(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動制御部は、前記電圧値が前記第1閾値以上の場合においては、前記切換部が前記電源ラインを遮断する前に、前記駆動部に前記駆動信号の出力を停止させる指令を出力する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のアクチュエータ駆動装置(30、30a、30b、30c)。
前記切換制御部は、前記アクチュエータが駆動している際に、前記電圧値が前記第1閾値未満の状態から前記第1閾値以上の状態に変化した場合において、前記電圧値が前記第1閾値よりも高い第3閾値(ΔTh3)以上であれば直ちに前記電源ラインを遮断するように前記切換部の動作を制御し、前記電圧値が前記第3閾値未満であれば前記第1閾値以上前記第3閾値未満の状態が所定時間(T1)継続した時に前記電源ラインを遮断するように前記切換部の動作を制御する、
請求項1から6のいずれか1項に記載のアクチュエータ駆動装置(30、30a、30b、30c)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような負荷時タップ切換器付き変圧器は大規模な電気設備向けとしては適しているが、一般的な家電製品などに搭載されるアクチュエータ駆動装置に適用することは容易ではない。また、瞬間的な過大電圧のためだけに半導体素子などの耐圧を高くすることは高コスト化を招く。
【0004】
そこで、本発明の課題は、低コストで保安性に優れたアクチュエータ駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係るアクチュエータ駆動装置は、直流電圧生成部と、電圧検出部と、駆動部と、切換部と、駆動制御部と、切換制御部と、第1ダイオード又は絶縁回路と、を備える。直流電圧生成部は、直流電圧を生成する。電圧検出部は、電源又は直流電圧生成部と電気的に接続される。電圧検出部は、電源又は直流電圧生成部から供給される電圧値を検出する。駆動部は、直流電圧生成部とアクチュエータとの間に配置される。駆動部は、直流電圧生成部から直流電圧を供給される。駆動部は、アクチュエータを駆動するための駆動信号をアクチュエータに出力する。切換部は、駆動部の低電位側と直流電圧生成部とを接続する電源ライン上に、配置される。切換部は、電源ラインの導通及び遮断を切り換える。駆動制御部は、駆動部に指令を出力することで駆動部の動作を制御する。切換制御部は、切換部と電気的に接続される。切換制御部は、電圧検出部が検出した電圧値に基づいて切換部の動作を制御する。切換制御部は、電圧値が第1閾値未満の場合に電源ラインを導通し、電圧値が第1閾値以上の場合に電源ラインを遮断するように、切換部の動作を制御する。第1ダイオード又は絶縁回路は、駆動部と駆動制御部との間に配置される。第1ダイオード又は絶縁回路は、切換部が電源ラインを遮断した時に、駆動部を介して直流電圧生成部から駆動制御部に電流が流れることを抑制する。
【0006】
本発明の第1観点に係るアクチュエータ駆動装置では、切換部が、駆動部の低電位側と直流電圧生成部とを接続する電源ライン上に配置され、電圧値に応じて電源ラインの導通及び遮断を切り換えるように制御されることで、電源電圧が第1閾値以上の過電圧状態となった時(過電圧時)に、駆動部を保護すべく電源ラインを遮断することができる。
【0007】
ここで、切換部は、電源電圧が過電圧状態となった場合に備えて、十分な耐圧を有するものを選定することが要求される。一方で、駆動部の低電位側と直流電圧生成部とを接続する電源ラインに供給される電源電圧は、直流電圧生成部と駆動部の高電位側とを接続する電源ラインに供給される電源電圧よりも電圧値が低い。よって、切換部が直流電圧生成部と駆動部の高電位側とを接続する電源ライン上に配置される場合よりも、切換部が駆動部の低電位側と直流電圧生成部とを接続する電源ライン上に配置される場合のほうが、切換部の耐圧を低く設定することが可能となり、その分コストが抑えられる。第1観点に係るアクチュエータ駆動装置では、切換部が、駆動部の低電位側と直流電圧生成部とを接続する電源ライン上に配置されることにより、コストを抑えつつ過電圧時に電源ラインを遮断することが可能である。
【0008】
また、本発明の第1観点に係るアクチュエータ駆動装置では、第1ダイオード又は絶縁回路が、駆動部と駆動制御部との間に配置され、電源ラインの遮断時に駆動部を介して直流電圧生成部から駆動制御部に電流が流れることを抑制することで、過電圧時に駆動部及び駆動制御部が保護される。
【0009】
ここで、過電圧時に、駆動部を保護すべく、駆動部の低電位側と直流電圧生成部とを接続する電源ラインを遮断すると、駆動部内の電位は駆動制御部内の電位よりも高くなるため、駆動部と駆動制御部との間に通常時とは異なる電位差が生じる。よって、直流電圧生成部から供給される電流を遮断する手段が設けられていなければ、過電圧時には駆動部を介して直流電圧生成部から駆動制御部に電流が流れて、駆動部及び駆動制御部が破壊されるおそれがある。第1観点に係るアクチュエータ駆動装置では、第1ダイオード又は絶縁回路が、駆動部と駆動制御部との間に配置され、電源ラインの遮断時に駆動部を介して直流電圧生成部から駆動制御部に電流が流れることを抑制する。これにより、簡単な構成にして、過電圧時に駆動部及び駆動制御部が保護される。
【0010】
よって、第1観点に係るアクチュエータ駆動装置では、コストを抑えつつ保安性が向上する。
【0011】
本発明の第2観点に係るアクチュエータ駆動装置は、第1観点に係るアクチュエータ駆動装置であって、駆動部動作用電源と、第2ダイオードと、をさらに備える。駆動部動作用電源は、駆動部に動作用電源を供給する。第2ダイオードは、駆動部と駆動部動作用電源との間に配置される。第2ダイオードは、切換部が電源ラインを遮断した時に、駆動部を介して直流電圧生成部から駆動部動作用電源に電流が流れることを抑制する。
【0012】
過電圧時に、駆動部の低電位側と直流電圧生成部とを接続する電源ラインを遮断すると、駆動部内の電位は駆動部動作用電源の電位よりも高くなるため、駆動部と駆動部動作用電源との間に通常時とは異なる電位差が生じる。よって、直流電圧生成部から供給される電流を遮断する手段が設けられていなければ、過電圧時には駆動部を介して直流電圧生成部から駆動部動作用電源に電流が流れて、駆動部及び駆動部動作用電源が破壊されるおそれがある。第2観点に係るアクチュエータ駆動装置では、第2ダイオードが、駆動部と駆動部動作用電源との間に配置され、電源ラインの遮断時に駆動部を介して直流電圧生成部から駆動部動作用電源に電流が流れることを抑制する。これにより、簡単な構成にして、過電圧時に駆動部及び駆動部動作用電源が保護される。よって、コストを抑えつつ保安性がさらに向上する。
【0013】
本発明の第3観点に係るアクチュエータ駆動装置は、第1観点に係るアクチュエータ駆動装置であって、駆動部動作用電源をさらに備える。駆動部動作用電源は、駆動部に動作用電源を供給する。駆動部動作用電源は、絶縁電源である。駆動部動作用電源は、駆動部に電気的に接続される二次側が、一次側と電気的に分離されている。
【0014】
上述のように、過電圧時に、駆動部の低電位側と直流電圧生成部とを接続する電源ラインを遮断すると、駆動部内の電位は駆動部動作用電源の電位よりも高くなるため、駆動部と駆動部動作用電源との間に通常時とは異なる電位差が生じる。よって、直流電圧生成部から供給される電流を遮断する手段が設けられていなければ、過電圧時には駆動部を介して直流電圧生成部から駆動部動作用電源に電流が流れて、駆動部及び駆動部動作用電源が破壊されるおそれがある。第3観点に係るアクチュエータ駆動装置では、駆動部動作用電源が絶縁電源であって、駆動部に電気的に接続される二次側が一次側と電気的に分離されている。その結果、電源ラインの遮断時に、駆動部を介して直流電圧生成部から駆動部動作用電源に電流が流れることが抑制される。これにより、簡単な構成にして、過電圧時に駆動部及び駆動部動作用電源が保護される。よって、コストを抑えつつ保安性がさらに向上する。
【0015】
本発明の第4観点に係るアクチュエータ駆動装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係るアクチュエータ駆動装置であって、駆動制御部は、電圧検出部と電気的に接続される。駆動制御部は、電圧値が第1閾値以上の場合においては、切換部が電源ラインを遮断する前に、駆動部に駆動信号の出力を停止させる指令を出力する。
【0016】
本発明の第4観点に係るアクチュエータ駆動装置では、電圧値が第1閾値以上の場合には、電源ラインが遮断される前に、駆動部からの駆動信号の出力が停止される。これにより、過電圧時において、電源ラインを遮断する前に、アクチュエータ及び駆動部に流れる電流を遮断することが可能となる。よって、過電圧時に、駆動部を介して直流電圧生成部から他の部分に電流が流れることがさらに抑制され、駆動部、駆動制御部及び/又は駆動部動作用電源がさらに保護される。また、電源ラインの遮断時において、アクチュエータ及び駆動部に電流が流れていないため、配線やアクチュエータのインダクタンスによる電圧上昇やサージ電圧の発生などが抑制される。
【0017】
本発明の第5観点に係るアクチュエータ駆動装置は、第4観点に係るアクチュエータ駆動装置であって、切換制御部は、駆動信号の出力が停止された後、所定時間が経過してから切換部が電源ラインを遮断するように、切換部の動作を制御する。
【0018】
本発明の第5観点に係るアクチュエータ駆動装置では、切換制御部が、駆動信号の出力が停止された後で所定時間が経過してから電源ラインが遮断されるように、切換部の動作を制御する。これにより、簡単な構成にして、過電圧時において、電源ラインを遮断する前にアクチュエータ及び駆動部に流れる電流を遮断することが可能となる。また、所定時間が経過する前に電源電圧が安定化した場合におけるアクチュエータの迅速な再起動に備えることが可能となる。
【0019】
本発明の第6観点に係るアクチュエータ駆動装置は、第4観点に係るアクチュエータ駆動装置であって、駆動制御部は、電圧値が第1閾値よりも低い第2閾値以上の場合に、駆動部に駆動信号の出力を停止させる指令を送る。
【0020】
本発明の第6観点に係るアクチュエータ駆動装置では、駆動制御部は、電圧値が第1閾値よりも低い第2閾値以上の場合に、駆動部に駆動信号の出力を停止させる指令を送る。これにより、電源電圧が第2閾値以上の状態(過電圧に近い状態)となった時に、アクチュエータ及び駆動部に流れる電流を遮断することが可能となる。その結果、駆動部が高電圧から保護される。また、電源電圧が第1閾値を超えることなく第2閾値を下回った場合におけるアクチュエータの迅速な再起動に備えることが可能となる。
【0021】
本発明の第7観点に係るアクチュエータ駆動装置は、第1観点から第6観点のいずれかに係るアクチュエータ駆動装置であって、切換制御部は、アクチュエータが駆動している際に、電圧値が第1閾値未満の状態から第1閾値以上の状態に変化した場合において、切換部の動作を制御する。切換制御部は、電圧値が第1閾値よりも高い第3閾値以上であれば、直ちに電源ラインを遮断するように、切換部の動作を制御する。切換制御部は、電圧値が第3閾値未満であれば、第1閾値以上第3閾値未満の状態が所定時間継続した時に電源ラインを遮断するように、切換部の動作を制御する。
【0022】
本発明の第7観点に係るアクチュエータ駆動装置では、アクチュエータが駆動している際に、電圧値が第1閾値未満の状態から第1閾値以上の状態に変化した場合において、電圧値が第1閾値よりも高い第3閾値以上であれば直ちに電源ラインが遮断され、電圧値が第3閾値未満であれば第1閾値以上第3閾値未満の状態が所定時間継続した時に電源ラインが遮断される。これにより、電圧値上昇の急峻性に応じて、電源ライン遮断のタイミングを可変とできる。その結果、電圧値上昇の急峻性に基づき保安性への影響が少ないと判断される時には、電源ラインが遮断されず、アクチュエータの迅速な再起動に備えることが可能となる。
【0023】
本発明の第8観点に係るアクチュエータ駆動装置は、第1観点から第7観点のいずれかに係るアクチュエータ駆動装置であって、駆動部は、決定部と、出力部と、を含む。決定部は、駆動制御部から出力される指令に基づいてアクチュエータに出力する駆動信号を決定する。出力部は、複数のスイッチング素子を含む。出力部は、決定部による決定に基づいて駆動信号を生成してアクチュエータに出力する。
【0024】
本発明の第8観点に係るアクチュエータ駆動装置では、過電圧時に影響を受けやすいスイッチング素子が駆動部に含まれる場合において、保安性が向上する。
【0025】
本発明の第9観点に係るアクチュエータ駆動装置は、第1観点から第8観点のいずれかに係るアクチュエータ駆動装置であって、駆動部は、アクチュエータと一体である。
【0026】
本発明の第9観点に係るアクチュエータ駆動装置では、駆動部がアクチュエータと一体である場合において、保安性が向上する。
【0027】
本発明の第10観点に係るアクチュエータ駆動装置は、第1観点から第9観点のいずれかに係るアクチュエータ駆動装置であって、空調機に含まれている複数の機器を統括的に制御する統括制御部をさらに備える。アクチュエータは、空調機に含まれている複数の機器の、少なくとも1つの駆動源であるモータである。統括制御部は、駆動制御部及び切換制御部を含む。
【0028】
本発明の第10観点に係るアクチュエータ駆動装置では、空調機の保安性が向上する。
【発明の効果】
【0029】
本発明の第1観点に係るアクチュエータ駆動装置では、コストを抑えつつ過電圧時に電源ラインを遮断することが可能である。また、簡単な構成にして、過電圧時に駆動部及び駆動制御部が保護される。よって、コストを抑えつつ保安性が向上する。
【0030】
本発明の第2観点又は第3観点に係るアクチュエータ駆動装置では、簡単な構成にして、過電圧時に駆動部及び駆動部動作用電源が保護される。よって、コストを抑えつつ保安性がさらに向上する。
【0031】
本発明の第4観点に係るアクチュエータ駆動装置では、過電圧時に、駆動部、駆動制御部及び/又は駆動部動作用電源がさらに保護される。また、電源ラインの遮断時において、配線やアクチュエータのインダクタンスによる電圧上昇やサージ電圧の発生などが抑制される。
【0032】
本発明の第5観点に係るアクチュエータ駆動装置では、簡単な構成にして、過電圧時において、電源ラインを遮断する前に、アクチュエータ及び駆動部に流れる電流を遮断することが可能となる。また、アクチュエータの迅速な再起動に備えることが可能となる。
【0033】
本発明の第6観点に係るアクチュエータ駆動装置では、駆動部が保護される。また、アクチュエータの迅速な再起動に備えることが可能となる。
【0034】
本発明の第7観点に係るアクチュエータ駆動装置では、電圧値上昇の急峻性に基づき保安性への影響が少ないと判断される時には、電源ラインが遮断されず、アクチュエータの迅速な再起動に備えることが可能となる。
【0035】
本発明の第8観点に係るアクチュエータ駆動装置では、過電圧時に影響を受けやすいスイッチング素子が駆動部に含まれる場合において、保安性が向上する。
【0036】
本発明の第9観点に係るアクチュエータ駆動装置では、駆動部がアクチュエータと一体である場合において、保安性が向上する。
【0037】
本発明の第10観点に係るアクチュエータ駆動装置では、空調機の保安性が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るモータ駆動装置30について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0040】
本実施形態におけるモータ駆動装置30は、空調機100に搭載されている。具体的には、モータ駆動装置30は、空調機100に含まれるアクチュエータのひとつである室内ファンモータ23(モータ部24)の駆動を制御する装置である。
【0041】
(1)空調機100
図1は、本発明の一実施形態に係るモータ駆動装置30を搭載した空調機100の概略構成図である。
【0042】
空調機100は、冷房運転又は暖房運転を行って、対象空間の空気調和を実現する装置である。具体的には、空調機100は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。空調機100は、運転モード及び運転停止モードを含む制御モードを有している。運転モードは、空調機100を運転させる場合に選択される。運転停止モードは、空調機100の運転を停止させる場合に選択される。
【0043】
空調機100は、主として、室外ユニット10と、室内ユニット20とを有している。空調機100においては、室外ユニット10と室内ユニット20とが、冷媒配管P1、P2によって接続されることで、冷媒回路が構成されている。
【0044】
(1−1)室外ユニット10
室外ユニット10は、主として、圧縮機11、四路切換弁12、室外熱交換器13、膨張弁14、及び室外ファン15を有している。
【0045】
圧縮機11は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮して吐出する機構である。圧縮機11は、例えば、ケーシング(図示省略)内に収容されたロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示省略)が、同じくケーシング内に収容された圧縮機モータ11aを駆動源として駆動される密閉式の圧縮機である。圧縮機11は、容量可変である。圧縮機モータ11aは、3相のブラシレスDCモータであって、ステータ及びロータ等を有している。
【0046】
四路切換弁12は、冷房運転と暖房運転との切換時に、冷媒の流れる方向を切り換えるための弁である。四路切換弁12は、冷房運転時には、圧縮機11の吐出側と室外熱交換器13のガス側とを接続するとともに室内熱交換器21(後述)のガス側と圧縮機11の吸入側とを接続する(
図1の四路切換弁12の実線を参照)。一方、四路切換弁12は、暖房運転時には、圧縮機11の吐出側と室内熱交換器21のガス側とを接続するとともに室外熱交換器13のガス側と圧縮機11の吸入側とを接続する(
図1の四路切換弁12の破線を参照)。
【0047】
室外熱交換器13は、冷房運転時には冷媒の凝縮器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器13は、その液側が膨張弁14に接続されており、ガス側が四路切換弁12に接続されている。
【0048】
膨張弁14は、高圧の冷媒を減圧する。膨張弁14は、例えば、運転状況に応じて開度が調整される電動弁である。
【0049】
室外ファン15は、例えば、プロペラファンなどの送風機である。室外ファン15は、外部から室外ユニット10内に流入し室外熱交換器13を通過してから室外ユニット10外へ流出する空気流を生成する。室外ファン15は、室外ファンモータ15aを駆動源として回転駆動される。室外ファンモータ15aは、例えばステータ及びロータを有する3相のブラシレスモータである。
【0050】
その他、各種センサや、室外ユニット10内の機器の動作を制御する室外ユニット制御部(図示省略)等を有している。
【0051】
(1−2)室内ユニット20
室内ユニット20は、主として、室内熱交換器21、室内ファン22及びモータ駆動装置30を有している。
【0052】
室内熱交換器21は、冷房運転時には、冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時には、冷媒の凝縮器として機能する熱交換器である。室内熱交換器21は、各冷媒配管P1、P2に接続されている。
【0053】
室内ファン22は、例えば、クロスフローファンなどの送風機である。室内ファン22は、外部から室内ユニット20内に流入し室内熱交換器21を通過してから室内ユニット20外へ流出する空気流を生成する。室内ファン22は、室内ファンモータ23のモータ部24に接続されており、モータ部24を駆動源として回転駆動される。室内ファンモータ23及びモータ部24の詳細については、後述する。
【0054】
モータ駆動装置30は、モータ部24の駆動を制御する装置である。モータ駆動装置30は、複数の電装品で構成されている。モータ駆動装置30の詳細については、後述する。
【0055】
(2)室内ファンモータ23の詳細
図2は、室内ファンモータ23及びモータ駆動装置30の概略構成図である。
図3は、モータ駆動回路35の概略構成図である。室内ファンモータ23は、モータ部24と、インバータ部25と、インバータ制御部26と、を含んでいる。すなわち、室内ファンモータ23は、モータ部24、インバータ部25及びインバータ制御部26が一体に構成された所謂ドライバ内蔵型モータである。
【0056】
(2−1)モータ部24
モータ部24(特許請求の範囲記載の「モータ」、「アクチュエータ」に相当)は、3相のブラシレスDCモータであり、ステータ241とロータ242とを有している(
図2参照)。
【0057】
ステータ241は、スター結線されたU相、V相及びW相の駆動コイルLu、Lv及びLwを含む。各駆動コイルLu、Lv及びLwの一方端は、それぞれインバータ部25から延びるU相、V相及びW相の各配線の駆動コイル端子TU、TV及びTWに接続されている。各駆動コイルLu、Lv及びLwの他方端は、互いに端子TNとして接続されている。これら3相の駆動コイルLu、Lv及びLwは、ロータ242が回転することにより、その回転速度とロータ242の位置に応じた誘起電圧を発生させる。
【0058】
ロータ242は、N極及びS極からなる複数極の永久磁石を含み、ステータ241に対し回転軸を中心として回転する。ロータ242の回転トルクは、この回転軸と同一軸心上にある出力軸(図示省略)を介して室内ファン22に伝達される。ロータの構造に着目すると、モータの種類には、大きく分けて表面磁石型モータ(Surface Permanent Magnet Motor:以下、SPMモータと記載する)と埋め込み磁石型モータ(Interior Permanent Magnet Motor:以下、IPMモータと記載する)とがあるが、モータ部24は、一般的なSPMモータを想定している。
【0059】
(2−2)インバータ部25
インバータ部25(特許請求の範囲記載の「出力部」に相当)は、スイッチング素子としての複数の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、単に「トランジスタ」と称する)Q3a、Q3b、Q4a、Q4b、Q5a及びQ5bと、複数の還流用ダイオードD3a、D3b、D4a、D4b、D5a及びD5bと、を含んでいる。
【0060】
トランジスタQ3aとQ3b、Q4aとQ4b、Q5aとQ5bは、それぞれ互いに直列に接続されている。各ダイオードD3a〜D5bは、トランジスタのコレクタ端子とダイオードのカソード端子とが接続されるとともにトランジスタのエミッタ端子とダイオードのアノード端子とが接続されることで、各トランジスタQ3a〜Q5bに対して逆並列に接続されている。
【0061】
インバータ部25には、直流電圧生成部31(後述)から直流電圧Vdcを供給される。インバータ部25は、インバータ制御部26において決定されたタイミングで各トランジスタQ3a〜Q5bがオン及びオフを行うことで、所望のデューティを有する駆動電圧SU、SV及びSW(特許請求の範囲記載の「駆動信号」に相当)を生成する。駆動電圧SU、SV及びSWは、モータ部24に出力される。具体的に、駆動電圧SUは、トランジスタQ3aとQ3bの接続点NUから出力される。駆動電圧SVは、トランジスタQ4aとQ4bの接続点NVから出力される。駆動電圧SWは、トランジスタQ5aとQ5bの接続点NWから出力される。このようにして、インバータ部25は、モータ部24に電力を供給する。
【0062】
(2−3)インバータ制御部26
インバータ制御部26(特許請求の範囲記載の「決定部」に相当)は、例えばRAM、ROM及びCPU等で構成されるマイクロコンピュータと、スイッチング素子の駆動回路と、を含んでいる。インバータ制御部26は、駆動電圧SU、SV及びSWのデューティを決定して、決定した駆動電圧SU、SV及びSWのデューティに基づき、インバータ部25の各トランジスタQ3a〜Q5bのオン及びオフの状態を変化させる。なお、インバータ制御部26は、インバータ部25とともに、モータ駆動装置30のモータ駆動部38(後述)として機能している。インバータ制御部26の詳細については、後述の「(3−3−3)モータ駆動部38」において説明する。
【0063】
(3)モータ駆動装置30の詳細
以下、
図2及び
図3を参照してモータ駆動装置30の詳細について説明する。
【0064】
モータ駆動装置30は、商用電源90(特許請求の範囲記載の「電源」に相当)から電力供給されている。なお、モータ駆動装置30と商用電源90とは、例えば家屋内のコンセントを介して電源コードによって接続される。モータ駆動装置30は、モータ部24に流れる電流であるモータ電流Imに基づいて、ロータの回転位置を推定するとともに、モータ部24をベクトル制御(Field Oriented Control)する。
【0065】
モータ駆動装置30は、主として、直流電圧生成部31と、電圧検出部34と、モータ駆動回路35と、レベルシフタ41と、切換部42と、本体制御マイコン43と、第1逆流防止ダイオードD6と、第2逆流防止ダイオードD7と、を有している。また、モータ駆動装置30は、インバータ制御部26に電源を供給するインバータ制御部動作用電源91(特許請求の範囲記載の「駆動部動作用電源」に相当)を有している。
【0066】
(3−1)直流電圧生成部31
直流電圧生成部31(特許請求の範囲記載の「直流電圧生成部」に相当)は、商用電源90と直列に接続されており、商用電源90から入力される交流電圧Vacを直流電圧Vdcに変換して、インバータ部25に供給している。直流電圧生成部31は、主として、整流部32と平滑コンデンサ33とを有する。
【0067】
整流部32は、商用電源90から入力される交流電圧Vacを整流し、これを平滑コンデンサ33に供給する。整流部32は、4つのダイオードD1a、D1b、D2a及びD2bによってブリッジ状に構成されている。具体的には、ダイオードD1aとD1bとが直列に接続され、ダイオードD2aとD2bとが直列に接続されている。ダイオードD1a及びD2aの各カソード端子は、平滑コンデンサ33のプラス側端子に接続されており、整流部32の正側出力端子として機能する。ダイオードD1b及びD2bの各アノード端子は、平滑コンデンサ33のマイナス側端子に接続されており、整流部32の負側出力端子として機能する。ダイオードD1a及びD1bの接続点及びダイオードD2a及びD2bの接続点は、それぞれ商用電源90に接続されている。すなわち、ダイオードD1a及びD1bの接続点と、ダイオードD2a及びD2bの接続点と、はそれぞれ整流部32の入力の役割を担っている。
【0068】
平滑コンデンサ33は、一端が整流部32の正側出力端子に接続され、他端が整流部32の負側出力端子に接続されている。平滑コンデンサ33は、整流部32によって整流された電圧を平滑する。平滑コンデンサ33によって平滑された電圧は、平滑コンデンサ33の後段(出力側)に接続されたインバータ部25に供給される。平滑コンデンサ33は、例えば電解コンデンサであるが、フィルムコンデンサ等であってもよい。なお、平滑コンデンサ33の他端側が、基準電位(以下、GNDと略す)となる。
【0069】
なお、本実施形態においては、直流電圧生成部31から供給される電流が室内ファンモータ23の内部(具体的には、モータ部24及びインバータ部25)を流れる。よって、直流電圧生成部31は、室内ファンモータ23に電流を供給するための「電源」又は「電流供給部」ともいえる。
【0070】
(3−2)電圧検出部34
電圧検出部34は、平滑コンデンサ33の出力側において、平滑コンデンサ33に並列に接続されている。すなわち、電圧検出部34は、直流電圧生成部31と電気的に接続されている。電圧検出部34は、直流電圧生成部31から供給される電圧(すなわち平滑コンデンサ33の両端電圧)である直流電圧Vdcの電圧値を検出する。
【0071】
電圧検出部34は、後述する第2電圧検出部36と略同一に構成され、例えば、互いに直列に接続された2つの抵抗を含んでいる(図示省略)。2つの抵抗は、平滑コンデンサ33に並列接続され、直流電圧Vdcを分圧する。2つの抵抗の接続点の電圧値は、直流電圧Vdcに所定の分圧比をかけた値として、本体制御マイコン43に入力される。すなわち、電圧検出部34は、直流電圧Vdcに伴う電流が電圧検出部34の内部を流れることで、直流電圧Vdcの値を検出可能である。なお、所定の分圧比は、各抵抗の値によって決定される。
【0072】
(3−3)モータ駆動回路35
モータ駆動回路35は、直流電圧生成部とモータ部24との間において配置されている。モータ駆動回路35は、主として、第2電圧検出部36と、電流検出部37と、モータ駆動部38と、を含んでいる。
【0073】
(3−3−1)第2電圧検出部36
図4は、第2電圧検出部36及び電流検出部37の概略構成図である。第2電圧検出部36は、平滑コンデンサ33の出力側において、平滑コンデンサ33に並列に接続されている。すなわち、第2電圧検出部36は、直流電圧生成部31と電気的に接続されている。第2電圧検出部36は、直流電圧生成部31から供給される電圧(すなわち平滑コンデンサ33の両端電圧)である直流電圧Vdcの電圧値を検出する。
【0074】
第2電圧検出部36は、例えば、互いに直列に接続された2つの抵抗36a及び36bを含んでいる。抵抗36a及び36bは、平滑コンデンサ33に並列接続され、直流電圧Vdcを分圧する。抵抗36a及び36bの接続点の電圧値は、直流電圧Vdcに所定の分圧比をかけた値として、インバータ制御部26に入力される。すなわち、第2電圧検出部36は、直流電圧Vdcに伴う電流が第2電圧検出部36の内部(具体的には、抵抗36a及び36b)を流れることで、直流電圧Vdcの値を検出可能である。なお、所定の分圧比は、抵抗36a及び36bの値によって決定される。
【0075】
(3−3−2)電流検出部37
電流検出部37は、平滑コンデンサ33とインバータ部25との間において、平滑コンデンサ33の負側出力端子側に接続されている。電流検出部37は、室内ファンモータ23(モータ部24)の起動後、モータ部24に流れるモータ電流Imを検出する。電流検出部37は、例えば、シャント抵抗37a及び増幅回路37bによって構成されている(
図4参照)。
【0076】
シャント抵抗37aは、平滑コンデンサ33の負側出力端子に接続されているGND配線L1上に配置されている。増幅回路37bは、シャント抵抗37aの両端の電圧を所定の倍率で増幅させるオペアンプ等を含む回路である。増幅回路37bは、入力部がシャント抵抗37aの両端に接続されており、出力部がインバータ制御部26に接続されている。
【0077】
モータ部24を流れる電流(モータ電流Im)は、GND配線L1上を流れる。電流検出部37は、このモータ電流Imに伴うシャント抵抗37aの両端電圧を検出することによって、モータ電流Imを検出することができる。なお、GND配線L1は、モータ駆動部38(後述のインバータ制御部26)のグランド側(低電位側)と直流電圧生成部31とを接続する電源ラインである。
【0078】
(3−3−3)モータ駆動部38
モータ駆動部38(特許請求の範囲記載の「駆動部」に相当)は、直流電圧生成部31とモータ部24との間に配置されている。モータ駆動部38は、モータ部24を駆動するための三相交流電圧である駆動電圧SU、SV及びSWを生成してモータ部24に出力する。モータ駆動部38は、所定のパラメータを用い、ロータ位置センサレス方式に基づいて駆動電圧SU、SV及びSWを生成する。ロータ位置センサレス方式とは、モータ部24の巻線抵抗、インダクタンス成分、誘起電圧、極数、直流電圧Vdcの電圧値、モータ電流Im(電流検出部37の検出結果)、及び所定の数式モデル等を用いて、ロータ242の位置の推定、回転数の推定、回転数に対するPI制御、及びモータ電流Imに対するPI制御等を行う方式である。
【0079】
モータ駆動部38は、
図2及び
図3に示すように、主として、上述のインバータ部25及びインバータ制御部26で構成される。
【0080】
インバータ部25は、平滑コンデンサ33の出力側に接続されている。インバータ部25には、直流電圧Vdcが供給される。
【0081】
インバータ制御部26は、インバータ制御部動作用電源91に接続され、電源電圧V1を供給されている。なお、電源電圧V1は、例えば15Vであるが、インバータ制御部26の定格電圧に応じて適宜変更が可能である。
【0082】
インバータ制御部26は、本体制御マイコン43と電気的に接続されている。インバータ制御部26は、本体制御マイコン43から送られる運転指令(回転数指令)に基づいて、インバータ部25から出力される駆動電圧SU、SV及びSWを決定する。
【0083】
インバータ制御部26は、モータ部24を、直流励磁方式又は強制駆動方式にて起動する。ここで、直流励磁方式とは、モータ部24に対して直流通電を行うことで、ロータ242の位置を所定位置に一旦固定させ、ロータ242が固定した状態からモータ部24の駆動を開始させる方式である。一方、強制駆動方式とは、ロータ242の位置に関係なく、所定の電圧値及び周波数を有する駆動電圧SU、SV及びSWをモータ部24に印加する強制通電を行うことで、モータ部24を強制的に起動させる方式である。
【0084】
インバータ制御部26は、モータ部24の起動後、ロータ242の位置を推定するとともに、推定したロータ242の位置に基づいてモータ部24の回転数を推定する。インバータ制御部26によって推定されたモータ部24の回転数は、回転数信号として本体制御マイコン43に送られる。
【0085】
また、インバータ制御部26は、本体制御マイコン43から送られてくる運転指令・運転停止指令(回転数指令)を受けて、推定したロータ242の位置、推定した回転数、直流電圧Vdcの電圧値及びモータ電流Imの電流値等を用いて、駆動電圧SU、SV及びSWのデューティを決定する。
【0086】
インバータ制御部26は、決定した駆動電圧SU、SV及びSWのデューティに基づき、インバータ部25の各トランジスタQ3a〜Q5bのオン及びオフの状態を変化させる。具体的には、インバータ制御部26は、決定したデューティを有する駆動電圧SU、SV及びSWがインバータ部25からモータ部24に出力されるように、スイッチング素子の駆動回路を介してゲート制御電圧Gu、Gx、Gv、Gy、Gw及びGzを生成し、トランジスタQ3a、Q3b、Q4a、Q4b、Q5a及びQ5bのゲート端子にそれぞれ印加する。
【0087】
(3―4)レベルシフタ41
レベルシフタ41は、平滑コンデンサ33に対して並列に接続されており、平滑コンデンサ33の両端電圧(すなわち直流電圧Vdc)が供給される。レベルシフタ41の出力は、本体制御マイコン43に接続されている。
【0088】
具体的に、レベルシフタ41は、直流電圧生成部31から供給された直流電圧Vdcを、所定の電源電圧V2に変換する。レベルシフタ41は、例えば、280Vの直流電圧Vdcを、5Vの電源電圧V2に変換する。レベルシフタ41は、変換後の電源電圧V2を本体制御マイコン43に供給する。すなわち、レベルシフタ41は、本体制御マイコン43の電源として機能する。なお、電源電圧V2は、本体制御マイコン43の定格電圧に応じて適宜変更が可能である。電源電圧V2は、Vdcと共通のGNDを持っている。
【0089】
(3−5)切換部42
切換部42は、GND配線L1(インバータ部25と直流電圧生成部31との間を接続する電源ライン)の導通及び遮断を切換えるための電気部品である。換言すると、切換部42は、GND配線L1の導通及び遮断を切換えるスイッチの役割を担っている。切換部42は、直流電圧生成部31とインバータ部25との間において、GND配線L1上に配置されている。
【0090】
切換部42は、例えば、半導体スイッチの一種であるMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)で構成されている。具体的に、切換部42は、ゲート端子の電位を、ソース端子の電位に対して所定値以上とされるとオン状態に切り換わり、ソース端子の電位に対して所定値未満とされるとオフ状態に切り換わるように構成されている。
【0091】
なお、切換部42が、具体的にどのタイミングでオンからオフ又はオフからオンへと切換えられるのかについては、「(5)モータ部24及び切換部42の動作」において説明する。
【0092】
(3−6)本体制御マイコン43
本体制御マイコン43(特許請求の範囲記載の「駆動制御部」、「切換制御部」、「統括制御部」に相当)は、RAM、ROM及びCPU等で構成されるマイクロコンピュータである。本体制御マイコン43は、タイマー機能を有しており、時間を計測可能である。本体制御マイコン43は、空調機100に含まれる複数の機器(具体的には、圧縮機11、四路切換弁12、室外ファン15及び室内ファン22等)を、統括的に制御する統括制御部として機能する。本体制御マイコン43は、レベルシフタ41から電源電圧V2を供給される。本体制御マイコン43は、インバータ制御部26、切換部42、リモートコントローラ(図示省略)及び室外ユニット制御部等と接続されている。本体制御マイコン43は、電圧検出部34の検出結果を入力される。
【0093】
本体制御マイコン43は、リモートコントローラから運転開始の指示がなされた場合には、圧縮機モータ11aや室外ファンモータ15aの起動指示を出力する。また、本体制御マイコン43は、モータ部24の回転数を示す回転数信号を監視し、回転数指令を含む運転指令をインバータ制御部26に出力する。また、本体制御マイコン43は、リモートコントローラから運転停止の指示がなされた場合には、圧縮機モータ11aや室外ファンモータ15aの駆動を停止する指示を出力する。また、本体制御マイコン43は、モータ部24の運転を停止させる旨の運転停止指令をインバータ制御部26に出力する。換言すると、本体制御マイコン43は、室内ファンモータ23及びモータ駆動部38の動作を制御する駆動制御部ともいえる。
【0094】
また、本体制御マイコン43は、切換部42に対する切換部駆動用電源Vswの供給及び遮断を行うことで、切換部42の動作を制御している。具体的に、本体制御マイコン43は、室内ファンモータ23(モータ部)が駆動している運転モード時には、切換部駆動用電源Vswの供給を行って切換部42をオン状態とする。これにより、運転モード時においては、GND配線L1が導通するようになっている。換言すると、本体制御マイコン43は、切換部42の動作を制御する切換制御部ともいえる。なお、本体制御マイコン43から切換部42のゲート端子に切換部駆動用電源Vswを直接出力するか、あるいは切換部42の駆動回路(図示せず)を設け当該駆動回路から切換部駆動用電源Vswを切換部42のゲート端子に出力させることで、切換部42の制御が可能である。
【0095】
また、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが所定値を上回る過電圧状態となった場合において、切換部42がオン状態にある時(すなわち、GND配線L1が導通している時)には、室内ファンモータ23及びモータ駆動部38を保護すべく、切換部駆動用電源Vswの供給を遮断して切換部42をオフ状態とする。これにより、直流電圧Vdcが過電圧状態にある時には、GND配線L1が遮断されるようになっている。
【0096】
また、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが過電圧状態となった場合において、室内ファンモータ23(モータ部)が駆動状態にある時には、インバータ部25の動作を停止させる(すなわち駆動電圧SU、SV及びSWの出力を停止させる)旨の運転停止指令をインバータ制御部26に出力する。これにより、インバータ部25における全てのスイッチング素子(トランジスタQ3a〜Q5b)がオフ状態となり、トランジスタQ3a〜Q5bのいずれかがオン状態にある場合よりも各スイッチング素子に供給される電圧が抑制される。よって、運転モード時において、直流電圧Vdcが過電圧状態となって、インバータ部25に含まれるスイッチング素子(トランジスタQ3a〜Q5b)の耐圧を上回る電圧値となっても、インバータ部25を破壊されることが抑制される。
【0097】
ここで、「過電圧状態」とは、直流電圧Vdcが第3閾値ΔTh3以上の状態、又は、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上第3閾値ΔTh3未満の状態が所定時間T1継続している状態を指す。すなわち、本体制御マイコン43は、室内ファンモータ23(モータ部)が駆動している際に、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1未満の状態から第1閾値ΔTh1以上の状態に変化した場合において、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1よりも高い第3閾値ΔTh3以上であれば直ちに切換部駆動用電源Vswの供給を遮断し、直流電圧Vdcが第3閾値ΔTh3未満であれば第1閾値ΔTh1以上第3閾値ΔTh3未満の状態が所定時間T1継続した時に切換部駆動用電源Vswの供給を遮断する。これにより、直流電圧Vdcが第3閾値ΔTh3以上であれば直ちにGND配線L1が遮断され、直流電圧Vdcが第3閾値ΔTh3未満であれば第1閾値ΔTh1以上第3閾値ΔTh3未満の状態が所定時間T1継続した時にGND配線L1が遮断される。このように、直流電圧Vdcの電圧値上昇の急峻性に応じて、GND配線L1を遮断するタイミングが可変とされている。その結果、モータ駆動装置30では、保安性への影響が少ないと判断される時には、GND配線L1が遮断されず、室内ファンモータ23(モータ部)の迅速な再起動に備えられるようになっている。
【0098】
第1閾値ΔTh1、第3閾値ΔTh3及び所定時間T1の具体例を挙げると、例えば商用電源90の交流電圧Vacが200V、直流電圧Vdcが280Vである場合には、第1閾値ΔTh1は400V、第3閾値ΔTh3は450V、所定時間T1は1secに設定される。なお、第1閾値ΔTh1、第3閾値ΔTh3及び所定時間T1は、当該値には限定されず、モータ駆動装置30の設置環境、定格電力及びインバータ部25の耐圧等に応じて適宜変更が可能である。
【0099】
また、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが過電圧に近い状態となった場合において、室内ファンモータ23(モータ部)が駆動状態にある時には、インバータ部25の動作を停止させる(すなわち駆動電圧SU、SV及びSWの出力を停止させる)旨の運転停止指令をインバータ制御部26に出力する。
【0100】
ここで、「過電圧に近い状態」とは、直流電圧Vdcが第2閾値ΔTh2以上の状態にある時を指す。第2閾値ΔTh2は、第1閾値ΔTh1及び第3閾値ΔTh3よりも小さい値に設定される。つまり、各閾値は、ΔTh2<ΔTh1<ΔTh3という関係にある。すなわち、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1よりも低い第2閾値ΔTh2以上の場合には、インバータ制御部26に駆動電圧SU、SV及びSWの出力を停止させる運転停止指令を出力している。これにより、インバータ部25における全てのスイッチング素子(トランジスタQ3a〜Q5b)がオフ状態となり、トランジスタQ3a〜Q5bのいずれかがオン状態にある場合よりも各スイッチング素子に供給される電圧が抑制される。よって、運転モード時において、直流電圧Vdcが過電圧に近い状態となって、インバータ部25に含まれるスイッチング素子(トランジスタQ3a〜Q5b)の耐圧を上回る電圧値となっても、インバータ部25を破壊されることが抑制される。また、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1を超えることなく第2閾値ΔTh2を下回った場合における室内ファンモータ23(モータ部)の迅速な再起動に備えることが可能となっている。
【0101】
第2閾値ΔTh2は、例えば、商用電源90の交流電圧Vacが200V、直流電圧Vdcが280Vである場合には、ΔTh2は375Vに設定される。なお、第2閾値ΔTh2は、モータ駆動装置30の設置環境、定格電力及びインバータ部25の耐圧等に応じて適宜変更が可能である。
【0102】
また、本体制御マイコン43は、室内ファンモータ23(モータ部)が駆動していない運転停止モード時には、切換部駆動用電源Vswの供給を遮断して切換部42をオフ状態とする。
【0103】
(3−7)第1逆流防止ダイオードD6
第1逆流防止ダイオードD6(特許請求の範囲記載の「第1ダイオード」に相当)は、モータ駆動回路35と、本体制御マイコン43と、の間に配置されている。より具体的には、第1逆流防止ダイオードD6は、モータ駆動部38(インバータ制御部26)と、本体制御マイコン43と、の間に配置されている。第1逆流防止ダイオードD6は、直流電圧Vdcが過電圧状態となった時に、モータ駆動部38(インバータ制御部26)を介して直流電圧生成部31から本体制御マイコン43に電流が流れることを抑制するために配設されている。
【0104】
上述のように、モータ駆動装置30においては、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが過電圧状態となった時に、インバータ部25のグランド側(低電位側)と直流電圧生成部31とを接続するGND配線L1を遮断する。一方で、GND配線L1が遮断されると、モータ駆動部38(インバータ制御部26)内の電位が本体制御マイコン43内の電位よりも高くなる。よって、インバータ制御部26を介して直流電圧生成部31から本体制御マイコン43に流れる電流を遮断する手段が設けられていなければ、直流電圧Vdcが過電圧状態となった時にインバータ制御部26及び本体制御マイコン43が破壊されるおそれがある。係る事態となることを抑制するために、モータ駆動装置30では、第1逆流防止ダイオードD6が、インバータ制御部26と本体制御マイコン43との間に配置されている。
【0105】
(3−8)第2逆流防止ダイオードD7
第2逆流防止ダイオードD7(特許請求の範囲記載の「第2ダイオード」に相当)は、モータ駆動部38(インバータ制御部26)と、インバータ制御部動作用電源91と、の間に配置されている。第2逆流防止ダイオードD7は、直流電圧Vdcが過電圧状態となった時に、モータ駆動部38(インバータ制御部26)を介して直流電圧生成部31からインバータ制御部動作用電源91に電流が流れることを抑制するために配設されている。
【0106】
上述のように、直流電圧Vdcが過電圧状態となった時にGND配線L1が遮断されると、モータ駆動部38(インバータ制御部26)内の電位がインバータ制御部動作用電源91の電位よりも高くなる。よって、インバータ制御部26を介して直流電圧生成部31からインバータ制御部動作用電源91に流れる電流を遮断する手段が設けられていなければ、直流電圧Vdcが過電圧状態となった時にインバータ制御部26及びインバータ制御部動作用電源91が破壊されるおそれがある。係る事態となることを抑制するために、モータ駆動装置30では、第2逆流防止ダイオードD7が、インバータ制御部26とインバータ制御部動作用電源91との間に配置されている。
【0107】
(4)本体制御マイコン43の制御の流れ
以下、
図5を参照して、本体制御マイコン43による切換部42及びインバータ制御部26(室内ファンモータ23)に関する制御の流れの一例について説明する。
図5は、本体制御マイコン43の制御の流れの一例を示したフローチャートである。
【0108】
本体制御マイコン43は、リモコンを介して運転指示が入力されると、ステップS101において、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1未満か否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上の場合)、ステップS101において当該判定を繰り返す。一方、当該判定がYESの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1未満の場合)、ステップS102へ進む。
【0109】
ステップS102において、本体制御マイコン43は、切換部駆動用電源Vswを切換部42に供給する。これにより、切換部42がオン状態に切り換わり、GND配線L1が導通する。その後、ステップS103へ進む。
【0110】
ステップS103において、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが第2閾値ΔTh2未満か否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第2閾値ΔTh2以上の場合)、ステップS101に戻る。一方、当該判定がYESの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第2閾値ΔTh2未満の場合)、ステップS104へ進む。
【0111】
ステップS104において、本体制御マイコン43は、運転指令をインバータ制御部26に出力する。これを受けて、インバータ制御部26からゲート制御電圧Gu〜GzがトランジスタQ3a〜Q5bのゲート端子にそれぞれ出力されて、モータ部24及びインバータ部25が駆動する。その後、ステップS105へ進む。
【0112】
ステップS105において、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが第3閾値ΔTh3未満か否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第3閾値ΔTh3以上の場合)、ステップS106へ進む。一方、当該判定がYESの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第3閾値ΔTh3未満の場合)、ステップS107へ進む。
【0113】
ステップS106において、本体制御マイコン43は、切換部42への切換部駆動用電源Vswの供給を遮断する。これにより、切換部42がオフ状態に切り換わり、GND配線L1が遮断される。また、本体制御マイコン43は、運転停止指令をインバータ制御部26に出力する(但し、すでにモータ部24及びインバータ部25が動作を停止している場合には、本体制御マイコン43は、運転停止指令を出力しない)。これにより、ゲート制御電圧Gu〜Gzの出力が停止され、モータ部24及びインバータ部25が駆動を停止する。その後、ステップS101に戻る。
【0114】
ステップS107において、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上か否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1未満の場合)、ステップS108へ進む。一方、当該判定がYESの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上の場合)、ステップS110へ進む。
【0115】
ステップS108において、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが第2閾値ΔTh2以上か否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第2閾値ΔTh2未満の場合)、ステップS104に戻る。一方、当該判定がYESの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第2閾値ΔTh2以上の場合)、ステップS109へ進む。
【0116】
ステップS109において、本体制御マイコン43は、運転停止指令をインバータ制御部26に出力する(但し、すでにモータ部24及びインバータ部25が動作を停止している場合には、本体制御マイコン43は、運転停止指令を出力しない)。これにより、ゲート制御電圧Gu〜Gzの出力が停止され、モータ部24及びインバータ部25が動作を停止する。その後、ステップS105に戻る。
【0117】
ステップS110において、本体制御マイコン43は、運転停止指令をインバータ制御部26に出力する(但し、すでにモータ部24及びインバータ部25が動作を停止している場合には、本体制御マイコン43は、運転停止指令を出力しない)。これにより、ゲート制御電圧Gu〜Gzの出力が停止され、モータ部24及びインバータ部25が動作を停止する。また、本体制御マイコン43は、時間の計測を開始する(但し、すでに時間の計測を開始している場合には、カウントを継続する)。その後、ステップS111へ進む。なお、本体制御マイコン43は、ステップS106、ステップS108又はステップS112において、時間の計測を停止するとともにカウンタをリセットする。
【0118】
ステップS111において、本体制御マイコン43は、ステップS110においてカウントを開始した計測時間が所定時間T1以上となったか否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわち、計測時間が所定時間T1未満の場合)、ステップS105に戻る。一方、当該判定がYESの場合(すなわち、計測時間が所定時間T1以上の場合)、ステップS112へ進む。
【0119】
ステップS112において、本体制御マイコン43は、切換部42への切換部駆動用電源Vswの供給を遮断する。これにより、切換部42がオフ状態に切り換わり、GND配線L1が遮断される。その後、ステップS101に戻る。
【0120】
(5)モータ部24及び切換部42の動作
以下、
図6及び
図7を参照して、切換部42のオン・オフ状態及びモータ部24の発停が切換えられるタイミングについて説明する。
図6及び
図7は、モータ部24及び切換部42の状態の変化の一例を示すタイミングチャートである。
【0121】
期間Aにおいては、モータ部24は停止状態にあるとともに、切換部42はオフ状態にある。
【0122】
期間Bにおいては、運転開始指示が入力されたことに応じて、空調機100が運転モードに遷移して運転状態となる。また、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1未満であって第2閾値ΔTh2未満であることに応じて、切換部42がオン状態になりGND配線L1が導通するとともに、モータ部24が駆動状態となる。
【0123】
期間Cにおいては、直流電圧Vdcが第2閾値ΔTh2以上となったことに応じて、モータ部24が停止状態となる。なお、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1未満であるため、切換部42はオン状態のままである。
【0124】
期間Dにおいては、直流電圧Vdcが第2閾値ΔTh2未満となったことに応じて、モータ部24が駆動状態となる。なお、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1未満であるため、切換部42はオン状態のままである。
【0125】
期間Eにおいては、直流電圧Vdcが第2閾値ΔTh2以上となったことに応じて、モータ部24が停止状態となる。また、直流電圧Vdcが第3閾値ΔTh3以上(つまり、第1閾値ΔTh1以上)となったことに応じて、切換部42がオフ状態となりGND配線L1が非導通となる。換言すると、期間Eでは、本体制御マイコン43が、直流電圧Vdcが第3閾値ΔTh3以上(つまり、第1閾値ΔTh1以上)である過電圧状態となった場合において、GND配線L1を遮断させるべく、切換部42をオフ状態に切換える制御を行っている。
【0126】
期間Fにおいては、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1未満となったことに応じて、切換部42がオン状態になりGND配線L1が導通する。換言すると、期間Fでは、本体制御マイコン43が、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1未満となった場合において、GND配線L1を導通させるべく、切換部42をオン状態に切換える制御を行っている。なお、期間Fにおいては、直流電圧Vdcが第2閾値ΔTh2以上であるため、モータ部24は停止状態のままである。
【0127】
期間Gにおいては、直流電圧Vdcが第2閾値ΔTh2未満となったことに応じて、モータ部24が駆動状態となる。なお、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1未満であるため、切換部42はオン状態のままである。
【0128】
期間Hにおいては、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上(すなわち第2閾値ΔTh2以上)となったことに応じて、モータ部24が停止状態となる。また、その後、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上第3閾値ΔTh3未満である状態が所定時間T1継続したことに応じて、切換部42がオフ状態となりGND配線L1が非導通となる。
【0129】
すなわち、期間Hでは、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上となった場合において、GND配線L1が遮断される前に、本体制御マイコン43からインバータ制御部26に運転停止指令が出力されてモータ部24が停止される。換言すると、期間Hでは、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上の場合において、GND配線L1が遮断されるよりも前に、インバータ制御部26に運転停止指令を出力している、といえる。また、期間Hでは、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上となった場合において、モータ部24の駆動が停止(すなわちインバータ制御部26による駆動電圧SU、SV及びSWの出力が停止)された後、所定時間T1が経過してからGND配線L1を遮断するように、切換部42の動作を制御している、ともいえる。
【0130】
期間Iにおいては、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1未満となったことに応じて、切換部42がオン状態になりGND配線L1が導通する。また、直流電圧Vdcが第2閾値ΔTh2未満となったことに応じて、モータ部24が駆動状態となる。その後、運転停止指示が入力されたことに応じて、空調機100が運転停止モードに遷移して運転停止状態となる。また、モータ部24が停止状態となるとともに、切換部42がオフ状態となりGND配線L1が非導通となる。
【0131】
(6)特徴
(6−1)
上記実施形態では、切換部42が、モータ駆動部38(インバータ制御部26)のグランド側(低電位側)と直流電圧生成部31とを接続するGND配線L1上に配置され、直流電圧Vdcの電圧値に応じてGND配線L1の導通及び遮断を切り換えるように制御されている。これにより、直流電圧Vdcが過電圧状態となった時には、GND配線L1が遮断される。
【0132】
また、第1逆流防止ダイオードD6が、モータ駆動部38(インバータ制御部26)と本体制御マイコン43との間に配置されており、GND配線L1が遮断された時に、インバータ制御部26を介して直流電圧生成部31から本体制御マイコン43に電流が流れることが抑制されている。これにより、直流電圧Vdcが過電圧状態となった時にインバータ制御部26及び本体制御マイコン43が保護されるようになっている。
【0133】
(6−2)
上記実施形態では、第2逆流防止ダイオードD7が、モータ駆動部38(インバータ制御部26)とインバータ制御部動作用電源91との間に配置されており、GND配線L1が遮断された時に、インバータ制御部26を介して直流電圧生成部31からインバータ制御部動作用電源91に電流が流れることが抑制されている。これにより、直流電圧Vdcが過電圧状態となった時にインバータ制御部26及びインバータ制御部動作用電源91が保護されるようになっている。
【0134】
(6−3)
上記実施形態では、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上の場合において、GND配線L1が遮断される(切換部42がオフ状態となる)よりも前に、本体制御マイコン43からインバータ制御部26に運転停止指令が出力されて、インバータ部25からの駆動電圧SU、SV及びSWの出力が停止される。これにより、直流電圧Vdcが過電圧状態となった場合において、GND配線L1が遮断されるよりも前に、室内ファンモータ23(モータ部24及びインバータ部25)に流れる電流を遮断できるようになっている。
【0135】
(6−4)
上記実施形態では、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1よりも低い第2閾値ΔTh2以上の場合には、インバータ制御部26に駆動電圧SU、SV及びSWの出力を停止させる運転停止指令を送っている。これにより、直流電圧Vdcが過電圧に近い状態となった時に、室内ファンモータ23(モータ部24及びインバータ部25)に供給していた電流を遮断することが可能となっている。その結果、モータ駆動部38(インバータ制御部26)が高電圧から保護されている。また、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1を超えることなく第2閾値ΔTh2を下回った場合における室内ファンモータ23の迅速な再起動に備えることが可能となっている。
【0136】
(6−5)
上記実施形態では、本体制御マイコン43は、モータ部24が駆動している際に、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1未満の状態から第1閾値ΔTh1以上の状態に変化した場合において、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1よりも高い第3閾値ΔTh3以上であれば直ちに切換部駆動用電源Vswの供給を遮断し、直流電圧Vdcが第3閾値ΔTh3未満であれば第1閾値ΔTh1以上第3閾値ΔTh3未満の状態が所定時間T1継続した時に切換部駆動用電源Vswの供給を遮断する。これにより、直流電圧Vdcが第3閾値ΔTh3以上であれば直ちにGND配線L1が遮断され、直流電圧Vdcが第3閾値ΔTh3未満であれば第1閾値ΔTh1以上第3閾値ΔTh3未満の状態が所定時間T1継続した時にGND配線L1が遮断される。すなわち、直流電圧Vdcの電圧値上昇の急峻性に応じて、GND配線L1を遮断するタイミングが可変とされている。その結果、保安性への影響が少ないと判断される時には、GND配線L1が遮断されず、モータ部24の迅速な再起動に備えられるようになっている。
【0137】
(6−6)
上記実施形態では、モータ駆動部38は、複数のスイッチング素子(トランジスタQ3a〜Q5b)を含むインバータ部25と、インバータ制御部26と、を含んでいる。また、モータ部24は、インバータ部25及びインバータ制御部26と一体に構成されている(すなわち、室内ファンモータ23は、インバータ内蔵モータである)。上記実施形態では、係る場合において、保安性が向上している。
【0138】
(6−7)
上記実施形態では、駆動を制御されるアクチュエータは、空調機100に含まれる室内ファン22の駆動源である室内ファンモータ23のモータ部24である。また、空調機100に含まれている複数の機器を統括的に制御する本体制御マイコン43を備えている。また、本体制御マイコン43は、インバータ制御部26及び切換部42を統括的に制御している。上記実施形態では、係る場合において、保安性が向上している。
【0139】
(7)変形例
(7−1)変形例A
上記実施形態では、室内ファンモータ23は、モータ部24と、インバータ部25及びインバータ制御部26と、が一体に構成されたインバータ内蔵モータであった。しかし、室内ファンモータ23は、必ずしもインバータ内蔵モータである必要はない。すなわち、室内ファンモータ23は、インバータ部25及びインバータ制御部26のいずれかを含まないモータであってもよく、モータ部24のみを含むインバータ非内蔵のモータであってもよい。
【0140】
また、上記実施形態では、室内ファンモータ23(モータ部24)は、一般的なSPMモータであったが、必ずしもこれに限定されず、他の種類のモータであってもよい。例えば、モータ部24は、IPMモータであってもよい。
【0141】
(7−2)変形例B
上記実施形態では、モータ駆動装置30が、室内ファン22の駆動源である室内ファンモータ23のモータ部24を駆動制御するための装置として用いられる場合について説明した。しかし、モータ駆動装置30の駆動対象は、室内ファンモータ23のモータ部24に限定されず、圧縮機モータ11aや室外ファンモータ15aであってもよい。また、モータ駆動装置30は、空調機100ではなく、給湯器などの他のヒートポンプ装置に含まれる圧縮機モータやポンプ用モータ、室外ファンモータ等の駆動装置として用いられてもよい。
【0142】
(7−3)変形例C
上記実施形態では、モータ駆動装置30が、ロータ位置センサレス方式にてモータ部24の駆動を制御する場合について説明した。しかし、これに限定されず、例えばロータ242の位置を検出する位置検出センサ(例えば、ホール素子)が搭載されているモータ部24に対し、当該センサの検出結果に基づく制御を行うタイプの装置であってもよい。
【0143】
(7−4)変形例D
上記実施形態では、直流電圧生成部31は、商用電源90から電力を供給されて直流電圧Vdcを生成するように構成されていた。しかし、これに限定されず、直流電圧生成部31は、商用電源90ではない他の適当な電源から電力を供給されるように構成されてもよい。
【0144】
また、上記実施形態では、商用電源90は、交流電圧Vacを供給していたが、交流電圧Vacに代えて直流電圧Vdcを供給するものであってもよい。係る場合には、直流電圧生成部31を省略して、商用電源90が「電源」及び「直流電圧生成部」として機能するように構成することも可能である。
【0145】
(7−5)変形例E
上記実施形態では、電圧検出部34及び第2電圧検出部36は、直流電圧生成部31と電気的に接続されて、直流電圧生成部31から供給される直流電圧Vdcの電圧値を検出していた。しかし、これに限定されず、電圧検出部34又は第2電圧検出部36は、商用電源90と電気的に接続されて、商用電源90から供給される交流電圧Vacの電圧値を検出するように構成されてもよい。係る場合、インバータ制御部26又は本体制御マイコン43は、電圧検出部34又は第2電圧検出部36から出力される交流電圧Vacの電圧値に基づいて、直流電圧Vdcの電圧値を推定する。
【0146】
また、上記実施形態では、第2電圧検出部36及び電流検出部37は、モータ駆動回路35内に配置されていた。しかし、第2電圧検出部36又は電流検出部37は、必ずしもモータ駆動回路35内に配置される必要はなく、直流電圧生成部31とモータ駆動回路35の間に配置されてもよい。
【0147】
(7−6)変形例F
上記実施形態では、切換部42が、MOSFETによって構成されている場合について説明した。しかし、本発明に係る切換部42の構成は、MOSFETに限定されない。例えば、切換部42は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やソリッドステートリレー等の他の半導体スイッチ、又は電磁リレーであってもよい。係る場合、切換部42としてのスイッチの種類によっては、切換部42を動作させるための駆動回路が設けられる。
【0148】
(7−7)変形例G
上記実施形態では、切換部42は、本体制御マイコン43によって、オン・オフ状態の切換えを制御されていた。しかし、これに限定されず、切換部42は、他の制御部によってオン・オフ状態の切換えを制御されてもよい。
【0149】
(7−8)変形例H
上記実施形態では、モータ駆動部38のインバータ制御部26は、インバータ制御部動作用電源91から電源電圧V1を供給されていた。しかし、これに限定されず、モータ駆動装置30は、
図8に示すモータ駆動装置30aのように構成されてもよい。以下、モータ駆動装置30aについて説明する。なお、モータ駆動装置30と共通する部分については、説明を省略する。
【0150】
図8は、モータ駆動装置30aの概略構成図である。モータ駆動装置30aにおいては、モータ駆動装置30と異なり、インバータ制御部動作用電源91及び第2逆流防止ダイオードD7が省略されるとともに、レベルシフタ41に加えて第2レベルシフタ41a(特許請求の範囲記載の「駆動部動作用電源」に相当)が配設されている。
【0151】
第2レベルシフタ41aは、絶縁電源であり、一次側コイルと、一次側コイルと電気的に分離された2次側コイルと、を含み、2次側コイルの出力から整流・平滑した直流電圧を出力する。第2レベルシフタ41aは、平滑コンデンサ33に対して並列に接続されており、平滑コンデンサ33の両端電圧(すなわち直流電圧Vdc)が供給される。第2レベルシフタ41aの出力は、インバータ制御部26に接続されている。
【0152】
第2レベルシフタ41aは、例えば、一次側コイルと直列にスイッチング素子(図示省略)を接続されている。当該スイッチング素子がオン状態にスイッチングされている場合には一次側コイルに直流電圧Vdcが印加され、スイッチング素子がオフ状態の場合には一次側コイルに電圧は印加されないように構成されている。第2レベルシフタ41aでは、スイッチング素子のオン・オフが繰り返されることによって、二次側コイルに交流電圧が発生し、電力が伝達され、整流・平滑された直流電圧を出力する。第2レベルシフタ41aは、直流電圧生成部31から供給された直流電圧Vdcを、電源電圧V1に変換する。例えば、第2レベルシフタ41aは、280Vの直流電圧Vdcを、15Vの電源電圧V1に変換する。第2レベルシフタ41aは、変換後の電源電圧V1をインバータ制御部26に供給する。すなわち、第2レベルシフタ41aは、インバータ制御部26の電源として機能する。なお、電源電圧V1は、インバータ制御部26の定格電圧に応じて適宜変更が可能である。
【0153】
上述のように、直流電圧Vdcが過電圧状態となった時にGND配線L1が遮断されると、モータ駆動部38(インバータ制御部26)内の電位が第2レベルシフタ41aの電位よりも高くなる。よって、インバータ制御部26を介して直流電圧生成部31から第2レベルシフタ41aに流れる電流を遮断する手段が設けられていなければ、直流電圧Vdcが過電圧状態となった時にインバータ制御部26及び第2レベルシフタ41aが破壊されるおそれがある。
【0154】
モータ駆動装置30aにおいては、第2逆流防止ダイオードD7が省略されている一方で、第2レベルシフタ41aが絶縁電源である。これにより、GND配線L1が遮断された時に、インバータ制御部26を介して直流電圧生成部31から第2レベルシフタ41aに電流が流れることが抑制されており、インバータ制御部26及び第2レベルシフタ41aが保護されるようになっている。
【0155】
(7−9)変形例I
上記実施形態では、モータ駆動部38(インバータ制御部26)と本体制御マイコン43との間において、第1逆流防止ダイオードD6が配置されていた。しかし、これに限定されず、モータ駆動装置30は、
図9に示すモータ駆動装置30bのように構成されてもよい。以下、モータ駆動装置30bについて説明する。なお、モータ駆動装置30と共通する部分については、説明を省略する。
【0156】
図9は、モータ駆動装置30bの概略構成図である。モータ駆動装置30bにおいては、モータ駆動装置30と異なり、モータ駆動部38(インバータ制御部26)と本体制御マイコン43との間において、第1逆流防止ダイオードD6に代えて絶縁回路50が配設されている。本体制御マイコン43は、絶縁回路50(フォトカプラ51)を介してインバータ制御部26に運転指令を出力する。
【0157】
絶縁回路50においては、モータ駆動部38(インバータ制御部26)と本体制御マイコン43を絶縁する絶縁素子としてフォトカプラ51が配置されている。フォトカプラ51は、発光ダイオード51aと、フォトトランジスタ51bとを有している。発光ダイオード51aは、アノード側が抵抗44を介して本体制御マイコン43に接続され、カソード側がグランドに接続されている。フォトトランジスタ51bは、コレクタ端子が抵抗50aを介して電源Vccに接続され、エミッタ端子がインバータ制御部26に接続されている。
【0158】
本体制御マイコン43が発光ダイオード51aに電圧を供給しない場合、発光ダイオード51aが発光せずフォトトランジスタ51bは非導通である。本体制御マイコン43が発光ダイオード51aに電圧を供給した場合、発光ダイオード51aが発光してフォトトランジスタ51bが導通する。
【0159】
モータ駆動装置30bにおいては、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが過電圧状態となった時に、インバータ部25のグランド側(低電位側)と直流電圧生成部31とを接続するGND配線L1を遮断する。一方で、GND配線L1が遮断されると、モータ駆動部38(インバータ制御部26)内の電位が本体制御マイコン43内の電位よりも高くなる。よって、インバータ制御部26を介して直流電圧生成部31から本体制御マイコン43に流れる電流を遮断する手段が設けられていなければ、直流電圧Vdcが過電圧状態となった時にインバータ制御部26及び本体制御マイコン43が破壊されるおそれがある。係る事態となることを抑制するために、モータ駆動装置30では、絶縁回路50が、本体制御マイコン43とインバータ制御部26との間に配置されている。
【0160】
これにより、直流電圧Vdcが過電圧状態となった場合においてGND配線L1が遮断された時に、インバータ制御部26を介して直流電圧生成部31から本体制御マイコン43に電流が流れることが抑制されており、インバータ制御部26及び本体制御マイコン43が保護されるようになっている。
【0161】
なお、モータ駆動装置30bにおいて絶縁回路50には、絶縁素子としてフォトカプラ51が配置されていたが、絶縁回路50に配置される絶縁素子はフォトカプラに限定されず、モータ駆動部38(インバータ制御部26)と本体制御マイコン43を絶縁できるものである限り、他の絶縁素子が配置されてもよい。
【0162】
また、モータ駆動装置30bにおいては、モータ駆動部38のインバータ制御部26は、インバータ制御部動作用電源91から電源電圧V1を供給されていた。しかし、これに限定されず、モータ駆動装置30bは、
図10に示すモータ駆動装置30cのように構成されてもよい。
【0163】
モータ駆動装置30cにおいては、モータ駆動装置30aと同様に、インバータ制御部動作用電源91及び第2逆流防止ダイオードD7を省略して、レベルシフタ41に加えて第2レベルシフタ41aが配設されている。係る構成においても本発明の目的を達成することが可能である。
【0164】
(7−10)変形例J
上記実施形態では、本体制御マイコン43は、空調機100に含まれる複数の機器(具体的には、圧縮機11、四路切換弁12、室外ファン15及び室内ファン22等)を、統括的に制御する統括制御部として機能していた。しかし、これに限定されず、室内ファン22以外の機器を制御する機器制御部(図示省略)を別に設けて、本体制御マイコン43が行っている室内ファン22以外の機器に関する制御については機器制御部に行わせるように構成してもよい。
【0165】
(7−11)変形例K
上記実施形態では、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが第3閾値ΔTh3以上の状態、又は、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上第3閾値ΔTh3未満の状態が所定時間T1継続している状態となった時に、直流電圧Vdcが過電圧状態となったとして切換部42をオフ状態に切り換えてGND配線L1を非導通とする制御を行っていた。
【0166】
しかし、本体制御マイコン43は、当該制御を行うにあたり第3閾値ΔTh3については必ずしも考慮しなくてもよい。すなわち、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上の状態となった時に、直流電圧Vdcが過電圧状態となったとして切換部駆動用電源Vswの供給を遮断して切換部42をオフ状態に切り換えてGND配線L1を非導通とする制御を上記制御に代えて行ってもよい。以下、
図11を参照して、係る場合における本体制御マイコン43による切換部42及びインバータ制御部26(室内ファンモータ23)に関する制御の流れの一例について説明する。なお、
図11において
図5と共通する部分については、説明を省略する。
【0167】
図11は、本体制御マイコン43の制御の流れの一例を示したフローチャートである。
図11におけるステップS201〜ステップS204は、
図5におけるステップS101〜ステップS104と共通である。また、ステップS206及びS207は、
図5におけるステップS108及びS109と共通である。また、ステップS208は、
図5におけるステップS106と共通である。
図11においては、
図5におけるステップS105、S110、S111及びS112の処理が省略されている。
【0168】
ステップS205において、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上か否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1未満の場合)、ステップS206へ進む。一方、当該判定がYESの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上の場合)、ステップS208へ進む。
【0169】
本体制御マイコン43が
図11に示すような流れで制御を行うことによっても、本発明の目的を達成することが可能である。
【0170】
また、本体制御マイコン43は、上記制御を行うにあたり第2閾値ΔTh2についても必ずしも考慮しなくともよい。すなわち、本体制御マイコン43は、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上の状態となった時に、直流電圧Vdcが過電圧状態となったとして切換部42をオフ状態に切り換えてGND配線L1を非導通とするとともに、運転停止指令をインバータ制御部26に出力してモータ部24の駆動を停止させる制御を行うようにしてもよい。以下、
図12を参照して、係る場合における本体制御マイコン43による切換部42及びインバータ制御部26(室内ファンモータ23)に関する制御の流れの一例について説明する。なお、
図12において
図11と共通する部分については、説明を省略する。
【0171】
図12は、本体制御マイコン43の制御の流れの一例を示したフローチャートである。
図12におけるステップS301及びS303は、
図11におけるステップS201と共通である。また、
図12におけるステップS304は、
図11におけるステップS208と共通である。
図12においては、
図11におけるステップS203、S206及びS207の処理が省略されている。
【0172】
ステップS301において、判定がNOの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上の場合)、ステップS301に戻る。一方、判定がYESの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1未満の場合)、ステップS302へ進む。
【0173】
ステップS302において、本体制御マイコン43は、切換部駆動用電源Vswを切換部42に供給する(すでに切換部駆動用電源Vswの供給を開始している場合には供給を継続する)。これにより、切換部42がオン状態に切り換わり(又はオン状態を維持し)、GND配線L1が導通する。また、本体制御マイコン43は、運転指令をインバータ制御部26に出力する。これを受けて、インバータ制御部26からゲート制御電圧Gu〜GzがトランジスタQ3a〜Q5bのゲート端子にそれぞれ出力されて、モータ部24及びインバータ部25が駆動する。その後、ステップS303へ進む。
【0174】
ステップS303において、判定がNOの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1以上の場合)、ステップS304へ進む。一方、判定がYESの場合(すなわち、直流電圧Vdcが第1閾値ΔTh1未満の場合)、ステップS301に戻る。
【0175】
ステップS304において、本体制御マイコン43は、切換部42への切換部駆動用電源Vswの供給を遮断する。これにより、切換部42がオフ状態に切り換わり、GND配線L1が遮断される。また、本体制御マイコン43は、運転停止指令をインバータ制御部26に出力する。これにより、ゲート制御電圧Gu〜Gzの出力が停止され、モータ部24及びインバータ部25が駆動を停止する。その後、ステップS301に戻る。
【0176】
本体制御マイコン43が
図12に示すような流れで制御を行うことによっても、本発明の目的を達成することが可能である。