(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、
図6及び
図7を参照して上記の課題について詳細に説明する。
図6及び
図7は、本発明が解決しようとする課題を説明するために本出願人において作成した図面である。
図6(a)は画像表示装置101の表示部115を模式的に示した正面図である。
図6(b)は4台の画像表示装置101a、101b、101c及び101dを備えたマルチタイリングの画像表示システム118を模式的に示した正面図である。
【0005】
図6(a)に示した例では、画像表示装置101の表示部115は、上端の1ラインから下端の1080ラインまでの1080本の画像ラインを有している。以下、画像ラインをラインと記載することもある。また、各ラインは、表示方向120に表示される。すなわち、
図6(a)に示した画像表示装置101では画像データが一定の周期で上から下へ順次表示される。この場合、画像表示装置101の一番上側のラインは1番目にデータが表示され、一番下側のラインは1080番目にデータが表示される。そして、各ラインの画像データは、次の画像データが表示されるまで1フレーム分保持される。
【0006】
一方、
図6(b)に示した画像表示システム118では、
図6(a)に示した画像表示装置101(ただし、
図6(b)では画像表示装置101aから101dと表示している)4台が上下に並べられている。この場合、画像表示システム118では、表示部115aの表示方向120a、表示部115bの表示方向120b、表示部115cの表示方向120c、及び表示部115dの表示方向120dの方向及び向きはすべて同一である。
【0007】
次に、
図7を参照して、
図6に示した画像表示システム118における動画の表示例について説明する。
図7(a)は画像表示装置101の表示部115に表示する画像データの一例を模式的に示した正面図である。
図7(b)は
図7(a)に示した縦線130を矢印の移動方向でその向きに移動させた場合の画像表示システム118における動画の表示状態を模式的に示した正面図である。
【0008】
図7(b)に示したように、複数の画像表示装置101を上下に重ねて動画を表示した場合、上から下まで1080ラインある画像表示装置101の場合、上側の画像表示装置101(例えば画像表示装置101a)の一番下側のラインは1080番目にデータが表示され1フレーム分保持される。一方で下側の画像表示装置(例えば画像表示装置101b)の上側の画像表示装置101(この例では画像表示装置101a)と接した1番目のラインは1番目にデータが表示される。すなわち、各表示部115a、115b、115c及び115dで表示される縦線130a、130b、130c及び130dは、1080番目のラインが1番目のラインよりも進行の向き130aから130dに対して最大1フレーム分遅れて表示される。そのため、ため、上下に並んだ画像表示装置101(この例では画像表示装置101a)と画像表示装置101(この例では画像表示装置101b)とでは境界面で画像にずれが生じてしまう。すなわち、1番上の画像表示装置101aと2番目の画像表示装置101b、2番目の画像表示装置101bと3番目の画像表示装置101c、及び3番目の画像表示装置101cと4番目の画像表示装置101dでは、境界面で画像にずれが生じてしまうことになる。
【0009】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、並列した少なくとも2台の画像表示装置の境界面で生じる動画のずれを小さく抑えることができる画像表示装置、画像表示システム及び画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である画像表示装置は、画像データを水平方向及び垂直方向に表示する表示部と、他画像表示装置から出力された所定の位置情報信号の入力の有無を検出する検出部と、前記検出部による検出結果に応じて自画像表示装置から位置情報信号を出力するか否かを指示する信号出力制御部と、前記信号出力制御部が位置情報信号を出力するよう指示している場合に位置情報信号を出力する信号出力部と、前記検出部による検出結果に応じて前記表示部に対して垂直表示の向きの切り替えを指示する表示方向切替制御部と、前記画像データを入力する画像データ入力部と、前記検出部による検出結果に応じて画像ライン毎の送信順序を切り替えて、前記画像データ入力部が入力した画像データを前記表示部に対して送信する画像データ送信切り替え部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様である画像表示システムは、画像データを水平方向及び垂直方向に表示する表示部と、他画像表示装置から出力された所定の位置情報信号の入力の有無を検出する検出部と、前記検出部による検出結果に応じて自画像表示装置から位置情報信号を出力するか否かを指示する信号出力制御部と、前記信号出力制御部が位置情報信号を出力するよう指示している場合に位置情報信号を出力する信号出力部と、前記検出部による検出結果に応じて前記表示部に対して垂直表示の向きの切り替えを指示する表示方向切替制御部と、前記画像データを入力する画像データ入力部と、前記検出部による検出結果に応じて画像ライン毎の送信順序を切り替えて、前記画像データ入力部が入力した画像データを前記表示部に対して送信する画像データ送信切り替え部と、を備える画像表示装置を、
複数備え、かつ、前記複数の画像表示装置を前記垂直表示の向きに複数並べることで構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様である画像表示方法は、画像データを水平方向及び垂直方向に表示する表示部と、他画像表示装置から出力された所定の位置情報信号の入力の有無を検出する検出部と、
位置情報信号を出力するか否かを指示する信号出力制御部と、前記信号出力制御部が位置情報信号を出力するよう指示している場合に位置情報信号を出力する信号出力部と、前記画像データを入力する画像データ入力部とを用い、前記検出部による検出結果に応じて自画像表示装置から位置情報信号を出力するか否かを指示する過程と、前記検出部による検出結果に応じて前記表示部に対して垂直表示の向きの切り替えを指示する過程と、前記検出部による検出結果に応じて画像ラインの送信順序を切り替えて、前記画像データ入力部が入力した画像データを前記表示部に対して送信する過程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の画像表示装置を例えば垂直方向に複数並べた場合、例えば下から数えて奇数番目の画像表示装置の垂直表示の向きを上から下に、そして、下から数えて偶数番目の画像表示装置の垂直表示の向きを下から上にというように互いに異なる向きに設定することができる。この場合、奇数番目の画像表示装置と偶数番目の画像表示装置との境界面の表示ラインの表示順序を一致させることができる。よって、並列した少なくとも2台以上の画像表示装置の境界面で生じる動画のずれを小さく抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明による画像表示装置の一実施形態について説明する。
図1は、本発明による画像表示装置の一実施形態の構成を示したブロック図である。本実施形態の画像表示装置1は、液晶表示装置として構成されている。画像表示装置1は、検出部11、赤外線制御部12、赤外線送信部13、表示方法切替制御部14、液晶表示部15、画像データ送信切り替え部16及び画像データ入力部17を備えている。ただし、本発明の画像表示装置1は液晶表示装置として構成する場合に限らず、他の表示媒体などを用いた表示装置として構成することもできる。
【0016】
検出部11は、他の画像表示装置1の赤外線送信部13から送信された所定の位置情報信号の入力の有無を検出する。ここで、所定の位置情報信号は、例えば、所定のデータを表す赤外線変調信号などの光無線信号である。検出部11は、入射した赤外線信号を電気信号に変換する光電気変換素子とその出力信号に基づいて所定の位置情報信号が入力されているか否かを判定する処理を行うための信号処理回路などから構成することができる。検出部11は、他の画像表示装置1の赤外線送信部13から送信された所定の位置情報信号の入力の有無を検出結果として示す信号を、赤外線制御部12、表示方向切替制御部14及び画像データ送信切り替え部16に対して出力する。
【0017】
なお、所定の位置情報信号は、赤外線信号に限らず、可視光信号であってもよい。また、近距離通信用の無線信号であってもよい。また、無線信号に限らず、有線信号であってもよい。なお、有線信号とする場合の構成について後述する。
【0018】
赤外線制御部12は、検出部11による所定の位置情報信号の検出結果に応じて自画像表示装置1(すなわち赤外線送信部13)から位置情報信号を出力するか否かを指示する信号処理回路である。赤外線制御部12は、検出部11から所定の位置情報信号の検出ありとの検出結果を示す信号が送られてきた場合に、例えば、赤外線送信部13に対して、位置情報信号を停止するよう指示する制御信号を出力する。また、赤外線制御部12は、検出部11から所定の位置情報信号の検出なしとの検出結果を示す信号が送られてきた場合に、赤外線送信部13に対して、位置情報信号を出力するよう指示する制御信号を出力する。
【0019】
赤外線送信部13は、赤外線制御部12が位置情報信号を出力するよう指示している場合に所定の位置情報信号を出力する。ここで、所定の位置情報信号は、検出部11が検出する位置情報信号と同一あるいは同等の赤外線信号であり、例えば、所定のデータを表す赤外線変調信号などの光無線信号である。赤外線送信部13から出力された位置制御信号は、他の画像表示装置1の検出部11が入力の有無を検出する信号となる。
【0020】
表示方法切替制御部14は、検出部11による検出結果に応じて液晶表示部15に対して垂直表示の向きの切り替えを指示する信号処理回路である。表示方法切替制御部14は、検出部11から所定の位置情報信号の検出ありとの検出結果を示す信号が送られてきた場合に、液晶表示部15に対して、例えば、画像の表示方向を下から上にするよう指示する信号を出力する。また、表示方法切替制御部14は、検出部11から所定の位置情報信号の検出なしとの検出結果を示す信号が送られてきた場合に、液晶表示部15に対して、例えば画像の表示方向を上から下にするよう指示する信号を出力する。
【0021】
液晶表示部15は、液晶パネル、その駆動制御回路などから構成されていて、画像データ送信切り替え部16から受信した画像データに基づいて、水平及び垂直に表示しながら当該画像データに基づいた画像を表示する。また、液晶表示部15は、表示方法切替制御部14から入力した垂直表示の向きの切り替えを指示する信号に基づき、画像表示方向を下から上又は上から下のいずれかに切り替えて画像表示を行う。
【0022】
画像データ送信切り替え部16は、検出部11による所定の位置情報信号の検出結果に応じて、画像データ入力部17に入力された画像データのライン毎の送信順序を切り替えて、液晶表示部15へ送信する信号処理回路である。画像データ送信切り替え部16は、検出部11から所定の位置情報信号の検出ありとの検出結果を示す信号が送られてきた場合に、例えば、ライン毎の画像データを、垂直方向の下から上への順序で液晶表示部15に対して送信する。また、画像データ送信切り替え部16は、検出部11から所定の位置情報信号の検出なしとの検出結果を示す信号が送られてきた場合に、例えば、ライン毎の画像データを、垂直方向の上から下への順序で液晶表示部15に対して送信する。
【0023】
画像データ入力部17は、液晶表示部15で表示する画像データを入力し、画像データ送信切り替え部16へ出力する。画像データ入力部17は、画像表示装置1の内部に設けられている図示していない所定の記憶装置や、着脱自在の記憶媒体などから画像データを入力することができる。また、画像データ入力部17は、所定の入力端子に接続された画像データの伝送ケーブルや、画像表示装置1の内部に設けられている図示していない所定の通信部を用いることで所定の通信網を介して画像データを入力することができる。また、伝送ケーブルや、所定の通信網を介して画像データを入力する場合には、画像データは外部の画像データ再生装置や他の画像表示装置1から供給することができる。
【0024】
次に、
図2を参照して、
図1に示した画像表示装置1の外観構成例について説明する。
図2では、
図1で用いたものと同一又は対応する構成に対して同一の参照符号を用いている。
図2に示したように、画像表示装置1は、正面に液晶表示部15の表示面を有し、検出部11と赤外線送信部13の一部(又は全部)を画像表示装置1の筐体外部に設けている。検出部11と赤外線送信部13は、少なくとも受光面又は出射面を筐体外部に設けている。この場合、受光面又は出射面は、筐体外部に凸部を有するように設けられていてもよい。あるいは、受光面又は出射面は、例えば筐体外部に設けられた凹部に設けられ、あるいは面位置を同一とすることで、筐体外周面から外にはみ出すような凸部を有していなくてもよい。この場合、検出部11は、液晶表示部15の垂直方向の一方の向きから入射する位置情報信号(破線の矢印で示した)の入力の有無を検出する。また、赤外線送信部13は、液晶表示部15の垂直方向の他方の向きから位置情報信号(破線の矢印で示した)を出力する。また、検出部11と赤外線送信部13とは、
図5に示したように他の画像表示装置1と垂直表示方向に並べて設置された場合、互いに対向し、検出部11から出力された赤外線信号が赤外線送信部13で受信されるように配置されている。なお、
図2に示したように、本実施形態では、液晶表示部15の左右が水平表示方向であり、上下が垂直表示方向である。
【0025】
図3を参照して、
図1に示した画像表示装置1内の信号処理の流れについて説明する。
図3では、
図1で用いたものと同一又は対応する構成に対して同一の参照符号を用いている。また、
図3では、検出部11、赤外線制御部12、表示方法切替制御部14又は画像データ送信切り替え部16が行う処理を、先頭に英字「S」を用いた参照符号で示している。なお、画像表示装置1は、
図5に示したように複数の画像表示装置1を垂直表示の方向に複数並べられた状態で使用されたり、
図4に示したように各画像表示装置1が独立して動作する状態で使用されたりすることができる。
【0026】
図3に示したように、位置情報信号である赤外線信号の、検出部11による受信状態は、赤外線受信あり(S11)又は赤外線受信なし(S21)のどちらかになる。検出部17は、赤外線信号の受信状態が受信ありの場合(S11)、
図5に示したような配置において自画像表示装置1が下から数えて偶数段に設置されていると判断する(S12)。この場合、検出部11は、赤外線制御部12、表示方法切替制御部14及び画像データ送信切り替え部16に向けて、位置情報信号の検出ありとの検出結果を示す信号を出力する。
【0027】
検出部11から位置情報信号の検出ありとの検出結果を示す信号を入力すると、赤外線制御部12は、赤外線信号の出力を停止する(S13)。また、検出部11から位置情報信号の検出ありとの検出結果を示す信号を入力すると、表示方法切替制御部14は、画像の表示方向を下から上に切り替える所定の信号を液晶表示部15に対して出力する(S14)。また、検出部11から位置情報信号の検出ありとの検出結果を示す信号を入力すると、画像データ送信切り替え部16は、画像データの送信順序を下から上に切り替え、以後の液晶表示部15に対する画像データの出力をこの順序で繰り返し行う(S15)。
【0028】
他方、検出部11で、赤外線信号の受信状態が受信なしとされた場合(S21)、
図5に示したような配置において自画像表示装置1が下から数えて奇数段に設置されていると判断する(S22)。この場合、検出部11は、赤外線制御部12、表示方法切替制御部14及び画像データ送信切り替え部16に向けて、位置情報信号の検出なしとの検出結果を示す信号を出力する。
【0029】
検出部11から位置情報信号の検出なしとの検出結果を示す信号を入力すると、画像データ送信切り替え部16は、画像データの送信順序を上から下に切り替え、以後の液晶表示部15に対する画像データの出力をこの順序で繰り返し行う(S23)。また、検出部11から位置情報信号の検出なしとの検出結果を示す信号を入力すると、表示方法切替制御部14は、画像の表示方向を上から下に切り替える所定の信号を液晶表示部15に対して出力する(S24)。また、検出部11から位置情報信号の検出なしとの検出結果を示す信号を入力すると、赤外線制御部12は、赤外線信号の出力を開始(又はすでに開始している場合には継続)する(S25)。
【0030】
次に、
図4及び
図5を参照して、
図1に示した画像表示装置1を複数台用いる場合の動作例について説明する。
図4は、各画像表示装置1が、位置情報信号が到達可能な距離を超える間隔で設置された場合を示している。
図5は、各画像表示装置1が液晶表示部15の垂直表示の方向に複数並べた場合を示している。
図5の設置例では、各画像表示装置1が、位置情報信号が到達可能な距離以内の間隔で設置されている。なお、
図4及び
図5では、
図2で用いた参照符号の末尾に英字「a」、「b」、「c」又は「d」を追加することで、同一の構成を示している。ここで、末尾に英字「a」が付いた画像表示装置1aは4台のうち一番上に配置された画像表示装置1である。同様に、画像表示装置1b、1c及び1dは、それぞれ上から2番目、3番目及び4番目に配置された画像表示装置1である。また、赤外線送信部13a、13b、13c及び13dにおいて、赤外線信号を出力しているものを斜線で網掛けして示している。
【0031】
図4に示したように、各画像表示装置1a、1b、1c及び1dが、位置情報信号が到達可能な距離を超える間隔で設置されている場合、各検出部11a、11b、11c及び11dは位置情報信号を検出しない。すなわち、検出部11a、11b、11c及び11dは、
図3では、赤外線受信なし(S21)との判定及び奇数段設置判断(S22)の処理を行う。したがって、各赤外線制御部12が赤外線信号出力(S25)となり、赤外線送信部13a、13b、13c及び13dは、赤外線信号を出力する(網掛け状態となる)。また、矢印20a、20b、20c及び20dで示したように、各画像データ送信切り替え部12によって画像データが上から下に(S23)、そして、各表示方向切り替え制御部14によって画像表示方向が上から下に(S24)、制御される。この場合、
図7(a)を参照して説明したような縦線130を移動させる動画を表示すると、
図7(b)に示したものと同様に、各画像表示装置1a、1b、1c及び1dで同一の表示状態となる。ただし、各画像表示装置1a、1b、1c及び1dは、
図7(b)の各画像表示装置101a、101b、101c及び101dと異なり、一定の距離以上離間して設置されている。
【0032】
一方、
図5に示したように、各画像表示装置1a、1b、1c及び1dが、位置情報信号が到達可能な距離内に設置されている場合、一番下の赤外線送信部13d及びその2段上の赤外線送信部13bが赤外線信号を出力し(網掛け状態となり)、一番上の赤外線送信部13a及び3段目の赤外線送信部13cが赤外線信号を出力しない(網掛け状態なしとなる)。
【0033】
すなわち、一番下の赤外線送信部13dは、赤外線受信なし(S21)となり、検出部11dによって画像表示装置1dは下から数えて奇数段目に設置されていると判断される(S22)。また、赤外線送信部13dは赤外線信号を出力する(S25)。また、矢印21dで示したように、画像データ送信切り替え部16によって画像データが上から下に(S23)、そして、表示方向切り替え制御部14によって画像表示方向が上から下に(S24)、制御される。
【0034】
次に、下から2番目の画像表示装置1cは、検出部11cが赤外線送信部13dから出力された赤外線信号を検出する(S11)。この場合、検出部11cによって画像表示装置1cは下から数えて偶数段目に設置されていると判断される(S12)。また、赤外線送信部13cは赤外線信号を停止する(S13)。また、矢印21cで示したように、表示方向切り替え制御部14によって画像表示方向が下から上に(S14)、そして、画像データ送信切り替え部16によって画像データが下から上に(S15)、制御される。
【0035】
次に、下から3番目の赤外線送信部13bは、赤外線受信なし(S21)となり、検出部11bによって画像表示装置1bは下から数えて奇数段目に設置されていると判断される(S22)。また、赤外線送信部13bは赤外線信号を出力する(S25)。また、矢印21bで示したように、画像データ送信切り替え部16によって画像データが上から下に(S23)、そして、表示方向切り替え制御部14によって画像表示方向が上から下に(S24)、制御される。
【0036】
そして、下から4番目の画像表示装置1aは、検出部11aが赤外線送信部13bから出力された赤外線信号を検出する(S11)。この場合、検出部11aによって画像表示装置1aは下から数えて偶数段目に設置されていると判断される(S12)。また、赤外線送信部13aは赤外線信号を停止する(S13)。また、矢印21aで示したように、表示方向切り替え制御部14によって画像表示方向が下から上に(S14)、そして、画像データ送信切り替え部16によって画像データが下から上に(S15)、制御される。
【0037】
上記の場合、画像表示装置1aと画像表示装置1bとの境界面と、画像表示装置1cと画像表示装置1dとの境界面とが、各画像表示装置1a、画像表示装置1b、画像表示装置1c及び画像表示装置1dにおいて、1ライン目の表示ラインとなる。一方、画像表示装置1bと画像表示装置1cとの境界面とが、1080ライン目の表示ラインとなる。これにより、下から奇数段目の画像表示装置1d及び1bの上側表示ラインと、それに接し上側に配置された下から偶数段目の画像表示装置1c及び1aの下側の表示ラインは画像表示が同時の行われるため表示タイミングは同期される。また同様に下から偶数段目の上側の表示ラインとそれに接して配置された下から奇数段目の表示ラインは1フレームの最後に表示されるため、同様に表示タイミングの同期が取れる。これにより2段以上のマルチタイリングにおいて動画画像を表示した際にも画像のずれが無く表示することが可能になる。このため、
図7(a)に示した縦線130を矢印の移動方向に移動させると、各画像表示装置1a、1b、1c及び1dの表示部15a、15b、15c及び15dで表示される縦線31a、31b、31c及び31dは、各境界面で、水平方向でほぼ同一の位置を移動する画像となる。すなわち、各画像表示装置1a、1b、1c及び1dの各境界面でのずれを無くすことができる。
【0038】
以上のように、下から1段目の画像データの表示方向は上→下、下から2段目は下→上、下から3段目は上→下、そして、下から4段目は下→上となる。これにより各画像表示装置1の境界面は同じタイミングで画像データが表示されるため動画を表示した際にもずれが生じなくなる。このようにして、本実施形態の画像表示装置1では、画像データの表示方向を変える機能と、偶数段又は奇数段の位置検出用の赤外線送信部及び検出部を設けたることで、複数段に設置されたマルチタイリング用途において動画を表示した際にも、画像表示装置1の境界面において動画ずれが発生することなく画像を表示することが出来る。
【0039】
なお、上記実施形態では、画像表示装置1の位置の検出に赤外線送信部13、検出部11を設けることにより位置の検出を行ったが、無線信号用の赤外線送信部13及び検出部11の代わりに、位置情報出力端子、入力端子をそれぞれ持ちそれらをケーブルで接続することでも同様に位置情報を判別することは可能である。この場合、その位置情報出力端子と入力端子とは、液晶表示部15の垂直表示の方向の一方の向き又は他方の向きのいずれかにそれぞれ対応付けられたものとなる。すなわち、この場合、検出部11は、液晶表示部15の垂直表示の方向の一方の向きに対応付けられた所定の入力端子から入力される所定の有線信号の有無を上記の位置情報信号の入力の有無として検出するものとなる。また、赤外線送信部13に対応する有線信号の信号出力部が、液晶表示部15の垂直表示の方向の他方の向に対応付けられた所定の信号情報出力端子から所定の有線信号を出力することで、上記の位置情報信号を出力するものとなる。
【0040】
また、上記の実施形態における画像表示装置1を複数段に重ねたものを連続して横に並べて設置した場合でも効果は同じである。すなわち、縦に並べた複数の画像表示装置1間の各境界面でのずれ低減の効果は変わらない。
【0041】
また、
図1における各部の全部又は一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0042】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記のプログラムを所定のサーバに記憶させておき、他の装置からの要求に応じて、当該プログラムを、通信回線を介して配信(ダウンロード等)させるようにしてもよい。
【0043】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0045】
[付記1]
画像データを水平方向及び垂直方向に表示する表示部と、他画像表示装置から出力された所定の位置情報信号の入力の有無を検出する検出部と、前記検出部による検出結果に応じて自画像表示装置から位置情報信号を出力するか否かを指示する信号出力制御部と、前記信号出力制御部が位置情報信号を出力するよう指示している場合に位置情報信号を出力する信号出力部と、前記検出部による検出結果に応じて前記表示部に対して垂直表示の向きの切り替えを指示する表示方向切替制御部と、前記画像データを入力する画像データ入力部と、前記検出部による検出結果に応じて画像ライン毎の送信順序を切り替えて、前記画像データ入力部が入力した画像データを前記表示部に対して送信する画像データ送信切り替え部と、を備えることを特徴とする画像表示装置。
【0046】
[付記2]
前記位置情報信号が光無線信号であり、前記検出部が、前記表示部の垂直方向における一方の向きから入射する所定の光無線信号の有無を前記位置情報信号の入力の有無として検出するものであり、前記信号出力部が、前記表示部の垂直方向における他方の向きから所定の光無線信号を出射することで、前記位置情報信号を出力するものであることを特徴とする付記1に記載の画像表示装置。
【0047】
[付記3]
前記位置情報信号が有線信号であり、前記検出部が、前記表示部の垂直方向における一方の向きに対応付けられた所定の入力端子から入力される所定の有線信号の有無を前記位置情報信号の入力の有無として検出するものであり、前記信号出力部が、前記表示部の垂直方向における他方の向に対応付けられた所定の出力端子から所定の有線信号を出力することで、前記位置情報信号を出力するものであることを特徴とする付記1に記載の画像表示装置。
【0048】
[付記4]
画像データを水平方向及び垂直方向に表示する表示部と、他画像表示装置から出力された所定の位置情報信号の入力の有無を検出する検出部と、前記検出部による検出結果に応じて自画像表示装置から位置情報信号を出力するか否かを指示する信号出力制御部と、前記信号出力制御部が位置情報信号を出力するよう指示している場合に位置情報信号を出力する信号出力部と、前記検出部による検出結果に応じて前記表示部に対して垂直表示の向きの切り替えを指示する表示方向切替制御部と、前記画像データを入力する画像データ入力部と、前記検出部による検出結果に応じて画像ライン毎の送信順序を切り替えて、前記画像データ入力部が入力した画像データを前記表示部に対して送信する画像データ送信切り替え部と、を備える画像表示装置を、複数備え、かつ、前記複数の画像表示装置を前記垂直表示の向きに複数並べることで構成されていることを特徴とする画像表示システム。
【0049】
[付記5]
画像データを水平方向及び垂直方向に表示する表示部と、他画像表示装置から出力された所定の位置情報信号の入力の有無を検出する検出部と、前記信号出力制御部が位置情報信号を出力するよう指示している場合に位置情報信号を出力する信号出力部と、前記画像データを入力する画像データ入力部とを用い、前記検出部による検出結果に応じて自画像表示装置から位置情報信号を出力するか否かを指示する過程と、前記検出部による検出結果に応じて前記表示部に対して垂直表示の向きの切り替えを指示する過程と、前記検出部による検出結果に応じて画像ラインの送信順序を切り替えて、前記画像データ入力部が入力した画像データを前記表示部に対して送信する過程と、を含むことを特徴とする画像表示方法。