(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
印刷ジョブに基づいて、封入物及び封筒に対して印刷を行う印刷装置と、前記印刷装置により印刷された封入物及び封筒に対して封入封緘処理を行う封入封緘装置とを備えた封入封緘システムを制御する端末装置であって、
1又は複数通の封入物ページデータを通毎に連続して生成する封入物データ生成手段と、
前記1又は複数通の封入物ページデータより、通毎に対応した宛先情報を検出する宛先情報検出手段と、
前記検出した宛先情報を元に、宛先を含む封筒ページデータを生成する封筒ページデータ生成手段と、
前記封入物ページデータの所定位置に配置された通毎の区切りを示す区切りデータを検出する区切検出手段と、
前記区切検出手段により検出された区切りデータに基づいて、前記1又は複数通の封入物ページデータを通毎に仕分けする仕分け手段と、
前記仕分け手段により通毎に仕分けられた各封入物ページデータと、前記封筒ページデータ生成手段により生成された通毎の各封筒ページデータとを対応させ、通毎に連続した1又は複数通の印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
前記封筒ページデータ生成手段は、所定の封筒フォームデータと、前記宛先情報検出手段により検出された前記宛先情報とを用いて、前記封筒ページデータを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
コンピュータを、印刷ジョブに基づいて、封入物及び封筒に対して印刷を行う印刷装置と、前記印刷装置により印刷された封入物及び封筒に対して封入封緘処理を行う封入封緘装置とを備えた封入封緘システムを制御する端末装置として動作させるための制御プログラムであって、
1又は複数通の封入物ページデータを通毎に連続して生成し、
前記1又は複数通の封入物ページデータより、通毎に対応した宛先情報を検出し、
前記検出した宛先情報を元に、宛先を含む封筒ページデータを生成し、
前記封入物ページデータの所定位置に配置された通毎の区切りを示す区切りデータを検出し、
前記検出された区切りデータに基づいて、前記1又は複数通の封入物ページデータを通毎に仕分けし、
前記通毎に仕分けられた各封入物ページデータと、前記生成された通毎の各封筒ページデータとを対応させ、通毎に連続した1又は複数通の印刷ジョブを生成する、
ことを特徴とする制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(封入封緘システムの構成)
図1は、本実施形態に係る封入封緘システムの構成図である。
図1においては、封入封緘システム1の構成とともに、各構成から入出力されるデータを模式的に示している。
【0018】
本実施形態の封入封緘システムは、
図1に示すように、印刷ジョブに基づいて、封入物及び封筒に対して印刷を行う印刷装置3と、印刷装置3により印刷された封入物及び封筒に対して封入封緘処理を行う封入封緘装置4と、印刷装置3及び封入封緘装置4を制御する、パーソナルコンピュータ等の端末装置2を備える。
【0019】
本実施形態においては、印刷装置3は、印刷ジョブに基づいて、封入物及び封筒に対して印刷を行い、封入封緘装置4は、印刷装置3により印刷された封入物及び封筒に対して封入封緘処理を行う。
(端末装置の構成)
端末装置2は、印刷装置3及び封入封緘装置4と接続されている。印刷ジョブを印刷装置3側に送信して、印刷装置3及び封入封緘装置4に対し、それぞれ印刷及び封入封緘処理を実行させる。
【0020】
封入物としては、例えば、帳票が挙げられる。実施例では、帳票とは、請求書や納品書、クレジットカードの明細書や金融機関の口座残高通知書等のように、通ごとに(宛先ごとに)可変のデータを所定のフォーム上に配置した書面であって、封筒に封入封緘されて宛先に送付される書面をいう。帳票は、通毎に封入するページ数が異なり得るが、これを認識して封入封緘を行う技術については、公知技術を用いている。以下、本実施形態では、封入物としての一例として、帳票の場合について説明する。なお、以下、封入帳票というときには、封入物、内容物も同様に当てはまるものとし、帳票ページデータというときには、封入物ページデータにも当てはまるものとする。
【0021】
また、端末装置2は、上位アプリケーション21、帳票アプリケーション22、封筒エディタ23、プリンタドライバ24及びデータベース25を有する。また、端末装置2は、ユーザが各種の情報を入力するための入力部(図示せず)と、入力部により入力された情報に基づいて、各種の情報を表示する表示部(図示せず)と、各種の情報を記憶するメモリ(図示せず)を備える。
【0022】
上位アプリケーション21は、データベース25、帳票アプリケーション22、封筒エディタ23を統括制御するアプリケーションである。上位アプリケーション21は、ユーザからの帳票ページデータ32の生成指示、ユーザからの封筒ページデータ生成指示、封入される帳票ページデータ32と封筒ページデータ34とが対応づけられた印刷ジョブデータの生成指示、印刷ジョブデータの印刷指示、封入封緘指示を入力部を介して受け付けると、以下の処理を行う。
【0023】
ユーザからの帳票ページデータ32の生成指示に対しては、データベース25が保持するバリアブルデータ36を帳票アプリケーション22に入力し、帳票アプリケーション22に対して、帳票ページデータ32を生成する旨の指示を出す。
【0024】
印刷ジョブデータの生成指示に対しては、封筒エディタ23に対して、封筒ページデータ34を生成し、封筒ページデータ34と、帳票アプリケーションで生成された帳票ページデータ32とに基づいて、印刷ジョブデータを生成するように指示を出す。
【0025】
印刷ジョブデータの印刷指示、封入封緘指示に対しては、プリンタドライバ24に対して、封筒エディタ23で生成された印刷ジョブデータに基づいて必要な処理を施して、印刷、封入封緘処理用の封入封緘用の印刷ジョブデータを生成し、印刷装置3に送るように指示する。
【0026】
データベース25は、封筒ページデータ34の生成に使用する宛先情報36と、帳票ページデータ32の生成に使用する明細情報37を記憶する。宛先情報36は、例えばCSV形式で記述され、通毎のレコードを備える。各レコードにおいては、レコードを識別するためのID情報(ID001など)と、氏名を示す氏名情報と、帳票の宛先住所を示す住所情報(郵便番号、住所等)の属性情報が含まれている。同様に、明細情報37も例えば、CSV形式で記述され、通毎に1又は複数のレコードを備える。各レコードにおいては、宛先情報36に対応したID情報と、明細内容情報(例えば、納品書であれば、納入品、個数、金額等の情報)が含まれている。
【0027】
また、データベース25においては、各封筒ページデータ34についてID情報(送付先である顧客を識別する情報)と氏名情報とが対応づけられた封筒宛名対応データと、各帳票ページデータ32についてID情報と氏名情報とが対応づけられた内容物対応データとが記憶されている(後述の
図6参照)。ここで、封筒宛名対応データと、内容物対応データは、例えば、CSVデータで構成されている。
【0028】
帳票アプリケーション22は、上位アプリケーション21からの指示に応じて、1又は複数通の帳票ページデータ32を通毎に連続して生成する。ここで、帳票ページデータ32は、例えばPDF(Portable Document Format)形式等のデータである。また、帳票ページデータ32は、1又は複数のページデータで構成されている。
【0029】
具体的には、帳票アプリケーション22は、封筒に封入される帳票用紙のフォームデータ(以下、帳票用紙フォーム31とする)を保持している。この帳票用紙フォーム31においては、宛先が変化しても、1つの共通のものが用いられる。
【0030】
そして、帳票アプリケーション22は、上位アプリケーション21からの指示にも基づいて、上位アプリケーションから入力される情報のうち、明細情報37、宛先情報36を、それぞれ、帳票用紙フォーム31の所定位置に配置することにより、帳票ページデータ32を生成する。
【0031】
封筒エディタ23は、封筒ページデータ34を生成し、帳票アプリケーション22により生成された1又は複数の帳票ページデータ32と、封筒ページデータ34とに基づいて、宛先毎(通毎に)に、1又は複数の帳票ページデータ32と、封筒ページデータ34とが対応づけられた印刷ジョブデータを生成し、プリンタドライバ24に出力するものである。
【0032】
図2は、封筒エディタ23の詳細な機能の説明を示すブロック図である。封筒エディタ23は、ユーザによる入力/ユーザに対する表示を介して、データベース25に記憶された宛先情報36等の各種の情報と、帳票アプリケーション22により生成された帳票ページデータ32と、保持している共通の封筒フォーム33とに基づいて、通毎に、封筒ページデータ34と帳票ページデータ32とを対応づけた印刷ジョブデータを生成するものである。
【0033】
封筒エディタ23は、封筒データ生成部11、区切検出部12、仕分け部14及び印刷ジョブ生成部13を有する。
封筒データ生成部11は、1又は複数通の帳票ページデータ32の通毎に対応した宛先情報36を元に、宛先を含む封筒ページデータ34を生成するものである。具体的には、例えば、封筒データ生成部11は、宛先情報36(氏名情報、住所情報(郵便番号、住所))と、封筒フォーム33とを用いて、宛先を含む封筒ページデータ34を生成する。ここで、封筒データ生成部11により生成される封筒ページデータ34の一例を
図3に示す。この封筒ページデータ34においては宛先情報36のうち、住所情報と氏名情報がそれぞれ所定位置に配置されている。
【0034】
区切検出部12は、帳票ページデータ32の所定位置に配置された通毎の区切りを示す区切りデータを検出するものである。仕分け部14は、区切検出部12により検出された区切りデータに基づいて、1又は複数通の帳票ページデータ32を通毎に仕分けするものである。印刷ジョブ生成部13は、仕分け部14により通毎に仕分けられた各帳票ページデータ32と、封筒データ生成部11により生成された通毎の各封筒ページデータ34とを対応させ、通毎に連続した1又は複数通の印刷ジョブデータを生成するものである。これらの区切検出部12、仕分け部14、印刷ジョブ生成部13の具体的な動作については後に
図4等を参照して詳しく説明する。
【0035】
プリンタドライバ24は、封筒エディタ23が生成した印刷ジョブデータ35に対して必要な処理を施した封入封緘用印刷ジョブデータを印刷装置3に送信する。具体的には、プリンタドライバ24は、印刷設定条件等(印刷用紙サイズ等)に基づいて、上記印刷ジョブデータから、封入封緘用印刷ジョブデータを生成する。この封入封緘用印刷ジョブデータは、例えば、PDLデータである。
【0036】
また、封入封緘用印刷ジョブデータには、通毎に、各帳票ページデータ32と、対応する封筒ページデータ34を印刷装置により印刷するように指示する印刷指示情報と、印刷装置3により印刷された封入帳票(帳票ページデータ32に基づき印刷用紙に印刷されたもの)と、封筒(各封筒ページデータ34に基づき印刷用紙に印刷されたもの)とを送り、封入封緘装置4に対して封入封緘処理を行うように指示する封入封緘指示情報とが含まれる。
【0037】
なお、帳票ページデータ32や封筒ページデータ34のサイズや向き等の印刷設定条件の入力に関しては、後に具体的な入力画面を用いて詳細に説明する。
(印刷装置、封入封緘装置の構成)
印刷装置3は、端末装置2側から封入封緘用印刷ジョブデータを受信すると、例えば、RIP処理を行った結果に基づき、封入帳票の印刷処理、封筒の印刷処理を行う。また、印刷装置3は、印刷処理の結果、封入帳票、封筒を封入封緘装置に送るとともに、封入封緘指示情報を送る。封入封緘装置4は、印刷装置3から送られてきた封入帳票、封筒を、封入封緘指示情報に基づいて封入封緘処理を行う。
(印刷ジョブデータの生成に関する帳票アプリケーション、封筒エディタの処理)
次に、印刷ジョブデータの生成に関する帳票アプリケーション、封筒エディタの処理について、
図4を用いてより詳細に説明する。
【0038】
図4は、印刷ジョブデータ35を生成するまでに、端末装置2の各構成(特に帳票アプリケーション、封筒エディタ)において実行される処理の概要を説明する図である。ここでは、一例として、各封筒ページデータ34を、対応する各帳票ページデータ32の後ろに挿入して、印刷ジョブデータを生成する場合について説明する。
【0039】
図4(a)は、封入封緘装置4に入力される封筒及び封入帳票の並び順を示す図である。先ず、封筒エディタ23は、
図4(a)に示すような封入封緘装置4に入力されるべき封入帳票及び封筒の並び順を保持している。この並び順は、例えば、ユーザが入力部を用いて、印刷ジョブデータの並び順を入力することで、封筒エディタ23に送られる。図中では、封入帳票は実線で、封筒は破線で表している。
【0040】
先ず、帳票アプリケーション22による帳票ページデータ32の生成処理(処理1)が行われる。
図4(b)は、帳票アプリケーション22による帳票ページデータ32の生成処理を示す図である。帳票アプリケーション22は、
図4(b)に示すように、複数の宛先毎の(図に示す例では、A宛、B宛及びC宛のそれぞれについての)帳票ページデータ32A〜32Cが連続して並ぶ状態で、帳票ページデータ32を生成する。生成された帳票ページデータ32A〜32Cは、封筒エディタ23に入力される。ここで、帳票ページデータ32は、共通の帳票用紙フォーム31にバリアブルデータ36の各種の属性情報をそれぞれ所定の位置に配置することにより生成される。
【0041】
つぎに、封筒エディタ23により、印刷ジョブデータの生成処理(処理2)が行われる。
図4(c)は、封筒エディタ23により、印刷ジョブデータの生成を示す図である。
1つの封筒に封入される封入帳票のページデータ数・用紙の枚数は、宛先によって異なるのが通常である。このため、封筒エディタ23は、連続する複数の帳票ページデータ32内に封筒ページデータ34を挿入する場合、ある宛先(通)の帳票ページデータ32と、次の宛先(通)の帳票ページデータ32とを識別する必要がある。本実施形態の説明においては、連続する複数の帳票ページデータ32において、帳票ページデータ32のまとまりを、通単位で区別することを、「仕分けを行う」という。
【0042】
封筒エディタ23の仕分け部14は、共通する帳票用紙フォーム31のうち、所定の位置に印刷される所定の文字列等を検出することで、仕分け処理を行う。
具体的な一例としては、封筒エディタ23の仕分け部14は、帳票ページデータ32中の共通の帳票用紙フォーム中の所定位置に、「お知らせ」の文字列があるか否かに基づいて、通単位の1又は複数の帳票ページデータ32のうち、先頭の帳票ページデータ32を判定する。
【0043】
図2の説明においても述べたとおり、封筒エディタ23の仕分け部14は、区切検出部12が帳票ページデータ32から検出する通毎の区切りを示す区切りデータにより上記の仕分け処理を行っている。
図4に示す例では、帳票ページデータ32中の所定の位置に配置されている文字列「お知らせ」により仕分けを行っている。
【0044】
以下、仕分けに使用する帳票ページデータ32中の所定の位置に配置される所定の文字列等の情報を、「区切りデータ」という。区切りデータ及び区切りデータの配置される位置については、封筒エディタ23において仕分け処理を実行する前に、予め設定しておく必要がある。ここでは、一例として、区切りデータとして、共通する帳票用紙フォーム31内の所定位置に配置される所定の文字列(例えば、上記の「お知らせ」)が設定され、各通の帳票ページデータ32の末尾に、封筒ページデータ34が配置される場合について説明する。なお、区切りデータの設定方法の詳細な説明は後述する。
【0045】
そして、仕分け部14は、検出した文字列等に基づき、ある宛先(通)についての帳票ページデータ32の先頭又は終わりを判定して、通ごとの帳票ページデータ32の区切りを認識する(「仕分け処理」を実行)。仕分けられた各帳票ページデータ32は、封筒エディタ23に送られる。
【0046】
封筒エディタ23は、
図4(a)に示すような封入封緘装置4に入力されるべき封入帳票及び封筒の並び順に基づいて、各帳票ページデータ32の所定位置に所定の文字列がある先頭の帳票ページデータ32の前に、(例えば、
図4(b)の「お知らせ」の文字列が所定の位置にある帳票ページデータ32の前に)対応する封筒ページデータ34を挿入することにより、印刷ジョブデータ35A〜35Cを生成する。なお、帳票ページデータ32及び封筒の通毎の対応付けの詳細な説明に関しては後述する。
【0047】
そして、封筒エディタ23は、印刷ジョブデータ35A〜35Cをプリンタドライバ24に送ると、プリンタドライバ24は、封入封緘用印刷ジョブデータを、印刷装置3に送信する。印刷装置3は、データの入力された順で印刷処理を行い、印刷した帳票・封筒を封入封緘装置4に送る。
(区切りデータ設定処理)
図5は、区切りデータの設定処理を説明する図である。
図5(a)は、入力部を介して、区切りデータを設定する旨を入力するための表示画面の一例を示す図である。ユーザは、入力部により、封筒エディタ23を起動させる旨を入力すると、封筒エディタ23のプログラムが起動し、ウィンドウ41が表示される。ユーザが入力部を用いて区切りデータの指定を行った後、「仕分け設定」のボタン42を押下することにより、区切りデータの設定が実行される。
【0048】
区切りデータをユーザに指定させるには、
図5(a)に示すように、封筒エディタ23は、表示画面に、区切りデータ指定用の、帳票ページデータ32のサンプルデータを表示させる。このサンプルデータとしては、例えば、共通の帳票用紙フォーム31に対して帳票表題と宛先情報36と明細情報37が配置されているデータと、共通の帳票用紙フォーム31に対して明細情報37が配置されているデータとがある。
【0049】
そして、ユーザが、入力部を用いて、上記サンプルデータのうち、区切りデータが配置される領域を指定する。ここでは、一例として、サンプルデータ中の文字列「納品書」(区切りデータ)を含む領域43(区切りデータが配置される領域)が指定される場合の説明を行う。
【0050】
ユーザにより区切りデータに設定したい領域が指定されると、封筒エディタ23は、例えば
図5(b)に例示するように、区切りデータ及び区切りデータが配置される領域の指定の確認を求めるメッセージを示すダイアログ44を表示部に表示させる。
【0051】
ユーザにより「はい(Y)」のボタン45が押下する入力が行われると、封筒エディタ23は、区切りデータ(領域43内の文字列)と、区切りデータが配置される領域(指定された領域43を特定する位置座標)を示す情報(以下、区切りデータ配置領域情報)とを、メモリに記憶させる。
【0052】
このように区切りデータ設定処理を行うことにより、帳票アプリケーション22から帳票ページデータ32が入力された際に、封筒エディタ23は、メモリから区切りデータ及び区切りデータ配置領域情報を取り出し、これらに基づいて、所定の文字列等の区切りデータの検索を行うことが可能となる。また、区切りデータの検出が行われると、通に対応する帳票ページデータ32の先頭や終わりの判定が可能となる。
(通毎の、帳票ページデータ32と封筒との対応付け処理)
図6は、帳票ページデータ32及び封筒ページデータ34の通毎の対応付けに関する説明図である。封入封緘装置4において通毎に正しく封入封緘処理を行うためには、帳票と封筒とが通毎に対応付けられてひとまとまりとなって封入封緘装置4に入力される必要がある。
【0053】
封筒エディタ23は、データベース25から封筒宛名対応データ及び内容物対応データを取得する。封筒エディタ23では、印刷ジョブ生成部13は、封筒データ生成部11が生成した通毎の封筒ページデータ34に対して、封筒宛名対応データを参照して、各封筒ページデータ34に対して、ID情報を振り分けていく(例えば、
図4(a)参照)。また、封筒エディタ23では、印刷ジョブ生成部13は、仕分け部14により仕分けられた各帳票ページデータ32に対して、内容物対応データを参照してID情報を振り分けていく(例えば、具体的には、
図4(b)に示すように、帳票ページデータ1,2まで(仕分け1)と、帳票ページデータ3(仕分け2)と帳票ページデータ4〜6(仕分け3)までと仕分けられていた場合、印刷ジョブ生成部13は、仕分け1〜3の各帳票ページデータにはID情報として001〜003を割り当てる。このID情報は通に対応することになる。
【0054】
印刷ジョブ生成部13は、保持している、印刷装置3に入力する封筒及び封入帳票の並び順を参照して、先ず、ID情報(001)に対応する、最初に仕分けられた各帳票ページデータ32をページデータ順に配置し、ID情報(002)に対応する、次に仕分けられた各帳票ページデータ32の前に、ID情報(001)に対応する、封筒ページデータ34を配置(挿入)する。そして、上記封筒ページデータ34の後に、ID情報(002)に対応する、次に仕分けられた各帳票ページデータ32を配置し、以降、上記処理を繰り返すことにより、印刷ジョブ生成部13は、通毎に、各帳票ページデータ32と、封筒ページデータ34とが対応づけられた印刷ジョブデータを生成する。
【0055】
このようにして、
図6のIDリスト順に沿って、帳票と封筒との対応付けが適切になされる。すなわち、
図4(c)に示すように、ID=001の帳票ページデータ32と封筒ページデータ34、ID=002の帳票ページデータ32と封筒ページデータ34、…等のように、IDが一致する帳票ページデータ32及び封筒ページデータ34同士を対応付けた印刷ジョブデータ35A〜35Cを生成することができる。
(印刷設定条件の入力処理)
図7は、帳票ページデータ32や封筒ページデータ34のサイズや向き等の印刷設定条件の入力のための画面を示す図である。ここでは、一例として、帳票ページデータ32の場合について説明するが、封筒ページデータ34の場合も同様である。
【0056】
例えば、封筒エディタ23により、通毎に帳票ページデータ32と封筒ページデータ34とが対応づけられた印刷ジョブデータが生成されると、上位アプリケーション21を介して、表示部に、その旨が表示される。
【0057】
ユーザが入力部を用いて、印刷指示を行うと、上位アプリケーション21の指示に基づいて、封筒エディタ23で生成された、通毎に帳票ページデータ32と封筒ページデータ34とが対応づけられた印刷ジョブデータがプリンタドライバ24に送られるとともに、各種の印刷条件を設定するための画面が表示部に表示される。
図7では、一例として、帳票の用紙サイズや向き等を設定する画面が表示される様子が示されている。
【0058】
ユーザが入力部を用いて、画面を通じて入力した情報は、プリンタドライバ24に送られる。プリンタドライバ24は、送られてきた情報に基づいて、通毎の封筒ページデータ34及び対応する帳票ページデータ32に対して、サイズ等の設定処理を加えて、封入封緘用印刷ジョブデータを生成する。プリンタドライバ24は、生成した封入封緘用印刷ジョブデータを印刷装置3に送る。
(印刷ジョブデータの生成方法)
図8は、封筒エディタ23による印刷ジョブデータの生成方法を示すフローチャート図である。帳票アプリケーション22により生成された帳票ページデータ32が封筒エディタ23に入力されると、封筒エディタ23では、以下の処理が行われる。
【0059】
まず、帳票アプリケーション22により帳票ページデータ32が生成された旨が封筒データ生成部11に送られる。並行して、帳票アプリケーション22により生成された各帳票ページデータ32は、区切り検出部12に送られる。
【0060】
封筒データ生成部11は、保持するカウンタAを初期化し、1を設定する(ステップ1)。カウンタAは、封筒データ生成部11が印刷ジョブデータ中の通の数をカウントするものである。
【0061】
封筒データ生成部11は、データベース25にアクセスして、宛先情報36中のID数を参照して、宛先情報36中の総レコード数を取得する。
そして、封筒データ生成部11は、最初のレコードの各情報(氏名情報、住所情報)を取得し、保持する封筒フォームデータの所定位置に、上記の各情報をそれぞれ配置することにより、封筒ページデータ34を生成する(ステップ2)。生成された封筒ページデータ34は、印刷ジョブ生成部13に送られる。
【0062】
区切検出部12は、上述したようにして、連続する複数の帳票ページデータ32の区切りデータ及び区切りデータの配置領域を検出すると、これらのデータを仕分け部14に送る。
【0063】
仕分け部14は、区切検出部12が検出した区切りデータ及び区切りデータ配置領域情報に基づいて、帳票ページデータ32中の通ごとのまとまりを決定する(仕分け処理、ステップ3)。仕分け部により、帳票ページデータ32中の通ごとのまとまりが、印刷ジョブ生成部13に送られる。
【0064】
また、印刷ジョブ生成部13は、データベース25から封筒宛名対応データ及び内容物対応データを取得する。印刷ジョブ生成部13は、封筒宛名対応データ及び内容物対応データを参照して、送られてきた封筒ページデータ34と、帳票ページデータ32との対応関係を認識する。
【0065】
印刷ジョブ生成部13は、仕分け部14により送られてきた通ごとのまとまりに基づいて、帳票ページデータ32において、封筒ページデータ34の挿入する位置を決定し、通単位の帳票ページデータ32の末尾の後に、対応する封筒ページデータ34を挿入する(ステップ4)。そして、印刷ジョブ生成部13は、カウンタAの値を1増加させる(ステップ5)。
【0066】
印刷ジョブ生成部13は、カウンタAの値が総レコード数を超えているか否かを判定する(ステップ6)。カウンタAの値が総レコード数を超えている場合(ステップS6でYesの場合)は、処理を終了する。カウンタAの値が総レコード数以下である場合は、ステップS2に戻り、上記と同様の処理を繰り返す。
【0067】
本処理が終了すると、印刷ジョブ生成部13により、各通の帳票ページデータ32の末尾のページデータの後に、対応する封筒ページデータ34が挿入された印刷ジョブデータが生成されることになる。
(作用効果)
以上説明したように、本実施形態に係る封入封緘システム1によれば、封筒エディタ23に入力された帳票ページデータ32に対し、区切検出部12が、帳票ページデータ32の通毎の区切りを示す区切りデータを検出する。仕分け部14は、検出された区切りデータに基づき、帳票ページデータ32の仕分けを行い、1又は複数の通からなる帳票ページデータ32は、宛先(通)ごとのまとまりで区別される。印刷ジョブ生成部13は、仕分け部14により仕分けられた帳票ページデータ32と、封筒データ生成部11で生成した封筒ページデータ34と、を通毎に対応させ、1又は複数の通についての印刷ジョブデータを生成する。この生成された印刷ジョブデータに基づいて、印刷処理、封入封緘処理が行われる。
【0068】
この結果、帳票アプリケーション22が、既存技術のように、帳票ページデータ32の生成機能しか有しない場合であっても、ユーザは、帳票ページデータ32と封筒ページデータ34との関連づけを別途設定する必要はなく、封筒エディタ23が、宛先情報36を配置した封筒ページデータ34を生成し、宛先毎に帳票ページデータ32と封筒ページデータ34とを対応付けられた印刷ジョブデータを生成することができる。
【0069】
従って、既存の帳票アプリケーション22で生成された封入物データに封筒ページデータ34を関連付けて、印刷処理及び封入封緘処理を行わせるための印刷ジョブの生成を安価に実現することが可能となる。
【0070】
また、例えば帳票アプリケーション22で封筒の宛名印刷に対応していない場合であっても、封筒エディタ23により、窓付き封筒を用いずに封筒に宛名印刷することが可能となる。窓付き封筒を使用しないことにより、印刷コストを低減させることもできる。
【0071】
また、本実施形態において、通単位の帳票ページデータ32の先頭又は末尾に、区切りデータが設定され、仕分け処理により通毎に仕分けられた帳票ページデータ32の先頭や末尾に、対応する封筒ページデータ34を挿入することにより、印刷ジョブデータの生成が行われる。
【0072】
例えば、通毎に、帳票ページデータ32の各ページデータの真ん中のページデータに、対応する封筒ページデータ34を挿入する場合においても、宛先毎に帳票ページデータ32と封筒ページデータ34とを対応付けられた印刷ジョブデータを生成することは可能である。しかし、この場合には、連続する帳票ページデータ32の区切り位置と異なる位置に、封筒ページデータ34が配置されることになる。このため、区切りデータの位置と、封筒ページデータ34の位置との関係を保持する手間が発生し、通毎の帳票ページデータ32と封筒ページデータ34との対応付けのために情報量が増えて、そのための制御も複雑になってしまう。
【0073】
本実施形態では、区切りデータの位置と封筒ページデータ34を挿入する位置が同一であり、区切りデータが封筒ページデータ34の挿入位置を示すデータを兼ねるので、上述のような事態が生じないので、情報量の削減及び制御の簡略化に繋がることが可能となる。
【0074】
但し、情報量の削減、制御の簡略化という点では劣るが、通毎に、帳票ページデータ32の各ページデータの末尾又は先頭以外の位置(例えば、真ん中)に、対応する封筒ページデータ34を挿入して、宛先毎に帳票ページデータ32と封筒ページデータ34とを対応付けられた印刷ジョブデータを生成するようにすることも可能である。
(封筒ページデータ34の生成処理の変形例)
封筒データ生成部11が、帳票ページデータ32より、通毎に対応した宛先情報36を検出する宛先データ検出機能を備え、封筒フォームデータと、検出された宛先データとを用いて、封筒ページデータ34を生成するようにしてもよい。
【0075】
上述の実施形態では、封筒データ生成部11は、データベース25から宛先情報36等の各種の属性情報を取り出して、封筒フォームデータ33に配置するようにしたが、これに限定されず、帳票ページデータ32を利用して、封筒ページデータ34を生成するようにしてもよい。
【0076】
帳票ページデータ32のサンプルデータのうち、区切りデータ及び区切りデータ配置領域を指定した場合の説明と同様にして、宛先データの配置領域を指定すると、宛先データの配置領域を示す情報はメモリに記憶される。
【0077】
ここでは、一例として、区切りデータが配置される帳票ページデータ32に、宛先データがある場合について説明する。帳票アプリケーション22から帳票ページデータ32が入力されると、区切検出部12は、区切りデータが配置された帳票ページデータ32を検出する。そして、封筒データ生成部11は、メモリから宛先データの配置領域を示す情報を取り出し、区切検出部12により検出された帳票ページデータ32のうち、宛先データの配置領域に存在する宛先データの検索を行う。
【0078】
そして、封筒データ生成部11は、検索された宛先データを、封筒フォームデータの宛先情報36が配置される領域に配置することで、封筒ページデータ34を生成することができる。
【0079】
なお、メモリには、宛先データの配置領域を示す情報の代わりに、区切りデータの配置位置との相対位置を、記憶されるようにしてもよい。また、区切りデータの検出処理と並行して、宛先データの検出処理が行なわれるようにしてもよい。
【0080】
本変形例によれば、帳票ページデータ32に使用する通毎に対応した宛先情報36と、封筒フォームデータとを用いるので、封筒ページデータ34を生成する封筒と封入物との対応関係をより正確にすることが可能となる。また、封筒ページデータ34の生成に必要な宛先情報36をデータベース25に記憶する必要がないので、ユーザが宛先情報36をデータベース25に記憶する手間を回避することができる。
(他の変形例)
なお、印刷装置3及び封入封緘装置4については、
図1に示すようにそれぞれ独立した装置であってもよいし、1台で印刷処理と封入封緘処理とを行える構成であってもよい。
【0081】
上述の実施形態等では、宛先情報36に対応する明細情報37を用いて、封筒ページデータ34、帳票ページデータ32を生成し、封入封緘用印刷ジョブデータを生成した後、印刷処理、封入封緘処理が行われる場合について説明した。但し、これに限定されず、いったん、生成した封筒ページデータ34、帳票ページデータ32をデータベース25に記憶し、これを用いて、再度、印刷処理、封入封緘処理を行うようにしてもよい。
【0082】
また、プリンタドライバ24が、封筒エディタ23により生成された印刷ジョブデータに基づいて、封入封緘用の印刷ジョブデータを生成するようにしているが、封筒エディタ23がプリンタドライバ24の機能も備えるようにして、封入封緘用の印刷ジョブデータを生成するようにしてもよい。
【0083】
また、
図6においては、文字列「納品書」を区切りデータに設定する場合を例に説明しているが、区切りデータは、文字列には限定されない。文字列の他にも、各種の記号や符号、アイコン等の画像等を設定する構成としてもよい。
【0084】
なお、上述の実施形態では、各帳票ページデータ32のサンプルデータを予め、封筒エディタ23が保持する場合の説明を行ったが、これに限定されず、封筒エディタ23が各帳票ページデータ32を読み込み、上記のサンプルデータを抽出するようにしてもよい。
【0085】
また、上述の実施形態では、封筒宛名対応データ及び内容物対応データは、予め、データベース25に記憶されている場合の説明を行ったが、これに限定されない。例えば、ユーザが上位アプリケーション21を介して、封筒宛名対応データ及び内容物対応データを生成し、データベース25に記憶させるようにしてもよい。また、ユーザが上位アプリケーション21を介して、データベース25に記憶されている封筒宛名対応データ及び内容物対応データを修正するようにしてもよい。
【0086】
なお、上述の実施形態では、上位アプリケーション21には、ユーザからの帳票ページデータ32の生成指示、帳票ページデータ32と封筒ページデータ34とが対応づけられた印刷ジョブデータの生成指示、印刷ジョブデータの印刷指示、封入封緘指示を入力部を介して受け付ける場合について説明したが、ユーザからプレビュー指示又は印刷ジョブデータの印刷指示が入力部により入力されると、上位アプリケーションは、帳票ページデータ32を生成する旨の指示、印刷ジョブデータの生成、印刷、封入封緘処理の指示を行うようにしてもよい。
【0087】
また、封筒データ生成部11は、バリアブルデータ以外の封筒宛名対応データや内容物対応データ中のID数を参照して
図8におけるステップ1の総レコードの取得処理が行われるようにしてもよい。
【0088】
また、上述の実施形態では、プリンタドライバ24は、封入封緘用の印刷ジョブデータを印刷装置3に送ると、印刷装置3が印刷処理を実行し、その結果が印刷装置3に送られ、封入封緘装置4で、封入封緘処理が行われる場合の説明を行ったが、以下のようにしてもよい。即ち、プリンタドライバ24は、封入封緘用の印刷ジョブデータを印刷装置3に送るとともに、印刷装置3から送られる印刷物(封筒、封入帳票)に封入封緘処理を行うように指示する情報を封入封緘装置4に送るようにしてもよい。
【0089】
上述の実施形態においては、上位アプリケーション21は各部を統括制御するような場合について説明したが、これに限定されない。例えば、端末装置2において、上位アプリケーション21を削除するようにしてもよい。そして、帳票アプリケーション22、封筒エディタ23を入力部を用いて起動させる。そして、ユーザが入力部を用いて、帳票アプリケーション22を用いて、帳票ページデータ32を生成する。そして、ユーザが入力部を用いて、封筒エディタ23を起動させ、封筒ページデータ34を生成し、帳票アプリケーションで生成された帳票ページデータ32を読み込み、印刷ジョブデータを生成するようにしてもよい。
【0090】
また、本実施形態に係る封入封緘システム1は、帳票とその帳票の宛先を印刷する封筒との封入封緘について説明したが、これに限定されるものではない。帳票以外の封入物であっても、同様な適用が可能である。また、端末装置2の機能を、印刷装置3側に持たせるようにしてもよい。
【0091】
この他にも、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の改良及び変更が可能である。例えば、前述の実施形態に示された全体構成からいくつかの構成要素を削除してもよく、更には異なる構成要素を適宜組み合わせてもよい。