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特許5897210モジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5897210
(24)【登録日】2016年3月11日
(45)【発行日】2016年3月30日
(54)【発明の名称】モジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤
(51)【国際特許分類】
   B23F 5/20 20060101AFI20160317BHJP
   B23Q 1/48 20060101ALI20160317BHJP
【FI】
   B23F5/20
   B23Q1/48 Z
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-514314(P2015-514314)
(86)(22)【出願日】2012年5月29日
(65)【公表番号】特表2015-521117(P2015-521117A)
(43)【公表日】2015年7月27日
(86)【国際出願番号】CN2012076227
(87)【国際公開番号】WO2013177754
(87)【国際公開日】20131205
【審査請求日】2015年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】514300535
【氏名又は名称】北京巴付勒▲伝▼▲動▼技▲術▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】514300546
【氏名又は名称】天津巴付勒▲伝▼▲動▼技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】王小椿
【審査官】 五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 特表平08−508939(JP,A)
【文献】 特開平10−034461(JP,A)
【文献】 特開2002−307236(JP,A)
【文献】 特開2006−289511(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0009848(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23F 5/20
B23F 1/06
B23F 9/08− 9/14
B23F 15/06
B23P 23/02
B23Q 1/00− 1/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤であって、
歯切り盤のベッドと、
前記歯切り盤のベッドに固定連結され、前記歯切り盤のベッドの方向に沿って配置されるテーブルと、
ディスク状の歯車をクランプするための水平ターンテーブルであって、前記テーブルに対して偏心して埋め込まれ、前記テーブルとほぼ同じ高さの台面を有する水平ターンテーブルと、
前記テーブルの一端に設けられ、前記テーブルの他端に設けられるセンターフレームまたは心押台と同じ軸線を有し、前記センターフレームまたは前記心押台と協働して軸歯車をクランプするための垂直ターンテーブルと、
ディスク状のフライスを取り付けるためのフォーク状のキャリッジであって、ワークに対して3つの並進移動自由度を有する移動をさせることができるとともに、刃物軸線とワーク軸線とのなす角度を任意の角度に調整可能であって、歯切り盤のベッドに連結されるベースに設けられるフォーク状のキャリッジとを少なくとも備える
ことを特徴とするモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤。
【請求項2】
前記ベースは、揺動可能に設置される揺動部を備え、
前記フォーク状のキャリッジは、前記揺動部に固定され、前記揺動部とともに揺動可能であり、
前記ディスク状のフライスは前記フォーク状のキャリッジ内に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤。
【請求項3】
前記ベースは、前記フォーク状のキャリッジを、3つの並進移動自由度で並進移動させることができる移動機構をさらに備え、
前記揺動部は前記移動機構に連結されている
ことを特徴とする請求項2に記載のモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤。
【請求項4】
前記移動機構は、
直立コラムと、第1のスライダーと、第2のスライダーと、縦方向ガイドレールとを備え、
前記直立コラムは前記テーブルに面する側に垂直ガイドレールが設けられ、
前記第1のスライダーは前記垂直ガイドレールに垂直摺動可能に連結され、前記揺動部は前記第1のスライダーに設けられ、前記第1のスライダーに対して揺動可能であり、
前記第2のスライダーはその上面に横方向ガイドレールが設けられ、前記直立コラムが横方向ガイドレールに横方向に摺動可能に連結され、
前記縦方向ガイドレールは前記歯切り盤のベッドに設けられ、第2のスライダーが縦方向に摺動可能に連結されている
ことを特徴とする請求項3に記載のモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤。
【請求項5】
前記移動機構は、
内フレームと、スライダーと、外フレームと、ラムとを備え、
前記内フレームは前記テーブルに面する側に垂直ガイドレールが設けられ、
前記スライダーは前記垂直ガイドレールに垂直摺動可能に連結され、
前記外フレームは前記テーブルに面する側に、前記内フレームが縦方向に摺動可能に連結されている縦方向ガイドレールが設けられ、
前記ラムは前記スライダーに連結されているラム受けに横方向に摺動可能に設けられ、前記揺動部はラムに設けられ、かつ、前記揺動部がこのラムに対して揺動可能である
ことを特徴とする請求項3に記載のモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤。
【請求項6】
前記の歯切り盤のベッドに横方向ガイドレールが設けられ、
前記外フレームは横方向ガイドレールに横方向に摺動可能に連結されている
ことを特徴とする請求項5に記載のモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤。
【請求項7】
前記フォーク状のキャリッジの揺動軸にロック機構を備える
ことを特徴とする請求項2に記載のモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤。
【請求項8】
前記水平ターンテーブルと前記垂直ターンテーブルには、それぞれロック機構が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤。
【請求項9】
前記フォーク状のキャリッジは2つの壁を有し、前記ディスク状のフライスは2つの壁の間に連結されており、
前記2つの壁は異なる厚さを有し、壁厚が比較的厚い壁には、刃物を支持する軸受と伝動機構を備え、壁厚が比較的薄い壁には、刃物を支持する軸受のみを備える
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュールの大きい工業用歯車加工のための工作機械に関し、具体的には、モジュールの大きい円筒歯車およびモジュールの大きいスパイラルベベル歯車、ストレートベベル歯車およびヘリカルベベル歯車のための金属切削工作機械に関し、上記歯車の粗加工及び熱処理後の仕上げ加工に適用でき、さらに具体的にモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、工業用円筒歯車に適用する加工方法には主に、ホブ加工、シェーパー加工、およびグライディング加工があり、それぞれ、ホブマシン、ギヤシェーパー、および成形砥石グラインディングマシンで製造完成される。
【0003】
それらの加工方法には下記の問題が存在している。モジュールの大きい歯車に対して、たとえば、モジュールが25よりも大きい歯車、特に螺旋角が大きい歯車であり、従来のホブ加工を用いる場合は、加工効率があまりよくなく、シェーパー加工の場合は、加工効率がさらに悪い。螺旋角が大きい歯車をホブする際、振動が大きいので、必要な全歯丈になるまで複数回の送りが必要となることが一般的である。ホブカッターのコストは高く、各モジュールの歯車のごとに相応なホブカッターを購入する必要があり、発注周期は長い。ホブカッターとシェーパーカッターがダメージを受けた後、修復できないことが一般的である。グラインディング加工する砥石はそれぞれ異なるワークに応じて形を修正する必要があり、単一品種少量で生産される工業用歯車に対して、砥石の修正損耗は砥石の研削消耗よりもはるかに大きい可能性があるので、生産コストが高く、生産準備の周期は長くなる。設備の初期投資が大きく、適用範囲が狭く、円筒歯車を加工する工作機械は、スパイラルベベル歯車とストレートベベル歯車を加工することができず、ディスク歯車を加工する工作機械は長軸を有する歯車を加工することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、単一品種少量でのモジュールの大きい工業用歯車の生産コストおよび初期投資を削減し、加工効率を向上するために、モジュールの大きい歯車用の多目的加工工作機械を提供するものである。
【0005】
本発明は、同一の歯切り盤で複数の種類のモジュールの大きい歯車、モジュールの大きいストレート円筒歯車、ヘリカル円筒歯車、モジュールの大きいスパイラルベベル歯車、ストレートベベル歯車、ヘリカルベベル歯車および鼓形ウォームギア対の粗加工及び熱処理後の仕上げ加工を完成できるモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤を提供し、これにより、高効率かつ低コストで複数の種類のモジュールの大きい工業用歯車を加工するというニーズを満たすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の技術案は以下の手段を講じる。
【0007】
本発明は、モジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤であって、前記モジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤は、歯切り盤のベッドと、歯切り盤のベッドに固定連結され、歯切り盤のベッドの方向に沿って配置されるテーブルと、ディスク状の歯車をクランプするための水平ターンテーブルであって、テーブルに対して偏心して埋め込まれ、テーブルとほぼ同じ高さの台面を有する水平ターンテーブルと、テーブルの一端に設けられ、テーブルの他端に設けられるセンターフレームまたは心押台と同じ軸線を有し、前記センターフレームまたは心押台と協働して軸歯車をクランプするための垂直ターンテーブルと、ディスク状のフライスを取り付けるためのフォーク状のキャリッジであって、ワークに対して3つの並進移動自由度を有する移動をさせることができるとともに、刃物軸線とワーク軸線とのなす角度を任意の角度に調整可能であって、歯切り盤のベッドに連結されるベースに設けられるフォーク状のキャリッジとを少なくとも備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明のモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤の特徴及び利点は以下の通りである。
【0009】
1.該水平ターンテーブルはディスク状の歯車をクランプすることができる。垂直ターンテーブルはセンターフレームまたは心押台と協働して軸歯車をクランプすることができる。ディスク状のフライスはフォーク状のキャリッジに取り付けられ、フォーク状のキャリッジに伴って移動可能かつ揺動可能である。フォーク状のキャリッジが揺動するとき、刃物軸線とワーク軸線とのなす角度を任意の角度に調整可能である。そのため、本発明は、同一の歯切り盤で複数の種類のモジュールの大きい歯車の粗加工及び熱処理後の仕上げ加工を完成でき、これにより、高効率かつ低コストで複数のモジュールの大きい工業用歯車を加工するというニーズを満たす。
【0010】
2.前記の歯切り盤はモジュールの大きい工業用歯車を加工するとき、初期投資が少なく、加工効率が高く、刃物のコストが低く、刃物の通用性がよく、および製造準備周期が短いという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の実施形態の技術案をさらに明確に説明するために、以下、実施形態の記述に使用される添付図面を簡単に説明する。明らかに、以下に記載の添付図面はただ本発明のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者にとって、それらの添付図面に基づいて、創造的な労力を払わない前提の他の図面を取得することができる。
【0012】
図1】本発明に係るモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤の第1実施形態の構造の概略図である。
図2】本発明に係るモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤の第2実施形態の構造の概略図であり、ラムが突出していない状態を示す。
図3】本発明に係るモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤の第2実施形態の構造の概略図であり、ラムが突出している状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の添付図面を併せて、本発明の実施形態における技術案を明瞭かつ完全に説明する。明らかに、記載された実施形態はただ本発明の一部の実施形態に過ぎず、すべての実施形態ではない。本発明の実施形態に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提において、取得したすべての他の実施形態はいずれも、本発明の保護範囲に属している。
【0014】
〈第1実施形態〉
図1図3に示されたように、本発明の実施形態において、歯切り盤のベッド1と、テーブル2と、水平ターンテーブル3と、垂直ターンテーブル4と、フォーク状のキャリッジとを少なくとも備えるモジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤が提案される。テーブル2は、歯切り盤のベッド1に固定連結され、歯切り盤のベッド1の方向に沿って配置される。水平ターンテーブル3はディスク状の歯車をクランプするためのものであり、テーブル2に対して偏心して埋め込まれ、水平ターンテーブル3の台面はテーブル2とほぼ同じ高さを有する。垂直ターンテーブル4はテーブル2の一端に設けられ、テーブル2の他端にセンターフレームまたは心押台4aが設けられ、センターフレームまたは心押台4aは垂直ターンテーブル4と同じ軸線を有し、垂直ターンテーブル4はセンターフレームまたは心押台4aと協働して軸歯車をクランプするためのものである。フォーク状のキャリッジ5はディスク状のフライスを取り付けるためのものであり、フォーク状のキャリッジ5はワークに対して3つの並進移動自由度を有する移動をさせることがきるとともに、刃物軸線とワーク軸線とのなす角度を任意の角度に調整可能なベースに設けられ、ベースは歯切り盤のベッド1に連結されている。
【0015】
具体的には、テーブル2の台面はその内部に埋め込まれた水平ターンテーブル3によって、左台面2aと右台面2bという2つの台面に分割され、そのうち、左台面2aと右台面2bは同一のテーブル2の左右にある2つの部分である。ここで、垂直ターンテーブル4は左台面2aに設けられ、センターフレームまたは心押台4aは対応して右台面2bに設けられている。軸歯車を加工する必要がある場合、軸歯車は垂直ターンテーブル4とセンターフレームまたは心押台4aとの間にクランプされ、軸歯車の加工すべき箇所に対応するようにディスク状のフライスを調整する。
【0016】
本発明の実施形態において、水平ターンテーブル3はディスク状の歯車をクランプすることができる。垂直ターンテーブル4はセンターフレームまたは心押台4aと協働して軸歯車をクランプすることができる。ディスク状のフライスはフォーク状のキャリッジ5に設けられ、かつフォーク状のキャリッジ5とともに移動可能および揺動可能である。フォーク状のキャリッジ5が揺動するとき、刃物軸線(すなわち、ディスク状のフライスの軸線)とワーク軸線(すなわち、歯車の軸線)とのなす角度を任意の角度に調整可能である。したがって、本発明の実施形態は、同一の歯切り盤で複数の種類のモジュールの大きい歯車(モジュールの大きいストレート円筒歯車、ヘリカル円筒歯車、モジュールの大きいスパイラルベベル歯車、ストレートベベル歯車、ヘリカルベベル歯車および鼓形ウォームギア対を含む)に対する粗加工及び熱処理後の仕上げ加工を完成できる。それにより、高効率かつ低コストで複数の種類のモジュールの大きい工業用歯車を加工するというニーズを満たす。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記ベースは、揺動可能に設置されている揺動部6を備え、前記フォーク状のキャリッジ5は、揺動部6に固定され、揺動部6とともに揺動可能となっており、前記ディスク状のフライスはフォーク状のキャリッジ5内に設けられる。本実施形態において、フォーク状のキャリッジ5は揺動部6とともに360°以上揺動をすることができる。
【0018】
前記ベースは、前記フォーク状のキャリッジを、3つの並進移動自由度で並進移動させることができる移動機構7をさらに備え、前記揺動部6は移動機構7に連結されて、揺動部6とフォーク状のキャリッジ5は移動機構7に伴って3つの並進移動自由度の方向に並進移動可能となっている。
【0019】
図1に示されたように、前記移動機構7は直立コラム7aと、第1のスライダー7bと、第2のスライダー7cと、縦方向ガイドレール7dとを備える。直立コラム7aはテーブル2に面する側に垂直ガイドレール7eが設けられている。第1のスライダー7bは、垂直ガイドレール7eに垂直摺動可能に連結され、前記揺動部6が第1のスライダーに設けられ、第1のスライダー7bに対して揺動可能である。第2のスライダー7cの上面に横方向ガイドレール7fが設けられ、直立コラム7aは横方向ガイドレールに横方向に摺動可能に連結されている。縦方向ガイドレール7dは歯切り盤のベッド1に設けられ、第2のスライダー7cが縦方向ガイドレール7dに縦方向に摺動可能に連結されている。
【0020】
本実施形態において、揺動部6は第1のスライダー7bに設けられ、第1のスライダー7bは揺動部6とともに垂直ガイドレール7eに沿って垂直的に上下摺動することができる(すなわち、座標Z方向に沿って摺動する)。直立コラム7aは第1のスライダー7bと揺動部6とともに横方向ガイドレール7fに沿って横方向に摺動することができる(すなわち、座標Y方向に沿って摺動する)。第2のスライダー7cは直立コラム7a、第1のスライダー7bおよび揺動部6とともに縦方向ガイドレール7dに沿って縦方向に摺動することができる(すなわち、座標X方向に沿って摺動する)。したがって、揺動部6及び揺動部6に連結されているフォーク状のキャリッジ5は座標X、Y、Zの方向に沿って摺動することができ、かつ、揺動部6及びフォーク状のキャリッジ5は第1のスライダー7bを360°以上揺動をすることができる。それにより、フォーク状のキャリッジ5内におけるディスク状のフライスがよりよく、より利便的にワークを加工するようにすることができる。
【0021】
テーブル2はフォーク状のキャリッジ5に近い側で水平ターンテーブル3とほぼ接している。それにより、直立コラム7aの横方向のストロークをより効果的に利用することができ、フォーク状のキャリッジ5の突出長さを減少することができる。
【0022】
図1に示されたように、前記フォーク状のキャリッジ5は2つの壁を有し、ディスク状のフライスは2つの壁の間に連結されており、前記2つの壁は異なる厚さを有する。壁厚が比較的厚い壁には、刃物を支持する軸受と伝動機構を備え、壁厚が比較的薄い壁には、刃物を支持する軸受のみを備える。ここで、フォーク状のキャリッジ5は左壁と右壁との2つの壁を有し、右壁は厚さが左壁よりも厚い。
【0023】
前記フォーク状のキャリッジ5は揺動軸にロック機構を有してもよい(図示せず)。ストレート及びヘリカル円筒歯車またはある種類のウォームギア対を加工するとき、ロック機構を用いてフォーク状のキャリッジ5の揺動軸をロックすることができる。それにより、キャリッジの剛性を向上することができ、切削条件を改善することができる。
【0024】
前記水平ターンテーブル3と垂直ターンテーブル4には、それぞれロック機構が設けられてもよい(図示せず)。ストレート円筒歯車およびある種類のウォームギア対を粗加工するとき、ロック機構を用いてターンテーブルをロックすることができる。それにより、ワークの剛性を向上することができ、切削条件を改善することができる。
【0025】
ロック機構の構造は既に当業者によく知られているため、詳しい説明は省略する。
【0026】
〈第2の実施形態〉
本実施形態の構造は上記実施形態とほぼ同じであるが、本実施形態では移動機構8である点で、上記実施形態の移動機構7と相違している。
【0027】
図2図3に示されたように、前記移動機構8は内フレーム8aと、スライダー8bと、外フレーム8cと、ラム8dとを備える。内フレーム8aはテーブル2に面する側に垂直ガイドレール8eが設けられている。スライダー8bは垂直ガイドレール8eに垂直摺動可能に連結されている。外フレーム8cはテーブル2に面する側に縦方向ガイドレール8fが設けられ、内フレーム8aは縦方向ガイドレール8fに縦方向に摺動可能に連結されている。ラム8dはラム受け8gに横方向に摺動可能に設けられ、ラム受け8gはスライダー8bに連結されている。前記揺動部6がラム8dに設けられ、ラム8dに対して揺動可能である。
【0028】
本実施形態において、揺動部6はラム8dに設けられ、ラム8dは揺動部6とともにスライダー8dにおけるラム受け8gに沿って横方向に摺動することができる(すなわち、座標Y方向に沿って摺動する)。スライダー8bはラム受け8g、ラム8dおよび揺動部6とともに垂直ガイドレール8eに沿って垂直に上下摺動することができる(すなわち、座標Z方向に沿って摺動する)。内フレーム8aはスライダー8b、ラム8dおよび揺動部6とともに縦方向ガイドレール8fに沿って縦方向に摺動することができる(すなわち、座標X方向に沿って摺動する)。したがって、揺動部6及び揺動部6に連結されているフォーク状のキャリッジ5は座標X、Y、Zの方向に沿って摺動することができ、かつ、揺動部6及びフォーク状のキャリッジ5はラム8dを360°以上揺動をすることができる。それにより、フォーク状のキャリッジ5内におけるディスク状のフライスがよく、利便的にワークを加工するようにすることができる。
【0029】
また、前記歯切り盤のベッド1には、横方向ガイドレール8hも設けられており、前記外フレーム8cは横方向ガイドレール8hに横方向に摺動可能に連結されている。
【0030】
本実施形態における移動機構8は外フレームに内フレームを設置するという技術で揺動部6とフォーク状のキャリッジ5が3つの並進移動自由度で並進移動することを実現したものである。外フレームに内フレームを設置するという方案において、外フレーム8cの体積が大きく、重量が重いので、横方向に移動させるには困難である。そのため、横方向ガイドレール8hにより外フレーム8cを横方向に粗調整作業を行わせることができる。そして、さらなる横方向位置の調整はラム8dによって実現できる。
【0031】
テーブル2はフォーク状のキャリッジ5に近い側で水平ターンテーブル3とほぼ接している。それにより、ラム8dの横方向のストロークをより効率よく利用することができ、フォーク状のキャリッジ5の突出長さを減少することができる。
【0032】
本実施形態にかかる他の構造、工作原理及び有益な効果は第1実施形態と同じなため、ここでは省略する。
【0033】
以上の内容は本発明のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者は、本発明の要旨や範囲を逸脱しない限りにおいて、出願書類に開示された内容に基づき、本発明の実施形態を種々の改良または変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0034】
1 歯切り盤のベッド
2 テーブル
3 水平ターンテーブル
4 垂直ターンテーブル
5 フォーク状のキャリッジ
6 揺動部
7、8 移動機構
7a 直立コラム
7b 第1のスライダー
7c 第2のスライダー
7d、8f 縦方向ガイドレール
7e、8e 垂直ガイドレール
7f、8h 横方向ガイドレール
8a 内フレーム
8b スライダー
8c 外フレーム
8d ラム
図1
図2
図3