【実施例】
【0016】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1または
図2に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤21を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤21の裏側に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置18が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤21を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13bで前後に開口する窓部13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。実施例では、前記図柄表示装置18としては、後述するように各種図柄を表示可能な液晶パネル37をパネルケース38に収容した液晶表示装置が採用される。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成してもよい。なお、球受け皿については、上下2枚の球受け皿14,15を備えるものに限らず、1枚の球受け皿のみを設ける構成であってもよい。
【0017】
前記前枠13の右下方位置には、前記中枠12に配設された打球発射装置16を作動する操作ハンドル17が設けられている。前記操作ハンドル17は、左回転方向に付勢された操作レバー17aを備えており、該操作レバー17aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置16が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤21に向けて発射されるようになっている。
【0018】
前記パチンコ機10の裏側には、図示しないが、パチンコ機10の電源制御を行なう電源装置、球払出し装置を駆動制御する払出し制御装置、打球発射装置16を駆動制御する発射制御装置、外部端子に接続されるインターフェース基板等が配設されている。そして、これら各装置や基板は、前記遊技盤21の裏側に配設される主制御装置31(
図4参照)に配線接続され、該主制御装置31からの制御信号に基づいて所定の制御を実行するように構成される。
【0019】
(外枠11について)
前記外枠11は、上下左右の4つの枠部材を相互に組み付けることで縦長の矩形枠体として構成されるものであって、4つの枠部材で画成される開口領域に対し、前記中枠12が開閉および着脱自在に支持されて、外枠11に対して中枠12を閉成することで、該外枠11の内側に中枠12が収容されるよう構成される。
【0020】
(中枠12について)
図2に示すように、前記中枠12は、上縁をなす上枠部材12aと、下縁をなし、打球発射装置16、各種制御装置(図示せず)を設置する設置部として機能する下枠部材12bと、左縁(一方の側縁)をなす左枠部材12cと、右縁(他方の側縁)をなす右枠部材12dとから構成されて、これら上下左右の枠部材12a,12b,12c,12dを組み付けた際に、全体が外枠11の開口領域に整合する大きさに形成される。そして、外枠11に対して中枠12の左枠部材12c側が、ヒンジ機構19を介して回動自在に支持されて、右枠部材12dが施錠装置(図示せず)により施錠されるようになっている。また、中枠12には、上下左右の枠部材12a,12b,12c,12dを組み付けることで前後に開口する遊技盤保持部20が画成され、該遊技盤保持部20に遊技盤21が着脱自在にセット保持される。
図1,
図2において、遊技盤21の前面に配設されている各種の遊技部品は、後述する案内レール26を除いて図示省略してある。また、
図2においては、前枠13に配設されている透視保護板13bも図示省略している。
【0021】
前記遊技盤保持部20を画成する各枠部材12a,12b,12c,12dの内面には、内側に突出する段部(図示せず)が夫々設けられている。また、上枠部材12aの下面および下枠部材12bにおける左端部の上面には、前記左枠部材12cにおける段部の前面から前側に遊技盤21の厚みと略同寸法だけ離間する位置に、内側(遊技盤保持部20側)に突出する固定突部22が夫々が突設されている。また、上枠部材12aおよび下枠部材12bの右端部には、段部との間で遊技盤21の右側上下端部を挟持する固定具23が夫々設けられている。すなわち、中枠12に対して遊技盤21は、遊技盤保持部20に対して前側から斜めに遊技盤21を臨ませて、該遊技盤21の左側端部を前記段部と固定突部22,22との間に差し込んだ状態で、遊技盤21の右側端部を押し込んで該遊技盤21の左側端部を中心に回動させて遊技盤21の全体を遊技盤保持部20に臨ませ、該遊技盤21の右端部の裏面を段部に当接させる。そして、前記固定具23,23を遊技盤21の右側上下端部の前面に当接して段部との間で挟持することで、遊技盤21は中枠12の遊技盤保持部20内に組み付けられる。
【0022】
(遊技盤21について)
前記遊技盤21は、
図2および
図3に示すように、前記中枠12の遊技盤保持部20に整合する略正方形に形成された所定板厚の木材板の表面に、各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート(図示せず)等を貼付けて装飾した板部材であって、該遊技盤21の表面(盤面)に配設された略円形状に湾曲形成する案内レール26により、パチンコ球が流下可能な遊技領域21aが画成されている。前記遊技盤21の裏面に、
図4,
図5に示す如く、前記図柄表示装置18が着脱自在に取り付けられる設置部材27が配設されており、該設置部材27に形成された前後に開口する開口部27aを介して図柄表示装置18の表示面(表示部)18aを前側から視認し得るよう構成される。遊技盤21には、前記案内レール26で囲まれた遊技領域21aの略中央の大部分が開口する装着口(図示せず)に、前後に開口する開口部28aが形成された枠状装飾部材28が取り付けられ、該枠状装飾部材28の開口部28aを介して図柄表示装置18の表示面18aが遊技盤21の前面側に臨むよう構成されている。
【0023】
前記遊技盤21の前面には、遊技領域21a内にパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置24、特別入賞装置25等の各種入賞装置および多数本の遊技釘29や風車30等の各種遊技部品が配設されている。前記始動入賞装置24には、遊技領域21aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口が設けられ、該始動入賞口へ入賞したパチンコ球が始動入賞センサ(図示せず)で検出されることで、図柄表示装置18の表示面18aで図柄変動が開始されると共に、所定数(例えば5個)のパチンコ球が賞球として前記上下の球受け皿14,15に払い出される。また、前記特別入賞装置25は、入賞口が開閉扉で常には閉鎖されており、前記図柄表示装置18での図柄変動の結果、図柄表示装置18に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより開閉扉が開放するよう作動制御されて、入賞口への入賞により多数の賞球を獲得し得る機会が遊技者に与えられるようになっている。実施例では、図柄表示装置18に大当りを発生させる図柄組み合わせが停止表示されることが特定条件の成立であり、特別入賞装置25の入賞口が開放して多数の賞球を獲得し得る機会が遊技者に与えられる大当りが特別遊技となる。
【0024】
(設置部材27について)
前記設置部材27は、前記遊技盤21の外郭形状より小さい形状に形成された略矩形状の背面板32と、該背面板32の外周縁部から前方に突出する画壁部33とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部33の開口前端部を遊技盤21の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤21と設置部材27とがネジ止め固定される(
図5参照)。そして、前記設置部材27において前記遊技盤21との間に画成される空間に、各種の演出装置等が設置されて、設置部材27を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。また、前記設置部材27の背面板32には、前記枠状装飾部材28の開口部28aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部27aが前後に開口するよう開設されると共に、該背面板32の裏側に前記図柄表示装置18が着脱自在に取り付けられて、該開口部27a,28aを介して図柄表示装置18の表示面18aが遊技盤21の前側に臨むようになっている。
【0025】
前記設置部材27の背面板32の裏側には、前記図柄表示装置18の設置領域Sが、規制壁34によって画成されている。この規制壁34は、
図4に示す如く、開口部27aの上側に設けられて左右方向に延在する上規制壁34aと、開口部27aの下側に設けられて左右方向に延在する下規制壁34bと、開口部27aの左側(
図4では右側)に設けられて上下の規制壁34a,34bに接続する左規制壁34c,34cとで構成される。前記左規制壁34c,34cには、前記図柄表示装置18に設けた後述する係止突部39,39を挿脱可能な差込み口34d,34daが設置領域S側に開口するよう開設されている。また背面板32には、開口部27aの右側において上下に離間する2箇所に支持台部35,35が設けられている。そして、前記係止突部39,39を差込み口34d,34dに挿入して左規制壁34c,34cに係合すると共に、図柄表示装置18に設けた後述する支持部40,40を支持台部35,35の後端に当接した状態で、支持部40,40を支持台部35,35にロック部材36で夫々固定することで、前記図柄表示装置18が設置領域Sに位置決め固定されるようになっている。設置領域Sに位置決め固定された図柄表示装置18は、その表示面18aが設置部材27の前記開口部27aに臨んで前側からの視認が可能な状態となる(
図5参照)。
【0026】
(図柄表示装置18について)
図6〜
図10に示す如く、前記設置部材27に配設される図柄表示装置18は、各種図柄を表示可能な液晶パネル(表示手段)37がパネルケース(
表示ケース)38に収容されたユニット部材であって、パネルケース38の左側面に係止突部39が上下に離間する2箇所に設けられている。この係止突部39は、前記設置部材27の裏側に設けられた対応する差込み口34dに挿入されて左規制壁34cと係脱可能に係止される。また、前記パネルケース38の右側部の上下端部に、右方へ突出する支持部40が夫々形成されており、設置部材27の裏側に設けた前記支持台部35に、ロック部材36を介して着脱自在に取り付けられるよう構成されている。
【0027】
前記パネルケース38の裏側に、前記液晶パネル37のバックライトを制御するインバータ基板41、液晶パネル37の表示を制御する表示制御装置42およびパチンコ機10に配設される各種の可動装置や発光装置を制御する統括制御装置43が配設されており、該統括制御装置43の制御信号に基づいて表示制御装置42が制御を実行して液晶パネル37の表示面18aでリーチ演出等の遊技演出が行なわれる。また、可動体を動作して演出を行なう可動装置およびLED等の発光体を点灯や点滅して発光演出を行なう発光装置は、統括制御装置43の制御信号に基づいて可動体を動作すると共に発光体を点灯や点滅するようになっている。なお、前記統括制御装置43は、前記主制御装置31に配線接続され、該主制御装置31からの制御信号に基づいて制御を実行するよう設定される。
【0028】
(パネルケース38の前ケース体44について)
前記パネルケース38は、
図8〜
図10に示す如く、前ケース体44と後ケース体45とから構成されて、液晶パネル37を挟んで両ケース体44,45を前後から組み付けることで、液晶パネル37がパネルケース38内に収容された状態で保持されるよう構成される。前ケース体44は、略矩形状の前開口部44aが前後方向に開口する枠状体であって、該前ケース体44は、液晶パネル37の外周を囲繞する枠状の前支持壁部44bと、該前支持壁部44bの前端部に形成されて内側に延出し、前記液晶パネル37における表示面18aの縁部に当接する前フレーム部44c(図柄表示装置18の前面)とから構成されており、前フレーム部44cによって前開口部44aが画成されている。なお、前記液晶パネル37の前面には、
図10に示す如く、前ケース体44の前開口部44aと対応する領域に薄板状のレンズ板46が貼着されている。前記前支持壁部44bにおける上下および左右の各内面には、複数の支持リブ47が離間して設けられ、これら複数の支持リブ47に液晶パネル37の外周が当接することで、該液晶パネル37が位置決めされるようになっている。なお、支持リブ47は、前ケース体44を補強する補強リブとしても機能している。
【0029】
図8に示す如く、前記前支持壁部44bにおける左辺部に、上下方向に離間して複数(実施例では2つ)の前係止半体39a,39aが外側方に延出するように設けられると共に、該前支持壁部44bにおける右辺部に、外側方に延出する前固定延出部48が設けられている。前固定延出部48には、上下方向に離間して2つの前記支持部40,40が形成されており、各支持部40に前記ロック部材36が夫々装着されている。なお、前係止半体39a,39aおよび前固定延出部48の前面は、前フレーム部44cの前面(前ケース体44の前面)と面一となっており、前記設置部材27の設置領域Sに図柄表示装置18を取り付けた際に、前フレーム部44c、前係止半体39aおよび前固定延出部48の前面が前記背面板32に面接触するよう構成される。
【0030】
前記前支持壁部44bの上辺部における左右両端部および下辺部における右端部に、前開口部44a側に所定厚みで凹む凹所49が夫々形成されると共に、該凹所49に係合突起49aが夫々突設され、各係合突起49aが後ケース体45の後述する係合孔部54aに係合することで、前後のケース体44,45が組み付けられるよう構成される。なお、係合突起49aは、前支持壁部44bの外周面から突出しない寸法に設定される。また、前ケース体44には、複数のネジ孔50が設けられ、係合突起49aと係合孔部54aとの係合下に組み付けられた前後のケース体44,45は、後ケース体45の後述する通孔52に後側から挿通されたネジを前ケース体44の対応するネジ孔50に螺挿することで固定されるようになっている。
【0031】
(パネルケース38の後ケース体45について)
前記後ケース体45は、
図8および
図9に示す如く、略矩形状の後開口部(開口部)45aが前後方向に開口する枠状体であって、該後ケース体45は、前記液晶パネル37の外周を囲繞する枠状の後支持壁部45bと、該後支持壁部45bの後端部に形成されて内側に延出し、前記液晶パネル37の裏面の縁部に対向する後フレーム部45cとから構成されており、後フレーム部45cによって後開口部45aが画成されている。すなわち、後フレーム部45cが、パネルケース38の後壁を構成している。なお、実施例では前記液晶パネル37の上辺および下辺に、上辺または下辺から裏面に亘って当接するL状の緩衝部材51が装着されており、液晶パネル37の裏面に対して後フレーム部45cは緩衝部材51を介して当接するようになっている(
図12参照)。
【0032】
前記後支持壁部45bの左辺部における前記前ケース体44の各前係止半体39aと対応する位置に、該前係止半体39aを収容可能な後係止半体39bが夫々設けられている。後係止半体39bは、
図8に示す如く、後支持壁部45bから外方に延出する部分を、前係止半体39aを収容可能な大きさで後側へ凹ませたものであって、前後のケース体44,45を組み付けた状態で、後係止半体39bに前係止半体39aが収容されて、前後の係止半体39a,39bによって前記係止突部39が構成されるようになっている。なお、後係止半体39bに前係止半体39aが収容された状態で、前係止半体39aの前端と後係止半体39bの前端とが面一となるよう設定してある。また、前後のケース体44,45を固定するための前記ネジ孔50が前係止半体39aに形成されると共に後係止半体39bに通孔52が形成されており、該通孔52に後側から挿通したネジをネジ孔50に螺挿することで、前後の係止半体39a,39bが位置決め固定される。
【0033】
前記後支持壁部45bの右縁には、前記前ケース体44における支持部40,40の間に臨む前固定延出部48の後側に重なる後固定延出部53が設けられている。前後のケース体44,45を固定するための前記ネジ孔50が前固定延出部48に形成されており(
図8参照)、後固定延出部53に設けた通孔52に後側から挿通したネジを前固定延出部48のネジ孔50に螺挿することで、前後の固定延出部48,53が位置決め固定されるよう構成される。なお、前ケース体44と後ケース体45とを固定するためのネジ孔50および通孔52は、前後の係止半体39a,39bや前後の固定延出部48,53以外の部位にも設けられて、枠状の前後のケース体44,45は上下および左右の枠部が強固に固定されるように構成してある。
【0034】
前記後支持壁部45bの上縁部および下縁部には、前支持壁部44bに設けられた各凹所49に対応する位置に前方に延出する係合延出部54が設けられると共に、該係合延出部54には上下方向に開口する係合孔部54aが形成されている(
図8参照)。そして、前記液晶パネル37を挟んで前側に位置する前ケース体44の各凹所49に、後側に位置する後ケース体45の対応する係合延出部54を収容した状態で、係合孔部54aに前記係合突起49aが挿通されて該係合突起49aが係合延出部54に係合することで前後のケース体44,45が組み付けられて、両ケース体44,45によって液晶パネル37は外周縁部が支持された状態でケース内に収容保持される。そして、前後のケース体44,45内に液晶パネル37を収容した図柄表示装置18の組み立て状態において、
図10に示す如く、液晶パネル37の表示面18aが前ケース体44の前開口部44aに臨んで前側から視認可能に構成されると共に、該液晶パネル37の裏面は後ケース体45の後開口部45aに臨んで後側に露出する。なお、係合延出部54の厚みは、凹所49の深さ寸法と略同じに設定されて、該凹所49に収容された係合延出部54が前ケース体44の外周面から突出しないよう構成される。また、係合延出部54の後支持壁部45bからの前方への延出寸法は、前後のケース体44,45を組み付けた状態で、該係合延出部54の前端が前ケース体44の前面から前方へ突出しないように設定してある。
【0035】
(後ケース体45における制御装置42,43の取付部構造について)
前記後ケース体45には、
図6に示す如く、前記表示制御装置42および統括制御装置43が左右に並んで取り付けられるように、後フレーム部45cの右側に偏った位置に表示制御装置用の第1取付部55が設けられると共に、左側に偏った位置に統括制御装置用の第2取付部56が設けられている。
【0036】
(第1取付部55について)
前記第1取付部55は、
図8,
図9に示す如く、後フレーム部45cにおける下辺部に設けられた第1被係合部57と、後フレーム部45cにおける上辺部に設けられた第1被連結部58とを備える。第1被係合部57は、前方および上方に開口する凹部であって、表示制御装置42の後述する第1係合部72が係脱自在に差込まれて係合するよう構成される。また第1被連結部58は、後フレーム部45cから後方に向けて突出する突部の突出端に係合孔を形成したものであって、表示制御装置42の後述する第1連結具74が第1被連結部58に係脱自在に係止されるよう構成してある。なお、第1被連結部58に表示制御装置42の後述する第1連結部73が第1連結具74を介して連結された状態で、表示制御装置42における後述する第1基板ケース64の前面と液晶パネル37の裏面との間に隙間を画成するよう構成されている。
【0037】
前記後フレーム部45cの下辺部には、第1被係合部57を挟む左右両側に、下側へ凹む規制凹部59が夫々設けられており、表示制御装置42に設けた規制突部69が対応する規制凹部59内に位置することで、図柄表示装置18(パネルケース38)に対する表示制御装置42(第1基板ケース64)の下方および左右方向の位置規制がなされるよう構成してある。また、後フレーム部45cにおける上辺部には、
図8に示す如く、第1被連結部58を挟む左右両側に、下方(後開口部側)および前後方向に開口する切欠部60,60が形成されており、該切欠部60,60によって表示制御装置42に設けた後述する第1締結部71,71が後フレーム部45cに干渉するのを防ぐよう構成されている。
【0038】
(第2取付部56について)
前記第2取付部56は、
図8,
図9に示す如く、後フレーム部45cにおける下辺部に設けられた第2被係合部61と、後フレーム部45cにおける上辺部に設けられた第2被連結部62とを備える。第2被係合部61は、実施例では左右方向に離間して2つ設けられ、各第2被係合部61は、前方および上方に開口する凹部であって、統括制御装置43の後述する第2係合部89が係脱自在に差込まれて係合するよう構成される。また第2被連結部62は、後フレーム部45cから後開口部45aの内側に向けて延出された延出部から後方に向けて突出する突部の突出端に係合孔を形成したものであって、統括制御装置43の後述する第2連結具93が第2被連結部62に係脱自在に係止されるよう構成してある。なお、第2被連結部62の後端は、後フレーム部45cの裏面より後方に位置しており、該第2被連結部62に統括制御装置43の後述する第2連結部92が第2連結具93を介して連結された状態で、統括制御装置43における後述する第2基板ケース84の前面と液晶パネル37の裏面との間に隙間を画成するよう構成されている。
【0039】
(表示制御装置42について)
前記表示制御装置42は、前記液晶パネル37での表示を制御する表示制御基板(制御基板)63を、
図15,
図16に示す第1基板ケース(基板ケース,部品)64に収容保護してケース単位で取り扱い得るようになっている。この第1基板ケース64は、前記図柄表示装置18における液晶パネル37の裏面に対向するようセットされる皿状の第1ベース部材65と、この第1ベース部材65の開口面側(後側)に対して着脱可能に組み付けられる第1カバー部材66とから構成され、両者共に透明な合成樹脂材により一体成形されて、前記表示制御基板63を第1カバー部材66内に敷設状態で収容すると共に、前記第1ベース部材65で覆蓋保護するよう構成される。
【0040】
(第1基板ケース64について)
図11,
図13に示す如く、前記第1ベース部材65は、前記図柄表示装置18における前記後ケース体45の後開口部45aに臨む液晶パネル37に対向する矩形の平板状に形成された前壁65aと、該前壁65aの上下および左右の端縁から後方に向けて立設された壁部65bとから、後方に開口する矩形皿状に形成されている。また、
図15,
図16に示す如く、第1ベース部材65の下側の壁部65bに、左右方向に離間して複数(実施例では2つ)の第1係合片67が下方(外方)に延出するよう形成されると共に、該第1ベース部材65の上側の壁部65bに第1係止爪68が上方(外方)に向けて突設されている。これに対し、前記第1カバー部材66は、第1ベース部材65の前壁65aと対向する後壁66aと、該後壁66aの上下および左右の端縁から前方に向けて立設された壁部66bとから、前方に開口する矩形皿状に形成されている。また、第1カバー部材66の下側の壁部66bにおける前記各第1係合片67と対応する位置に、該第1係合片67を挿脱可能な係合孔69aが形成されると共に、該第1カバー部材66の上側の壁部66bには、前記第1係止爪68と対応する位置に、該第1係止爪68が係脱自在に係止される係止孔70が形成されている。そして、各第1係合片67を対応する係合孔69aに挿通して第1カバー部材66に下端部が係合した第1ベース部材65の第1係止爪68を、第1カバー部材66の係止孔70に係止することで、第1ベース部材65および第1カバー部材66は、前壁65aと後壁66aとが前後に離間して対向する状態で着脱自在に組み付けられる。また、第1ベース部材65と第1カバー部材66とを組み付けた状態で、第1ベース部材65の壁部65bが、第1カバー部材66の壁部66b内に収容されて(
図13参照)、第1カバー部材66の壁部66bの前端が、第1ベース部材65の前壁65aの前面と略同一面に位置するよう構成される。なお、実施例では、前記係合孔69aは、第1カバー部材66の下側の壁部66bから下方(外方)に突出して、前記パネルケース38の規制凹部59内に位置して位置規制するための規制突部69に形成してある。
【0041】
前記第1基板ケース64には、第1ベース部材65と第1カバー部材66とを組み付けた状態で、該基板ケース64の上面における左右両端部に、上方(外方)に延出する第1締結部71,71が突出している(
図7参照)。各第1締結部71は、第1ベース部材65の締結片部71aと第1カバー部材66の締結片部71bとを、特殊な締結具によって締結して第1基板ケース64が不正が開封されるのを防止するための部分であって、各第1締結部71が前記パネルケース38の後ケース体45に設けた前記切欠部60に対応するようになっている。なお、第1基板ケース64における上下寸法(第1カバー部材66の上側の壁部66bの上面から下側の壁部66bの下面までの長さ)は、前記後ケース体45の後開口部45aの上下方向の開口寸法より小さく設定されている。すなわち、第1基板ケース64は、第1締結部71,71、後述する第1係合部72および規制突部69等の第1カバー部材66の壁部66bから外方に延出する部分を除く本体部分が、後ケース体45の後開口部45a内に収まる寸法に設定されている(
図11参照)。
【0042】
前記第1カバー部材66における下側の壁部66bの前端縁に、
図15に示す如く、両規制突部69,69の間において板状の第1係合部72が下方(外方)に延出するよう形成されている。また、前記第1カバー部材66における上側の壁部66bの左右方向中央に、該第1カバー部材66の前端縁から後方に退避した位置から上方(外方)に延出するように第1連結部73が形成される。そして、第1基板ケース64は、第1カバー部材66の第1係合部72を前記パネルケース38(図柄表示装置18)の第1被係合部57に差込んで係合すると共に、各第1連結部73を対応する第1被連結部58に整合したもとで、第1連結部73および第1被連結部58を第1連結具(所謂ナイラッチ)74で連結することで、図柄表示装置18(パネルケース38)に対して表示制御装置42(第1基板ケース64)が取り付けられる(
図6参照)。なお、第1被係合部57に差込まれた第1係合部72の前端(第1基板ケース64の前面)は、パネルケース38における後ケース体45の後フレーム部45cの外面(裏面)より前側に位置するよう設定される(
図13参照)。
【0043】
前記パネルケース38の第1被係合部57および第1被連結部58は、該第1被係合部57および第1被連結部58に対応する第1係合部72および第1連結部73を介して第1基板ケース64を取り付けた際に、該第1基板ケース64の右端部が、前記後ケース体45における右側の後フレーム部45cの左端縁(後開口部45aを画成する端縁)より左側に位置するよう設定される(
図13では右側参照)。また、第1基板ケース64における第1連結部73を前端から後方に退避した位置に設けると共に、パネルケース38に切欠部60を設けることで、第1連結部73を第1被連結部58に連結した状態で、第1基板ケース64は、
図11,
図13に示す如く、前端部が後フレーム部45cに干渉することなく後ケース体45の後開口部45aに入り込んだ状態でパネルケース38に取り付けられるようになっている。なお、第1連結具74による第1連結部73と第1被連結部58との連結を解除することで、表示制御装置42は図柄表示装置18から取り外すことができる(
図7参照)。
【0044】
(第1ケース突起75について)
前記第1ベース部材65における前壁65aには、
図15に示す如く、前面の下端部側に、前方に突出する第1ケース突起(突起)75が左右方向に離間して複数設けられ、表示制御装置42(第1基板ケース64)を図柄表示装置18(パネルケース38)に取り付けた際に、該第1ケース突起75が前記液晶パネル37の裏面に当接して該液晶パネル37と前壁65aの下端部との間に隙間を画成するよう構成される(
図11,
図13参照)。また、前記第1連結部73が第1被連結部58に連結された状態で、液晶パネル37と前壁65aの上端部との間に隙間が画成されるよう設定されている。すなわち、パネルケース38に第1基板ケース64を取り付けた状態では、
図11に示す如く、前記後開口部45aに臨む液晶パネル37の裏面と第1基板ケース64との間に、上下方向の全長に亘って隙間が画成されるようになっている。
【0045】
前記第1ベース部材65の前壁65aおよび第1カバー部材66の後壁66aには、
図15,
図16に示す如く、複数の空気孔(通孔)76が穿設されている。また、第1カバー部材66には、後壁66aと壁部66bとの連設部、実施例では上下および左側の連設部に、後壁66aから壁部66bに亘る空気孔(通孔)76が複数形成されており、これら複数の空気孔76を介して第1基板ケース64内への外部空気の取り込みおよび内部空気の排出が可能に構成してある。
【0046】
前記第1カバー部材66の後壁66aにおける内面(第1基板ケース64の一方の内面)には、複数箇所に後述する弾性体79を配設するための配設ボス(装着部)77が立設され(
図15参照)、該配設ボス77には、雌ネジ77bを内周に形成したネジ孔(通孔)77aが前方(突出端側)に開口するように形成されている。そして、複数の配設ボス77に配設した弾性体79を介して表示制御基板63が、第1カバー部材66に対して後壁66aから浮いた状態(直接接触しない離間状態)で配設されるよう構成される。
【0047】
(止着部78について)
前記表示制御基板63には、複数箇所に止着部78が形成され、該止着部78に着脱自在に取り付けられた弾性体79を介して、前記第1カバー部材66の後壁66aに対して表示制御基板63が直に接触しない状態で取り付けられる。各止着部78は、
図15,
図16に示す如く、前記弾性体79の後述する小径嵌合部79cの直径より小さい開口寸法で表示制御基板63の端縁側に開口する入口部78aと、該小径嵌合部79cの直径と略同一内径の収容部78bとを有する。表示制御基板63に形成される各止着部78は、前記第1カバー部材66の後壁66aに突設した配設ボス77と夫々対応している。
【0048】
(弾性体79について)
前記表示制御基板63の各止着部78に取り付けられる弾性体79は、
図14または
図19に示すように全体が円筒状に形成され、軸中心に形成される通孔79aに、前記第1カバー部材66に突設した配設ボス77が挿通されるようになっている。弾性体79は、軸方向の中間位置の外周に周溝79bが形成され、該周溝79bによって形成された小径嵌合部79cの軸方向の両側に、該小径嵌合部79cより大径円筒状の第1保持部79dおよび第2保持部79eが形成される。そして、小径嵌合部79cを前記止着部78の収容部78bに嵌合して表示制御基板63に取り付けた際に、該表示制御基板63における前記第1カバー部材66の後壁66aから離間する側の面(第1ベース部材65側の面)に第1保持部79dが当接すると共に、該表示制御基板63における第1カバー部材66の後壁66aと対向する側の面に第2保持部79eが当接するよう構成される。また弾性体79における通孔79aの長さは、前記配設ボス77の後壁66aからの突出寸法より長く設定されている。なお、弾性体79は、振動吸収性を有するウレタンゴム、その他高減衰特性を有する各種合成樹脂等を採用することができる。
【0049】
(固定手段80について)
前記弾性体79を介して表示制御基板63を第1カバー部材66に取り付ける固定手段80は、フランジ付きスリーブ81およびフランジ付きネジ82から構成される。フランジ付きスリーブ81は、
図14に示す如く、前記弾性体79の通孔79aに挿入可能な筒部81aと、該筒部81aの軸端に設けられて径方向外方に延出するフランジ部81bとから構成され、筒部81aには軸方向に貫通する通孔81cが形成されている。また、フランジ部81bの後面からの筒部81aの突出寸法は、前記弾性体79における通孔79aの長さより短かく、該筒部81aの突出寸法と前記配設ボス77の後壁66aからの突出寸法との合計が、弾性体79の軸方向長さ(通孔79aの長さ)と略同一に設定される。すなわち、表示制御基板63に取り付けた弾性体79の通孔79aに配設ボス77を挿通させると共に、第2保持部79eを第1カバー部材66の後壁66aに接触させた状態で、弾性体79の通孔79aにフランジ付きスリーブ81の筒部81aを挿入して該筒部81aの突出端を配設ボス77の突出端に当接することで、該フランジ付きスリーブ81のフランジ部81bが弾性体79の第1保持部79dに対して軽く接触または僅かに潰れた状態で接触するよう構成される。
【0050】
前記フランジ付きネジ82は、フランジ付きスリーブ81の通孔81cに挿通可能で、外周に雄ネジ82aが形成されたネジ部82bと、該ネジ部82bの軸端に設けられて径方向外方に延出するフランジ部82cとから構成され、ネジ部82bの長さは、通孔81cの長さより長く設定される。そして、前記弾性体79に筒部81aを挿入したフランジ付きスリーブ81の通孔81cにフランジ付きネジ82のネジ部82bを挿通し、該ネジ部82bを配設ボス77のネジ孔77aに螺挿することで、フランジ付きネジ82のフランジ部82cがフランジ付きスリーブ81のフランジ部81bに当接した状態で、該フランジ付きスリーブ81が位置決め固定される。この状態で、
図14に示す如く、フランジ部81bと表示制御基板63とで第1保持部79dを挟み、かつ後壁66aと表示制御基板63とで第2保持部79eを挟んだ状態で、第1カバー部材66に表示制御基板63が取り付けられる。実施例では、フランジ付きネジ82のネジ部82bが挿通部として機能し、配設ボス77のネジ孔77aに形成された雌ネジ77bが係合部として機能すると共に、フランジ付きネジ82のネジ部82bに形成された雄ネジ82aが被係合部として機能する。
【0051】
(統括制御装置43について)
前記統括制御装置43は、前記可動装置や発光装置等を制御する統括制御基板(制御基板)83を、
図17,
図18に示す第2基板ケース(基板ケース,部品)84に収容保護してケース単位で取り扱い得るようになっている。この第2基板ケース84は、前記図柄表示装置18における液晶パネル37の裏面に対向するようセットされる皿状の第2ベース部材85と、この第2ベース部材85の開口面側(後側)に対して着脱可能に組み付けられる第2ベース部材85とから構成され、両者共に透明な合成樹脂材により一体成形されて、前記統括制御基板83を第2カバー部材86内に敷設状態で収容すると共に、前記第2カバー部材86で覆蓋保護するよう構成される。
【0052】
(第2基板ケース84について)
図12,
図13に示す如く、前記第2ベース部材85は、前記図柄表示装置18における前記後ケース体45の後開口部45aに臨む液晶パネル37に対向する矩形の平板状に形成された前壁85aと、該前壁85aの上下および左右の端縁から後方に向けて立設された壁部85bとから、後方に開口する矩形皿状に形成されている。また、第2ベース部材85の下側の壁部85bに、左右方向に離間して複数(実施例では2つ)の第2係合片87が下方(外方)に延出するよう形成されると共に、該第2ベース部材85の上側の壁部85bに第2係止爪88が上方(外方)に向けて突設されている。これに対し、前記第2カバー部材86は、第2ベース部材85の前壁85aと対向する後壁86aと、該後壁86aの上下および左右の端縁から前方に向けて立設された壁部86bとから、前方に開口する矩形皿状に形成されている。また、第2カバー部材86の下側の壁部86bの前端縁に、前記各第2係合片87と対応する位置に下方(外方)に向けて突出する第2係合部89が夫々形成されると共に、各第2係合部89に第2係合片87を挿脱可能な係合孔89aが形成されている。更に、第2カバー部材86の上側の壁部86bには、前記第2係止爪88と対応する位置に、第2係止爪88が係脱自在に係止される第2係止孔90が形成されている。そして、各第2係合片87を対応する係合孔89aに挿通して第2カバー部材86に下端部が係合した第2ベース部材85の第2係止爪88を、第2カバー部材86の第2係止孔90に係止することで、第2ベース部材85および第2カバー部材86は、前壁85aと後壁86aとが前後に離間して対向する状態で着脱自在に組み付けられる(
図12参照)。また、第2ベース部材85と第2カバー部材86とを組み付けた状態で、
図13に示す如く、第2ベース部材85の壁部85bが、第2カバー部材86の壁部86b内に収容されて、第2カバー部材86の壁部86bの前端が、第2ベース部材85の前壁85aの前面と略同一面に位置するよう構成される。
【0053】
前記第2基板ケース84には、第2ベース部材85と第2カバー部材86とを組み付けた状態で、該基板ケース84の上部左右両端部に第2締結部91,91が位置している。各第2締結部91は、第2ベース部材85の締結片部91aと第2カバー部材86の締結片部91bとを、特殊な締結具によって締結して第2基板ケース84が不正が開封されるのを防止するための部分である。なお、第1基板ケース64では第1締結部71がケース上面から上方に突出しているが、第2基板ケース84では第2締結部91はケース上面から上方に突出していない。また、第2基板ケース84における上下寸法(第2カバー部材86の上側の壁部86bの上面から下側の壁部86bの下面までの長さ)は、前記後ケース体45の後開口部45aの上下方向の開口寸法より小さく設定されている。
【0054】
前記第2カバー部材86における後壁86aの上部位置に、
図17に示す如く、該後壁86aの前端縁から後方に退避して第2連結部92が形成される。そして、第2基板ケース84は、第2カバー部材86の第2係合部89,89を前記パネルケース38(図柄表示装置18)の第2被係合部61,61に差込んで係合すると共に、各第2連結部92を対応する第2被連結部62に整合したもとで、第2連結部92および第2被連結部62を第2連結具(所謂ナイラッチ)93で連結することで、図柄表示装置18(パネルケース38)に対して統括制御装置43(第2基板ケース84)が取り付けられる。なお、第2被係合部61に差込まれた第2係合部89の前端(第2基板ケース84の前面)は、パネルケース38における後ケース体45の後フレーム部45cの外面(裏面)より前側に位置するよう設定される(
図12参照)。
【0055】
前記パネルケース38の第2被係合部61および第2被連結部62は、該第2被係合部61および第2被連結部62に対応する第2係合部89および第2連結部92を介して第2基板ケース84を取り付けた際に、該第2基板ケース84の左端部(
図13では右端部)が、前記後ケース体45における左側の後フレーム部45cの後側に重なるよう設定される。ここで、後ケース体45における左側の後フレーム部45cは、
図9に示す如く、上側、下側および右側(
図9では左側)の後フレーム部45cに対して前側に凹んで設けられている。また、第2基板ケース84における第2連結部92は前端から後方に退避した位置に設けられており、第2連結部92を第2被連結部62に連結した状態で、第2基板ケース84は、左側の後フレーム部45cに重なる部分以外の前端部が、後フレーム部45cに干渉することなく後ケース体45の後開口部45aに入り込んだ状態でパネルケース38に取り付けられるようになっている(
図12参照)。なお、第2連結具93による第2連結部92と第2被連結部62との連結を解除することで、統括制御装置43は図柄表示装置18から取り外すことができる(
図7参照)。
【0056】
ここで、前記パネルケース38の裏側に表示制御装置42と統括制御装置43とを並んで取り付けた状態で、
図6に示す如く、第1基板ケース64と第2基板ケース84との対向する側面(壁部66b,86b)が略隙間なく近接するよう構成される。すなわち、前記パネルケース38の後開口部45aの略全体を両基板ケース64,84で塞いで、該後開口部45aからパネルケース38内に異物等が侵入するのを抑制し得るようになっている。
【0057】
(第2ケース突起94について)
前記第2ベース部材85における前壁85aには、
図17に示す如く、前面の下端部側に、前方に突出する第2ケース突起(突起)94が左右方向に離間して複数設けられ、統括制御装置43(第2基板ケース84)を図柄表示装置18(パネルケース38)に取り付けた際に、該第2ケース突起94が前記液晶パネル37の裏面に当接して該液晶パネル37と前壁85aの下端部との間に隙間を画成するよう構成される(
図12,
図13参照)。また、前記第2連結部92が第2被連結部62に連結された状態で、液晶パネル37と前壁85aの上端部との間に隙間が画成されるよう設定されている。すなわち、パネルケース38に第2基板ケース84を取り付けた状態では、
図12に示す如く、前記後開口部45aに臨む液晶パネル37の裏面と第2基板ケース84との間に、上下方向の全長に亘って隙間が画成されるようになっている。
【0058】
前記第2カバー部材86の後壁86aには、複数の空気孔(通孔)95が穿設されている。また、第2カバー部材86には、後壁86aと壁部86bとの連設部、実施例では上下の連設部に、後壁86aから壁部86bに亘る空気孔(通孔)95が複数形成されており、これら複数の空気孔95を介して第2基板ケース84内への外部空気の取り込みおよび内部空気の排出が可能に構成してある。
【0059】
(インバータ基板41の取付部96について)
前記パネルケース38における後ケース体45の上側の後フレーム部45cの後面に、
図12に示す如く、インバータ基板41が着脱自在に取り付けられる第3取付部96が設けられている。そして、該第3取付部96に取り付けられたインバータ基板41は、後フレーム部45cに対して着脱自在に取り付けられる保護カバー97で覆われるよう構成される。なお、後フレーム部45cに保護カバー97を取り付けた状態で、該保護カバー97は、前記統括制御装置43の後端より後方に突出しないようになっている。
【0060】
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0061】
(図柄表示装置18と各制御装置42,43との位置関係について)
前記図柄表示装置18に対して表示制御装置42を取り付ける場合は、前記第1基板ケース64の第1係合部72を、前記パネルケース38の前記第1被係合部57に差込んで係合すると共に第1連結部73を第1被連結部58に整合したもとで、第1連結部73および第1被連結部58を第1連結具74で連結することで、図柄表示装置18(パネルケース38)に対して表示制御装置42(第1基板ケース64)が取り付けられる。また、図柄表示装置18に対して統括制御装置43を取り付ける場合は、前記第2基板ケース84の第2係合部89,89を、パネルケース38の対応する前記第2被係合部61,61に差込んで係合すると共に第2連結部92を第2被連結部62に整合したもとで、第2連結部92および第2被連結部62を第2連結具93で連結することで、図柄表示装置18(パネルケース38)に対して統括制御装置43(第2基板ケース84)が取り付けられる(
図6参照)。
【0062】
なお、前記パネルケース38に取り付けられた第1基板ケース64の下部は、前記第1被係合部57の壁に第1係合部72が当接することによって後方への変位が規制されると共に、
図11,
図13に示す如く、前記前壁65aの前面に突設した第1ケース突起75が前記後開口部45aに露出する液晶パネル37の裏面に当接することで前方への変位が規制される。また、パネルケース38に取り付けられた第2基板ケース84の下部についても、前記第2被係合部61の壁に第2係合部89が当接することによって後方への変位が規制されると共に、
図12,
図13に示す如く、前記前壁85aの前面に突設した第2ケース突起94が前記後開口部45aに露出する液晶パネル37の裏面に当接することで前方への変位が規制される。
【0063】
前記パネルケース38に対して取り付けられた表示制御装置42は、第1基板ケース64の前端部が、
図11,
図13に示す如く、前記後ケース体45の後開口部45a内に位置する。また、パネルケース38に対して取り付けられた統括制御装置43は、第2基板ケース84の左端部が、パネルケース38を構成する後ケース体45における左側の後フレーム部45cに重なるものの、該左側の後フレーム部45cは、上側、下側および右側の後フレーム部45cに対して前側に凹んで設けられている。従って、第2基板ケース84についても、左側の後フレーム部45cに重なる部分以外の前端部が、
図12,
図13に示す如く、後ケース体45の後開口部45a内に位置している。これにより、表示制御装置42および統括制御装置43の図柄表示装置18の後方への突出寸法は、基板ケース64,84が後開口部45a内に臨む前後寸法だけ小さくなる。すなわち、パチンコ機10自体の前後寸法を変えることなく、表示制御装置42および統括制御装置43が取り付けられた図柄表示装置18を後側にずらして、該図柄表示装置18の前側のスペースを拡大することができる。このように図柄表示装置18の前側にスペース的な余裕が生ずることで、図柄表示装置18における表示面18aの前側に大型の可動体を配設することが可能となり、インパクトのある演出が可能となる。
【0064】
(設置部材27に対する図柄表示装置18の取り付けについて)
前記設置部材27に対して図柄表示装置18を取り付ける場合は、前記図柄表示装置18(パネルケース38)の左側面に形成した一対の係止突部39,39を、設置部材27に形成した対応の左規制壁34c,34cの差込み口34d,34dに挿入し、この状態で右側面が設置部材27に近接するよう図柄表示装置18を回転させる。そして、図柄表示装置18の前面(前ケース体44の前フレーム部44c)を設置部材27の裏面に当接させた状態で、該図柄表示装置18の支持部40をロック部材36で支持台部35に固定することで、当該図柄表示装置18が設置部材27の設置領域Sに取り付けられる。
【0065】
(図柄表示装置18の放熱について)
実施例のパチンコ機10では、前記図柄表示装置18における後ケース体45の後開口部45a内に、前記表示制御装置42および統括制御装置43の前端部を収容して、各制御装置42,43の前面を前記液晶パネル37の裏面に近接させている。ここで、前記第1基板ケース64は、液晶パネル37の裏面に当接する前記第1ケース突起75および後フレーム部45cから後方に突出する第1被連結部58に当接状態で連結される第1連結部73によって、
図11に示す如く、液晶パネル37の裏面との間に、上下方向の全長に亘って隙間を画成している。また、前記第2基板ケース84は、液晶パネル37の裏面に当接する前記第2ケース突起94および後フレーム部45cから後方に突出する第2被連結部62に当接状態で連結される第2連結部92によって、
図12に示す如く、液晶パネル37の裏面との間に、上下方向の全長に亘って隙間を画成している。すなわち、各制御装置42,43の前面は液晶パネル37の裏面に密着しないので、液晶パネル37の裏面からの放熱が制御装置42,43で阻害されるのを防止し得る。
【0066】
図11に示す如く、前記表示制御装置42の第1基板ケース64を構成する前壁65aおよび後壁66aには複数の空気孔76が形成されており、液晶パネル37の裏面から放出される熱を、前壁65aの空気孔76から第1基板ケース64の内部に取り入れ、後壁66aの空気孔76から放出することができる。また、第1基板ケース64には、上下の壁部65b,66bに複数の空気孔76,76が形成されており、下側の空気孔76から上側の空気孔76へ抜ける空気の流通をスムーズに行なうことができるので、液晶パネル37からの熱が第1基板ケース64の内部に取り入れられても、第1基板ケース64内に熱がこもるのを効果的に防止できる。
【0067】
ここで、前記統括制御装置43の第2基板ケース84における前壁85aに、空気孔を設けていないが、前記後開口部45aの略半分の領域を覆っている表示制御装置42の第1基板ケース64における前壁65aに設けた多数の空気孔76による放熱効果によって、液晶パネル37からの放熱を充分を図り得る。なお、統括制御装置43の第2基板ケース84の前壁85aに空気孔を設けるようにしてもよい。
【0068】
(表示制御基板63の取り付けについて)
次に、前記表示制御装置42における表示制御基板63の第1カバー部材66に対する取り付けについて説明する。表示制御基板63に形成された各止着部78の夫々に、前記弾性体79を取り付ける。すなわち、弾性体79の小径嵌合部79cを、各止着部78の入口部78aから収容部78bに押し込むことで、表示制御基板63を第1保持部79dと第2保持部79eとで挟んだ状態で、該弾性体79は表示制御基板63に取り付けられる(
図14参照)。そして、弾性体79を取り付けた表示制御基板63を、各種電子部品の実装面と反対側の面が前記第1カバー部材66の後壁66aに対向する姿勢で、各弾性体79の通孔79aに該後壁66aに突設した対応する配設ボス77が挿通するようにして仮に取り付ける。
【0069】
前記第1カバー部材66に仮に取り付けられた表示制御基板63の各弾性体79の通孔79aに、第1保持部79d側から前記フランジ付きスリーブ81の筒部81aを挿通し、該筒部81aの突出端を配設ボス77の突出端に当接する。この状態で、
図14に示すす如く、フランジ付きスリーブ81のフランジ部81bが弾性体79の第1保持部79dに対して軽く接触または僅かに潰れた状態で接触する。そして、このフランジ付きスリーブ81の通孔81cにフランジ部81b側からフランジ付きネジ82のネジ部82bを挿通し、該ネジ部82bを配設ボス77のネジ孔77aに螺挿する。これにより、表示制御基板63は、第1カバー部材66の後壁66aに接触しない浮いた状態で取り付けられる。すなわち、第1基板ケース64から伝わる振動を弾性体79で吸収することができ、表示制御基板63に伝わる振動を軽減して、電子部品の接触不良に起因する不具合等の発生を抑制し得る。
【0070】
また、実施例の第1基板ケース64では、表示制御基板63を第1基板ケース64に対して非接触状態で支持する弾性体79が嵌挿される配設ボス77を後壁66aからケース内方に向けて突設したので、該配設ボス77がケース外に突出することで第1基板ケース64の前後方向の幅寸法が大きくなるのを抑制することができる。すなわち、前記図柄表示装置18に取り付けられる表示制御装置42(第1基板ケース64)自体の前後寸法を小さくできるので、図柄表示装置18の裏側に必要となる前後方向の寸法を小さく抑えることができる。従って、図柄表示装置18の裏側に必要となる前後方向の寸法を小さく抑えることができる分だけ、パチンコ機10全体の前後寸法を変えることなく、図柄表示装置18における表示面18aの前側に寸法的な余裕ができ、該表示面18aの前側により大型の可動体を配設してインパクトのある演出を可能とし得る。
【0071】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、図柄表示装置に対して前後に重なるように取り付けられる部品として、制御基板を収容した基板ケースを挙げたが、該部品はこれに限られるものでなく、パチンコ機(遊技機)を構成するその他各種の遊技部品であってもよい。また図柄表示装置に対して前後に重なる部品は、1つでも3つ以上であってもよい。
(2) 実施例では、統括制御装置における第2基板ケースの一部(左端部)が後ケース体の後フレーム部に重なるように構成したが、表示制御装置の第1基板ケースと同様に、第2カバー部材の壁部から外方に延出する部分(第2係合部)を除く本体部分を、後ケース体の後開口部内に収まる寸法に設定して、パネルケースに第2基板ケースを取り付けた状態で、該第2基板ケースの本体部分の前端部が全て後開口部内に位置する構成を採用し得る。
(3) 実施例では、第1基板ケースおよび第2基板ケースについて、前壁に設けた突起および連結部によって液晶パネルとの間に隙間を設けるようにしたが、前壁の上下位置に突起を夫々設けることで、液晶パネルとの間に隙間を設ける構成を採用することができる。
(4) 実施例では、第1基板ケースや第2基板ケースに、液晶パネルとの間に隙間を画成するための突起を設けたが、液晶パネルの裏面に突起を設けるようにしてもよい。また、基板ケースおよび液晶パネルの両方に突起を設ける構成であってもよい。
(5) 実施例では、基板ケースに設けた突起を液晶パネルの裏面に直接当接するよう構成したが、液晶パネルの裏面にフィルム等の傷防止材を貼着して突起の当接による傷付きを防止するようにしてもよい。
(6) 実施例では、パネルケースを、枠状に形成した前ケース体および後ケース体で構成したが、前ケース体については、前開口部が設けられていない皿状であってもよく、液晶パネルの表示面を覆う部分が該表示面を前側から視認可能な透明になっていればよい。
(7) 実施例では、表示制御基板を第1カバー部材に対して弾性体を介して取り付けるよう構成したが、第1ベース部材の前壁に配設ボスを内方に向けて突設し、該配設ボスに弾性体を嵌挿して表示制御基板を第1ベース部材に取り付けるよう構成してもよい。
(8) 実施例では、第1基板ケースにおけるフラットな内面に配設ボスを立設したが、内面を所要深さ窪ませ、該窪みに弾性体の一部が収容された状態で配設ボスに嵌挿される構成を採用し得る。例えば、
図20に示す如く、第1基板ケース64を構成する第1ベース部材65の前壁65aの内面に、後方(第1カバー部材66側に開口する)する窪み98を設け、該窪み98に配設ボス77をケース内方に向けて突設する。この構成では、配設ボス77に嵌挿した弾性体79における第2保持部79eの一部を窪み98内に収容することができ、前壁65aの内面からの弾性体79の突出寸法を小さくすることができる。すなわち、表示制御基板63や該表示制御基板63に実装される各種電子部品をケースに接触させることなく収容するために必要となるケース内の前後寸法を小さくすることができるので、第1基板ケース64自体の前後寸法も小さく抑えることが可能となる。なお、実施例のように第1カバー部材の後壁に配設ボスを立設する場合は、該後壁に窪みを設ければよい。
図20において実施例と同じ部材には同じ符号を付してある。
(9) 実施例では、制御基板を基板ケースに対して弾性体を介して固定する固定手段を、別体のフランジ付きスリーブおよびフランジ付きネジから構成したが、フランジ付きスリーブとフランジ付きネジとを一体化した構成の固定手段であってもよい。また、配設ボスの突出寸法を、弾性体の軸方向長さと略同一に設定することで、フランジ付きスリーブを省略することができる。すなわち、フランジ付きネジのフランジ部を直に弾性体の端面に接触させて位置決め固定する構成を採用し得る。
(10) 実施例では、配設ボスに対して弾性体をネジを介して固定するよう構成したが、該弾性体を固定する手段はネジに限らず、弾性変形可能な爪等を備えた係合具等であってもよい。すなわち、例えば、配設ボスに形成した通孔の内部に爪(被係合部)が係合可能な段部(係合部)を形成し、通孔に挿通した爪を段部に係止することで、配設ボスに対して弾性体を位置決め固定する構成を採用し得るものであって、係合部および被係合部はその他公知の手段を採用し得るものである。
(11) 実施例では、基板ケースにおける前面(液晶パネルの裏面と対向する面)を略フラットな形状としたが、前端面から後側に凹んで前側および上側に開放する凹部を形成してもよい。
図21は、第1基板ケース64の前壁65aに、前端面から後側に凹んで前側および上下に開放する凹部99を形成した例を示すものであって、この構成によれば、第1基板ケース64をパネルケース38に取り付けた状態で、液晶パネル37の裏面と第1基板ケース64の前面との間には凹部99によって放熱用の空間が画成される。従って、液晶パネル37の裏面から放出される熱を、該凹部99を介して上方に効率的に逃すことができ、液晶パネル37の第1基板ケース64(表示制御装置42)との間に熱がこもるのを効果的に防止することができる。なお、第2基板ケースの前壁に凹部を設けるようにしてもよいことは勿論である。
図21において実施例と同じ部材には同じ符号を付してある。
(12) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。