(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5896406
(24)【登録日】2016年3月11日
(45)【発行日】2016年3月30日
(54)【発明の名称】バルブソケット及び照明装置
(51)【国際特許分類】
H01R 33/09 20060101AFI20160317BHJP
B60Q 3/02 20060101ALI20160317BHJP
【FI】
H01R33/09
B60Q3/02 C
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-13940(P2012-13940)
(22)【出願日】2012年1月26日
(65)【公開番号】特開2013-152899(P2013-152899A)
(43)【公開日】2013年8月8日
【審査請求日】2014年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】山中 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】村田 篤郎
(72)【発明者】
【氏名】落合 良平
【審査官】
山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−516896(JP,A)
【文献】
特開平02−312175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 33/09
B60Q 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と、基部と、を有するバルブを保持するバルブソケットであって、
前記バルブの基部を受け入れて保持するソケット本体と、
前記ソケット本体に設けられて前記基部と電気的に接続される端子金具と、を備え、
前記ソケット本体は、前記基部を受け入れる開口を有した挿入孔と、該挿入孔の奥側から開口側に向かって突出して設けられ、前記バルブの基部の円柱部を収容するために構成された円柱空間を画定する複数の突出部と、を有し、
前記複数の突出部の一対は、前記基部を挟んで互いに対向して設けられるとともに、この対向方向の間隔寸法が前記基部の断面寸法よりも小さく形成され、前記挿入孔への前記基部の挿入に伴って該基部の表面に摺接した一対の突出部が互いに離隔する方向に弾性変形可能に設けられていることを特徴とするバルブソケット。
【請求項2】
前記複数の突出部は、前記基部と接続される前記端子金具の端子部に沿って設けられるとともに、前記バルブの挿入方向に沿った中心軸に対して線対称の位置に4本設けられていることを特徴とする請求項1に記載のバルブソケット。
【請求項3】
前記バルブの基部の前記円柱部は、該バルブの挿入方向に沿った中心軸を中心とし、一対の平板部が該円柱部から径方向の互いに反対向きに延び、
前記各突出部は、前記円柱部に摺接可能に構成された断面凹状の曲面部と、該曲面部の端縁に連続して前記平板部に摺接可能に設けられた角部と、を有して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブソケット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブソケットと、
前記バルブソケットに保持されるバルブと、
前記バルブソケット及び前記バルブを覆う保護カバーと、
前記バルブソケット及び前記保護カバーに固定されるとともに前記バルブの発光部からの光を透過させる透過レンズと、を備えたことを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブを保持するバルブソケット及び照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両の天井部分に設けられる車載用室内照明装置などにおいて、例えば、ウェッジベースバルブ等のバルブを装着するための樹脂製のソケット本体と、このソケット本体に設けられた一対の給電端子(端子金具)と、を備え、ソケット本体の装着孔にバルブのベース部(基部)を挿入し、ベース部を一対の給電端子に挟持させるバルブソケット構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載のバルブソケット構造において、
図8に示すように、一対の給電端子101は、バルブ110のベース部111を挟持する一対の挟持片102を有して構成され、それらの間にベース部111を挿入することで一対の挟持片102が互いに離隔する方向に弾性変形し、この変形に伴う付勢力によってベース部111を挟持する。さらに、ソケット100の装着孔103にはスペーサ120が取り付けられ、このスペーサ120によって、バルブ110のベース部111を案内するとともに保持したバルブ110の移動を規制することにより、バルブ110がソケット100に安定して保持されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−173163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来のバルブソケットでは、スペーサ120を用いてバルブ110を案内するとともに移動を規制しているため、ソケット100と別の部品であるスペーサ120が必要となり、部品点数が増加するという不都合が生じる。さらに、ソケット100の装着孔103にスペーサ120を挿入して係合させるためにソケット100が大型化するとともに、このソケット100からスペーサ120が突出して設けられる場合には、バルブソケット全体及び照明装置がさらに大型化してしまうという不都合も生じる。
【0005】
したがって、本発明は、部品点数を抑えかつ小型化を図るとともにバルブの保持力を向上させることができるバルブソケット及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載のバルブソケットは、発光部と、基部と、を有するバルブを保持するバルブソケットであって、前記バルブの基部を受け入れて保持するソケット本体と、前記ソケット本体に設けられて前記基部と電気的に接続される端子金具と、を備え、前記ソケット本体は、前記基部を受け入れる開口を有した挿入孔と、該挿入孔の奥側から開口側に向かって突出して設けられ
、前記バルブの基部の円柱部を収容するために構成された円柱空間を画定する複数の突出部と、を有し、前記
複数の突出部
の一対は、前記基部を挟んで互いに対向して設けられるとともに、この対向方向の間隔寸法が前記基部の断面寸法よりも小さく形成され、前記挿入孔への前記基部の挿入に伴って該基部の表面に摺接した一対の突出部が互いに離隔する方向に弾性変形可能に設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載のバルブソケットは、請求項1に記載されたバルブソケットにおいて、前記
複数の突出部は、前記基部と接続される前記端子金具の端子部に沿って設けられるとともに、前記バルブの挿入方向に沿った中心軸に対して線対称の位置に4本設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載のバルブソケットは、請求項1又は2に記載されたバルブソケットにおいて、前記バルブの基部
の前記円柱部は、該バルブの挿入方向に沿った中心軸を中心と
し、
一対の平板部が該円柱部から径方向の互いに反対向きに延び
、前記
各突出部は、前記円柱部に摺接可能に
構成された断面凹状の曲面部と、該曲面部の端縁に連続して前記平板部に摺接可能に設けられた角部と、を有して形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の照明装置は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブソケットと、前記バルブソケットに保持されるバルブと、前記バルブソケット及び前記バルブを覆う保護カバーと、前記バルブソケット及び前記保護カバーに固定されるとともに前記バルブの発光部からの光を透過させる透過レンズと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載された発明によれば、基部の断面寸法(幅寸法や厚み寸法等)よりも互いに対向する間隔寸法が小さく形成されるとともに、互いに離隔する方向に弾性変形可能な一対の突出部が、挿入孔の奥側から開口側に向かって突出して設けられているので、これらの突出部間にバルブの基部を挿入することによって、弾性変形した突出部の付勢力で基部を挟持してバルブを保持することができる。従って、別体のスペーサ等を用いなくてもバルブを保持することができるので、部品点数を抑制することができるとともに、バルブソケットの大型化を防止することができる。また、バルブの基部を突出部で保持することで、この基部と端子金具との電気的接続を良好に維持することができるとともに、端子金具の変形を防止することもできる。
【0011】
請求項2に記載された発明によれば、端子金具の端子部に沿って突出部が設けられているので、端子部の近傍で基部の移動を規制することができ、基部と端子部との相対変位をより確実に抑制させることができる。さらに、バルブの中心軸に対して線対称の位置に4本の突出部が設けられているので、挿入方向と交差する方向及び中心軸周りの周方向に沿った基部の移動を4本の突出部によって規制することができる。
【0012】
請求項3に記載された発明によれば、基部が円柱部と一対の平板部とを有したバルブを用いる場合に、円柱部に摺接可能な曲面部と、平板部に摺接可能な角部と、を有して突出部が形成されることで、突出部によって基部を円滑に案内しつつ確実に保持することができる。即ち、円柱部に曲面部を摺接させることで、挿入孔の内部における所定位置に中心軸を合わせつつ基部を案内し、平板部に角部を摺接させることで基部の移動を確実に規制することができる。
【0013】
請求項4に記載された発明によれば、前述のバルブソケットと同様に、照明装置において、部品点数を抑制することができるとともに、バルブソケットの大型化を防止することができる。また、突出部で基部を挟持してバルブを保持することができるので、バルブのがたつきや脱落が防止できるとともに、端子金具とバルブとの電気的接続を良好に維持できることで、バルブの点灯不良の発生なども抑制することができる。また、バルブを保持したバルブソケットを保護カバーで覆うことで、バルブに対して外力が作用しにくくでき、バルブの保持状態をさらに良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る照明装置を示す分解斜視図である。
【
図2】前記照明装置に用いられるバルブを示す斜視図である。
【
図3】前記照明装置の組立状態を示す断面図である。
【
図4】前記照明装置のバルブソケットを示す斜視図である。
【
図6】前記バルブソケットへのバルブの取付手順を示す断面図である。
【
図7】前記バルブの取付状態を詳しく示す拡大断面図である。
【
図8】従来技術に係る照明装置を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態にかかる照明装置を、
図1ないし
図7に基づいて説明する。本実施形態に係る照明装置1は、自動車等の車両における乗員室内の表面に配置されるルーフトリムやドアトリムなどに取り付けられる室内照明装置であって、特に、ドアトリムの設けられるドアカーテシランプとして好適である。照明装置1は、
図1に示すように、バルブ(電球)2と、このバルブ2を保持するバルブソケット3と、バルブ2及びバルブソケット3を覆う保護カバー4と、バルブソケット3及び保護カバー4に固定されてバルブ2から照射される光を透過させる透過レンズ5と、を備えて構成されている。
【0016】
バルブ2は、
図2,3にも示すように、内部にフィラメント等を有する発光部21と、この発光部21の軸方向に連続して口金として機能する基部22と、この基部22の側面に沿って設けられた一対の接点リード23と、を備えたウェッジベースバルブである。基部22は、絶縁性を有する樹脂部品であって、発光部21の基端部中央から延びる円柱部24と、この円柱部24から径方向の互いに反対向きに延びる一対の平板部25,26と、を有して形成されている。円柱部24は、バルブソケット3に対するバルブ2の挿入方向に沿って延び、この挿入方向に沿った円柱部24の中心軸に対して基部22が線対称に形成されている。また、各平板部25,26の挿入方向中間位置には、凹溝状に凹んだ溝部25A,26Aが形成されている。
【0017】
接点リード23は、発光部21内部のフィラメント等に接続された銅線などからなる導電性の線材であって、一方の接点リード23がバルブ2の正極又は負極を構成し、他方の接点リード23がバルブ2の負極又は正極を構成している。これら一対の接点リード23は、それぞれ平板部25,26の挿入方向先端面から突出し、一方の接点リード23は、平板部25の側面に沿って挿入方向の発光部21側に延び、他方の接点リード23は、平板部26の側面に沿って挿入方向の発光部21側に延びて、それぞれ側面の各表面に貼り付けられている。
【0018】
バルブソケット3は、
図1に示すように、バルブ2の基部22を受け入れる挿入孔32を有したソケット本体としてのハウジング31と、このハウジング31の内部に設けられてバルブ2の接点リード23と電気的に接続される一対の端子金具としてのバスバー6(第一バスバー6A及び第二バスバー6B)と、を備える。ハウジング31は、絶縁性を有する樹脂製一体成形品であって、全体筒状に形成され、挿入孔32の内部には、端子金具6を保持する端子保持部33と、バルブ2の円柱部24を挿入方向に案内するとともに位置決めするバルブ案内部34と、が形成されている。ハウジング31の外面には、保護カバー4を係止するカバー係止部35と、透過レンズ5に係合するレンズ係合部36と、が形成されている。このハウジング31には、保護カバー4を通して図示しない電線が配索され、この電線がハウジング31内部でバスバー6に接続されてバルブ2に電力が供給される。
【0019】
バスバー6は、導電性金属板を打ち抜き加工や曲げ加工を施すことにより形成され、ハウジング31に固定されるとともに電線に接続される固定部61と、この固定部61から延びる延長部62と、この延長部62の先端部にて拡幅された拡幅部63と、延長部62の途中から折れ曲がって連続する一対の端子部64と、を有して構成されている。なお、本実施形態において、第一バスバー6Aと第二バスバー6Bとは、同一形状を有した共通形態の部材であり、第一バスバー6Aと第二バスバー6Bとが互いに左右反転した状態で互いに対向する、即ち、第一バスバー6Aと第二バスバー6Bとは、挿入孔32の中心軸(バルブ2の中心軸と一致する軸)に対して互いに線対称となるようにハウジング31に取り付けられている。
【0020】
一対の端子部64は、それぞれ延長部62から折れ曲がった位置から挿入孔32の開口側に片持ち状に延びるとともに、その先端側に設けられて曲面状に曲げられた接点を有して形成されている。これらの端子部64は、挿入孔32にバルブ2の基部22が挿入されたバルブ挿入状態において、一対の端子部64が互いに離れる方向に弾性変形するとともに、一方の端子部64の接点がバルブ2の接点リード23に当接し、他方の端子部64の接点が基部22の平板部25,26側面に当接する。このように一対の端子部64の間に基部22を挟むことによって、バルブ2を保持する保持状態が構成される。
【0021】
保護カバー4は、絶縁性を有する樹脂製一体成形品であって、全体略半円筒状に形成されたカバー本体部41と、このカバー本体部41の一端部に形成されてバルブソケット3に取り付けられたバルブ2の発光部21を覆う端面部42と、この端面部42よりも突出して形成された一対のフランジ部43と、を有している。カバー本体部41の内部には、バルブ2の発光部21から照射された光を透過レンズ5に向かって反射する反射面が設けられるとともに、バルブソケット3のカバー係止部35に係止される被係止部44が形成されている。この被係止部44は、
図1の上方から下方に向かって保護カバー4をバルブソケット3に向かって押し付けることでカバー係止部35に係止可能であるとともに、カバー本体部41の側面に設けた貫通部45からの操作で係止解除可能になっている。また、一対のフランジ部43には、透過レンズ5に係合するレンズ係合部46が形成されている。
【0022】
透過レンズ5は、透明または半透明の樹脂製で適宜な曲面板状に形成されたレンズ本体51と、このレンズ本体51の内面から突出して形成された第一取付部52及び第二取付部53と、を有している。第一取付部52には、バルブソケット3の後端部に沿って外方に突出する係止片54と、バルブソケット3のレンズ係合部36に係合可能な一対の第一係合部55と、が形成されている。第二取付部53には、図示しない車両の内装材に係合可能なロック部56と、保護カバー4のレンズ係合部46に係合可能な一対の第二係合部57と、が形成されている。
【0023】
以上の照明装置1は、以下のようにして組み立てられるとともに車両の内装材に取り付けられる。先ず、ハウジング31にバスバー6を取り付けたバルブソケット3に対し、挿入孔32に基部22を挿入してバルブ2を保持させるとともに、バルブソケット3のカバー係止部35に保護カバー4の被係止部44を係止させることで、バルブ2、バルブソケット3及び保護カバー4を組み合わせて機能部を構成する。次に、バルブソケット3及び保護カバー4のレンズ係合部36,46を透過レンズ5の第一及び第二の係合部55,57にスライドさせつつ係合させることで、
図3に示すように、機能部に透過レンズ5を取り付けた照明装置1を組み立てる。このように照明装置1を組立ててから、内装材に設けた凹みなどに保護カバー4の側から挿入しつつ、内装材の取付部に透過レンズ5の係止片54を係止させるとともにロック部56を係合させることで、車両への照明装置1の取り付けが完了する。
【0024】
次に、
図4〜7も参照してハウジング31におけるバルブ案内部34の構成及び作用を説明する。バルブ案内部34は、
図4〜6に示すように、ハウジング31の奥側である奥壁31Aから挿入孔32の開口側に向かって片持ち状に突出した4本の突出部34Aを有して構成されている。4本の突出部34Aは、挿入孔32に挿入されるバルブ2の基部22を挟んで2本ずつが対称位置に設けられ、即ち、
図4,5中右側の第一バスバー6Aに隣り合って設けられる一対(2本)の突出部34Aと、同図中左側の第二バスバー6Bに隣り合って設けられる一対(2本)の突出部34Aとで構成されている。また、4本の突出部34Aは、基部22の中心軸(円柱部24の中心軸)に対して線対称の位置に設けられている。
【0025】
各突出部34Aは、それぞれ基部22の円柱部24に摺接可能に設けられた断面凹状の曲面部34Bと、曲面部34Bの端縁に連続して平板部25に摺接可能に設けられた角部34Cと、を有して形成されている。このような突出部34Aは、
図5(A)及び
図6(A)に示すように、奥壁31Aから挿入孔32の開口側に向かってバルブ2の挿入方向に略平行に延びる自然状態から、
図5(B)及び
図6(B)に示すように、バルブ2の挿入に伴って各突出部34Aの先端同士が互いに離隔する方向に開いた付勢状態まで、の間を弾性変形可能に設けられている。即ち、自然状態において、各突出部34Aにおける曲面部34Bで構成される円弧の内径は、基部22における円柱部24の外径よりも若干小さく形成され、一対の突出部34Aにおける角部34C間の離間距離は、基部22における平板部25の厚み寸法よりも若干小さく形成されている。
【0026】
以上のバルブ案内部34に対してバルブ2の基部22を挿入する際には、先ず、円柱部24の先端が4つの曲面部34Bの内部に位置決めされつつ案内され、さらにバルブ2を押し込むことで各突出部34Aの先端が開く方向に弾性変形しつつ、円柱部24と平板部25との角に角部34Cが摺接する。さらに、基部22を挿入孔32の奥側に挿入すると、各突出部34Aがさらに弾性変形し、
図7に示すように、円柱部24の先端に曲面部34Bが摺接するとともに、平板部25の表面に角部34Cが摺接する。このような摺接状態のままで端子部64に挟持される位置までバルブ2を挿入すると、弾性変形した付勢状態の突出部34Aの付勢力によって基部22が挟持され、これによりバルブ2の基部22がバルブ案内部34によって保持される。
【0027】
本実施形態によれば、バルブ案内部34の突出部34A間にバルブ2の基部22が挿入され、弾性変形した突出部34Aの付勢力によって基部22が挟持されることで、バルブ2が保持できるので、別体のスペーサ等を用いなくてもバルブ2を保持することができ、部品点数を抑制することができるとともに、バルブソケット3の大型化を防止することができる。また、バルブ2の基部22を突出部34Aで保持することで、この基部22の接点リード23とバスバー6の端子部64との電気的接続を良好に維持することができるとともに、端子部64の過大な変形を抑制することもできる。また、照明装置1において、バルブ2のがたつきや脱落が防止できるとともに、バスバー6とバルブ2との電気的接続を良好に維持できることで、バルブ2の点灯不良の発生なども抑制することができる。また、バルブ2を保持したバルブソケット3を保護カバー4で覆うことで、バルブ2に対して外力が作用しにくくでき、端子部64への過度なストレスを抑制することができる。
【0028】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0029】
例えば、前記実施形態では、自動車等の車両に取り付けられる照明装置1を例示したが、本発明の照明装置は、自動車等の車両に取り付けられるものに限らず、建物等の構造物に設けられる照明装置であってもよい。さらに、前記実施形態の照明装置1は、バルブ2を保持するバルブソケット3に加えて、保護カバー4及び透過レンズ5を備えて構成されていたが、保護カバー4や透過レンズ5は必須ではなく、適宜に省略することができるとともに、保護カバー4や透過レンズ5以外の部材を備えて照明装置が構成されていてもよい。また、本発明において、バルブは、ウェッジベースバルブであるバルブ2に限らず、接点が任意の位置に設けられた各種の電球が利用可能である。また、バルブにおける発光部の種別としても、白熱灯やハロゲンランプ、水銀ランプなどの内部にフィラメント等を有したものに限らず、蛍光灯やLEDランプなど任意のものが利用可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 照明装置
2 バルブ
3 バルブソケット
4 保護カバー
5 透過レンズ
6 バスバー(端子金具)
21 発光部
22 基部
24 円柱部
25,26 平板部
31 ハウジング(ソケット本体)
32 挿入孔
34A 突出部
34B 曲面部
34C 角部
64 端子部