(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光源から発する光を導光して読取対象物を照射する導光体と、この導光体を保持する導光体ホルダと、前記読取対象物からの反射光によって一連の読取光路を形成する複数の反射部材とを備えるキャリッジユニットにおいて、
前記導光体ホルダは、前記読取対象物からの反射光を通過させるスリットを形成する面を有し、
前記複数の反射部材のうち、前記読取対象物からの反射光を最初に受ける第1の反射部材の読取対象物に最も近く主走査方向に延設される角部を前記読取対象物からの反射光から遮る遮光手段を備え、この遮光手段が前記読取対象物と前記第1の反射部材の反射面との間に設けられ、
前記遮光手段は、前記導光体ホルダの底部で、前記スリットを形成する面の前記第1の反射部材側の端部に位置する凹部からなり、この凹部に前記第1の反射部材の少なくとも前記反射面側の角部が収容されることを特徴とするキャリッジユニット。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、スキャナや複写機等における画像読取機構10の断面構成を示したものである。この画像読取機構10は、読取対象物(原稿)を載置するプラテンガラス12と、このプラテンガラス12の下方をガイドレール18に沿ってプラテンガラス12に平行に移動可能に上記画像読取機構10内部に支持されキャリッジモータ(不図示)で往復動される移動する光学キャリッジ11とを有して構成される。この光学キャリッジ11は、原稿の幅方向(主走査方向)及び長さ方向(副走査方向)に沿って読取処理を行う。
【0015】
前記光学キャリッジ11には、ボックス型のキャリッジフレーム15の上部に光源ユニット16が組み込まれ、この光源ユニット16の下方に、光源ユニット16の光により照射された読取対象物からの反射光を変更する複数の反射部材と、反射部材による反射された読取対象物からの反射光を集光するレンズと、集光レンズで結像される結像部に配置されたセンサ(撮像素子)とからなる反射読取ユニット17が配置されている。光源ユニットは、キャリッジフレーム15に組み込まれた際、キャリッジフレーム15のプラテンガラス12側の面と略同一平面を形成するか、キャリッジフレーム15のプラテンガラス12側の面より低くなるよう構成されている。前記光源ユニット16及び反射読取ユニット17は、主走査方向に沿って延びている。そしてセンサから電気信号として出力された画像データを画像処理部に転送するように図示せぬデータ転送ケーブルによって後述する画像処理部(データ処理ボード)に電気的に接続されている。
【0016】
図9に示すように、このキャリッジフレーム15には原稿シートの読取ライン幅に応じた読取開口が形成され、この読取開口に後述する光源ユニット16が設置される。光源ユニットを構成する導光体ホルダ22には読取スリット26が形成され、この読取スリット26を通して光源ユニット16の光により照射された読取対象物の読取面から反射した反射光をセンサ44が受光可能にしている。
【0017】
上記光源ユニット16については後述照明装置として詳述するが、キャリッジフレーム15の読取開口に沿って線状光を照射する光源で構成され、そのキャリッジフレーム15に一体的に取付けられ、読取開口から後述するプラテンガラス上に読取光を照射する。
上記レンズは1枚若しくは複数枚の撮像レンズで構成され、反射部材を介し伝送された読取対象物から反射した反射光をセンサ上に結像する。
上記センサは、CCDなどの光電変換センサで構成され、レンズ7から送られた読取対象物の反射光を受光し光電変換する。このセンサは、カラーラインセンサで構成され、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の各画素を構成するセンサ素子をライン状に3列配置している。このような構成のセンサはセンサ回路基板に取付けられ、このセンサ回路基板はキャリッジフレームに固定されている。
【0018】
図2乃至
図5及び
図13は前記光源ユニット16の主要構成を示したものである。この光源ユニット16は、主走査方向に延びる一対の導光体21と、この一対の導光体21を所定間隔で平行に保持する導光体ホルダ22と、この導光体ホルダ22を保持して前記キャリッジフレーム15に取り付けられるホルダ保持部材23とを備える。また、
図5および
図13に示したように、前記ホルダ保持部材23の一端には、前記一対の導光体21の端部21Lに向けて一対の光源(LED)24が回路基板40を介して配置される。光源ユニット16は、光を発生させる発光ユニットLaと導光体21で構成され、以下、その発光ユニットLaの構成と導光体21の構成について詳述する。
【0019】
この光源ユニットLaは、
図13及び
図14で示す様にヒートシンク41と、熱伝導シート56と、回路基板40とで構成され、またこの回路基板40には、第1光源(白色LED)24a及び第2光源(白色LED)24bと、それぞれにレンズキャップ(不図示)が取り付けられ、その上からリフレクタ57が被せられている。また、このリフレクタ57で被される以外の箇所を絶縁する絶縁マイラー63が配設される。以下、個々の部品についての説明及びユニット組立に関し説明する。
【0020】
※光源の説明
まず、光源24について
図15に基づき説明する。この光源24は、第1光源24aと第2光源24bの2つの発光素子で構成され、回路基板40にマウントされる。尚、この実施例ではその発光素子として白色LEDチップで構成されており、白色LEDチップの上にレンズキャップ59を配置している。また、
図15(c)で示す様にこの光源24は電源供給用のアノード60aとカソード60bを形成すると共に、放熱用のサーマルパッド60cを形成している。
【0021】
※回路基板の説明
この光源24をマウントする回路基板40は、
図15(b)で示すように熱伝導シート56を介しヒートシンク41に固定され、その回路基板40上に光源24が実装されている。この回路基板40は、
図15(a)で示す様にその基板表面に光源24を発光通電するための銅、銀、金などの伝導性に富んだ材料で構成された配線パターン40a−1乃至40a−5が形成され、その基板裏面には銅、銀、アルミなどの特に熱伝導性に富んだ熱伝導層40b−2で前面覆われ、しかもその熱伝導層の一部が光源24の発光源と直接接触する様に基板表面に突出部40b−1を形成している。尚、この回路基板40は、予めエポキシ材から成る絶縁基板に突出部40b−1を形成する貫通孔を形成した状態で、その基板裏面に銅、銀、アルミなどの特に熱伝導性に富んだ熱伝導材を射出成形によって熱伝導層40b−2と突出部40b−1を形成した後に、基板表面に銅、銀、金などの伝導性に富んだ材料から成る層を形成し、その基板表面をエッチング加工により配線パターン40a−1乃至40a−5と突出部40b−1を残す様に形成する。そして、この回路基板40は光源24を実装することで、光源24のサーマルパッド60cと基板裏面から突出した突出部40b−1とが圧接することで、光源24の点灯時に発生する熱をサーマルパッド60cに接する突出部40b−1を介し基板裏面の熱伝導層40b−2に放熱する様になっている。
【0022】
尚、回路基板40は多層形成にしても良いが、この場合基板背面の熱伝導層40b−2と基板表面に突出する突出部40b−1は高い熱伝導を保つ様に連接することが望ましい。また、光源24の熱は、アノード60a、カソード60bを通じてヒートシンク41に伝導される様に構成してもよい。
【0023】
※熱伝導シートについて
また熱伝導シート56は、例えば熱可塑性エラストマーや非シリコン系熱可塑性樹脂から成る高い熱伝導性を備え、しかも弾性に富んだ絶縁性合成樹脂から成る弾性シート材で、
図13及び19点線で示す様に、回路基板40と後述するヒートシンク41の間に介在され、回路基板40の熱伝導層40b−2に放熱された光源24の熱をヒートシンク41に効率良く伝導させるために設けられている。回路基板40とヒートシンク41の間に空気層が存在すると、空気層が断熱層となり、回路基板40からの熱がヒートシンク41に伝わりにくくなる。回路基板40とヒートシンク41の間に熱伝導シート56が介在して固定されることで、熱伝導シート56の弾性変形で回路基板40とヒートシンク41の間に空気層を形成することなく緊密に圧接することができる。これによって回路基板40に実装した光源(LED)24に発生した熱は回路基板、熱伝導シート56、ヒートシンク41の順に速やかに伝達され、放熱される。
【0024】
※放熱部材について
またヒートシンク41は、アルミ合金などの熱伝導性に富んだ金属材料で構成され、表面積を大きくするために、例えば
図4で示す様に複数の突出板状のフィンを形成し、上述の熱伝導シート56を介し伝導する光源24の熱を効率良く放熱する。
【0025】
※絶縁マイラーについて
また、
図5および
図14で示す様に、回路基板40の導光体21側の面には、絶縁マイラー63が設けられている。この絶縁マイラー63は、回路基板40がホルダ保持部材23を構成する剛性金属部材やその他のキャリッジ構成部品と接触しないように絶縁し、基板表面が損傷しないよう回路基板40の表面を保護している。
【0026】
※リフレクタについて
更に、
図5に示すように、光源24からの光をロスなく導光体21に入射させるため、光源24の第1光源24aと第2光源24bの分光特性を90°以内に規制するリフレクタ57が設けられている。このリフレクタ57は、光源1つに対し1つの割合で設けられる。リフレクタ57は、例えばプラスチック材料にアルミ等の金属を蒸着させた反射率の高い材料で成り、光源24から導光体21に向かって広がる傘状の形状とする。このとき、傘状の部分は曲面で形成されても良いし、平面で形成されても良い。
【0027】
<導光体の形状>
前記一対の導光体21は、光透過率の高い透明なアクリル、エポキシ等の樹脂材を主走査方向に読取幅(読取ライン幅)Wに応じて延長して円柱型の細長い棒状に形成され、受光側となる一端にストッパ28が設けられる。このストッパ28は導光体21と同様な透明樹脂で形成され、導光体21の外周部から突出する羽根状のフランジ29が設けられる。このストッパ28は、
図6に示すように、前記フランジ29がホルダ保持部材23に設けられている内壁面34(第3基準領域)に当接することで、導光体21の長手方向の位置を規定している。
【0028】
その断面形状は
図14で示すように、光散乱面21fと光出射面21eが互いに対向するように形成される。また、
図5で示すように、その一端面21Lには光源24が配置され、他端面21Rは鏡面仕上げされ、その外表面は反射面を構成するようにアルミや銀といった反射率が高い反射層を備えた反射板61が、光透過率90%以上の粘着材(両面テープ)によって貼付けられている。また、この光散乱面21fと光出射面21eとは
図14に示すように距離Ldを隔てて略並行に読取りライン幅Wの長さで対向配置されている。
【0029】
さらに、光散乱面は、例えばウレタン系白色インキ等の反射塗料を塗装加工、エッチング加工、モールド成形加工などで凹凸面に形成され導入された光を乱反射するように表面加工されている。その表面加工は、導光体21の光源24側の一端面21Lにはなされておらず、一端面21Lから一定の距離経過した場所から他端面21Rに至るまでの間で形成され、しかも光源24側の一端面21L側の光散乱面21fの基端部は読取ライン幅Wの基端部より一端面21L側に長い。これは、読取ライン幅Wと表面加工部が略同一の長さであった場合、読取ライン幅Wの一端面21Lの光量のピークが他端面21R側にずれてしまい、一端面21L側の端部の光量が不足するためで、この光量分布が適正値になる様に予め長く設定している。
【0030】
さらに、その導光体21には、
図14に示すように突起部21Pを有する。この突起部21Pは、図示のように断面から突出した鍔状の突出部である。その突起部21Pは、一端部21L近傍には設けられておらず、一端部21Lと上述の光散乱面21fの表面加工が施された基端部との間に基端部を有し他端部21Rまでの間に設けられている。これは、一端面21Lまで突起部21Pを延在させると、突起部21Pで光が乱反射され分光特性に影響を与えたり、またその部分から外部に出て反射光量が減衰することを防ぐためである。
【0031】
従って、導光体21内に導入された光源24の光は光散乱面21fで所定方向に拡散され、光出射面21eに導入された光は所定の臨界角度以上のときには内部に反射し、臨界角度以下のときには外部に出射される。また、導光体21内で反射を繰り返し他端面21Rに到達した光は、他端面21Rの表面で反射され光源21側に戻され、同様に光散乱面21fで乱反射した光は光出射面21eからプラテンガラス12に出射することとなる。この特性を利用し、光源24の一端面21Lに対する配置を調整し、一端面21L側の光出射面21eから読取面Rに出射する光を下げ、他端面21Rの表面で反射される光を増やすことで、一端面21L側の光量を下げ、他端面21R側の光量を上げることが出来、プラテンガラス12に出射する光量を均一化、光学縮小系タイプのレンズ43を使う場合にはそのレンズ特性に依存するコサイン4乗則の光量分布に近い光量調整をすることが出来る。
【0032】
<ホルダの形状>
前記導光体ホルダ22は、
図3に示したように、前記一対の導光体21を平行に載置する一対の凹溝状の導光体受け部25と、この一対の導光体受け部25の間を長手方向に開口された読取スリット26と、前記一対の導光体受け部25の外側を長手方向に沿って延びる一対の外壁部27とを有して形成されている。この導光体ホルダ22は、一対の導光体受け部25が読取スリット26より下方に位置しているため、縦方向からの断面がハの字状の散乱防止壁19を形成している。これによって、
図9に示すように、前記読取スリット26を通過する原稿からの反射光を周囲に散乱させることなく、読取光路に影響を与えることがない。なお、前記導光体ホルダ22は、反射読取ユニット17側への散乱光を防止するため、遮光性を備えた黒色系の樹脂材によって形成するのが望ましい。
【0033】
前記ホルダ保持部材23は、
図2に示したように、曲げ変形に強く、熱膨張係数が低い金属あるいは硬質性の樹脂等による剛性材料によって形成され、前記導光体ホルダ22を長手方向に沿って収容する開口部31と、この開口部31の長手方向の少なくとも一方に延びる第1の縦壁32と、この第1の縦壁32と直交する方向の少なくとも一方に延びる第2の縦壁33とを有している。前記第1の縦壁32は、前記導光体ホルダ22の一方の外壁面27に当接して導光体ホルダ22の長手方向の姿勢を矯正する第1基準領域となる。また、前記第2の縦壁33は、前記導光体21の受光側の端面に対向して配置される一対の光源24を位置決めするための第2基準領域となっている。さらに、前記第1の縦壁33の先端の内壁面34は、前述したように、前記一対の導光体21の端部に設けられているストッパ28のフランジ29が当接することによって、導光体21の位置が規制される第3基準領域となっている。このホルダ保持部材23は、曲げ変形や熱変形に対して一定の強度及び剛性を備えた一枚の金属板をプレス加工あるいは折曲げ加工することによって、前記開口部31、第1及び第2の縦壁32、33を形成している。
【0034】
前記導光体ホルダ22及びホルダ保持部材23の間には係合手段が設けられる。この係合手段は、
図2に示したように、ホルダ保持部材23に設けられる係合孔35と、
図7に示すように、導光体ホルダ22に設けられ、前記係合孔35に嵌合する係合突起36とで構成され、ホルダ保持部材23及び導光体ホルダ22の長手方向に沿って所定間隔毎に複数設けられる。前記係合孔35は、係合突起36がスライド可能に挿入される長孔35a及び第1の縦壁32に嵌合させるスリット35bを有して形成される。一方、係合突起36は、導光体ホルダ22の外壁部27から突出して設けられ、前記スリット35bで係合した際に、前記ホルダ保持部材23の第1の縦壁32と弾性的に係合する第1の押圧部37aと、ホルダ保持部材23の上面23aを支持する支持部37bとを有して形成されている。また、前記押圧部37a、支持部37bは、それぞれテーパ面30を介して連続しているため、導光体ホルダ22をホルダ保持部材23に係合させる際のスライド挿入をスムーズに行うことができる。
【0035】
係合突起36を係合穴35に挿入し、導光体ホルダ22とホルダ保持部材23を係合させると、押圧部37aが第1の縦壁32と接触し、接触面に力が加えられ、ホルダ保持部材の外壁部27が第1の縦壁32に向けて引く力が発生する。ホルダ外壁部27は樹脂製であるため弾性変形するため、第1の縦壁32に引かれ、これにより、導光体ホルダ22をホルダ保持部材23の第1基準領域に沿って密着固定することができる。これによって、導光体ホルダ22の長手方向の姿勢を矯正することができ、各導光体21の長手方向の直線性が確保されるために、導光体21を伝播する光の直進性が損なわれることがない。さらに、導光体ホルダ22によって導光体21の直線性が確保されることにより、導光体21の端面が光源24とズレなく対峙することが可能になり、光源24からの光を有効に導光体21に取り込むことが可能となる。このとき、ホルダ保持部材23はキャリッジフレーム15の読取対象物と対向する面と別体を形成しているが、キャリッジフレーム15の読取対象物と対向する面をこのホルダ保持部材23で形成しても良い。これにより、キャリッジフレームの主走査方向を剛性部材からなるホルダ保持部材23で補強することが可能になる。
【0036】
<光源と導光体とのギャップ>
この発光素子をマウントした回路基板40は発光面と導光体21の一端面21Lとの間にギャップを隔てて配置する。尚、
図14は光源24(24a、24b)が回路基板40にマウントされた状態での配置構造を示す。また、光源24(24a、24b)は面状発光素子で構成され、白色LEDで構成されている。更に、光量全体を上げる為に、他端面21Rの反射塗料に代えて同様の光源24(24a、24b)を配置しても良い。また、この場合に第1光源24aと第2光源24bは光散乱面21fと光出射面21eの間で異なる位置から、導光体21の一端面21Lから光を入射する。これと共に第1光源24aと第2光源24bは光出射面21eからプラテンガラス12に向かう出射光路方向に距離を隔てて配列する。
【0037】
導光体と光源とのギャップ保持に関し補足する。光を取り込む端面21Lと、端面21Lから取り込んだ光を拡散反射させる拡散反射面21fと、拡散反射面12fで拡散反射した光をプラテンガラス12に向け射出する光射出面21eとを備えた導光体21と、その導光体21の少なくとも一端面21Lに対峙する光源24と、から成る光源ユニットにおいて、光源24からの光を導光体21の一端面21Lに向け反射する反射面を備えたリフレクタ57を備える。
導光体21は、その一端面21Lにフランジ29を形成し、導光体21を保持する導光体ホルダ22に収納される。導光体ホルダ22は、ホルダ保持部材23に保持され、フランジ29は、
図6に示すホルダ保持部材23に設けられた内壁面(第3基準面)34と接触し、光源24に対して一定以上遠ざからないように移動を規制される。これにより、光源と導光体との間の所定ギャップが変動することが無くなり、照明斑を抑えることが出来る。この照明装置を画像読取装置の光源ユニットとして用いることで読取った画像に光量斑が生じることが無い。
【0038】
尚、このリフレクタは、以下の構造であっても良い。
【0039】
その構造の一つに、リフレクタの表面をアルミ、銀等の反射効率が良い金属膜をコーティング処理することから、リフレクタと光源を実装する回路基板との間に薄い絶縁マイラーを挟み込む構造が、またリフレクタによって絞り込まれた光源の光のバラツキを抑えために薄い遮光マイラーを挟み込む構造であっても良い。
【0040】
また、リフレクタと当接するそれぞれの面が平面で形成されているが、平面で無くとも良い。例えば、当接する面の一方が凹凸形状とする場合には他方を逆凹凸形状にすれば良い。また、当接する面の一方が曲面形状とする場合には他方を逆曲面形状にすれば良い。
【0041】
また、回路基板に実装する光源の光照射面が広く平面性を有する場合には、その光源自体をリフレクタに当接させた構造であっても良い。
【0042】
更に、上述した実施例では導光体の一端に光源が、他端に擬似光源と成る反射板が配置された構造であるが、絶対光量を上げる為に導光体の他端にも同様の構造で光源を配設する場合には、当然にリフレクタも導光体の他面に配設される。
【0043】
<導光体に対峙する光源の位置決め>
次に、導光体に対峙する光源の位置決めに関し補足する。
図4及び
図13で示す様に、光源24を実装した回路基板40は、ホルダ保持部材23の取付基準面である第2の縦壁(第2基準面)33に取り付けられる。さらに、導光体ホルダ22は上述のように、外壁部27をホルダ保持部材23の第1の縦壁(第1基準面)32に沿わせるように取り付けられる。さらに、導光体22は、光源24側の端部に形成されたフランジ29により、ホルダ保持部材23の内壁面(第3基準面)34で位置規制される。このように、ホルダ保持部材23に基準面を設け、この基準面に対して導光体ホルダ22、導光体21、光源24(回路基板40)をそれぞれ取り付けることで、導光体の端面に対峙する光源の取り付け位置(光軸法線方向に対する位置)のばらつきを最小限に抑えることが出来、導光体と光源との所定ギャップの調整に加え照明斑を抑えることができ、さらに導光体の端面に対峙する光源の取り付け位置(光軸法線方向に対する位置)の調整をすること無く、装置組み立て性に優れている。
【0044】
また、第2の縦壁(第2基準面)33には、回路基板40を位置決めする位置決め部(33a、33b)が形成され、回路基板40はその位置決め部(33a、33b)に支持される位置決め支持部(40a、40b)を備えることによって、単に回路基板の位置決め支持部(40a、40b)を第2の縦壁(第2基準面)33の位置決め部(33a、33b)に取り付けるだけで、導光体の端面に対峙する光源の取り付け位置(光軸法線方向に対する位置)をばらつき無く合わせ込むことが出来、装置組み立て性を著しく高めることが出来る。
【0045】
尚、この導光体に対峙する光源の配置に関し、以下の構造であっても良い。
まず、導光体の少なくとも一端面に所定の間隔を隔て対峙する光源とは、上述の実施例では、導光体の一端面に所定の間隔を隔て対峙する光源を配設し、その他端面に反射板を配置した構成としているが、この反射板に代え導光体の一端面の光源と同様の構造で新たな光源を配設しても良い。また、位置基準とする第1の光源に対し位置決めする第2の光源を位置調整可能な構成とすることで、光源の経時変化に伴う光量劣化に対しその位置を微調整することで分光特性を初期の適正な状態にすることができる。
【0046】
<導光体の枠体係止>
次に、導光体の枠体係止に関し補足する。
図14に示す様に、光源24と、この光源24からの光を照明ライン方向に沿って導きその照明領域を線状光として照明する導光体21と、を備え、光源24は、その導光体21の少なくとも一端面21Lに対峙して配設され、導光体21は、光を取り込む端面21Lと、端面21Lから取り込んだ光を拡散反射させる拡散反射面21fと、拡散反射面21fで拡散反射した光をプラテンガラス12に向け射出する光射出面21eとを有し、しかも光射出面21eは円周面(半径r)で形成され、拡散反射面21fはその円周面(半径r)を形成する円の中心を通り光射出面21eから射出する光軸法線(hx)を形成する位置に配設して成る照明装置であって、導光体21を収納する導光体ホルダ22を備え、導光体21は、拡散反射面21fが形成する光軸法線(hx)に沿った側面で、しかも照明ライン方向に沿って導光体ホルダ22に係止された突起部21Pを形成し、突起部21Pの光源24側の最も端になる一端を、拡散反射面21fの光源側端面21Lと照明領域の照明ラインで光源側端面21Lとの間に形成することによって、光源から導光体に入った光がその基端部において反射される反射光がその突起により乱されることが無く、しかも枠体との係止条件が保たれ、特に照明領域の照明ラインにおける前記光源側端面の光量分布のばらつきが少なく、より照明斑を抑えることができる。
【0047】
<光源ユニットの組立>
次に光源ユニットの組立について
図5及び
図13に基づき説明する。まず回路基板40に光源24を実装させ、レンズキャップ(不図示)を装着する。さらに、リフレクタ57を、光源24を囲むよう回路基板に取り付ける。その回路基板40を熱伝導シート56(耐熱樹脂板)を介してヒートシンク41とを密着した状態でネジ止めにより一体的に取付ける。その上で、回路基板40を取り付けたヒートシンク41を、ホルダ保持部材23が取り付けられたキャリッジフレーム15に取り付ける。後述するが、リフレクタ57の回路基板40と接触する面と反対の面に導光体21を対峙させ、導光体ホルダ22をホルダ保持部材23にスライドさせて係合させ、光学キャリッジ11のキャリッジフレーム15に取り付けられている。これにより、キャリッジフレーム15に対する光源及び導光体の位置決めおよびキャリッジフレーム15の補強を実現することができる。
【0048】
次に、
図2乃至
図8に基づいて導光体ホルダの取り付け手順を説明する。最初に導光体21を導光体ホルダ22の導光体受け部25に長手方向を揃えてセットする。このとき、前記導光体21の一端にはストッパ28が形成あるいは装着されており、このストッパ28を設けた側(図中手前方)が受光側に設定される。前記導光体21がセットされた導光体ホルダ22は、一対の外壁部27が第1基準領域となっている一対の第1の縦壁32に当接するようにして開口部31内に収容される。このとき、係合突起36は、係合孔35内でフリーとなるように挿入される。次に、前記導光体ホルダ22を後方にスライドさせる。このスライドによって、
図8に示したように、前記係合突起36の先端が第1の縦壁32に開口している係合孔35の内周面を挟み込むようにして係合する。この係合突起36には、第1の縦壁32の側面及を弾性的に押圧する押圧部37aが設けられているため、導光体ホルダ22の外壁部27がホルダ保持部材23の第1の縦壁32に押し付けられるようにして密着させることができる。また、前記押圧部37a、支持部37bは、スライド方向に対してテーパ面になっているため、導光体ホルダ22をホルダ保持部材23に対して滑らかに接続させて密着固定することができる。さらに、
図6に示したように、導光体21に設けたストッパ28のフランジ29がホルダ保持部材23の内壁面34に当接することで、導光体21の長手方向の位置を規定することができる。
最後に、
図2に示したように、一対の導光体21を上から押え付けるようにして導光体ホルダ22の外壁部27及びホルダ保持部材23の第1及び第2の縦壁32、33を囲う一対の係止フレーム39を介して一対の導光体21及び導光体ホルダ22をホルダ保持部材23に固定する。前記係止フレーム39は、導光体21の外側面を長手方向に囲うフレーム本体39aと、このフレーム本体39aの長手方向に複数設けられた係止爪39bとで構成され、この係止爪39bが導光体ホルダ22の外壁部27に沿って延び、前記ホルダ保持部材23の係合孔35を通して第1の縦壁32の下端に係合される。この係止フレーム39は光透過性に乏しい素材で形成されるため、導光体からの光漏れを防止しすることができる。さらに、導光体21の主走査方向に沿って導光体21を固定するため、導光体の姿勢矯正を行うことができ、導光体の捩れを防止し、導光体の直線性を確保することができる。
【0049】
また、
図4及び
図5に示したように、前記ホルダ保持部材23の第2の縦壁33の背面側には一対の光源24が実装された回路基板40が配設され、この回路基板40の背面には前記光源24による熱を外部に放出させるためのヒートシンク41が取り付けられている。なお、前記一対の光源24は、前述したように、ホルダ保持部材23によって位置決めされている一対の導光体21の端面と所定の間隔を保持した状態で対向している。
【0050】
次に、
図9及び
図10に基づいて前記光源ユニット16とキャリッジフレーム15で区画される位置に配置される反射読取ユニット17の構成について説明する。この反射読取ユニット17は、原稿からの反射光L1を受けて順次中継される一連の読取光L2からなる光路を形成するために、キャリッジフレーム15内で区画される3つの反射領域と、この3つの反射領域の下方に位置する画像読取部42とで構成される。前記3つの反射領域は、光源ユニット16の底面側に区画される第1反射領域Aと、光源ユニット16の一方の側面側に区画され、導光体ホルダ22の高さまでのスペースを有する第2反射領域Bと、この第2反射領域Bの下方に区画され、キャリッジフレーム15の底部に配置されているレンズ43の入光部に至るまでのスペースを有する第3反射領域Cとからなっている。
【0051】
前記画像読取部42は、前記レンズ43と、このレンズ43で受けた光を電気信号に変換するCCDからなるイメージセンサ44とを有して構成されている。
【0052】
前記第1反射領域Aには、原稿からの反射光L1を最初に受ける第1の反射部材(第1ミラー)M1と、第5の反射部材(第5ミラー)M5とを備える。第2反射領域Bには、前記第1ミラーM1に対して背を向けて配置される第2の反射部材(第2ミラー)M2と、第1反射領域A及び第3反射領域Cに反射面を向けて配置される第3の反射部材(第3ミラー)M3とを備える。第3反射領域Cには、前記第1ミラーM1及び第2ミラーM2からの読取光L2を受ける第4の反射部材(第4ミラー)M4と、前記第3ミラーM3からの読取光L2を受けてレンズ43に入光させる第6の反射部材(第6ミラー)M6とを備える。
【0053】
図10に示したように、前記第1ミラーM1は、前記導光体ホルダ22の読取スリット26を通過する原稿からの反射光L1を最初に受ける第1反射面M1aを有している。他のミラー(M2〜M6)と同様に第1ミラーM1に対しても取り扱い上の安全性などを考慮して、周囲の角部に面取部45が形成される。この面取部45は、ミラーの反射面と角度の異なる平面を形成するため、原稿からの反射光L1が入射すると、面取部45から原稿面に再度光が入射するなどし、キャリッジ内外へ乱反射を引き起こすおそれがある。面取部45を形成しない場合であっても、ミラーの角部で光が乱反射し、L1に影響を及ぼすおそれがある。これを防止するため、遮光手段46を設けている。この遮光手段46は、前記反射光L1が通る原稿Pと第1ミラーM1との間の反射光路L内に設けられるものであり、具体的には導光体ホルダ22の下部の長手方向に沿って形成される凹部47が遮光の機能を果たしている。この凹部47は、一対の導光体収容部を有する導光体ホルダの導光体収容部の読取光L2の進行方向と反対側に設けられ、第1ミラーM1の光源ユニット16側に面した面取部45もしくは角部を収容している。これにより、前記原稿Pからの反射光L1が導光体ホルダ22で遮蔽されて面取部45に入光するのを防止することができる。これにより、乱反射光が面取部45で発生することを抑制し、読取品質が低下することを防止することができる。また、前記第1ミラーM1の反射面側の読取面に近い角部を導光体ホルダ22の凹部に取り付けることで、第1ミラーを導光体ホルダ22寄りに配置することができ、光学キャリッジ11の厚さを抑制することができる。
【0054】
前記導光体ホルダ22は、一対の導光体受け部25の底部が読取スリット26よりも下方に位置しているため、原稿から反射されて読取スリット26を通過する反射光L1を第1ミラーの第1反射面に導くことができるが、
図11に示したように、前記読取スリット26の下方に別体で形成され、反射光Lの照射範囲を絞り込むための開口部48aを有する集光フレーム48を配置することで、第1ミラーM1の面取部45を避けた第1反射面M1aに向けて原稿からの反射光L1を照射させることができる。また、本実施形態では、第1ミラーM1の背面M1b側に前記反射光路Lを形成しない構成となっており、前記遮光手段46によって導光体ホルダ22と第1ミラーM1とが連続し、隙間が生じない攻勢となる。このため、イメージセンサ44を有する画像読取部42への光の漏洩を有効に防止することも可能となる。
【0055】
前記第1ミラーM1は、第1反射面M1aが原稿からの反射光L1のうち、法線に対して約3度傾斜した光L0を読取光として、読取光L2を形成する。前記第1ミラーM1によって反射された読取光L2は第4ミラーM4の第1反射面M4a1を介して第2ミラーM2の反射面M2aに照射される。そして、この反射面M2aで反射された読取光L2は、前記第4ミラーM4の第2反射面M4a2に向けて反射される。前記第2ミラーM2は、光源ユニット16が配置されている脇に位置し、導光体ホルダ22と略同じ高さhを有した第2反射領域B内に収容されている。さらに、
図11に示したように、反射面M2aが前記第1ミラーM1の反射面M1aから背を向けた状態となっている。このため、第1ミラーM1から発せられる読取光L2から上方に散乱する散乱光Lxは、遮光部として機能するホルダ保持部材23の縦壁32や導光体ホルダ22の底面、第2ミラーM2の背面M2b及び側面M2cで遮られるため、反射面M2aには照射されることがない。特に導光体ホルダ22は黒色の樹脂で形成されるため、散乱光Lxが吸収され、キャリッジ内へ乱反射させることを抑制することができる。なお、本実施例では法線に対して約3度傾斜した光を読取光としているが、傾斜は3度より大きくても小さくてもよく、法線と平行であってもよい。
【0056】
前記第2ミラーM2で反射された読取光L2は、第4ミラーM4の第2反射面M4a2で反射され、第5ミラーM5の反射面M5a、第3ミラーM3の反射面M3a及び第6ミラーM6の反射面M6aを中継してレンズ43に入光された後、イメージセンサ44によって画像データとして読み取られる。
【0057】
第3ミラーM3は、前記第2ミラーM2から離れた第2反射領域B内の角部に配置され、第1反射領域Aからの読取光L2を受けると供に、第3反射領域Cに向けて大きく反射させるように傾斜角度を浅くして配置されている。この第3ミラーM3は、第1ミラーM1との間に光学ユニット16および光学ユニット16を構成する導光体ホルダ22、ホルダ保持部材23が配置されているため、第1ミラーM1において、読取光L2と異なる角度でキャリッジフレーム15内に光が乱反射若しくは正反射したとしても、その光を受けることがなく、本来の読取光L2を受け、L2を第5ミラーM6へ向けて反射することができる。
【0058】
さらに、第3ミラーM3は、前記第1反射部材から次の反射部材である第4ミラーM4に向かう読取光L2に対し、第2ミラーM2より遠い位置に配置されている。これにより、第1ミラーM1から迷光が発生した場合であっても、第3ミラーより第1ミラーM1に対して近い位置に配置される第2ミラーM2により、迷光が第3ミラーM3に侵入することを妨げることができ、読取品質の低下を防止することができる。第3ミラーM3は第1ミラーM1との間で第3反射面M3aと第1反射面M1aとが対向する配置となっているが、第3反射面M3aと第1反射面M1aの間にはホルダ保持部材23の縦壁32や導光体ホルダ22の底面、第2ミラーM2の背面M2b及び側面M2cが配置されているため、第3反射面M3aには散乱光Lxが照射されることがない。
【0059】
上記第2反射領域Bは、キャリッジフレーム15の中でも特に光源ユニット16が、キャリッジフレーム内に侵入する形で組み込まれることによって生じるスペースであり、このスペースを無駄なく利用することによって、複数の反射部材の一部を配置することができた。これによって、光学キャリッジ11全体の高さを抑えてコンパクト化が可能となり、薄型のスキャナや複写機等へも容易に組み込むことができるようになった。
【0060】
また、前記第1ミラーM1が原稿からの反射光L1を最短で受ける位置に配置されると供に、第2乃至第6ミラー(M2〜M6)によって形成される一連の読取光L2による全光路が前記第1ミラーM1の反射方向側にまとまっていることで、省スペースながら必要な光路長を確保することができる。また、原稿からの反射光L1を最初に受ける前記第1ミラーM1の反射面M1aに面した反射範囲に他のミラーからの読取光L2が交差することがないので、読取光同士の干渉なく画像読取部42に入光させることができる。これによって、原稿の読取精度を格段に向上させることができる。
【0061】
図9に示したように、前記画像読取部42は、前記第1乃至第3反射領域A,B,Cを除いたキャリッジフレーム15の底部に設けられ、モールド部材49で保持されるようにしてレンズ43やイメージセンサ44が金属製のレンズ取付部材およびセンサ保持部材を介して組み込まれている。この画像読取部42は、イメージセンサ44が発熱源となり、イメージセンサ支持部材からレンズ支持部材を介してモールド部材49に熱が伝達する。反射ミラーはキャリッジフレーム15のモールド部材に支持されているため、熱の影響を受けてミラーが傾いたり位置が移動したりして、光学系の位置に変化が生じるおそれがある。特に、最後に光を受け、イメージセンサ44に光を入射させる第6ミラーM6は、最終ミラーとなるため角度や位置に精度が要求される。しかし、この第6ミラーM6は、
図9から明らかなようにイメージセンサ44からの熱が伝わりやすい位置にあり、モールドの熱膨張の影響を受けやすい。このため、モールド部材49の一部がモールド部材49全体から離間させるように切り込み部50を設けることによって、放熱性を持たせることができる。この切り込み部50は、切り込み表面を広く、また、複数個所に設けることによって放熱性を高めることができる。
【0062】
図12は、移動する原稿を読み取るADF等に搭載可能な第2実施形態の光学キャリッジ51の断面構造を示したものである。この光学キャリッジ51は、ADFの傾斜した読取面52に対向する傾斜面53を有したキャリッジフレーム55によって構成されている。なお、本実施形態は、複数の反射部材の配置構成が異なるのみで、光源ユニットや画像読取部は前記第1実施形態と同一構成であるため、詳細な説明は省略するとともに、共通する箇所は同一符号を付して説明する。
【0063】
光源ユニット16は、一対の導光体21が読取面52と対向するように、背面側が前記傾斜面53の内部に埋め込むようにして配置される。反射読取ユニットは、前記読取面52上を通過する原稿からの反射光L1を最初に受ける第1ミラーM1と、この第1ミラーから上流側の離れた位置に第1反射面M3a1及び第2反射面M3a2を有する第3ミラーM3と、前記光源ユニット16の上流側側面に背を向けて配置される第2ミラーM2と、この第2ミラーM2からの読取光L2を前記第3ミラーM3の第2反射面M3a2を介して反射される光を受けて、レンズ43に入光させる第4ミラーM4とを備える。なお、レンズ43及びイメージセンサ44からなる画像読取部42についても第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0064】
この第2実施形態の光学キャリッジ51では、第1実施形態の光学キャリッジ11に比べて中継するミラーの数が少なく、キャリッジフレーム55内で区画される反射領域も大きく第1反射領域Dと、第2反射領域Eの2箇所に分けられる。第1反射領域Dは、前記光源ユニット16の上流側に位置し、導光体ホルダ22と同じ高さの空間となっている。また、第2反射領域Eは、前記光源ユニット16の背面側に広がる空間となっている。
【0065】
前記第1反射領域Dには、第2ミラーM2が配置され、第2反射領域Eには原稿からの反射光L1を最初に受ける第1ミラーM1、この第1ミラーM1で受けた光を画像読取部42に導く第3ミラーM3及び第4ミラーM4が配置される。前記第2ミラーM2は、光源ユニット16によって遮られる第1反射領域D内において、第1ミラーM1から背を向けて配置される。このため、第1ミラーM1から第3ミラーM3に向かう読取光L2から外れる散乱光は、導光体ホルダ22やホルダ保持部材23の下部で遮られ、さらに、第2ミラーM2の背面側でも遮られるため、反射面M2aには光が届くことがない。
【0066】
前記第1反射領域Dは、光源ユニット16が配置されることによって生じた空きスペースであり、また、第2反射領域Eには、第1ミラーM1、第3ミラーM3及び第4ミラーM4がコンパクトにまとまっている。このため、キャリッジフレーム55内のスペースが抑えられ、光学キャリッジ51のコンパクト化が図られることになる。
【0067】
[光源の制御構成]
また、上記光源点灯手段S−Laによる光源ユニット16の制御について説明する。この光源ユニット16は
図1に示すようにプラテンガラス12上の原稿Pに光を照射し、原稿Pで反射した拡散反射光を利用している。この光源ユニット16の光源は上述の実施例のように2つの光源24で構成する必然性はなく、図示しないが1つの光源で構成、或いは3つ以上の光源24で構成しても良い。尚、光源の数を増やし全体の照明光量を上げることで、読み取り速度を上げ、各読取ラインの読取時間が短くなったとしても、照明光量と読取時間の積となる読取光量としては十分に確保出来、高速対応の読み取りが出来る。
【0068】
以上、上記光源ユニットは、細長い導光体が載置される導光体ホルダが金属製のホルダ保持部材に保持されることによって、前記導光体が導光体ホルダと供に長手方向に対する位置決め及び姿勢の矯正を行うことができる。これによって、前記導光体の端部に入射される光を長手方向に沿って真っ直ぐ導光することができるので、ライン状に走査される原稿の画像を精度良く読取処理することができる。また、原稿からの反射光を最初に受ける第1ミラーの周囲の角部が前記導光体ホルダの下部に収まるように一体化することで、キャリッジユニットを小型化することができ、さらに読取処理に不要な散乱光の取り込みを防止することができる。
【0069】
上記光学キャリッジは、キャリッジフレーム内に光源ユニットが配置されることによって、キャリッジフレームによる光源ユニットの支持と、光源ユニットによる迷光の遮光を実現したものであり、薄型化及び小型化に対応したキャリッジ内に容易に組み込むことができる。また、前記空きスペースに配設される反射部材は、光源ユニットの一部で遮光されるため、散乱光による影響を受けることなく、読取処理に有効な反射光路を形成することができるので、読取精度を低下させることがない。