【実施例1】
【0014】
まず、本発明であるソーラーパネル用架台の構造について詳細に説明する。
図1は、ソーラーパネル用架台の斜視図である。ソーラーパネル用架台100は、複数の架台200が前後左右に並べて配置される。各架台200に搭載されたソーラーパネル300で太陽光発電を行い、それらの電気エネルギーは接続箱に集められ、パワーコンディショナで直流から交流に変換した上で電気が供給される。
【0015】
ソーラーパネル用架台100においては、一の架台200の反射板500で太陽光を反射させて、一の架台200の後方にある他の架台200aのソーラーパネル300aに向けて照射する。他の架台200aにおいては、太陽から直接的に受けた太陽光エネルギーと、前方にある一の架台200から間接的に受けた太陽光エネルギーを、ソーラーパネル300aで電力に変換する。
【0016】
架台200は、ソーラーパネル300を載せる上板210と、上板210を支える前脚220及び後脚221と、後脚221の後側に配した背面板400と、背面板400に取り付けた太陽光を反射する反射板500と、を有する。
【0017】
上板210は、太陽の方向に傾けられ、前脚220と後脚221の長さで角度を調整する。太陽の相対的な位置は時間と共に変わるので、最も太陽光エネルギーが強くなるときに、太陽光に対して垂直となるようにすれば良い。上板210は、平面の板でも良いし、軽量化のために一部が空いた枠状のものでも良い。
【0018】
前脚220は、少なくとも架台200の前側の左端及び右端に棒状の部材を取り付けられ、後脚221は、少なくとも架台200の後側の左端及び右端に棒状の部材を取り付けられる。前脚220及び後脚221を伸縮可能にして設置箇所ごとに長さを調整するようにしても良い。
【0019】
背面板400は、架台200の背面側に配置する板であり、反射板500を取り付けるために設けられる。左端の後脚221から右端の後脚221にかけて背面板400を配置すると、強風などの抵抗となる場合があるので、隙間を空けるなどして通気性を確保しても良い。
【0020】
図2は、ソーラーパネル用架台の後部における側面断面図である。
図2に示すように、架台200においては、ソーラーパネル300が上板300に保持されており、上板300の後端より若干内側の位置に後脚221が取り付けられ、上板300の後端に背面板400が吊り下げられる。ソーラーパネル300は、下面が上板300に接していても良いし、取付金具等で高さを調整して上板300から浮かせた状態で保持しても良い。
【0021】
背面板400には反射板500が取り付けられるが、背面板400が下垂に近い状態であるので、太陽光を後方に反射可能なのは上半分であり、下半分は地面に反射する可能性が高いため、反射板500は少なくとも上半分に取り付ければ良い。また、背面板400についても反射板500が取り付けられるサイズであれば良い。なお、上半分は、架台200の背面を任意の高さの位置で上下に分けた場合の上側の部分であり、下半分はその残りの部分である。
【0022】
背面板400の下端が地面より高い位置の場合、背面板400を架台200から吊り下げた状態であっても良いが、強風などにより揺れ動かないように、背面板400から支持部材410を前方に延ばして筋交い状に後脚221に固定しても良いし、背面板400から支持部材411を下方に延ばして杭状に地面に固定しても良い。さらに、支持部材410の場合は、伸縮可能にして背面板400の角度を調整しても良い。
【0023】
図3は、ソーラーパネル用架台の背面板の斜視図であり、
図4は、ソーラーパネル用架台の背面板の正面図である。すなわち、背面板400は、架台200の背面側に配置されるので、架台200の後方から見た図である。
【0024】
背面板400において、反射板500は、1枚の金属板を使用しても良いが、複数の金属板を並べて使用しても良い。例えば、2枚の金属板を上下に並べても良いし、さらに、
図3や
図4に示すように、上下段に分けて上段及び下段にそれぞれ複数枚の金属板を横方向に並べても良いし、さらに縦方向に多段になっても良い。複数の反射板500を背面板400に配置するために、補助的に枠材420などを用いても良い。なお、金属板は、鏡面状でも良いが、太陽光などを反射できれば良い。
【0025】
複数の反射板500は、全てを同じ方向を向いていても良いが、反射板500の向きや角度をそれぞれ変えても良い。例えば、上段に配置された金属板を垂直より若干だけ下方に傾け、下段に配置された金属板を垂直より若干だけ上方に傾けても良い。また、左端又は右端に行くほど中央を向くように角度を調整しても良い。
【0026】
反射板500は、平面状にしても良いし、両端に対して中央を凹まして湾曲状にしても良い。反射板500に湾曲面510を形成することにより、太陽光を反射させたときに一点又はライン状に集光させる。
【0027】
反射板500の背面板400への固定は、例えば、反射板500の上寄りの位置及び下寄りの位置にそれぞれ横長のスライド溝520を貫通させ、留具530をスライド溝520の上面側から下面側に通して枠材420に螺合等する。このとき、枠材420は、背面板400の左端から右端にかけて、スライド溝520を空けた位置に渡すように設ければ良い。
【0028】
スライド溝520の中心に留具530を通したとき、反射板500で反射させた太陽光が、中央付近に集光するように湾曲する角度を調整する。留具530を緩め、スライド溝520に沿って反射板500を左方向又は右方向に回動させれば、反射光が集光する向きが変わる。
【0029】
このように、ソーラーパネル用架台100によれば、架台200の背面側で反射させた太陽光を後方の太陽電池に効果的に照射することで発電効率を飛躍的に向上させることができる。
【実施例2】
【0030】
次に、反射板の形状のバリエーションについて説明する。
図5は、ソーラーパネル用架台の反射板の中央に凹凸を設けた場合の斜視図であり、
図6は、ソーラーパネル用架台の反射板をフレネルレンズ状に加工した場合の斜視図であり、
図7は、ソーラーパネル用架台の反射板の中央をフレネルレンズ状に加工した場合の斜視図である。
【0031】
図5に示すように、反射板500aには、中央付近など一部に山状の凹凸540aが形成される。凹凸540aは、全て均一な山状にしても良いし、中央からの位置に応じて山の高さや幅を変動させても良い。また、山状に突出させても良いし、谷状に溝を掘っても良い。さらに、山以外の形状にしても良い。反射板500aに凹凸540aを形成することで、太陽光の反射効率が変わる。反射板500aの湾曲を抑えて反射板500aに凹凸540aを形成しても良いし、反射板500aの湾曲と凹凸540aの形成を併用しても良い。
【0032】
図6に示すように、反射板500bには、中央付近など一部にフレネルレンズ状の凹凸540bが形成される。フレネルレンズのうちリニアフレネルレンズは、中央から端側に向かって鋸状の突起又は溝が平行直線状に並ぶように形成したものであり、太陽光が直線状に集光する。
【0033】
図7に示すように、反射板500cには、全体にフレネルレンズ状の凹凸540cが形成される。中央付近だけでなく、全体的に鋸状の突起又は溝が並ぶように形成しても良い。フレネルレンズ状にすることで、太陽光の反射効率が向上する。
【0034】
反射板500の表面形状を変えることにより、架台200の背面側で反射させた太陽光を後方の太陽電池により効果的に照射することが可能となり、発電効率を飛躍的に向上させることができる。
【0035】
以上、本発明の実施例を述べたが、これらに限定されるものではない。例えば、反射板に蒲鉾状の突起や溝が並んだレンチキュラー状の凹凸を形成しても良いし、円柱の側面の一部を切り出したシリンドリカルレンズ状の凹凸を形成しても良い。