
前記路面状況判定手段は、前記車両の走行路の路面の凹凸の度合いを判定するための情報を取得し、当該情報に基づいて前記車両の走行路の路面の凹凸の度合いが大きいと判定した場合、前記車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の車両接近通報装置。
【請求項4】
前記タイヤ状況判定手段は、前記タイヤの種類を特定するための情報を取得し、当該情報に基づいて前記車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤであると判定した場合、前記車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であると判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両接近通報装置。
【請求項5】
前記タイヤの種類を特定するための情報には、スタッドレスタイヤであるか否かを示す情報が含まれ、
前記タイヤ状況判定手段は、前記車両のタイヤがスタッドレスタイヤであると判定した場合、前記車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であると判定することを特徴とする請求項に記載の車両接近通報装置。
【請求項6】
前記タイヤ状況判定手段は、前記タイヤの空気圧を特定するための情報を取得し、当該情報に基づいて前記車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満であると判定した場合、前記車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であると判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両接近通報装置。
【請求項7】
車両に搭載され、発音体から通報音を発生させることにより、車両が接近していることを周囲に通報する車両接近通報装置であって、
前記車両の走行時に路面とタイヤの接触により発生するロードノイズ音の大きさを推定するロードノイズ音推定手段と、
前記ロードノイズ音推定手段により推定された前記ロードノイズ音が大きい場合の方が前記ロードノイズ音が小さい場合よりも前記通報音の音量を低下させるように前記通報音の音量を調整する音量調整手段と、を備え、
前記ロードノイズ音推定手段は、前記車両のタイヤの種類を特定するための情報を取得し、当該情報に基づいて前記車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤであるか否かを判定し、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤであると判定した場合、より前記ロードノイズ音の大きさが大きくなるように前記ロードノイズ音の大きさを推定することを特徴とする車両接近通報装置。
【請求項8】
前記タイヤの種類を特定するための情報には、スタッドレスタイヤであるか否かを示す情報が含まれ、
前記ロードノイズ音推定手段は、前記車両のタイヤがスタッドレスタイヤであると判定した場合、より前記ロードノイズ音の大きさが大きくなるように前記ロードノイズ音の大きさを推定することを特徴とする請求項に記載の車両接近通報装置。
【請求項9】
車両に搭載され、発音体から通報音を発生させることにより、車両が接近していることを周囲に通報する車両接近通報装置であって、
前記車両の走行時に路面とタイヤの接触により発生するロードノイズ音の大きさを推定するロードノイズ音推定手段と、
前記ロードノイズ音推定手段により推定された前記ロードノイズ音が大きい場合の方が前記ロードノイズ音が小さい場合よりも前記通報音の音量を低下させるように前記通報音の音量を調整する音量調整手段と、を備え、
前記ロードノイズ音推定手段は、前記車両のタイヤの空気圧を特定するための情報を取得し、当該情報に基づいて前記車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満であるか否かを判定し、前記車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満であると判定した場合、より前記ロードノイズ音の大きさが大きくなるように前記ロードノイズ音の大きさを推定することを特徴とする車両接近通報装置。
【請求項10】
前記ロードノイズ音推定手段は、前記車両の走行路の路面が濡れているか否かを判定するための情報を取得し、当該情報に基づいて前記車両の走行路の路面が濡れているか否かを判定し、前記車両の走行路の路面が濡れていると判定した場合、より前記ロードノイズ音の大きさが大きくなるように前記ロードノイズ音の大きさを推定すること特徴とする請求項7ないし9のいずれか1つに記載の車両接近通報装置。
【請求項11】
前記ロードノイズ音推定手段は、前記車両の走行路の路面の凹凸の度合いを表す情報を取得し、当該情報に基づいて前記路面の凹凸の度合いが大きいか否かを判定し、前記路面の凹凸の度合いが大きいと判定した場合、より前記ロードノイズ音の大きさが大きくなるように前記ロードノイズ音の大きさを推定することを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1つに記載の車両接近通報装置。
【請求項12】
前記ロードノイズ音推定手段は、前記車両の走行速度を表す車速情報を取得し、当該車速情報に基づいて前記車両の走行速度が速い場合の方が前記車両の走行速度が遅い場合よりも前記ロードノイズ音の大きさが大きくなるように前記ロードノイズ音の大きさを推定すること特徴とする請求項ないし11のいずれか1つに記載の車両接近通報装置。
【請求項13】
前記ロードノイズ音推定手段は、前記車両の走行時の鉛直方向の加速度を表す加速度情報を取得し、当該加速度情報に基づいて前記加速度が予め定められた基準値以上か否かを判定し、前記加速度が予め定められた基準値以上であると判定された場合、より前記ロードノイズ音の大きさが大きくなるように前記ロードノイズ音の大きさを推定することを特徴とする請求項ないし12のいずれか1つに記載の車両接近通報装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、発音体から通報音を発生させることにより、車両が接近していることを周囲に通報する車両接近通報装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車や電気自動車においては、モータ走行中、走行音が極めて静かであるため、歩行者に気付かれないまま当該歩行者に自動車が接近して歩行者に危険を感じさせてしまうといった問題が発生している。そこで、車両に取り付けられたスピーカから疑似走行音を発出させるようにして車両の接近を通報する音発生システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−51446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両走行時には、路面とタイヤの接触によってロードノイズが発生する。このロードノイズは、路面の状況(路面の凹凸状態、路面の濡れ状態等)によって大きく変わる。
【0005】
このため、例えば、路面の凹凸の大きな道路や路面が濡れた道路を走行する場合等、ロードノイズ音が大きくなるような路面状況下でモータ走行する場合には、疑似走行音等の通報音に大きなロードノイズ音が加わり、車両の周囲に車両の接近を知らせるのに必要な音量を超えた音を発生させてしまうだけでなく、車室内の静粛性も低下させてしまうといった問題がある。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みたもので、ロードノイズ音が大きくなるような路面状況下で、必要以上の音量の通報音を発出しないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車両に搭載され、発音体から通報音を発生させることにより、車両が接近していることを周囲に通報する車両接近通報装置であって、車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であるか否かを判定する路面状況判定手段と、路面状況判定手段により車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であると判定された場合、通報音の音量を低下させるように通報音の音量を調整する第1の音量調整手段と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
このような構成によれば、車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であるか否かを判定し、車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であると判定された場合、通報音の音量を低下させるように通報音の音量が調整されるので、ロードノイズ音が大きくなるような路面状況下で、必要以上の音量の通報音を発出しないようにすることができる。
【0009】
また、路面状況判定手段は、請求項2に記載の発明のように、車両の走行路の路面が濡れているか否かを判定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両の走行路の路面が濡れていると判定した場合、車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であると判定することができ、請求項3に記載の発明のように、車両の走行路の路面の凹凸の度合いを判定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両の走行路の路面の凹凸の度合いが大きいと判定した場合、車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であると判定することもできる。
【0010】
また、請求項に記載の発明は、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であるか否かを判定するタイヤ状況判定手段と、タイヤ状況判定手段により車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であると判定された場合、更に、通報音の音量を低下させるように通報音の音量を調整する第2の音量調整手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であるか否かを判定し、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であると判定された場合、更に、通報音の音量を低下させるように通報音の音量が調整されるので、車両のタイヤの状況による影響でロードノイズが大きくなるような場合でも、必要以上の音量の通報音を発出しないようにすることができる。
【0012】
また、タイヤ状況判定手段は、請求項に記載の発明のように、タイヤの種類を特定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤであると判定した場合、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であると判定することができ、請求項に記載の発明のように、タイヤの空気圧を特定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満であると判定した場合、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であると判定することもできる。
【0013】
また、請求項に記載の発明は、車両に搭載され、発音体から通報音を発生させることにより、車両が接近していることを周囲に通報する車両接近通報装置であって、車両の走行時に路面とタイヤの接触により発生するロードノイズ音の大きさを推定するロードノイズ音推定手段と、ロードノイズ音推定手段により推定されたロードノイズ音が大きい場合の方がロードノイズ音が小さい場合よりも通報音の音量を低下させるように通報音の音量を調整する音量調整手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
このような構成によれば、車両の走行時に路面とタイヤの接触により発生するロードノイズ音の大きさを推定し、推定したロードノイズ音が大きい場合の方がロードノイズ音が小さい場合よりも通報音の音量を低下させるように通報音の音量が調整されるので、ロードノイズ音が大きくなるような路面状況下で、必要以上の音量の通報音を発出しないようにすることができる。
【0015】
なお、ロードノイズ音推定手段は、請求項10に記載の発明のように、車両の走行路の路面が濡れているか否かを判定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両の走行路の路面が濡れているか否かを判定し、車両の走行路の路面が濡れていると判定した場合、よりロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定することができ、請求項11に記載の発明のように、車両の走行路の路面の凹凸の度合いを表す情報を取得し、当該情報に基づいて路面の凹凸の度合いが大きいか否かを判定し、路面の凹凸の度合いが大きいと判定した場合、よりロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定することもできる。
【0016】
また、ロードノイズ音推定手段は、請求項に記載の発明のように、車両のタイヤの種類を特定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤであるか否かを判定し、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤであると判定した場合、よりロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定することもできる。
【0017】
なお、請求項に記載の発明のように、タイヤの種類を特定するための情報に、スタッドレスタイヤであるか否かを示す情報を含むようにし、ロードノイズ音推定手段は、車両のタイヤがスタッドレスタイヤであると判定した場合、よりロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定することもできる。
【0018】
また、ロードノイズ音推定手段は、請求項に記載の発明のように、車両のタイヤの空気圧を特定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満であるか否かを判定し、車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満であると判定した場合、よりロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定することができ、請求項12に記載の発明のように、車両の走行速度を表す車速情報を取得し、当該車速情報に基づいて車両の走行速度が速い場合の方が車両の走行速度が遅い場合よりもロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定することもできる。
【0019】
また、ロードノイズ音推定手段は、請求項13に記載の発明のように、車両の走行時の鉛直方向の加速度を表す加速度情報を取得し、当該加速度情報に基づいて加速度が予め定められた基準値以上か否かを判定し、加速度が予め定められた基準値以上であると判定された場合、よりロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態に係る車両接近通報装置を含む車両接近通報システムの構成を示す図である。
図2】車両走行時に発生するノイズについて説明するための図である。
図3】発音条件について説明するための図である。
図4】第1実施形態に係る車両接近通報装置のマイコンのフローチャートである。
図5】第2実施形態に係る車両接近通報装置のマイコンのフローチャートである。
図6】車速−ロードノイズ音基本特性を示す図である。
図7】変形例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第1実施形態に係る車両接近通報装置を含む車両接近通報システムの構成を図1に示す。本車両接近通報システムは、エンジンとモータを走行用の動力源として走行するハイブリッド車両に搭載され、発音体から疑似エンジン音、疑似モータ音、疑似走行音等の通報音を発生させることにより、車両が接近していることを周囲に通報するものである。本車両接近通報システムは、情報収集ECU1および車両接近通報装置2を備えている。
【0022】
情報収集ECU1には、路面の凹凸の度合いを判定するために設けられた加速度センサ10aと、路面が濡れているか否かを判定するために設けられた雨滴センサ10bと、タイヤの空気圧を特定するために設けられたタイヤ空気圧モニタシステム10cが接続されている。
【0023】
加速度センサ10aは、車両走行時に発生する鉛直方向の加速度に応じた信号を情報収集ECU1へ出力する。路面の凹凸の度合いが大きいほど加速度センサ10aから出力される加速度の大きさは大きくなる。
【0024】
雨滴センサ10bは、雨滴の有無を検出するもので、車両の外部に搭載されている。雨滴センサ10bは、雨滴の有無を示す信号を情報収集ECU1へ出力する。
【0025】
タイヤ空気圧モニタシステム10cは、車両のタイヤの空気圧を検出する圧力センサを有する送信機と、この送信機より送信される圧力センサの検出結果を受信する受信機(いずれも図示せず)により構成される。タイヤ空気圧モニタシステム10cは、車両の各タイヤの空気圧を監視し、各タイヤの空気圧を示す情報を情報収集ECU1へ定期的に送出する。なお、本実施形態におけるタイヤ空気圧モニタシステム10cは、作業者の操作に応じて車両のタイヤの種別を示す情報(スタッドレスタイヤ、ノーマルタイヤ)が記憶部に記憶されるようになっており、この車両のタイヤの種別を示す情報についても情報収集ECU1へ送出される。
【0026】
情報収集ECU1は、CPU、RAM、ROM、EEPROM、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
【0027】
情報収集ECU1の処理としては、加速度センサ10aより入力される信号、雨滴センサ10bより入力される信号、タイヤ空気圧モニタシステム10cより入力される情報を車両LAN(CAN)を介して車両接近通報装置2へ送出する処理がある。
【0028】
車両接近通報装置2は、マイコン21とローパスフィルタ(以下、LPFという)22およびパワーアンプ(以下、AMPという)23を有している。
【0029】
マイコン21は、演算部、メモリ、I/O等を備えたコンピュータとして構成されている。また、マイコン21のメモリには、PCMデータなどの接近通報音データ、車両接近通報音の発音の制御プログラムなどが記憶されている。マイコン21の演算部は、メモリに記憶された制御プログラムに基づき、車速センサ2aより入力される車速検知信号が示す車速に基づいて発音条件(後述する)が成立したか否かの判定を行うと共に、メモリに記憶された接近通報音データを読み出して、それに対応する接近通報音電圧波形信号を信号生成部から出力する。
【0030】
LPF22は、マイコン21の信号生成部より入力される接近通報音電圧波形信号から高周波のノイズ成分を除去するものである。
【0031】
AMP23は、LPF22より入力される信号を所定の増幅率で増幅し、この増幅した信号をスピーカ24へ出力する。
【0032】
スピーカ24は、AMP23から供給される電流に応じた音圧の通報音を車両周辺へ向けて発生させる。
【0033】
ところで、車両が走行を開始すると、図2に示すように、車両のタイヤと路面の接触によるロードノイズが発生する。また、エンジン走行時には、エンジン音も発生する。
【0034】
本実施形態では、車両走行時に常に車両接近通報音を発生させるのではなく、図3に示すような発音条件が成立した場合に、車両接近通報音を発生させる。具体的には、車速が時速20キロメートル(km/h)未満で、かつ、エンジンが停止した状態を発音条件とし、この発音条件が成立した場合に車両接近通報音を発生させる。つまり、車速が時速20キロメートル(km/h)以上の場合や、車速が時速20キロメートル(km/h)未満でもエンジンが作動中の場合には、車両接近通報音を発生させない。
【0035】
次に、車両接近通報装置2のマイコン21の処理について説明する。図4に、本実施形態に係るマイコン21のフローチャートを示す。車両のイグニッションスイッチがオン状態となると、本車両接近通報システムは動作状態となり、マイコン21は、図4に示すを周期的に実施する。
【0036】
まず、発音条件が成立したか否かを判定する(S100)。具体的には、車速が時速20キロメートル(km/h)未満で、かつ、エンジンが停止した状態であるか否かに基づいて発音条件が成立したか否かを判定する。
【0037】
ここで、発音条件が成立していない場合、S100の判定はNOとなり、発音停止した状態を維持し(S102)、本処理を終了する。
【0038】
また、車両がモータ走行を開始し、時速20キロメートル(km/h)未満の状態になると、次に、発音音圧レベルを予め定められた基準値に特定する(S104)。
【0039】
次に、走行路の路面がロードノイズが大きな路面状況であるか否かを判定する(S106)。本実施形態では、路面の凹凸の度合いが予め定められた基準値以上であると判定された場合と、路面が濡れた状態であると判定された場合の少なくとも一方が成立した場合に、走行路の路面がロードノイズが大きな路面状況であると判定する。路面の凹凸の度合いは、情報収集ECU1を介して加速度センサ10aより入力される信号より特定される加速度の平均値が基準値以上であるか否かに基づいて判定することができる。また、路面が濡れた状態であるか否かの判定は、情報収集ECU1を介して雨滴センサ10bより入力される雨滴の有無を示す信号に基づいて判定することできる。
【0040】
ここで、例えば、路面の凹凸が大きく、路面の凹凸の度合いが予め定められた基準値以上であると判定された場合、S106の判定はYESとなり、発音音圧レベルを低下させる(S108)。本実施形態では、S104にて特定した発音音圧レベル(基準値)に補正係数K11(0≦K11<1)を乗算して発音音圧レベルを低下させる。
【0041】
また、路面が濡れた状態であると判定された場合にも、S106の判定はYESとなり、発音音圧レベルを低下させる(S108)。ここ場合、S104にて特定した発音音圧レベル(基準値)に補正係数K12(0≦K12<1)を乗算して発音音圧レベルを低下させる。
【0042】
また、路面の凹凸の度合いが予め定められた基準値よりも大きくなったと判定され、かつ、路面が濡れた状態であると判定された場合にも、S106の判定はYESとなり、発音音圧レベルを低下させる(S108)。本実施形態では、S104にて特定した発音音圧レベル(基準値)に補正係数K11と補正係数K12を乗算して発音音圧レベルを低下させる。
【0043】
ただし、路面の凹凸の度合いが予め定められた基準値未満であると判定され、かつ、路面が濡れた状態でないと判定された場合には、S106の判定はNOとなり、発音音圧レベルを低下させることなく、S110へ進む。
【0044】
S110では、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であるか否かを判定する。本実施形態では、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤであると判定した場合、車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満であると判定した場合の少なくとも一方が成立した場合に、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であるか否かを判定する。
【0045】
車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤであるか否かの判定は、タイヤ空気圧モニタシステム10cより送信される車両のタイヤの種別を示す情報(スタッドレスタイヤ、ノーマルタイヤ)に基づいて判定することができる。
【0046】
また、車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満であるか否かの判定は、タイヤ空気圧モニタシステム10cより送信される各タイヤの空気圧を示す情報に基づいて判定することができる。
【0047】
ここで、例えば、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤであると判定した場合、S110の判定はYESとなり、更に、発音音圧レベルを低下させる(S112)。具体的には、既に決定されている発音音圧レベルに補正係数K21(0≦K21<1)を乗算して発音音圧レベルを低下させる。
【0048】
また、車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満であると判定した場合にも、S110の判定はYESとなり、更に、発音音圧レベルを低下させる(S112)。具体的には、既に決定されている発音音圧レベルに補正係数K22(0≦K22<1)を乗算して発音音圧レベルを低下させる。
【0049】
また、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤであると判定され、かつ、車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満であると判定された場合にも、更に、発音音圧レベルを低下させる(S112)。具体的には、既に決定されている発音音圧レベルに補正係数K21と補正係数K22を乗算して発音音圧レベルを低下させる。
【0050】
ただし、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤでないと判定され、かつ、車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値以上であると判定された場合には、S110の判定はNOとなり、発音音圧レベルを低下させることなく、S114へ進む。
【0051】
S114では、S104〜S112の処理で特定された発音音圧レベルとなるようにスピーカ24から通報音を発音させ、本処理を終了する。
【0052】
上記した構成によれば、車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であるか否かを判定し、車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であると判定された場合、通報音の音量を低下させるように通報音の音量が調整されるので、ロードノイズ音が大きくなるような路面状況下で、必要以上の音量の通報音を発出しないようにすることができる。
【0053】
なお、車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であるか否かの判定は、車両の走行路の路面が濡れているか否かを判定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両の走行路の路面が濡れていると判定した場合、車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であると判定することができ、また、車両の走行路の路面の凹凸の度合いを判定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両の走行路の路面の凹凸の度合いが大きいと判定した場合、車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であると判定することもできる。
【0054】
また、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であるか否かを判定し、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であると判定された場合、更に、通報音の音量を低下させるように通報音の音量が調整されるので、車両のタイヤの状況による影響でロードノイズが大きくなるような場合でも、必要以上の音量の通報音を発出しないようにすることができる。
【0055】
なお、タイヤの種類を特定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のスタッドレスタイヤであると判定した場合、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であると判定することができる。
【0056】
また、タイヤの空気圧を特定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満であると判定した場合、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であると判定することもできる。
【0057】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であるか否かを判定し、車両の走行路の路面がロードノイズが大きくなるような路面状況であると判定された場合に、通報音の音量を低下させるようにしたが、本実施形態では、車両の走行時に路面とタイヤの接触により発生するロードノイズ音の大きさを推定し、推定したロードノイズ音の大きさが基準値以上であるか否かを判定し、推定したロードノイズ音の大きさが基準値以上であると判定された場合、通報音の音量を低下させる。本実施形態における車両接近通報システムの構成は、第1実施形態における車両接近通報システムの構成と同じである。なお、上記第1実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分を中心に説明する。
【0058】
車両接近通報装置2のマイコン21の処理について説明する。図5に、本実施形態に係るマイコン21のフローチャートを示す。車両のイグニッションスイッチがオン状態となると、図5に示すを周期的に実施する。
【0059】
まず、発音条件が成立したか否かを判定し(S100)、判定条件が成立すると、発音音圧レベルを予め定められた基準値に特定する(S104)。
【0060】
次に、車両の走行時に路面とタイヤの接触により発生するロードノイズ音の大きさを推定する(S206)。ロードノイズ音の大きさは、車速によって大きく変化する。また、ロードノイズ音の大きさは、例えば、加速度、路面が濡れている場合、路面の凹凸の度合いが大きい場合、ロードノイズが大きくなるような種類のタイヤである場合、車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満の場合に大きくなる。本実施形態では、乾燥した凹凸のない路面を、空気圧が基準値以上のノーマルタイヤで走行する場合のロードノイズ音と車速の関係を示した車速−ロードノイズ音基本特性を規定したテーブルがメモリに記憶されている。図6に、この車速−ロードノイズ音基本特性を示す。
【0061】
本実施形態では、図6に示す車速−ロードノイズ音基本特性に基づいて、各車速におけるロードノイズ音の大きさを特定し、このロードノイズ音の大きさに、路面の状況やタイヤの状況に応じたロードノイズ音補正係数を乗算することによってロードノイズ音の大きさを推定する。
【0062】
例えば、車両の走行路の路面が濡れているか否かを判定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両の走行路の路面が濡れていると判定した場合、ロードノイズ音にロードノイズ音補正係数K31(1<K31)を乗算してロードノイズ音がより大きくなるように推定する。
【0063】
また、車両の走行路の路面の凹凸の度合いを表す情報を取得し、当該情報に基づいて路面の凹凸の度合いが大きいか否かを判定し、路面の凹凸の度合いが大きいと判定した場合、ロードノイズ音にロードノイズ音補正係数K32(1<K32)を乗算してロードノイズ音がより大きくなるように推定する。
【0064】
また、車両のタイヤの種類を特定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤであるか否かを判定し、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤであると判定した場合、ロードノイズ音にロードノイズ音補正係数K33(1<K33)を乗算してロードノイズ音がより大きくなるように推定する。例えば、タイヤの種類を特定するための情報に、スタッドレスタイヤであるか否かを示す情報が含まれ、車両のタイヤがスタッドレスタイヤであると判定した場合、よりロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定する。
【0065】
また、車両のタイヤの空気圧を特定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満であるか否かを判定し、車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満であると判定した場合、ロードノイズ音にロードノイズ音補正係数K34(1<K34)を乗算してロードノイズ音がより大きくなるように推定する。
【0066】
また、車両の走行加速度を表す加速度情報を取得し、当該加速度情報に基づいて車両の走行加速度が予め定められた基準値以上か否かを判定し、車両の走行加速度が予め定められた基準値以上であると判定された場合、ロードノイズ音にロードノイズ音補正係数K35(1<K35)を乗算してよりロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定する。
【0067】
例えば、車両の走行路の路面が濡れていると判定し、かつ、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤであると判定した場合には、ロードノイズ音にロードノイズ音補正係数K31とロードノイズ音補正係数K33を乗算してロードノイズ音がより大きくなるように推定することができる。
【0068】
次に、S206にて推定されたロードノイズ音の大きさが基準値以上であるか否かを判定する(S208)。
【0069】
ここで、推定されたロードノイズ音の大きさが基準値以上の場合、S208の判定はYESとなり、発音音圧レベルを低下させる(S210)。本実施形態では、S204にて特定した発音音圧レベル(基準値)に補正係数K41(0≦K41<1)を乗算して発音音圧レベルを低下させる。
【0070】
なお、推定されたロードノイズ音の大きさが基準値未満の場合には、S208の判定はNOとなり、発音音圧レベルを低下させることなく、S114へ進む。
【0071】
S114では、S204〜S210の処理で特定された発音音圧レベルとなるようにスピーカ24から通報音を発音させ、本処理を終了する。
【0072】
上記した構成によれば、車両の走行時に路面とタイヤの接触により発生するロードノイズ音の大きさを推定し、推定したロードノイズ音が大きい場合の方がロードノイズ音が小さい場合よりも通報音の音量を低下させるように通報音の音量が調整されるので、ロードノイズ音が大きくなるような路面状況下で、必要以上の音量の通報音を発出しないようにすることができる。
【0073】
なお、車両の走行路の路面が濡れているか否かを判定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両の走行路の路面が濡れているか否かを判定し、車両の走行路の路面が濡れていると判定した場合、よりロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定することができる。
【0074】
また、車両の走行路の路面の凹凸の度合いを表す情報を取得し、当該情報に基づいて路面の凹凸の度合いが大きいか否かを判定し、路面の凹凸の度合いが大きいと判定した場合、よりロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定することもできる。
【0075】
また、車両のタイヤの種類を特定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤであるか否かを判定し、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような種類のタイヤであると判定した場合、よりロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定することもできる。なお、タイヤの種類を特定するための情報に、スタッドレスタイヤであるか否かを示す情報を含むようにし、ロードノイズ音推定手段は、車両のタイヤがスタッドレスタイヤであると判定した場合、よりロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定することもできる。
【0076】
また、車両のタイヤの空気圧を特定するための情報を取得し、当該情報に基づいて車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満であるか否かを判定し、車両のタイヤの空気圧が予め定められた基準値未満であると判定した場合、よりロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定することもできる。
【0077】
また、車両の走行速度を表す車速情報を取得し、当該車速情報に基づいて車両の走行速度が速い場合の方が車両の走行速度が遅い場合よりもロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定することもできる。
【0078】
また、車両の走行加速度を表す加速度情報を取得し、当該加速度情報に基づいて車両の走行加速度が予め定められた基準値以上か否かを判定し、車両の走行加速度が予め定められた基準値以上であると判定された場合、よりロードノイズ音の大きさが大きくなるようにロードノイズ音の大きさを推定することもできる。
【0079】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0080】
上記第1、第2実施形態では、情報収集ECU1を介して走行路の路面状況やタイヤの状況を特定するための情報を取得したが、情報収集ECU1を介すことなく、直接、走行路の路面状況やタイヤの状況を特定するための情報を収集するように構成してもよい。
【0081】
また、上記第1、第2実施形態では、雨滴センサを用いて路面が濡れているかを判定したが、このような手法を用いることなく、例えば、路面またはタイヤに光を照射する発光素子と、路面またはタイヤに反射した反射光を受信する受光素子とを備え、反射光の受光レベルの違いにより路面が濡れているかを判定するようにしてもよい。
【0082】
また、上記第1、第2実施形態では、加速度センサを用いて路面の凹凸の度合いを判定したが、路面からの高さを検出する車高センサ、マイクロ波センサやミリ波センサを用いて路面との距離を測定する距離測定装置、光学素子を用いて路面との距離を測定する距離測定装置等を用いて路面の凹凸の度合いを判定するようにしてもよい。
【0083】
また、上記第1、第2実施形態では、S108、S112、S210にて、発音音圧レベル(基準値)に補正係数K11、K12、K21、K22、K41を乗算して発音音圧レベルを低下させるようにしたが、このような手法を用いることなく発音音圧レベルを低下させるようにしてもよい。
【0084】
また、上記第1実施形態では、タイヤの種類を特定するための情報に、スタッドレスタイヤであるか否かを示す情報が含まれ、車両のタイヤがスタッドレスタイヤであると判定した場合、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であると判定したが、例えば、タイヤの種類を特定するための情報に、トレッドパターンを特定する情報を含むようにし、トレッドパターンを特定する情報に基づいて車両のタイヤがロードノイズが大きくなるようなトレッドパターンであると判定した場合、車両のタイヤがロードノイズが大きくなるような状況であると判定するようにしてもよい。
【0085】
また、上記第2実施形態では、S206にて、ロードノイズ音にロードノイズ音補正係数K31〜K35を乗算してロードノイズ音の大きさを推定したが、このような手法を用いることなくロードノイズ音の大きさを推定するようにしてもよい。
【0086】
また、上記第2実施形態では、推定したロードノイズ音の大きさが基準値以上であると判定された場合、通報音の音量を低下させるように構成したが、例えば、図7に示すように、推定したロードノイズ音の大きさに応じて通報音の音量を低下させるように構成してもよい。
【0087】
また、上記第1、第2実施形態では、車両接近通報システムが情報収集ECU1および車両接近通報装置2を備えた構成としたが、情報収集ECU1を車両接近通報装置2に含むように構成してもよい。
【0088】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S106が路面状況判定手段に相当し、S108が第1の音量調整手段に相当し、S110がタイヤ状況判定手段に相当し、S112が第2の音量調整手段に相当し、S206がロードノイズ音推定手段に相当し、S210が音量調整手段に相当する。
【符号の説明】
【0089】
1 情報収集ECU
2 車両接近音通報装置
1a 加速度センサ
1b 雨滴センサ
1c タイヤ空気圧モニタシステム
2a 車速センサ
21 マイコン
22 LPF
23 AMP
24 スピーカ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7