特許第5897372号(P5897372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5897372電気化学ガスセンサ、COとH2との選択的検出方法、及び電気化学ガスセンサの改質方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5897372
(24)【登録日】2016年3月11日
(45)【発行日】2016年3月30日
(54)【発明の名称】電気化学ガスセンサ、COとH2との選択的検出方法、及び電気化学ガスセンサの改質方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/416 20060101AFI20160317BHJP
   G01N 27/406 20060101ALI20160317BHJP
【FI】
   G01N27/46 311H
   G01N27/46 331
   G01N27/58 Z
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-71327(P2012-71327)
(22)【出願日】2012年3月27日
(65)【公開番号】特開2013-205069(P2013-205069A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000112439
【氏名又は名称】フィガロ技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086830
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 明
(74)【代理人】
【識別番号】100096046
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 みか
(72)【発明者】
【氏名】野中 篤
(72)【発明者】
【氏名】中島 崇
(72)【発明者】
【氏名】野中 英正
(72)【発明者】
【氏名】大西 久男
(72)【発明者】
【氏名】中山 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】新宅 英城
(72)【発明者】
【氏名】岡田 正文
(72)【発明者】
【氏名】宇高 利浩
(72)【発明者】
【氏名】兼安 一成
(72)【発明者】
【氏名】藤森 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】井上 浩文
【審査官】 櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−304752(JP,A)
【文献】 特開昭58−118956(JP,A)
【文献】 特開平09−089835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/26−27/49
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体電解質を保持するセパレータもしくは固体高分子プロトン導電体膜の被検出雰囲気側に検知極が、基準雰囲気側に対極が設けられている電気化学ガスセンサにおいて、
H2中で電気化学ガスセンサ内を対極から検知極へ向けて電流が流れ、CO中で検知極から対極へ向けて電流が流れるように改質されていることを特徴とする電気化学ガスセンサ。
【請求項2】
液体電解質を保持するセパレータもしくは固体電解質膜の、被検出雰囲気側に検知極が、基準雰囲気側に対極が設けられ、
前記対極側を+、前記検知極側を−として、対極から検知極へ直流電流を加えることにより改質されている電気化学ガスセンサを用い、
電気化学ガスセンサ内を対極から検知極へ向けて電流が流れる際にH2を検出し、検知極から対極へ電流が流れる際にCOを検出する、COとH2との選択的検出方法。
【請求項3】
液体電解質を保持するセパレータもしくは固体高分子プロトン導電体膜の、被検出雰囲気側に検知極が、基準雰囲気側に対極が設けられている電気化学ガスセンサに対し、
前記対極側を+、前記検知極側を−として、対極から検知極へ直流電流を加えることにより、H2中で電気化学ガスセンサ内を対極から検知極へ向けて電流が流れ、CO中で検知極から対極へ向けて電流が流れるように、電気化学ガスセンサを改質する電気化学ガスセンサの改質方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電気化学ガスセンサに関し、特にCOとH2とを識別して検出することに関する。
【背景技術】
【0002】
発明者らは、複素インピーダンスにより、電気化学ガスセンサを診断することを提案した(特許文献1 特開2011-158468)。電気化学ガスセンサでは、液体電解質を保持するセパレータもしくは固体電解質膜の両面に、検知極と対極とが設けられている。そして特許文献1では、検知極と対極間の複素インピーダンスを測定する。これらの部材に結露等が生じ、ガスの拡散性が低下すると、複素インピーダンスの実数部が低下するので、検出できる。
【0003】
特許文献1は、インピーダンスを測定することにより、電気化学ガスセンサの状態を診断することを意図しており、電気化学ガスセンサを積極的に改質することは意図していない。発明者は、電気化学ガスセンサに直流電流あるいは直流電圧を加えることにより、ガス感度を変化させることを検討し、この発明に到った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-158468
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の課題は、電気化学ガスセンサからCOとH2とで逆向きの出力が生じるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、液体電解質を保持するセパレータもしくは固体高分子プロトン導電体膜の被検出雰囲気側に検知極が、基準雰囲気側に対極が設けられている電気化学ガスセンサにおいて、H2中で電気化学ガスセンサ内を対極から検知極へ向けて電流が流れ、CO中で検知極から対極へ向けて電流が流れるように改質されていることを特徴とする。
【0007】
この発明はまた、液体電解質を保持するセパレータもしくは固体電解質膜の、被検出雰囲気側に検知極が、基準雰囲気側に対極が設けられ、前記対極側を+、前記検知極側を−として、対極から検知極へ直流電流を加えることにより改質されている電気化学ガスセンサを用い、電気化学ガスセンサ内を対極から検知極へ向けて電流が流れる際にH2を検出し、検知極から対極へ電流が流れる際にCOを検出する、COとH2との選択的検出方法にある。
【0008】
この発明はまた、液体電解質を保持するセパレータもしくは固体高分子プロトン導電体膜の、被検出雰囲気側に検知極が、基準雰囲気側に対極が設けられている電気化学ガスセンサに対し、前記対極側を+、前記検知極側を−として、対極から検知極へ直流電流を加えることにより、H2中で電気化学ガスセンサ内を対極から検知極へ向けて電流が流れ、CO中で検知極から対極へ向けて電流が流れるように、電気化学ガスセンサを改質する電気化学ガスセンサの改質方法にある。
【0009】
発明者は、液体電解質を保持するセパレータの被検出雰囲気側に検知極が、基準雰囲気側に対極が設けられている電気化学ガスセンサに対し、対極側を+、検知極側を−として、対極から検知極へ直流電流を加えると、ガス感度が変化することを見出した。即ち、H2中で電気化学ガスセンサ内を対極から検知極へ向けて電流が流れ、CO中で検知極から対極へ向けて電流が流れるように、ガス感度が変化した。ガス感度の変化は、対極から検知極への直流電流が大きいほど、あるいは対極を+、検知極を−として加える電圧が大きいほど、著しかった。電気化学ガスセンサ(以下単に「ガスセンサ」ということがある)に直流電流を加えるとは、文字通りに直流電流を加えることのみでなく、直流電圧を加えて直流電流を流すことを含んでいる。また加える電流は、単純な直流以外に直流に交流を重ね合わせたものでも良い。直流電流を加える時間と回数は任意で、ガスセンサの感度変化には、回数と時間、及び直流電流の大小あるいは直流電圧の大小が影響する。
【0010】
H2中で電気化学ガスセンサ内を対極から検知極へ向けて電流が流れるためには、対極側へH2が回り込む機構が必要である。液体電解質を保持するセパレータもしくは固体電解質膜と検知極と対極との集合体をMEAと呼ぶと、MEAの周囲には対極を被検出雰囲気と遮断するためのガスケットあるいはO−リングが有り、MEAとガスケットあるいはO−リングとの間には隙間がある。ガスケットあるいはO−リングをH2が拡散する、あるいはMEAとガスケットあるいはO−リングとの隙間をH2が拡散することが考えられる。またMEA自体をH2が拡散する可能性もある。
【0011】
対極側へH2が回り込むと、 H2→2H+2e- の反応が検知極と対極の双方で発生し、MEAを流れる電流は検知極と対極との反応速度の大小で定まる。そして対極から検知極へ加えた直流電流により、検知極あるいは対極の水素のイオン化活性、あるいは検知極とスペーサ間のイオン電導の状態もしくは対極とスペーサ間のイオン電導の状態等が変化する。これらのことが生じているものとすると、H2中で電気化学ガスセンサ内を対極から検知極へ向けて電流が流れることを説明できる。対極から検知極へ直流電流を加えても、CO中では検知極から対極へ電流が流れ、しかもCO中での電流値は直流を加える前に比べて増加する。
【0012】
これらの結果、H2中とCO中とでガスセンサを流れる電流、あるいは起電力の向きが逆になり、H2とCOとを弁別できる。例えば水素のパイプラインから洩れが生じているのか、周囲で不完全燃焼が生じているのかを弁別できる。またCH4をCO2とH2とに改質するコンバータを備えた燃料電池システムでは、コンバータの生成ガス中ではH2が主成分で、COが有害な不純物である。ここでH2中とCO中とでガスセンサの信号が逆になると、生成ガス中のCO濃度を容易に検出できる。
【0013】
発明者はセパレータに液体電解質を保持させたMEAでこの現象を発見したが、固体高分子プロトン導電体膜を用いたMEAでも同じ現象が生じた。直流は電流として加えても、電圧として加えても良い。加える直流電流あるいは直流電圧の大小、時間、繰り返しの回数等はMEAの材質とサイズに依存するものと考えられ、MEAが定まれば容易に最適値を発見できる。電気化学ガスセンサの出力は電流でも起電力でも良い。またこの明細書において、電気化学ガスセンサに関する記載はそのままCOとH2との選択的検出方法及び電気化学ガスセンサの改質方法にもあてはまり、逆に電気化学ガスセンサの改質方法に関する記載はそのままCOとH2との選択的検出方法及び電気化学ガスセンサにもあてはまる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例の電気化学ガスセンサの断面図
図2】実施例でのMEAの分解状態を示す図
図3】実施例でのガス検出装置を示す図
図4】直流電圧印加前のCOへのレスポンスを示す特性図
図5】直流電圧印加前のH2へのレスポンスを示す特性図
図6】-2〜+2Vの直流電圧を100msec加えた後のCOへのレスポンスを示す特性図
図7】-2〜+2Vの直流電圧を100msec×5回加えた後のCOへのレスポンスを示す特性図
図8】-2〜+2Vの直流電圧を100msec×10回加えた後のCOへのレスポンスを示す特性図
図9】-2〜+2Vの直流電圧を100msec加えた後のH2へのレスポンスを示す特性図
図10】-2〜+2Vの直流電圧を100msec×5回加えた後のH2へのレスポンスを示す特性図
図11】-2〜+2Vの直流電圧を100msec×10回加えた後のH2へのレスポンスを示す特性図
図12】-500mA〜+500mAの直流電流を100msec加えた後のCOへのレスポンスを示す特性図
図13】-500mA〜+500mAの直流電流を100msec×5回加えた後のCOへのレスポンスを示す特性図
図14】-500mA〜+500mAの直流電流を100msec×10回加えた後のCOへのレスポンスを示す特性図
図15】-500mA〜+500mAの直流電流を100msec加えた後のH2へのレスポンスを示す特性図
図16】-500mA〜+500mAの直流電流を100msec×5回加えた後のH2へのレスポンスを示す特性図
図17】-500mA〜+500mAの直流電流を100msec×10回加えた後のH2へのレスポンスを示す特性図
図18】+300mA×100msecの直流電流を加えた際の、空気中での電流と電圧の波形図
図19】−300mA×100msecの直流電流を加えた際の、空気中での電流と電圧の波形図
図20】直流電圧(100msec単位で印加)によるCO300ppmへの感度変化を示す特性図
図21】直流電圧(1sec印加)によるCO300ppmへの感度変化を示す特性図
図22】直流電圧(100msec単位で印加)によるH2 300ppmへの感度変化を示す特性図
図23】直流電圧(1sec印加)によるH2 300ppmへの感度変化を示す特性図
図24】直流電流(100msec単位で印加)によるCO300ppmへの感度変化を示す特性図
図25】直流電流(1sec印加)によるCO300ppmへの感度変化を示す特性図
図26】直流電流(100msec単位で印加)によるH2 300ppmへの感度変化を示す特性図
図27】直流電流(1sec印加)によるH2 300ppmへの感度変化を示す特性図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。なお実施例はこの発明を限定するものではなく、周知技術等を加味して実施例を変更できる。
【実施例】
【0016】
図1図27に実施例を示す。図1図2は電気化学センサ2(以下「ガスセンサ2」)の構造を示し、4は金属容器で、水6を収容し、8はMEAである。10は金属の底板、12は金属の拡散制御板、16は金属のキャップ、11,14,18,19は開口で、この内、開口14はMEA8への被検出雰囲気の拡散を制限する。キャップ16には活性炭、シリカゲル、ゼオライト等のフィルタ材20が収容され、22はリング状のガスケットでキャップ16と金属容器4とを気密に絶縁する。なおMEA8の外周とガスケット22の内周との間には隙間が有る。ガスセンサ2の構造、材料は公知であり、水6はなくても良く、MEA8の取り付け構造は任意である。
【0017】
図2に示すように、MEA8は液体電解質を保持した膜状の微孔質セパレータ24と、その両面の検知極S及び対極C、並びにカーボンシート等のガス拡散膜25,26から成る。実施例では液体電解質は芳香族スルホン酸のポリマーであるが、硫酸、KOH水溶液、K2CO3水溶液等、任意である。なおガス拡散膜25,26は無くても良く、また電極S,Cとセパレータ24との間に、固体高分子プロトン導電体膜、固体高分子アニオン導電体膜等を設けても良い。検知極S、対極Cは、Ptを担持したカーボンブラックにプロトン導電性の高分子を添加したもので、材質は任意である。
【0018】
ガスセンサ2は、対極から検知極へ向けて直流電流を加えることにより、CO感度を増感すると共に、H2感度の向き、即ちH2中で流れる電流あるいは起電力の向きを反転させたものである。この処理の効果は、図4図27に示す。
【0019】
図3はガス検出装置を示し、30は電池等の直流電源で、抵抗R1,R2等により1V等の定電位を取り出し、ガスセンサ2の対極Cの電位を定電位に保つ。検知極S側に増幅回路A1を接続し、CO,H2等によりガスセンサ2を流れる検知電流を増幅して電圧信号に変換し、算術論理回路32により、電圧信号の正負と大小とによりCOかH2かを識別すると共にその濃度を求める。なお対極Cを増幅回路A1及び算術論理回路32側へ接続しても良い。
【0020】
図4図27に、ガスセンサ2への直流電圧及び直流電流の影響を示す。実験では各条件毎に3個のセンサを用いたが、図4図19の波形図では各1個のセンサの信号を示す。また対極C側を+、検知極S側を−として加えた直流電圧と直流電流の極性を示し、図中の300等の数字はガス濃度を示し、縦軸は増幅回路A1の出力を示す。図4は直流を加える前のCOへのレスポンスを、図5は直流を加える前のH2へのレスポンスを示し、これらはガスセンサ2のばらつきを示している。図6は、-2V〜+2Vの直流電圧を100msec×1回加えた後のCOへのレスポンスを示し、直流電圧の影響は小さい。図7は、-2V〜+2Vの直流電圧を100msec×5回加えた後のCOへのレスポンスを示し、+の直流電圧を加えるとCO感度はわずかに増加ないしわずかに減少し、−の直流電圧を加えるとCO感度は減少する。図8は、-2V〜+2Vの直流電圧を100msec×10回加えた後のCOへのレスポンスを示し、この例では直流電圧の影響は大きくはない。
【0021】
図9は、-2V〜+2Vの直流電圧を100msec×1回加えた後のH2へのレスポンスを示し、直流電圧の影響は小さい。図10は、-2V〜+2Vの直流電圧を100msec×5回加えた後のH2へのレスポンスを示し、+1.5V以上の直流電圧を加えるとH2感度は極性が反転し、対極Cから検知極Sへ向けて検知電流が流れるようになる。図11は、-2V〜+2Vの直流電圧を100msec×10回加えた後のH2へのレスポンスを示し、+1.5V以上の直流電圧を加えると、対極Cから検知極Sへ向けて検知電流が流れるようになる。
【0022】
図12は、-500mA〜+500mAの直流電流を100msec×1回加えた後のCOへのレスポンスを示し、+の直流電流を加えるとCO感度が増し、-の直流電流を加えるとCO感度が減少する。図13は、-500mA〜+500mAの直流電流を100msec×5回加えた後のCOへのレスポンスを示し、+の直流電流を加えるとCO感度が著しく増し、-の直流電流を加えるとCO感度は著しく減少する。図14は、-500mA〜+500mAの直流電流を100msec×10回加えた後のCOへのレスポンスを示し、+の直流電流を加えるとCO感度が著しく増し、-の直流電流を加えるとCO感度が著しく減少する。
【0023】
図15は、-500mA〜+500mAの直流電流を100msec×1回加えた後のH2へのレスポンスを示し、+300mAの直流電流を加えるとH2感度は負になり、検知極Sから対極Cへ向けて検知電流が流れるようになる。図16は、-500mA〜+500mAの直流電流を100msec×5回加えた後のH2へのレスポンスを示し、+100mA以上の直流電流を加えると、H2に対して対極Cから検知極Sへ向けて検知電流が流れるようになる。図17は、-500mA〜+500mAの直流電流を100msec×10回加えた後のH2へのレスポンスを示し、+100mA以上の直流電流を加えると、H2に対して対極Cから検知極Sへ向けて検知電流が流れるようになる。
【0024】
図18は+300mAの直流電流を空気中で加えている際の電流と電圧の波形を示し,図19は-300mAの直流電流を空気中で加えている際の電流と電圧の波形を示す。ガスセンサ2の抵抗成分は10〜20Ω程度で、抵抗には極性があり、抵抗成分の他に容量成分も含まれている。
【0025】
図20図21は直流電圧の印加前後でのCO300ppmへの感度の変化を示し、図20では100msec単位で印加し、図21では1sec印加した。図22図23は直流電圧の印加前後でのH2 300ppmへの感度の変化を示し、図22では100msec単位で印加し、図23では1sec印加した。+の直流電圧を加えると、CO感度が増加してH2感度は負になり、-の直流電圧を加えると、CO感度が減少しH2感度が増加する。
【0026】
図24図25は直流電流の印加前後でのCO300ppmへの感度の変化を示し、図24では100msec単位で印加し、図25では1sec印加した。図26図27は直流電流の印加前後でのH2 300ppmへの感度の変化を示し、図26では100msec単位で印加し、図27では1sec印加した。+の直流電流を加えると、CO感度が増加してH2感度は負になり、-の直流電流を加えると、CO感度が減少しH2感度が増加する。
【0027】
実施例ではセパレータ24に液体電解質を支持させたが、セパレータ24に代えて、固体高分子プロトン導電体を用いても、同様の結果が得られた。直流電流あるいは直流電圧の値、印加時間、印加回数等はMEAの材質、サイズ等の種類に応じて最適値が有り、実施例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0028】
2 電気化学ガスセンサ
4 金属容器
6 水
8 MEA
10 底板
12 拡散制御板
16 キャップ
11,14,18,19 開口
20 フィルタ材
22 ガスケット
24 セパレータ
25,26 ガス拡散膜
30 電源
32 算術論理回路
C 対極
S 検知極
R1,R2 抵抗
A1 増幅回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27