(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記直交拡散符号は、拡散直交符号の階層木を含み、拡散直交符号の前記階層木の異なるレベルは、異なる長さの直交拡散符号を提供し、拡散直交符号の前記階層木の各レベルは、同一の長さを有する複数の直交拡散符号を提供する、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
ワイヤレス遠隔通信システムの隣接する基地局のセットを判定するように動作可能な判定する論理であって、隣接する基地局の前記セット内の各基地局は、その基地局との送信をサポートするために同一の搬送波およびスクランブリング符号を利用する、判定する論理と、
隣接する基地局の前記セット内の基地局に、これらの基地局との送信のための異なる拡散符号を割り当てるように動作可能な割当論理と
を含むゲートウェイ。
前記割当論理は、隣接する基地局の前記セット内の基地局の最小の期待されるトラフィック需要に基づいて拡散符号を割り当てるように動作可能である、請求項16に記載のゲートウェイ。
前記割当論理は、隣接する基地局の前記セット内の基地局との送信について要求される最低限のサービス品質に基づいて拡散符号の割当を制限するように動作可能である、請求項16に記載のゲートウェイ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、そのような小セル基地局の構成が急増していること、及びマクロ基地局の密度増加することが、望ましくない結果を引き起こす可能性がある。したがって、そのような配置に関連する問題を除去する改善された技法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、請求項1で請求されるワイヤレス遠隔通信システムの基地局との送信を制御する方法が提供される。
【0009】
第1の態様は、ワイヤレス遠隔通信ネットワーク・オペレータによる使用のために使用可能な別々の搬送波周波数の数が、制限され、搬送波を再利用する必要がある場合があることを認めるものである。これは、基地局が非常に近接して配置され、別々の周波数上で別々の搬送波をそれぞれに割り当てることが不可能であり、配置の密度が高まるにつれて、干渉が基地局の間で発生する尤度が高まる時に、特にあてはまる。これは、アパートまたは商業ビルディングなどの高密度区域内でプライベート・ユーザによって配置される小セル基地局に特にあてはまる可能性が高い。そのような状況では、ある基地局による送信が、別の基地局による送信に干渉する可能性がある。
【0010】
基地局からの送信の電力レベルを調整することによって干渉を軽減することが可能である場合があるが、これは、基地局のカバレージ・エリアをかなり小さくする可能性がある。また、異なるスクランブリング符号を使用することによって同一搬送波上で基地局を分離することが可能である場合があるが、配置の密度が高まるにつれて、隣接する基地局が同一のスクランブリング符号を使用する尤度も高まる。
【0011】
第1の態様は、同一の搬送波およびスクランブリング符号を使用する、それぞれに非常に近接する基地局を有することが、ある基地局による送信が別の基地局による送信への干渉につながることを認めるものである。
【0012】
したがって、隣接する基地局のセットまたはグループが判定される。基地局のそのセットは、互いに隣接し(すなわち、オーバーラップするか隣接するカバレージ・エリアを有し)、同一の搬送波周波数およびスクランブリング符号を使用する基地局を含むことができる。したがって、これらの基地局は、セット内の基地局のそれぞれとの送信をサポートするために、同一の搬送波周波数およびスクランブリング符号を用いて動作するオーバーラップするセルまたは隣接するセルを提供する。同一の搬送波およびスクランブリング符号を利用する隣接する基地局は、お互いとの干渉を引き起こす可能性が高い。したがって、隣接する基地局のセット内の各基地局は、そのセル内での送信のためにセット内の他の基地局によって使用されるものとは異なる拡散符号(spreading code)を割り当てられる。各基地局は、それ自体の拡散符号を孤立して選択することができるが、セット内のすべての基地局の間で拡散符号の割当を制御することによって可能であるものより高いレベルの干渉が発生する危険性がある。しかし、同一の搬送波およびスクランブリング符号を共有する基地局のセット内の各基地局に異なる拡散符号を割り当てることによって、基地局の間の送信における干渉を制御することができる。
【0013】
一実施形態では、割り当てるステップは、隣接する基地局のセット内の基地局の動作特性に基づいて異なる拡散符号を割り当てるステップを含む。割り当てられる拡散符号は、各基地局が使用可能なスループットに影響する。したがって、基地局ごとに既知であり得る動作需要に対処しようと努める形で、各拡散符号を割り当てることが可能である。たとえば、ある基地局の動作特性が、その基地局が他の基地局より高い需要を有することを示す場合には、セット内の他の基地局よりその基地局を優先する拡散符号を割り当てることが可能である。同等に、各基地局が同様の需要を有する場合には、これらの需要を同等に満足する拡散符号を割り当てることが可能である。
【0014】
一実施形態では、割り当てるステップは、隣接する基地局のセット内の基地局のトラフィック需要に基づいて拡散符号を割り当てるステップを含む。したがって、拡散符号を、各基地局の相対トラフィック需要に基づいて割り当てることができる。たとえば、より高いトラフィック需要の基地局に増やされたスループットを提供する拡散符号を、より低いトラフィック需要の基地局に減らされたスループットを提供する拡散符号を提供することが可能である可能性がある。したがって、実施形態では、割り当てるステップは、トラフィック需要の達成を最適化する拡散符号のグループを割り当てるステップを含む。セット内のすべての基地局のすべての需要を満足することが不可能である場合に、そのような拡散符号の割当が、妥協解決策を必要とする場合があることを了解されたい。したがって、使用可能な拡散符号の個数とチャネル上で達成可能な最大データ・レートとの間に、トレードオフがある。したがって、高いデータ・レートを必要とする基地局は、短い符号を必要とするが、短い符号の個数は限られている。多数の基地局をサポートするためには、チャネルごとに1つの、多数の使用中の符号がある必要がある。したがって、動作する基地局ごとに十分な符号があることと、高いデータ・レートを必要とするチャネルができる限り短い符号を得ることとを保証するために、拡散符号の注意深いネゴシエーションが必要である。同一の拡散符号を使用する2つの基地局がお互いの範囲内にないならば、拡散符号を、隣接する基地局の他のセットに属する他の基地局によって再利用できることを了解されたい。
【0015】
一実施形態では、割り当てるステップは、隣接する基地局のセット内の基地局の最低限の期待されるトラフィック需要に基づいて拡散符号を割り当てるステップを含む。したがって、トラフィック需要がセット内の基地局によって示されない時であっても、基地局が将来にそのようなトラフィック需要を有する可能性があることを期待して、拡散符号をそれでも割り当てて、その基地局からの最低限トラフィック需要について備えることができる。期待されるトラフィック需要をサポートするために基地局に拡散符号を事前に割り当てることによって、そのような需要がその後に生じる場合に、基地局は、拡散符号の割当をネゴシエートする必要なしに、即座にユーザ機器にそのレベルのサポートを提供することができる。これは、システムの安定性を改善し、シグナリング需要を減らす。一実施形態では、割り当てるステップは、最低限の期待されるトラフィック需要の達成を最適化する拡散符号のグループを割り当てるステップを含む。
【0016】
一実施形態では、割り当てるステップは、隣接する基地局のセット内の基地局との送信について要求される最低限のサービス品質に基づいて拡散符号の割当を制限するステップを含む。したがって、最低限のサービス品質を達成する必要により、可能な拡散符号の割当を制限することができる。たとえば、サービス品質要件は、データ送信が受信されることを保証する必要がデータ帯域幅上で優先順位付けされることを保証するように送信が構成されなければならないことを要求可能である。すなわち、特定のデータ送信のデータ・レートを減らさなければならない場合であっても、これらのデータ送信を必ず受信できることを保証できることを要求することができる。したがって、データの消失につながる危険を冒してデータ・レートを増やす可能性のある拡散符号の割当を防ぎ、これによってこれらの拡散符号の割当を制限することができる。一実施形態では、割り当てるステップは、最低限のサービス品質の達成を最適化する拡散符号のグループを割り当てるステップを含む。
【0017】
一実施形態では、割り当てるステップは、隣接する基地局のセットのサイズに基づいて拡散符号を割り当てるステップを含む。したがって、拡散符号を、隣接する基地局のセットのサイズに基づいて割り当てることができる。この形で、セット内の各基地局に拡散符号を割り当てる性能を向上させることができる。一実施形態では、割り当てるステップは、セット内の各基地局に異なる拡散符号を割り当てるステップを含む。これが、基地局が最小限の干渉を伴って送信するのを妨げる可能性がある、各基地局がそれ自体の拡散符号を孤立して判定する配置と対照されなければならないことを了解されたい。一実施形態では、割り当てるステップは、少なくともセット内の基地局の個数について拡散符号を割り当てるステップを含む。
【0018】
一実施形態では、割り当てるステップは、期待される将来の拡散符号割当に関する拡散符号予約要件に基づいて拡散符号を割り当てるステップを含む。したがって、拡散符号割当を、将来の使用のために拡散符号を予約する形で行うことができる。この形で、データ・スループットを最大にする可能な拡散符号の一部を割り当てないものとすることができ、その代わりに、いくつかの拡散符号を、要求された場合にこれらの拡散符号を割り当てることを可能にするために予約することができる。これは、拡散符号が必要な時の、既に割り当てられた拡散符号のいずれをも変更することを必ずしも必要としない、これらの予約された拡散符号のすばやい割当を可能にする。やはり、これは、システムの安定性を改善し、ネットワーク変化に応答して要求されるシグナリングの量を減らす。
【0019】
一実施形態では、所定の選択判断基準が、特性の変化に基づいて拡散符号を再選択する。したがって、基地局の動作特性の変化が発生する場合に、割り当てられた拡散符号に対する変更が必要であるかどうかの判定を行うことができる。拡散符号の割当の変更が要求される時に限って、拡散符号が再選択される。やはり、これは、システムの安定性を改善し、ネットワーク変化に応答して要求されるシグナリングの量を減らす。
【0020】
一実施形態では、拡散符号は、直交拡散符号である。したがって、干渉を減らすために、拡散符号をお互いに直交にすることができる。
【0021】
一実施形態では、直交拡散符号は、拡散直交符号の階層木を含み、拡散直交符号の階層木の異なるレベルは、異なる長さの直交拡散符号を提供し、拡散直交符号の階層木の各レベルは、同一の長さを有する複数の直交拡散符号を提供する。階層木の提供は、割当プロセスを単純にする。というのは、拡散符号の長さが、木の分岐を根から離れる方向にたどるたびに増えるからである。木の葉では、符号が、最長であり、最低のデータ・レートを提供する。木の根では、符号が、最短であり、最高のデータ・レートを提供する。符号の直交性は、木内の所与の符号が使用される場合に、その符号から葉の方向の符号のどれをも使用できないことを保証することによって達成される。
【0022】
第2の態様によれば、請求項16に記載のネットワーク・ノードが提供される。
【0023】
一実施形態では、ネットワーク・ノードは、基地局および基地局コントローラのうちの1つを含む。一実施形態では、基地局は、フェムト基地局を含む。一実施形態では、基地局コントローラは、フェムト・ゲートウェイを含む。
【0024】
一実施形態では、割当論理は、隣接する基地局のセット内の基地局の動作特性に基づいて異なる拡散符号を割り当てるように動作可能である。
【0025】
一実施形態では、割当論理は、隣接する基地局のセット内の基地局のトラフィック需要に基づいて拡散符号を割り当てるように動作可能である。
【0026】
一実施形態では、割当論理は、隣接する基地局のセット内の基地局の最低限の期待されるトラフィック需要に基づいて拡散符号を割り当てるように動作可能である。
【0027】
一実施形態では、割当論理は、隣接する基地局のセット内の基地局との送信について要求される最低限のサービス品質に基づいて拡散符号の割当を制限するように動作可能である。
【0028】
一実施形態では、割当論理は、隣接する基地局のセットのサイズに基づいて拡散符号を割り当てるように動作可能である。
【0029】
一実施形態では、割当論理は、期待される将来の拡散符号割当に関する拡散符号予約要件に基づいて拡散符号を割り当てるように動作可能である。
【0030】
一実施形態では、割り当てるステップは、動作特性の変化に基づいて拡散符号を再選択することを含む。
【0031】
一実施形態では、拡散符号は、直交拡散符号である。
【0032】
一実施形態では、直交拡散符号は、拡散直交符号の階層木を含み、拡散直交符号の階層木の異なるレベルは、異なる長さの直交拡散符号を提供し、拡散直交符号の階層木の各レベルは、同一の長さを有する複数の直交拡散符号を提供する。
【0033】
第3の態様によれば、コンピュータ上で実行された時に第1の態様の方法ステップを実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム製品が提供される。
【0034】
さらなる特定の態様および好ましい態様は、添付の独立請求項および従属請求項で示される。従属請求項の特徴を、適宜、特許請求の範囲で明示的に示されたもの以外の組合せで、独立請求項の特徴と組み合わせることができる。
【0035】
本発明の実施形態を、これから、添付図面を参照してさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1に、一実施形態によるワイヤレス通信システム、全体的に10を示す。ユーザ機器44は、ワイヤレス通信システム10を通ってローミングする。それぞれのマクロ・セル24をサポートする基地局22が、設けられる。複数のそのような基地局が設けられ、これらは、ユーザ機器44に広いカバレージ面積を提供するために、地理的に分散される。ユーザ機器44が、基地局22によってサポートされるマクロ・セル24内にある時には、通信を、関連する無線リンクを介してユーザ機器44と基地局22との間で確立することができる。各基地局は、通常、複数のセクタをサポートする。通常、基地局内の異なるアンテナは、関連するセクタをサポートする。もちろん、
図1が、通常の通信システム内に存在することのできるユーザ機器および基地局の総数の小さいサブセットを示すことを了解されたい。
【0038】
ワイヤレス通信システム10は、無線ネットワーク・コントローラ170によって管理される。無線ネットワーク・コントローラ170は、バックホール通信リンク160を介して基地局22と通信することによって、ワイヤレス通信システム10の動作を制御する。無線ネットワーク・コントローラ170は、ワイヤレス通信システム10を効率的に管理するために、そのそれぞれの無線リンクを介してユーザ機器44とも通信する。
【0039】
無線ネットワーク・コントローラ170は、基地局によってサポートされるセルの間の地理的関係に関する情報を含む近傍リストを維持する。さらに、無線ネットワーク・コントローラ170は、ワイヤレス通信システム10内のユーザ機器の位置に関する情報を提供する位置情報を維持する。無線ネットワーク・コントローラ170は、回線交換網およびパケット交換網を介してトラフィックをルーティングするように動作可能である。したがって、無線ネットワーク・コントローラ170が通信することができるモバイル・スイッチング・センタ(mobile switching centre)250が設けられる。モバイル・スイッチング・センタ250は、公衆交換電話網(PSTN)210などの回線交換網と通信する。同様に、ネットワーク・コントローラ170は、service general packet radio service support node(SGSN)220およびgateway general packet radio support node(GGSN)180と通信する。GGSNは、たとえばインターネットなどのパケット交換コア190と通信する。
【0040】
図2に詳細に示されているように、小セル基地局、この例ではフェムト・セル基地局F
AからF
Cが提供され、このフェムト・セル基地局のそれぞれは、関連するフェムト・セル基地局がその中に設置された建物の付近でフェムト・セルAからCを提供する。フェムト・セルAからCは、これらの建物の付近のユーザにローカル通信カバレージを提供する。各フェムト・セル基地局F
AからF
Cは、フェムトセル・コントローラ/ゲートウェイ230を介して通信する。ハンドオーバーなどのモビリティ・イベントまたはキャンピング・イベントは、フェムト基地局F
AからF
Cが範囲内に来る時に、基地局22とフェムト・セル基地局F
AからF
Cとの間で発生する。フェムト・セル基地局F
AからF
Cは、通常、バックホールとしてユーザのブロードバンド・インターネット接続240(ADSL、ケーブル、イーサネットその他など)を利用する。
【0041】
フェムト・セル基地局F
AからF
Cは、住居環境または企業環境で高いセルラー・サービス品質を提供する、低電力低コストのユーザ配置される基地局である。複雑で非常に信頼できる基地局がネットワーク所有者によって判断された戦略的位置に配置される現在のマクロ・セル手法とは異なって、フェムト・セル基地局F
AからF
Cは、顧客によってローカルに提供される。そのようなフェムト・セル基地局F
AからF
Cは、マクロ・ネットワークのうちで、サービス品質が低い可能性がある区域内でローカル・カバレージを提供する。したがって、フェムト・セル基地局F
AからF
Cは、ネットワーク・オペレータにとってむずかしい区域内で改善されたサービス品質を提供する。フェムト基地局は、プライベート・アクセスまたは公衆アクセスとすることができる。プライベート・アクセスを提供するフェムト基地局では、アクセスは、登録されたユーザ、たとえば家族構成員または従業員の特定のグループだけに制限される。公衆アクセスであるフェムト基地局では、通常は好ましいユーザによって受信されるサービス品質を保護するためのある種の制約を受けて、他のユーザがフェムト基地局を使用することができる。
【0042】
フェムト基地局F
AからF
Cのコストを下げ、フェムト・セルの複雑さおよびマクロ・セル内の他のユーザ機器に対する干渉効果を減らすために、フェムト・セル基地局F
AからF
Cの送信電力は、フェムト・セルのサイズを数10m以下の範囲に制限するために、相対的に低い。フェムト・セル基地局F
AからF
Cは、単純にプラグアンドプレイの配置を可能にするために、徹底的な自動構成および自己最適化能力を有する。したがって、フェムト・セル基地局F
AからF
Cは、既存のマクロ・セルラー・ワイヤレス・ネットワーク10にそれら自体を自動的に一体化するように設計されている。
【0043】
フェムト・セルは、通常、クラスタにグループ化され、各フェムト・セル・クラスタは、既存のパケット交換コア・ネットワーク内でSGSNと通信する時または既存の回線交換コア・ネットワーク内でMSCと通信する時に、単一のRNCのように振る舞う。しかし、RNC機能性が、多数のネットワーク要素に沿って地理的に散在することを考慮すると、フェムト・セルのクラスタごとにフェムト・ゲートウェイを配置することが必要である。このフェムト・ゲートウェイは、伝統的なコア・ネットワーク要素とフェムト・セル・クラスタとの間のシグナリング・インターフェースを終端し、これによって、単一の仮想RNCの概念をもたらす。この仮想RNCは、全体としてのフェムト・セル・クラスタを表す。フェムト・ゲートウェイは、フェムト基地局自体で実施される複数の手順をサポートする。
【0044】
図3に、送信搬送波の構成および異なるタイプの符号の効果を示す例の配置を概念的に示す。この例では、2つのブロードバンド搬送波C
1およびC
2が提供され、このそれぞれが、異なる周波数f
1およびf
2上で送信される。通常、ネットワーク・オペレータが使用可能な異なる搬送波の個数は、少ない。したがって、搬送波は、搬送波が複数の送信をサポートすることを可能にするために、スクランブリング符号を使用して分割される。したがって、複数のベアラB
11からB
1NおよびB
21からB
2Nを提供する、複数の、通常は直交のスクランブリング符号が提供される。複数の送信をさらにサポートするために、これらのベアラは、チャネル化符号を使用して複数のチャネルに分割される。図示の例では、ベアラB
21が、複数のチャネル、この例ではダウンリンク・チャネルCH
D、アップリンク・チャネルCH
U、制御チャネルCH
C、および複数の他のチャネル(図示せず)に分割される。
【0045】
各チャネルは、他のチャネルからの干渉の存在下で各チャネルを復号することを可能にするために、拡散符号を利用する。拡散符号は、オリジナル・データを識別し、抽出するために、受信器によって使用される。拡散符号の効果は、干渉に対する妨害感受性を下げ、データ抽出の信頼性を改善するために、送信されるデータをより多数のビットにまたがって効果的に拡散することである。しかし、これによる結果は、拡散符号の長さが長ければ長いほど(したがって、複製の範囲およびデータ消失に対する関連する抵抗が大きければ大きいほど)、チャネルの有効データ・レートが低くなることである。したがって、高いデータ・レートの提供とオリジナル・データを信頼できる形で抽出できることの確実性の提供との間にトレードオフがある。言い替えると、長い拡散符号の使用は、送信の信頼性を高め、大量の干渉の存在下で弱い信号を受信することを可能にするが、これは、チャネルの有効データ・レートを下げる。逆に、より短い拡散符号は、チャネル内の複製の量を減らし、より高い有効データ・レートを達成することを可能にするが、これは、干渉に対する妨害感受性および弱い信号を潜在的に復号できないことを犠牲にして得られる。
【0046】
図4に、直交拡散符号の例の木配置を概略的に示す。根拡散符号SC
1から始めると、符号の長さは、根から離れる方向で木の分岐をたどるたびに1つ増える。すなわち、拡散符号SC
12の長さは、拡散符号SC
1の長さより1つ長く、拡散符号SC
122の長さは、拡散符号SC
12の長さより1つ長い。したがって、木の葉に向かって、符号が最長であり、したがって、最低の有効データ・レートをもたらすことが分かる。同様に、木の根に向かって、符号は最短であり、したがって、最高の有効データ・レートをもたらす。
【0047】
符号の直交性は、木内の所与の符号が使用される場合に、そのスクランブリング符号から葉に向かう符号のいずれをも使用できないことを保証することによって達成することができる。たとえば、拡散符号SC
11が選択される場合に、葉に向かうすべての符号(すなわち、拡散符号SC
111およびSC
112とその葉拡散符号)は、もはや使用可能ではない。これは、拡散符号の選択を注意深く制御する必要があることを意味する。というのは、拡散符号の不適切な選択が、他の拡散符号の使用不能性につながる可能性があるからである。たとえば、拡散符号SC
11およびSC
12が選択される場合には、他の拡散符号は使用可能ではなくなる。
【0048】
基地局の個数が増えるにつれて、隣接する基地局が同一の搬送波周波数および同一のスクランブリング符号を使用する尤度も増える。これは、時々アパートまたは商業ビルディングなどの高密度区域内でプライベート・ユーザによって配置されるフェムト基地局に特にあてはまる可能性が高い。
【0049】
ここで
図5に移ると、この図は、フェムト・ゲートウェイ230またはRNCもしくはmobility management entity(MME)などの中央コントローラがフェムト基地局F
AからF
Cなどの複数の基地局を管理する、集中化制御方式を示す。
【0050】
ゲートウェイ230は、各フェムト基地局、その搬送波、およびスクランブリング符号を示す近傍リストを維持する。この情報から、ゲートウェイ230は、同一の搬送波およびスクランブリング符号を共有する隣接するフェムト基地局のセットを導出することができる。
【0051】
ここで
図6に移ると、この図は、分散制御方式を示す。この配置では、ゲートウェイ230を有するのではなく、フェムト基地局自体が、中央コントローラとして、ユーザ機器測定レポートから、フェムト基地局自体によるスニッフィングから、および/または各フェムト基地局を示す近傍リストを維持するコア・ネットワークによって提供される情報からのいずれかの情報を介して、働くことができる。この情報から、各フェムト基地局は、同一の搬送波およびスクランブリング符号を共有する隣接するフェムト基地局のセットを導出することができる。
【0052】
次の例は、フェムト基地局に関する動作を説明するが、同一の技法を、搬送波およびスクランブリング符号を共有するすべての隣接する基地局に適用できることを了解されたい。
【0053】
上で述べたように、各基地局が、それ自体の拡散符号を孤立して選択することが許容される場合には、非直交符号が選択される可能性があり、あるいは、他の隣接する基地局が干渉しない拡散符号を選択できるようになるのを妨げる符号が選択される可能性がある。したがって、不必要な干渉の発生を防ぐために、それぞれが同一のスクランブリング符号を同一の搬送波上で利用する隣接する基地局の間の協力またはネゴシエーションが必要である。具体的に言うと、各フェムト・セルが動作するために十分な拡散符号があることと、高いデータ・レートを必要とするチャネルができる限り短い拡散符号を得ることと、を保証するために、拡散符号の注意深い割当が必要である。
【0054】
ここで
図5に戻ると、この例では、拡散符号を必要とするフェムト基地局F
Aは、ゲートウェイ230に要求を送信し、ゲートウェイ230は、使用可能な拡散符号を直接に割り当てるか、既に割り当てられた拡散符号を現在拡散符号を必要とする基地局の間で再割当する割当アルゴリズムを開始するかのいずれかを行う。
【0055】
ゲートウェイ230は、たとえば、基地局が満足すべきトラフィック需要および/またはある基地局のために選択できるチャネル化符号の最小長さを制限できる、その基地局が満足する必要があり得る最低限のサービス品質要件の指示など、各基地局の動作特性の指示を受信する。したがって、ゲートウェイ230は、同一の搬送波およびスクランブリング符号を共有する隣接する基地局の個数、これらの基地局のそれぞれでのトラフィック需要(これは、固定された需要、可変需要、または需要がないことの指示のいずれかとすることができる)、および任意のサービス品質要件という入力のうちの1つまたは複数を受信することができる。ゲートウェイ230は、
図4に示されたものなど、拡散符号の木をも与えられる。
【0056】
アルゴリズムは、その情報を使用して、指定されたポリシに従って複数の異なる可能な所望の結果のいずれか1つを達成することができる。たとえば、アルゴリズムは、現在トラフィック需要を有する基地局だけを考慮し、これらの基地局のそれぞれに最小長さの拡散符号を割り当てようと努めることができる。代替案では、アルゴリズムは、基地局に対するサービス品質制限を考慮に入れるために、最小の長さの拡散符号だけを割り当てることができる。同様に、アルゴリズムは、要求された時に拡散符号をすばやく利用できるようにするために、アクティブ・トラフィック需要を有しない基地局に拡散符号を事前に割り当てることができる。拡散符号を事前に割り当てることによって、トラフィック需要が発生した時またはセット内の別の基地局がアクティブ化された時に割当アルゴリズムを再実行する必要が事前に除去される。
【0057】
拡散符号の現在の割当を用いて満足することのできない、フェムト基地局のうちの少なくとも1つの動作特性の変化に起因して、拡散符号を再割当する必要がある場合には、ゲートウェイ230は、必要な情報を基地局に再要求し、アルゴリズムを再実行し、各基地局に拡散符号を再割当することができる。
【0058】
この形で、拡散符号の割当が、セット内の基地局のすべての必要を満足することを試みる調整された形で行われることが分かる。もちろん、すべての必要が完全には満足されない場合があるが、この手法を使用することによって、すべての基地局のより高い必要を満足する解決策が実現できることを了解されたい。
【0059】
ここで
図6に戻ると、ゲートウェイ230を利用するのではなく、基地局自体が分散方式の中央コントローラとして働くことができる。たとえば、フェムト基地局F
Bは、拡散符号を要求し、その隣接基地局とのネゴシエーションを開始する。したがって、この配置では、フェムト基地局F
Bは、上で述べたゲートウェイ230と同一の機能性の多くを与えられる。そのような分散方式の利益は、よりよいスケーラビリティを提供することである。
【0060】
フェムト基地局F
Bが、拡散符号を割り当てるためのネゴシエーションの開始中に、別のフェムト基地局F
Aがネゴシエーションを開始していることを見つけた場合には、フェムト基地局F
Bは、ネゴシエーションの制御をフェムト基地局F
Aに委ねることができる。2つのフェムト基地局が同時にネゴシエーションを開始する場合には、それらのフェムト基地局は、分散選択アルゴリズムを実行して、どちらがコントローラとして働くべきかを選択し、選択された側がその後に作業を行う。
【0061】
図7に、拡散符号割当機能性を組み込んだフェムト基地局、全般的にFの例の配置をより詳細に示す。フェムト基地局Fは、ユーザ機器との通信をサポートし、他の基地局の存在を検出するように動作可能なアンテナ300を有する。アンテナ300は、トランシーバ310に結合され、トランシーバ310は、符号コントローラ320によって符号を割り当てられる。符号コントローラ320は、アンテナ300、トランシーバ310、スニッファ330、および検出ユニット340の根を介するかバックホール・トランシーバ350を介するかのいずれかで収集された情報を使用して拡散符号割当アルゴリズムを動作させる。
【0062】
ユーザ機器との接続をセット・アップする時に、適当な拡散符号を割り当てる必要がある。符号コントローラ320は、既に使用可能な拡散符号を有するか、隣接物であるフェムト基地局と拡散符号のネゴシエーションを開始するか、ゲートウェイ230に拡散符号を要求するかのいずれかを行う。拡散符号の分割は、特定の所定のポリシに従って実行される。たとえば、あるポリシは、トラフィック需要に比例して符号を割り当てることができ、その結果、たとえば、それぞれが高負荷チャネルを必要とする隣接する4つの基地局は、それぞれ使用可能な拡散符号の約1/4を得るようになる。もう1つのポリシは、第1基地局の2つの要求を優先することとすることができ、その結果、後者の要求は、より長い拡散符号を与えられ、したがってより少ないデータ帯域幅を与えられるようになる。しかし、拡散符号を割り当てる任意の望ましいポリシおよび実施するアルゴリズムを使用できることを了解されたい。もう1つのポリシは、ユーザ機器との送信をサポートすることを将来に必要とする基地局への将来の割当のために、拡散符号を事前に割り当てることとすることができる。もう1つのポリシは、干渉に対する頑健性を改善するために、送信で最小レベルの冗長性が発生することを保証するための最小長さ未満の拡散符号が割り当てられるのを防ぐこととすることができる。もう1つのポリシは、各基地局に最小データ・スループットを達成する拡散符号を割り当てることとすることができる。
【0063】
どの方式が使用されるのかにかかわりなく、基地局が新しい拡散符号を受信する時に、基地局は、これらの符号を所定の時にその送信ユニットに与える。基地局が正しい時に符号の変更を実施することが重要である。というのは、実際に使用される符号が、直交である必要があり、さもなければ、干渉を引き起こすからである。好ましくは、マクロ・セル内の基地局は、そのマクロ基地局のパイロットを使用して送信を同期化することができる。代替案では、基地局は、MTPなどの時間同期化プロトコルを実行して、そのバックホールを介してクロックを同期化することができる。
【0064】
したがって、この手法が、拡散技法を使用して異なる基地局のトラフィックを分離し、基地局が、直交拡散符号のセットをネゴシエートし、干渉を避けるためにそれらを使用することが分かる。拡散符号を、木として説明することができ、符号の長さは、根から離れる方向で木の分岐をたどるたびに1つ増え、我々は、この方向を意味するために下と言い、根に向かう方向を意味するために上と言う。木の葉では、符号が最長であり、最低のデータ・レートを提供する。符号の直交性は、次のように達成される。木内の所与の符号が使用される場合に、その下の符号のどれをも使用することができない。使用可能な符号の個数とチャネル上で達成可能な最大データ・レートとの間に、トレードオフがある。したがって、高データ・レートを必要とする基地局は、短い符号を有しなければならないが、制限された量の短い符号がある。多数の基地局をサポートするために、チャネルごとに1つの、使用中の多数の符号が存在しなければならない。これは、この手法が、各基地局が動作するのに十分な符号があることと、高データ・レートを必要とするチャネルができる限り短い符号を得る(できる限り高いデータ・レートを達成するために)こととを保証するために、符号の注意深いネゴシエーションを必要とすることを意味する。同一のチャネル化符号(またはサブコード)を使用する2つの基地局がお互いの範囲内にない限り、拡散符号を他の基地局によって再利用することができる。
【0065】
上で述べたように、基地局の密度が高まる時に発生する可能性がある問題は、隣接する基地局が同一の搬送波およびスクランブリング符号を共有する尤度も高まることである。これは、コア・ネットワークに関する問題を引き起こす。というのは、ユーザ機器が、モビリティ・イベントが発生しつつあることをアクティブ呼中に検出できない可能性があるからである。これは、ユーザ機器が、セルの変化が発生しつつあることを検出するためにスクランブリング符号の変化を使用するので、セルの変化を検出できないからである。しかし、隣接するセルが、同一のスクランブリング符号を使用することができるので、ユーザ機器は、セルの変化を識別することができない。
【0066】
したがって、隣接する基地局が同一の搬送波およびスクランブリング符号を共有することをコア・ネットワークが検出し、隣接する基地局のこれらのセットについて、そうでなければモビリティ・イベントが発生しつつあるかどうかの査定に利用された可能性がある他の隣接するパイロット信号と同一のスクランブリング符号を共有するパイロット信号の強度に関する情報が、無視され、モビリティ・イベントが発生しつつあるかどうかの査定に使用されない、技法を提供する。その代わりに、コア・ネットワークは、やはりこれらの基地局によって送信され、その強度が査定を行うためにユーザ機器によって報告されつつあるさらなるパイロット信号に関する情報を使用する。
【0067】
図8に、基地局の例の配置を示す。この配置では、3つのフェムト基地局F
A、F
B、F
Cが設けられ、そのそれぞれが、マクロ基地局22のカバレージ・エリア内のカバレージを提供する。フェムト基地局F
AからF
Cのそれぞれは、二重パイロット送信を利用する。
【0068】
ゲートウェイ230などのネットワーク・ノードは、その制御下の基地局に問い合わせを行う。ゲートウェイ230は、フェムト基地局のそれぞれの近傍リストを判定すると同時に、パイロット送信のそれぞれによって使用される搬送波およびスクランブリング符号を判定する。この例では、フェムト基地局F
AからF
Cのそれぞれのパイロット1が、同一の搬送波およびスクランブリング符号を共有することが識別される。したがって、フェムト・ゲートウェイは、A〜C
5と示されるこれらのパイロットに関するすべての測定情報を、共有されるパイロットに関する情報として指定し、モビリティ・イベントが発生したかどうかの査定において、その情報を無視する。その代わりに、フェムト・ゲートウェイ23は、それぞれA
2からC
2と示されるフェムト基地局F
AからF
Cのそれぞれのパイロット2に関する測定情報を利用する。
【0069】
図8から分かるように、ユーザ機器は、時刻t
1に、当初にフェムト基地局F
Bの付近に配置される。ユーザ機器44は、ユーザ機器44が受信できるパイロットの強度を感知し、この情報を測定レポート内でゲートウェイ230に提供する。その後、ゲートウェイ230は、図示のようにリストをアセンブルする。図から分かるように、このリストは、ユーザ機器によって受信された最強の信号が、フェムト基地局F
BのパイロットB
2の信号であることを示す。共有されるパイロットA〜C
5は、同一の強度を有する。次に強い信号は、マクロ基地局22のパイロットMからであり、次に、フェムト基地局F
Aからの第2パイロットA
2、最後に、フェムト基地局F
Cからの第2パイロットC
2である。フェムト基地局F
AおよびF
Cからの他のパイロットは、フェムト基地局F
Bからのものと同一の搬送波およびスクランブリング符号を共有するので、これらの信号を別々に測定することは不可能である。
【0070】
時刻T
2に、ユーザ機器44は、フェムト基地局F
Cの付近の位置に移動している。ユーザ機器44は、フェムト・ゲートウェイ23に測定レポートを提供し続け、テーブルは、図示のように更新される。図から分かるように、共有されるパイロットA〜C
5について報告される信号の強度は、ユーザ機器44がフェムト基地局F
Bから離れて移動したにもかかわらず、実際には増えた。これは、やはり同一のスクランブル符号を用いて同一の搬送波上で同一のパイロット信号を送信しつつあるフェムト基地局F
Cへのユーザ機器44の接近に起因する。
【0071】
他のパイロット信号に関する測定レポートを組み込んだリストから分かるように、最強のパイロット信号は、フェムト基地局F
Cからの第2パイロット信号C
2であり、次にフェムト基地局F
Aからの第2パイロット信号A
2、次に、マクロ基地局22からの第2パイロット信号M、最後にフェムト基地局F
Bからの第2パイロット信号B
2である。
【0072】
この例では、フェムト基地局F
Bからの信号は、今や、ユーザ機器44との信頼できる通信をサポートするのに不十分である可能性がある。しかし、共有されるパイロットA〜C
5の強度が低下しなかったので、ユーザ機器44がもはやフェムト基地局F
Bによってサポート可能ではないという事実が、ネットワークおよびユーザ機器44によって検出されなかった可能性がある。
【0073】
しかし、ゲートウェイ230は、共有されるパイロットA〜C
5に関する測定レポート内で提供される情報を破棄しなければならないことを知っている。したがって、その代わりに、ゲートウェイ230は、フェムト基地局F
Bによって提供される副パイロットB
2の信号強度を監視し、ユーザ機器44に、時刻t
1とt
2との間を通過する時に、パイロットB
2に関連する信号強度が低下し始めることを報告するように通知する。
【0074】
このパイロットB
2の強度が、所定のしきい値未満に低下する時に、ゲートウェイ230は、ユーザ機器44をハンドオーバーするハンドオーバー手順を開始する。隣接するフェムト基地局が、オープン・アクセスまたはプライベート・アクセスのどちらであるのか、およびプライベート・アクセスの場合にユーザ機器44がそのフェムト基地局の登録されたユーザであるのかどうかは、ハンドオーバー手順がユーザ機器44を別のフェムト基地局へまたはマクロ基地局22に戻ってのどちらでハンドオーバーするのかに影響する。ゲートウェイ230が、フェムト基地局をハンドオーバーの候補として使用できると判定すると仮定すると、ゲートウェイ230は、このテーブルを参照して、時刻t
2にフェムト基地局F
Cである、最強のパイロット信号を有する候補を識別することができる。
【0075】
したがって、この技法は、各かかわる基地局の第2パイロット信号を使用し、その結果、各基地局が、一意の識別信号を送出するようにする。ユーザ機器44は、範囲内の基地局から副パイロットを感知し、ある基地局から別の基地局に移動する時に、(ユーザ機器がサービング基地局から来ると考える主信号の信号強度と一緒に)両方の基地局の副信号の信号強度を報告する。サービング基地局からの副パイロット信号が、より弱くなり、別の基地局からの副パイロット信号が、より強くなる時に、ネットワークは、サービング基地局から別の基地局へのユーザ機器のハンドオーバーの必要を検出することができ、別の基地局がプライベート・アクセスあり、ユーザ機器がその基地局を使用することを許可されない場合には、ユーザ機器は、その代わりにマクロ基地局22にハンドオーバーされる。
【0076】
上で述べたように、基地局の設置の密度が高まる時に、隣接する基地局が同一の搬送波およびスクランブリング符号を使用する尤度も高まるという点で、問題が発生する可能性がある。したがって、ユーザ機器44が、ある基地局にキャンプされ、アイドル・モードである場合に、隣接する基地局による同一のスクランブリング符号の使用は、ユーザ機器44が、同一のスクランブリング符号を受信し続けるので、ある基地局から別の基地局へ、その移動を検出せずに移動する可能性があるという点で、問題を引き起こす可能性がある。着呼が発生する場合に、ユーザ機器44は、今や、元の基地局によって送出されたページング・メッセージを見逃す可能性がある。
【0077】
この問題に対処するために、ネットワークは、隣接する基地局が同一の搬送波およびスクランブリング符号を共有することを検出し、隣接する基地局のこれらのセットについて、これらのセット内の基地局に、これらの基地局にキャンプしているすべてのユーザ機器にブロードキャスト・チャネルを再読取させる要求メッセージをこれらのユーザ機器に定期的に送信させる。ユーザ機器44にブロードキャスト・チャネルを再読取させることは、ユーザ機器が(ユーザ機器がモビリティ・イベントを経験した場合には変更される)セル識別子をも復号するので、ユーザ機器に、セルの変化が発生したかどうかを強制的に検出させる。
【0078】
図9に、この技法をより詳細に示すためにフェムト基地局の配置の例を示す。図から分かるように、マクロ基地局22によって提供されるカバレージ・エリア内に、基地局F
AからF
Cが配置されている。時刻t
1において、ユーザ機器44は、アイドル・モードであり、フェムト基地局F
Bにキャンプされている。ゲートウェイ230は、ユーザ機器44が通常の手順に従ってフェムト基地局F
Bにキャンプされることを以前に通知されている。
【0079】
ユーザ機器44が、フェムト基地局F
Bによって提供されるカバレージ・エリア内に留まる場合に、着呼が発生する場合には、ゲートウェイ230は、フェムト基地局F
Bに、そのページング・チャネル上でページング・メッセージを送信するように指示する。ユーザ機器44は、フェムト基地局F
Bの範囲内にあるが、着呼の存在についてページング・チャネルによって警告され、その後、呼が接続される。
【0080】
しかし、ユーザ機器が、フェムト基地局F
Bのカバレージ・エリアの外部に移動する時に、問題が発生する。
図9に示されているように、時刻t
2において、ユーザ機器44は、今や、フェムト基地局F
Bのカバレージ・エリアの外部であり、したがって、着呼の存在を警告するページング・メッセージを受信することができない。ユーザ機器44は、隣接するフェムト基地局F
AおよびF
Cからのパイロット信号上の共有されるスクランブリング符号のゆえに、フェムト基地局F
Bのカバレージ・エリアの外部に移動したことを知らない。時刻t
2にユーザ機器によって提供される測定情報から分かるように、ユーザ機器は、共有されるパイロット信号A〜C
5の強度がまだ高いものとして示されるので、セルの変化が発生しなかったと考える。しかし、このパイロット信号A〜C
5は、今や、フェムト基地局F
Bではなく主にフェムト基地局F
Cによって提供されつつある。
【0081】
したがって、この状況では、ゲートウェイ230は、隣接するフェムト基地局が共通の搬送波およびスクランブリング符号を共有することを検出する。ユーザ機器44が、これらのフェムト基地局のうちのいずれかにキャンプする場合には、ゲートウェイ230は、ユーザ機器44がキャンプされるフェムト基地局に、ブロードキャスト・チャネルを再読取する要求をユーザ機器44に周期的に送信するように指示する。ユーザ機器44が、まだフェムト基地局と通信できる間にこの要求を受信する尤度を改善するために、ゲートウェイ230は、セット内のすべての隣接するフェムト基地局に、この要求を送信するように指示することができる。その後、この要求は、ユーザ機器44内の標準的な手順をアクティブ化して、ユーザ機器44にブロードキャスト・チャネルを再読取させる。それを行う際に、ユーザ機器44は、ブロードキャスト・チャネルに関連するセル識別子をも自動的に検証する。ユーザ機器44が、まだフェムト基地局のカバレージ内にある場合には、ユーザ機器44は、さらなるアクションを行わない。しかし、ユーザ機器44が、セル識別子が変化したことを検出する場合には、ユーザ機器44は、新しい基地局へリロケーションするためのシステム手順を開始する。
【0082】
ゲートウェイ230が、ユーザ機器44がリロケーション手順を開始したことの指示を受信しない場合には、これは、ユーザ機器44がまだ期待されるフェムト基地局にキャンプされていることを示す可能性がある。この状況では、ゲートウェイ230は、ユーザ機器44に送信される周期的要求の間の時間を延長することができる。というのは、これが、ユーザ機器が比較的静的であることを示す可能性があり、この要求の発生を減らすことが、ユーザ機器での電力消費を助けるからである。
【0083】
しかし、ゲートウェイ230が、リロケーションが発生したことを検出する場合には、これは、ユーザ機器44が現在モバイルであることを示す可能性があり、したがって、ユーザ機器44への要求メッセージン送信の間のタイム・インターバルを増やして、モビリティ・イベントが検出される確率を改善するのを助けることができる。
【0084】
上で説明した実施形態は、二重パイロット基地局の使用に関するが、この技法が、単一パイロットを利用する基地局に同等に適用可能であることを了解されたい。
【0085】
したがって、この技法は、基地局で登録されたすべてのユーザ機器に要求メッセージを定期的に送信して、ユーザ機器にブロードキャスト・チャネルを再読取させ、それによって基地局が同一のスクランブリング符号を使用しつつあるが、そのブロードキャスト・データが、ユーザ機器に再登録させる異なる位置コードを含むことを検出させる。そのようなタイプの要求メッセージは、UMTS標準規格に既に存在する。好ましくは、各基地局は、定期的なインターバルでブロードキャスト・メッセージ(BCCH読取メッセージ)を送信し、すべての登録されたユーザ機器にすべてのシステム・ブロックを再読取させ、ユーザ機器のパラメータを更新する。異なるセル内にあることを検出するユーザ機器は、その後、新しい基地局に登録する。登録した基地局からはるかに遠くに移動したユーザ機器さえもが、かかわる基地局のうちの1つからの通信が有る限り、ブロードキャスト・メッセージを得る。ユーザ機器は、かかわる基地局の区域の外部に移動した場合に、異なるスクランブリング符号を受信し(または全く何も受信せず)、UMTSプロトコルについて通常通りに再登録を試みる。個々のメッセージではなくブロードキャストを使用することは、1つのブロードキャストが一連の個々のメッセージを置換できるので、シグナリングを減らす。さらに、別のセルに移動したユーザ機器は、最初のブロードキャストの受信時に、迅速に再登録する。
【0086】
基地局の間の干渉が、これらの基地局の密な配置に関する深刻な問題であることを了解されたい。上で述べた技法は、深刻な干渉またはモビリティ・イベント検出の問題を伴わずに、多数の基地局をお互いの近くに配置することを可能にする。これは、さらに、他の配置された基地局を知らない非技術ユーザによる基地局の配置を可能にする。
【0087】
高価な免許交付されたスペクトルを必要とするゆえに手が届かないほどに高価な周波数分割の解決策、または、おそらくは基地局がもはやカバレージの要求を提供しないほどに基地局の範囲を減らす電力削減解決策とは異なって、これらの技法は、カバレージ(おそらくはより狭い帯域幅を犠牲にして)を提供するが、より狭い帯域幅を有するカバレージは、カバレージが無いよりも実質的によく、知識を持たないユーザによる基地局の密な配置を可能にする。
【0088】
当業者は、さまざまな上で説明した用法のステップを、プログラムされたコンピュータによって実行できることをたやすく認めるであろう。本明細書では、いくつかの実施形態が、機械可読またはコンピュータ可読であり、機械実行可能なまたはコンピュータ実行可能な命令のプログラムを符号化する、プログラム記憶デバイス、たとえば、デジタル・データ記憶媒体を包含することも意図されており、前記命令は、前記上で説明された方法のステップの一部またはすべてを実行する。プログラム記憶デバイスは、たとえば、デジタル・メモリ、磁気ディスクおよび磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハード・ドライブ、または光学的に記録可能なデジタル・データ記憶媒体とすることができる。実施形態は、上で説明された方法の前記ステップを実行するようにプログラムされたコンピュータを包含することも意図されている。
【0089】
「プロセッサ」または「ロジック」としてラベルを付けられたすべての機能ブロックを含む、図面に示されたさまざまな要素の機能を、専用ハードウェアならびに適当なソフトウェアに関連するソフトウェアを実行できるハードウェアの使用を介して提供することができる。プロセッサによって提供される時に、機能を、単一の専用プロセッサによって、単一の共有されるプロセッサによって、またはそのうちのいくつかを共有できる複数の個々のプロセッサによって提供することができる。さらに、用語「プロセッサ」、「コントローラ」、または「ロジック」の明示的な使用は、ソフトウェアを実行できるハードウェアに排他的に言及すると解釈されてはならず、限定なしに、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワーク・プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、ソフトウェアを格納する読取り専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、および不揮発性ストレージを暗黙のうちに含むことができる。従来のおよび/またはカスタムの、他のハードウェアを含めることもできる。同様に、図面に示されたすべてのスイッチは、概念的なものにすぎない。その機能を、プログラム論理の動作を介して、専用ロジックを介して、プログラム制御および専用ロジックの相互作用を介して、または手動でさえ実行することができ、特定の技法は、文脈からより具体的に理解されるように、実装者によって選択可能である。
【0090】
当業者は、本明細書のすべてのブロック図が、本発明の原理を実施する例示的な回路網の概念的な図を表すことを了解するに違いない。同様に、すべてのフロー・チャート、流れ図、状態遷移図、擬似コード、および類似物が、コンピュータ可読媒体内で実質的に表すことができ、コンピュータまたはプロセッサが明示的に図示されていようといまいと、そのようなコンピュータまたはプロセッサによってそのように実行できる、さまざまなプロセスを表すことを了解されたい。
【0091】
この説明および図面は、単に本発明の原理を例示するものである。したがって、当業者が、本明細書で明示的に説明されまたは図示されてはいないが、本発明の原理を実施し、本発明の趣旨および範囲に含まれる、さまざまな配置を考案できることを了解されたい。さらに、本明細書で列挙されたすべての例は、特に、技術を促進することに本発明人(1つまたは複数)によって貢献される本発明の原理および概念を読者が理解するのを助けるための教育的目的のみのためであることが主に意図され、そのような具体的に列挙された例および条件への限定を伴わないものと解釈されなければならない。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態ならびにその特定の例を列挙する本明細書のすべての言明は、その同等物を包含することが意図されている。