(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電波送信手段及び電波受信手段が間欠的な動作をする第1の省電力状態であって、該間欠的な動作における動作期間において、前記電波送信手段が、無線端末が受信可能な電波を送信し、前記電波受信手段が、前記無線端末から送信された電波を受信することが可能な状態となるような第1の省電力状態と、前記電波送信手段及び電波受信手段の双方を常時停止させる第2の省電力状態をとることがある無線アクセスポイントであって、
他の無線アクセスポイントにおける無線端末の帰属状況に応じて、前記第1の省電力状態と前記第2の省電力状態の何れをとるのかを選択することを特徴とする無線アクセスポイント。
電波送信手段及び電波受信手段が間欠的な動作をする第1の省電力状態であって、該間欠的な動作における動作期間において、前記電波送信手段が、無線端末が受信可能な電波を送信し、前記電波受信手段が、前記無線端末から送信された電波を受信することが可能な状態となるような第1の省電力状態と、前記電波送信手段及び電波受信手段の双方を常時停止させる第2の省電力状態をとることがある無線アクセスポイントであって、他の無線アクセスポイントにおける無線端末の帰属状況に応じて、前記第1の省電力状態と前記第2の省電力状態の何れをとるのかを選択する無線アクセスポイントの、前記電波送信手段が送信した電波に含まれる前記動作期間を示す情報に基づいて、前記動作期間に前記電波受信手段に向けて電波を送信することを特徴とする無線端末。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、本発明の実施形態の概略を説明する。本発明の実施形態は、概略、無線アクセスポイントが、無線端末の帰属状態に応じて省電力方式を切り替える無線LAN通信システムを実現するというものである。
【0019】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は本実施形態全体を表す図である。
図1を参照すると、本実施形態である通信システムは、無線アクセスポイント100−1、無線アクセスポイント100−2、無線アクセスポイント100−N、無線端末300−1、無線端末300−2及び無線端末300−Mを含む。ここで、末尾のN及びMは任意の数を表す。すなわち、本実施形態は任意の台数の無線アクセスポイント及び無線端末を含む。そして、無線アクセスポイント間は有線接続されており、相互に通信を行う。また、各無線アクセスポイントと各無線端末とは無線通信を行う。
【0021】
続いて、
図2を参照して本実施形態の詳細な機能ブロックについて説明する。本発明の実施形態は、無線アクセスポイント100、無線アクセスポイント200、無線端末300及び通信相手400を含む。無線アクセスポイント100及び無線アクセスポイント200は
図1の無線アクセスポイント100−1及び無線アクセスポイント100−2に相当する。また、無線端末300及び通信相手400は
図1の無線端末300−1及び無線端末300−2に相当する。なお、
図2では、無線アクセスポイントを2つ、無線端末を1つ及び通信相手を1つ表しているがこれはあくまで一例に過ぎず、上述したように各機器の台数に制限は無い。
【0022】
また、無線端末300、無線アクセスポイント100及び無線アクセスポイント200は無線通信を行う。ここで、今回の説明においては、IEEE802.11に準拠した無線通信を行うことを想定する。更に、無線アクセスポイント100、無線アクセスポイント200及び通信相手400はEthernet(登録商標)に準拠した有線LANにより通信を行うことを想定する。
【0023】
続いて各機器に含まれる機能ブロックについて説明をする。
【0024】
無線アクセスポイント100は、端末スキャン情報テーブル101、端末情報テーブル102、アクセスポイント位置情報テーブル103、制御部104、省電力処理用バッファ105、電波受信部106、電波送信部107及び有線LAN部108を含む。
【0025】
端末スキャン情報テーブル101は、無線端末300が周辺の無線アクセスポイントのスキャンを行うために送信したProbe Requestに含まれる端末の情報が格納されるテーブルである。
【0026】
端末情報テーブル102は、無線アクセスポイント100と無線端末300間で帰属・認証シーケンスを実施した際に取得される端末の情報が格納されるテーブルである。
【0027】
なお、端末情報テーブル102には、無線アクセスポイント100以外の無線アクセスポイントと無線端末300間で帰属・認証シーケンスを実施した際に取得された端末の情報も格納される。この情報は無線アクセスポイント100以外の無線アクセスポイントから有線LANを介して伝達される。
【0028】
アクセスポイント位置情報テーブル103は、無線アクセスポイント100以外の他の無線アクセスポイントとの位置関係を記したテーブルである。
【0029】
制御部104は、無線アクセスポイント100全体を制御する部分である。制御部104は無線アクセスポイント100に格納される本実施形態特有のプログラムに基づいた演算処理の結果に応じて、無線アクセスポイント100に含まれるハードウェアを制御することにより各機能ブロックを制御する。
【0030】
省電力処理用バッファ105は、省電力状態にあるために送信できないデータを一時的に蓄えておくバッファである。
【0031】
電波受信部106及び電波送信部107は、それぞれ無線通信時の電波の受信又は送信を行う部分である。電波受信部106及び電波送信部107は、もっぱらハードウェアにより実現され、これらハードウェアは、本実施形態における省電力動作により省電力化が図られる対象である。
【0032】
有線LAN部108は、他の無線アクセスポイントと通信を行う手段であるEthernet回線を収容する部分である。
【0033】
なお、無線アクセスポイント200は無線アクセスポイント100と同等の構成をしているため、その詳細な説明は省略する。
【0034】
また、無線端末300は、電波送信部301、電波受信部302、省電力処理用バッファ303、制御部304、スキャン結果テーブル305及びアプリケーションソフトウェア306を含む。
【0035】
電波送信部301及び電波受信部302は、それぞれ無線通信時の電波の受信又は送信を行う部分である。電波送信部301及び電波受信部302も、電波受信部106及び電波送信部107と同様に、もっぱらハードウェアにより実現され、これらハードウェアは、省電力動作により省電力化が図られる対象である。
【0036】
省電力処理用バッファ303は、省電力状態にあるために送信できないデータを一時的に蓄えておくバッファである。
【0037】
制御部304は、無線端末300全体を制御する部分である。制御部304は無線端末300に格納される本実施形態特有のプログラムに基づいた演算処理の結果に応じて、無線端末300に含まれるハードウェアを制御することにより各機能ブロックを制御する。
【0038】
スキャン結果テーブル305は、無線端末300による周辺無線アクセスポイントのスキャン時に取得された情報を格納するテーブルである。
【0039】
アプリケーションソフトウェア306は、無線端末300上で動作する任意のアプリケーションソフトウェアであり、通信相手400との間でデータを送受信することにより通信を行う。
【0040】
通信相手400は、有線LAN部108等と同様な無線アクセスポイントと通信を行う手段であるEthernet回線を収容する部分を含む。通信相手400は無線アクセスポイントを介して無線端末300と通信を行う機器であれば、任意の機器であれば良く、特に制限はない。また、本説明では通信相手400と各無線アクセスポイントは有線LANにて通信を行うことを想定するが、通信相手400と各無線アクセスポイントが無線にて通信を行っても良い。また、通信相手400が中継装置であり、通信相手400に更に他の通信機器が接続されていても良い。
【0041】
なお、以下の説明では例えば「無線アクセスポイント100の制御部104」が主体となって何らかの処理を実行する場合においても、適宜「無線アクセスポイント100」が何らかの処理を実行する、というように制御部を省略して記載する。これは、無線アクセスポイント200及び無線端末300についても同様であるとする。
【0042】
続いて、
図3、
図4及び
図6のシーケンス図を参照しながら本実施形態の動作について説明をする。なお、
図3、
図4及び
図6の何れにおいても破線は無線パケットの送信及び受信を表す。すなわち、無線端末300の電波送信部301及び電波受信部302と、無線アクセスポイント100の電波送信部107及び電波受信部106又は無線アクセスポイント200の電波送信部207及び電波受信部206間の通信を表す。
【0043】
一方で、
図3、
図4及び
図6の何れにおいても実線はEthernetに準拠した有線LANを経由した通信を表す。つまり、無線アクセスポイント100の有線LAN部108、無線アクセスポイント200の有線LAN部208及び通信相手400の有線LAN部401間の通信を表す。なお、無線端末300と通信相手400との通信もその一部において有線LANを経由しているため、実線にて表す。
【0044】
ここで、本実施形態では無線端末300が実行する省電力状態として「端末省電力状態」がある。また、各無線アクセスポイントが実行する省電力状態として「第1の省電力状態」と「第2の省電力状態」がある。
【0045】
まず
図3を参照して、本実施形態における第1の省電力状態について説明する。なお、
図3では無線アクセスポイント100を例に取って説明を行うが、無線アクセスポイント200も同様の処理を行うものとする。
【0046】
まず、各無線アクセスポイントは予めBeacon送信間隔として所定の間隔を設定しておく。
【0047】
そして、無線アクセスポイント100の電波受信部106は、第1の省電力状態の場合、無線アクセスポイント100に定められたBeacon送信間隔でWake状態となり、無線端末が送信したパケットを受信処理し、再度Sleep状態となることで第1の省電力状態を継続する。
【0048】
無線アクセスポイント100の電波送信部107は、第1の省電力状態の場合、Beacon送信間隔でWake状態となり、Beaconパケットを送信する。そして、送信後再度Sleep状態となることで第1の省電力状態を継続する。
【0049】
つまり、第1の省電力状態とは、電波受信部106及び電波送信部107がBeacon送信間隔でSleep状態とWake状態を繰り返す状態であり、間欠的に電波受信部106及び電波送信部107がSleep状態となることにより電力を節約するものである。
【0050】
無線アクセスポイント100の、省電力状態切り替え可否と、省電力状態と、Beacon送信間隔は、Beaconパケットのペイロード部分に含まれ、全ての無線端末に通知される。
【0051】
無線端末300は、無線アクセスポイント100が送信したBeaconパケットから、無線アクセスポイント100及び無線アクセスポイント200の、省電力状態切り替え可否と、省電力状態と、Beacon間隔を取得し、スキャン結果テーブル305に記憶する。
【0052】
続いて、端末省電力状態について説明する。
【0053】
無線端末300の電波受信部302は、端末省電力状態において、無線アクセスポイント100が送信するBeaconパケットに含まれるBeacon送信間隔を取得し、スキャン結果テーブル305に記憶する。そして記憶後は、無線端末300は省電力状態切り替え可否が有効であるBeaconパケットを受信後、端末省電力状態となり、Beacon送信間隔で設定された間隔でWake状態となり無線アクセスポイント100からのパケットを受信する。
【0054】
具体的には、端末省電力状態にある無線端末300は、無線アクセスポイント100がBeaconパケットにより指定したDTIM PeriodとListen Intervalを掛けた時間間隔で無線アクセスポイント100のBeaconを受信し、無線端末300のアソシエーションIDに対応するTIMビットが1となっている場合、Wake状態となる。無線端末300はPower Save Bitが0に設定されたNULLパケットを無線アクセスポイント100に送信する。無線端末300からNULLパケットを受信した無線アクセスポイント100は、省電力処理用バッファ105に格納した無線端末300宛のすべてのパケットを無線端末300に対し送信する。
【0055】
更に、無線端末300の電波送信部301は、端末省電力状態において、無線アクセスポイントが送信するBeaconパケットに含まれるBeacon送信間隔に設定された間隔でアクセスポイントにパケットを送信する。
【0056】
つまり、端末省電力状態とは、第1の省電力状態と同様に、電波受信部302及び電波送信部301がBeacon送信間隔でSleep状態とWake状態を繰り返す状態であり、間欠的に電波受信部302及び電波送信部301がSleep状態となることにより電力を節約するものである。
【0057】
続いて、無線端末300が無線アクセスポイントに帰属する際の処理について説明する。無線端末300の電波送信部301は、何れの無線アクセスポイントにも帰属していない状態で、Wake状態となり、Beacon送信間隔でProbe Requestを周辺の全ての無線アクセスポイントに対して送信する。更に、無線端末300の電波受信部302は、無線アクセスポイントからのProbe Responseパケットを受信することで、周辺の無線アクセスポイントのスキャンを行う。
【0058】
無線端末300はスキャンの結果、周辺に無線アクセスポイントが存在しない場合、端末省電力状態となる。
【0059】
一方、周辺に無線アクセスポイントが存在する場合、無線端末300はスキャンの結果として、Probe Responseパケットを受信する。この際、無線端末300は、受信したProbe Responseパケット受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を測定する。そして、無線アクセスポイントから一定以上のRSSIを有するProbe Responseパケットを受信した場合に、そのアクセスポイントが無線端末300の周辺に存在するとみなす。無線端末300は、無線端末300の周辺に存在するとみなせるアクセスポイントに関して、スキャン結果テーブル305に「Probe Responseパケットに含まれている無線アクセスポイントのBSSID(Basic Service Set Identifier),RSSI,チャネル」を保存する。
【0060】
上述した、これらの動作の一例について
図3を参照して説明する。本説明において無線端末300はBeacon送信間隔を未だ把握しておらず、また、無線アクセスポイント100は第1の省電力状態であったとする。
【0061】
まず、無線端末300の電波送信部301が、無線アクセスポイント100に対してProbe Requestパケットを送信する(ステップS51)。しかし、無線アクセスポイント100の電波受信部106は、Sleep状態であるため、このProbe Requestパケットは到達しない。
【0062】
一方で、無線アクセスポイント100の電波送信部107は、Beacon送信間隔でWake状態となるたびにBeaconパケットを送信する(ステップS52、ステップS54)。なお、ステップS56と同じタイミングでもBeaconパケットは送信されているが図示の都合上、このステップS56と同じタイミングのBeaconパケット送信は図示を省略する。
【0063】
無線端末300の電波受信部302は、Beaconパケットを受信し(ステップS52、ステップS55、ステップS56と同じタイミング)。無線端末300は、Beaconパケットのペイロードを参照することによりBeacon送信間隔を把握する。
【0064】
そして、Beacon送信間隔は電波送信部301に通知される(ステップS53)。電波送信部301は、通知されたBeacon送信間隔に基づいて次回無線アクセスポイント100がWake状態になるまで待機し、次回の無線アクセスポイント100のWake状態時にProbe Requestパケットを送信する(ステップS55)。その後は、Beacon送信間隔に基づいて無線端末300と無線アクセスポイント100はデータを送受信する(ステップS56)。本実施形態ではこのようにすることにより、各送信部のみならず各受信部についてもSleep状態とすることが可能となり、より効果的に省電力化を図ることが可能となる。
【0065】
続いて
図4を参照して、本実施形態の動作の一例について説明する。
【0066】
本説明においては、無線端末300は何れの無線アクセスポイントにも帰属していない状態であり、更に端末省電力状態であったとする(ステップS1−1)。
【0067】
また、無線アクセスポイント100及び無線アクセスポイント200は、無線端末が一台も帰属していない場合、第1の省電力状態となる(ステップS1−2及びステップS1−3)。
【0068】
無線端末300は何れの無線アクセスポイントにも帰属していない状態でも、一定間隔で、帰属先の無線アクセスポイントが発見されるまで、Wake状態となり、一定間隔でProbe Requestを周辺の全ての無線アクセスポイントに対して送信する(ステップS2)。
【0069】
この点、
図3を参照して説明したように、無線アクセスポイント100の電波受信部106及び無線アクセスポイント200の電波受信部206は、第1の省電力状態の場合、予め無線アクセスポイント100及び無線アクセスポイント200に定められたBeacon間隔設定の間隔でWake状態となる。そして、無線端末300がステップS2にて送信したProbe Requestを受信可能な状態にあるとする。
【0070】
もっとも、本説明では無線端末300と無線アクセスポイント100間は通信可能な距離であったが、無線端末300と無線アクセスポイント200間は通信不可能なほど距離が離れていたものとする。そのため、無線端末300が送信したProbe Requestは、無線アクセスポイント100により受信されるが、無線アクセスポイント200では受信されない。
【0071】
これにより、無線アクセスポイント100は受信したProbe Requestに応じた処理を開始するが(ステップS3−1)、無線アクセスポイント200は、第1の省電力状態を継続する。
【0072】
続いて、無線アクセスポイント100は無線端末300がスキャンを行うことで送信したProbe Requestを受信した際、Probe Responseを無線端末300に対して送信する(ステップS4)。
【0073】
他方、無線アクセスポイント100は無線端末300がスキャンを行うことで送信したProbe Requestを受信した際、他の無線アクセスポイントに対し、無線端末300のスキャン情報を、有線LAN部108を介し送信する。ここで、送信先となる他の無線アクセスポイントとは、他の無線アクセスポイントとの位置関係を記したアクセスポイント位置情報テーブル103に登録された全ての無線アクセスポイントである。
【0074】
例えば、無線アクセスポイント100のアクセスポイント位置情報テーブル103に無線アクセスポイント200が登録されているのならば、無線アクセスポイント100は、無線アクセスポイント200に対し無線端末300のスキャン情報を送信する。なお、仮にステップS2におけるProbe Requestが無線アクセスポイント200に到達していたのならば、無線アクセスポイント200から無線アクセスポイント100に対し無線端末300のスキャン情報が送信される。なお、仮に無線端末300と無線アクセスポイント200間が通信可能な距離であった場合には、無線アクセスポイント200も無線端末300がステップS2にて送信したProbe Requestを受信する。そして、無線アクセスポイント200は受信したProbe Requestに応じた処理を開始し、Probe Responseを無線端末300に対して送信する。またこの場合には、無線アクセスポイント200は、無線アクセスポイント100に対し無線端末300のスキャン情報を送信する。
【0075】
次に、ステップS4におけるProbe Responseを受信した無線端末300は、このProbe Responseが一定以上のRSSIを有していたことから、無線アクセスポイント100への帰属・認証シーケンスを開始する(ステップS7〜10)。この帰属・認証シーケンスはIEEE802.11に準拠した一般的な技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0076】
無線アクセスポイント100は、自身に帰属した無線端末300に関する情報を端末情報テーブル102へ追加する。
【0077】
ここで、
図5を参照して端末情報テーブル102に格納される情報の具体例について説明する。
図5を参照すると、端末情報テーブル102には、無線端末300のMAC(Media Access Control)アドレス、帰属先のアクセスポイントのBSSID、アソシエーションID及び省電力状態を保存する。端末情報テーブル102において、無線端末300の省電力状態は、初期で端末省電力状態ではない状態、すなわち省電力状態「無効」である。
【0078】
無線アクセスポイント100は、無線端末300が帰属すると、有線LAN部108を介し、無線端末300が通知したBSSIDに対応する、位置情報テーブル103に登録された他の無線アクセスポイントに対し、無線端末300のMACアドレス、無線端末300が無線アクセスポイント100に帰属した時刻を含む端末情報(MACアドレス、無線アクセスポイント100のBSSID、帰属時刻及び省電力状態)を通知する(ステップS13)。例えば、無線アクセスポイント100は位置情報テーブル103に無線アクセスポイント200が登録されているのであれば、有線LAN部108を介して無線アクセスポイント200に端末情報を送信する(ステップS11)。
【0079】
無線アクセスポイント200は、無線アクセスポイント100が送信した無線端末300の端末情報(MACアドレス、無線アクセスポイント100のBSSID、帰属時刻及び省電力状態)を、有線LAN部208を介して受信し、端末情報テーブル202に追加する。無線アクセスポイント200は、端末スキャン情報テーブル201から、ステップS5において登録した無線端末300の端末スキャン情報を削除するとともに、電波送信部207の機能を停止する「第2の省電力状態」となる(ステップS12)。上述したように第1の省電力状態では、Beacon送信間隔にて、周期的にWake状態となり電波送信部207及び電波受信部206が動作していた。しかし、第2の省電力状態になった場合には、このように周期的にWake状態となることはない。そのため、第1の省電力状態と比較して更に省電力化を図ることが可能となる。もっとも、無線アクセスポイント200は、第2の省電力状態である場合には無線端末300がスキャンを行うために送信したProbe Requestを受信しない。しかし、端末情報テーブル102に登録されていない無線端末300がスキャン動作を行った際のスキャン情報を他の無線アクセスポイント(例えば無線アクセスポイント100)から受信したときには、Wake状態となる。この点の動作については後述する。
【0080】
無線端末300は、無線アクセスポイント100に帰属後、無線アクセスポイント100を介して通信相手400とデータパケットを送受信する(ステップS13)。その後、無線端末300は、IEEE802.11の既知の動作である、省電力動作に基づき端末省電力状態へ遷移する。具体的には、無線端末300は帰属先の無線アクセスポイント100に無線端末300が端末省電力状態に遷移する旨の通知として、Power Save Bitを1に設定したNULLパケットを送信する(ステップS14)。そして、無線端末300は端末省電力状態に遷移する(ステップS16−1)。
【0081】
無線アクセスポイント100は無線端末300からPower Save Bitが1に設定されたNULLパケットを受信時、無線端末300の状態が端末省電力状態である、すなわち省電力状態「有効」である、として端末情報テーブル102に格納された無線端末300の端末情報を更新する。
【0082】
無線アクセスポイント100は更新後の端末情報を有線LAN部108を介し無線アクセスポイント200に送信する(ステップS15)。そして、無線アクセスポイント100は第1の省電力状態へと遷移する(ステップS16−2)。また、更新後の端末情報を受信した無線アクセスポイント200は有線LAN部208を介し、端末情報テーブル202に格納された無線端末300の端末情報を更新する。
【0083】
その後、端末省電力状態である無線端末300のアプリケーションソフトウェア306が、通信相手400との通信を開始する。まず、アプリケーションソフトウェア306はパケットを電波送信部301宛に送信する。もっとも、無線端末300が端末省電力状態であり、また、無線アクセスポイント100も第1の省電力状態である。そこで、電波送信部301は通信相手400宛のパケットをそのまま送信するのではなく、通信相手400宛のパケットを省電力処理用バッファ303に一旦保存する。
【0084】
無線端末300は、端末省電力状態を終了し(ステップS17)、無線アクセスポイント100から指定されたListen Intervalが経過するまで待ったのち、省電力処理用バッファ303に保存されたパケットを、Power Save Bitを0に設定し送信する(ステップS18)。無線端末300の電波送信部302において、無線アクセスポイント100への送信に成功したパケットは、省電力処理用バッファ303から削除される。なお、省電力処理用バッファ303に保存されたパケットを、送信するに先だって、Power Save Bitを0に設定したNULLパケットを送信するようにしても良い。
【0085】
無線アクセスポイント100はWake状態で無線端末300からPower Save Bitが0に設定されたNULLまたはデータパケットを受信した際、無線端末300の状態を端末省電力状態ではない、すなわち省電力状態「無効」であるとして無線端末300の端末情報テーブル102を更新する。併せて、無線アクセスポイント100は無線端末300からPower Save Bitが0に設定されたNULLまたはデータパケットを受信した際、第1の省電力状態を終了させる(ステップS19)。
【0086】
端末省電力状態を終了した無線端末300のアプリケーションソフトウェア306が、データパケットを通信相手400との間で送受信する(ステップS20)。そして、通信相手400との間でのデータ通信が終了した際、無線端末300はPower Save Bitを1に設定したNULLパケットを無線アクセスポイント100に送信する(ステップS22)。この送信により、無線端末300が端末省電力状態に遷移することを無線アクセスポイント100に通知する。その後無線端末300は端末省電力状態に遷移する(ステップS24−1)。
【0087】
無線アクセスポイント100は、無線端末300が端末省電力状態となった場合、無線端末300の状態を端末省電力状態である、すなわち省電力状態「有効」であるとして無線端末300の端末情報テーブル102を更新する。併せて無線アクセスポイント100は、無線端末300の端末情報を、有線LAN部108を介し無線アクセスポイント200に送信する(ステップS23)。そして、無線アクセスポイント100は、端末情報テーブル102に登録された帰属しているすべての無線端末が端末省電力状態に入った際、第1の省電力状態に入る(ステップS24−2)。
【0088】
無線アクセスポイント200は有線LAN部208を介し受信した無線端末300の端末情報をもとに、端末情報テーブル202に格納された無線端末300の端末情報を更新する。
【0089】
なお、無線端末300は、通信相手400との間でのデータ通信と平行してProbe Requestを周辺の全ての無線アクセスポイントに対して送信する。この点、無線アクセスポイント200は、現在第2の省電力状態であるため、無線端末300と無線アクセスポイント200との距離が、仮にProbe Requestが受信できる程度に近距離であったとしてもProbe Requestを受信しない(ステップS21)。
【0090】
続いて、
図6を参照して動作の説明を行う。
【0091】
無線アクセスポイント100に帰属中の無線端末300は、現在帰属している無線アクセスポイント100のRSSIが低下した際、無線アクセスポイント100への帰属を維持したまま、無線アクセスポイント100よりも電波環境のよい他の無線アクセスポイントへのハンドオーバを試みる。
【0092】
無線端末300は、ハンドオーバを試みるために無線アクセスポイントのスキャンを行う際、現在帰属している無線アクセスポイント100に対しスキャン開始を通知する。スキャン開始の通知はProbe Requestパケットの情報要素「ハンドオーバ予定スキャン可否」が有効に設定され、無線アクセスポイント100に通知される(ステップS25)。なお、無線端末300はハンドオーバを伴わないスキャンを行う場合には、Probe Requestパケットの情報要素「ハンドオーバ予定スキャン可否」を無効に設定し、Probe Requestパケットを送信する。
【0093】
無線アクセスポイント100は無線端末300のProbe Requestパケットを受信した際、第1の省電力状態を終了する(ステップS26)。そして、無線アクセスポイント100は、Probe Responseを無線端末300に対して送信する(ステップS27)。
【0094】
また、無線アクセスポイント100は、無線端末300のProbe Requestパケットの情報要素「ハンドオーバ予定スキャン可否」が有効に設定されていれば、無線端末300のスキャン情報を端末スキャン情報テーブル101に追加し、アクセスポイント位置情報テーブル103に登録されたすべての無線アクセスポイントに対し、無線端末300のスキャン情報を送信する(ステップS28)。
【0095】
他方、ステップS22として説明したように、無線アクセスポイント200は、第2の省電力状態である場合には無線端末300がスキャンを行うために送信したProbe Requestを受信しない。よってステップS25におけるProbe Requestパケットは無線アクセスポイント200には到達しない。
【0096】
しかし、端末スキャン情報テーブル201に登録されていない無線端末300がスキャン動作を行った際のスキャン情報を無線アクセスポイント100から受信したときに、無線アクセスポイント200は第2の省電力状態を終了させる(ステップS29)。また、無線端末300がスキャン動作を行った際のスキャン情報を端末スキャン情報テーブル201に追加する。
【0097】
無線アクセスポイント200が第2の省電力状態を終了させた後、再度無線端末300から各無線アクセスポイントに対してProbe Requestが送信される(ステップS30)。無線アクセスポイント200は第2の省電力状態ではないため、ステップS30におけるProbe Requestを受け取り、Probe Responseを無線端末300に対して送信する(ステップS31)。
【0098】
無線端末300は、ステップS31におけるProbe Responseを受信しRSSIを測定する。そして、無線アクセスポイント100に比べ、無線アクセスポイント200のRSSIが強いと判断できた場合には無線アクセスポイント200への帰属処理を開始する(ステップS32〜ステップS35)。
【0099】
無線アクセスポイント200は無線端末300の帰属処理を完了後、アクセスポイント位置情報テーブル203に記載された無線アクセスポイント100を含むすべてのアクセスポイントに対し、無線端末300の端末情報を送信する(ステップS36)。
【0100】
無線端末300は、無線アクセスポイント200に帰属後、無線アクセスポイント200を介して通信相手400とデータパケットを送受信する(ステップS38)。その後、無線端末300は、IEEE802.11の既知の動作である、省電力動作に基づき端末省電力状態へ遷移する。具体的には、無線端末300は帰属先の無線アクセスポイント200に無線端末300が端末省電力状態に遷移する旨の通知として、Power Save Bitを1に設定したNULLパケットを送信する(ステップS39)。そして、無線端末300は端末省電力状態に遷移する(ステップS40−1)。また、無線アクセスポイント200も第1の省電力状態へと遷移する(ステップS40−2)。
【0101】
他方、無線端末300の端末情報を受信した無線アクセスポイント100は、端末情報テーブル102を更新し、無線端末300が現在は無線アクセスポイント200へ帰属し、無線アクセスポイント100へ帰属していないと見なす。無線アクセスポイント100は帰属していたすべての無線端末が帰属解除し、端末情報テーブル102の登録が無くなった場合、第2の省電力状態に遷移する(ステップS37)。
【0102】
以上で
図6に表される動作についての説明を終了する。
【0103】
以上説明した本実施形態では、「第1の省電力状態」へと遷移させ、電波送信部に加えて電波受信部も停止することから消費電力を低減させることが可能となる、という効果を奏する。
【0104】
また、端末が帰属していない無線アクセスポイントを、更に「第2の省電力状態」に遷移させ、その間電波送信部及び電波受信部を停止させることで、無線アクセスポイントの消費電力をさらに低減させることができる、という効果を奏する。
【0105】
なお、
図6に表される動作では、無線端末300は、ステップS31におけるProbe Responseを受信し、RSSIを測定し、無線アクセスポイント100に比べ、無線アクセスポイント200のRSSIが強いと判断できたので無線アクセスポイント200への帰属処理を開始していた。もっとも、無線端末300がスキャンを行い、その後、無線アクセスポイントとの距離が離れている等の理由で、無線端末300で測定された無線アクセスポイントのスキャン結果のRSSIが弱く、結果どの無線アクセスポイントにも帰属を行わないという場合も考えられる。この場合、無線端末300の周辺の無線アクセスポイント100と無線アクセスポイント200は、それぞれ一定時間で端末スキャン情報テーブル101と端末スキャン情報テーブル201から無線端末300の情報を削除する。無線アクセスポイント100は、端末スキャン情報テーブル101に登録されている無線端末が無い場合、第2の省電力状態となる。
【0106】
他にも、以下のように帰属解除が発生する場合も考えられる。
【0107】
無線アクセスポイント100に帰属している無線端末300は、電源断(帰属時刻や最後にパケットを送受信してから一定時刻が経過)や無線アクセスポイント100のサービス圏内から圏外へ移動するなどの理由により、無線アクセスポイント100から帰属を解除する。
【0108】
無線端末300から帰属解除要求を受けた無線アクセスポイント100は、端末情報テーブル102から無線端末300の情報を削除する。無線アクセスポイント100は、省端末情報テーブル102の登録が無くなった場合、無線アクセスポイント100からすべての無線端末が帰属解除したと見なし、第2の省電力状態に遷移する。なお無線アクセスポイント200も無線アクセスポイント100と同じ動作を行う。
【0109】
なお、全ての無線アクセスポイントが第2の省電力状態に遷移してしまうことを防止するために、各アクセスポイント位置情報テーブルに登録されている無線アクセスポイントの内の少なくとも1つを代表無線アクセスポイントとして設定しておくことも考えられる。そして、代表無線アクセスポイントは第2の省電力状態には遷移しないように設定することも考えられる。
【0110】
また、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0111】
例えば上述の説明では、無線端末300が帰属する無線アクセスポイント100と、周囲の他の無線アクセスポイント200はEthernetで接続されデータの通信を行うとして説明した。もっとも、無線アクセスポイント間の通信をEthernet以外の通信手段(例えば3G(3rd Generation)回線やISDN(Integrated Services Digital Network)回線)を経由して行うようにしても良い。
【0112】
なお、上記の無線アクセスポイント並びに無線端末はそれぞれ、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記の無線アクセスポイント並びに無線端末により行なわれる通信方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0113】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0114】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0115】
(付記1) 電波送信手段及び電波受信手段が間欠的な動作をする第1の省電力状態であって、該間欠的な動作における動作期間において、前記電波送信手段が、無線端末が受信可能な電波を送信し、前記電波受信手段が、前記無線端末から送信された電波を受信することが可能な状態となるような第1の省電力状態をとることがあることを特徴とする無線アクセスポイント。
【0116】
(付記2) 付記1に記載の無線アクセスポイントであって、
前記電波送信手段は、前記無線端末が前記動作期間に当該無線アクセスポイントへ電波に含ませた情報を送信することができるように、前記動作期間を示す情報を、前記無線端末が受信可能な電波で送信し、
前記電波受信手段は、前記無線端末が前記動作期間に送信した電波を、前記動作期間に受信することを特徴とする無線アクセスポイント。
【0117】
(付記3) 付記1又は2に記載の無線アクセスポイントであって、
前記無線端末が受信可能な電波は、ビーコン信号及び前記動作期間を示す情報を含むことを特徴とする無線アクセスポイント。
【0118】
(付記4) 付記1乃至3の何れか1に記載の無線アクセスポイントであって、
前記電波受信手段が、前記無線端末から、前記無線端末が当該無線アクセスポイントに帰属するための信号を前記動作期間に受信したことを少なくとも1つの契機として、前記第1の省電力状態を終了することを特徴とする無線アクセスポイント。
【0119】
(付記5) 付記1乃至4の何れか1に記載の無線アクセスポイントであって、
前記電波受信手段が、当該無線アクセスポイントに帰属している唯一の無線端末から該無線端末と通信相手との通信が終了した旨の通知である第1の通知を受信したならば、前記通信を可能にしていた所定の状態から前記第1の省電力状態に遷移し、
前記第1の省電力状態にある時に、前記電波受信手段が、何れかの無線端末から該無線端末と何れかの通信相手との通信を開始する旨の通知である第2の通知を受信したならば、前記第1の省電力状態から前記通信を可能にする所定の状態に遷移することを特徴とする無線アクセスポイント。
【0120】
(付記6) 付記1乃至5に記載の無線アクセスポイントであって、
当該無線アクセスポイントに帰属している無線端末がおらず、且つ、何れかの前記無線端末が何れかの他の無線アクセスポイントに帰属していることを条件に、前記電波送信手段及び電波受信手段の双方を常時停止させる第2の省電力状態をとることを特徴とする無線アクセスポイント。
【0121】
(付記7) 付記6に記載の無線アクセスポイントであって、
他のアクセスポイントより該他のアクセスポイントに帰属していた無線端末が何れかのアクセスポイントへの再帰属を開始する旨の通知を受けるまでは前記第2の省電力状態を継続することを特徴とする無線アクセスポイント。
【0122】
(付記8) 付記2乃至7の何れか1に記載の無線アクセスポイントであって、
前記電波送信手段は、前記無線端末が次回以降の前記動作期間に当該無線アクセスポイントへ電波に含ませた情報を送信することができるように、前記次回以降の前記動作期間を示す情報を、今回の前記動作期間に、前記無線端末が受信可能な電波で送信し、
前記電波受信手段は、前記無線端末が前記次回以降の前記動作期間に送信した電波を、前記次回以降の前記動作期間に受信することを特徴とする無線アクセスポイント。
【0123】
(付記9) 付記1乃至8に記載の無線アクセスポイントであって、
当該無線アクセスポイントに帰属している無線端末がおらず、且つ、前記再帰属を開始する旨の通知元となり得る他の全ての無線アクセスポイントに帰属している無線端末もいないことを条件に、前記第1の省電力状態をとることを特徴とする無線アクセスポイント。
【0124】
(付記10) 付記1乃至9の何れか1に記載の無線アクセスポイントと、前記無線端末とを備えた通信システムであって、
前記無線端末が、前記電波送信手段が送信した電波に含まれる前記動作期間を示す情報に基づいて、前記動作期間に前記電波受信手段に向けて電波を送信することを特徴とする通信システム。
【0125】
(付記11) 電波送信手段及び電波受信手段が間欠的な動作をする第1の省電力状態であって、該間欠的な動作における動作期間において、前記電波送信手段が、無線端末が受信可能な電波を送信し、前記電波受信手段が、前記無線端末から送信された電波を受信することが可能な状態となるような第1の省電力状態をとることがあることを特徴とする無線アクセスポイントの前記電波送信手段が送信した電波に含まれる前記動作期間を示す情報に基づいて、前記動作期間に前記電波受信手段に向けて電波を送信することを特徴とする無線端末。
【0126】
(付記12) 無線アクセスポイントが、電波送信手段及び電波受信手段が間欠的な動作をする第1の省電力状態であって、該間欠的な動作における動作期間において、前記電波送信手段が、無線端末が受信可能な電波を送信し、前記電波受信手段が、前記無線端末から送信された電波を受信することが可能な状態となるような第1の省電力状態をとることがあることを特徴とする通信方法。
【0127】
(付記13) 無線アクセスポイントと、前記無線端末とを備えたシステムが行う通信方法であって、
前記無線アクセスポイントが、電波送信手段及び電波受信手段が間欠的な動作をする第1の省電力状態であって、該間欠的な動作における動作期間において、前記電波送信手段が、無線端末が受信可能な電波を送信し、前記電波受信手段が、前記無線端末から送信された電波を受信することが可能な状態となるような第1の省電力状態をとり、
前記無線端末が、前記電波送信手段が送信した電波に含まれる前記動作期間を示す情報に基づいて、前記動作期間に前記電波受信手段に向けて電波を送信することを特徴とする通信方法。
【0128】
(付記14) 電波送信手段及び電波受信手段が間欠的な動作をする第1の省電力状態であって、該間欠的な動作における動作期間において、前記電波送信手段が、無線端末が受信可能な電波を送信し、前記電波受信手段が、前記無線端末から送信された電波を受信することが可能な状態となるような第1の省電力状態をとることがあることを特徴とする無線アクセスポイントの前記電波送信手段が送信した電波に含まれる前記動作期間を示す情報に基づいて、前記動作期間に前記電波受信手段に向けて電波を送信することを特徴とする通信方法。
【0129】
(付記15) 無線端末との通信を行うための電波送信手段及び電波受信手段を備えたコンピュータを、
電波送信手段及び電波受信手段が間欠的な動作をする第1の省電力状態であって、該間欠的な動作における動作期間において、前記電波送信手段が、無線端末が受信可能な電波を送信し、前記電波受信手段が、前記無線端末から送信された電波を受信することが可能な状態となるような第1の省電力状態をとることがある無線アクセスポイントとして機能させることを特徴とする通信プログラム。
【0130】
(付記16) 電波送信手段及び電波受信手段が間欠的な動作をする第1の省電力状態であって、該間欠的な動作における動作期間において、前記電波送信手段が、無線端末が受信可能な電波を送信し、前記電波受信手段が、前記無線端末から送信された電波を受信することが可能な状態となるような第1の省電力状態をとることがあることを特徴とする無線アクセスポイントの前記電波送信手段が送信した電波に含まれる前記動作期間を示す情報に基づいて、前記動作期間に前記電波受信手段に向けて電波を送信することを特徴とする無線端末としてコンピュータを機能させることを特徴とする通信プログラム。