(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上位系統の変電所が異なる二つの配電線のループ点で開閉器を投入してループ切替を行うにあたり、前記二つの配電線のループ点におけるループ点位相差を計算し、ループ点におけるループ許容位相差を計算し、前記ループ点位相差と前記ループ許容位相差との比較によりループ切替の可否を判定する配電線異系統ループ切替可否判定方法において、
前記ループ点位相差の計算は、前記上位系統の変電所の遮断器開放箇所の位相差をアングル合成した上位系統位相差と、前記二つの配電線のループ点の配電系統位相差とを加算して求め、
前記ループ点位相差の計算値と実測値との誤差の最大値を最大誤差として、前記ループ点位相差の計算値と実測値との誤差の平均値を平均誤差として予め取得しておき、前記ループ点位相差の計算誤差を考慮した安全裕度を前記ループ点位相差の極性により、以下の(1)、(2)ようにして求め、
(1)前記ループ点位相差の極性が正のとき
前記二つの配電線のうち基準位相でない非基準配電線の前記ループ許容位相差と前記ループ点位相差との差分が前記最大誤差より小さいときは前記最大誤差を前記安全裕度とし、前記最大誤差より大きいときは前記平均誤差を前記安全裕度とする。
(2)前記ループ点位相差の極性が負のとき
前記二つの配電線のうち基準位相の基準配電線の前記ループ許容位相差と前記ループ点位相差との差分が前記最大誤差より小さいときは前記最大誤差を前記安全裕度とし、前記最大誤差より大きいときは前記平均誤差を前記安全裕度とする。
求めた安全裕度を前記ループ点位相差に加算して安全裕度加算ループ点位相差を求め、その安全裕度加算ループ点位相差が前記ループ許容位相差以下のときは前記ループ切替を可と判定することを特徴とする配電線異系統ループ切替可否判定方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
まず、本発明に至った経緯を説明する。実際の系統において、異系統ループ切替の実績を積み上げながら、二つの配電線のループ点において、位相差計算値とループチェッカー(位相角測定器)の実測値との比較を行いつつ、二つの配電線のループ点の位相差の計算にあたって、ループ対象線路のどの部分が位相差の発生割合が大きいかを検証した。それによると、上位系統の位相差、配電用変電所バンクの位相差、配電線の位相差の発生割合が大きく、66kV送電線の位相差はインピーダンス値も小さいため、位相差の発生割合も微小となり、省略しても僅かな誤差であることが判明した。
【0021】
さらに、実際の上位系統では電源変電所の遮断器の常時切り箇所が複数存在する系統が大半である。このため、上位系統の位相差(ループアングル)が複数であっても計算できる手法を取り入れることとし、安全かつ簡易で低廉な手段によって配電線の異系統ループ切替における可否判定を机上で行えるようにした。
【0022】
そこで本発明ではループ点の位相差計算にあたって、計算にかかる負荷を極力簡易にするために、上位系統情報は上位系統変電所(電源変電所)の遮断器の常時切り箇所の位相差(ループアングル)をもって上位系統分の位相差とし、66kVの送電系統にかかる電力潮流Pを計算から省くことで簡易な計算を実現することとした。これにより、時々刻々変化する電力潮流Pの収集や複雑な系統にかかる電力潮流Pを考慮した計算を行う必要がないようにした。
【0023】
さらに上位系統の位相差が系統状態によって複数存在する場合でもアングル合成計算で上位系統の位相差の合成値を求め、これに配電用変電所バンクから配電線ループ点に至るまでの配電系統の位相差を合計してループ点位相差を導き出すこととした。
【0024】
また、過去履歴の実測値と計算値との誤差分の最大値(最大誤差)と平均値(平均誤差)を用いて、安全裕度を決定し、ループ点位相差の計算値に安全裕度を加算し、加算により得られた安全裕度加算ループ点位相差が配電線許容電流から見たループ時のループ許容位相差の範囲内にあるか否かを判定基準として、ループ切替の可否を判定する。従って、安全かつ簡易で低廉な配電線の異系統ループ切替の可否判定が可能となる。
【0025】
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る配電線異系統ループ切替可否判定方法の工程の一例を示すフローチャート、
図2は本発明の実施形態における配電線異系統ループ切替の対象となる系統の一例であり上位系統変電所の遮断器開放箇所が単数の場合の系統図、
図3は本発明の実施形態における配電線異系統ループ切替の対象となる系統の他の一例であり上位系統変電所の遮断器開放箇所が複数(2箇所)の場合の系統図である。
【0026】
図1において、まず、ループ点切替の対象となる配電線の上位系統及び配電系統のデータの取り込み処理を行う(S1)。以下、
図2に示す系統の場合について説明する。
【0027】
図2において、配電系統のループ点Xがループ切替の対象のループ点であるとする。配電系統のループ点Xは開放されており、a配電線11aにはF配電用変電所バンク12fから負荷電流Iaが供給され、b配電線11bにはC配電用変電所バンク12cから負荷電流Ibが供給されている。F配電用変電所バンク12fは上位系統のA変電所13aから電力の供給を受け、C配電用変電所バンク12cは上位系統のB変電所13bから電力の供給を受けている。そして、A変電所13aの遮断器14aは閉じており、B変電所13bの遮断器14bは開いている。黒は閉じており、白は開いていることを示している。
【0028】
図1のステップS1では、上位系統情報として、A変電所13aの遮断器14aの常時入り箇所の位相差θAB、B変電所13bの遮断器14bの常時切り箇所の位相差θBA、A変電所13aの上位系統インピーダンス%Ze、B変電所13bの上位系統インピーダンス%Zdを取得する。A変電所13aの遮断器14aの常時入り箇所の位相差θAB、B変電所13bの遮断器
14bの常時切り箇所の位相差θBAは、遮断器14a、14bの常時切り箇所の位相差(ループアングル)を同期検出継電器を介して制御所内にある変電システムより取得し、これをもって上位系統分の位相差(ループアングル)とする。
【0029】
また、配電系統情報として、F配電用変電所バンク12fのバンク電流If、バンクインピーダンス%Zfを取得し、バンク電流Ifを有効電力Pf(P=√3・V・If・cosθ)に変換する。同様に、C配電用変電所バンク12cのバンク電流Ic、バンクインピーダンス%Zcを取得し、バンク電流Icを有効電力Pc(P=√3・V・Ic・cosθ)に変換する。
【0030】
さらに、配電系統情報として、a配電線11aの負荷電流Ia、配電線インピーダンス%Zaを取得し、負荷電流Iaを有効電力Pa(P=√3・V・Ia・cosθ)に変換する。同様に、b配電線11bの負荷電流Ib、配電線インピーダンス%Zbを取得し、負荷電流Ibを有効電力Pb(P=√3・V・Ib・cosθ)に変換する。
【0031】
次に、ループ対象の基準を設定する(S2)。例えば、上位系統のA変電所13aを上位系統の基準変電所に設定し、a配電線11aを基準と設定する。これにより、A変電所13aの遮断器14aの常時入り箇所の位相差θABを基準位相とし、遮断器14bの常時切り箇所の位相差θBAを比較位相とする。
【0032】
次に、上位系統変電所の遮断器開放箇所の位相差は複数あるかどうかを判定する(S3)。
図2の場合は、遮断器開放箇所は遮断器14bであり、上位系統変電所の遮断器開放箇所の位相差は単数(1箇所)である。一方、
図3の場合は、遮断器開放箇所は遮断器14b、14cであり、上位系統変電所の遮断器開放箇所の位相差は複数(2箇所)である。
【0033】
ステップS3の判定で、遮断器開放箇所の位相差が複数であると判定された場合は、上位系統位相差の計算処理K1を行う(S4)。
【0034】
上位系統位相差の計算処理K1は、下記(1)式により上位系統位相差θ0をアングル合成して求める。
【0035】
θ0=基準位相差θAB−{第1比較位相差θBA−第2比較位相差θCB}
=θAB−{θBA−θCB} …(1)
位相差θABは、A変電所13aの遮断器14aの常時入り箇所の基準位相差θAB(A変電所13aを基準)、第1比較位相差θBAは、B変電所13bの遮断器14bの常時切り箇所の位相差θBA(B変電所13bを基準)、第2比較位相差θCBは、C変電所13cの遮断器14cの常時切り箇所の位相差θCB(C変電所13cを基準)である。
【0036】
ここで、
図3の場合、遮断器14aは投入されているので、A変電所13aとB変電所13bとの間は同相であり基準位相差θABは0である。また、第2比較位相差θCBを、C変電所13cを基準として表すと、−θBCとなる。このことから、第1比較位相差θBA−第2比較位相差θCBは、θBA−(−θBC)=θBA+θBC=θACとなる。従って、
図3の場合には、(1)式は、θ0=−θACで表される。
【0037】
また、
図4に示すように、基準のA変電所の遮断器14aが開放しており、非基準のB変電所の遮断器14bが閉じており、非基準のC変電所の遮断器14cが開放している場合も、上位系統変電所の遮断器開放箇所の位相差は複数(2箇所)である。
【0038】
この場合、遮断器14bは投入されているので、B変電所13bとA変電所13aとの間は同相であり第1比較位相差θBAは0である。また、第2比較位相差θCBを、C変電所13cを基準として表すと、−θBCとなる。このことから、
図4の場合には、(1)式は、θ0=θAB+θBC=θACで表される。
【0039】
ステップS3の判定で、遮断器開放箇所の位相差が単数であると判定された場合は、上位系統位相差の計算処理K2を行う(S5)。
【0040】
上位系統位相差の計算処理K2についても、上記(1)式により上位系統位相差θ0をアングル合成して求めるが、(1)式で第2比較位相差θCBがない場合の(2)式となる。
【0041】
θ0=基準位相差θAB−第1比較位相差θBA
=θAB−θBA …(2)
図2に示すように、遮断器開放箇所が非基準のB変電所13bの遮断器14bであり、基準のA変電所13aの遮断器14aが閉じている場合は、取得される位相差は変電所Bの第1比較位相差θBAである。また、基準変電所Aの遮断器が閉じていることから、基準のA変電所13aとB変電所13bとの間は同相であり基準位相差θABは0である。これにより、上位系統位相差θ0は、(2)式から変電所Bの第1比較位相差θBAの符号反転した(−θBA)となる。
【0042】
一方、
図5に示すように、遮断器開放箇所が基準のA変電所13aであり、非基準のB変電所の遮断器14bが閉じている場合は、取得される位相差は基準のA変電所13aの基準位相差θABである。また、非基準のB変電所13bの遮断器14bが閉じていることから、非基準のB変電所13bと基準のA変電所13aとの間は同相であり第1比較位相差θBAは0となる。これにより、上位系統位相差θ0は、(2)式から基準のA変電所13aの基準位相差θABとなる。
【0043】
このように、上位系統位相差θ0は、上位系統の変電所の遮断器開放箇所の位相差をアングル合成して求められる。
【0044】
次に、配電線abのループ点Xで連系した場合のループ全体のループ点位相差θxを求める(S6)。ループ点位相差θxは、(3)式に示すように、上位系統位相差θ0に、配電系統の位相差Δθを加算して求められる。
【0045】
θx=θ0+Δθ …(3)
配電系統の位相差Δθは、配電系統の配電用変電所バンク12f、12cからループ点Xまでの位相差であり、(4)式に示すように、F配電用変電所バンク12fからループ点Xに至る基準のa配電線11aの基準位相θaと、C配電用変電所バンク12cからループ点Xに至る非基準のb配電線11bの比較位相θbとの差分として求められる。
【0046】
Δθ=基準位相θa−比較位相θb
=θa−θb …(4)
基準位相θaは下記の(5)式で求められ、比較位相θbは下記の(6)式で求められる。なお、(5)式、(6)式において、送電線の基準容量を10MVAとした場合を示している。
【0047】
θa=(Pf・%Zf+Pa・%Za)/1000…(5)
θb=(Pc・%Zc+Pb・%Zb)/1000…(6)
そして、(4)式を(3)式に代入すると、ループ全体のループ点位相差θxは、下記(7)式で示される。
【0048】
θx=θ0+Δθ
=θ0+(θa−θb)…(7)
このように、ループ点位相差θxの計算は、上位系統の変電所の遮断器開放箇所の位相差をアングル合成した上位系統位相差θ0と、配電用変電所バンクからループ点までの位相差である配電系統位相差Δθとを加算して求める。
【0049】
次に、ループ点を閉じたときに形成されるループのループインピーダンスを計算する(S7)。このループインピーダンス%ZLは下記(8)式で求められる。
【0050】
%ZL=%Za+%Zb+%Zc+%Zd+%Ze+%Zf …(8)
すなわち、ループ点を閉じたときに形成されるループの配電線インピーダンス%Za、%Zb、バンクインピーダンス%Zc、%Zf、上位系統インピーダンス%Zd、%Zeを合計して求められる。
【0051】
一方、a配電線11a、b配電線11bの配電許容電流から見たループ許容電流を計算する(S8)。a配電線11aのループ許容電流IAは、ループ点を閉じたときにa配電線11aに流れる電流の許容電流であり、b配電線11bのループ許容電流IBは、ループ点を閉じたときにb配電線11bに流れる電流の許容電流である。
【0052】
a配電線の短時間許容電流Iu、配電線負荷電流Iaとすると、a配電線11aのループ許容電流IAは(9)式で示され、b配電線の短時間許容電流Iu、配電線負荷電流Ibとすると、b配電線11bのループ許容電流IBは(10)式で示される。
【0053】
IA=Iu−Ia …(9)
IB=Iu−Ib …(10)
そして、このa配電線11aのループ許容電流IA、b配電線11bのループ許容電流IBに基づいてループ許容位相差を計算する(S9)。すなわち、ループ許容電流IA、IBをループ許容位相差|θA’|、|θB’|に変換する。ループ許容位相差|θA’|は、基準のa配電線11aに対してループ点位相差θxが負の場合の閾値であり、ループ許容位相差|θB’|は、基準のa配電線11aに対してループ点位相差θxが正の場合の閾値である。
【0054】
ループ許容位相差|θA’|、|θB’|は、下記(11)、(12)式で示される。
【0055】
|θA’|=IA×%ZL/1520…(11)
|θB’|=IB×%ZL/1520…(12)
なお、(11)式、(12)式において、配電線の線間電圧6.6kV、送電線の基準容量を10MVAとした場合を示している。
【0056】
そして、ループ許容位相差|θA’|、|θB’|が得られると、ループ許容位相差結果によるループ可否判定を行う(S10)。 ループ点のループ点位相差θxと、配電線許容電流IA、IBから見たループ許容位相差|θA’|、|θB’|との比較により、ループ点のループ点位相差θxが許容範囲を満足する条件式を下記(13)式、(14)式のように導く。
【0057】
θxが負の場合、|θA’|≧|θx|…(13)
θxが正の場合、|θB’|≧|θx|…(14)
図6は、ループ点位相差θxの極性に応じたループ許容位相差|θA’|及びループ許容位相差|θB’|の説明図である。ループ点位相差θxがa配電線11aの基準位相差θaに対して、正であるときは、|θx|が|θB’|以下の範囲ならばループ点でのループ切替は可であると判定する。同様に、ループ点位相差θxがa配電線11aの位相差θaに対して、負であるときは、|θx|が|θA’|以下の範囲ならばループ点でのループ切替は可であると判定する。
【0058】
以上の説明では、ループ切替の可否の判定は、ループ点のループ点位相差θxと、ループ許容位相差|θA’|、|θB’|との比較により、ループ点のループ点位相差θxが許容範囲を満足するか否かで判断するようにしたが、ループ点位相差θxの計算誤差を考慮した安全裕度|θα|を予め用意しておき、ループ切替の可否の判定は、ループ点位相差θxに安全裕度|θα|を加算した安全裕度加算ループ点位相差θi(=|θx|+|θα|)を求め、その安全裕度加算ループ点位相差θiがループ許容位相差|θA’|、|θB’|以下のときは、ループ切替を可と判定するようにしてもよい。
【0059】
図7は本発明の実施形態に係る配電線異系統ループ切替可否判定方法の他の工程の一例を示すフローチャートであり、
図1に示した一例に対し、ステップS9A、S9Bを追加し、ステップS10Aにおいて、安全裕度加算ループ点位相差θiがループ許容位相差|θA’|、|θB’|以下のときは、ループ切替を可と判定するようにしたものである。
図1に示した一例と同一ステップについては、同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0060】
図7において、まず、ステップS9でループ許容位相差|θA’|、|θB’|を求めた後に、安全裕度|θα|を決定するための安全裕度の決定処理を行う(S9A)。
図8は安全裕度の決定処理の一例を示すフローチャートである。予めループ点位相差θxの実測値と計算値とを蓄積しておく(T1)。例えば、上位系統の変電所が異なる二つの配電線の各々のループ点におけるループ点位相差θxの実測値と計算値とを蓄積しておく。各々のループ点において、日時が異なる複数の実測値と計算値とを蓄積しておいてもよい。次に、蓄積した各々のループ点におけるループ点位相差θxの実測値と計算値との誤差を算出し、各々のループ点の誤差の最大値を最大誤差として求める(T2)。そして、最大誤差を安全裕度とする(T3)。
【0061】
次に、ステップS9Aで決定された安全裕度|θα|をループ点位相差θxに加算した安全裕度加算ループ点位相差θiを下記(15)式で求める(S9B)。
【0062】
θi=|θx|+|θα|…(15)
ここで、
図8では、各々のループ点の誤差の最大値(最大誤差)を安全裕度|θα|としたが、
図9に示すように、ループ点位相差θxの極性、二つの配電線の各々のループ許容位相差|θA’|、|θB’|とループ点位相差θxとの差分に基づいて、各々のループ点の誤差の最大誤差または平均誤差のいずれかを選択するようにしてもよい。
【0063】
図9は安全裕度の決定処理の他の一例を示すフローチャートである。
図8のステップT1と同様に、予めループ点位相差θxの実測値と計算値とを蓄積しておく(U1)。次に、蓄積した各々のループ点におけるループ点位相差θxの実測値と計算値との誤差を算出し、各々のループ点の誤差の最大値を最大誤差として、各々のループ点の誤差の平均値を平均誤差として求める(U2)。
【0064】
そして、ループ点位相差θxの極性が正(+)かどうかを判定する(U3)。ループ点位相差θxの極性が正(+)のときは、基準位相でない非基準配電線のループ許容位相差|θB’|とループ点位相差|θx|との差分が最大誤差εmax以下かどうかを判定する(U4)。その差分が最大誤差εmax以下であるときは、最大誤差εmaxを安全裕度|θα|とする(U5)。一方、ステップU4の判定で、非基準配電線のループ許容位相差|θB’|とループ点位相差|θx|との差分が最大誤差εmaxより大きいときは平均誤差εaveを安全裕度|θα|とする(U6)。
【0065】
一方、ステップU3の判定で、ループ点位相差θxの極性が負(−)のときは、基準位相の基準配電線のループ許容位相差|θA’|とループ点位相差|θx|との差分が最大誤差εmax以下かどうかを判定する(U7)。その差分が最大誤差εmax以下であるときは、最大誤差εmaxを安全裕度|θα|とする(U8)。一方、ステップU7の判定で、基準配電線のループ許容位相差|θA’|とループ点位相差|θx|との差分が最大誤差εmaxより大きいときは平均誤差εaveを安全裕度|θα|とする(U9)。
【0066】
このように、ループ点位相差θxがループ許容位相差|θA’|、|θb’|に対して余裕があるときは、その差分が最大誤差εmaxより大きいので、平均誤差εaveを安全裕度|θα|とする。従って、ループ切替を可とする範囲を拡げることができる。
図9の処理で得られた安全裕度|θα|の場合も同様に、上記(15)式により、安全裕度加算ループ点位相差θi(=|θx|+|θα|)を求める。
【0067】
図10は、このようにして、ステップS9Bの処理で得られた安全裕度加算ループ点位相差θi(=|θx|+|θα|)を用いてループ可否判定を行う場合のステップS10Aの詳細図である。
【0068】
まず、ループ点位相差θxの極性が正(+)かどうかを判定する(V1)。ループ点位相差θxの極性が正(+)のときは、安全裕度加算ループ点位相差θi(=|θx|+|θα|)が非基準配電線のループ許容位相差|θB’|以下かどうかを判定する(V2)。安全裕度加算ループ点位相差θiが非基準配電線のループ許容位相差|θB’|以下であるときは、特段の対策を行わず、ループ切替は可能と判定する(V3)。一方、ステップV2の判定で、安全裕度加算ループ点位相差θiが非基準配電線のループ許容位相差|θB’|より大きいときは、ループ切替は不可と判定し、(16)式を満足する対策を行う必要ありと判断する(V4)。(16)式を満足する対策としては、当該配電線に接続される負荷を他配電線へ切り替えたり、配電用変電所バンクを片側に寄せたりする。
【0069】
|θB’|≧θi=(|θx|+|θα|)…(16)
一方、ステップV1の判定で、ループ点位相差θxの極性が負(−)のときは、安全裕度加算ループ点位相差θi(=|θx|+|θα|)が基準配電線のループ許容位相差|θA’|以下かどうかを判定する(V5)。安全裕度加算ループ点位相差θiが基準配電線のループ許容位相差|θA’|以下であるときは、特段の対策を行わず、ループ切替は可能と判定する(V6)。一方、ステップV5の判定で、安全裕度加算ループ点位相差θiが基準配電線のループ許容位相差|θA’|より大きいときは、ループ切替は不可と判定し、(17)式を満足する対策を行う必要ありと判断する(V7)。(17)式を満足する対策としては、配電線に接続される負荷を他配電線へ切り替えたり、配電用変電所バンクを片側に寄せたりする。
【0070】
|θA’|≧θi(=|θx|+|θα|)…(17)
このように、安全裕度|θα|を加算したループ点の安全裕度加算ループ点位相差θiが配電線許容電流IA、IBから見たループ時のループ許容位相差|θB’|、|θA’|以内かどうかを上記(16)式、(17)式を用いて判定し、ループ切替の可否を判定する。
【0071】
図11は、ループ点位相差θxの極性に応じた安全裕度加算ループ点位相差θi(=|θx|+|θα|)とループ許容位相差|θA’|及びループ許容位相差|θB’|との関係の説明図である。ループ点位相差θxがa配電線11aの基準位相差θaに対して、正であるときは、安全裕度加算ループ点位相差θi(=|θx|+|θα|)がループ許容位相差|θB’|以下の範囲ならばループ点でのループ切替は可であると判定する。同様に、ループ点位相差θxがa配電線11aの位相差θaに対して、負であるときは、安全裕度加算ループ点位相差θi(=|θx|+|θα|)がループ許容位相差|θA’|以下の範囲ならばループ点でのループ切替は可であると判定する。
【0072】
次に、66kVの送電系統にかかる電力潮流Pを考慮に入れてループ点位相差を計算した場合(比較例)と、本発明の実施形態にように66kVの送電系統にかかる電力潮流Pを考慮に入れない(計算から省くこと)で簡易な計算をした場合(実施例)との計算結果の比較を行う。
【0073】
<比較例>
図12は、本発明の比較例での66kVの送電系統にかかる電力潮流Pを考慮に入れてループ点位相差を計算する場合の系統図である。
【0074】
(1)データ取込処理
(上位系統情報)
上位系統インピーダンス:%Zg=0.2326、%Zf=0.5、66kV送電線インピーダンス:%Zh=0.067、%Zi=0.0914、%Ze=0.0702、%Zd=0.0548、%Zk=0.1625。66kV送電線にかかる電力潮流:Ph=45MW、Pi=21MW、Pe=28MW、Pd=13MW、Pk=14MW。
【0075】
(配電系統情報)
Ij、Ic:J、C配電用変電所バンク電流[A]であり、取得した電流値(Ij=560[A]、Ic=1210)は、(P=√3・V・I・cosθ)式により電力値に変換する。力率cosθ(=0.95)。J配電用変電所バンクの有効電力:Pj=√3・V・Ij・cosθ=√3×6.6kV×560[A]×0.95=6MW、C配電用変電所バンクの有効電力:Pc=√3・V・Ic・cosθ=√3×6.6kV×1210[A]×0.95=13MW。
【0076】
a配電線インピーダンス:%Za=8.744、b配電線インピーダンス:%Zb=9.31、Ia、Ibはa、b配電線電流であり、取得した電流値(Ia=177[A]、Ib=228[A])は、(P=√3・V・I・cosθ)式により電力値に変換する。力率cosθ(=0.95)。a配電線の有効電力:Pa=√3・V・Ia・cosθ=√3×6.6kV×177[A]×0.95=1.9MW、b配電線の有効電力:Pb=√3・V・Ib・cosθ=√3×6.6kV×228[A]×0.95=2.5MW。
【0077】
(2)ループ対象の基準設定)
基準となる上位系統変電所はA変電所を基準と設定する。基準となる配電線はa配電線を基準と設定する。
【0078】
(3)上位系統位相差θ0の計算
・上位系統変電所の遮断器開放箇所が1箇所であり、取得した基準変電所の位相が、上位系統位相差であるので、上位系統位相差θ0は、θ0=−1.00[度]である。上位系統位相差θ0は(A1)式で示される。
【0079】
θ0=[{Pg・%Zg−(Pf・%Zf+Pk・%Zk)}/1000]
×(180/π)=−1.00[度] …(A1)
[66kV送電線にかかる電力潮流を考慮した計算]
66kV送電線にかかる電力潮流を考慮した計算を行うには、A変電所からB変電所へ連絡する66kV送電線にかかる電力潮流分の位相差を基準変電所(A変電所)で取得した位相差θ0(=−1.00[度])から、A変電所〜B変電所間の66kV送電線にかかる位相差{−(Pk・%Zk/1000)×(180/π)}を除くことになる。これにより、(A2)式に示すように、A変電所からB変電所へ連絡する66kV送電線にかかる電力潮流分の位相差を除いた位相差θ0’が得られる。
【0080】
θ0’=θ0−{−(Pk・%Zk/1000)×(180/π)}
=−1.00+(Pk・%Zk/1000)×(180/π)}
=−1.00+(14×0.1625/1000)×(180/π)
=−1.00+0.13=−0.87[度] …(A2)
(4)ループ点のループ点位相差計算
まず、上位系統変電所(A変電所、B変電所)からループ点Xに至るa配電線側の位相θa、b配電線側の位相θbを各々(A3)式、(A4)式で求める。
【0081】
θa=(Ph・%Zh+Pi・%Zi+Pj・%Zj+Pa・%Za)/1000
=(45×0.067+21×0.0914+6×7.584
+1.9×8.744)/1000 …(A3)
θb=(Pe・%Ze+Pd・%Zd+Pc・%Zc+Pb・%Zb)/1000
=(28×0.0702+13×0.0548+13×7.38
+2.5×9.31)/1000 …(A4)
上位系統変電所(A変電所、B変電所)からループ点Xに至るa−b配電線間の位相差Δθは(A5)式より求められる。(A5)式は前述の(4)式に対応する。
【0082】
Δθ=(θa−θb) …(A5)
(A5)式に(A3)式及び(A4)式を代入し[rad]を[度]に変換すると位相差Δθは、Δθ(≒−3.14「度」)となる。
【0083】
ループ全体のループ点位相差θxは、前述の(7)式で示されるので、(7)式に、(A2)式及び(A5)式を代入すると、(A6)式が得られる。
【0084】
θx=θ0’+Δθ=−0.87+(−3.14)=−4.01[度] …(A6)
(5)ループインピーダンスの計算
ループインピーダンス%ZLは下記(A7)式で求められる。
【0085】
%ZL=%Za+%Zb+%Zc+%Zd+%Ze
+%Zf+%Zg+%Zh+%Zi+%Zj
=8.744+9.31+7.38+0.0548+0.0702
+0.5+0.2326+0.067+0.0914+7.584
=34.035 …(A7)
(6)配電許容電流から見たループ時の許容電流計算
a、b配電線のループ許容電流IA、IBは、前述の(9)、(10)式で示される。a、b配電線短時間許容電流Iuを600[A]とすると、a配電線負荷電流Ia(=177[A])、b配電線負荷電流Ib(=228[A])であるので、前述の(9)、(10)式に代入すると、a、b配電線のループ許容電流IA、IBは、(A8)式、(A9)式で示される。
【0086】
IA=Iu−Ia=600−177=423[A] …(A8)
IB=Iu−Ib=600−228=372[A] …(A9)
(7)配電許容電流から見たループ時の許容位相差計算
ループ点Xのループ点位相差の許容位相差|θA’|、|θB’|は、前述の(11)、(12)式で示される。(A7)式で求めたループインピーダンス、(A8)式、(A9)式で求めたa、b配電線のループ許容電流IA、IBを前述の(11)、(12)式でに代入すると、ループ許容位相差|θA’|、|θB’|は、(A10)式、(A11)式で示される。
【0087】
|θA’|=IA×%ZL/1520
=423×34.035/1520=9.47 …(A10)
|θB’|=IB×%ZL/1520
=372×34.035/1520=8.33 …(A11)
(8)安全裕度|θα|を加算したループ点の安全裕度加算ループ点位相差θiの計算
安全裕度|θα|を加算したループ点の安全裕度加算ループ点位相差θiは、前述の(15)式で求められる。例えば、安全裕度|θα|が0.7である場合には、安全裕度加算ループ点位相差θiは、(A12)式で示される。
【0088】
θi=|θx|+|θα|=|−4.01|+|0.7|=4.71 …(A12)
(9)安全裕度加算ループ点位相差θiの計算結果によるループ可否判断
安全裕度|θα|を加算したループ点の安全裕度加算ループ点位相差θiが配電線許容電流IA、IBから見たループ時の許容位相差|θA’|、|θB’|以内かどうかは、前述の(16)式、(17)式を用いて判定される。
【0089】
ループ全体のループ点位相差θxは(A6)式で示されるように、極性が負である(θx==−4.01[度])ので、前述の(17)式のループ許容位相差|θA’|が適用される。(A10)式より|θA’|=9.47、(A12)式よりθi=4.71であるので、前述の(17)式を満たす。
【0090】
図13は、比較例におけるa配電線を基準とした場合のループ許容位相差|θA’|、|θB’|、安全裕度加算ループ点位相差θi及びループ全体のループ点位相差θxの説明図である。a配電線を基準とし、a配電線に対してb配電線の位相差θbを進み(+)、遅れ(−)で示している。ループ全体のループ点位相差θxが(A6)式で示されるように、極性が負である場合(θx==−4.01[度])には、ループ許容位相差|θA’|(=9.47[度])が適用される。
【0091】
ループ全体のループ点位相差θxは(A6)式で示されるように、極性が負である(θx==−4.01[度])ので、前述の(17)式のループ許容位相差|θA’|が適用される。(A10)式より|θA’|=9.47、(A12)式よりθi=4.71であるので、前述の(17)式を満たす。
【0092】
<実施例>
図14は、本発明の実施例での66kVの送電系統にかかる電力潮流Pを考慮に入れないでループ点位相差を計算する場合の系統図である。
図12に示した比較例の系統図と同じであり、(1)データ取込処理、(2)ループ対象の基準設定)は同じであるので、説明は省略する。
【0093】
(3)上位系統位相差θ0の計算
・上位系統変電所の遮断器開放箇所が1箇所であり、取得した位相が上位系統位相差であるので、上位系統位相差θ0は、θ0=−1.00[度]である。上位系統位相差θ0は(A1’)式で示される。
【0094】
θ0=[{Pg・%Zg−(Pf・%Zf+Pk・%Zk)}/1000]
×(180/π)=−1.00[度] …(A1’)
[66kV送電線にかかる電力潮流の位相差計算を省略]
この部分の位相差は小数点以下の微少値のため、省略しても僅かな誤差である。従って、実施例では、下記のこれらの位相差を省略する。
【0095】
A変電所〜B変電所間の66kV送電線にかかる位相計算
(Pk・%Zk/1000)×(180/π)≒0.13[度]
A変電所〜J変電所間の66kV送電線にかかる位相計算
{(Ph・%Zh)+(Pj・%Zj)/1000}×(180/π)≒0.28[度]
B変電所〜C変電所間の66kV送電線にかかる位相計算
{(Pe・%Ze)+(Pd・%Zd)/1000}×(180/π)≒0.15[度]
(4)ループ点のループ点位相差計算
まず、上位系統変電所(A変電所、B変電所)からループ点Xに至るa配電線側の位相θa、b配電線側の位相θbは、比較例の場合と異なり、各々(A3’)式、(A4’)式で求められる。
【0096】
θa=(Pj・%Zj+Pa・%Za)/1000
=(6×7.584+1.9×8.744)/1000 …(A3’)
θb=(Pc・%Zc+Pb・%Zb)/1000
=(13×7.38+2.5×9.31)/1000 …(A4’)
上位系統変電所(A変電所、B変電所)からループ点Xに至るa−b配電線間の位相差Δθは(A5’)式より求められる。(A5’)式は前述の(4)式に対応する。
【0097】
Δθ=(θa−θb) …(A5’)
(A5’)式に(A3’)式及び(A4’)式を代入し[rad]を[度]に変換すると位相差Δθは、比較例と異なった値のΔθ(≒−3.27「度」)となる。
【0098】
ループ全体のループ点位相差θxは、前述の(7)式で示されるので、(7)式に、(A2’)式及び(A5’)式を代入すると、(A6’)式により、比較例と異なった値のループ全体のループ点位相差θxが得られる。
【0099】
θx= θ0+Δθ=−1.00+(−3.27)=−4.27[度] …(A6’)
(5)ループインピーダンスの計算
ループインピーダンス%ZLは比較例の場合と同様であり、下記(A7’)式により比較例と同じ値のループインピーダンス%ZLが求められる。
【0100】
%ZL=%Za+%Zb+%Zc+%Zd+%Ze
+%Zf+%Zg+%Zh+%Zi+%Zj
=8.744+9.31+7.38+0.0548+0.0702
+0.5+0.2326+0.067+0.0914+7.584
=34.035 …(A7’)
(6)配電許容電流から見たループ時の許容電流計算
a、b配電線のループ許容電流IA、IBも比較例の場合と同様であり、(A8’)式、(A9’)式で示される。
【0101】
IA=Iu−Ia=600−177=423[A] …(A8’)
IB=Iu−Ib=600−228=372[A] …(A9’)
(7)配電許容電流から見たループ時の許容位相差計算
ループ点Xのループ点位相差の許容位相差|θA’|、|θB’|も比較例の場合と同様であり、(A10)式、(A11)式で示される。
【0102】
|θA’|=IA×%ZL/1520
=423×34.035/1520=9.47 …(A10’)
|θB’|=IB×%ZL/1520
=372×34.035/1520=8.33 …(A11’)
(8)安全裕度|θα|を加算したループ点の安全裕度加算ループ点位相差θiの計算
安全裕度|θα|を加算したループ点の安全裕度加算ループ点位相差θiは、前述の(15)式で求められる。例えば、安全裕度|θα|が0.7である場合には、安全裕度加算ループ点位相差θiは、(A12’)式で示される。
【0103】
θi=|θx|+|θα|=|−4.27|+|0.7|=4.97 …(A12’)
(9)安全裕度加算ループ点位相差θiの計算結果によるループ可否判断
安全裕度|θα|を加算したループ点の安全裕度加算ループ点位相差θiが配電線許容電流IA、IBから見たループ時の許容位相差|θA’|、|θB’|以内かどうかは、前述の(16)式、(17)式を用いて判定される。
【0104】
ループ全体のループ点位相差θxは(A6’)式で示されるように、極性が負である(θx==−4.27[度])ので、前述の(17)式のループ許容位相差|θA’|が適用される。(A10’)式より|θA’|=9.47、(A12’)式よりθi=4.97であるので、前述の(17)式を満たす。
【0105】
このように、実施例のように、66kVの送電系統にかかる電力潮流Pを考慮に入れない場合であっても、66kVの送電系統にかかる電力潮流Pを考慮に入れた場合と同様に、ループ切替の判定が精度よく行える。
【0106】
本発明の実施形態によれば、配電線の異系統ループ切替にあたって、ループチェッカー(位相角測定器)による現地測定を行わず、切替可否の判定ができるため、現場作業の削減や効率化が図れる。また、ループ点の位相差計算にあたって、上位系統の電力潮流Pの収集やそれにかかる電力潮流Pの計算を行う必要がなく、上位系統情報は常時切り箇所の位相差(ループアングル)をもって上位系統分の位相差とし、66kVの送電系統にかかる電力潮流Pを計算から省くことで、簡易で低廉な計算が図れる。
【0107】
また、実際の上位系統では電源変電所遮断器の常時切り箇所が複数存在する系統が大半であるため、上位系統の電源変電所遮断器の常時切り箇所の位相差が系統状態によって複数存在する場合でもアングル合成計算で上位系統の位相差の合成値が求められるため、上位系統がどのような状態であっても簡易で低廉な計算が図れる。
【0108】
また、電源変電所遮断器の常時切り箇所における上位系統の位相差と配電用変電所バンクから配電線ループ点に至るまでの位相差を合計してトータル位相差を求め、これに過去履歴の実測値と計算値との誤差分の最大値と平均値を用いて、安全裕度を決定し、位相差計算値に安全裕度を加算して得られたループ点の位相差が配電線許容電流から見たループ時のループ許容位相差の範囲内にあるか否かを判定する安全かつ簡易な異系統ループ切替の可否判定方法を提供できる。
【0109】
以上、本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。