(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
本を頁毎にめくり、当該本の頁を撮像手段によって頁毎に基準画像として撮像し、当該基準画像のうち所定領域を切り出しトリミング画像として取り込む画像読み取り装置であって、
前記頁のめくり始め近傍の頁での前記所定領域に関するパラメータを指定する初期パラメータ指定手段と、
前記頁のめくり終わり近傍の頁での前記所定領域に関するパラメータを指定する終期パラメータ指定手段と、
前記初期パラメータ指定手段及び前記終期パラメータ指定手段により指定された前記パラメータに基づいて、任意の頁での前記パラメータを決定する決定手段と、
前記決定手段で決定された前記任意の頁のパラメータに基づいて、前記任意の頁の画像を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする画像読み取り装置。
本を頁毎にめくり、当該本の頁を撮像手段によって頁毎に基準画像として撮像し、当該基準画像のうち所定領域を切り出しトリミング画像として取り込む画像読み取り方法であって、
前記頁のめくり始め近傍の頁での前記所定領域に関するパラメータを指定する初期パラメータ指定工程と、
前記頁のめくり終わり近傍の頁での前記所定領域に関するパラメータを指定する終期パラメータ指定工程と、
前記初期パラメータ指定工程及び前記終期パラメータ指定工程により指定された前記パラメータに基づいて、任意の頁での前記パラメータを決定する決定工程と、
前記決定工程で決定された前記任意の頁のパラメータに基づいて、前記任意の頁の画像を補正する補正工程と、
を含むことを特徴とする画像読み取り方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0009】
図1は本発明に係る画像読み取り装置としての書画カメラシステムの概略構成を示す斜視図である。
図2は書画カメラシステムの要部構成を示す説明図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
図3は、書画カメラシステムの要部構成を示す正面図である。なお、以下の説明においては本Bの頁Pを左から右へとめくる場合について説明する。
図1〜
図3に示すように、書画カメラシステム1には、本Bの頁Pを撮像する撮像手段としての書画カメラ2と、本Bの頁Pをめくる頁めくり装置3と、書画カメラ2及び頁めくり装置3に通信自在に接続されたパソコン4とを備えている。
【0010】
書画カメラ2には、スタンド部21と、スタンド部21の上端に取り付けられたカメラ22とが設けられている。スタンド部21は本Bとカメラ22との相対的な位置関係を調整できるように、前後方向、左右方向に傾倒自在であるとともに、上下方向に伸縮自在となっている。カメラ22は、その画角内に本Bが収まるようにレンズが下方を向いている。カメラ22とスタンド部21との接合部には位置調整機構が設けられており、これによってカメラ22のレンズが向く方向も調整できるようになっている。
本実施形態では、カメラ22は左側の頁Pのみを撮像するように、左側の頁Pの上方に配置されている。
【0011】
頁めくり装置3は、開かれた本Bを保持する保持台6と、保持台6上の本Bの頁Pのめくり元位置で頁Pを保持し、頁Pのめくり先位置で頁Pに対する保持を解除するめくり機構30と、めくり元位置にある頁Pの上方に風を通過させることでめくり先位置にある頁Pに対して風を当てる送風部5と、各部を制御する制御部36とを備えている。
【0012】
保持台6は、
図3に示すように、図示しないヒンジにより折り畳み自在な一対の保持板61,62を備えている。ここで、
図3に示すように本Bの頁Pが左から右へとめくられる場合は、一対の保持板61,62のうち、左側に配置された一方の保持板61が卓D上に沿うように置かれ、右側に置かれる他方の保持板62が一方の保持板61に対して所定の角度で起き上がるように傾斜して卓D上に置かれる。一方の保持板61上には、本Bのめくり元位置となる頁Pが置かれ、他方の保持板62上には、本Bのめくり先位置となる頁Pが置かれることになる。
本Bの頁Pが右から左へとめくられる場合は、右側に配置された他方の保持板62が卓D上に沿うように置かれ、左側に置かれる一方の保持板61が他方の保持板62に対して所定の角度で起き上がるように傾斜して卓D上に置かれる。他方の保持板62上には、本Bのめくり元位置となる頁Pが置かれ、一方の保持板61上には、本Bのめくり先位置となる頁Pが置かれることになる。
これにより、保持台6は、めくり元位置にある頁Pよりもめくり先にある頁Pの方が本Bの綴じ目b2に対して起きる方向に傾斜するように本Bを保持することになる。なお、一対の保持板61,62がヒンジにより折り畳み自在となっているので、一対の保持板61,62のなす角度も調整することができ、めくり先位置にある頁Pの水平面に対する傾斜角度θが調整自在となっている。傾斜角度θとしては30〜45度内の範囲で調整することが好ましい。
【0013】
めくり機構30は、台座31と、台座31上に設けられた駆動軸32を有するモータなどの第一駆動部(駆動部)33と、駆動軸32を中心に揺動するアーム部34と、アーム部34の先端に取り付けられ、本Bの頁Pに対して吸着又は分離する吸着部35とを備えている。
【0014】
台座31は、保持台6上で開かれた本Bの上辺b1と一辺が平行となるように卓D上に配置されている。以下の説明では本B側を後、台座31側を前とする。本Bの綴じ目b2は前後方向に沿うこととなる。台座31は、主台部311と、主台部311に重なるように設けられ当該主台部311に対する角度αが調整自在な副台部312とを備えている。副台部312の後端部(本B側の端部)には図示しないヒンジが設けられていて、このヒンジによって副台部312と主台部311との角度αが調整自在となっている。副台部312には、第一駆動部33を支持する回転自在な回転板313が設けられている。この回転板313の上面に対して平行に第一駆動部33の駆動軸32が配置されている。
本Bの頁Pが左から右へとめくられる場合は、駆動軸32の後端部(本B側の端部)が頁Pの綴じ目b2に対して右側となって、基端部にあたる前端部(本Bとは反対側の端部)が綴じ目b2に対して左側となるように回転板313の角度が決められている。他方、本Bの頁Pが右から左へとめくられる場合は、駆動軸32の後端部(本B側の端部)が頁Pの綴じ目b2に対して左側となって、前端部(本Bとは反対側の端部)が綴じ目b2に対して右側となるように回転板313の角度が決められている。
めくり方向がいずれにしろ駆動軸32は、基端部が本Bの綴じ目b2に対して頁Pのめくり元位置側となるように傾き、なおかつ本Bが置かれる面(水平面)に対しても角度αだけ傾くようにしている。
また、副台部312の後端部(本B側の端部)には、位置決め時の目印314が形成されている。この目印314が綴じ目b2の延長線上に重なるように台座31を配置することが好ましい。
【0015】
アーム部34は、駆動軸32に対して本B側に向けて傾いており、駆動軸32が回転するとアーム部34が駆動軸32を中心にして円弧を描くように頁Pのめくり元位置と、頁Pのめくり先位置との間を往復動作するようになっている。つまり、駆動軸32がアーム部34の揺動対称軸である。以下の説明においては、頁Pのめくり元位置からめくり先位置までの移動を往動とし、めくり先位置からめくり元位置までの移動を復動とする。
図3は、アーム部34の先端部に備わる吸着部35の経路を正面側(頁Pの綴じ目b2の軸に沿う方向(綴じ目b2を法線とする方向))から示している。
図3に示すように、アーム部34の先端部にある吸着部35は、往動時においては頁Pのめくり元位置に対して接触した位置から、頁Pの上方で円弧を描くように移動して頁Pのめくり先位置に移動する。
【0016】
図4は、駆動軸32の傾きが頁Pのめくり動作にどのように影響するかを模式的に示した説明図である。なお、
図4においては見やすさのために、保持台6を用いずに本Bを卓D上に直接載置した場合を示している。
図4(a)は駆動軸32が綴じ目b2の延長線上に沿って、なおかつ水平に配置された場合を示している。この場合には、綴じ目b2を対称軸とした経路で吸着部35が移動するので、吸着部35はめくり先位置においても右側の頁P上に接触したままとなり、頁Pから分離することができない。
【0017】
図4(b)は駆動軸32を水平なまま、当該駆動軸32の後端部が頁Pの綴じ目b2に対して右側となって、基端部にあたる前端部が綴じ目b2に対して左側となるように傾かせた場合を示している。この場合には頁Pのめくり元位置で吸着部35を吸着させたとしても、アーム部34が駆動軸32を中心に回転すると往動の終点位置では吸着部35が本Bから前側に離れることなる。このため、吸着していた頁Pから吸着部35を分離させやすくすることができる。
しかし、スムーズに頁Pがめくれない場合があることがわかった。この原因としては頁めくりの前半から中盤(楕円V部分)で本Bと吸着部35との距離が長くなってしまうことが一因だと考えられる。
【0018】
図4(c)は駆動軸32を本Bの綴じ目b2に対して傾かせ、なおかつ水平面に対しても傾かせた場合、つまり本実施形態の駆動軸32の場合を示している。この場合、頁めくりの前半から中盤(楕円V部分)での本Bと吸着部35との距離が
図4(b)の場合よりも短くなる。
具体的には、
図5は駆動軸32が水平な場合と、水平面に対して傾かせた場合とによって吸着部35の経路の異なりを示す模式図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
図5では、本Bの左右方向をx方向、本Bの上下方向をy方向、本Bの鉛直方向をz方向としている。
図5においては、駆動軸32を水平面に対して傾かせた点を明確にするため、駆動軸32と本Bの綴じ目b2とが一直線上に並んだ場合を示している。
図5に示すように、駆動軸32が水平な場合(図中、点線部)には吸着部35の軌跡n1は、上面から見ると左右方向に沿った直線状となり(
図5(a))、側面から見ると鉛直線方向に沿った直線状となり(
図5(b))、正面から見ると半円状となっている(
図5(c))。一方、水平面に対して駆動軸32を傾かせた場合(図中、実線部)には吸着部35の軌跡n2は、上面から見ると後側を凸にする弧状となり(
図5(a))、側面から見ると上端が後側に傾いた直線状となり(
図5(b))、正面から見ると半円がつぶれた弧状となっている(
図5(c))。
図5(b)に示す軌跡n2は、吸着部35の駆動軌跡平面を側方から見た状態を示しているが、本Bの左右方向と、本Bの鉛直法線とを含む面(xz平面)に対して傾いていることが分かる。
また、
図5(c)から明らかなように、吸着部35から綴じ目b2までの距離は、吸着部35が綴じ目b2上方を通過する際の方が、めくり元位置で頁Pに吸着したときよりも短くなる。つまり、吸着部35が綴じ目b2上方を通過する際においては、軌跡n2の方が軌跡n1よりも本Bから吸着部35までの距離を短くすることが可能となっている。
このことから、
図4(c)に示す本実施形態の場合では、頁めくりの後半で本B(綴じ目b2)と吸着部35との距離を長くし、吸着していた頁Pから吸着部35を分離させやすくするとともに、頁めくりの前半から中盤(楕円V部分)での本B(綴じ目b2)と吸着部35との距離を短くすることができ、頁Pを適度にたるませることができるので、確実に頁Pをめくることが可能となる。
そして、復動時では、往動時と進行方向は逆であり、同経路で吸着部35は頁Pから分離した状態で移動し、最終的に頁Pのめくり元位置で新たな頁Pに吸着する。この往復動作を繰り返すことで頁Pのめくり動作が進行する。
【0019】
なお、本実施形態では、
図4(c)に示すように、駆動軸32が開かれた本Bの綴じ目b2に対して傾いているとともに、水平面に対しても傾いている例で説明したが、駆動軸32が綴じ目b2、水平面のどちらか一方に対して傾いている場合についても、個別に効果があることはもちろんである。
駆動軸32が水平面だけに対して傾いている場合については、後述するように、第二駆動部37を駆動させたり、右側では吸着部35が左側よりも高い位置で止まるようにしたりして、吸着部35を頁から分離させやすくすればよい。
【0020】
次に、アーム部34及び吸着部35の具体的構成について説明する。
図6はアーム部34の概略構成を示す模式図である。
図6に示すようにアーム部34は基端部が駆動軸32に取り付けられた板状部材である。このアーム部34の先端部には例えばモータなどの第二駆動部37を介して吸着部35が取り付けられている。
第二駆動部37はその駆動軸39がアーム部34の長手方向に対して直交する方向に沿うように配置されている。この駆動軸39には吸着部35が着脱自在に取り付けられていて、当該駆動軸39の回転に伴って吸着部35が回転するようになっている。
【0021】
図7は吸着部35の概略構成を示す正面図である。
図7に示すように吸着部35には、円柱状の回転ローラ351と、回転ローラ351の周囲に巻き付けられた粘着部材352とが備えられている。
ここで、第二駆動部37の駆動軸39に対する吸着部35の交換作業効率を向上させたいという要望がある。このため、回転ローラ351を例えばスポンジなどのような弾性体から形成し、その中心部に駆動軸39が嵌合する嵌合穴353を形成している。スポンジ以外の弾性体としてはゴムや発泡体等が挙げられる。嵌合穴353の内径は駆動軸39の外径よりも小さく形成されていて、嵌合穴353に駆動軸39を押し込むことにより回転ローラ351が収縮して嵌合穴353内に駆動軸39が嵌合する。したがって、交換時においても駆動軸39から回転ローラ351を引き抜くだけで取り外せることが可能となっている。このように、回転ローラ351が弾性体であるため、駆動軸39に対する吸着部35の着脱動作を容易に行うことができ、交換作業を容易化することができる。
【0022】
図8は粘着部材352の概略構成を示す斜視図である。
図8に示すように粘着部材352はシート体であり例えば両面テープなどのように両面粘着構造を有している。粘着部材352は二層構造となっていて、本Bに吸着する側(表面側)においては弱粘性で剥がしてもカスが残らない特性と、複数回使用できる特性を有する弱粘層354となっている。他方、裏側においては回転ローラ351に巻き付けられた状態を維持できるように弱粘層354よりも強い粘性を有する強粘層355となっている。そして、粘着部材352には所定の長さ毎にミシン目356が形成されている。
【0023】
図9は、粘着力が弱くなった粘着部材352を剥がす手順を示す説明図である。まず、ユーザーは粘着力が弱くなったと感じた場合、
図9(a)に示すように最表面の粘着部材352を1周分剥がすことで新たな粘着部材352の弱粘層354を露出させる。そして粘着力が弱った部分をミシン目356に沿って切断する。この切断時に
図9(b)に示すように一時的に剥がれた部分があると、ユーザーは当該部分を再度貼り付ける。これにより、新たな弱粘層354が露出するため、頁めくり動作を適切に再開することが可能となる。
【0024】
図1〜
図3に示すように、送風部5は、本Bのめくり元位置の上流側に配置されている。例えば本Bの頁Pが左から右へとめくられる場合は、本Bのめくり元位置にある頁Pよりも左側に送風部5は配置され、本Bの頁Pが右から左へとめくられる場合は、本Bのめくり元位置にある頁Pよりも右側に送風部5は配置される。このため、送風部5はカメラ22の画角から外れた位置に配置されている。また、送風部5には、風を送る送風口51を備えた本体部52と、本体部52を支持する送風台53とを備えている。
本体部52には、送風口51から風を送出するファン部54(
図10参照)と、ファン部54からの風の進行方向(風向)を変更するため風向調整部55(
図10参照)が設けられていてこの風向調整部55によって風向が送風口51を中心に上下方向(
図3における矢印Y2方向)に変更されるようになっている。
送風台53は、本体部52を所定の高さで支持するものである。この送風台53は、めくり先位置にある頁Pよりも高位に送風口51が配置されるように設定されている。これにより、送風口51から送出された風がめくり元位置にある頁Pの上方を通過して、めくり先位置にある頁Pに当たることになる。めくり元位置にある頁Pにはあまり風の影響を与えず、めくり先位置にある頁Pに対しては風の影響が高められている。
【0025】
次に、本実施形態の書画カメラシステム1の主制御構成について説明する。
図10は書画カメラシステム1の主制御構成を示すブロック図である。
図10に示すように、頁めくり装置3の制御部36には、第一駆動部33を駆動するためのモータドライバ361と、第二駆動部37を駆動するためのモータドライバ362と、ファン部54を駆動するためのモータドライバ368と、風向調整部55を駆動するためのモータドライバ369と、各種プログラムが記録されたROM363と、ROM363中のプログラムの実行時に当該プログラムが展開されるRAM364と、各種指示が入力される操作部365と、操作部365からの指示に基づいてROM363中のプログラムをRAM364に展開し実行することでモータドライバ361,362を制御するCPU366と、パソコン4が接続されるI/F367と、電源370とが備えられている。
操作部365には、頁めくり処理を開始させるための開始スイッチ365aと、頁めくり処理を停止させるための停止スイッチ365b等が設けられている。CPU366は、開始スイッチ365aが操作されてから、停止スイッチ365bが操作されるまでにめくられた頁数をN値としてカウントする。このN値はRAM364に記憶されている。
【0026】
パソコン4には、カメラ22で撮像された基準画像G(
図14等参照)及び当該基準画像Gから所定領域G1(
図21等参照)だけトリミングして得られたトリミング画像を記録する記録部41と、種々の操作指示がパソコン4自体に入力されるキーボード、タッチパネル、マウス等の操作手段42とが備えられている。
【0027】
以下、書画カメラシステム1による画像読み取り方法について説明する。
まず、画像読み取り方法における頁めくり処理について説明する。
図11は頁めくり処理の流れを示すフローチャートである。
まず、頁めくり処理が実行される前の準備について説明する。なお、ここでは先ず左側の頁Pのみを連続して撮像し、その後右側の頁Pを連続して撮像する場合を例示して説明する。
ユーザーは、保持台6上に本Bを開いて載置し、その開かれた頁Pのうち、左側の頁Pの上方にカメラ22を配置する。
頁めくり装置3においては、予め起点(復動の終点位置)に吸着部35が配置されるようにアーム部34の位置を合わせる。この際、ユーザーは粘着部材352の粘着性を確認し、粘性が弱い場合には当該弱い部分を剥がし、新たな粘着部材352を露出させておく。そして、本Bを開き、取り込み始めたい頁Pの一頁前の頁Pを開いて、吸着部35を往動の終点位置(復動の起点位置に移動させておく。そして、頁めくり装置3の電源370をONにすると、CPU366がROM363中の頁めくり処理用のプログラムをRAM364に展開し実行する。
【0028】
図11に示すようにステップS1では、CPU366は開始スイッチ365aが操作されたか否かを判断し、操作されていない場合はそのままの状態を継続し、操作された場合はステップS2に移行する。
ステップS2では、CPU366は、RAM364に記憶されているN値を0にリセットする。
ステップS3では、CPU366は、ファン部54を駆動して送風部5からの送風を実行する。このとき、ファン部54の風量は初期風量となっている。また、頁Pのめくり始めには、めくり元位置にある頁Pは多く厚みがある。このため送風部5からの風は、水平よりもわずかに上向く風向となるように風向調整部55が制御されている。
【0029】
ステップS4では、CPU366はアーム部34が右から左に移動(復動)するように第一駆動部33を制御する。
ステップS5では、CPU366は第一駆動部33の駆動時間が第一所定時間を超えたか否かを判断し、第一所定時間以下である場合にはそのまま第一駆動部33の駆動を継続し、第一所定時間を超えた場合にはステップS6に移行する。第一所定時間は、復動の起点から終点までアーム部34を移動させることのできる時間に設定されている。
ステップS6では、CPU366は第一駆動部33を停止する。これにより、吸着部35の回転が停止された状態で左側の頁Pに吸着することになる。
【0030】
ステップS7では、CPU366はアーム部34が左から右に移動(往動)するように第一駆動部33を制御する。
ステップS8では、CPU366は第一駆動部33の駆動時間が第二所定時間を超えたか否かを判断し、第二所定時間以下である場合にはそのまま第一駆動部33の駆動を継続し、第二所定時間を超えた場合にはステップS9に移行する。第二所定時間は、第一所定時間よりも短い時間に設定されており、特にアーム部34が往動し始めてから往動の半分地点を通過する付近から往動を終える前までの時間に設定されていることが好ましい。
ステップS9では、CPU366は第一駆動部33を駆動させたままの状態で第二駆動部37を制御して吸着部35を回転させる。この回転によって、吸着部35を頁Pから分離させる際に吸着部35の吸着強度が変化することになり、吸着部35を頁Pから確実に分離させることが可能となっている。さらに、
図12に示すように往動時では、アーム部34は時計回りに回転している(矢印Y1)。より分離性能を高めるためには、第二駆動部37がアーム部34の揺動とは反対方向、つまり反時計回りに吸着部35を回転させることが好ましい。
【0031】
ステップS10では、CPU366は第一駆動部33の駆動時間が第一所定時間を超えたか否かを判断し、第一所定時間以下である場合にはそのまま第一駆動部33及び第二駆動部37の駆動を継続し、第一所定時間を超えた場合にはステップS11に移行する。
ステップS11では、CPU366は第一駆動部33及び第二駆動部37を停止する。第二駆動部37が回転している期間内で、頁Pは吸着部35から分離され、これにより、吸着部35はめくり先位置の頁Pから離れた位置に頁Pから分離した状態で配置されることになる。この位置であると吸着部35及びアーム部34はカメラ22の画角から外れ、めくり機構30全体がカメラ22の画角から外れることになる(
図2(a)参照)。
なお、
図13は一頁分のめくり動作の第一駆動部33及び第二駆動部37の駆動タイミングを示している。
ここでは、第二駆動部37の駆動終了タイミングを第一駆動部33の駆動終了タイミングと同じにする例で説明しているが、第二駆動部37の駆動終了タイミングを第一駆動部33の駆動終了タイミングより早めるようにしてもよい。
【0032】
ステップS12では、CPU366はパソコン4に頁めくり完了信号を出力する。
ステップS13では、パソコン4は、入力された頁めくり完了信号に基づいてカメラ22を制御し、現在開かれている頁P(見開きの状態)の撮像を行う。このとき、めくり機構30及び送風部5はカメラ22の画角から離れているので、現在開かれている頁Pのみが撮像されることになる。カメラ22での撮像画像データは、基準画像Gとして一枚毎(一撮像)にナンバリングされてパソコン4の記録部41に記録される。
【0033】
ステップS14では、CPU366はN値に1を加えてRAM364に記憶する。
ステップS15では、CPU366はN値が第一閾値を超えたか否かを判断し、越えている場合はステップS16に移行して、越えていない場合はステップS17に移行する。めくり先位置に溜まった頁Pが多くなるとめくり元位置へと戻りやすくなってしまうため、初期風量でも確実にめくり先位置の頁Pを押さえることができるめくり量を第一閾値としている。
ステップS16では、CPU366はファン部54を制御して、初期風量よりも大きい風量に変更する。
【0034】
ステップS17では、CPU366はN値が第二閾値を超えたか否かを判断し、越えている場合はステップS18に移行して、越えていない場合はステップS19に移行する。めくった頁Pが多くなると、めくり元位置の頁Pは全体として低くなり、めくり先位置の頁Pの根元(綴じ目)の位置も下がることになる。このため、初期の風向でも確実にめくり先位置の頁Pを押さえることができるめくり量を第二閾値としている。
ステップS18では、CPU366は風向調整部55を制御して、初期の風向よりも下向きの風向に変更する。
【0035】
ステップS19では、CPU366は停止スイッチ365bが操作されたか否かを判断し、操作されていない場合にはステップS2に移行し、操作されている場合には頁めくり処理を終了する。これにより、頁めくり動作と撮像動作が繰り返され、めくり元位置に配置された左側の頁Pの撮像が完了する。
【0036】
一方の頁Pの連続撮像が完了した後には、ユーザーは、本Bを上下方向に逆さにして保持台6上に設置することで、撮像されていない頁Pを左側の保持板61上に配置する。そして、上述した頁めくり処理を再度実行する。なお、この場合、各頁Pの撮像画像データを上下反転させて記録している。
これらの工程によって、本Bの左右の頁Pがそれぞれ連続して撮像され記録されることになる。撮像後においては、パソコン4の記録部41には、左側の各頁Pの画像データ群(第一画像データ群)と、右側の各頁Pの画像データ群(第二画像データ群)とが個別に記録されている。
【0037】
基準画像Gの記録後においては、パソコン4によって基準画像Gのうち所定領域を切り出してトリミング画像として加工し、再度取り込む。
ここで、基準画像Gに対するトリミングを行う際には、補正を施さないと全ての頁を略同一の大きさでトリミングすることができない。
図14は頁Pのめくり始め時点での本Bの状態及び基準画像Gを示し、
図15は頁Pのめくり終わり時点での本Bの状態及び基準画像Gを示している。
図14に示すように頁Pのめくり始め時点においては、カメラ22と最上位の頁Pとの間隔Hは最も小さい状態であるために、基準画像Gに対する文書領域G2は相対的に大きくなる。
他方、
図15に示すように頁Pのめくり終わり時点においては、カメラ22と最上位の頁Pとの間隔Hは最も大きい状態であるために、基準画像Gに対する文書領域G2は相対的に小さくなる。
また、めくり始め時点の頁Pの左端の位置U1と、めくり終わり時点の頁Pの左端の位置U2とではズレZが生じるために、文書領域G2も頁Pのめくりが進行するに連れて徐々にX方向にずれていくことになる。このずれの補正もトリミング時には考慮することが必要となる。
【0038】
以下、本実施形態に係る画像読み取り方法としてのトリミング処理について説明する。
図16はトリミング処理の流れを示すフローチャートである。
トリミング処理においては、頁P毎に撮像された基準画像Gから所定領域G1を切り出しトリミング画像として取り込むプログラムをパソコン4が実行する。
【0039】
トリミング処理が開始されると、ステップS21ではパソコン4は記録部41から第一画像データ群を読み出す。
ステップS22では、パソコン4は第一画像データ群の各頁Pのサイズ補正を実行する。
【0040】
図17は頁Pのサイズ補正処理の流れを示すフローチャートである。
頁Pのサイズ補正処理が実行されると、ステップS220ではパソコン4は、
図18に示すように最初の頁Pの基準画像Gを画面上に表示する。
ステップS221では、画面に表示された基準画像Gにおける頁Pの一辺(本実施形態では左端の長辺)の始点Q1と終点Q2とを、ユーザーが操作手段42を操作することで指定する(初期パラメータ指定ステップ、初期パラメータ指定工程)。操作手段42がマウスである場合には始点Q1及び終点Q2にカーソルを合わせてクリックをすることで、パソコン4が両者の座標位置を特定する。パソコン4は、始点Q1及び終点Q2の各々の座標位置から長辺の長さL1を求める。
【0041】
ステップS222ではパソコン4は、
図19に示すように最後の頁Pの基準画像Gを画面上に表示する。
ステップS223では、画面に表示された基準画像Gにおける頁Pの一辺の始点Q3と終点Q4とを、ユーザーが操作手段42を操作することで指定し、それに伴いパソコン4が両者の座標位置を特定する(終期パラメータ指定ステップ、終期パラメータ指定工程)。パソコン4は、始点Q3及び終点Q4の各々の座標位置から長辺の長さL2を求める。
【0042】
ステップS224では、パソコン4は、一頁毎の拡大率S(n)を下記の式を用いて算出し、任意の頁Pでの拡大率S(n)を決定する。具体的には頁Pのめくり始め時点から頁Pのめくり終わり時点の間の各頁Pにおける拡大率S(n)を補間により決定する(決定ステップ、決定工程)。
最初の頁Pを基準とした最後の頁Pの拡大率Sは、
S=L1/L2
で求められる。そして、最初の頁Pから最後の頁Pまでの頁数をmとすると、任意の頁n(頁番号)の拡大率S(n)は、
S(n)=1+(S−1)・{(n−1)/(m−1)}
で求められる。このように本実施形態の頁Pのサイズ補正処理では、補間方法として線形補間が用いられているが、その他の周知の補間方法を用いることも可能である。
【0043】
ステップS225では、パソコン4は、n=1にセットする。
ステップS226では、パソコン4は、n番目の基準画像Gを読み込む。
ステップS227では、パソコン4は、読み込んだn番目の基準画像GをS(n)倍し、サイズ調整画像G3(
図21等参照)として記録部41に保存する。ステップS224で決定された任意の頁Pの拡大率S(n)に基づいて、任意の頁Pの画像が補正される(補正ステップ、補正工程)。
ステップS228では、パソコン4は、読み込んでいたn番目の頁Pが最後の頁Pであるか否かを判断し、最後の頁Pでない場合にはステップS229に移行する。
ステップS229では、パソコン4はn=n+1として、ステップS226に移行する。
このステップS226〜ステップS229が最後の頁Pまで繰り返されることで、全ての頁Pの基準画像Gが同サイズに変換されることになる。
ステップS228で、読み込んでいたn番目の頁Pが最後の頁Pである場合には、パソコン4は頁Pのサイズ補正処理を終了して、
図16のステップS23に移行する。
【0044】
ステップS23では、パソコン4は第一画像データ群の各頁Pの位置補正処理を実行する。
図20は頁Pの位置補正処理の流れを示すフローチャートである。
頁Pの位置補正処理が実行されると、ステップS230では、パソコン4は、
図21に示すように最初の頁Pのサイズ調整画像G3を画面上に表示する。
ステップS231では、画面に表示されたサイズ調整画像G3に対して、ユーザーが操作手段42を操作することにより所定領域G1を指定する(初期パラメータ指定ステップ、初期パラメータ指定工程)。操作手段42がマウスである場合には始点Q5からドラッグをし始め、所望の所定領域G1を指定できた時点でドロップすることでパソコン4が所定領域G1の座標位置を特定する。なお、所定領域G1の指定においては、ユーザーの任意であるが少なくとも文書領域G2が含まれるように所定領域G1を指定することが好ましい。
【0045】
ステップS232では、パソコン4は、
図22に示すように最後の頁Pのサイズ調整画像G3を画面上に表示する。
ステップS233では、画面に表示されたサイズ調整画像G3に対して、ユーザーが操作手段42を操作することにより所定領域G1の始点Q6を指定し、それに伴いパソコン4が始点Q6の座標位置を特定する(終期パラメータ指定ステップ、終期パラメータ指定工程)。
【0046】
ステップS234では、パソコン4は、一頁毎の移動量X(n)を下記の式を用いて算出して、任意の頁Pでの移動量X(n)を決定する。具体的には、頁Pのめくり始め時点から頁Pのめくり終わり時点の間の各頁Pにおける移動量X(n)を補間により決定する(決定ステップ、決定工程)。
最初の頁Pに対する始点Q5のX座標値をXsとし、最後の頁Pに対する始点Q6のX座標値をXeとすると、最初の頁Pを基準とした最後の頁Pの移動量ΔXは、
ΔX=Xs−Xe
で求められる。そして、任意の頁n(頁番号)の移動量X(n)は、
X(n)=Xs−ΔX・{(n−1)/(m−1)}
で求められる。このように本実施形態の頁Pの位置補正処理では、補間方法として線形補間が用いられているが、その他の周知の補間方法を用いることも可能である。
【0047】
ステップS235では、パソコン4は、n=1にセットする。
ステップS236では、パソコン4は、n番目のサイズ調整画像G3を読み込む。
ステップS237では、パソコン4は、読み込んだn番目のサイズ調整画像G3から所定領域G1をX(n)だけずらしてからトリミングし、そのトリミング画像を記録部41に保存する。ステップS234で決定された任意の頁Pの移動量X(n)に基づいて、任意の頁Pの画像が補正される(補正ステップ、補正工程)。
ステップS238では、パソコン4は、読み込んでいたn番目の頁Pが最後の頁Pであるか否かを判断し、最後の頁Pでない場合にはステップS239に移行する。
ステップS239では、パソコン4はn=n+1として、ステップS236に移行する。
このステップS236〜ステップS239が最後の頁Pまで繰り返されることで、全ての頁Pに対する所定領域G1の位置ズレが修正されることになる。
ステップS238で、読み込んでいたn番目の頁Pが最後の頁Pである場合には、パソコン4は頁Pの位置補正処理を終了して、
図16のステップS24に移行する。
なお、本実施形態の頁Pの位置補正処理では、本Bの幅方向(X方向)のみの位置補正を行う場合について説明したが、縦方向の位置補正を行うようにしてもよいことはもちろんである。
【0048】
ステップS24ではパソコン4は記録部41から第二画像データ群を読み出す。
ステップS25では、パソコン4は第二画像データ群の各頁Pのサイズ補正を実行する。具体的な内容については上述した第一画像データ群の各頁Pに対してサイズ補正処理を施す場合と同様の処理が行われるため、ここでは説明を省略する。
ステップS26では、パソコン4は第二画像データ群の各頁Pの位置補正を実行する。具体的な内容については上述した第一画像データ群の各頁Pに対して位置補正処理を施す場合と同様の処理が行われるため、ここでは説明を省略する。
【0049】
ステップS27では、パソコン4は、第一画像データ群に基づく各トリミング画像と、第二画像データ群に基づく各トリミング画像とが順番通りに並ぶようにデータ順序を再構築して画像データを一体化し、終了する。
【0050】
このように、頁Pの位置補正処理においては、各頁Pのサイズ調整画像を用いて所定領域G1の位置を調整し、当該所定領域G1が切り出されてトリミングが行われる。各頁Pのサイズ調整画像は基準画像に対して所定の拡大率S(n)で拡大されて大きさの均一化が図られているために、等倍の最初の頁Pのサイズ調整画像を基に所定領域G1を設定するだけで、それ以降の頁Pに対しても最適な大きさの所定領域G1が設定されることになる。
つまり、拡大率S(n)は本発明に係る所定領域G1に関するパラメータである。また、拡大率S(n)を求めるための長さL1は、頁Pのめくり始め時点での所定領域G1に関するパラメータであり、長さL2は頁Pのめくり終わり時点での所定領域G1に関するパラメータである。
さらに、移動量X(n)は本発明に係る所定領域G1に関するパラメータである。また、移動量X(n)を求めるための、最初の頁Pに対する所定領域G1の始点Q5のX座標値は、頁Pのめくり始め時点での所定領域G1に関するパラメータであり、最後の頁Pに対する所定領域G1の始点Q6のX座標値は頁Pのめくり終わり時点での所定領域G1に関するパラメータである。
これらのパラメータはいずれもパソコン4によって指定され、補間されているので、パソコン4が本発明に係る初期パラメータ指定手段、終期パラメータ指定手段、決定手段及び補正手段である。
【0051】
以上のように、本実施形態によれば、トリミング画像を切り出すための所定領域G1に関するパラメータのうち、頁Pのめくり始め時点のパラメータ、頁Pのめくり終わり時点のパラメータのみを予め指定し、それらの指定したパラメータに基づいて、頁Pのめくり始め時点から頁Pのめくり終わり時点の間の各頁Pにおけるパラメータを補間する。これにより、補間された各頁Pのパラメータに基づいて所定領域G1を調整することができ、全ての頁Pにおけるトリミング画像を均一化することができる。したがって、本の最初の頁から最後の頁まで、切り取った画像の均一性を確保することができる。
【0052】
上述した補正処理では、補間技術を使用するので、頁P毎に画像認識を行い補正処理する場合より遙かにデータ処理時間は少なくてすむ。
また、パラメータの補間方法として線形補間が用いられているので、簡単な計算で各頁Pのパラメータを補間することができる。したがって、補間にかかるパソコン4の処理を軽減化することが可能である。なお、正確性を求めるのであればより高度な補間方法を用いることも可能である。
【0053】
操作手段42を介して入力されたユーザーによる指示に基づいて、パラメータが指定されているので、ユーザーが所望するように所定領域G1を決定することが可能である。
【0054】
また、パラメータが所定領域G1の大きさであるので、頁P毎の所定領域G1の大きさを補間によって求めることができる。
また、パラメータが所定領域G1の位置であるので、頁P毎の所定領域G1の位置を補間によって求めることができる。
【0055】
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、吸着部35が粘着部材352を備えていて当該粘着部材352の粘着性によって頁Pに吸着する場合を例示して説明したが、吸引等によって頁Pに吸着部を吸着させることも可能である。この場合、例えば吸着部の周面に内部空間と連通する連通孔を形成し、吸着部の内部空間とポンプとを連通させることによって、ポンプを駆動し内部空間を負圧にすれば連通孔に対して吸引力が作用することになる。この吸引力を用いて吸着部に頁Pを吸着させることが可能である。
また、吸引、粘着以外にも静電吸着による吸着を吸着部に適用することも可能である。
【0056】
なお上記実施形態では、ユーザーが操作手段42を操作することで所定領域G1を指定している場合を例示しているが、パソコン4によって最初の頁P及び最後の頁Pのそれぞれの基準画像Gに対して周知の画像処理を行うことで、文書領域G2と余白部分との境界を抽出し、その抽出結果から所定領域G1を特定することも可能である。パソコン4は、最初の頁Pの基準画像Gから特定された所定領域G1から、頁Pのめくり始め時点でのパラメータを指定する。他方、パソコン4は、最後の頁Pの基準画像Gから指定された所定領域G1から、頁Pのめくり終わり時点でのパラメータを指定する。これにより、自動でパラメータを指定することが可能となる。
【0057】
なお、自動でパラメータの指定を行った場合、ユーザーにとっては好ましくない指定結果となる場合も考えられる。このため、パソコン4は、画像処理による所定領域G1の特定が行われた後に、画面上にその所定領域G1を表示させることで、当該所定領域G1の良否を判断するようにユーザーに問い合わせる。ユーザーは、操作手段42を操作することで良否を入力する。パソコン4は、操作手段42を介して入力されたユーザーの応答結果が「良」である場合には、画像処理による所定領域G1に基づいて各パラメータを指定する。他方、操作手段42を介して入力されたユーザーの応答結果が「否」である場合には、パソコン4は、画像処理による所定領域G1を調整し、その調整後の所定領域G1に基づいて各パラメータを指定する。このようにパソコン4は本発明に係る問い合わせ手段である。
所定領域G1の調整方式としては、例えば、別の条件で画像処理を行って再度所定領域G1を特定する方式や、ユーザーが操作手段42を操作して画面上の所定領域G1を微調整する方式などが挙げられる。
なお、この例では、ユーザーに所定領域G1の良否を画像として判断させることで間接的にパラメータの良否を判断する場合を示したが、自動で指定されたパラメータの数値自体をパソコン4が画面上に表示させることでユーザーに直接パラメータの良否を判断させるようにすることも可能である。
【0058】
なお、上記実施形態では、頁Pのサイズに関する加工と、頁Pの位置に関する補正とを別々に画像処理するようにしたが、同時に画像処理するようにしてもよい。
【0059】
なお、上記実施形態では、ステップS13で一方の頁Pのみを撮像して、第一画像データ群を取得し、本Bを置き直して、他方の頁Pを撮像して第二画像データ群を取得して、両者のデータ群をトリミング加工して、頁Pが順番通りに並ぶようにデータ順序を再構築するようにしたが、見開きの2頁を、一回にまとめて撮像して、奇数頁と偶数頁に対して適切な画像処理を行わせるようにしてもよい。
【0060】
また、カメラ22のフォーカスについても同様の補間を行うことが好ましい。具体的には、頁Pの撮像前に、めくり始め時点での頁Pの文書領域G2に対してカメラ22のフォーカスを合わす。これにより、カメラ22からめくり始め時点の頁Pまでの被写体距離h1が測定される。パソコン4はその被写体距離h1を記録部41に記録する。
次いで、ユーザーは手動で最後の頁Pまでめくり、めくり終わり時点での頁Pの文書領域G2に対してカメラ22のフォーカスを合わす。これにより、カメラ22からめくり終わり時点の頁Pまでの被写体距離h2が測定される。パソコン4はその被写体距離h2を記録部41に記録する。
そして、パソコン4は、各頁Pの被写体距離H(n)を以下の式により算出することにより、頁Pのめくり始め時点から頁Pのめくり終わり時点の間の各頁Pにおける被写体距離H(n)を補間する
H(n)=h1+(n−1)・{(h2−h1)/(m−1)}
パソコン4は、頁Pがめくられるたびに当該頁Pの被写体距離H(n)を算出して、カメラ22に転送する。カメラ22は受信した被写体距離H(n)に基づいて各頁Pを撮像する際のフォーカスを合わせる。
このように、カメラ22のフォーカスにおいても各頁Pに対して被写体距離H(n)の補間が行われているので、全ての頁Pにフォーカスを正しく合わせることができる。
なお、パソコン4は、本発明に係る初期被写体距離指定手段、終期被写体距離指定手段及び被写体距離補間手段である。
【0061】
また、上記実施形態では、パラメータとして拡大率S(n)や移動量X(n)を例示して説明したが、これら以外のパラメータを上記の方式で補間することも可能である。
図23は頁Pのめくり始め時点での本の状態を示す説明図である。
図24は頁Pのめくり終わり時点での本の状態を示す説明図である。
図25は頁Pのめくり始め時点での基準画像Gを示す説明図である。
図26は頁Pのめくり終わり時点での基準画像Gを示す説明図である。
図23及び
図24に示すように、頁Pの綴じ目付近の湾曲度合いは、めくり始め時点が大きく、めくり終わり時点が小さくなっている。
このため、
図25及び
図26に示すように、めくり始め時点での基準画像Gのうち湾曲により歪みが目立つ部分gは大きく、めくり終わり時点での基準画像Gのうち湾曲により歪みが目立つ部分gは小さくなる。
そして、基準画像Gに対してトリミングを行ったとしても湾曲による歪みが生じたままであれば読者に違和感を与えてしまう。湾曲による歪みを補正すべく、以下の説明においてはパラメータが所定領域の湾曲度合いを表すものである場合について詳述する。
【0062】
ここで、湾曲補正処理においても、左側の各頁Pの画像データ群(第一画像データ群)と、右側の各頁Pの画像データ群(第二画像データ群)とに対してそれぞれ個別に実行されるようになっている。
以下の説明においては第一画像データ群に対して湾曲補正処理を行う場合を例示して説明する。そして、湾曲補正処理は、頁Pの位置補正処理が行われた後に実行される場合を例示して説明する。
【0063】
図27は、頁Pの湾曲補正処理の流れを示すフローチャートである。
頁Pの湾曲補正処理が実行されると、ステップS31ではパソコン4は、
図28に示す最初の頁Pのトリミング画像G4を画面上に表示する。
ステップS32では、最初の頁Pにおける湾曲パラメータを指定する。具体的に説明すると、まず、画面に表示されたトリミング画像G4には、湾曲によって文字列に歪みが生じた歪み領域G5が存在する。
図29は歪み領域G5の文字列の歪みを模式的に示す説明図である。
図29では、便宜上、最上段と最下段の文字列のみを図示している。
図29に示すように、ユーザーが操作手段42を操作することで、最上段の文字列からスプライン曲線のコントロールポイントP0
min,P1
min,P2
minの三点を指定するとともに、最下段の文字列からスプライン曲線のコントロールポイントQ0
min,Q1
min,Q2
minの三点を指定する。コントロールポイントP0
min,P1
min,P2
min,Q0
min,Q1
min,Q2
minが湾曲パラメータであり、当該湾曲パラメータが指定されると、文字列の歪みに沿ったスプライン曲線が形成される。
なお、本実施形態では、コントロールポイントP0
min,P1
min,P2
min,Q0
min,Q1
min,Q2
minの指定はユーザーが操作手段42を操作することで行われているが、例えばOCRなどの文字認識手段を用いて自動でコントロールポイントP0
min,P1
min,P2
min,Q0
min,Q1
min,Q2
minの指定を行うことも可能である。
【0064】
ステップS33ではパソコン4は、
図30に示す最後の頁Pのトリミング画像G4を画面上に表示する。
ステップS34では、ステップS32と同様の手法で最後の頁Pにおける湾曲パラメータを指定する。この場合、画面に表示された最後の頁Pのトリミング画像G4には、湾曲によって文字列に歪みが生じた歪み領域G6が存在している。歪み領域G6は、最初の頁Pよりも湾曲度合いが小さいために歪み領域G5よりも小さくなっている。歪み領域G6の文字列を基に、最上段のコントロールポイントP0
max,P1
max,P2
max及び最下段のコントロールポイントQ0
max,Q1
max,Q2
maxが指定される。
【0065】
ステップS35では、最初の頁Pと最後の頁Pとの間の各頁Pに対して湾曲パラメータを決定する。
具体的に説明すると、まず、最初の頁Pから最後の頁Pにおける各コントロールポイントの移動量を算出する。
ΔP0=P0
min−P0
max
ΔP1=P1
min−P1
max
ΔP2=P2
min−P2
max
【0066】
ΔQ0=Q0
min−Q0
max
ΔQ1=Q1
min−Q1
max
ΔQ2=Q2
min−Q2
max
【0067】
各コントロールポイントの移動量が求められると、最初の頁Pから最後の頁Pまでの頁数をmとして、この値を基にして各頁Pの湾曲パラメータを算出する。
P0
n=P0
min−ΔP0・{(n−1)/(m−1)}
P1
n=P1
min−ΔP1・{(n−1)/(m−1)}
P2
n=P2
min−ΔP2・{(n−1)/(m−1)}
【0068】
Q0
n=Q0
min−ΔQ0・{(n−1)/(m−1)}
Q1
n=Q1
min−ΔQ1・{(n−1)/(m−1)}
Q2
n=Q2
min−ΔQ2・{(n−1)/(m−1)}
【0069】
ステップS36では、パソコン4は、n=1にセットする。
ステップS37では、パソコン4は、n番目のトリミング画像G4を読み込む。
ステップS38では、パソコン4は、読み込んだn番目のトリミング画像G4に対して湾曲補正を施し、その湾曲補正画像を記録部41に保存する。
【0070】
以下、トリミング画像G4に対する湾曲補正について説明する。
図31は、湾曲補正前のトリミング画像G4をメッシュ状に分解した状態を示す説明図である。
図31に示すように、トリミング画像G4のうち歪み領域G5内についてのみ湾曲補正を施す。歪み領域G5内においては、各コントロールポイントに基づいて上下にスプライン曲線U1,U2を作成する。そして、このスプライン曲線U1,U2に基づき、Y方向、X方向いずれも等間隔にメッシュ分割する。本実施形態では、スプライン曲線部のX方向の長さが6分割とされるように分割している。
ここで、一つのブロックサイズはトリミング画像G4の分割サイズとなり、例えば一辺あたり256ドットとする。
【0071】
図32は、補正前のブロックB1と、補正後のブロックB2とを示す説明図である。補正前のブロックB1において、スプライン曲線S0,Sn,S255に基づいて、各ドットの座標値を求める。そして、スプライン曲線S0,Sn,S255が水平となるように変換する。これにより、変換後の水平線Q0,Qn,Q255と、スプライン曲線S0,Sn,S255とが対応付けられる。この対応関係を基にして各ドットの座標値も変換する。これにより、湾曲が補正されて、
図33に示す湾曲補正後の画像が作成される。
なお、ここで例示した湾曲補正の手法は一例であり、その他周知の湾曲補正を好適に用いることが可能である。
【0072】
ステップS39では、パソコン4は、読み込んでいたn番目のトリミング画像G4が最後のトリミング画像G4であるか否かを判断し、最後のトリミング画像G4でない場合にはステップS40に移行する。
ステップS40では、パソコン4はn=n+1として、ステップS37に移行する。
このステップS37〜ステップS40が最後のトリミング画像G4まで繰り返されることで、全ての頁Pのトリミング画像G4に対して湾曲補正が施されることになる。
ステップS39で、読み込んでいたn番目のトリミング画像G4が最後のトリミング画像G4である場合には、パソコン4は湾曲補正処理を終了する。
【0073】
このように各頁Pのトリミング画像G4に対して湾曲補正処理が施されるので、湾曲に基づく歪みが補正され、読書においても違和感のない画像を作成することが可能である。
湾曲補正は、一時的なトリミング(切り出し)よりもはるかにデータ処理時間がかかる重い処理であるが、上述した湾曲補正処理では、補間技術を使用するので、頁P毎に画像認識を行い湾曲補正処理する場合より、はるかにデータ処理時間は少なくてすむ。
また、パラメータの補間方法として線形補間が用いられているので、簡単な計算で各頁Pのパラメータを補間することができる。したがって、補間にかかるパソコン4の処理を軽減化することが可能である。なお、正確性を求めるのであればより高度な補間方法を用いることも可能である。
【0074】
なお、上述した湾曲補正処理では、トリミング画像G4に対して湾曲補正を施す場合を例示して説明したが、基準画像Gやサイズ調整画像G3に対して湾曲補正を施すことも可能である。
【0075】
図34は、頁Pの湾曲具合の一例を示す説明図である。
また、上記実施形態では、頁Pの綴じ目付近のみが湾曲している場合を例示して説明した。しかしながら、本Bの種類によっては
図34(a)に示すように綴じ目付近だけでなく、綴じ目とは反対側の端部も頁Pが湾曲する場合や、
図34(b)に示すように全体的に頁Pが湾曲する場合もある。
図34(a)の場合においては、綴じ目側及び反対側のそれぞれの歪み領域G7,G8内の文字列からコントロールポイントを指定することで、上述した湾曲補正を実行する。他方、
図34(b)の場合においては頁P全体がゆがんでいるので、全体を歪み領域G9とし、その歪み領域G1内の文字列かららコントロールポイントを指定することで、上述した湾曲補正を実行する。
【0076】
また、上記実施形態では、拡大率S(n)や移動量X(n)、湾曲度合いなどのパラメータを、頁Pのめくり始め時点及び頁Pのめくり終わり時点で決定している場合を例示して説明したが、この決定範囲としては多少の許容範囲を持たせてもよい。つまり、パソコン4は、頁Pのめくり始め近傍となる複数の頁Pからパラメータ決定に適した頁Pを選択し、当該選択された頁Pでの所定領域に関するパラメータを決定する。同様に、パソコン4は、頁Pのめくり終わり近傍となる複数の頁Pからパラメータ決定に適した頁Pを選択し、当該選択された頁Pでの所定領域に関するパラメータを決定する。これにより、パラメータ決定の正確性を高めることができる。
具体的には、めくり始めやめくり終わりの頁には、所定領域内に文字や画像(背景部と異なる情報部)が含まれていない可能性もある。この場合、正確なパラメータの決定が行われない可能性が高い。しかしながら、上述したようにパラメータ決定用の頁Pが複数の頁Pから選択されていれば、所定領域内に文字が含まれている可能性も高くなり、パラメータ決定の正確性が高くなる。
具体的な処理としては、パソコン4は、パラメータ決定用の候補である各頁P内に文字を含む所定領域が存在しているか否かを判別し、存在している頁Pをパラメータ決定用の頁Pとして選択する。このとき、文字を含む所定領域がパラメータ決定用として最適な領域(範囲)に位置している頁Pを優先して選択する。これにより、パラメータ決定の正確性をより一層高めることが可能である。
そして、上述の補間式と同様の式を用い、めくり始め近傍の頁Pとのめくり終わり近傍の頁Pの間の頁Pだけでなくその外側の頁のパラメータを決定できることは言うまでもない。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0078】
〔付記〕
<請求項1>
本を頁毎にめくり、当該本の頁を撮像手段によって頁毎に基準画像として撮像し、当該基準画像のうち所定領域を切り出しトリミング画像として取り込む画像読み取り装置であって、
前記頁のめくり始め近傍の頁での前記所定領域に関するパラメータを指定する初期パラメータ指定手段と、
前記頁のめくり終わり近傍の頁での前記所定領域に関するパラメータを指定する終期パラメータ指定手段と、
前記初期パラメータ指定手段及び前記終期パラメータ指定手段により指定された前記パラメータに基づいて、任意の頁での前記パラメータを決定する決定手段と、
前記決定手段で決定された前記任意の頁のパラメータに基づいて、前記任意の頁の画像を補正する補正手段とを備えることを特徴とする画像読み取り装置。
<請求項2>
請求項1記載の画像読み取り装置において、
前記初期パラメータ指定手段及び前記終期パラメータ指定手段は、それぞれ前記頁めくり始め近傍の頁及び前記頁のめくり終わり近傍の頁のうち、前記所定領域に文字及び/又は画像のある頁を選択して前記パラメータを指定することを特徴とする画像読み取り装置。
<請求項3>
請求項1又は2記載の画像読み取り装置において、
前記決定手段は、
前記初期パラメータ指定手段で指定された前記パラメータと、前記終期パラメータ指定手段で指定された前記パラメータと、頁番号とを用いて線形補間を行うことで、前記任意の頁における前記パラメータを決定することを特徴とする画像読み取り装置。
<請求項4>
請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像読み取り装置において、
前記初期パラメータ指定手段及び前記終期パラメータ指定手段は、操作手段を介して入力されたユーザーによる指示に基づいて、前記パラメータを指定することを特徴とする画像読み取り装置。
<請求項5>
請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像読み取り装置において、
前記初期パラメータ指定手段及び前記終期パラメータ指定手段は、前記基準画像に対して画像処理を施すことで前記所定領域を特定し、当該特定した所定領域に基づいて前記パラメータを指定することを特徴とする画像読み取り装置。
<請求項6>
請求項5記載の画像読み取り装置において、
前記基準画像に対して画像処理を施すことで指定された前記パラメータに対して良否をユーザーに問い合わせる問い合わせ手段をさらに備え、
前記初期パラメータ指定手段及び前記終期パラメータ指定手段は、前記問い合わせ手段に対するユーザーからの応答結果に対応して、前記パラメータを調整することを特徴とする画像読み取り装置。
<請求項7>
請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像読み取り装置において、
前記パラメータは、前記所定領域の大きさであることを特徴とする画像読み取り装置。
<請求項8>
請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像読み取り装置において、
前記パラメータは、前記所定領域の位置であることを特徴とする画像読み取り装置。
<請求項9>
請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像読み取り装置において、
前記パラメータは、前記所定領域の湾曲度合いを表すものであることを特徴とする画像読み取り装置。
<請求項10>
請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像読み取り装置において、
前記頁のめくり始め近傍の頁での前記撮像手段の被写体距離を指定する初期被写体距離指定手段と、
前記頁のめくり終わり近傍の頁での前記撮像手段の被写体距離を指定する終期被写体距離指定手段と、
前記初期被写体距離指定手段及び前記終期被写体距離指定手段により指定された前記被写体距離に基づいて、前記頁のめくり始め近傍の頁から前記頁のめくり終わり近傍の頁の間の各頁における前記被写体距離を補間する被写体距離補間手段とを備えることを特徴とする画像読み取り装置。
<請求項11>
本を頁毎にめくり、当該本の頁を撮像手段によって頁毎に基準画像として撮像し、当該基準画像のうち所定領域を切り出しトリミング画像として取り込む画像読み取り方法であって、
前記頁のめくり始め近傍の頁での前記所定領域に関するパラメータを指定する初期パラメータ指定工程と、
前記頁のめくり終わり近傍の頁での前記所定領域に関するパラメータを指定する終期パラメータ指定工程と、
前記初期パラメータ指定工程段及び前記終期パラメータ指定工程により指定された前記パラメータに基づいて、任意の頁での前記パラメータを決定する決定工程と、
前記決定工程で決定された前記任意の頁のパラメータに基づいて、前記任意の頁の画像を補正する補正工程とを備えることを特徴とする画像読み取り方法。
<請求項12>
頁毎にめくられた本の頁を撮像手段によって頁毎に撮像された基準画像から所定領域を切り出しトリミング画像として取り込むように、コンピュータを機能させるプログラムであって、
前記頁のめくり始め近傍の頁での前記所定領域に関するパラメータを指定する初期パラメータ指定ステップと、
前記頁のめくり終わり近傍の頁での前記所定領域に関するパラメータを指定する終期パラメータ指定ステップと、
前記初期パラメータ指定ステップ及び前記終期パラメータ指定ステップにより指定された前記パラメータに基づいて、任意の頁での前記パラメータを決定する決定ステップと、
前記決定ステップで決定された前記任意の頁のパラメータに基づいて、前記任意の頁の画像を補正する補正ステップとを備えることを特徴とするプログラム。