特許第5897079号(P5897079)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5897079WiFi接続端末、WiFi接続方法及びWiFi接続プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5897079
(24)【登録日】2016年3月11日
(45)【発行日】2016年3月30日
(54)【発明の名称】WiFi接続端末、WiFi接続方法及びWiFi接続プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20160317BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20160317BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20160317BHJP
【FI】
   H04W52/02 110
   H04W84/12
   H04W48/16 110
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-161378(P2014-161378)
(22)【出願日】2014年8月7日
(65)【公開番号】特開2016-39479(P2016-39479A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2014年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】397065480
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】中村 聡佑
(72)【発明者】
【氏名】井本 耕平
(72)【発明者】
【氏名】荒居 裕二
(72)【発明者】
【氏名】眞瀬 竜介
【審査官】 土居 仁士
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−521549(JP,A)
【文献】 特開2014−013952(JP,A)
【文献】 特開2005−318221(JP,A)
【文献】 特開2005−184824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
WiFi接続するWiFi接続端末において、
記憶手段からWiFi設定情報を読み出してWiFi設定を所定のタイミングでONに変更し、接続対象のアクセスポイントがない場合にOFFに変更する第1の制御手段と、
前記WiFi設定がONに変更された後、アクセスポイントを検出することをアクセスポイント検出手段に命令し、検出されたアクセスポイントへWiFi接続を行うことをWiFi接続手段に命令する命令手段と、
前記接続対象のアクセスポイントを介して第1のネットワークにWiFi接続した場合、接続していた第2のネットワークの通信設定をOFFに変更する第2の制御手段と、
前記接続対象のアクセスポイントへWiFi接続した際に用いた接続済みアクセスポイント情報をWiFi接続の切断後に削除する管理手段と、
を有することを特徴とするWiFi接続端末。
【請求項2】
前記第1の制御手段は、
前記WiFi設定のOFF/ONに応じて前記ONへの変更と前記OFFへの変更を行うこと又は行わないことを決定することを特徴とする請求項1に記載のWiFi接続端末。
【請求項3】
検出されたアクセスポイントへWiFi接続する前に、アクセスポイントが検出されたことをユーザへ通知する通知手段、
を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載のWiFi接続端末。
【請求項4】
スマート端末で行うWiFi接続方法において、
前記スマート端末により、
記憶手段からWiFi設定情報を読み出してWiFi設定を所定のタイミングでONに変更し、接続対象のアクセスポイントがない場合にOFFに変更する第1の制御ステップと、
前記WiFi設定がONに変更された後、アクセスポイントを検出することをアクセスポイント検出手段に命令し、検出されたアクセスポイントへWiFi接続を行うことをWiFi接続手段に命令する命令ステップと、
前記接続対象のアクセスポイントを介して第1のネットワークにWiFi接続した場合、接続していた第2のネットワークの通信設定をOFFに変更する第2の制御ステップと、
前記接続対象のアクセスポイントへWiFi接続した際に用いた接続済みアクセスポイント情報をWiFi接続の切断後に削除する管理ステップと、
を有することを特徴とするWiFi接続方法。
【請求項5】
前記第1の制御ステップでは、
前記WiFi設定のOFF/ONに応じて前記ONへの変更と前記OFFへの変更を行うこと又は行わないことを決定することを特徴とする請求項4に記載のWiFi接続方法。
【請求項6】
検出されたアクセスポイントへWiFi接続する前に、アクセスポイントが検出されたことをユーザへ通知する通知ステップ、
を更に有することを特徴とする請求項4又は5に記載のWiFi接続方法。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれかに記載のWiFi接続方法をコンピュータに実行させることを特徴とするWiFi接続プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、WiFi通信技術を用いて無線通信接続を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多くのスマート端末はWiFi通信機能を備えている。ユーザがスマート端末を保持してWiFi通信エリア内に進入し、そのエリア内のアクセスポイントにWiFi接続すると、インターネットを介してウェブサーバ等へ接続できる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4834754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アクセスポイントへ自動でWiFi接続する場合、スマート端末のWiFi設定をWiFi非接続中の場合でも常時ONにしておく必要があるため、アクセスポイントの検出処理が随時連続的に行われることから、スマート端末の電池消費量が増加してしまう。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、スマート端末の消費電力を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載のWiFi接続端末は、WiFi接続するWiFi接続端末において、記憶手段からWiFi設定情報を読み出してWiFi設定を所定のタイミングでONに変更し、接続対象のアクセスポイントがない場合にOFFに変更する第1の制御手段と、前記WiFi設定がONに変更された後、アクセスポイントを検出することをアクセスポイント検出手段に命令し、検出されたアクセスポイントへWiFi接続を行うことをWiFi接続手段に命令する命令手段と、前記接続対象のアクセスポイントを介して第1のネットワークにWiFi接続した場合、接続していた第2のネットワークの通信設定をOFFに変更する第2の制御手段と、前記接続対象のアクセスポイントへWiFi接続した際に用いた接続済みアクセスポイント情報をWiFi接続の切断後に削除する管理手段と、を有することを要旨とする。
【0007】
本発明によれば、WiFi設定を所定のタイミングでONに変更し、接続対象のアクセスポイントがない場合にOFFに変更し、接続対象のアクセスポイントを介して第1のネットワークにWiFi接続した場合、接続していた第2のネットワークの通信設定をOFFに変更するため、WiFi接続端末の消費電力を低減できる。また、WiFi設定がONに変更された後、アクセスポイントを検出することをアクセスポイント検出手段に命令し、検出されたアクセスポイントへWiFi接続を行うことをWiFi接続手段に命令するため、アクセスポイントへWiFi接続するまでの待ち時間を短縮できる。なお、第1のネットワークとは、アクセスポイントを介して接続されるネットワークであり、第2のネットワークとは、アクセスポイントを介することなく接続されるネットワークである。後述する実施の形態では、第2のネットワークの例として移動体通信網を用いて説明する。
【0008】
請求項2に記載のWiFi接続端末は、請求項1に記載のWiFi接続端末において、前記第1の制御手段は、前記WiFi設定のOFF/ONに応じて前記ONへの変更と前記OFFへの変更を行うこと又は行わないことを決定することを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載のWiFi接続端末は、請求項1又は2に記載のWiFi接続端末において、検出されたアクセスポイントへWiFi接続する前に、アクセスポイントが検出されたことをユーザへ通知する通知手段、を更に有することを要旨とする。
【0010】
本発明によれば、検出されたアクセスポイントへWiFi接続する前に、アクセスポイントが検出されたことをユーザへ通知するため、ユーザはWiFi通信エリアに入ったことを把握でき、ユーザが気付かないうちにWiFi接続回数規制に該当してしまうことを防止できる。
【0013】
請求項に記載のWiFi接続方法は、スマート接続端末で行うWiFi接続方法において、前記スマート端末により、記憶手段からWiFi設定情報を読み出してWiFi設定を所定のタイミングでONに変更し、接続対象のアクセスポイントがない場合にOFFに変更する第1の制御ステップと、前記WiFi設定がONに変更された後、アクセスポイントを検出することをアクセスポイント検出手段に命令し、検出されたアクセスポイントへWiFi接続を行うことをWiFi接続手段に命令する命令ステップと、前記接続対象のアクセスポイントを介して第1のネットワークにWiFi接続した場合、接続していた第2のネットワークの通信設定をOFFに変更する第2の制御ステップと、前記接続対象のアクセスポイントへWiFi接続した際に用いた接続済みアクセスポイント情報をWiFi接続の切断後に削除する管理ステップと、を有することを要旨とする。
【0014】
請求項に記載のWiFi接続方法は、請求項に記載のWiFi接続方法において、前記第1の制御ステップでは、前記WiFi設定のOFF/ONに応じて前記ONへの変更と前記OFFへの変更を行うこと又は行わないことを決定することを要旨とする。
【0015】
請求項に記載のWiFi接続方法は、請求項又はに記載のWiFi接続方法において、検出されたアクセスポイントへWiFi接続する前に、アクセスポイントが検出されたことをユーザへ通知する通知ステップ、を更に有することを要旨とする。
【0017】
請求項に記載のWiFi接続プログラムは、請求項乃至のいずれかに記載のWiFi接続方法をコンピュータに実行させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スマート端末の消費電力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】スマート端末の機能ブロック構成を示す図である。
図2】1つめのWiFi接続処理フローを示す図である。
図3】WiFi設定の事前設定値毎のステップの処理内容を示す図である。
図4】1つめのWiFi接続処理動作例を示す図である。
図5】2つめのWiFi接続処理フロー(自動WiFi接続処理フロー)を示す図である。
図6】2つめのWiFi接続処理動作例(自動WiFi接続処理動作)を示す図である。
図7】2つめのWiFi接続処理フロー(通知WiFi接続処理フロー)を示す図である。
図8】2つめのWiFi接続処理動作例(通知WiFi接続処理動作)を示す図である。
図9】3つめのWiFi接続処理フローを示す図である。
図10】3つめのWiFi接続処理動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係るスマート端末100の機能ブロック構成を示す図である。このスマート端末100は、アクセスポイントAP又は移動体通信網Nを介してインターネット上のウェブサーバ等に接続できる。
【0022】
アクセスポイントAPは、WiFi(Wireless Fidelity)と称される無線LANインタフェースを備えた無線端末である。スマート端末100が当該無線LANインタフェースへ無線接続(WiFi接続)すると、スマート端末100からのパケットデータはインターネットに送出され、既存のウェブサーバ等と通信できる。このようなアクセスポイントAPは、既存の無線端末を流用して実現可能であり、インターネットカフェ、コンビニエンスストア、駅ホームといったホットスポットに点在している。
【0023】
移動体通信網Nは、モバイルキャリア等が提供する通信ネットワークである。通信用電波を送受信する無線基地局等から構成される。例えば、第3世代(3G)ネットワークやLTE(Log Term Evolution)等の通信網である。スマート端末100は、無線基地局からの電波到達範囲内に位置していれば、前述のアクセスポイントAPに代えて当該移動体通信網Nを介することでも既存のウェブサーバ等と通信できる。
【0024】
続いて、スマート端末100の機能について詳述する。本実施の形態に係るスマート端末100は、WiFi設定制御部11と、WiFi設定情報記憶部12と、アクセスポイント検出接続命令部13と、アクセスポイント検出部14と、WiFi接続部15と、アクセスポイント情報記憶部16と、WiFi接続状態検知部17と、モバイルデータ通信制御部18と、モバイルデータ通信部19と、WiFi接続可能通知部20と、WiFi接続命令部21と、アクセスポイント情報管理部22と、を備えて構成される。
【0025】
図1に示した符号11〜符号22の各機能部の実装方法については任意である。一般的にアクセスポイント検索機能やモバイルデータ通信機能、WiFi接続機能はスマート端末100のOS(Operating System)により提供されるため、本実施の形態ではそこで提供される各機能部をOS上のアクセスポイント検出部14とモバイルデータ通信部19とWiFi接続部15とする。また、WiFi設定情報やアクセスポイント情報もOS上の記憶手段に記憶されるため、OS上のWiFi設定情報記憶部12とアクセスポイント情報記憶部16とする。そして、残りの全機能部をWiFi接続するためのWiFi接続端末、つまりOS上で動作するアプリケーションプログラムとする。勿論、符号11〜符号22の全機能部を当該アプリケーションプログラムで実現しても構わない。以下、各機能部の機能について説明する。
【0026】
WiFi設定制御部11は、WiFi設定情報記憶部12に記憶されているWiFi設定情報のON/OFFを所定のタイミングで自動で変更するように構成されている。具体的には、WiFi設定がOFFの場合でも定期的に自動でONに変更する。また、WiFi設定をONに変更後、接続可能なアクセスポイントAPがない場合、又は、接続可能なアクセスポイントAPにWiFi接続できない場合には、WiFi設定を自動でOFFに戻す。
【0027】
WiFi設定情報記憶部12は、WiFi接続を行うか否かが定義されたWiFi設定情報を記憶するように構成されている。スマート端末100のユーザにより設定され、例えば、WiFi接続を行う場合はON、WiFi接続を行わない場合はOFFが設定されている。
【0028】
アクセスポイント検出接続命令部13は、WiFi設定情報記憶部12のWiFi設定情報を参照し、WiFi設定がONに変更後、アクセスポイントAPの検出処理をアクセスポイント検出部14へ命令し、検出されたアクセスポイントAPへのWiFi接続処理をWiFi接続部15へ命令するように構成されている。
【0029】
アクセスポイント検出部14は、アクセスポイント検出接続命令部13からのアクセスポイント検出命令に基づき、周辺のアクセスポイントAPを検索し、電波到達範囲内のアクセスポイントAPを検出するように構成されている。
【0030】
WiFi接続部15は、アクセスポイント検出接続命令部13からのWiFi接続命令に基づき、アクセスポイント検出部14で検出されたアクセスポイントAPへWiFi接続し、WiFi接続したアクセスポイントAPに関する接続済みアクセスポイント情報をアクセスポイント情報記憶部16に記憶するように構成されている。
【0031】
アクセスポイント情報記憶部16は、WiFi接続部15でWiFi接続されたアクセスポイントAPに関する情報を接続済みアクセスポイント情報として記憶するように構成されている。
【0032】
WiFi接続状態検知部17は、WiFi接続部15で行われたアクセスポイントAPへのWiFi接続の接続結果を参照し、スマート端末100がWiFi接続中であるか否かを検知するように構成されている。
【0033】
モバイルデータ通信制御部18は、モバイルデータ通信部19による移動体通信網Nへのモバイル通信を制御するように構成されている。具体的には、WiFi接続状態検知部17で行われたスマート端末100のWiFi接続状態を参照し、WiFi接続中の場合にはモバイルデータ通信設定を自動でOFFに変更し、WiFi接続の切断時に自動でONに戻す。
【0034】
モバイルデータ通信部19は、スマート端末100が備える複数の通信インタフェースのうちモバイルキャリア等の移動体通信網Nとの間でデータ通信するためのインタフェースである。モバイルデータ通信設定情報を保持し、ONの場合には移動体通信網Nとの間でデータ通信を開始してパケットデータを送信し、OFFの場合にはデータ通信動作を行わない。
【0035】
WiFi接続可能通知部20は、アクセスポイント検出部14でアクセスポイントAPが検出された場合、その検出結果をアクセスポイント検出接続命令部13から取得し、WiFi接続が可能である旨をスマート端末100の画面を介してユーザUへ通知するように構成されている。
【0036】
WiFi接続命令部21は、WiFi接続可能通知部20によるWiFi接続可能通知に基づきユーザUによりWiFi接続が指示された場合にのみ、WiFi接続処理をWiFi接続部15へ命令してWiFi接続させるように構成されている。
【0037】
アクセスポイント情報管理部22は、WiFi接続状態検知部17で行われたアクセスポイントAPへのWiFi接続の接続結果に基づき、アクセスポイント情報記憶部16に記憶されている接続済みアクセスポイント情報を制御するように構成されている。具体的には、WiFi接続の切断が検出された場合、それまでに接続されていたアクセスポイントAPに係る接続済みアクセスポイント情報を削除する。
【0038】
次に、スマート端末100で行うWiFi接続方法について説明する。1つめは、WiFi接続を省電力で行うためのWiFi接続方法を説明する。基本的にはWiFi設定をOFFにしておき、定期的にWiFi設定をONにして周辺のアクセスポイントAPを随時検索する。そして、接続可能なアクセスポイントAPを発見した場合に自動でWiFi接続する。さらに、WiFi接続中のみモバイルデータ通信設定をOFFに設定する。以下、図2を参照しながら具体的に説明する。図2は、1つめのWiFi接続処理フローを示す図である。ただし、WiFi設定はOFFであり、モバイルデータ通信設定はONであることを前提に説明を進める。
【0039】
まず、ステップS101において、WiFi設定制御部11が、WiFi設定情報記憶部12のWiFi設定情報を参照し、OFFであるWiFi設定をONに自動で変更する。このとき、モバイルデータ通信設定はONであるため、この時点ではスマート端末100は移動体通信網Nを介してインターネットへ通信できる。
【0040】
次に、ステップS102において、アクセスポイント検出接続命令部13は、ステップS101でWiFi設定がONに設定されたので、アクセスポイントAPの検出処理をアクセスポイント検出部14へ命令し、アクセスポイント検出部14は、周辺のアクセスポイントAPを検索して接続可能なアクセスポイントAPを検出する。
【0041】
次に、ステップS103において、アクセスポイント検出接続命令部13は、ステップS102での検出結果に基づき、スマート端末100が接続可能なアクセスポイントAPが検出されたか否かを判定する。接続可能なアクセスポイントが検出されなかった場合はステップS104へ進み、検出された場合はステップS105へ進む。
【0042】
ステップS104では、接続可能なアクセスポイントが検出されなかったので、アクセスポイント検出接続命令部13は、その旨をWiFi設定制御部11へ通知し、WiFi設定制御部11は、ステップS101でONに変更していたWiFi設定をOFFに戻す。その後、ステップS101へ戻り、一定の時間をおいて当該ステップS101からの処理が定期的に繰り返される。
【0043】
一方、ステップS105では、ステップS103で接続可能なアクセスポイントが検出されたので、アクセスポイント検出接続命令部13は、検出されたアクセスポイントAPへのWiFi接続処理をWiFi接続部15へ命令し、WiFi接続部15は、保持しているBSSID(Basic Service Set Identifier)やパスワード等を用いて当該アクセスポイントAPへのWiFi接続を試みる。
【0044】
次に、ステップS106において、アクセスポイント検出接続命令部13は、ステップS105でのWiFi接続結果に基づき、スマート端末100がWiFi接続できたか否かを判定する。WiFi接続できなかった場合はアクセスポイント非検出時と同様にステップS104へ進み、WiFi設定制御部11は、ステップS101でONに変更していたWiFi設定情報をOFFに戻す。一方、WiFi接続できた場合はステップS107へ進む。
【0045】
ステップS107では、アクセスポイントAPへのWiFi接続が行われたので、モバイルデータ通信制御部18は、これまでONであったモバイルデータ通信設定をOFFに変更することにより、モバイルデータ通信部19による移動体通信網Nとのモバイルデータ通信を切断にする。この時点でスマート端末100は、移動体通信網Nに代えて、WiFi接続したアクセスポイントAPを介してインターネットへ接続できる。
【0046】
次に、ステップS108において、WiFi接続状態検知部17は、スマート端末100の現時点におけるWiFi接続状態を検知し、WiFi接続が切断された場合、WiFi設定制御部11は、ステップS101でONに変更していたWiFi設定をOFFに戻し、モバイルデータ通信制御部18は、ステップS107でOFFに変更していたモバイルデータ通信設定をONに戻す。その後、ステップS101へ戻り、一定の時間をおいて当該ステップS101からの処理が定期的に繰り返される。
【0047】
なお、ステップS101及びステップS104の各処理は、上記定期動作の開始時のWiFi設定により変動する。図3は、ユーザUによるWiFi設定の事前設定値に応じたステップS101及びステップS104の各処理内容を示す図である。WiFi設定の事前設定値がOFFではなくONの場合、既にONであることから、ステップS101で行われた「OFFであるWiFi設定をONに自動で変更する」処理、ステップS104で行われた「ONに変更していたWiFi設定をOFFに戻す」処理は行わない。つまり、スマート端末100は、定期動作前にユーザUによって予め設定されたWiFi設定の事前設定値を確認し、その値に応じてステップS101及びステップS104の処理内容を決定するようにする。このように、ユーザUによって行われたWiFi設定を優先して適用し、その設定に基づいて定期動作の処理を決定し実行するようにしても構わない。
【0048】
続いて、図4を参照しながらスマート端末100の移動時における処理動作例について説明する。以下の処理動作例は、前述した一連の動作に基づいて実行される。まず、T1のタイミングに示すように、スマート端末100の周辺に接続対象のアクセスポイントAPがない場合、スマート端末100は、WiFi設定をOFFにし、モバイルデータ通信設定をONに設定する。
【0049】
その後、スマート端末100は、WiFi設定を定期的にONに変更してアクセスポイントAPの検索及びWiFi接続を繰り返し試みる。しかし、T2のタイミングに示すように、WiFi接続を試みたアクセスポイントAPが接続非対象の場合には、たとえアクセスポイントAPを検出したとしてもWiFi設定をOFFに戻し、モバイルデータ通信設定はONにしたままとする。
【0050】
一方、T3のタイミングに示すように、WiFi接続を試みたアクセスポイントAPが接続対象の場合には、ONに変更していたWiFi設定に基づきWiFi接続を行う。これによりスマート端末100はアクセスポイントAPを介してデータ通信を行うことを優先し、モバイルデータ通信設定をOFFに一旦変更する。
【0051】
最後に、T4のタイミングに示すように、WiFi接続の切断を検出すると、スマート端末100は、ONに変更していたWiFi設定をOFFに戻し、OFFに変更していたモバイルデータ通信設定をONに戻す。
【0052】
以上より、1つめのWiFi接続方法は、スマート端末100のWiFi設定をOFFにしていても定期的に自動で一旦ONにしてWiFiの電波状況を検索し、接続対象のアクセスポイントAPがなかった場合には、そのWiFi設定を自動でOFFに戻す。また、WiFi接続した場合はモバイルデータ通信設定を自動で一旦OFFにし、WiFi切断時に当該モバイルデータ通信設定を自動でONに戻すようにしている。
【0053】
従来、WiFi接続を自動で行う場合、スマート端末100のWiFi設定を常時ONにしておくことが必要であった。一方、1つめのWiFi接続方法によれば、WiFi接続できる場合にのみWiFi設定をONにし、WiFi接続中にはモバイルデータ通信設定をOFFにするので、スマート端末100の電池消費量を少なくすることができる。
【0054】
また、従来、アクセスポイント検出やWiFi接続をアクセスポイントAPからの電波を検知した際に能動的に行っていた。つまり、アクセスポイント検出結果を利用したいアプリケーションプログラム側から見れば、OSがアクセスポイントAPを発見してWiFi接続を行うまで提供するサービス処理を待機する必要があった。一方、1つめのWiFi接続方法によれば、WiFi接続端末(アプリケーションプログラム)のアクセスポイント検出接続命令部13が、アクセスポイント検出処理やWiFi接続処理をOS上のアクセスポイント検出部14やWiFi接続部15へ能動的に命令するので、アクセスポイントAPへWiFi接続するまでの待ち時間を短縮できる。
【0055】
さらに、1つめのWiFi接続方法では、WiFi設定及びモバイルデータ通信設定を自律的に自動で行うので、ユーザUによる設定変更の手間を削減できる。
【0056】
続いて、2つめのWiFi接続方法について説明する。2つめは、これまでに説明したような自動でWiFi接続する自動WiFi接続方法以外に、ユーザからの指示に基づきWiFi接続する通知WiFi接続方法を説明する。
【0057】
従来、スマート端末100は、自端末が起動している場合、WiFi通信エリア内であれば必ず自動的にWiFi接続してしまう。その結果、例えば1日あたりのWiFi接続回数に規制がかかっている公衆無線LANサービスでは、ユーザ自身が気付かないうち接続規制回数に到達している可能性がある。
【0058】
そこで、2つのめのWiFi接続方法は、自動接続は望まないが、WiFi通信エリアにいることは知りたいというユーザの要望に応えることを目的としている。具体的には、スマート端末100が周辺のアクセスポイントAPを検索し、接続可能なアクセスポイントAPを発見した場合にユーザへ通知を行うようにする。以下、詳述する。
【0059】
まず、通知WiFi接続方法を説明する前に、自動WiFi接続方法について説明する。図5は、2つめのWiFi接続処理フロー(自動WiFi接続処理フロー)を示す図である。図6は、スマート端末100の移動時における自動WiFi接続処理動作例を示す図である。
【0060】
最初に、ステップS201において、アクセスポイント検出接続命令部13は、WiFi設定情報記憶部12のWiFi設定情報を参照し、ONであれば、アクセスポイントAPの検出処理をアクセスポイント検出部14へ命令し、アクセスポイント検出部14は、周辺のアクセスポイントAPを検索して接続可能なアクセスポイントAPを検出する。
【0061】
その後、ステップS202において、アクセスポイント検出接続命令部13は、ステップS201で接続可能なアクセスポイントAPが検出された場合、検出されたアクセスポイントAPへのWiFi接続処理をWiFi接続部15へ命令し、WiFi接続部15は、保持するBSSIDやパスワード等を用いて当該アクセスポイントAPへ自動でWiFi接続する。
【0062】
続いて、通知WiFi接続方法について説明する。図7は、2つめのWiFi接続処理フロー(通知WiFi接続処理フロー)を示す図である。図8は、スマート端末100の移動時における通知WiFi接続処理動作例を示す図である。
【0063】
まず、ステップS301において、アクセスポイント検出接続命令部13は、WiFi設定情報記憶部12のWiFi設定情報を参照し、ONであれば、アクセスポイントAPの検出処理をアクセスポイント検出部14へ命令し、アクセスポイント検出部14は、周辺のアクセスポイントAPを検索して接続可能なアクセスポイントAPを検出する。
【0064】
次に、ステップS302において、アクセスポイント検出接続命令部13は、ステップS301で接続可能なアクセスポイントAPが検出された場合、その検出結果をWiFi接続可能通知部20へ伝え、WiFi接続可能通知部20は、スマート端末100の画面上でWiFi接続が可能である旨を表示し、ユーザUへ通知する。
【0065】
その後、ステップS303において、WiFi接続命令部21は、画面に表示されたWiFi接続の通知画面がタップされた場合にのみ、ステップS301で検出されたアクセスポイントAPへのWiFi接続処理をWiFi接続部15へ命令し、WiFi接続部15は、保持するBSSIDやパスワード等を用いて当該アクセスポイントAPへWiFi接続する。
【0066】
以上より、2つめのWiFi接続方法によれば、周辺のアクセスポイントAPを自動的に検索し、接続対象のアクセスポイントAPがあった場合、ユーザUに対してWiFi接続可能である旨を通知し、そのユーザUがWiFi接続を指示した場合にのみWiFi接続を行うので、ユーザUはWiFi通信エリアに入ったことを把握でき、ユーザUが気付かないうちに公衆無線LANサービスの接続回数規制に該当してしまうことを防止できる。
【0067】
続いて、3つめのWiFi接続方法について説明する。3つめは、ユーザUが意図しないアクセスポイントAPへのWiFi接続を回避するためのWiFi接続方法を説明する。
【0068】
従来、プレイスポットに設置されたアクセスポイント等、ユーザUがWEB認証を必要とするアクセスポイントAPに一度WiFi接続すると、その切断後もスマート端末100のOS(アクセスポイント情報記憶部16)に接続済みアクセスポイント情報が保持される。その結果、ユーザUの意図しないタイミングでOSがアクセスポイントAPへWiFi接続を行うことがある。その際、保持していた接続済みアクセスポイント情報を用いてWiFi接続が行われるため、WEB認証が改めて行われないことから、ユーザUの気付かないうちにインターネットへの接続が不可となる可能性がある。
【0069】
そこで、3つめのWiFi接続方法は、ユーザUが意図しないアクセスポイントAPへのWiFi接続を防止し、ユーザUの気付かないうちにWiFi接続不可の状態が発生するのを防止することを目的としている。具体的には、WiFi接続が切断されたタイミングでOS内の接続済みアクセスポイント情報を削除するようにする。以下、図9を参照しながら説明する。図9は、3つめのWiFi接続処理フローを示す図である。
【0070】
まず、ステップS401において、WiFi接続状態検知部17は、スマート端末100によるアクセスポイントAPへのWiFi接続が切断されたことを検出する。
【0071】
その後、ステップS402において、アクセスポイント情報管理部22は、スマート端末100がWiFi接続中の場合、WiFi接続が切断されたので、アクセスポイント情報記憶部16にアクセスし、その切断時にWiFi接続部15によって格納された接続済みアクセスポイント情報を削除する。すなわち、WiFi接続の切断に伴いOSで保持された接続済みアクセスポイント情報を削除する。
【0072】
続いて、図10を参照しながらスマート端末100の移動時における3つめの処理動作例について説明する。以下の処理動作例は、前述した一連の動作に基づいて実行される。まず、T1のタイミングに示すように、スマート端末100の周辺に接続可能なアクセスポイントAPがない場合、接続済みアクセスポイント情報はOS内のアクセスポイント情報記憶部16に登録されない。
【0073】
その後、T2のタイミングに示すように、WiFi通信エリアに入った場合、スマート端末100は、そのエリア内のアクセスポイントAPに係るアクセスポイント情報をOSに登録し、そのアクセスポイントAPへ自動でWiFi接続した後にWEB認証を行うことにより、インターネットへの接続を可能とする。
【0074】
そして、T3のタイミングに示すように、WiFi通信エリアから離れた場合、スマート端末100は、WiFi接続を切断し、OSに登録されていた接続済みアクセスポイント情報を削除する。接続済みアクセスポイント情報が存在しないので、ユーザUの意図しないタイミングでOSがアクセスポイントAPへWiFi接続することを防止できる。
【0075】
その後、T4のタイミングに示すように、WiFi通信エリアに再び入った場合、スマート端末100は、そのエリア内のアクセスポイントAPに係るアクセスポイント情報をOSに新たに登録し、そのアクセスポイントAPへWiFi接続してWEB認証を行う。WiFi接続やWEB認証を改めて行うことから、WiFi接続不可の状態が発生するのを防止できる。
【0076】
以上より、3つめのWiFi接続方法によれば、OS内の接続済みアクセスポイント情報を削除するので、ユーザUが意図しないアクセスポイントAPへのWiFi接続を防止し、ユーザUの気付かないうちにスマート端末100がWiFi接続不可になってしまうことを防止できる。
【0077】
以上より、本実施の形態によれば、WiFi設定を定期的にONに変更し、接続対象のアクセスポイントAPがない場合にOFFに戻し、接続対象のアクセスポイントAPへWiFi接続した場合、接続していた移動体通信網Nの通信設定をOFFに変更するので、スマート端末100の消費電力を抑えることができる。また、WiFi設定がONに変更された後、アクセスポイントAPを検出することをアクセスポイント検出部14に命令し、検出されたアクセスポイントAPへWiFi接続を行うことをWiFi接続部15に命令するので、アクセスポイントAPへWiFi接続するまでの待ち時間を短縮できる。
【0078】
また、本実施の形態によれば、検出されたアクセスポイントAPへWiFi接続する前に、アクセスポイントAPが検出されたことをユーザUへ通知するので、ユーザUはWiFi通信エリアに入ったことを把握でき、ユーザUが気付かないうちにWiFi接続回数規制に該当してしまうことを防止できる。
【0079】
また、本実施の形態によれば、接続対象のアクセスポイントAPへのWiFi接続による接続済みアクセスポイント情報をWiFi接続の切断後に削除するので、ユーザUが意図しないアクセスポイントAPへのWiFi接続を防止し、ユーザUの気付かないうちにスマート端末100がWiFi接続不可になってしまうことを防止できる。
【0080】
最後に、本実施の形態で説明したスマート端末100は、メモリやCPUを備えたコンピュータで実現できる。例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話等、WiFi接続機能やGPS機能、通信機能等を具備する汎用の情報処理端末を用いて実現できる。また、その処理はプログラムによって実行される。更に、スマート端末100の各動作をプログラムとして構築し、コンピュータにインストールして実行させることや、通信ネットワークを介して流通させることも可能である。
【符号の説明】
【0081】
100…スマート端末(WiFi接続端末)
11…WiFi設定制御部
12…WiFi設定情報記憶部
13…アクセスポイント検出接続命令部
14…アクセスポイント検出部
15…WiFi接続部
16…アクセスポイント情報記憶部
17…WiFi接続状態検知部
18…モバイルデータ通信制御部
19…モバイルデータ通信部
20…WiFi接続可能通知部
21…WiFi接続命令部
22…アクセスポイント情報管理部
AP…アクセスポイント
N…移動体通信網
U…ユーザ
S101〜S108、S201〜S202、S301〜S303、S401〜S402…ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10