特許第5896319号(P5896319)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大正製薬株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5896319
(24)【登録日】2016年3月11日
(45)【発行日】2016年3月30日
(54)【発明の名称】ヘテロ芳香環メチル環状アミン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 413/14 20060101AFI20160317BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 25/36 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 1/14 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20160317BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20160317BHJP
   A61K 31/5355 20060101ALI20160317BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20160317BHJP
   A61K 31/422 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20160317BHJP
   A61P 5/00 20060101ALI20160317BHJP
【FI】
   C07D413/14CSP
   A61P25/20
   A61P25/22
   A61P25/24
   A61P25/18
   A61P25/28
   A61P25/36
   A61P25/16
   A61P25/14
   A61P25/06
   A61P29/00
   A61P1/04
   A61P1/14
   A61P25/08
   A61P1/00
   A61P37/02
   A61P9/12
   A61K31/4439
   A61K31/5355
   A61K31/506
   A61K31/422
   A61P25/04
   A61P3/04
   A61P5/00
【請求項の数】14
【全頁数】54
(21)【出願番号】特願2014-521401(P2014-521401)
(86)(22)【出願日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】JP2013066322
(87)【国際公開番号】WO2013187467
(87)【国際公開日】20131219
【審査請求日】2015年2月6日
(31)【優先権主張番号】特願2012-135277(P2012-135277)
(32)【優先日】2012年6月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002819
【氏名又は名称】大正製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106080
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】二村 彩
(72)【発明者】
【氏名】荒木 裕子
(72)【発明者】
【氏名】阿部 正人
(72)【発明者】
【氏名】太田 裕之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 亮
(72)【発明者】
【氏名】野沢 大
【審査官】 三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−507539(JP,A)
【文献】 特表2012−507538(JP,A)
【文献】 特表2012−506376(JP,A)
【文献】 特表2012−505263(JP,A)
【文献】 特表2010−520206(JP,A)
【文献】 特表2010−535769(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/062878(WO,A1)
【文献】 John Gatfield, et al.,Orexin Receptor Antagonists: A New Concept In CNS Disorders?,ChemMedChem,2010年,Vol.5,p.1197-1214
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 413/14
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IA)
【化1】
(式中、
1及びX2は、同一に又は異なって窒素原子、又は式CHを示し、
Yは、下記式群(a)のいずれかの構造を示し、
【化2】
nは1又は2を示し、
1は、水素原子、ハロゲン原子、又はC1-6アルキル基を示し、
2は、トリアゾリル基、ピリジル基、又はピリミジニル基を示し、
3は、水素原子、ハロゲン原子、又はC1-6アルキル基(該C1-6アルキル基は、1〜3個のハロゲン原子で置換されてもよい)を示し、
4は、水素原子、又はC1-6アルキル基を示す)
で表される化合物、又はその医薬上許容される塩。
【請求項2】
上記式(IA)において、
2が、トリアゾリル基、又はピリミジニル基であり、
3が、ハロゲン原子である請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
【請求項3】
上記式(IA)において、
nが2である請求項1又は2いずれかに記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
【請求項4】
式(I)
【化3】
(式中、
1及びX2は、同一に又は異なって窒素原子、又は式CHを示し、
1及びY2は、いずれか一方が窒素原子、他方がCHを示し、
nは1又は2を示し、
1は、水素原子、ハロゲン原子、又はC1-6アルキル基を示し、
2は、トリアゾリル基、ピリジル基、又はピリミジニル基を示し、
3は、水素原子、ハロゲン原子、又はC1-6アルキル基(該C1-6アルキル基は、1〜3個のハロゲン原子で置換されてもよい)を示し、
4は、水素原子、又はC1-6アルキル基を示す)
で表される化合物、又はその医薬上許容される塩。
【請求項5】
式(I)において、
2が、トリアゾリル基、又はピリミジニル基であり、
3が、ハロゲン原子である請求項4に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
【請求項6】
上記式(I)において、
nが2である請求項4又は5いずれかに記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
【請求項7】
請求項1に記載される下記化合物群及びその医薬上許容される塩から選ばれるいずれか1種又は2種以上の混合物。
(−)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−(2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−(2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[(2S,5S)−2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−5−メチル−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[(2S,5R)−2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−5−メチル−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
[(2S,4R)−2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[(2S,4S)−2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(±)−2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(±)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[5−フルオロ−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(±)−(2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(±)−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(±)−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−(2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]メタノン、
(−)−(2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン-3-イル)[6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]メタノン、
(−)−(2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン-3-イル)[6−メチル−3−(ピリミジン−2−イル)ピリジン−2−イル]メタノン、
(−)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−フルオロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]メタノン、
(−)−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[6−メチル−3−(ピリミジン−2−イル)ピリジン−2−イル]メタノン、
(−)−[2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−フルオロ−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[4−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[5−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]メタノン、
[(2S,4S)−2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル}[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[(2S*,5S*)−2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−5−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3-トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(±)−[2−{[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}−1,3−オキサジナン-3-イル][5-メチル-2-(ピリミジン-2-イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[4−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−フルオロ−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[(2S*,5R*)−2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−5−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン。
【請求項8】
以下に示す請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩:
(−)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン。
【請求項9】
以下に示す請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩:
(−)−(2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]メタノン。
【請求項10】
以下に示す請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩:
(−)−(2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[6−メチル−3−(ピリミジン−2−イル)ピリジン−2−イル]メタノン。
【請求項11】
以下に示す請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩:
(−)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−フルオロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン。
【請求項12】
以下に示す請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩:
(−)−[2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン。
【請求項13】
請求項1〜12いずれか1項に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項14】
請求項1〜12いずれか1項に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する睡眠障害、うつ病、不安障害、パニック障害、統合失調症、薬物依存症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、頭痛、片頭痛、疼痛、消化器疾患、てんかん、炎症、免疫関連疾患、内分泌関連疾患、又は高血圧の疾患の治療又は予防薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オレキシン(OX)受容体拮抗作用を有する化合物及びその医薬上許容される塩、並びにそれらを有効成分として含有する睡眠障害、うつ病、不安障害、パニック障害、統合失調症、薬物依存症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、頭痛、片頭痛、疼痛、消化器疾患、てんかん、炎症、免疫関連疾患、内分泌関連疾患、高血圧等の疾患の治療又は予防薬に関する。
【背景技術】
【0002】
オレキシンは、視床下部外側野に特異的に発現するプレプロオレキシンからスプライシングされる神経ペプチドである。これまでに、33個のアミノ酸からなるOX−Aおよび28個のアミノ酸からなるOX−Bが同定されており、これらはいずれも睡眠・覚醒パターンの調節や摂食の調節に深く関与している。
【0003】
OX−AおよびOX−Bは、いずれもOX受容体に作用する。OX受容体は、これまでにOX1およびOX2受容体の2つのサブタイプがクローニングされており、いずれも主として脳内に発現する7回膜貫通Gタンパク質共役型受容体であることが知られている。OX1受容体は、Gタンパク質サブクラスのうちGqと特異的に共役しており、一方でOX2受容体はGqおよびGi/oに共役している(非特許文献1及び非特許文献2参照)。
OX受容体のサブタイプによって組織分布は異なっており、OX1受容体はノルアドレナリン作動性神経の起始核である青斑核、OX2受容体はヒスタミン神経の起始核である結節乳頭核に高密度に発現している(非特許文献3、非特許文献4及び非特許文献5参照)。セロトニン神経の起始核である縫線核や、ドパミン神経の起始核である腹側被蓋野にはOX1受容体とOX2受容体両方の発現がみられる(非特許文献3参照)。オレキシン神経は脳幹と視床下部のモノアミン神経系に投射し、それらの神経に対して興奮性の影響を与えており、さらにREM睡眠の制御に関わる脳幹のアセチルコリン神経にもOX2受容体の発現がみられ、これらの神経核の活性にも影響を及ぼしている(非特許文献3及び非特許文献4参照)。
【0004】
近年、OX1およびOX2受容体と睡眠・覚醒調節との関連が注目されており、OX受容体拮抗作用を有する化合物の有用性が研究されている。OX−Aをラットの脳室内に投与すると、自発運動量の亢進(非特許文献6及び非特許文献7参照)、常同行動の亢進(非特許文献7参照)、覚醒時間の延長(非特許文献6参照)などが認められる。OX−Aの投与によるREM睡眠時間の短縮作用は、OX受容体拮抗物質の前処置により完全に拮抗される(非特許文献8参照)。さらに、経口投与が可能なOX1およびOX2受容体を同程度に拮抗する物質の投与により、運動量の減少、入眠潜時の短縮、non−REM睡眠量およびREM睡眠の増加が報告されている(非特許文献9および非特許文献10参照)。
OX受容体拮抗作用化合物として、特許文献1にはヘテロ芳香環誘導体が開示されているが、本願記載のヘテロ芳香環メチル環状アミン骨格を有する化合物についての開示はない。また、OX受容体拮抗作用化合物としては、例えば総説として非特許文献11に記載の種々の構造を有する化合物が知られているが、本願記載のヘテロ芳香環メチル環状アミン骨格を有する化合物についての開示はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2003/002559号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Zhu Y et al., J. Pharmacol. Sci., 92, 259-266, 2003.
【非特許文献2】Zeitzer JM et al., Trends Pharmacol. Sci., 27, 368-374, 2006.
【非特許文献3】Marcus JN et al., J. Comp. Neurol, 435, 6-25, 2001.
【非特許文献4】Trivedi JP et al., FEBS Lett, 438, 71-75, 1998.
【非特許文献5】Yamanaka A et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 290, 1237-1245, 2002.
【非特許文献6】Hagan JJ et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96, 10911-10916, 1999.
【非特許文献7】Nakamura T et al., Brain Res., 873, 181-187, 2000.
【非特許文献8】Smith MI et al., Neurosci. Lett., 341, 256-258, 2003.
【非特許文献9】Brisbare-Roch C et al., Nat. Med., 13, 150-155, 2007.
【非特許文献10】Cox CD et al., J. Med. Chem., 53, 5320-5332, 2010.
【非特許文献11】John G et al., ChemMedChem., 5, 1197-1214, 2010.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、OX受容体拮抗作用を有する新規化合物を見出し、睡眠障害、うつ病、不安障害、パニック障害、統合失調症、薬物依存症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、頭痛、片頭痛、疼痛、消化器疾患、てんかん、炎症、免疫関連疾患、内分泌関連疾患、高血圧等の疾患の治療又は予防薬を提供することにある。さらに詳しくは、優れたOX受容体拮抗作用と共に優れた薬物動態及び安全性を示す新規化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らはオレキシン受容体に対し拮抗作用を有する新規な骨格の化合物につき鋭意検討した結果、下記に示す式で表されるある種のヘテロ芳香環メチル環状アミン誘導体に優れたOX受容体拮抗作用があることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の態様(以下、「本発明化合物」という)は以下に示すものである。
(1)式(IA)
【0009】
【化1】
(式中、
1及びX2は、同一に又は異なって窒素原子、又は式CHを示し、
Yは、下記式群(a)のいずれかの構造を示し、
【0010】
【化2】
nは1又は2を示し、
1は、水素原子、ハロゲン原子、又はC1-6アルキル基を示し、
2は、トリアゾリル基、ピリジル基、又はピリミジニル基を示し、
3は、水素原子、ハロゲン原子、又はC1-6アルキル基(該C1-6アルキル基は、1〜3個のハロゲン原子で置換されてもよい)を示し、
4は、水素原子、又はC1-6アルキル基を示す)
で表される化合物、又はその医薬上許容される塩。
(2)上記式(IA)において、
2が、トリアゾリル基、又はピリミジニル基であり、
3が、ハロゲン原子である(1)に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
(3)上記式(IA)において、
nが2である(1)又は(2)いずれかに記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
(4)式(I)
【0011】
【化3】
(式中、
1及びX2は、同一に又は異なって窒素原子、又は式CHを示し、
1及びY2は、いずれか一方が窒素原子、他方がCHを示し、
nは1又は2を示し、
1は、水素原子、ハロゲン原子、又はC1-6アルキル基を示し、
2は、トリアゾリル基、ピリジル基、又はピリミジニル基を示し、
3は、水素原子、ハロゲン原子、又はC1-6アルキル基(該C1-6アルキル基は、1〜3個のハロゲン原子で置換されてもよい)を示し、
4は、水素原子、又はC1-6アルキル基を示す)
で表される化合物、又はその医薬上許容される塩。
(5)上記式(I)において、
2が、トリアゾリル基、又はピリミジニル基であり、
3が、ハロゲン原子である(4)に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
(6)上記式(I)において、
nが2である(4)又は(5)いずれかに記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
(7)上記(1)に記載される下記化合物群及びその医薬上許容される塩から選ばれるいずれか1種又は2種以上の混合物。
(−)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−(2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−(2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[(2S,5S)−2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−5−メチル−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[(2S,5R)−2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−5−メチル−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
[(2S,4R)−2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[(2S,4S)−2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(±)−2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(±)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[5−フルオロ−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(±)−(2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(±)−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(±)−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−(2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]メタノン、
(−)−(2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン-3-イル)[6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]メタノン、
(−)−(2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン-3-イル)[6−メチル−3−(ピリミジン−2−イル)ピリジン−2−イル]メタノン、
(−)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−フルオロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]メタノン、
(−)−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[6−メチル−3−(ピリミジン−2−イル)ピリジン−2−イル]メタノン、
(−)−[2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−フルオロ−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[4−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[5−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]メタノン、
[(2S,4S)−2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル}[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[(2S*,5S*)−2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−5−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3-トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(±)−[2−{[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}−1,3−オキサジナン-3-イル][5-メチル-2-(ピリミジン-2-イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[4−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−フルオロ−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
(−)−[2−{[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン、
及び(−)−[(2S*,5R*)−2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−5−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン。
(8)上記(1)〜(7)いずれか1つに記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する医薬。
(9)上記(1)〜(7)いずれか1つに記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する睡眠障害、うつ病、不安障害、パニック障害、統合失調症、薬物依存症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、頭痛、片頭痛、疼痛、消化器疾患、てんかん、炎症、免疫関連疾患、内分泌関連疾患、又は高血圧の疾患の治療又は予防薬。
【発明の効果】
【0012】
本発明のヘテロ芳香環メチル環状アミン誘導体は、OX受容体に対して親和性を示すと共に生理的リガンドによる受容体への刺激に対して拮抗作用を示すことが明らかになった。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書において用いる用語は、以下の意味である。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。
「C1-6アルキル基」とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6個のアルキル基を意味し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、ネオヘキシル基等を挙げることができる。
本明細書中における「睡眠障害」とは、入眠時、睡眠持続相又は覚醒時の障害であり、例えば、不眠症等を挙げることができる。また、不眠症の分類としては、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害等を挙げることができる。
【0014】
本明細書中における「医薬上許容される塩」とは、薬剤的に許容することのできる酸付加塩を意味し、用いられる酸としては、硫酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸等の無機酸との塩、或いは、酢酸、安息香酸、シュウ酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、マロン酸、マンデル酸、グルコン酸、ガラクタル酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸等の有機酸との塩が含まれる。遊離体から当該塩への変換は従来の方法で行うことができる。
【0015】
本発明化合物において、好ましい態様を以下にあげる。
1は、ハロゲン原子又はC1-6アルキル基である化合物が好ましく、フッ素原子又はメチル基である化合物がより好ましく、メチル基である化合物がさらに好ましい。
2は、トリアゾリル基、又はピリミジニル基である化合物が好ましく、1,2,3−トリアゾール−2−イル基、又はピリミジン−2−イル基がより好ましい。
3は、ハロゲン原子である化合物が好ましく、フッ素原子、又は塩素原子である化合物がより好ましく、フッ素原子である化合物がさらに好ましい。
4は、水素原子又はメチル基である化合物が好ましい。
nは、2である化合物が好ましい。
なお、本発明化合物が水和物又は溶媒和物を形成する場合、それらも本発明の範囲内に含まれる。同様に、本発明化合物の水和物又は溶媒和物の医薬上許容される塩も本発明の範囲内に含まれる。
【0016】
本発明の化合物は、エナンチオマー、ジアステレオマー、平衡化合物、これらの任意の割合の混合物、ラセミ体等を全て含む。
本発明に係る化合物には、一つ以上の水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子が放射性同位元素や安定同位元素と置換された化合物も含まれる。これらの標識化合物は、代謝や薬物動態研究、受容体のリガンド等として生物学的分析等に有用である。
本発明に係る化合物は、経口又は非経口的に投与することができる。その投与剤型は錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉剤、トローチ剤、軟膏剤、クリーム剤、皮膚貼付剤、乳剤、懸濁剤、坐剤、注射剤等であり、いずれも慣用の製剤技術(例えば、第15改正日本薬局方に規定する方法等)によって製造することができる。これらの投与剤型は、患者の症状、年齢、体重、及び治療の目的に応じて適宜選択することができる。
これらの製剤は、本発明の化合物を含有する組成物に薬理学的に許容されるキャリヤー、すなわち、賦形剤(例えば、結晶セルロース、デンプン、乳糖、マンニトール)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク)、崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウム)、その他薬理学的に許容される各種添加剤を配合し、製造することができる。
本発明の化合物は、成人患者に対して1回の投与量として0.001〜500mgを1日1回又は数回に分けて経口又は非経口で投与することが可能である。なお、この投与量は治療対象となる疾病の種類、患者の年齢、体重、症状等により適宜増減することができる。
【0017】
本発明の化合物(I)の代表的な製造法を以下のスキームA及びBに示す。以下の方法は、本発明化合物の製造法の例示であり、これに限定されるものではない。なお、以下の製造法の例示において、化合物は反応に支障にならない塩を形成していてもよい。
スキームA
【0018】
【化4】
【0019】
(式中、X1、X2、Y1、Y2、R1、R2、R3及びR4は上記と同じである。A1は、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す。nは1又は2である。)
【0020】
工程A−1:化合物(3)は、グリオキシル酸エチル(1)とアミン化合物(2)の縮合反応により得ることができる。工程A−1における反応は塩基とモレキュラシーブ、無水硫酸銅等の脱水剤の存在下又は非存在下、溶媒中、アミン化合物又はその塩酸塩と反応させる条件で実施できる。本反応で用いられる塩基としてはピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩等が挙げられる。本反応で用いられる溶媒としてはテトラヒドロフランや1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチル、又はそれらの混合溶媒が挙げられる。本反応は0℃〜100℃で行うことができる。
【0021】
工程A−2:化合物(5)は、化合物(3)とカルボン酸(4)との縮合反応により得ることができる。工程A−2における反応は一般的なカルボン酸のアミド化の方法により実施できる。例えば、カルボン酸をカルボン酸クロリドやカルボン酸ブロミド等のカルボン酸ハライドに導いた後に(3)と反応させる方法、カルボン酸を脱水縮合剤存在下、(3)と反応させる方法等が挙げられる。これらの反応は全て塩基の存在下又は非存在下、溶媒中で行うことができる。本反応で用いられるハロゲン化剤として、塩化チオニル、塩化オキサリル、オキシ塩化リン又はオキシ臭化リン等を挙げることができる。また、本反応で用いられる脱水縮合剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(EDC・HCl)、[O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート](HATU)、プロパンホスホニックアシッドアンハイドライド、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DDC)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、カルボニルジイミダゾール(CDI)等が挙げられ、必要に応じて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシスクシンイミド等の活性化剤を用いることができる。本反応で用いられる溶媒としては、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチル、又はそれらの混合溶媒が挙げられる。本反応で用いられる塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン類、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。本反応は通常0℃〜150℃、好ましくは0℃〜80℃で行うことができる。
【0022】
工程A−3:化合物(6)は、化合物(5)のエステルの還元反応により得ることができる。工程A−3における反応はメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒又はトルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、又はそれらの混合溶媒中、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等の還元剤と反応させる条件で実施できる。本反応は−80℃〜150℃、好ましくは0℃〜25℃で行うことができる。
【0023】
工程A−4:化合物(7)は、化合物(6)のヒドロキシ基を、一般的な脱離基に変換することにより得ることができる。工程A−4における反応としては例えばクロロ化、ブロモ化、ヨード化、メタンスルホニルオキシ化、p−トルエンスルホニルオキシ化等が挙げられる。クロロ化反応の例としては、例えば塩化メタンスルホニル等を用いて脱離基とした後、塩素原子で置換する方法が挙げられる。更に四塩化炭素とトリフェニルホスフィンを用いる方法、塩化チオニルやオキシ塩化リンを用いる方法等が挙げられる。この際、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の塩化物を添加しても良い。ブロモ化反応の例としては、例えば四臭化炭素とトリフェニルホスフィンを用いる方法が挙げられる。ヨード化反応の例としては、例えばヨウ素、トリフェニルホスフィン及びイミダゾールを用いる方法が挙げられる。メタンスルホニルオキシ化、p−トルエンスルホニルオキシ化は、それぞれ例えば塩化メタンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル等を用いて行うことができる。これらの反応の際、適当な塩基を添加しても良い。添加する塩基の例としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基類、又は例えば炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフランや1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、又はそれらの混合溶媒中、反応は−80℃付近〜溶媒の沸点付近の温度条件下にて行うことができる。
【0024】
工程A−5:化合物(9)は、化合物(7)と化合物(8)との反応により得ることができる。工程A−5における反応は、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、水、又はそれらの混合溶媒中、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩基、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の低級アルコキシド等の有機塩基存在下、−80℃付近〜溶媒の沸点付近の温度条件下にて進行する。
スキームB
【0025】
【化5】
【0026】
(式中、X1、X2、Y1、Y2、R1、R2、R3、及びR4は上記と同じである。R5、R6はアルコキシ基、A2はハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す。)
【0027】
工程B−1:化合物(12)は、化合物(10)と化合物(11)との反応により得ることができる。工程B−1における反応は工程A−5と同様の反応条件に従って実施できる。
工程B−2:化合物(13)は、化合物(12)より得ることができる。工程B−2における反応は、含水メタノールや含水エタノール等の含水アルコール系溶媒、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒アセトン等のケトン系溶媒、水又はそれらの混合溶媒中、塩酸、トリフルオロ酢酸、p‐トルエンスルホン酸等の酸と反応させる条件で実施できる。本反応は0℃〜80℃で行う事ができる。
【0028】
工程B−3:化合物(15)は、化合物(13)と化合物(14)の縮合反応により得ることができる。工程B−3における反応は工程A−1と同様の反応条件に従って実施できる。
工程B−4:化合物(16)は、化合物(4)と化合物(15)の縮合反応により得ることができる。工程B−4における反応は工程A−2と同様の反応条件に従って実施できる。
スキームC
【0029】
【化6】
【0030】
(式中、X、X、R1、R2、R3及びR4は上記と同じである。R5、R6はアルコキシ基を示す。)
【0031】
工程C−1:化合物(19)は、化合物(17)のアミドオキシム化反応により得ることができる。工程C−1における反応は、ニトリル体(17)をメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒中、ヒドロキシルアミン(18)又はその塩酸塩を反応させる条件で得ることができる。本反応は0℃〜100℃で行うことができる。
【0032】
工程C−2:化合物(21)は、化合物(19)と化合物(20)のオキサジアゾール環化反応により得ることができる。工程C−2における反応は、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチル、アセトニトリル、又はそれらの混合溶媒中、カルボン酸(20)及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(EDC・HCl)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DDC)、カルボニルジイミダゾール(CDI)等の脱水縮合剤と反応させる条件で実施できる。本反応は通常0℃〜150℃、好ましくは0℃〜90℃で行うことができる。
【0033】
工程C−3:化合物(22)は、化合物(21)の酸加水分解により得ることができる。工程C−3における反応は工程B−2と同様の反応条件に従って実施できる。
【0034】
工程C−4:化合物(23)は、化合物(14)と化合物(22)の縮合反応により得ることができる。工程C−4における反応は工程A−1と同様の反応条件に従って実施できる。
【0035】
工程C−5:化合物(24)は、化合物(4)と化合物(23)の縮合反応により得ることができる。工程C−5における反応は工程A−2と同様の反応条件に従って実施できる。
スキームD
【0036】
【化7】
【0037】
(式中、X、X、R1、R3、及びR4は上記と同じである。Rはトリアゾリル基、ピリジル基、またはハロゲン原子、A3はハロゲン原子を示す。)
【0038】
工程D−1:化合物(27)は、化合物(25)と化合物(26)の求核反応又はカップリング反応により得ることができる。工程D−1における反応は、工程A−5と同様の求核反応条件に従って実施できる。カップリング反応は、塩基の存在下、触媒及びリガンドを用いてアゾール化合物の窒素原子への芳香環置換を行う一般的方法により実施できる。例えば、Synlett, 2003, 15, 2428-2439.に記載の方法又はそれに準じた方法が挙げられる。本反応で用いられる触媒としては、銅(0)、ヨウ化銅(I)、塩化銅(I)、酸化銅(I)等の銅触媒が挙げられる。本反応で用いられるリガンドとしては、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、2−アミノピリジン、1,10−フェナンスロリン、2−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム等が挙げられる。本反応で用いられる塩基としては炭酸カリウム、リン酸カリウム、水酸化カリウム、tert−ブトキシカリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。本反応で用いられる溶媒としてはメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が挙げられる。本反応は通常0℃〜150℃、好ましくは25℃〜100℃で行うことができる。
【0039】
工程D−2:化合物(28)は、化合物(27)の水酸基の酸化反応により得ることができる。工程D−2における反応はジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒中、デスマーチン試薬、2−ヨードキシ安息香酸等の超原子価ヨウ素化合物、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウム等のクロム酸塩、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム、二酸化マンガン等の酸化剤と反応させる条件で実施できる。本反応は0℃〜150℃、好ましくは25℃〜80℃で行うことができる。
【0040】
工程D−3:化合物(29)は、化合物(14)と化合物(28)の縮合反応により得ることができる。工程D−3における反応は工程A−1と同様の反応条件に従って実施できる。
【0041】
工程D−4:化合物(31)は、化合物(29)と化合物(30)の縮合反応により得ることができる。工程D−4における反応は工程A−2と同様の反応条件に従って実施できる。
【0042】
工程D−5:化合物(33)は、化合物(31)と化合物(32)のカップリング反応により得ることができる。工程D−5における反応は、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒又はそれらの混合溶媒中、有機スズ化合物を用いてStilleカップリング反応の条件下反応させて得ることができる。Stilleカップリング反応に関する包括的概観は、例えばAngew. Chem. Int. Ed., 43, 4704, (2004)などに見出し得る。
スキームE
【0043】
【化8】
【0044】
(式中、X、X、R1、R2、R3、R4及びA3は上記と同じである。Rはカルボン酸の一般的な保護基、例えばJ. F. W. McOmie 著、Protective Groups in Organic Chemistry.、およびT. W. Greene 及びP.G.M.Wuts著、Protective Groups in Organic Synthesis.等に記載されている基を示し、例えばC1-6アルキル基、ベンジル基等を示す。)
【0045】
工程E−1:化合物(34)は、化合物(26)と化合物(33)の求核反応又はカップリング反応により得ることができる。工程E−1における反応は工程D−1と同様の反応条件に従って実施できる。
【0046】
工程E−2:化合物(35)は、化合物(34)のエステルの還元反応により得ることができる。工程E−2における反応はメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒又はトルエン等の芳香族炭化水素系溶媒又はそれらの混合溶媒中、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等の還元剤と反応させる条件で実施できる。本反応は−80℃〜150℃、好ましくは0℃〜25℃で行うことができる。
【0047】
工程E−3:化合物(36)は、化合物(35)の水酸基の酸化反応により得ることができる。工程E−3における反応は工程D−2と同様の反応条件に従って実施できる。
【0048】
工程E−4:化合物(38)は、化合物(36)と化合物(37)のウィッティヒ反応により得ることができる。工程E−4における反応は、メトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリドをテトラヒドロフランや1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、又はそれらの混合溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム、tert−ブトキシカリウム、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド等の塩基で処理した後、アルデヒドと反応させる条件で実施できる。本反応は0℃〜120℃で行うことができる。生成したエノールエーテルは塩酸、トリフルオロ酢酸、p‐トルエンスルホン酸等の無機酸、有機酸、酢酸水銀等のルイス酸を用い加水分解する条件で実施できる。本反応は0℃〜80℃で行う事ができる。
【0049】
工程E−5:化合物(39)は、化合物(14)と化合物(38)縮合反応により得ることができる。工程E−5における反応は工程A−1と同様の反応条件に従って実施できる。
【0050】
工程E−6:化合物(40)は、化合物(4)と化合物(39)の縮合反応により得ることができる。工程E−6における反応は工程A−2と同様の反応条件に従って実施できる。
スキームF
【0051】
【化9】
【0052】
(式中、X1、X2、Y1、Y2、R1、R2、R3及びR4は上記と同じである。)
【0053】
工程F−1:化合物(9)は、化合物(6)と化合物(8)の光延反応により得ることができる。工程F−1における反応は、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒又はそれらの混合溶媒中、トリフェニルホスフィン/アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、シアノメチレントリブチルホスホラン(CMBP)等と反応させる条件で実施できる。本反応は0℃〜150℃、好ましくは0℃〜80℃で行うことができる。
スキームG
【0054】
【化10】
【0055】
(式中、X、X、Y1、Y2、R1、R3、及びR4は上記と同じである。A4はハロゲン原子を示す。)
【0056】
工程G−1:化合物(42)は、化合物(15)と化合物(41)の縮合反応により得ることができる。工程G−1における反応は工程A−2と同様の反応条件に従って実施できる。
工程G−2:化合物(43)は、化合物(32)と化合物(42)のカップリング反応により得ることができる。工程G−2における反応は工程D−5と同様の反応条件に従って実施できる。
スキームH
【0057】
【化11】
【0058】
(式中、X、R1、R2、及びR4は上記と同じである。)
【0059】
工程H−1:化合物(45)は、化合物(44)を光学異性体分離することにより得ることができる。工程H−1は多糖誘導体キラルカラムやタンパク質結合型キラルカラム等を用いたHPLCにより直接分離できる。更に、酵素法、化学合成法を用いる方法、光学分割剤を反応させジアステレオマーを分離後、アルコールに変換する方法が挙げられる。酵素法を用いた方法では、化合物を溶媒に溶かし、酸アルケニルエステル存在下、リパーゼを加えてアルコールをアシル化することにより光学活性体を調製できる。リパーゼとしては微生物由来、動物由来のものを用いることができ、例えば、豚膵臓リパーゼ類、キャンディダ属、シュードモナス属、アスペルギルス属等由来を用いることができる。酸アルケニルエステルとしては酢酸ビニルエステル、プロピオン酸ビニルエステル、ヘキサン酸ビニルエステル等が挙げられる。反応溶媒としてはテトラヒドロフランや1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が挙げられる。本反応は20℃〜50℃、好ましくは25℃〜35℃で行うことができる。
【0060】
化学法を用いた合成法では、不斉触媒とエステル剤を用いた不斉エステル化により光学活性体を調製できる。不斉触媒としては、光学活性ビスオキサゾリン-銅錯体等が挙げられる。光学活性ビスオキサゾリン触媒としては、(R,R)−2,2‘−イソプロピリデンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)や(S,S)−2,6−ビス(4−イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジン等が挙げられ、銅触媒としては、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)や塩化銅(II)や臭化銅(II)等のハロゲン化銅が挙げられる。エステル剤としては塩化ベンゾイルや塩化アセチル等が挙げられる。反応溶媒としてはメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒又はそれらの混合溶媒が挙げられる。本反応は−30℃〜60℃、好ましくは−10℃〜30℃で行うことができる。
【0061】
ジアステレオマー分離法では、化合物に対し、(S)−5−アリル−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタ−8−エンや(−)−O−アセチル−D−マンデル酸等のキラルカルボン酸を含む光学分割剤を反応させ、分別結晶やカラムクロマトグラフィーによりジアステレオマーを分離後、塩酸、トリフルオロ酢酸、p‐トルエンスルホン酸等の酸、炭酸カリウム、リン酸カリウム、水酸化カリウム等の塩基条件下光学分割剤を脱離させることにより光学活性体を調製できる。本反応は0℃〜80℃、好ましくは0℃〜30℃で行うことができる。
【実施例】
【0062】
以下、参考例、実施例及び試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
【0063】
以下の参考例及び実施例においてカラムクロマトグラフィーを使用して精製した際の「KP−Sil」にはBiotage社SNAPCartridge KP−Sil、「HP−Sil」にはBiotage社SNAPCartridge HP−Sil、「KPNH」にはBiotage社SNAPCartridge KP−NHを使用した。以下の参考例及び実施例の後処理操作の際の「ISOLUTE Phase Separator」にはBiotage社ISOLUTE Phase Separatorを使用した。
【0064】
以下の参考例および実施例において、薄層クロマトグラフィー(PTLC)による精製はSilica gel 60F254(メルク社製)を使用した。
【0065】
以下の参考例および実施例において、分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による精製は以下の条件により行った。ただし、塩基性官能基を有する化合物の場合、本操作でトリフルオロ酢酸を用いたときには、フリー体を得るための中和操作等を行う場合がある。
機械:Gilson社 TrilutionLC
カラム:Waters社 SunFire prep C18 OBD 5.0μm 30x50mm 又はYMC社 YMC−Actus Triant 5.0μm 50x30mm
溶媒:A液;0.1%トリフルオロ酢酸含有水、B液;0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル
グラジエント:0分(A液/B液=90/10)、11分(A液/B液=20/80)、12〜13.5分(A液/B液=5/95)
流速:40mL/min
検出法:UV 254nm
【0066】
以下の参考例および実施例において、高速液体クロマトグラフィーマススペクトル(LCMS)は以下の2種類の条件により測定した。
条件1
測定機械:Agilent社 Agilent2900及びAgilent6150
カラム:Waters社 Acquity CSH C18 1.7μm 2.1x50mm
溶媒:A液;0.1%ギ酸含有水、B液;0.1%ギ酸含有アセトニトリル
グラジエント:0分(A液/B液=80/20)、1.2〜1.4分(A液/B液=1/99)
流速:0.8mL/min、検出法:UV 254nm
イオン化法:電子衝撃イオン化法(ESI:Electron Spray Ionization)
条件2
測定機械:SHIMADZU社 LCMS−2010EV
カラム:SHIMADZU社 Shim−pack XR−ODS 2.2μm 2.0mmI.D.x30mm
溶媒:A液;0.1%ギ酸含有水、B液;0.1%ギ酸含有アセトニトリル
グラジエント:0分(A液/B液=90/10)、1分(A液/B液=60/40)、2分(A液/B液=0/100)、2.5分(A液/B液=0/100)
流速:0.6mL/min、検出法:UV 254nm
イオン化法:電子衝撃イオン化法(ESI:Electron Spray Ionization)及び大気圧化学イオン法(APCI:Atomospheric Pressure Chemical Ionization)
【0067】
以下の参考例および実施例において、マススペクトル(MS)は以下の条件により測定した。
MS測定機器:SHIMADZU社 LCMS−2010EVあるいはmicromass社 Platform LC
【0068】
以下の実施例において、ラセミ体の分析は以下の13種類の条件のいずれかにより実施した。
条件1
測定機械:Agilent社 Agilent1100
カラム:CHIRALPAK AD−3(ダイセル、4.6mm*250mm)
流速:1.0mL/min
移動相:ヘキサン/エタノール=30/70
条件2
測定機械:Waters社 Waters2695及び2998
カラム:CHIRALPAK IB(ダイセル、4.6mm*250mm)
流速:1.0mL/min
移動相:ヘキサン/エタノール=90/10
条件3
測定機械:Waters社 Waters2695及び2998
カラム:CHIRALPAK IB(ダイセル、4.6mm*250mm)
流速:1.0mL/min
移動相:ヘキサン/2−プロパノール=30/70
条件4
測定機械:Agilent社 Agilent1100
カラム:CHIRALPAK AD−3(ダイセル、4.6mm*150mm)
流速:1.0mL/min
移動相:ヘキサン/エタノール=20/80
条件5
測定機械:Agilent社 Agilent1100
カラム:CHIRALPAK IB−3(ダイセル、4.6mm*150mm)
流速:1.0mL/min
移動相:ヘキサン/エタノール=50/50
条件6
測定機械:Waters社 Waters996及び2795
カラム:CHIRALPAK AD−3(ダイセル、4.6mm*150mm)
流速:1.0mL/min
移動相:ヘキサン/2−プロパノール=0/100
条件7
測定機械:Agilent社 Agilent1100
カラム:CHIRALPAK IB−3(ダイセル、4.6mm*150mm)
流速:1.0mL/min
移動相:ヘキサン/エタノール=70/30
条件8
測定機械:Waters社 Waters996及び2795
カラム:CHIRALPAK IB−3(ダイセル、4.6mm*150mm)
流速:1.0mL/min
移動相:ヘキサン/2−プロパノール=30/70
条件9
測定機械:Agilent社 Agilent1100
カラム:CHIRALPAK AD−3(ダイセル、4.6mm*150mm)
流速:1.0mL/min
移動相:ヘキサン/エタノール=30/70
条件10
測定機械:Agilent社 Agilent1100
カラム:CHIRALPAK IB−3(ダイセル、4.6mm*150mm)
流速:1.0mL/min
移動相:ヘキサン/エタノール=90/10
条件11
測定機械:Agilent社 Agilent1100
カラム:CHIRALPAK IB−3(ダイセル、4.6mm*150mm)
流速:1.0mL/min
移動相:ヘキサン/エタノール=80/20
条件12
測定機械:Waters社 Waters996及び2795
カラム:CHIRALPAK ID−3(ダイセル、4.6mm*150mm)
流速:1.0mL/min
移動相:ヘキサン/2−プロパノール=50/50
条件13
測定機械:Waters社 Waters996及び2795
カラム:CHIRALPAK IA−3(ダイセル、4.6mm*150mm)
流速:1.0mL/min
移動相:ヘキサン/2−プロパノール=20/80
【0069】
以下の実施例において、旋光度分析は以下の条件により測定した。
測定機械:日本分光社 JASCO P−2300
【0070】
以下の参考例および実施例において、マイクロウェーブ反応装置はInitiator(Biotage AB)を用いて実施した。
【0071】
以下の参考例および実施例において、化合物名はACD/Name (ACD/Labs 12.01, Advanced Chemistry Development Inc.)により命名した。
【0072】
参考例及び実施例中、以下の用語及び試薬は下記のように表記した。
Na2SO4(無水硫酸ナトリウム)、MgSO4(無水硫酸マグネシウム)、Cs2CO3(炭酸セシウム)、NaHCO3(炭酸水素ナトリウム)、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)EtOAc(酢酸エチル)、CHCl3(クロロホルム)、HATU[O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート]、DIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)、TEA(トリエチルアミン)、MsCl(塩化メタンスルホニル)、NaBH4(水素化ホウ素ナトリウム)、LiBH4(水素化ホウ素リチウム)。
【0073】
参考例1 (±)−エチル 3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサゾリジン−2−カルボキシラート
【0074】
【化12】
【0075】
グリオキシル酸エチル(ポリマー型、47%トルエン溶液)(13.4mL、63.5mol)のCHCl3(260mL)溶液に、活性化したモレキュラシーブ4A(200g)、2−アミノエタノール(4.0mL、66.1mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。セライト(登録商標)濾過によりモレキュラシーブ4Aを濾別後、減圧下溶媒を留去し、淡黄色油状物を得た。5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(2.7g、13.2mmol)のCHCl3(130mL)溶液に、塩化チオニル(1.4mL、19.8mmol)を滴下し、75℃で5時間撹拌した。室温に放冷後、溶媒と過剰の塩化チオニルを減圧下留去した。得られた残渣のCHCl3(100mL)溶液に氷水冷却下、TEA(3.7mL、26.4mmol)と上記反応で得られた淡黄色油状物のCHCl3(30mL)溶液を加え、室温まで昇温し3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、CHCl3で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 150g、hexane/EtOAc=88/12〜0/100)にて精製することにより表題化合物(3.6g)を得た(淡黄色油状物)。
MS (ESI/APCI Dual pos.) m/z : 331 [M+H]
【0076】
参考例2 (±)−[2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0077】
【化13】
【0078】
参考例1で得られた(±)−エチル 3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサゾリジン−2−カルボキシラート(4.0g、12.1mmol)のMeOH(60mL)溶液に、氷水冷却下NaBH4(4.6g、121mmol)を少しずつ加え1時間撹拌した。室温まで昇温後、1時間撹拌した。減圧下溶媒を留去し、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、CHCl3で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 100g、hexane/EtOAc=88/12〜0/100)にて精製することにより表題化合物(3.6g)を得た(無色油状物)。
MS (ESI/APCI Dual pos.) m/z : 289 [M+H]
【0079】
参考例3 (±)−エチル 3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサジナン−2−カルボキシラート
【0080】
【化14】
【0081】
グリオキシル酸エチル(ポリマー型、47%トルエン溶液)(4.3mL、20.4mol)、3−アミノプロパン−1−オール(1.6mL、20.4mmol)、5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(1.0g、4.9mmol)を用い、参考例1と同様の手法により表題化合物(1.3g)を得た(無色固体)。
MS (ESI pos.) m/z : 367 [M+Na]
【0082】
参考例4 (±)−[2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0083】
【化15】
【0084】
参考例3で得られた(±)−エチル 3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサジナン−2−カルボキシラート(0.50g、1.5mmol)のTHF(5mL)溶液にLiBH4のTHF溶液(0.97mL、2.9mmol)を加え室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、CHCl3で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 25g、hexane/EtOAc=88/12〜0/100)にて精製することにより表題化合物(0.34g)を得た(無色油状物)。
MS (ESI pos.) m/z : 303 [M+H]
【0085】
参考例5 エチル(2RS,5S)−5−メチル−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサゾリジン−2−カルボキシラート
【0086】
【化16】
【0087】
グリオキシル酸エチル(ポリマー型、47%トルエン溶液)(0.5mL、2.4mmol)、(2S)−1−アミノプロパン−2−オール(0.18mL、2.4mmol)、5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(0.20g、0.98mmol)を用い、参考例1と同様の手法により表題化合物(0.11g)を得た(無色油状物)。
MS (ESI/APCI Dual pos.) m/z : 345 [M+H]
【0088】
参考例6 エチル (2RS,5R)−5−メチル−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサゾリジン−2−カルボキシラート
【0089】
【化17】
【0090】
グリオキシル酸エチル(ポリマー型、47%トルエン溶液)(0.50mL、2.4mmol)、(2R)−1−アミノプロパン−2−オール(0.18mL、2.4mmol)、5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(0.20g、0.98mmol)を用い、参考例1と同様の手法により表題化合物(0.14g)を得た(無色油状物)。
MS (ESI/APCI Dual pos.) m/z : 345 [M+H]
【0091】
参考例7 [(2S,4R)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0092】
【化18】
【0093】
グリオキシル酸エチル(ポリマー型、47%トルエン溶液)(2.0mL、9.5mmol)、(2R)−2−アミノプロパン−1−オール(0.73mL、9.5mmol)、5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(1.0g、4.9mmol)を用い、参考例1と同様の手法によりエチル (2RS,4R)−4−メチル−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサゾリジン−2−カルボキシラートのジアステレオマー混合物を得た。得られたジアステレオマー混合物を薄層クロマトグラフィー(1mm、hexane/EtOAc=66/34)にて精製することによりエチル (2S,4R)−4−メチル−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサゾリジン−2−カルボキシラートを得た(無色油状物)。得られた無色油状物を原料にして、参考例4と同様の手法により表題化合物(0.041g)を得た(無色油状物)。
MS (ESI pos.) m/z : 303 [M+H]
【0094】
参考例8 [(2S,4S)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0095】
【化19】
【0096】
グリオキシル酸エチル(ポリマー型、47%トルエン溶液)(2.0mL、9.5mmol)、(2S)−2−アミノプロパン−1−オール(0.73mL、9.5mmol)、5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(1.0g、4.9mmol)を用い、参考例1と同様の手法によりエチル (2RS,4S)−4−メチル−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサゾリジン−2−カルボキシラートのジアステレオマー混合物を得た。得られたジアステレオマー混合物を薄層クロマトグラフィー(1mm、hexane/EtOAc=66/34)にて精製することによりエチル (2S,4S)−4−メチル−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサゾリジン−2−カルボキシラートを得た(無色油状物)。得られた無色油状物を原料にして、参考例4と同様の手法により表題化合物(0.19g)を得た(無色固体)。
MS (ESI pos.) m/z : 303 [M+H]
【0097】
参考例9 5−フルオロ−2−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル]ピリジン
【0098】
【化20】
【0099】
1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(100.5g、0.36mol)、2−ブロモ−5−フルオロピリジン(56.5g、0.33mol)およびPd(PPh34(38.0g、32.6mmol)のエタノール(300mL)−トルエン(300mL)混合溶液に2M Na2CO3水溶液(0.49L、0.99mol)を加え、2時間加熱還流した。室温で放冷後、反応混合物に水、EtOAcを加え室温で30分撹拌し、EtOAcを用いて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥後、乾燥剤を濾別したところにNHシリカゲル(400g)を加えて15時間撹拌した。これを酸性シリカゲルで濾過(n−hexane:AcOEt=1:1→AcOEtで溶出)し、減圧下溶媒を留去することにより、表題化合物(100g)を得た(淡黄色油状物)。
MS (ESI pos.) m/z : 248 [M+H]
【0100】
参考例10 5−フルオロ−2−(1H−ピラゾール−3−イル)ピリジン
【0101】
【化21】
【0102】
参考例9で得られた5−フルオロ−2−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル]ピリジン(81.2g、0.33mol)のメタノール(250mL)溶液に4M HCl−EtOAc溶液(0.25L、0.96mol)を加え、室温で16時間撹拌した。減圧下溶媒を留去し、残渣にEtOAc(500mL)を加え、1時間加熱還流した。室温まで放冷後、氷冷し、析出物を濾取、乾燥することにより表題化合物の塩酸塩(無色固体)を得た。得られた塩酸塩に水(700mL)、EtOAc(350mL)を加え、30分撹拌した後、分液した。得られた有機層を1.2M 塩酸(100mL)を用いて3回抽出した。水層を合わせ、8M NaOH水溶液を用いてpH=12に調整後、CHCl3を用いて抽出した。抽出した有機層をISOLUTE Phase Separatorに通し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣にジイソプロピルエーテル(300mL)を加え、2時間加熱還流した。室温で放冷後、氷冷し、析出物を濾取、乾燥することにより表題化合物(44.9g)を得た(淡桃色固体)。
MS (ESI pos.) m/z : 164 [M+H]
【0103】
参考例11 5−フルオロ−2−(1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン
【0104】
【化22】
【0105】
tert−ブチル 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシラート(15.4g、52.5mmol)と2−ブロモ−5−フルオロピリジン(8.4g、47.7mmol)の1,4−ジオキサン(100mL)溶液にPd(PPh34(5.5g、4.77mmol)、2M Na2CO3水溶液(71.6mL、0.14mol)を加え、100℃で3時間撹拌した後、室温で72時間撹拌した。反応混合物に水を加え、EtOAcを用いて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣にEtOAcを少量加え、濾取、乾燥することにより、表題化合物(4.9g)を得た(無色固体)。
MS (ESI pos.) m/z : 164 [M+H]
【0106】
参考例12 2−[1−(2,2−ジエトキシエチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−5−フルオロピリジン
【0107】
【化23】
【0108】
参考例10で得られた5−フルオロ−2−(1H−ピラゾール−3−イル)ピリジン(11.7g、58.6mmol)のDMF(195mL)溶液にCs2CO3(57.3g、0.18mol)、2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタン(11.5mL、76.2mmol)を80℃で18時間撹拌した。室温に放冷後、水を加え、EtOAcで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 50g、hexane/EtOAc=88/12〜35/65)にて精製することにより表題化合物(8.2g)を得た(無色油状)。
MS (ESI pos.) m/z : 280 [M+H]
【0109】
参考例13〜15は、参考例12と同様の手法により得た。得られた化合物の構造式、化合物名、及びMSデータを表1に示す。
【0110】
【表1】
【0111】
参考例16 エチル (2S,4S)−4−メチル−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル)−1,3−オキサジナン−2−カルボキシラート
【0112】
【化24】
【0113】
(3R)−3−アミノブタン酸(1.0g、9.7mmol)のTHF(10mL)溶液に氷浴冷却下0.9mol/Lのボラン−THF溶液(32.3mL、29.1mmol)を1時間かけて滴下し、室温下20分撹拌した。80℃に昇温し、さらに6時間加熱撹拌した。氷浴冷却下メタノールを加えて30分撹拌し、その後減圧下濃縮した。得られた(3R)−3−アミノブタン−1−オールとグリオキシル酸エチル(ポリマー型、47%トルエン溶液)(2.0mL、9.7mmol)、5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(0.50g、2.5mmol)を用い、参考例1と同様の手法によりジアステレオマー混合物を得た(無色油状物)。得られたジアステレオマー混合物をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 10g、hexane/EtOAc=90/10〜0/100)にて精製することにより低極性化合物の表題化合物(0.37g)を得た(無色油状物)。
MS (ESI pos.) m/z : 359 [M+H]
【0114】
参考例17 [(2S,4S)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0115】
【化25】
【0116】
参考例16で得られたエチル (2S,4S)−4−メチル−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル)−1,3−オキサジナン−2−カルボキシラート(0.37g、1.0mmol)を用い、参考例2と同様の手法により表題化合物(0.068g)を得た(無色固体)。
MS (ESI pos.) m/z : 317 [M+H]
【0117】
参考例18 エチル(2RS,5RS)−5−メチル−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサジナン−2−カルボキシラート
【0118】
【化26】
【0119】
3−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール(0.10g、1.1mmol)、グリオキシル酸エチル(ポリマー型、47%トルエン溶液)(2.0mL、9.7mmol)、5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(0.5g、2.5mmol)を用い、参考例1と同様の手法により表題化合物(0.13g)を得た(無色油状物)。
MS (ESI pos.) m/z : 359 [M+H]
【0120】
参考例19 N−ヒドロキシ−3,3−ジメトキシプロパンイミドアミド
【0121】
【化27】
【0122】
ヒドロキシルアミン1塩酸塩(3.2g、45.6mmol)のMeOH(70mL)溶液にNaHCO3(3.8g、45.6mmol)を加え、室温で30分撹拌した後、3,3−ジメトキシプロパンニトリル(5.0g、43.4mmol)のMeOH(30mL)溶液を滴下した。80℃で15時間撹拌した。室温に放冷して生成した塩を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 100g、CHCl3/MeOH=99/1〜90/10)にて精製することにより表題化合物(4.5g)を得た(淡黄色油状物)。
MS (ESI pos.) m/z : 171 [M+Na]
【0123】
参考例20 2−[3−(2,2−ジメトキシエチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]−5−フルオロピリジン
【0124】
【化28】
【0125】
参考例19で得られたN-ヒドロキシ−3,3−ジメトキシプロパンイミドアミド(1.0g、6.8mmol)のDMF(3mL)溶液を、40℃で1時間撹拌した5−フルオロピリジン−2−カルボン酸(1.0g、7.1mmol)とカルボニルジイミダゾール(1.3g、8.1mmol)のDMF(4mL)溶液に加え30分撹拌した。反応液を90℃に昇温し、15時間撹拌した。反応混合物に水を加え、EtOAcを用いて抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 25g、hexane/EtOAc=75/25〜0/100)にて精製し、表題化合物(1.2g)を得た(無色固体)。
MS (ESI pos.) m/z : 254 [M+H]
【0126】
参考例21 3−(2,2−ジメトキシエチル)−5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール
【0127】
【化29】
【0128】
参考例19で得られたN−ヒドロキシ−3,3−ジメトキシプロパンイミドアミド(1.0g、6.8mmol)と4−フルオロ安息香酸(0.99g、7.1mmol)を原料に参考例20と同様の手法により表題化合物(1.4g)を得た(無色油状物)。
MS (ESI pos.) m/z : 253 [M+H]
【0129】
参考例22 2−[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]エタノール
【0130】
【化30】
【0131】
2−(1H−ピラゾール−4−イル)エタノール(1.0g、8.9mmol)及び2,5−ジフルオロピリジン(0.89mL、9.8mmol)のアセトニトリル(45mL)溶液にCs2CO3(9.7g、17.8mmol)を加え、80℃で3時間撹拌した。室温に放冷後、反応混合物に水を加え、EtOAcを用いて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 25g、hexane/EtOAc=90/10〜30/70)にて精製し、表題化合物(0.63g)を得た(無色固体)。
MS (ESI pos.) m/z : 208 [M+H]
【0132】
参考例23 (±)−(2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)(2−ヨード−5−メチルフェニル)メタノン
【0133】
【化31】
【0134】
参考例14で得られた1−(2,2−ジエトキシエチル)−3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール(0.16g、0.57mmol)のCHCl3(3mL)溶液にTFA(0.42mL、5.7mmol)を加え、35℃で6時間撹拌した。TFA(0.14mL、0.19mmol)を追加して加え、35℃で6時間撹拌した。室温まで放冷後、反応混合物にNaHCO3水溶液を加え、CHCl3を用いて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別した。減圧下溶媒を留去し無色油状物を得た。得られた無色油状物のCHCl3(3mL)溶液に、活性化したモレキュラーシーブ4A(0.60g)、3−アミノプロパン−1−オール(0.044mL、0.57mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。セライト(登録商標)濾過によりモレキュラーシーブ4Aを濾別後、減圧下溶媒を留去し、淡黄色油状物を得た。2−ヨード−5−メチルベンゾイルクロリド(0.19g、0.69mmol)のCHCl3(5mL)溶液に氷水冷却下、TEA(0.20mL、1.4mmol)と上記反応で得られた淡黄色油状物のCHCl3(2mL)溶液を加え、室温まで昇温し15時間撹拌した。反応混合物に水を加え、CHCl3で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 50g、hexane/EtOAc=80/20〜0/100)にて精製することにより表題化合物(0.19g)を得た(薄黄色油状物)。
MS (ESI pos.) m/z : 506 [M+H]
【0135】
参考例24 (±)−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)(2−ヨード−5−メチルフェニル)メタノン
【0136】
【化32】
【0137】
参考例15で得られた1−(2,2−ジエトキシエチル)−4−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール(1.0g、3.6mmol)を原料に参考例23と同様の手法により表題化合物(1.2g)を得た(無色油状物)。
MS (ESI pos.) m/z : 506 [M+H]
【0138】
参考例25 (±)−(2−{[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)(2−ヨード−5−メチルフェニル)メタノン
【0139】
【化33】
【0140】
参考例22で得られた2−[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]エタノール(0.21g、1.0mmol)のジメチルスルホキシド(5mL)溶液に2−ヨードキシ安息香酸(0.50g、1.1mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。反応混合物に水を加え、EtOAcを用いて抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去し、無色油状物を得た。得られた無色油状物を原料に参考例23と同様の方法より表題化合物(0.16g)を得た(淡黄色油状物)。
MS (ESI pos.) m/z : 507 [M+H]
【0141】
参考例26 (±)−(5−フルオロ−2−ヨードフェニル)(2−{[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)メタノン
【0142】
【化34】
【0143】
参考例22で得られた2−[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]エタノール(0.21g、1.0mmol)と5−フルオロ−2−ヨード安息香酸(0.16g、0.60mmol)を用い、参考例25と同様の手法により表題化合物(0.15g)を得た(淡黄色油状物)。
MS (ESI pos.) m/z : 511 [M+H]
【0144】
参考例27 エチル−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシラート
【0145】
【化35】
【0146】
エチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシラート(25.0g、178.4mmol)及び2−ブロモ−5−フルオロピリジン(47.1g、267.6mmol)のDMF(300mL)溶液にヨウ化銅(I)(8.5g、44.6mmol)、rac−trans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(28.1mL、178.4mmol)及びCs2CO3(116.2g、356.8mmol)を加え、90℃で7時間撹拌した。室温に放冷後、反応混合物に水、EtOAcを加え、セライト(登録商標)濾過した。濾液から有機層を取り出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 50g、hexane/EtOAc=70/30〜0/100)にて精製した。得られた固体をhexane/EtOAc=4/1中で撹拌洗浄後、濾取し、表題化合物(29.0g)を得た(無色固体)。
MS (ESI pos.) m/z : 236 [M+H]
【0147】
参考例28 [1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]メタノール
【0148】
【化36】
【0149】
参考例27で得られたエチル−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシラート(10.0g、42.5mmol)のTHF(50mL)溶液に水素化ジイソブチルアルミニウム(1.01mol/L トルエン溶液、105.2mL、106.3mmol)を−78℃冷却下加え、滴下後0℃に昇温し、2時間撹拌した。反応混合物に酒石酸カリウムナトリウム(ロッシェル塩)の水溶液を氷冷下加え、EtOAcを用いて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去し表題化合物(8.0g)を得た(無色固体)。
MS (ESI pos.) m/z : 194 [M+H]
【0150】
参考例29 1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−カルバルデヒド
【0151】
【化37】
【0152】
参考例28で得られた[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]メタノール(8.0g、34.0mmol)のCHCl3(100mL)懸濁液に85% 二酸化マンガン(29.6g、0.34mol)を加え、60℃で3時間撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)濾過し、固体をCHCl3で洗浄後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をジエチルエーテルで洗浄、濾取し、表題化合物(5.3g)を得た(薄褐色固体)。
MS (ESI pos.) m/z : 192 [M+H]
【0153】
参考例30 [1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアルデヒド
【0154】
【化38】
【0155】
メトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド(5.4g、15.7mmol)のTHF(50mL)溶液にn-ブチルリチウム(2.6mol/L ヘキサン溶液、6.3mL、16.5mmol)を−78℃冷却下加え、30分撹拌した。0℃に昇温し、参考例29で得られた1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−カルバルデヒド(1.5g、7.9mmol)とヘキサメチルリン酸トリアミド (0.5mL)のTHF(50mL)溶液を加え3時間撹拌後、室温まで昇温し15時間撹拌した。反応混合物にEtOAcと飽和塩化ナトリウム水溶液を氷浴冷却下加え撹拌し、有機層を分離した。MgSO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去し褐色油状物を得た。得られた褐色油状物に塩酸水溶液(1.2mol/L、10mL)を加え、加熱還流して2時間撹拌した。室温で放冷後、反応混合物に水を加えEtOAcで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 25g、hexane/EtOAc=80/20〜20/80)にて精製することにより表題化合物(1.0g)を得た(薄黄色油状物)。
MS (ESI pos.) m/z : 206 [M+H]
【0156】
参考例31 [2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0157】
【化39】
【0158】
参考例4で得られた(±)−[2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン(1.7g、5.7mmol)のトルエン(29mL)溶液にパラトルエンスルホン酸ピリジニウム (0.14g、0.57mmol)と(S)−5−アリル−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタ−8−エン(1.0g、6.9mmol)を加え、油浴温度70℃で撹拌した。室温まで放冷し、飽和NaHCO3水溶液を加えEtOAcで抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 160g、hexane/EtOAc=75/25〜40/60)にて精製することにより2種類のジアステレオマー混合物のうち低極性化合物(0.89g)を得た(無色固体)。得られた無色固体ジアステレオマーのMeOH(40mL)溶液にトシル酸1水和物(0.075g、0.4mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。反応混合物に飽和NaHCO3水溶液を加えCHCl3で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 10g、hexane/EtOAc=75/25〜0/100)、(KP−NH 10g、hexane/EtOAc=75/25〜0/100)にて精製することにより表題化合物(0.58g、94%ee)を得た(無色油状物)。光学純度は前述のラセミ体分析条件(条件10、Rt1=10.2 min、Rt2=11.6 min)に基づき分析し、相対保持時間が短い(Rt1=10.2 min)化合物を過剰に得た。
MS (ESI pos.) m/z : 303 [M+H]
【0159】
表題化合物は以下に示す別法によっても合成可能である。
参考例4で得られた(±)−[2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン(1.0mg、0.0033mmol)、酢酸ビニル(0.05mL)、t−ブチルメチルエーテル(1mL)溶液にブタ膵臓由来リパーゼ(9.5mg、商品名 Lipase from porcine pancreas Type II、SIGMA社製)を加え、35℃でスクリューバイアル中、250rpmで24時間振盪撹拌した。反応液をエキクロディスク13CR(日本ポール社製)で濾過した。濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣を前述のラセミ体分析条件10にてHPLC分析したところ酢酸{3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサジナン−2−イル}メチル(54.5%、81.2%ee、Rt1=7.3 min、Rt2=8.9 minのうち保持時間の長い化合物が過剰、無色油状物)と表題化合物(45.5%、>99.9%ee、Rt1=10.2 min、Rt2=11.6 minのうち保持時間の短い化合物が過剰、無色油状物)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 303 [M+H]
【0160】
表題化合物は以下に示す別法によっても合成可能である。
トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)(0.013g、0.040mmol)と(R,R)−2,2‘−イソプロピリデンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)(0.012g、0.040mmol)のTHF溶液(1.5mL)に参考例4で得られた(±)−[2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン(0.36g、1.2mmol)、炭酸カリウム(0.16g、1.2mmol)、塩化ベンゾイル(0.069g、0.59mmol)を加え室温で3時間撹拌した。反応混合物に水を加えCHCl3で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 10g、hexane/EtOAc=75/25〜0/100)にて精製することにより、安息香酸 {3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサジナン−2−イル}メチル(0.16g、55%ee)を得た(無色油状物)。光学純度は前述のラセミ体分析条件(条件10、Rt1=6.9 min、Rt2=7.9 min)に基づき分析し、相対保持時間が短い(Rt1=6.9 min)化合物を過剰に得た。得られた無色油状物(0.020g、0.049mmol)のMeOH溶液(0.5mL)に炭酸カリウム(0.010g、0.074mmol)を加え室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加えEtOAcで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 10g、hexane/EtOAc=75/25〜0/100)にて精製することにより表題化合物(0.011g、55%ee)を得た(無色油状物)。光学純度は前述のラセミ体分析条件(条件10、Rt1=10.2 min、Rt2=11.6 min)に基づき分析し、相対保持時間が短い(Rt1=10.2 min)化合物を過剰に得た。
MS (ESI pos.) m/z : 303 [M+H]
【0161】
参考例32 [2−(クロロメチル)−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0162】
【化40】
【0163】
参考例31で得られた[2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン(1.8g、5.8mmol、86.3%ee)及びTEA(1.2mL、8.7mmol)のCHCl3(30mL)溶液に、氷水冷却下、MsCl(0.54mL、7.0mmol)を加えた。室温まで昇温し、3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、CHCl3で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、乾燥剤を濾別後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 10g、hexane/EtOAc=88/12〜0/100)にて精製した。得られた残渣にEtOAc(10mL)を加え、氷浴冷却下30分撹拌後、固体を濾取し、表題化合物(0.81g、84.2%ee)を得た(無色固体)。光学純度は前述のラセミ体分析条件(条件12、Rt1=7.7 min、Rt2=11.9 min)に基づき分析し、相対保持時間が長い(Rt2=11.9 min)化合物を過剰に含む化合物を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 321 [M+H]
【0164】
参考例33 エチル(2RS,5SR)−5−メチル−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサジナン−2−カルボキシラート
【0165】
【化41】
【0166】
参考例18で得られたエチル(2RS,5RS)−5−メチル−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサジナン−2−カルボキシラート(2.1g、6.0mmol)のエタノール(60mL)溶液に炭酸カリウム(7.4g、53.8mmol)を加え、75℃で7時間撹拌した。室温に放冷後、反応混合物に水を加え減圧下溶媒を濃縮し、EtOAcを用いて抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 120g、hexane/EtOAc=90/10〜30/70)にて精製することにより表題化合物(0.72g)を得た(無色油状物)。
MS (ESI pos.) m/z : 359 [M+H]
【0167】
参考例34 [(2RS,5SR)−2−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0168】
【化42】
【0169】
参考例33で得られたエチル(2RS,5SR)−5−メチル−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル)−1,3−オキサジナン−2−カルボキシラート(0.72g、2.0mmol)を原料にして、参考例2と同様の手法により表題化合物(0.59g)を得た(無色油状物)。
MS (ESI pos.) m/z : 317 [M+H]
【0170】
参考例35 (2RS,5SR)−[2−(クロロメチル)−5−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0171】
【化43】
【0172】
参考例34で得られた[(2RS,5SR)−2−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン(0.59g、1.9mmol)を原料にして、参考例32と同様の手法により表題化合物(0.52g)を得た(無色油状物)。
MS (ESI pos.) m/z : 335 [M+H]
【0173】
実施例1 (−)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0174】
【化44】
参考例2で得られた[2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン(1.7g、5.9mmol)及びTEA(1.2mL、8.8mmol)のCHCl3(30mL)溶液に、氷水冷却下、MsCl(0.55mL、7.1mmol)を加え、1時間撹拌した。氷水冷却下、水を加え、CHCl3で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、乾燥剤を濾別後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 50g、hexane/EtOAc=88/12〜0/100)にて精製することにより{3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサゾリジン−2−イル}メチル メタンスルホナートを得た(淡黄色油状物)。得られた淡黄色油状物のDMF(30mL)溶液に5−フルオロ−2−(1H−ピラゾール−3−イル)ピリジン(1.3g、8.1mmol)、Cs2CO3(4.8g、14.7mmol)を加え、油浴温度90℃で24時間撹拌した。室温まで放冷し、水を加えた後、EtOAcで抽出し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 150g、hexane/EtOAc=88/12〜0/100)で精製し表題化合物のラセミ混合物(1.2g)を得た(淡黄色油状物)。得られたラセミ混合物を前述のラセミ体分析条件(条件1、Rt1=3.6 min、Rt2=7.0 min)に基づきセミ分取カラムを用いて分割し、相対保持時間が短い(Rt1=3.6 min)表題化合物(0.39g)を得た(無色固体)。
LCMS retention time 0.90 min.
MS (ESI pos.)m/z : 434 [M+H]
[α]D25 = −71.0 (c = 0.0994, CHCl3
【0175】
実施例2〜4は、実施例1と同様の手法により得た。得られた化合物の構造式、化合物名、LCMSデータ、及び比旋光度を表2に示す。
【0176】
【表2】
【0177】
実施例5 (−)−[(2S,5S)−2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−5−メチル−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0178】
【化45】
【0179】
参考例5で得られたエチル(2RS,5S)−5−メチル−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサゾリジン−2−カルボキシラート(0.11g、0.33mmol)を原料にして、参考例2と同様の手法により[2−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノンのジアステレオマー混合物を得た(無色油状物)。得られたジアステレオマー混合物を薄層クロマトグラフィー(1mm、hexane/EtOAc=50/50)にて精製することにより[(2S,5S)−2−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノンを得た(無色油状物)。得られた[(2S,5S)−2−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン(30.2mg、0.10mmol)、及びTEA(0.021mL、0.15mmol)のCHCl3(0.8mL)溶液に、氷水冷却下、MsCl(0.011mL、0.15mmol)を加え、1時間撹拌した。氷水冷却下、水を加え、CHCl3で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣のNMP(0.5mL)溶液に5−フルオロ−2−(1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン(0.033g、0.20mmol)、Cs2CO3(0.065g、0.20mmol)を加えた。120℃にてマイクロウェーブ照射下1時間反応させた。放冷後、水を加えCHCl3で抽出し、ISOLUTE Phase Separatorに通し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をHPLCにて精製することにより表題化合物(0.020g)を得た(無色油状物)。
LCMS retention time 0.92 min.
MS (ESI pos.) m/z : 448 [M+H]
[α]D25 = −80.4 (c = 0.0828, CHCl3
【0180】
実施例6〜10は、実施例5と同様の手法により得た。得られた化合物の構造式、化合物名、LCMSデータ、及び比旋光度を表3に示す。
【0181】
【表3】
【0182】
実施例11 (±)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル)[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0183】
【化46】
【0184】
参考例12で得られた2−[1−(2,2−ジエトキシエチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−5−フルオロピリジン(4.0g、14.3mmol)のCHCl3(72mL)溶液にTFA(6.4mL、85.9mmol)を加え、35℃で6時間撹拌した。TFA(6.4mL、85.9mmol)を追加して加え、35℃で3時間撹拌した。室温まで放冷後、反応混合物にNaHCO3水溶液を加え、CHCl3を用いて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥後、乾燥剤を濾別した。減圧下溶媒を留去し、[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アセトアルデヒドを得た(無色油状物)。[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アセトアルデヒドのCHCl3(36mL)溶液に、活性化したモレキュラシーブ4A(29g)、2−アミノエタノール(1.1mL、14.3mmol)を加え、室温で48時間撹拌した。セライト(登録商標)濾過によりモレキュラシーブ4Aを濾別後、減圧下溶媒を留去し、無色油状物を得た。得られた無色油状物(0.10g、0.40mmol)と2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(76mg、0.40mmol)のDMF(0.4mL)溶液に、DIPEA(0.21mL、1.2mmol)及びHATU(0.16g、0.48mmol)を加え室温で48時間撹拌した。反応混合物をHPLCにて精製し、表題化合物(40.8mg)を得た(無色固体)。
LCMS retention time 0.83 min.
MS (ESI pos.) m/z : 420 [M+H]
【0185】
実施例12〜38は、実施例11と同様の手法により得た。実施例26〜32及び実施例34〜38は、実施例1と同様の手法により光学分割した。得られた化合物の構造式、化合物名、LCMSデータ、及び比旋光度を表4−1〜4−4に示す。
【0186】
【表4-1】
【0187】
【表4-2】
【0188】
【表4-3】
【0189】
【表4-4】
【0190】
実施例39 [(2S,4S)−2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−4−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル}[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2-イル)フェニル]メタノン
【0191】
【化47】
【0192】
参考例17で得られた[(2S,4S)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン(0.070g、0.22mmol)のトルエン(1mL)溶液に、参考例11で得られた5−フルオロ−2−(1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン(0.040g、0.24mmol)、シアノメチレントリブチルホスホラン(0.087mL、0.33mmol)を添加して100℃で3時間加熱撹拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(KP−NH 12g、hexane/EtOAc=80/20〜0/100)(HP−Sil 10g、hexane/EtOAc=80/20〜0/100)にて精製し、表題化合物(0.11g)を得た(無色油状物)。
LCMS retention time 0.96 min.
MS (ESI pos.) m/z : 462 [M+H]
【0193】
実施例40 (−)−[(2S*,5S*)−2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−5−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3-トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0194】
【化48】
【0195】
参考例18で得られたエチル (2RS,5RS)−5−メチル−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル)−1,3−オキサジナン−2−カルボキシラート(0.13g、0.36mmol)を原料にして、参考例2と同様の手法により[(2RS,5RS)−2−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン(0.098g)を得た(無色油状物)。得られた無色油状物(0.098g、0.31mmol)、参考例11で得られた5−フルオロ−2−(1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン(0.056g、0.34mmol)を原料に、実施例39と同様の手法により表題化合物のラセミ混合物(0.11g)を得た。得られたラセミ混合物を前述のラセミ体分析条件(条件7、Rt=4.3 min、Rt=4.8 min)に基づきセミ分取カラムを用いて分割し、相対保持時間が短い(Rt=4.3 min)表題化合物(0.044g)を得た(無色油状物)。
LCMS retention time 0.94 min.
MS (ESI pos.) m/z : 462 [M+H]
[α]D23 = −44.1 (c = 0.0704, CHCl3
【0196】
実施例41 (−)−[2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル]メタノン
【0197】
【化49】
【0198】
参考例23で得られた(±)−(2−{[3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)(2−ヨード−5−メチルフェニル)メタノン(0.19g、0.38mmol)及び2−(トリブチルスタンナニル)ピリミジン(0.15mL、0.46mmol)のトルエン(4mL)溶液にPd(PPh(0.044g、0.04mmol)とヨウ化銅(0.0070g、0.040mmol)、フッ化セシウム(0.12g、0.76mmol)を加え、マイクロウェーブ照射下130℃で0.5時間加熱撹拌した。反応混合物にフッ化カリウム水溶液を加え、CHCl3で抽出した。有機層をフッ化カリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、乾燥剤をろ別後、減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 10g、hexane/EtOAc=80/20〜0/100)(KP−NH 12g、hexane/EtOAc=80/20〜0/100)にて精製し、表題化合物のラセミ混合物(0.099g)を得た(無色油状物)。得られたラセミ混合物を前述のラセミ体分析条件(条件4、Rt=3.9 min、Rt=13.7 min)に基づきセミ分取カラムを用いて分割し、相対保持時間が短い(Rt=3.9 min)表題化合物(0.036g)を得た(無色油状物)。
LCMS retention time 1.0 min.
MS (ESI pos.) m/z : 458 [M+H]
[α]D23 = −34.1 (c = 0.0914, CHCl3
【0199】
実施例42〜44は、実施例41と同様の手法により得た。実施例42〜44の構造式、化合物名、LCMSデータ、及び比旋光度を表5に示す。
【0200】
【表5】
【0201】
実施例45 (−)−[2−{[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0202】
【化50】
【0203】
参考例30で得られた[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアルデヒド(0.80g、3.9mmol)を用い、実施例11と同様の手法によりラセミ体混合物(0.063g)を得た(薄黄色固体)。得られたラセミ混合物(0.050g、0.12mmol)を前述のラセミ体分析条件(条件9、
Rt=4.6 min、Rt=13.8 min)に基づきセミ分取カラムを用いて分割し、相対保持時間が短い(Rt=4.6 min)表題化合物(0.017g)を得た(無色固体)。
LCMS retention time 1.0 min.
MS (ESI pos.)m/z : 434 [M+H]
[α]D23 = −104.0 (c = 0.0566, CHCl3
【0204】
実施例46 (−)−[2−{[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}−1,3−オキサゾリジン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0205】
【化51】
【0206】
参考例22で得られた2−[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]エタノール(0.30g、1.5mmol)を原料に参考例25と同様の方法により表題化合物のラセミ混合物(0.039g)を得た(無色油状物)。得られたラセミ混合物を前述のラセミ体分析条件(条件2、Rt=16.3 min、Rt=19.2 min)に基づきセミ分取カラムを用いて分割し、相対保持時間が短い(Rt=16.3 min)表題化合物(0.0076g)を得た(無色固体)。
LCMS retention time 0.97 min.
MS (ESI pos.)m/z : 434 [M+H]
[α]D23 = −80.9 (c = 0.0478, CHCl3
【0207】
実施例47 (−)−[2−{[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0208】
【化52】
【0209】
参考例22で得られた2−[1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]エタノール(0.30g、1.5mmol)を原料に参考例25と同様の方法により表題化合物のラセミ混合物(0.19g)を得た(無色固体)。得られたラセミ混合物(0.20g、0.45mmol)を前述のラセミ体分析条件(条件11、Rt=9.9 min、Rt=11.5 min)に基づきセミ分取カラムを用いて分割し、相対保持時間が短い(Rt=9.9 min)表題化合物(0.0095g)を得た(無色固体)。
LCMS retention time 0.97 min.
MS (ESI pos.)m/z : 448 [M+H]
[α]D23 = −21.4 (c = 0.109, CHCl3
【0210】
実施例48 (−)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0211】
【化53】
【0212】
参考例10で得られた5−フルオロ−2−(1H−ピラゾール−3−イル)ピリジン(0.36g、2.2mmol)のDMF(9mL)溶液に水素化ナトリウム(55%、0.12g、2.7mmol)を加え、30分室温で撹拌した。参考例32で得られた[2−(クロロメチル)−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン(0.79g、2.5mmol、84.2%ee)のDMF(3mL)溶液を滴下して加えた。90℃で1時間撹拌した。室温に放冷後、反応混合物に水を加え、EtOAcで抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(HP−Sil 40g、hexane/EtOAc=70/30〜0/100)にて精製した。EtOH(10mL)を加え、氷浴冷却下1時間撹拌後、濾取し、表題化合物(0.60g、>99.9%ee、実施例3と同様の立体化学を有す)を得た(無色固体)。光学純度は前述のラセミ体分析条件(条件9、Rt1=4.3 min、Rt2=6.7 min)に基づき分析し、相対保持時間が短い(Rt1=4.3 min)化合物を過剰に得た。
LCMS retention time 0.90 min.
MS (ESI pos.) m/z : 448 [M+H]
【0213】
実施例49 (−)−[(2S*,5R*)−2−{[4−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−5−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン
【0214】
【化54】
【0215】
参考例35で得られた(2RS,5SR)−[2−(クロロメチル)−5−メチル−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン(0.52g、1.5mmol)、参考例11で得られた5−フルオロ−2−(1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン(0.23g、1.4mmol)を用い、実施例48と同様の手法により表題化合物(0.44g)を得た。得られたラセミ混合物(0.070g)を前述のラセミ体分析条件(条件13、Rt=6.6 min、Rt=12.4 min)に基づきセミ分取カラムを用いて分割し、相対保持時間が短い(Rt=6.6 min)表題化合物(0.030g)を得た(無色油状物)。
LCMS retention time 0.95 min.
MS (ESI pos.) m/z : 462 [M+H]
[α]D25 = −14.1(c = 0.0870, CHCl3
【0216】
試験例 (オレキシン拮抗活性の測定)
試験化合物のヒトオレキシン1型受容体(hOX1R)、オレキシン2型受容体(hOX2R)に対する拮抗活性は文献(Toshikatsu Okumura et al., Biochemical and Biophysical Research Communications 280, 976−981, 2001)に記載された方法を改変して行った。hOX1R、hOX2Rを強制発現させたChinese hamster ovary(CHO)細胞を96wellのBlack clear bottomプレート(Nunc)の各ウェルに20,000個となるように播種し、0.1mM MEM非必須アミノ酸、0.5mg/ml G418、10% 牛胎児血清を含むHam’s F−12培地(以上インビトロジェン)で、37℃、5% CO2の条件下で16時間培養した。培地を除去後、0.5μM Fluo−3AM エステル(同仁)を含むアッセイ用緩衝液(25mM HEPES(同仁)、Hanks’ balanced salt solution(インビトロジェン)、0.1% 牛血清アルブミン、2.5mM プロベネシド、200μg/ml Amaranth(以上Sigma−Aldrich)、pH7.4)を100μL添加し60分間、37℃、5% CO2にインキュベートした。Fluo−3AM エステルを含むアッセイ用緩衝液を除去したのち、試験化合物は10mMとなるようにジメチルスルホキシドで溶解してアッセイ用緩衝液で希釈後、150μLを添加し、30分間インキュベートした。
リガンドであるヒトオレキシン−Aの2アミノ酸を置換したペプチド(Pyr−Pro−Leu−Pro−Asp−Ala−Cys−Arg−Gln−Lys−Thr−Ala−Ser−Cys−Arg−Leu−Tyr−Glu−Leu−Leu−His−Gly−Ala−Gly−Asn−His−Ala−Ala−Gly−Ile−Leu−Thr−Leu−NH2;ペプチド研究所)はhOX1Rに対しては終濃度300pM、hOX2Rに対しては3nMとなるようにアッセイ用緩衝液で希釈し、このリガンド溶液50μLを添加して反応を開始した。反応はFunctional Drug Screening System(FDSS;浜松ホトニクス社製)を用いて各wellの蛍光値を1秒毎に3分間測定し、最大蛍光値を細胞内Ca2+濃度の指標として拮抗活性を求めた。試験化合物の拮抗活性は希釈緩衝液のみを添加したウェルの蛍光値を100%、リガンドおよび化合物を含まない緩衝液を添加したウェルの蛍光値を0%として算出し、種々の濃度の試験化合物を添加した際の蛍光値から、50%阻害濃度(IC50値)を求めた。
本発明化合物のIC50値を表6に示す。
【0217】
【表6】
【産業上の利用可能性】
【0218】
本発明化合物は、OX受容体拮抗作用を有することが示された。従って、本発明化合物又はその医薬上許容される塩は、OX受容体拮抗作用によって調節される病気、例えば、睡眠障害、うつ病、不安障害、パニック障害、統合失調症、薬物依存症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、頭痛、片頭痛、疼痛、消化器疾患、てんかん、炎症、免疫関連疾患、内分泌関連疾患、高血圧等の治療又は予防薬として使用することが可能である。