(54)【発明の名称】屋根材が取り付け部材を用いて建物の構造部材に固定される構造、そのような構造に用いられる屋根材、及び屋根材を取り付け部材を用いて建物の構造部材に固定する方法
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記屋根材固定部は、前記屋根材本体の端部から建物の構造部材側に向かって延びる第1延出部と、前記第1延出部の端部から前記屋根材本体の内側に向かって延びる第2延出部と、を有し、
前記凹部は、前記屋根材本体と前記第1延出部と前記第2延出部とよって囲まれた部分により形成される請求項1又は2に記載の構造。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本明細書で開示する構造の好ましい第1実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0020】
図1は、本明細書に開示する建物を示す図である。
図2は、
図1の建物の屋根を示す図である。
図3は、
図2のX−X線断面図であり、本明細書に開示する建物の屋根における屋根材が取り付け部材を用いて建物の構造部材に固定される構造(以下、単に構造ともいう)の第1実施形態を示す図である。
【0021】
建物60は勾配を有する屋根61を備えている。
図2に示すように、屋根61は、複数の縦長の屋根材20a、20b、20c、20dを有している。複数の屋根材20a、20b、20c、20dは、その長手方向に延びる側部同士を突き合わせて、建物の屋根の部分を形成する構造部材50の上に並べて配置されている。
【0023】
図3及び
図4に示すように、本実施形態の構造10は、板状で縦長の屋根材本体21aと、屋根材本体21aの幅方向の端部から屋根材本体21aの内側に向かって折り返すように形成された屋根材固定部22aと、を有する屋根材20aを備える。ここで、屋根材本体21aの長手方向は、屋根材20aの長手方向と一致しており、屋根材本体21aの幅方向は、屋根材20aの長手方向と直行する方向である。
【0024】
他の屋根材20b、20c、20dも、屋根材20aと同様の構造を有しており、以下に説明する屋根材20aに対する説明は、他の屋根材20b、20c、20dに対しても適宜適用される。
【0025】
図4に示すように、屋根材固定部22aは、屋根材本体21aの対向する一対の幅方向の端部に形成される。
【0026】
屋根材固定部22aは、屋根材本体21aの幅方向の端部から折曲して延びる第1延出部23aと、第1延出部23aの端部から屋根材本体21の幅方向の内側に向かって延びる第2延出部24aと、を有する。
【0027】
図3に示すように、第1延出部23aは、屋根材本体21aの幅方向の端部から建物の構造部材50側に向かって垂直に延びている。第2延出部24aは、第1延出部23aの端部から屋根材本体21の幅方向の内側に向かって垂直に延びている。第1延出部23aを形成することにより、後述の取り付け部材30を用いて、屋根材固定部22aを、屋根材20aの幅方向の外側に向かって押圧することができるようになる。また、第2延出部24aを形成することにより、後述の取り付け部材30を用いて、屋根材固定部22aを建物の構造部材50側に向かって押圧することができるようになる。
【0028】
また、
図4に示すように、屋根材固定部22aは、屋根材本体21aと、第1延出部23aと、第2延出部24aとよって囲まれた固定凹部25aを有している。上述した機能を有する第1延出部23aと第2延出部24aとによって固定凹部25aを形成するので、固定凹部25aに後述の取り付け部材30を取り付けることにより、屋根材固定部22aを幅方向の外側方向及び建物の構造部材50側に向かって押圧することができるようになる。
【0029】
屋根材20aの形成材料としては、特に限定されずに各種の材料を適宜用いることができる。例えば、屋根材の形成材料が透光性を有すると、屋根の意匠性を向上する観点から好ましい。透光性を有する屋根材の形成材料としては、合成樹脂又はガラスを用いることができる。合成樹脂としては、具体的には、ポリカーボネート、アクリル、塩化ビニル等が挙げられる。特に、ポリカーボネートは、強度及び成型性のバランスが良く、好適に用いられ得る。
【0030】
屋根材20aに対する上述した説明は、他の屋根材20b、20c、20dに対しても適宜適用される。
【0031】
また、構造10は、屋根材固定部22aを建物の構造部材50に取り付ける取り付け部材30を備える。
【0032】
図5は、取り付け部材を示す図であり、
図5(A)は正面図であり、
図5(B)は平面図である。
【0033】
取り付け部材30は、屋根材20aの屋根材固定部22aの固定凹部25aの内部に嵌め込まれる形状を有している。具体的には、取り付け部材30は、正面から見た形状は、矩形の外形を有しており、中空である。取り付け部材30は、縦長の形状を有しており、屋根材20aの長手方向の全体に亘る長さを有している。取り付け部材30の形成材料としては、例えば、矩形のパイプ材を用いることができる。取り付け部材30が矩形である場合には、屋根全体の重量軽減の観点からも取り付け部材30が中空であることが好ましい。取り付け部材30を屋根材20aの長手方向全体に亘る長さに形成すると、どの箇所においても取り付け部材30を固定部材40に接合することができるので好ましい。また、取り付け部材30は、固定部材40と確実に接合することができるのであれば、ビス等を用いて接合する箇所のみに部分的に配置してもよい。この場合には、取り付け部材30の材料を削減することができる点及び屋根の重量を軽減することができる点において好ましい。
【0034】
図3に示すように、取り付け部材30は、屋根材20aの長手方向の全体に亘って、屋根材固定部22aの固定凹部25a内に嵌め込まれている。また、取り付け部材30は、固定凹部25a内に嵌め込また状態で、固定部材40に接合されている。
【0035】
図6は、固定部材を示す図であり、
図6(A)は正面図であり、
図6(B)は平面図である。
【0036】
固定部材40は、縦長の形状を有しており、屋根材20aの長手方向の全体に亘る長さを有している。
【0037】
固定部材40は、建物の構造部材50に固定される板状の固定底部42と、固定底部42の中央部に垂設される中空の中央壁43と、固定底部42の一方の端部側に垂設される第1側壁44と、他方の端部側に垂設される第2側壁45とを有する。
【0038】
固定部材40は、中央壁43と固定底部42と第1側壁44とによって囲まれる嵌合凹部41aを有する。嵌合凹部41aは、建物の構造部材50とは反対側に、即ち屋外側に向かって開放しており、屋根材固定部22aが嵌合する形状を有している。
図3に示すように、嵌合凹部41aには、固定凹部25aに取り付け部材30が嵌め込まれた屋根材固定部22aが嵌め込まれている。屋根材20aは、屋根材固定部22aが嵌合凹部41aに嵌め込まれることにより、横方向の動きが規制される。具体的には、屋根材固定部22aにおける第2延出部24aの幅を嵌合凹部41aの幅と略同じにすることで、屋根材20aの横方向の動きを規制することができる。この際、取り付け部材30は、第1延出部23aを介して、屋根材固定部22aを中央壁43に向かって押圧している。
【0039】
同様に、固定部材40は、中央壁43と固定底部42と第2側壁45とによって囲まれる嵌合凹部41bを有する。嵌合凹部41bには、固定凹部25bに取り付け部材30が嵌め込まれた屋根材固定部22bが嵌め込まれる。屋根材20bは、屋根材固定部22bが嵌合凹部41bに嵌め込まれることにより、横方向の動きが規制される。
【0040】
屋根材20aの屋根材固定部22aと、屋根材20bの屋根材固定部22bとは、中央壁43を介在させて、突き合わされている。
【0041】
固定底部42は、一方の端部がビス47aによって建物の構造部材50に固定されており、他方の端部がビス47bによって建物の構造部材50に固定されている。このようにして、固定部材40は、建物の構造部材50に固定される。ビス47a及びビス47bは、固定部材40の長手方向において所定の間隔で配置される。
【0042】
第1側壁44は、屋根材固定部22aの固定凹部25aに嵌合した状態の取り付け部材30と、ビス46aを用いて接合されている。屋根材20aは、固定凹部25aに嵌め込まれた取り付け部材30が第1側壁44と接合されることにより、縦方向の動きが規制される。取り付け部材30は、屋根材固定部22aを建物の構造部材50側に向かって押圧して、屋根材固定部22aを建物の構造部材に固定する。具体的には、取り付け部材30は、第2延出部24aを介して、屋根材20aを建物の構造部材50側に向かって押圧している。
【0043】
また、第1側壁44と屋根材本体21aとの間には緩衝性を有するシール材13が配置されており、第1側壁44の長手方向の全体に亘って、屋根材本体21aが屋内側から支持されている。
【0044】
同様に、第2側壁45は、屋根材固定部22bの固定凹部25bに嵌合した状態の取り付け部材30と、ビス46bを用いて接合されている。屋根材20bは、固定凹部25bに嵌め込まれた取り付け部材30が第2側壁45と接合されることにより、縦方向の動きが規制される。第2側壁45と屋根材本体21bとの間には緩衝性を有するシール材13が配置されている。
【0045】
ビス46a及びビス46bは、固定部材40の長手方向において所定の間隔で配置される。
【0046】
このようにして、屋根材20a、20bは、取り付け部材30及び固定部材40を用いて、建物の構造部材50に固定される。
【0047】
次に、嵌合凹部41a、41bが雨水等を流す樋としても機能することを、以下に説明する。
【0048】
構造10では、屋根材20aと屋根材20bとの間にはシール材11及びシール材11と中央壁43との間に介在配置されるバックアップ材12によって、屋外側から建物の構造部材50側に水が侵入することを防止する水密性が与えられている。通常は、このようにして、雨水等が屋外側から屋根材の内部に侵入することが防止される。
【0049】
しかし、シール材11の劣化等により屋外側から水が侵入するおそれがある。屋根材20aの屋根材本体21a側から第1延出部23aを伝わった水は、嵌合凹部41a内の固定底部42上に流れてくる。一方、固定部材40は、屋根の勾配と共に傾いた屋根の構造部材50上に固定されているので、その長手方向において傾いている。そのため、嵌合凹部41a内に侵入した水は、屋根の高い方から低い方へ向かって嵌合凹部41a内を流れていく。嵌合凹部41aの低い方へ流れた水は、図示しない排水手段(例えば、屋根の低いほうの端部に配置される樋など)を用いて屋外に排出される。
【0050】
上述した構造10と同様の構造が、屋根材20bと屋根材20cとの間及び屋根材20cと屋根材20dとの間にも配置されている。
【0051】
上述した本実施形態の構造によれば、屋根材が建物の構造部材に確実に固定される。この際、屋根材を建物の構造部材に固定する屋根材固定部が屋外に露出していないので、建物の屋根の美観が損なわれない。
【0052】
また、屋根材固定部は、それ自体にはビス等により穴を開けられることなく、取り付け部材及び固定部材を用いて建物の構造部材に固定されているので、屋根材の強度が損なわれることがない。また、ボルト等を貫通させるための下穴を開けるなどの加工も必要なく、更に、ビスにより穴を開けたり、ボルトを貫通させるための下穴を開けたりすることで屋根材が破損するということも防止できる。
【0053】
次に、上述した構造の第1〜第3変型例を、図面を参照して、以下に説明する。
【0054】
図7は、本明細書に開示する構造の第1変型例を示す図である。
【0055】
本変型例の構造10aでは、屋根材固定部22aと嵌合凹部41aとの間に空間が形成されている。具体的には、第1延出部23aと中央壁43との間、及び、第2延出部24aと固定底部42との間に空間が設けられている。さらに、第2延出部24aの端部と第1側壁44との間にも空間が設けられている。
【0056】
本変型例では、嵌合凹部41a内に侵入した水は、屋根材固定部22aと嵌合凹部41aとの間の空間を通るので、上述した第1実施形態よりも少ない抵抗で排水される。
【0057】
本変型例の構造10aでは、屋根材20aと屋根材20bとは、バックアップ材12を介して、互いの横方向の動きが規制される。屋根材20a又は屋根材20bの風圧等による変形を許容する観点から、バックアップ材12は弾性を有していることが好ましい。
【0058】
また、本変型例の構造10aでは、第1延出部23aと中央壁43との間、又は、第2延出部24aと固定底部42との間の何れか一方に空間が設けられていれば良く、両方に空間が設けられていなくても良い。
【0059】
図8Aは、本明細書に開示する構造の第2変型例を示す図である。
【0060】
本変型例の構造10bでは、固定部材40の第1側壁44の高さが、上述した実施形態よりも低くなっており、第1側壁44と屋根材本体21aとの間にはシール材が配置されていない。
【0061】
一方、取り付け部材30と屋根材本体21aとの間には、緩衝性を有するシール材14が配置されており、取り付け部材30の長手方向の全体に亘って、屋根材本体21aを内側から支持している。
【0062】
本変型例によれば、シール材14を介して、第1側壁44よりも幅の広い取り付け部材30によって、屋根材20aが内側から支持されるので、屋根材20aが一層確実に建物の構造部材50上に固定される。
【0063】
図8Bは、本明細書に開示する構造の第3変型例を示す図である。
【0064】
本変型例の構造10cでは、取り付け部材30の形状が、上述した実施形態とは異なっている。上述した第1実施形態では、取り付け部材30は、中空の矩形形状を有していたが、本変型例では、取り付け部材30は、屋根材固定部22aの第2延出部24aと平行な板状の水平部30aと、固定部材40の第1側壁44と平行な板状の垂直部30bとを有している。水平部30aは、垂直部30bにおける建物の構造部材50とは反対側の端部に垂設されている。
【0065】
水平部30aの両端部それぞれは、屋根材固定部22aの固定凹部25a内で、第1側壁44及び第1延出部23aに当接している。屋根材固定部22aは、第1延出部23aが、水平部30aと固定部材40の中央壁43及びバックアップ材12とに挟持されて、横方向の動きが規制されている。
【0066】
垂直部30bは、ビス46aにより、第1側壁44と接合されている。垂直部30bにおける建物の構造部材50側の端部は、屋根材固定部22aの第2延出部24aに当接している。屋根材固定部22aは、第2延出部24aが垂直部30bと固定部材40の固定底部42とに挟持されて、縦方向の動きが規制されている。また、屋根材固定部22aの建物の構造部材50側に向かう縦方向の動きは、第1側壁44及びシール材13によっても規制されている。
【0067】
本変型例では、取り付け部材30は、例えば、縦長の鉄板を、幅方向にL字状に折曲して形成することができる。従って、取り付け部材30を低いコストで容易に形成することができる。
【0068】
上述した本変型例では、第2延出部の幅が、嵌合凹部の幅と同じであった。しかし、例えば、第2延出部の幅が、嵌合凹部の幅よりも短い場合には、取り付け部材30が、第1延出部を中央壁側に向かって押圧するようにして、屋根材固定部の横方向の動きを規制することが好ましい。具体的には、水平部30aの幅を調節して、水平部30aが第1延出部を中央壁側に向かって押圧するようにすれば良い。
【0069】
次に、上述した構造の他の実施形態を、
図9及び
図10を参照しながら以下に説明する。他の実施形態について特に説明しない点については、上述の第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、同一の構成要素には同一の符号を付してある。
【0070】
図9は、本明細書に開示する建物の屋根における屋根材が取り付け部材を用いて建物の構造部材に固定される構造の第2実施形態を示す図である。
【0071】
本実施形態の構造10dでは、固定部材の構造が、上述した第1実施形態とは異なっている。
【0072】
本実施形態では、固定部材70は、屋根材固定部22a、22bを嵌合して固定する固定部本体70aと、固定部本体70aを建物の構造部材50に固定する固定補助部70b、70cとを有する。
【0073】
固定部本体70aは、建物の構造部材50に固定される板状の固定底部72と、固定底部72の中央部に垂設される中空の中央壁73と、固定底部72の一方の端部に垂設される第1側壁74と、他方の端部に垂設される第2側壁75とを有する。
【0074】
また、固定部本体70aは、中央壁73と固定底部72と第1側壁74とによって囲まれる嵌合凹部71a、及び、中央壁73と固定底部72と第2側壁75とによって囲まれる嵌合凹部71bを有する。嵌合凹部71aには、屋根材20aの屋根材固定部22aが嵌合され、嵌合凹部71bには、屋根材20bの屋根材固定部22bが嵌合される。
【0075】
固定補助部70bは、固定部本体70aの第1側壁74を建物の構造部材50に固定する。固定補助部70bは、L字状の形状を有しており、L字を形成する一方の板状の部分がビス77aを用いて建物の構造部材50に固定される。また、固定補助部70bは、L字を形成する他方の板状の部分が第1側壁74を係止すると共に、ビス76aを用いて第1側壁74と接合される。固定補助部70bは、第1側壁74が変形することを防止して、固定部本体70aを補強する。
【0076】
同様に、固定補助部70cは、固定部本体70aの第2側壁75を建物の構造部材50に固定する。固定補助部70cは、L字状の形状を有しており、L字を形成する一方の板状の部分がビス77bを用いて建物の構造部材50に固定される。また、固定補助部70cは、L字を形成する他方の板状の部分が第2側壁75を係止すると共に、ビス76bを用いて第2側壁75と接合される。固定補助部70cは、第2側壁75が変形することを防止して、固定部本体70aを補強する。
【0077】
ビス76a及び76b並びにビス77a、77bは、固定部材70の長手方向において所定の間隔で配置される。
【0078】
このようにして、固定部本体70aは、固定補助部70b、70cを用いて、建物の構造部材50に固定される。
【0079】
本実施形態では、固定部本体70aと固定補助部70bと固定補助部70cとは、別個の部品であるので、固定部本体70aと固定補助部70b又は固定補助部70cとの間の相対的な位置関係を、所定の範囲内で調整可能である。従って、屋根材20a及び屋根材20bを建物の構造部材50に固定する際に、屋根材20a及び屋根材20bの位置関係にズレが生じても、固定部本体70aと固定補助部70b又は固定補助部70cとの間の位置関係を調整することにより、屋根材20a及び屋根材20bを建物の構造部材50に確実に固定することができる。
【0080】
図10は、本明細書に開示する建物の屋根における屋根材が取り付け部材を用いて建物の構造部材に固定される構造の第3実施形態を示す図である。
【0081】
本実施形態では、構造10eは、取り付け部材及び固定部材の構造が、上述した第1実施形態とは異なっている。
【0082】
屋根材20a及び屋根材20bは、屋根材固定部22a及び屋根材固定部22bが固定部材80を挟持するように並べて建物の構造部材50上に配置される。
【0083】
固定部材80は、中空の矩形形状を有している。固定部材80は、ビス88を用いて建物の構造部材50に固定される。
【0084】
ビス88は、固定部材70の長手方向において所定の間隔で配置される。
【0085】
取り付け部材31は、屋根材固定部22aの固定凹部25aに取り付けられている。取り付け部材31は、屋根材固定部22aの第2延出部24aを建物の構造部材50側に向かって押圧する板状の押圧部31aと、建物の構造部材50に固定される板状の固定部31bとを有する。
【0086】
固定部31bは、ビス87aを用いて建物の構造部材50に固定される。
【0087】
押圧部31aは、固定部31bの端部から段差状に延出しており、押圧部31aと建物の構造部材50との間の段差による空隙の寸法は、第2延出部24aの厚さと等しくなっている。
【0088】
本実施形態の取り付け部材31は、押圧部31aが、第2延出部24aを建物の構造部材50側に向かって押圧して、屋根材固定部22aを建物の構造部材50に固定する。屋根材固定部22aの縦方向の動きは、屋根材固定部22aの第2延出部24aが押圧部31aと建物の構造部材50とに挟持されて規制される。
【0089】
また、屋根材固定部22aの横方向の動きは、屋根材固定部22aが、固定部材80及びバックアップ材12と取り付け部材31とに挟まれて規制される。
【0090】
同様に、屋根材20bの屋根材固定部22bは、取り付け部材31を用いて、建物の構造部材50に固定される。
【0091】
ビス87a及び87bは、取り付け部材31の長手方向において所定の間隔で配置される。
【0092】
本実施形態の構造10dによれば、上述した第1実施形態よりも簡易な構造を有する取り付け部材及び固定部材を用いて、屋根材が建物の構造部材に固定される。
【0093】
次に、本明細書に開示する屋根材を取り付け部材を用いて建物の構造部材に固定する方法の好ましい第1実施形態を、図面を参照して、以下に説明する。
【0094】
以下に説明する方法は、
図3に示す構造を用いて、屋根材を取り付け部材を用いて建物の構造部材に固定するものである。
【0095】
まず、
図11に示すように、固定部材40の嵌合凹部41a、41bの開放側を建物の構造部材50とは反対側に向けて、ビス47a、47bを用いて、固定部材40を建物の構造部材50に固定する。そして、シール材13を、固定部材40の第1側壁44の上に配置する。
【0096】
次に、
図12に示すように、取り付け部材30を屋根材20aの屋根材固定部22aにおける固定凹部25aに嵌め込むように、取り付け部材40を屋根材固定部22aに取り付ける。
【0097】
次に、
図13に示すように、屋根材固定部22aを嵌合凹部41aと対向するように建物の構造部材50側に向けて屋根材20aを建物の構造部材50の上に配置し、固定凹部25aに取り付け部材30が嵌め込まれた屋根材固定部22aを嵌合凹部41aに嵌め込む。
【0098】
次に、
図14に示すように、ビス46aを用いて、屋根材固定部22aに取り付けられた取り付け部材30を固定部材40の第1側壁44に接合する。このようにして、屋根材20aは、取り付け部材30及び固定部材40を用いて、建物の構造部材50に固定される。
【0099】
次に、
図15に示すように、屋根材20bの屋根材固定部22bを、屋根材20aと同様にして、建物の構造部材50に固定する。そして、屋根材20aと屋根材20bとの間にバックアップ材12及びシール材11を配置して、
図3に示す構造が得られる。
【0100】
次に、本明細書に開示する屋根材を取り付け部材を用いて建物の構造部材に固定する方法の好ましい第2実施形態を、図面を参照して、以下に説明する。
【0101】
以下に説明する方法は、
図10に示す構造を用いて、屋根材を取り付け部材を用いて建物の構造部材に固定するものである。
【0102】
まず、
図16に示すように、固定部材80を、ビス88を用いて、建物の構造部材50上に固定する。
【0103】
次に、
図17に示すように、屋根材固定部22aを建物の構造部材50側に向けて、屋根材固定部22aの第1延出部23aと固定部材80とが当接するように、屋根材20aを建物の構造部材50の上に配置する。
【0104】
次に、
図18に示すように、取り付け部材31を用いて、屋根材固定部22aを建物の構造部材50に固定する。この際、取り付け部材31の押圧部31aが屋根材固定部22aの第2延出部24aを建物の構造部材50側に向かって押圧するように、取り付け部材31の固定部31bを、ビス87aを用いて建物の構造部材50に固定する。
【0105】
次に、
図19に示すように、屋根材20bの屋根材固定部22bを、屋根材20aと同様にして、建物の構造部材50に固定する。そして、屋根材20aと屋根材20bとの間にバックアップ材12及びシール材11を配置して、
図10に示す構造が得られる。
【0106】
本発明では、上述した実施形態の構造及び屋根材及び方法は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、一の実施形態又はその変型例が有する構成要件は、他の実施形態又は変型例にも適宜適用することができる。
【0107】
例えば、上述した各実施形態の屋根材では、屋根材固定部の第1延出部は、屋根材本体の幅方向の端部から建物の構造部材側に向かって垂直に延びていたが、第1延出部は垂直に延びていなくても良い。同様に、屋根材固定部の第2延出部は、第1延出部の端部から屋根材本体の幅方向の内側に向かって垂直に延びていたが、第2延出部は垂直に延びていなくても良い。
【0108】
また、上述した各実施形態の屋根材では、屋根材固定部は、それ自体にはビス等により穴を開けられることがなく、取り付け部材又は固定部材を用いて建物の構造部材に固定されていたが、屋根材固定部は、穴を開けてビス等を用いて建物の構造部材に固定されても良い。