特許第5895938号(P5895938)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5895938
(24)【登録日】2016年3月11日
(45)【発行日】2016年3月30日
(54)【発明の名称】ウォーターポンプ用リップシール
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/3204 20160101AFI20160317BHJP
   F04D 29/02 20060101ALI20160317BHJP
   F04D 29/10 20060101ALI20160317BHJP
【FI】
   F16J15/32 311Z
   F16J15/32 311A
   F04D29/02
   F04D29/10 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-532603(P2013-532603)
(86)(22)【出願日】2012年9月4日
(86)【国際出願番号】JP2012072467
(87)【国際公開番号】WO2013035697
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2015年3月20日
(31)【優先権主張番号】特願2011-197310(P2011-197310)
(32)【優先日】2011年9月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000101879
【氏名又は名称】イーグル工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066005
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100114351
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 和子
(72)【発明者】
【氏名】山中 拓也
(72)【発明者】
【氏名】吉田 卓
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅史
(72)【発明者】
【氏名】村上 英幸
【審査官】 本庄 亮太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−120824(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/022643(WO,A1)
【文献】 特表2004−509177(JP,A)
【文献】 特開2007−084832(JP,A)
【文献】 特開平08−338533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/3204
F04D 29/02
F04D 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定側としてのハウジングに固定され、該ハウジングと相対回転する軸と摺動状態となるゴム状弾性体製ウォーターポンプ用リップシールであって、水素化ニトリルゴム、EPDMまたはフッ素ゴムであるゴム状弾性体100重量部当り、カーボンブラックまたはシリカである補強性充填剤1〜150重量部、平均粒径1μm以上のケイ酸アルミニウムまたはケイ酸カルシウムである非補強性充填剤5〜90重量部、カップリング剤0.1〜5重量部、共架橋剤1〜15重量部および有機過酸化物0.5〜10重量部を配合したゴム組成物を用いて作製されたウォーターポンプ用リップシール。
【請求項2】
補強性充填剤が30〜70重量部用いられた請求項1記載のウォーターポンプ用リップシール。
【請求項3】
平均粒径1〜40μmの非補強性充填剤が用いられた請求項1記載のウォーターポンプ用リップシール。
【請求項4】
非補強性充填剤が5〜70重量部用いられた請求項1記載のウォーターポンプ用リップシール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォーターポンプ用リップシールに関する。さらに詳しくは、固定側としてのハウジングに固定され、該ハウジングと相対回転する軸と摺動状態となるゴム状弾性体製ウォーターポンプ用リップシールに関する。
【背景技術】
【0002】
LLC(ロングライフクーラント)等の水系流体のシールに用いられるリップシールの場合、摺動面での潤滑性が悪いため、摺動による摩耗が大きく、発熱も大きい。有機酸系、特に2-エチルヘキサン酸系LLCでは、リップシールの軟化や膨潤が大きく、シール性が低下するようになる。また、有機リン酸系LLCでは、軸にリン酸化合物が堆積し、リップシールとの間に隙間が生じ、シール性が低下するようになる。
【0003】
このような場合の潤滑性の向上のために、ウォーターポンプ用密封装置において、リップ潤滑用の潤滑グリースを用いることが、特許文献1に記載されている。
【0004】
より具体的には、LLC等の密封流体が機内側から機外側に漏洩しないよう、ハウジングおよび軸間に装着されるウォーターポンプ用密封装置において、シールリップ摺動部の潤滑性を向上させることができ、それによってシールリップが早期に摺動摩耗するのを防止することが可能な密封装置として、複数のシールリップと、リップ潤滑用グリースを含浸したグリース含浸部材とを有し、複数のシールリップ間の空間部にグリース含浸部材を配置するという構成、または軸に固定されるスリーブと、スリーブに摺動する第一および第二シールリップと、バックアップリングと、グリース含浸部材とを有し、両シールリップ間の空間部であってスリーブおよびバックアップリングが径方向に対向する径方向間隙部にグリース含浸部材を配置するという構成がとられている。
【0005】
また、水素化ニトリルゴム100重量部当り約120重量部以上の合計量となるカーボンブラックおよび他の充填剤、例えばグラファイト、カーボンファイバー、シリカ、タルク、クレー、PTFE粉末、活性炭カルシウム、けい酸カルシウム等を配合し、20℃における熱伝導率が0.4W/m・k以上であり、50%モジュラスが14MPa以上の架橋物を与える水素化ニトリルゴム組成物が提案されており(特許文献2参照)、この架橋物は摺動時の発熱量を大幅に低下させることができるので、摺動用あるいは高圧用シール材として好適に用いられると述べられているが、これをLLC等の水系流体のシールにリップシールとして用いた場合には、前記の如き各種性状の低下を免れない。
【0006】
さらに、NBR 100重量部に対し、ホワイトカーボン(シリカ)1〜150重量部および平均粒径を2μm以下でかつモース硬度6以上の無機化合物、例えば酸化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化チタン、石英粉、窒化チタン、炭化チタン、炭化ジルコニウム等を0.5〜50重量部含有させたNBR組成物も提案されており(特許文献3参照)、その加硫成形物は耐摩耗性を損うことなく、シール材が摺動部位に使用された場合の長寿命化および省エネルギー化を達成せしめると述べられているが、これをLLC等の水系流体のシールにリップシールとして用いた場合には、やはり前記の如き各種性状の低下を免れない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−180342号公報
【特許文献2】特開2002−080639号公報
【特許文献3】特開2006−037044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、固定側としてのハウジングに固定され、該ハウジングと相対回転する軸と摺動状態となるゴム状弾性体製ウォーターポンプ用リップシールであって、構造的解決手段によるものではなく、材質的解決方法として、回転トルクや耐LLC性として問題となる、ゴム状弾性体の軟化や体積膨潤、さらには回転軸への堆積物の発生を防止し得るウォーターポンプ用リップシールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる本発明の目的は、固定側としてのハウジングに固定され、該ハウジングと相対回転する軸と摺動状態となるゴム状弾性体製ウォーターポンプ用リップシールであって、水素化ニトリルゴム、EPDMまたはフッ素ゴムであるゴム状弾性体100重量部当り、カーボンブラックまたはシリカである補強性充填剤1〜150重量部、平均粒径1μm以上のケイ酸アルミニウムまたはケイ酸カルシウムである非補強性充填剤5〜90重量部、カップリング剤0.1〜5重量部、共架橋剤1〜15重量部および有機過酸化物0.5〜10重量部を配合したゴム組成物を用いて作製されたウォーターポンプ用リップシールによって達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るウォーターポンプ用リップシールは、ゴム状弾性体に補強性充填剤、平均粒径が1μm以上の非補強性充填剤、カップリング剤、共架橋剤および有機過酸化物を配合したゴム組成物を用い、これを加硫成形することにより、LLC等の水系流体によるゴム材料の軟化や膨潤、回転軸への堆積物の発生をいずれも効果的に抑制することができる。
ーポンプ用リップシールによって達成される。
【0011】
ここで、平均粒径が1μm以上の充填剤を添加して用いることにより、ゴム状弾性体の硬度上昇を抑制しつつ、LLC等の水系流体が浸透した際の軟化や体積膨潤を抑えることが可能となる。また、充填剤が軸摺動面の接触面に存在することにより、軸に堆積し易いリン酸系LLCにおいても、充填剤が堆積物を切削させ、堆積がみられなくなる。さらには、リップシールの摺動面に表面粗さRaが1〜30μm程度の粗さが付与され、そこに液膜が形成されて潤滑状態を良化することにより、トルクが低減される。また、トルクが低減されることにより、摺動発熱が低減され、摩耗も抑制できる。
【0012】
カップリング剤の存在は、ゴム/充填剤間の密着性を強固させ、LLCが浸透した際に生ずるゴム/充填剤界面に生ずるLLCが溜まるという現象が抑制され、その結果軟化や膨潤が抑制される。また、充填剤の体積効果により、膨潤するゴムポリマーの体積が相対的に減少するため、この点からも膨潤は抑制される。
【0013】
共架橋剤は、それを用いることによって架橋がタイトになり、LLCが浸透したときの軟化や膨潤が抑制される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ウォーターポンプ用リップシールを作製するためのゴム状弾性体としては、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、EPDM、アクリルゴム、フッ素ゴム等の少なくとも一種の任意のゴム状弾性体を用いることができるが、好ましくは水素化ニトリルゴム、EPDMまたはフッ素ゴムが用いられる。
【0015】
補強性充填剤としては、例えばカーボンブラック、シリカ等が挙げられる。これらの補強性充填剤は、ゴム状弾性体100重量部当り1〜150重量部、好ましくは30〜70重量部の割合で用いられる。補強性充填剤の配合割合がこれよりも少ないと、必要とされるゴム物性値が得られず、一方これよりも多い割合で用いられると、ゴムのシール性が低下するようになる。
【0016】
非補強性充填剤としては、任意の種々のものを用いることができるが、好ましくはケイ酸アルミニウム(Al2O3・SiO2)、ケイ酸マグネシウム(4SiO2・3MgO・H2O)、ケイ酸カルシウム(CaSiO3)等のケイ酸塩や炭素繊維、酸化鉄、酸化チタン、珪藻土等であって、レーザー解析法を用いて測定された平均粒径(炭素繊維にあっては繊維径)が1μm以上、好ましくは1〜40μmのものが用いられる。このような平均粒径の非補強性充填剤を用いることにより、硬度上昇を抑制しつつ、LLCが浸透した際の軟化や体積膨潤を抑えることができる。また、このような充填剤が摺動面に存在することで、有機リン酸系LLC使用時に生ずる軸への堆積物を切削して、堆積を抑制することが可能である。さらには、摺動面に約1〜30μm程度の粗さが付与され、それの働きにより液膜が形成されて潤滑状態が良化し、トルクの低減、摺動発熱の低減、摩耗の抑制などを可能とする。
【0017】
一方、平均粒径が1μm未満の非補強性充填剤を用いると、堆積物の切削効果が小さくなり、有機リン酸系LLC使用時のシール性の確保ができなくなり、さらには液膜形成能力が低下するので、潤滑状態の悪化へとつながることになる。
【0018】
これらの非補強性充填剤は、ゴム状弾性体100重量部当り5〜90重量部、好ましくは5〜70重量部の割合で用いられる。充填剤の配合割合がこれよりも少ないと、本発明の目的とする所望の効果が得られず、一方これよりも多い配合割合で用いられると、物性評価(切断時伸び)が低下するようになる。
【0019】
カップリング剤としては、シラン系、チタン系、ジルコニウム系、アルミニウム系等のカップリング剤が用いられ、好ましくはシラン系カップリング剤が用いられる。
【0020】
シラン系カップリング剤としては、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のビニル系、グリシドキシ系、メタクリロキシ系またはアミノ系のシラン系カップリング剤が用いられ、チタン系カップリング剤としては、例えばチタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンジオクチロキシビス(オクチレングリコレート)等が、ジルコニウム系カップリング剤としては、例えばジルコニウムテトラn-ブトキシド、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムブトキシビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノステアレート等が、またアルミニウム系カップリング剤としては、例えばアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等がそれぞれ用いられる。
【0021】
これらのカップリング剤は、ゴム状弾性体100重量部当り0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部の割合で用いられる。カップリング剤の配合割合がこれよりも少ないと、浸漬試験の結果に劣るようになり、一方これ以上の配合割合で用いられると、破断時伸びなどの物性低下につながるようになる。
【0022】
有機過酸化物としては、例えば第3ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイド、1,1-ジ(第3ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ジ(第3ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、第3ブチルパーオキシベンゾエート、第3ブチルパーオキシイソプロピルジカーボネート、n-ブチル-4,4-ジ(第3ブチルパーオキシ)バレレート等が、ゴム状弾性体100重量部当り0.5〜10重量部、好ましくは1〜8重量部の割合で用いられる。
【0023】
有機過酸化物架橋に際しては、共架橋剤としての多官能性不飽和化合物、例えばトリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、N,N′-m-フェニレンビスマレイミド等が、ゴム状弾性体100重量部当り1〜15重量部、好ましくは2〜10重量部の割合で用いられる。これ以下の配合割合では、浸漬試験の結果に劣り、すなわち十分な軟化や膨潤の抑制ができず、一方これ以上の割合で用いられると、切断時伸びなどの物性評価で劣る結果となる。
【0024】
以上の各成分からなる組成物中には、ステアリン酸、パルミチン酸、パラフィンワックス等の加工助剤、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト等の受酸剤、老化防止剤、可塑剤などのゴム工業で一般的に使用されている配合剤が、必要に応じて適宜添加されて用いられる。
【0025】
ゴム組成物の調製は、インターミックス、ニーダ、バンバリーミキサ等の混練機またはオープンロールなどを用いて混練することによって行われ、それの架橋は射出成形機、圧縮成形機、加硫プレス等を用いて、一般に約150〜200℃で約3〜60分間程度加熱することによって行われ、必要に応じて約100〜200℃で約1〜24時間程度加熱する二次架橋が行われる。
【0026】
加硫成形されたリップシールには、平均粒径1μm以上の充填剤の存在により、その摺動面の表面粗さRa(JIS B 0601で定義された算術平均高さ)が1〜30μmの凹凸が形成されているので、固定側としてのハウジングに固定され、該ハウジングと相対回転する軸と摺動状態となるゴム状弾性体製リップシールとして用いられたとき、前記の如き各種効果を奏するようになる。
【実施例】
【0027】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0028】
実施例1
以上の各成分を10インチロールで混練し、混練物について180℃、5分間の一次加硫および150℃、1時間のオーブン加硫(二次加硫)を行い、シート状ゴムシート(厚さ2mm)およびリップシール(摺動面表面粗さRa4μm)をそれぞれ加硫成形した。
【0029】
得られた架橋物について、次の各項目の測定を行った。なお、試験片としては、物性評価、浸漬試験にはシート状ゴムを用い、またトルク試験、堆積試験にはリップシールが用いられた。
物性評価:JIS K6251に準拠して、切断時伸びを測定し、150%以上の
ものを○、150%未満のものを×として評価した
トルク試験:水をシール流体として、直径15mmの軸を回転数0〜5000
rpmで回転させてトルクを測定し、比較例1と比較して
トルクが低いもを○、トルクが同等かそれ以上のものを
×として評価した
浸漬試験:ISO 1817に対応するJIS K6258に準拠して、有機酸系LLC水
溶液(濃度30容積%)中に、120℃、大気圧(自然昇温)、
2000時間の条件下で浸漬し、浸漬後の体積変化率が+10%
未満のものを○、+10%以上のものを×として評価した
堆積試験:リン酸系LLC水溶液(濃度30容積%)をシール流体として、
6000rpm、120℃、0.15MPa、50時間の条件下で回転試験を
実施し、試験後軸の摺動部に堆積のないものを○、堆積が
あるものを×として評価した
【0030】
実施例2
実施例1において、ケイ酸アルミニウム量が5重量部に変更されて用いられた。
【0031】
実施例3
実施例1において、ケイ酸アルミニウム量が70重量部に変更されて用いられた。
【0032】
実施例4
実施例1において、ケイ酸アルミニウム量が30重量部に変更され、さらに炭素繊維(大阪ガスケミカル製品ドナカーボS-241;繊維径13μm、繊維長130μm)15重量部が用いられた。
【0033】
実施例5
実施例1において、水素化ニトリルゴムの代わりに、同量(100重量部)のEPDM(三井化学製品EPT3045)が用いられた。
【0034】
実施例6
以上の各成分を用い、実施例1と同様に混練、加硫成形および測定が行われた。
【0035】
実施例7
実施例1において、ケイ酸アルミニウムの代わりに、同量(15重量部)のケイ酸カルシウム(NYCO製品NYAD 1250;平均粒径4.5μm)が用いられた。
【0036】
実施例8
実施例4において、ケイ酸アルミニウムの代わりに、同量(30重量部)のケイ酸カルシウム(NYAD 1250)が用いられた。
【0037】
各実施例で得られた評価結果は、用いられた各成分量(単位:重量部)と共に、次の表1に示される。
【0038】
比較例1
実施例1において、ケイ酸アルミニウムの代わりに、同量(15重量部)のクレー(竹原化学工業製品ハイドライト;平均粒径0.68μm)が用いられた。
【0039】
比較例2
実施例1において、ケイ酸アルミニウム量が100重量部に変更されて用いられた。
【0040】
比較例3
実施例1において、共架橋剤A量が20重量部に変更されて用いられた。
【0041】
比較例4
実施例1において、シラン系カップリング剤が用いられなかった。
【0042】
比較例5
実施例1において、共架橋剤Aが用いられなかった。
【0043】
比較例6
実施例1において、ケイ酸アルミニウム、シラン系カップリング剤および共架橋剤Aがいずれも用いられなかった。
【0044】
各比較例で得られた評価結果は、用いられた各成分量(単位:重量部)と共に、次の表2に示される。