【実施例】
【0059】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるべきではない。なお、実施例及び比較例における樹脂及び押出シート等は、以下の分析又は測定方法で評価した。
【0060】
[共重合樹脂(a)、ゴム変性スチレン系樹脂(b)、及び樹脂組成物の性状]
(1)共重合樹脂(a)のスチレン、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルの各々の単量体単位の含有量(質量%)の測定
プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)測定機で測定したスペクトルの積分比から、樹脂組成を定量した。
試料調製:樹脂ペレット30mgをd6−DMSO 0.75mlに60℃で4〜6時間加熱溶解した。
測定機器:日本電子 JNM ECA−500
測定条件:測定温度 25℃、観測核 1H、積算回数 64回、繰り返し時間 11秒
(スペクトルの帰属)
ジメチルスルホキシド重溶媒中で測定されたスペクトルの帰属は、0.5〜1.5ppmのピークはメタクリル酸、メタクリル酸メチル及び六員環酸無水物のα−メチル基の水素、1.6〜2.1ppmのピークはポリマー主鎖のメチレン基の水素、3.5ppmのピークはメタクリル酸メチルのカルボン酸エステル(−COOCH
3)の水素、12.4ppmのピークはメタクリル酸のカルボン酸の水素である。また、6.5〜7.5ppmのピークはスチレンの芳香族環の水素である。なお、本発明の樹脂は六員環酸無水物の含有量が少ないため、本測定の方法では通常定量化は難しい。
【0061】
(2)ビカット軟化温度(℃)の測定
ISO306に準拠して測定した。荷重は49Nとした。
(3)重量平均分子量(万)の測定
試料調製 :テトラヒドロフランに樹脂約0.05質量%を溶解させた。
(測定条件)
機器 :TOSHOH HLC−8220GPC
(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)
カラム :super HZM−H
温度 :40℃
キャリア :THF 0.35ml/min
検出器 :RI 、UV:254nm
検量線 :TOSOH製の標準PS使用
【0062】
(4)メルトフローレートの測定
ISO 1133に準拠して測定した(200℃、荷重49N)。
(5)ゴム粒子径の測定
ゴム粒子径の測定は、超薄切片法による透過型電子顕微鏡写真をとり、写真中の粒子を1000個の粒子径を測定して次の式で求めた。
ゴム粒子径=Σni Di4/Σni Di3
(ただし、niは粒子径Diを有するゴム粒子の個数である。またDiは粒子の長径と短径の平均値で求めた)
【0063】
(6)トルエン不溶分の膨潤指数の測定
沈殿管にゴム変性スチレン系樹脂1gを精秤し(W1)、トルエン20ミリリットルを加え23℃で2時間振とう後、遠心分離機((株)日立製作所製himac、CR−20(ローター:R20A2))にて10℃以下、20000rpmで60分間遠心分離する。沈殿管を約45度にゆっくり傾け、上澄み液をデカンテーションして取り除く。トルエンを含んだ不溶分の質量を精秤し(W2)、引き続き、160℃、3kPa以下の条件で1時間真空乾燥し、デシケータ内で室温まで冷却後、トルエン不溶分の質量を精秤する(W3)。
下記式により、トルエン不溶分の膨潤指数、及びトルエン不溶分を求める。
トルエン不溶分の膨潤指数=(W2/W3)
【0064】
(7)トルエン不溶分/トルエン不溶分中のゴム含有量比の測定
ゴム変性スチレン系樹脂0.25gをクロロホルム50mlに溶解し、一塩化ヨウ素を加えてゴム成分中の二重結合を反応させた後、ヨウ化カリウムを加え、残存する一塩化ヨウ素をヨウ素に変え、チオ硫酸ナトリウムで逆滴定する一塩化ヨウ素法を用いて、ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム含有量(w4:質量%)を測定し、この値から(6)のゴム変性スチレン系樹脂(W1)中のゴム含有量を次式で求めた:
トルエン不溶分中のゴム含有量(W5)=W1×w4/100
トルエン不溶分中のゴム含有量に対するトルエン不溶分の質量比(トルエン不溶分/トルエン不溶分中のゴム含有量)は次式で求めた:
トルエン不溶分/トルエン不溶分中のゴム含有量=W3/W5
【0065】
(8)樹脂組成物を100質量%としたときのスチレン二量体及び三量体の残存量(質量%)の測定
試料調製:樹脂組成物2.0gをメチルエチルケトン20mlに溶解後、更に標準物質入りのメタノール5mlを加え溶解した。
(測定条件)
機器 :島津製製作所製ガスクロマトグラフィー GC−17Apf
カラム :DB−1(100%ジメチルポリシロキサン) 30m、
膜厚0.1μm、0.25mmφ
カラム温度 :100℃−2分→5℃/分→260℃−5分
注入口温度 :200℃
検出器温度 :200℃
キャリアガス :窒素
【0066】
(9)樹脂組成物を100質量%としたときのスチレン単量体の含有量(ppm)の測定
試料調製 :樹脂組成物1.0gを標準物質入りジメチルホルアミド25mlに溶解させた。
(測定条件)
機器 :島津製製作所製ガスクロマトグラフィー GC−14Bpf
カラム :SUS 3mmφ×3m(パックドカラム)
充填剤 :液相→PEG−20M 25%
担体→Chromosorb W(AW) 60〜80メッシュ
カラム温度 :110℃
注入口温度 :220℃
検出器温度 :220℃
キャリアガス :窒素
【0067】
(10)樹脂組成物中の脂肪族第1級アルコール含有量(質量%)の測定
試料調製 :樹脂組成物0.5gをメチルエチルケトン20mlに溶解させた。
(測定条件)
機器 :島津製製作所製ガスクロマトグラフィー GC2010
カラム :DB−WAX 30m、0.25mmφ、df=0.5μm
温度 :100℃→5℃/分→130℃→10℃/分→180℃−12分→20℃/分→220℃−20分
【0068】
[射出成形特性及び射出成形物特性]
(11)シャルピー衝撃強さ(kJ/m2)の測定
ISO179に準拠して、ノッチ無しで測定した。
(12)曲げ強さ(MPa)
ISO178に準拠して、測定した。
(13)曲げたわみ(mm)
(12)の曲げ強さの測定時に、最大のたわみ量を測定した。
【0069】
(14)金型汚れの判定
150×150×2.5mmの短冊型の金型を使用して、充填5.0秒で射出成形時にショートショットさせた。70ショット終了後、15分間射出成形を停止し、金型を冷却して、成形体先端部に相当する金型面を目視で観察し、金型の汚れを確認しつつ、700ショットまで成形を繰り返した。以下の評価基準で金型汚れを判定した。
◎:700ショットで金型汚れなし
○:420〜630ショットで金型汚れ発生
なお、成形は、金型温度20℃、樹脂温度260℃で行なった。また、金型汚れの付着物の成分を測定したところ、スチレンの二量体及び三量体が大部分で、樹脂に練り込んだアルコールが僅かに含まれていた。
【0070】
[非発泡押出特性及び非発泡押出物特性]
(15)非発泡シートインパクト強度(kg・cm)の測定
創研社製の25mmφ短軸シート押出機で厚さ0.7mmのシートを作製、このシートを用いて、東洋精機社製の二軸延伸装置EX6−S1でシート押出方向に5倍、シート押出方向の直角方向に1.3倍延伸し、厚み約0.1mmのシートを作製し、東洋精機社製のフィルムインパクトテスター(A121807502)でインパクト強度を測定した。
【0071】
(16)非発泡押出シートの耐熱性
(15)で得た延伸シートを沸騰水中に30分間浸漬させた時のシートの収縮率を測定し、以下の評価基準で判定した。収縮率3%未満が実用上好ましい。
◎:収縮率1%未満
○:収縮率1%以上3%未満
×:収縮率3%以上
【0072】
(17)非発泡押出シートの外観判定
(15)で得た延伸シートから8cm×20cmの大きさのシートを3枚切り出し、シート3枚の表面において(長径+短径)/2の平均径が1mm以上の異物であるゲル物の個数を数え、以下の評価基準で外観を判定した。
◎:ゲル物の個数が2点以下
○:ゲル物の個数が3〜5点
×:ゲル物の個数が6点以上
【0073】
(18)ダイス出口の臭気判定
(15)のシート押出時に、ダイス出口の臭気を確認し、以下の評価基準でダイス出口の臭気を判定した。
◎:臭いを殆ど感じない
○:臭いをわずかに感じた
【0074】
[発泡押出物特性]
(19)発泡シートのインパクト強度(kg・cm)の測定
圧縮成形で作製した厚み約0.2mmのシートにオートクレーブ中で液化炭酸ガスを10mPaで30分間含浸させ、その後115℃に加熱、約10倍の発泡体シートを作製した。この発泡シートを縦5cm、横3cmに切り出し、東洋精機社製のフィルムインパクトテスター(A121807502)でインパクト強度を測定した。
【0075】
[共重合樹脂(a)の製造方法]
[樹脂B]
スチレン71.3質量部、メタクリル酸6.1質量部、メタクリル酸メチル7.6質量部、エチルベンゼン15.0質量部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.025質量部から成る重合原料組成液を、1.1リットル/時の速度で、容量が4リットルの完全混合型反応器、次いで、2リットルの層流型反応器から成る重合装置に、次いで、未反応モノマー、重合溶媒等の揮発分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置に連続的に、順次供給し、樹脂を調製した。重合工程における重合反応条件は、完全混合反応器は重合温度118〜128℃、層流型反応器は温度121〜143℃とした。脱揮された未反応ガスは−5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収した。最終重合液中のポリマー分は、重合液を215℃、2.5kPaの減圧下で30分間乾燥後、(乾燥後の試料質量/乾燥前の試料質量×100%)により測定したところ、64.7質量%、重量平均分子量は202,000(20.2万)であった(以下、表1参照)。
【0076】
[樹脂A、樹脂C〜F]
以下の表1に示す樹脂の性状になるよう樹脂Bと同様に、条件を調整した。
【0077】
【表1】
【0078】
[ゴム変性スチレン系樹脂(b)の製造方法]
[樹脂G]
攪拌機を備えた層流型反応器3基(1.5リットル)を直列に連結し、その後に二段ベント付き押出機を配置した重合装置を用いて、ゴム変性スチレン系樹脂を製造する。撹拌機付き原料タンクにスチレン82質量部、エチルベンゼン12質量部、ゴム成分として旭化成ケミカルズ社製ジエン55を6質量部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.02質量部を投入、撹拌機でゴム成分を溶解後、この原料溶液を反応器に0.75リットル/hrの容量で供給し、第1段の反応機の温度を110〜120℃、第2段の反応機の温度を120〜130℃、第3段の反応機の温度140〜150℃で重合を行った。また押出機温度は210〜240℃、真空度は3kPa、最終反応器から出た重合液中の全固形分は77.2質量%であった。ゴム粒子径は第1段層流型反応機の撹拌機の回転数を110rpmに調整した(以下、表2参照)。
【0079】
[樹脂H〜L]
以下の表2に示す樹脂の性状になるよう樹脂Gと同様に、条件を調整した。なお、表2のゴム粒子径を得るために、樹脂K及び樹脂Lは第1段層流型反応機の撹拌機の回転数をそれぞれ340rpm、20rpmに調整した。
【0080】
【表2】
【0081】
[スチレン−ブタジエンブロック共重合体(c)]
[樹脂M]
ブロック共重合体(c)として、旭化成ケミカルズ社製のタフプレン125(スチレン/ブタジエン=40/60)を用いた。
【0082】
[実施例1
(単なる参考例である)]
以下の表3に示すように、共重合樹脂(a)として樹脂Aを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを15質量%の割合に混ぜ、更にイソ脂肪族第1級アルコールを添加した後、二軸押出機で押出して樹脂ペレットを作製した。以下の表3に示す樹脂組成物中のアルコール含有量(質量%)はガスクロマトグラフィーで定量した値である。なお、以下の表3中のイソ脂肪族第1アルコールとしては日産化学社製の製品(ファインオキソコール180、凝固点:−30℃以下)を用いた(*1参照)。
【0083】
得られた樹脂ペレットを用いて、非発泡押出物(非発泡押出シート)と発泡押出物(発泡押出シート、及び成形品としてトレー容器)とを作製し物性等を評価した。非発泡押出シートについては、25mmの単軸押出機を用いて、樹脂溶融ゾーンの温度を220〜230℃とし、厚み約0.7mmのシートを作製、更にこのシートを用いて二軸延伸機で150℃、10分加熱後、シートの押出方向に5倍、シートの押出の直角方向に1.3倍延伸して約0.1mmのシートを作製した。発泡押出シートは、圧縮成形で作製した厚み約0.2mmのシートにオートクレーブ中で液化炭酸ガスを10mPaで30分間含浸させ、その後115℃に加熱、約10倍の発泡体シートを作製した。得られた非発泡押出物及び発泡押出物の性状及び物性の評価結果を、それぞれ、以下の表3に示す。
【0084】
[実施例2〜8
(但し、実施例4、5及び8は単なる参考例である)]
以下の表3に示す割合で共重合樹脂(a)とゴム変性スチレン系樹脂(b)を混ぜ、更にイソ脂肪族第1級アルコールを添加した後、二軸押出機で押出して樹脂ペレットを作製し、実施例1と同様に、非発泡押出物及び発泡押出物を作製し、それらの性状及び物性を評価した。評価結果を以下の表3に示す。
【0085】
[実施例9及び10]
以下の表3に示す割合で共重合樹脂(a)とゴム変性スチレン系樹脂(b)とブロック共重合体(c)を混ぜ、更にイソ脂肪族第1級アルコールを添加した後、二軸押出機で押出して樹脂ペレットを作製し、実施例1同様に、非発泡押出物及び発泡押出物を作製し、それらの性状及び物性を評価した。評価結果を以下の表3に示す。
【0086】
[比較例1]
実施例2において共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを15質量%の割合に混ぜたのに対し、比較例1では、共重合樹脂(a)として樹脂Eを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを15質量%の割合に混ぜた。残余の事項については実施例2と同様に実施し、非発泡押出物及び発泡押出物を調製した。得られたものの性状及び物性の評価結果を以下の表3に示す。比較例1では共重合樹脂(a)に用いた樹脂Eのメタクリル酸含有量が18.1質量%と多く、実施例2に比較して、非発泡シートの外観が劣り、またシャルピー衝撃強さ、曲げ強さ、曲げたわみ、非発泡シート及び発泡シートのインパクト強度などの機械的強度が劣るものとなった。
【0087】
[比較例2]
実施例2において共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを15質量%の割合に混ぜたのに対し、比較例2では、共重合樹脂(a)として樹脂Bを97質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを3質量%の割合に混ぜた。残余の事項については実施例2と同様に実施し、非発泡押出物及び発泡押出物を調製した。得られたものの性状及び物性の評価結果を以下の表3に示す。比較例2ではゴム変性スチレン系樹脂(b)の混合割合が3質量%と少ないため、実施例2に比較して、シャルピー衝撃強さ、曲げ強さ、曲げたわみ、非発泡シート及び発泡シートのインパクト強度などの機械的強度が劣るものとなった。
【0088】
[比較例3]
実施例8において共重合樹脂(a)として樹脂Dを68質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを32質量%の割合に混ぜたのに対し、比較例3では、共重合樹脂(a)として樹脂Aを68質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを32質量%の割合に混ぜた。残余の事項については実施例8と同様に実施し、非発泡押出物及び発泡押出物を調製した。得られたものの性状及び物性の評価結果を以下の表3に示す。比較例3ではゴム変性スチレン系樹脂(b)の混合割合が32質量%と同じであるが、実施例8に比較して、ビカット軟化温度が低く、非発泡シートの耐熱性が劣るものとなった。
【0089】
[比較例4]
実施例2において共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを15質量%の割合に混ぜたのに対し、比較例4では、共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Jを15質量%の割合に混ぜた。残余の事項については実施例2と同様に実施し、非発泡押出物及び発泡押出物を調製した。得られたものの性状及び物性の評価結果を以下の表3に示す。比較例4ではゴム変性スチレン系樹脂(b)に用いた樹脂J中のゴム含有量が5.1質量%と少なく、実施例2に比較して、シャルピー衝撃強さ、曲げたわみ、非発泡シート及び発泡シートのインパクト強度など機械的強度が劣るものとなった。
【0090】
[比較例5]
実施例2において共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを15質量%の割合に混ぜたのに対し、比較例5では、共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Kを15質量%の割合に混ぜた。残余の事項については実施例2と同様に実施し、非発泡押出物及び発泡押出物を調製した。得られたものの性状及び物性の評価結果を以下の表3に示す。比較例5ではゴム変性スチレン系樹脂(b)に用いた樹脂Kのゴム粒子径が0.4μmと小さく、実施例2に比較して、シャルピー衝撃強さ、曲げ強さ、曲げたわみ、非発泡シート及び発泡シートのインパクト強度など機械的強度が劣るものとなった。
【0091】
[比較例6]
実施例2において共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Hを15質量%の割合に混ぜたのに対し、共重合樹脂(a)として樹脂Bを85質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Lを15質量%の割合に混ぜた。残余の事項については実施例2と同様に実施し、非発泡押出物及び発泡押出物を調製した。得られたものの性状及び物性の評価結果を以下の表3に示す。比較例6ではゴム変性スチレン系樹脂(b)に用いた樹脂Lのゴム粒子径が6.2μmと大きく、実施例2に比較して、非発泡シートの外観が劣るものとなった。
【0092】
[比較例7]
共重合樹脂(a)として樹脂Fを80質量%、ゴム変性スチレン系樹脂(b)として樹脂Iを20質量%の割合に混ぜた。得られたものの性状及び物性の評価結果を以下の表3に示す。比較例7は、ビカット軟化温度が低く、非発泡シートの耐熱性が劣るものとなった。
【0093】
【表3】