(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
【0014】
図1は、本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。MR:Magnetic Resonance)100は、マグネット2、テーブル3、ポジショニングライト4、前部アレイコイル40、後部アレイコイル41などを有している。
【0015】
マグネット2は、被検体11が収容されるボア21と、超伝導コイル22と、勾配コイル23と、RFコイル24とを有している。超伝導コイル22は静磁場を印加し、勾配コイル23は勾配磁場を印加し、RFコイル24はRFパルスを送信する。尚、超伝導コイル22の代わりに、永久磁石を用いてもよい。
【0016】
マグネット2の前面には、ポジショニングライト4が設けられている。ポジショニングライト4は、被検体11をボア21に搬送するときの目印となるランドマークを設定する。
【0017】
テーブル3は、被検体11を支持するためのクレードル3aを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体11はボア21に搬送される。
【0018】
被検体11の腹部には前部アレイコイル40が取り付けられている。また、クレードル3aには、後部アレイコイル41が埋め込まれている。前部アレイコイル40および後部アレイコイル41を合わせたものが、コイル装置に相当する。前部アレイコイル40および後部アレイコイル41の構造については、後述する。
【0019】
MR装置100は、更に、送信器5、勾配磁場電源6、受信器7、制御部8、操作部9、および表示部10などを有している。
【0020】
送信器5はRFコイル24に電流を供給し、勾配磁場電源6は勾配コイル23に電流を供給する。
受信器7は、前部アレイコイル40および後部アレイコイル41から受け取った信号に対して、検波などの信号処理を実行する。尚、マグネット2、送信器5、勾配磁場電源6を合わせたものがスキャン手段に相当する。
【0021】
制御部8は、表示部10に必要な情報を伝送したり、受信器7から受け取ったデータに基づいて画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。制御部8は、例えばコンピュータ(computer)によって構成される。制御部8は、データ作成手段81〜感度スコア算出手段84などを有している。
【0022】
データ作成手段81は、コイルモードのカバレージデータ(
図15参照)を作成する。コイルモードについては後述する。
コイルモード候補選択手段82は、ローカライザスキャンLSおよび本スキャンMS1(
図4参照)で使用されるコイルモードの候補を選択する。
感度マップ作成手段83はコイルモードの感度マップを作成する。
感度スコア算出手段84はコイルモードの感度スコアを算出する。
【0023】
制御部8は、データ作成手段81〜感度スコア算出手段84を構成する一例であり、所定のプログラムを実行することにより、これらの手段として機能する。
【0024】
操作部9は、オペレータにより操作され、種々の情報を制御部8に入力する。表示部10は種々の情報を表示する。
【0025】
MR装置100は、上記のように構成されている。次に、前部アレイコイル40および後部アレイコイル41の構造について説明する(
図2参照)。
【0026】
図2は、前部アレイコイル40および後部アレイコイル41の構造を示す図である。
図2(a)は前部アレイコイル40および後部アレイコイル41の斜視図、
図2(b)は前部アレイコイル40および後部アレイコイル41の側面図である。
【0027】
前部アレイコイル40は、被検体の撮影部位(本形態では腹部)に取り付けられるコイルである。前部アレイコイル40は、複数のコイルエレメントから構成されている。
【0028】
後部アレイコイル41は、クレードル3aに埋め込まれているコイルである。後部アレイコイル41も、複数のコイルエレメントから構成されている。
【0029】
被検体を撮影する場合は、撮影条件に応じて、前部アレイコイル40および後部アレイコイル41が有するコイルエレメントの中から、スキャンに使用するコイルエレメントが選択される(
図3参照)。
【0030】
図3は、本形態において被検体をスキャンするときに使用可能なコイルエレメントの組合せを表すコイルモードの説明図である。
【0031】
本形態では、後部アレイコイル41を2つの部分(後部アレイ41aおよび後部アレイ41b)に分け、以下のようなコイルモードSet1〜Set4を使用することができるように設定されている。
(1) コイルモードSet1:前部アレイコイル40+後部アレイ41a
(2) コイルモードSet2:前部アレイコイル40+後部アレイ41b
(3) コイルモードSet3:後部アレイ41a
(4) コイルモードSet4:後部アレイ41b
【0032】
被検体を撮影する場合は、コイルモードSet1〜Set4の中から、撮影条件に応じたコイルモードが選択される。コイルモードをどのようにして選択するかについては、後述する。尚、上記の例では、コイルモードは、複数のコイルエレメントから構成されているが、1個のコイルエレメントのみでコイルモードを構成してもよい。
【0033】
図4は本形態で実行されるスキャンを示す図、
図5は撮影部位を概略的に示す図である。
本形態では、カバレージデータ用スキャンA、感度マップ用スキャンB、ローカライザスキャンLS、本スキャンMS1が実行される。
【0034】
カバレージデータ用スキャンAは、後述するカバレージデータを作成するために実行されるスキャンである。カバレージデータ用スキャンAについては、後で詳しく説明する。
【0035】
感度マップ用スキャンBは、後述する感度マップを作成するために実行されるスキャンである。感度マップ用スキャンBについても、後で詳しく説明する。
【0036】
ローカライザスキャンLSは、スライス位置を設定するときに使用されるローカライザ画像データを取得するためのスキャンである。
【0037】
本スキャンMS1は、肝臓を含む部位の画像データを収集するためのスキャンである。本スキャンMS1は、例えば、T1強調画像データやT2強調画像データを収集するためのスキャンである。
以下に、
図4に示すスキャンを実行し、被検体を撮影するときのフローについて説明する。
【0038】
図6は、被検体を撮影するときのフローを示す図である。
ステップST1では、被検体11をクレードル3aに寝かせて、前部アレイコイル40を取り付ける。
図7に、被検体11に前部アレイコイル40を取り付けたときの様子を概略的に示す。本形態では、被検体11の腹部を撮影するので、オペレータは被検体11の腹部に前部アレイコイル40を取り付ける。前部アレイコイル40を取り付けた後、ステップST2に進む。
【0039】
ステップST2では、オペレータは、ポジショニングライト4の光を用いて、被検体11をボア21に搬入するときの目印となるランドマークを設定する。
図8に、設定されたランドマークLMの一例を示す。オペレータは被検体11の腹部がポジショニングライト4の下に位置するまでクレードル3aを移動させ、ランドマークLMを設定する。
図8では、前部アレイコイル40の中心位置にランドマークLMが設定された例が示されている。
【0040】
オペレータは、ランドマークLMを設定した後、被検体の腹部がボア21の撮影可能領域25に搬送されるように、クレードル3aを移動させる。撮影可能領域25とは、静磁場が良好な均一性を示し、勾配磁場が良好な線形性を示す領域を表しており、良質な画像を取得することが可能な領域である。撮影可能領域25は、例えば、勾配磁場の中心を表すアイソセンターを基準にして規定することができる。
図9に、撮影部位を撮影可能領域25に搬送させた後の様子を示す。撮影部位をボア21の撮影可能領域25に搬送した後、ステップST3に進む。
【0041】
ステップST3では、カバレージデータ用スキャンA(
図4参照)を行い、コイルモードSet1〜Set4の中から、ローカライザスキャンLSおよび本スキャンMS1で使用されるコイルモードの候補を選択する。ステップST3の説明に当たっては、先ず、カバレージデータ用スキャンAについて説明する。
【0042】
図10は、カバレージデータ用スキャンAの一例を示す図である。
本形態では、カバレージデータ用スキャンAは、5つのスキャンA
0〜A
4を有している。以下に、スキャンA
0〜A
4について説明する。
【0043】
図11は、スキャンA
0〜A
4の説明図である。
スキャンA
0〜A
4は、スクリーニング領域26内のサジタル面SGに対して周波数エンコード方向(
図11ではSI(superior-inferior)方向)に勾配磁場を印加するが、位相エンコード方向には勾配磁場を印加しないスキャンである。
図12に、スキャンA
0〜A
4で使用されるパルスシーケンスの一例を示す。スクリーニング領域26は、撮影可能領域25よりも広くなるように設定されている。スクリーニング領域26の長さは、例えば、撮影可能領域26の長さの1.5倍である。尚、スキャンA
0〜A
4では、サジタル面SGの磁気共鳴信号を受信するために使用されるコイルが異なっている。スキャンA
0〜A
4において、サジタル面SGの磁気共鳴信号を受信するために使用されるコイルは以下の通りである。
(0)スキャンA
0:RFコイル24
(1)スキャンA
1:コイルモードSet1
(前部アレイコイル40+後部アレイ41a)
(2)スキャンA
2:コイルモードSet2
(前部アレイコイル40+後部アレイ41b)
(3)スキャンA
3:コイルモードSet3
(後部アレイ41a)
(4)スキャンA
4:コイルモードSet4
(後部アレイ41b)
【0044】
ステップST3では、上記スキャンA
0〜A
4を実行し、各スキャンA
0〜A
4により得られたデータに基づいて、コイルモードSet1〜Set4の中から、ローカライザスキャンLSおよび本スキャンMS1で使用されるコイルモードの候補を選択する。以下に、ステップST3で実行される各サブステップST31〜ST34について順に説明する。
【0045】
サブステップST31では、RFコイル24を用いてスキャンA
0が実行される。RFコイル24により受信された磁気共鳴信号は、受信器7を経由して、制御部8に送られる。制御部8では、データ作成手段81(
図1参照)が、スキャンA
0により得られたデータに基づいて、RFコイル24を用いたときのプロジェクションデータを作成する。
図13に、RFコイル24を用いたときのプロジェクションデータP
0を概略的に示す。スキャンA
0は、スクリーニング領域26内のサジタル面SGに対して周波数エンコード方向(SI方向)に勾配磁場を印加するが、位相エンコード方向には勾配磁場を印加しないスキャンであるので、スキャンA
0を実行することにより、位相エンコード方向に投影されたデータを表すプロジェクションデータP
0が得られる。周波数エンコード方向はSI方向であるので、プロジェクションデータP
0は、SI方向の位置と信号値との関係を表している。スキャンA
0を実行した後、サブステップST32に進む。
【0046】
サブステップST32では、コイルモードSet1〜Set4を用いたスキャンA
1〜A
4が実行される。データ作成手段81は、スキャンA
1〜A
4により得られたデータに基づいて、コイルモードSet1〜Set4を用いたときのプロジェクションデータを作成する。
図14に、コイルモードSet1〜Set4を用いたときのプロジェクションデータP
1〜P
4を概略的に示す。スキャンA
1〜A
4は、スクリーニング領域26内のサジタル面SGに対して周波数エンコード方向(SI方向)に勾配磁場を印加するが、位相エンコード方向には勾配磁場を印加しないスキャンであるので、スキャンA
1〜A
4を実行することにより、位相エンコード方向に投影されたデータを表すプロジェクションデータP
1〜P
4が得られる。周波数エンコード方向はSI方向であるので、プロジェクションデータP
1〜P
4は、SI方向の位置と信号値との関係を表している。スキャンA
1〜A
4を実行した後、サブステップST33に進む。
【0047】
ステップST33では、データ作成手段81が、コイルモードSet1〜Set4のSI方向の感度を表す感度データ(以下、「カバレージデータ」と呼ぶ)を作成する(
図15参照)。
【0048】
図15は、カバレージデータを作成するときの説明図である。
データ作成手段81は、コイルモードSet1〜Set4を用いたときのプロジェクションデータP
1〜P
4の信号値を、RFコイル24を用いたときのプロジェクションデータP
0の信号値で割ることにより、カバレージデータC
1〜C
4を作成する。RFコイル24の感度は撮影可能領域25内では均一と見なすことができるので、プロジェクションデータP
1〜P
4の信号値をプロジェクションデータP
0の信号値で割ることにより、人体の組織の違いによる信号値の差の影響を低減することができる。カバレージデータC
1〜C
4を作成した後、ステップST34に進む。
【0049】
ステップST34では、コイルモード候補選択手段82(
図1参照)が、カバレージデータC
1〜C
4に基づいて、コイルモードSet1〜Set4の中から、撮影可能領域25内で高い感度を持つコイルモードを選択する。
【0050】
図16は、撮影可能領域25内で高い感度を持つコイルモードを選択するときの一例の説明図である。
本形態では、先ず、各カバレージデータC
1〜C
4ごとに、撮影可能領域25の中から、閾値S
thより信号値が大きくなる範囲を検出し、検出された範囲のSI方向の長さL=L
1〜L
4を算出する。尚、閾値S
thは予め決定された固定値でもよいし、カバレージデータC
1〜C
4の信号値に基づいて求めてもよい。
【0051】
次に、長さL=L
1〜L
4と、撮影可能領域25のSI方向の長さL
0との間に、以下の関係式が成立するか否かを判断する。
L≧k・L
0 ・・・(1)
【0052】
式(1)の係数kは、0<k<1の値であり、例えば、k=0.5である。式(1)を満たす場合は、コイルモードは撮影可能領域25内で高い感度を持つと判断する。一方、式(1)を満たさない場合、コイルモードは撮影可能領域25内で高い感度を持たないと判断する。
【0053】
ここでは、L
1、L
2、およびL
3は式(1)を満たすが、L
4は式(1)を満たさないとする。したがって、コイルモードSet1〜Set4の中から、高い感度を持つコイルモードとして、3つのコイルモードSet1、Set2、およびSet3が選択される。このようにして選択されたコイルモードSet1、Set2、およびSet3が、ローカライザスキャンLSおよび本スキャンMS1で使用されるコイルモードの候補として選択される。コイルモードSet1、Set2、およびSet3を選択した後、ステップST4に進む。
【0054】
ステップST4では、感度マップ用スキャンB(
図4参照)を行い、ステップST3で選択されたコイルモードSet1、Set2、およびSet3の撮影可能領域25内における感度マップを作成する。ステップST4の説明に当たっては、先ず、感度マップ用スキャンBについて説明する。
【0055】
図17は、感度マップ用スキャンBの一例を示す図である。
本形態では、感度マップ用スキャンBは、4つのスキャンB
0〜B
3を有している。以下では、先ず、スキャンB
0について説明する。
【0056】
スキャンB
0は、6個のスキャンb1〜b6を含んでいる。スキャンb1〜b6は以下のようなスキャンである。
(1)スキャンb1:撮影可能領域25内のサジタル面SGに対して周波数エンコード方向(SI(superior-inferior)方向)に勾配磁場を印加するが、位相エンコード方向には勾配磁場を印加しないスキャン
(2)スキャンb2:撮影可能領域25内のサジタル面SGに対して周波数エンコード方向(AP(anterior-posterior)方向)に勾配磁場を印加するが、位相エンコード方向には勾配磁場を印加しないスキャン
(3)スキャンb3:撮影可能領域25内のアキシャル面AKに対して周波数エンコード方向(AP方向)に勾配磁場を印加するが、位相エンコード方向には勾配磁場を印加しないスキャン
(4)スキャンb4:撮影可能領域25内のアキシャル面AKに対して周波数エンコード方向(RL(right-left)方向)に勾配磁場を印加するが、位相エンコード方向には勾配磁場を印加しないスキャン
(5)スキャンb5:撮影可能領域25内のコロナル面COに対して周波数エンコード方向(RL方向)に勾配磁場を印加するが、位相エンコード方向には勾配磁場を印加しないスキャン
(6)スキャンb6:撮影可能領域25内のコロナル面COに対して周波数エンコード方向(SI方向)に勾配磁場を印加するが、位相エンコード方向には勾配磁場を印加しないスキャン
【0057】
つまり、スキャンB
0では、6回のスキャンb1〜b6が実行される。スキャンb1〜b6のパルスシーケンスとしては、
図12と同じパルスシーケンスを使用することができる。尚、スキャンB
1、B
2、およびB
3についても、スキャンB
0と同様に、上記のスキャンb1〜b6が実行される。しかし、スキャンB
0〜B
3は、磁気共鳴信号を受信するために使用されるコイルが異なっている。スキャンB
0〜B
3において、磁気共鳴信号を受信するために使用されるコイルは以下の通りである。
(0)スキャンB
0:RFコイル24
(1)スキャンB
1:コイルモードSet1
(前部アレイコイル40+後部アレイ41a)
(2)スキャンB
2:コイルモードSet2
(前部アレイコイル40+後部アレイ41b)
(3)スキャンB
3:コイルモードSet3
(後部アレイ41a)
【0058】
ステップST4では、上記のスキャンB
0〜B
3を実行し、各スキャンB
0〜B
3により得られたデータに基づいて、ステップST3で選択されたコイルモードSet1、Set2、およびSet3の感度マップを作成する。以下に、ステップST4で実行される各サブステップST41〜43について順に説明する。
【0059】
サブステップST41では、RFコイル24を用いてスキャンB
0(スキャンb1〜b6)が実行される。RFコイル24により受信された磁気共鳴信号は、受信器7を経由して、制御部8に送られる。制御部8では、感度マップ作成手段83(
図1参照)が、スキャンB
0により得られたデータに基づいて、RFコイル24を用いたときのプロジェクションデータを作成する。
図18に、RFコイル24を用いたときのプロジェクションデータQ
01〜Q
06を概略的に示す。
プロジェクションデータQ
01は、サジタル面SGのSI方向の各位置と信号値との関係を表している。プロジェクションデータQ
02は、サジタル面SGのAP方向の各位置と信号値との関係を表している。
プロジェクションデータQ
03は、アキシャル面AKのAP方向の各位置と信号値との関係を表している。プロジェクションデータQ
04は、アキシャル面AKのRL方向の各位置と信号値との関係を表している。
プロジェクションデータQ
05は、コロナル面COのRL方向の各位置と信号値との関係を表している。プロジェクションデータQ
06は、コロナル面COのSI方向の各位置と信号値との関係を表している。
スキャンB
0を実行した後、サブステップST42に進む。
【0060】
サブステップST42では、スキャンB
1〜B
3を実行する。スキャンB
1〜B
3でも、スキャンB
0と同様に、スキャンb1〜b6が実行される。ただし、スキャンB
1〜B
3では、それぞれ、コイルモードSet1〜Set3を用いて磁気共鳴信号を受信する。コイルモードSet1〜Set3により受信された磁気共鳴信号は、受信器7を経由して、制御部8に送られる。制御部8では、感度マップ作成手段83が、スキャンB
1〜B
3により得られたデータに基づいて、コイルモードSet1〜Set3を用いたときのプロジェクションデータを作成する。
図19に、コイルモードSet1〜Set3を用いたときのプロジェクションデータQ
11〜Q
16、Q
21〜Q
26、Q
31〜Q
36を概略的に示す。
スキャンB
1〜B
3を実行した後、サブステップST43に進む。
【0061】
ステップST43では、感度マップ作成手段83が、コイルモードSet1〜Set3の撮影可能領域25における感度を表す感度マップを作成する(
図20参照)。
図20は、感度マップを作成するときの説明図である。尚、
図20では、コイルモードSet1〜Set3のうち、代表してコイルモードSet1の感度マップを作成する方法について説明するが、他のコイルモードSet2およびSet3の感度マップについても、以下に説明する方法で作成することができる。
【0062】
感度マップ作成手段83は、先ず、コイルモードSet1を用いたときのプロジェクションデータQ
11〜Q
16の信号値を、RFコイル24を用いたときのプロジェクションデータQ
01〜Q
06の信号値で割る。これにより、人体の組織の違いによる信号値の差の影響を低減することができる。
図20には、RFコイル24のプロジェクションデータQ
01〜Q
06で割った後のコイルモードSet1のプロジェクションデータQ
11〜Q
16を、符号「Q
11′」〜「Q
16′」で示してある。
【0063】
次に、感度マップ作成手段83は、得られたプロジェクションデータQ
11′〜Q
16′に基づいて、コイルモードSet1の撮影可能領域25における感度マップM
1を作成する(
図21参照)。
【0064】
図21は、感度マップM
1の作成方法の一例の説明図である。
感度マップM
1の座標点(x
1,y
1,z
1)の感度は、プロジェクションデータQ
11′〜Q
16′の各座標x
1、y
1、およびz
1の信号値を掛け合わせることにより求める。その他の座標点についても、同様にプロジェクションデータQ
11′〜Q
16′の各座標の信号値を掛け合わせることにより求める。
このようにして、プロジェクションデータQ
11′〜Q
16′から、コイルモードSet1の撮影可能領域25における感度マップM
1を作成することができる。
【0065】
尚、コイルモードSet2およびSet3の感度マップも、同じ手順で作成することができる。
図22に、コイルモードSet1〜Set3の感度マップM
1〜M
3を概略的に示す。感度マップM
1〜M
3を作成した後、ステップST5に進む。
【0066】
ステップST5では、感度マップM
1〜M
3が作成されたコイルモードSet1〜Set3の中から、ローカライザスキャンLS(
図4参照)に最も適していると考えられるコイルモードを特定する。以下に、ステップST5の各サブステップST51〜ST54について説明する。
【0067】
サブステップST51では、撮影可能領域25内に、ローカライザスキャンLSを実行するときの撮像視野を設定する(
図23参照)。
【0068】
図23は、撮像可能領域25内に設定された撮像視野FOV1の一例を概略的に示す図である。
オペレータは、ステップST4で作成された感度マップM
1〜M
3を表示部10に表示させる。そして、表示部10に表示された感度マップM
1〜M
3を参考にしながら、ローカライザスキャンLSを実行するときのFOV1を設定する。FOV1を設定した後、サブステップST52に進む。尚、ローカライザスキャンLSを実行するときのFOV1がデフォルトで予め設定されている場合は、サブステップST51をスキップしてサブステップST52に進む。
【0069】
サブステップST52では、感度スコア算出手段84(
図1参照)が、コイルモードSet1〜Set3の感度マップM
1〜M
3ごとに、FOV1内の感度を表す感度スコアを算出する(
図24参照)。
【0070】
図24は、感度スコアを算出するときの説明図である。
感度スコアVは、例えば、FOV1内の各位置の感度の平均値として計算することができる。
図24では、コイルモードSet1、Set2、およびSet3の感度スコアVは、V
1、V
2、およびV
3で表されている。感度スコアを算出した後、ステップST53に進む。
【0071】
ステップST53では、コイルモードSet1〜Set3の中から、感度スコアVが最も大きいコイルモードを求める。ここでは、感度スコアV
1、V
2、およびV
3の中で、V
1が最大値であるとする。したがって、コイルモードSet1が選択される。感度スコアVが最も大きいコイルモードSet1を選択した後、サブステップST54に進む。
【0072】
サブステップST54では、表示部10に、コイルモードSet1の感度マップM
1が表示される(
図25参照)。
図25は、表示部10に表示されたコイルモードSet1の感度マップM
1を概略的に示す図である。
表示部10には、3つのウィンドウW1、W2、およびW3などが表示される。
【0073】
ウィンドウW1は、感度マップM
1のサジタル面SGの感度分布を表示するウィンドウである。ウィンドウW2は、感度マップM
1のアキシャル面AKの感度分布を表示するウィンドウである。ウィンドウW3は、感度マップM
1のコロナル面COの感度分布を表示するウィンドウである。
【0074】
オペレータは、必要に応じて、感度マップM
1のサジタル面SG、アキシャル面AK、およびコロナル面COの位置を、それぞれRL方向、SI方向、およびAP方向に移動させることができる。したがって、オペレータは、各ウィンドウW1、W2、W3の感度分布を見ることによって、ローカライザスキャンLSを実行する前に、撮影可能領域25内におけるコイルモードSet1の感度マップM
1を視覚的に確認することができる。これにより、オペレータは、ローカライザスキャンLSを実行する前に、コイルモードSet1がローカライザスキャンLSの撮影部位に対してどの程度の感度を有しているのか、確認することができる。
【0075】
また、オペレータは、操作部9を操作することにより、コイルモードSet1の感度マップM
1だけでなく、コイルモードSet2の感度マップM
2や、コイルモードSet3の感度マップM
3も表示部10に表示させることができる。したがって、オペレータは、コイルモードSet1の感度マップM
1だけでなく、コイルモードSet2の感度マップM
2や、コイルモードSet3の感度マップM
3も確認することができる。
【0076】
オペレータは、表示部10に表示されているコイルモードSet1の感度マップM
1を確認し、コイルモードSet1を用いてローカライザスキャンLSを実行するか否かを判断する。オペレータは、コイルモードSet1を用いてローカライザスキャンLSを実行すると判断した場合は、操作部9を操作し、ローカライザスキャンLSを実行するための命令を入力する。この命令が入力されると、ステップST6に進み、コイルモードSet1を用いたローカライザスキャンLSが実行される。
【0077】
一方、オペレータは、コイルモードSet1とは別のコイルモードを用いてローカライザスキャンLSを実行したいと考えた場合は、操作部9を操作し、コイルモードを変更する命令を入力する。例えば、コイルモードSet2を用いてローカライザスキャンLSを実行したいと考えた場合は、操作部9を操作し、コイルモードをSet1からSet2に変更する命令を入力する。コイルモードを変更する命令を入力した後、ローカライザスキャンLSを実行するための命令を入力する。この命令が入力されると、ステップST6に進み、コイルモードSet2を用いたローカライザスキャンLSが実行される。
【0078】
ここでは、オペレータは、コイルモードSet1を用いてローカライザスキャンLSを実行すると判断したとする。したがって、ステップST6では、コイルモードSet1を用いたローカライザスキャンLSが実行される。
図26に、ローカライザスキャンにより得られたローカライザ画像データを概略的に示す。本形態では、サジタル面SGのローカライザ画像データD1と、アキシャル面AKのローカライザ画像データD2と、コロナル面COのローカライザ画像データD3とが取得される。ローカライザスキャンLSを実行した後、ステップST7に進む。
【0079】
ステップST7では、感度マップM
1〜M
3が作成されたコイルモードSet1〜Set3の中から、本スキャンMS1(
図4参照)に最も適していると考えられるコイルモードを特定する。以下に、ステップST7の各サブステップST71〜ST74について説明する。
【0080】
サブステップST71では、本スキャンMS1を実行するときの撮像視野を設定する(
図27参照)。
図27は、設定された撮像視野FOV2の一例を概略的に示す図である。
オペレータは、ステップST6で取得されたローカライザ画像データを参考にしながら、本スキャンMS1を実行するときのスライス位置や撮像視野FOV2を設定する。FOV2を設定した後、サブステップST72に進む。
【0081】
サブステップST72では、感度スコア算出手段84が、コイルモードSet1〜Set3の感度マップM
1〜M
3ごとに、FOV2内の感度を表す感度スコアを算出する。
図28に感度スコアVを示す。尚、感度スコアの算出方法は、サブステップST52と同じ方法であるので(
図24参照)、説明は省略する。
【0082】
サブステップST73では、コイルモードSet1〜Set3の中から、感度スコアVが最も大きいコイルモードを求める。ここでは、感度スコアV
1、V
2、およびV
3の中で、V
2が最大値であるとする。したがって、コイルモードSet2が選択される。感度スコアVが最も大きいコイルモードSet2を選択した後、サブステップST74に進む。
【0083】
サブステップST74では、表示部10に、コイルモードSet2の感度マップM
2が表示される(
図29参照)。
図29は、表示部10に表示されたコイルモードSet2の感度マップM
2を概略的に示す図である。
表示部10には、3つのウィンドウW1、W2、およびW3などが表示される。
【0084】
ウィンドウW1は、感度マップM
2のサジタル面SGの感度分布を表示するウィンドウである。ウィンドウW2は、感度マップM
2のアキシャル面AKの感度分布を表示するウィンドウである。ウィンドウW3は、感度マップM
2のコロナル面COの感度分布を表示するウィンドウである。
【0085】
オペレータは、必要に応じて、感度マップM
2のサジタル面SG、アキシャル面AK、およびコロナル面COの位置を、それぞれRL方向、SI方向、およびAP方向に移動させることができる。したがって、オペレータは、各ウィンドウW1、W2、W3の感度分布を見ることによって、本スキャンMS1を実行する前に、コイルモードSet2の感度マップM
2を視覚的に確認することができる。これにより、オペレータは、本スキャンMS1を実行する前に、コイルモードSet2が撮影部位に対してどの程度の感度を有しているのか、確認することができる。
【0086】
尚、オペレータは、ステップST6で取得されたローカライザ画像データ(
図26参照)を、表示部10のウィンドウW1、W2、およびW3内の感度分布に重ねて表示してもよい(
図30参照)。
【0087】
図30は、ローカライザ画像データをウィンドウの感度分布に重ねたときの様子を概略的に示す図である。
ローカライザ画像データをウィンドウの感度分布に重ねることにより、ローカライザ画像データと感度分布との対応関係を視覚的に認識できる。したがって、オペレータは、ローカライザ画像データに表示されている部位と感度との関係を、より詳細に知ることができる。
【0088】
また、オペレータは、操作部9を操作することにより、コイルモードSet2の感度マップM
2だけでなく、コイルモードSet1の感度マップM
1や、コイルモードSet3の感度マップM
3も表示部10に表示させることができる。したがって、オペレータは、コイルモードSet2の感度マップM
2だけでなく、コイルモードSet1の感度マップM
1や、コイルモードSet3の感度マップM
3も確認することができる。
【0089】
オペレータは、表示部10に表示されているコイルモードSet2の感度マップM
2を確認し、コイルモードSet2を用いて本スキャンMS1を実行するか否かを判断する。オペレータは、コイルモードSet2を用いて本スキャンMS1を実行すると判断した場合は、操作部9を操作し、本スキャンMS1を実行するための命令を入力する。この命令が入力されると、ステップST8進み、コイルモードSet2を用いた本スキャンMS1が実行される。
【0090】
一方、オペレータは、コイルモードSet2とは別のコイルモードを用いて本スキャンMS1を実行したいと考えた場合は、操作部9を操作し、コイルモードを変更する命令を入力する。例えば、コイルモードSet1を用いて本スキャンMS1を実行したいと考えた場合は、操作部9を操作し、コイルモードをSet2からSet1に変更する命令を入力する。コイルモードを変更する命令を入力した後、本スキャンMS1を実行するための命令を入力する。この命令が入力されると、ステップST8に進み、コイルモードSet1を用いた本スキャンMS1が実行され、フローが終了する。
【0091】
本形態では、ローカライザスキャンLSを実行する前に、コイルモードSet1〜Set4の中から、SI方向の感度が大きいコイルモードSet1〜Set3を選択する(サブステップST34)。そして、コイルモードSet1〜Set3の感度マップを作成し、コイルモードSet1〜Set3の中から、ローカライザスキャンLSのFOV1内の感度スコアが最大となるコイルモードSet1を求めている。したがって、ローカライザスキャンLSに適したコイルモードSet1を自動的に検出することができる。また、コイルモードSet1の感度マップは、表示部10に表示されるので、オペレータは、ローカライザスキャンLSを実行する前に、コイルモードSet1がローカライザスキャンLSの撮影部位に対してどの程度の感度を有しているのかを視覚的に確認することができる。更に、オペレータは、コイルモードSet1とは別のコイルモードSet2およびSet3の感度マップも表示部10に表示することができるので、コイルモードSet2およびSet3の感度マップも視覚的に確認することができる。したがって、オペレータは、ローカライザスキャンLSを実行する前に、コイルモードSet1〜Set3の感度マップを比較することもできる。また、オペレータが、コイルモードSet1ではなく、別のコイルモード(例えばSet2)を用いてローカライザスキャンLSを実行した方がよいと考えた場合は、オペレータの意思で、コイルモードを変更することができるので、オペレータが望むようなローカライザスキャンLSを実行することができる。
【0092】
また、カバレージデータ用スキャンAおよび感度マップ用スキャンBでは、位相エンコード量を変更しないスキャンが実行される。したがって、カバレージデータ用スキャンAに掛かるスキャン時間、および感度マップ用スキャンBに掛かるスキャン時間を短くすることができる。
【0093】
また、本形態では、本スキャンMS1を実行する前に、コイルモードSet1〜Set3の中から、本スキャンMS1のFOV2内の感度スコアが最大となるコイルモードSet2を求めている。したがって、本スキャンMS1に適したコイルモードSet2を自動的に検出することができる。また、コイルモードSet2の感度マップは、表示部10に表示されるので、オペレータは、本スキャンMS1を実行する前に、コイルモードSet2が本スキャンMS1の撮影部位に対してどの程度の感度を有しているのかを視覚的に確認することができる。更に、オペレータは、コイルモードSet2とは別のコイルモードSet1およびSet3の感度マップも表示部10に表示することができるので、コイルモードSet1およびSet3の感度マップも視覚的に確認することができる。したがって、オペレータは、本スキャンを実行する前に、コイルモードSet1〜Set3の感度マップを比較することもできる。また、オペレータが、コイルモードSet2ではなく、別のコイルモード(例えば、Set1)を用いて本スキャンMS1を実行した方がよいと考えた場合は、オペレータの意思で、コイルモードを変更することができるので、オペレータが望むような本スキャンMS1を実行することができる。
【0094】
尚、本スキャンMS1を行った後に、別の本スキャンMS2を行う場合は、ステップST7を実行し、別の本スキャンMS2を実行するときに使用するコイルモードを選択する。そして、選択されたコイルモードを用いて、本スキャンMS2を実行すればよい。ただし、本スキャンMS2の撮影部位の位置が、本スキャンMS1の撮影部位の位置から大きく離れる場合は、ステップST2に戻ってランドマークの位置を設定し直し、ステップST3およびステップST4を実行した上で、ステップST7を実行し、本スキャンMS2を実行するときに使用するコイルモードを選択すればよい。
【0095】
本形態では、ローカライザスキャンLSを実行する前に、SI方向の感度が大きいコイルモードSet1、Set2、およびSet3を、ローカライザスキャンLSおよび本スキャンMS1で使用するコイルモードの候補として選択している(ステップST3)。したがって、SI方向の感度が小さいコイルモードSet4は、ローカライザスキャンLSおよび本スキャンMS1で使用するコイルモードの候補から外すことができるので、ステップST42において、コイルモードSet4を用いたスキャンをする必要がなく、スキャン時間の短縮化を図ることができる。
【0096】
また、本形態では、互いに交差する3つの面(サジタル面SG、アキシャル面AK、コロナル面CO)からプロジェクションデータを取得し、感度マップを作成している。しかし、3つ以上の面からプロジェクションデータを取得し、感度マップを作成してもよい。更に、互いに交差する複数の面からプロジェクションデータを取得する代わりに、平行に並ぶ複数の面からプロジェクションデータを取得し、感度マップを作成してもよい。
【0097】
尚、ステップST3では、カバレージデータC
1〜C
4により、SI方向の感度が高いコイルモードSet1〜Set3と、SI方向の感度が低いコイルモードSet4とを区別できることが説明されている。そこで、この区別ができることを検証するための簡単な実験を行った。以下に、実験結果を示す。
図31は、実験結果を示すグラフである。
実験では、クレードル3aの上にファントムを設置し、ファントムの上に前部アレイコイル40を設置した。そして、ステップST3の手順に従ってカバレージデータを作成した。
図31を参照すると、コイルモードSet1〜Set3のカバレージデータC
1〜C
3と、コイルモードSet4のカバレージデータC
4との間には、明らかな信号値の差異が見られる。したがって、SI方向の感度の高いコイルモードSet1〜Set3と、SI方向の感度の低いコイルモードSet4との区別が可能であることがわかる。
【0098】
また、ステップST4では、プロジェクションデータに基づいて感度マップを作成している。そこで、プロジェクションデータに基づいて作成された感度マップがどの程度の品質を有するかを検証するための簡単な実験を行った。以下に、実験結果を示す。
図32は、実験結果を示すグラフである。
実験では、クレードル3aの上にファントムを設置し、ファントムの上に前部アレイコイル40を設置した。そして、ステップST4の手順に従ってコイルモードSet1の感度マップと、コイルモードSet3の感度マップとを作成した。
図32(a)は、コイルモードSet1の感度マップのサジタル面、コロナル面、アキシャル面を示しており、
図32(b)は、コイルモードSet3の感度マップのサジタル面、コロナル面、アキシャル面を示している。また、各感度マップの右側には、対応する断面のローカライザ画像が示されている。感度マップとローカライザ画像とを比較すると、感度マップは、ローカライザ画像と同じような明暗の傾向を示しており、感度マップの信頼性が高いことがわかる。
【0099】
尚、本形態では、使用可能なコイルモードとして、以下のコイルモードが設定されている。
(1) コイルモードSet1:前部アレイコイル40+後部アレイ41a
(2) コイルモードSet2:前部アレイコイル40+後部アレイ41b
(3) コイルモードSet3:後部アレイ41a
(4) コイルモードSet4:後部アレイ41b
【0100】
しかし、使用可能なコイルモードは、Set1〜Set4に限定されることはない。以下に、使用可能なコイルモードの別の例を示す。
(1) コイルモードSet1:前部アレイコイル40+後部アレイ41a
(2) コイルモードSet2:前部アレイコイル40+後部アレイ41b
(3) コイルモードSet3:後部アレイ41a
(4) コイルモードSet4:後部アレイ41b
(5) コイルモードSet5:後部アレイ41a+後部アレイ41b
この例では、コイルモードSet1〜Set4の他に、コイルモードSet5が追加されている。したがって、ステップST3では、コイルモードSet1〜Set4を用いたスキャンA
1〜A
4の他に、コイルモードSet5を用いたスキャンA
5を実行すればよい。イルモードSet5を用いたスキャンA
5により、コイルモードSet5のプロジェクションデータを作成することができるので、RFコイルのプロジェクションデータで割ることにより、コイルモードSet5のカバレージデータを得ることができる。尚、コイルモードSet5は、コイルモードSet3とSet4から構成されているので、コイルモードSet5のプロジェクションデータを、コイルモードSetのプロジェクションデータと、コイルモードSet4のプロジェクションデータから予測してもよい。コイルモードSet5のプロジェクションデータを、コイルモードSetのプロジェクションデータと、コイルモードSet4のプロジェクションデータから予測する場合は、コイルモードSet5を用いたスキャンが不要となるので、ステップST3で掛かるスキャン時間が長くなることを防止できる。