(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エンドピースの端部が、液体を一滴ずつ滴下するための、膨らみ(29)によって周囲が囲まれた穴(24)を備えることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の放出ヘッド。
弁栓(34,40)は、前記空洞(33)内において、軸方向に移動するために適合させられていることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の放出ヘッド。
弁栓は、球(34)の形状を有し、全体的に前記空洞(33)内に格納されて、全方向に自由に移動可能であることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の放出ヘッド。
弁栓は、空洞(33)内に格納されるために適した頭部(42)と空洞の外部に延びてエンドピースの端部と相互作用する截頭円錐部(44)とを有するピン(40)形状を示すことを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の放出ヘッド。
求心的に延びる溝(38)が空洞(33)の壁内に形成され、栓が弁の開放位置において空洞の壁に接しているときに液体を流す流路を形成していることを特徴とする、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の放出ヘッド。
放出ヘッドは、液体の放出の経路においてエンドピース(14)に先行するインサート(12)の本体内に格納された流れ調整パッド(16)を備え、前記パッドは疎水性の材料によって形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の放出ヘッド。
弁栓の格納のための空洞は、液滴の放出穴を開けられたエンドピースの自由端と、液体放出液路を軸方向に管理するエンドピースの内側を占める中央芯材との間に提供されることを特徴とする、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の放出ヘッド。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この背景において、本発明は、液体の無菌性をより効率的に維持する液滴の放出用ヘッドであって、特定的には製造が簡単で安価なものを提案することを狙いとする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的のため、本発明は、液体を放出するための液路によって穴を開けられたエンドピースを有する放出ヘッド提供することを提案する。外部の空気もまた、この穴を通って逆方向に戻ることができる。放出ヘッドには、栓を有する弁が配置されており、栓は、前記流路内部で栓に働く流体圧力の作用下で自由に移動可能である。弁は、流路において液体の流通を閉鎖する位置で弁座に取り付けられる場合、外部から流入する空気が通過することを許容する液体の流れに関して逆止弁として動作するように装着されている。
【0005】
弁栓を、疎水性の材料で製作し、多孔性の素材の塊にすることによって、水性の液体の存在下を気体の流れに有利に通過させることができる。弁を作る材料の疎水性の特性によって、弁栓が液路を閉鎖する位置にある場合、空気の流れを妨げることになる、弁栓への液体の含浸を防ぎ、液体を放出する段階で通過する液体が含浸し続けることを防ぐ。
【0006】
本発明の好ましい特徴に従えば、弁栓は、微細多孔質の素材であり、弁栓を通過する空気の流れの抗菌性のろ過を確実にするような微細な多孔度を示す疎水性の材料によって製作される。例えば点眼薬フラスコの通常の動作状況では、本発明で提案されるような弁の存在は、液体の一回量の放出の後に先端液路を通しての空気の引き込みを制御することと、その結果外部の空気が流入することによって生じる細菌の汚染を避けることとのいずれをも可能にすることが注目に値する。
【0007】
本発明の特定の特徴に従えば、エンドピースの端部は、液体を一滴ずつ放出するための、周囲のふくらみによって囲まれた穴を有する。これは、エンドピースを出ていく液体の液滴を有利に分離し滴下することを確実にし、液滴を繰り返し較正することを許容する。
【0008】
本発明の二次的特徴に従えば、エンドピースは、放出液路の経路に形成された空洞を備え、空洞の内部には弁栓の少なくとも一部が配置されている。弁栓は従って、放出される液体の通路の開放位置と、逆方向に空気のみを引き込む閉鎖位置との間で変位する間、液滴放出ヘッドの内部に維持される。
【0009】
本発明の液滴放出ヘッドの好ましい実施形態に従えば、弁はボール弁型の弁であり、弁栓は球形状であり、この球は弁の空洞に完全に格納されている。ここで、球形状とは、好ましくは、球形の形状であり、空洞内の全方向を自由にとることが可能であり、空洞の内部において全方向に等方的に移動することが可能であるとの意味として理解されるべきであるが、球形状とは、本発明の実施を厳密に限定するものではなく、特に楕円形や長楕円形の形状もまた便利であり得る。他の実施形態では、弁栓は、2つの膨張部をネックのいずれの側にも有するピンの形をとることができ、そのため一部は空洞の内部に受容され、そして一部は放出通路オリフィスを超えて空洞の外に受容され、そのすべての移動においてオリフィスのレベルで軸方向に案内される。
【0010】
本発明の別の特徴に従えば、求心的に延びる液路が弁栓を収容する空洞の壁の放出オリフィスの全周に形成される。これらの流路は開放位置にある時弁栓のまわりの液体の流れに対して開かれ、そして放出のための液滴の形成に役立つ液体の流れを拡散するように作用する。それらは弁栓が閉鎖位置にある時着座する弁座を形成する表面から離れて配置され、そのため弁体を通過しない外部空気の復帰通過を阻止することよりなる、空気流に対する弁の役目を妨害しないようになっている。
【0011】
本発明によって提案される解決策は、エンドピースのベースに、放出ヘッドを横断して間挿された抗菌性のろ過膜の存在と有利に結合されている。このような膜は、出願人の点眼薬のための器具において、外部由来の細菌による、容器の貯留部内に収容された液体の汚染を防ぐために有利に使用されている。提案された弁は、細菌のろ過のために働く栓とともに、滴下エンドピース内のろ過膜の下流(下流であることは、放出された液体の流れ方向に関して決定される)に位置する、放出ヘッドの部分に流入する空気の付加的なろ過を実現する。弁はまた、それ自体この目的に対して慣用であるように、一部親水性にそして一部疎水性に作られた時、エンドピースのベースにおいて上流に装着された膜により、流入する空気を放出される液のための通路を通る液体の流れと空気の流れの交替を可能にすることに役立つ。従って、本発明に従った放出ヘッドは、液体が放出された後に空気が戻る経路に弁を有することを可能にし、その膜をもって、部分的に親水性に、部分的に疎水性に作製された抗菌性の膜によって発揮される同一の機能の相補的な方法において、空気の抗菌性のろ過と、流れの交替とを実現する。
【0012】
ここで述べた特徴の適用の文脈において、本発明のさらなる主題は、ボトルのネックに放出ヘッドを取り付けるためのインサート本体内に収納され、そして液体の放出通路上の滴下エンドピースより先にある流れ調整パッドを含む液体を一滴ずつ放出するための放出ヘッドと、そして放出される液体を一滴ずつに調節するための容器である。この容器は前記ヘッドと、そして液体を貯めるための貯液器を含み、貯液器の周壁は貯液器から液体を放出させ、そして放出された液体に変わって貯液器中に空気が戻ることを許容するために可逆的に変形可能である。本願の出願人による先の特許文献で説明してきたように、流れ調整パッドは、変形可能な壁が圧縮される時に貯液器から押し出される液体の流れを調整するために働くだけでなく、壁が元の状態に戻る時に、上流側と下流側の圧力平衡によって空気を流入する作用がある。
【0013】
このような容器では、液体の放出と空気の戻りの交替が観察され、放出ヘッドを通って容器に向かって戻る空気の浄化は、いくつかのレベルにおいて、すなわち、微細多孔質のパッドを通して、エンドピース内で加えられた単独の圧力によって移動された移動可能な栓を有する弁を通して、そして、これら2つの間の二機能性の膜を通して、実現される。
【0014】
本発明の他の特徴と利点は、以下の図によって図示されるように、以下の説明によって、より明らかにされる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
一滴ずつ放出される液体を包装する容器は、より特定的には点眼剤(点眼用水性組成物)を調節するために設計された容器の形状において、
図1と
図1Aに図示される。後者の組成物は、本発明に従った抗菌性の貯蔵の質が高いために、防腐剤を含まない構造を有利に満足し得る。
【0017】
本発明に従った容器は、内部に液体保管貯液器8を有する受け容器2と、貯液器の端部において貯液器を閉鎖する、受け容器のネック10内に装着される液体放出ヘッド4とを備える。取り外し可能なキャップ6は、容器が使用者によって使用されていないときに放出ヘッドを覆うために提供される。ネック10の外部表面にはねじが形成されており、これは、容器を閉めるために、取り外し可能なキャップのねじと協力するために提供される。
【0018】
貯液器8は、可逆的に弾性変形可能な円筒の周側壁を備える。これによって、使用者によって貯液器の壁が手動で圧縮されると液体が放出され、この圧縮の後、壁は自発的に初期の形状に戻り、外部の空気を吸気することになる。吸気は、放出された液体のそれぞれの液滴の補償として、容器のネックに装着された放出ヘッドを通って同一経路を逆方向に戻り、特に、同一の中央液路が空気の流れと液体の流れとに使用される。空気の流入口は他には許されず、特に、圧力を平衡させるために容器の外壁から貯液器の内部に開く穴は開けられていない。
【0019】
液滴放出ヘッドは、ネック10の内部に配置されるインサート12によって形成される、容器の内部の部分と、液滴を放出するためのエンドピース14を形成する、容器の外部の部分(滴下端部)とを備える。流れ調整パッド16は、インサート12の中空本体内で放出ヘッドを通過する中央ダクトを横断して挿入され、やはり中央ダクトを横断して挿入される抗菌性のろ過パッド18はエンドピースのベースに配置され、インサートとエンドピースの間でその周縁が締着される。インサート12はパッド16と膜18のための取り付け支持体であり、それ自体は容器に固定され、封止されることが理解される。
【0020】
インサートの頂端縁には、容器のネック内側に力嵌めでインサートを組み立てる時に、横滑りを停止するための当接部材の役目を果たす周縁リング17が形成されている。これは、インサートを形成している材料によって示されるわずかな弾性変形能によって可能になる。嵌め接合部のシールは、環状のO−リング、すなわちいわゆるフルートの存在によって行われ、これらはインサートの周面上に配置される。これらのO−リングは、好ましくは、インサートと同一の材料によって形成され、同一の製造工程において一体に成形される。それらは、ネックの内壁との接触とそして上述のインサートのシール取り付けにより密閉を確実にする。
【0021】
インサートは一般的に円筒形状を有し、内側のくぼみに流れ調整パッド16を格納する。流れ調整パッド16は、くぼみの円筒形状と密接に合致する円筒形状のものである。2つの部材の間の接合は、上述のように、液体に対しても空気に対しても密閉される。
【0022】
パッド16は疎水性物質からなる微細多孔質の材料によって形成され、特に、ポリエチレンウェフトのフェルトの形状をとり得る。そのため、それを通過する液体はしみ込まず、孔を塞ぎ、その後の空気の流れから孔を閉じるであろう液体の跡を残さない。
【0023】
その流れ調整の役割は、その微細多孔質の構造に起因する。液体が流れる方向においては、それは、パッドを通して液体を押し出すために、貯液器の可撓性の壁が手動で押されたときに加えられる受け容器の壁の十分な圧縮なしでは、液体が貯液器からエンドピースに通過するのを防ぐ作用を有する。気体の流れる方向においては、同一の経路を通って戻る流入空気の通路で圧力降下を引き起こし、容器の内部と外部の圧力が平衡することを妨げ、貯液器の圧縮が停止されると、取り外し可能なキャップが滴下エンドピースを閉塞するために取り付けられていない間、貯液器は自発的に壁が元の形状に戻ることによって膨らまされる。このような流れ調整パッドの一つの例としては、それ自体で有利な、孔径が50μmのオーダーに対応する密度の絡み合う糸のフェルト製のパッド構造がある。
【0024】
抗菌性のろ過膜18は、部分的に親水性であり部分的に疎水性である二機能を有するが、パッドの下流であってエンドピースの上流に、エンドピースの外部から流入する空気の経路を横断し、貯液器からエンドピースに向かって下る液体の経路を横断して、配置されている。膜の二機能の性格は、一方向の液体の流れと他の方向の空気の流れとの交替を確実にする。同一の膜は、空気が容器に戻るときに通路を不純物から防ぐための抗菌性の膜としても使用される。この膜はその周縁において、エンドピースのベースにある周縁リングと、協働するインサートの支承表面との間で、耳が熱融着で固定されている。膜は、例えばポリエーテルスルホンを基本とした高分子材料によって構成され得、通常は親水性であるが膜の表面の部分は疎水性にされる。0.1〜0.2μmのオーダーのポア直径多孔度を有する。
【0025】
キャップ6は、公知の方法で容器のネックにねじ込まれるために適しており、ねじ締めされた位置において、放出液路の端部を閉鎖する。放出ヘッドの内部を容器外部の空気からこのように閉鎖分離することにより、キャップの配置はまた、放出ヘッドが完全に乾燥することを防ぐことを可能にし、弁のこう着現象がこうして防がれる。
【0026】
キャップ6は、一端が閉じられた中空の円筒によって形成されており、円筒の内部には、半径方向の端壁62から突出する中央ピン61を備える。キャップはまた、2つの同心状のシャフト63,64を、中央ピンと周囲の側壁65との間に備える。ピンは、エンドピースの放出穴を閉鎖するように、エンドピースの放出穴と相互作用するように設計されており、シャフト63,64は、エンドピースの外側表面に留まるように設計されており、ひとつは細軸部分の周側面上の半径方向に留まり、他方は横断方向のベース部分上の軸方向に留まる。
【0027】
次に、
図2と
図3とに基づいて、放出ヘッドの滴下エンドピースを詳細に説明する。
【0028】
エンドピース14は、その中心に、液体を放出するための、ベース23から放出穴24へ延びる中央液路22の穴をあけられている。放出穴24は、容器が直立していることを考えて、上端壁25中のエンドピース14の細軸部の端部に配置されている。エンドピースのベースは、その内面上に、膜18の全表面から放出穴への排液を容易にする微小液路3を備える。
【0029】
周囲の膨らみ29は、エンドピースの端部に形成される。膨らみは、放出穴の周囲で、頂端壁からエンドピースの外部に向かって突出している。この穴を通って液体が放出されると、周囲の膨らみが、液滴を分離し、滴下させるために、より詳しくは、それぞれの放出において計量された液滴を繰り返し得るために有効である。
【0030】
中央芯材30は、中央液路の内部をベースから頂端壁の方向に延びる。この芯材は、格納された中央液路の形状に合致する形状を有し、すなわち一般的な円筒形状である。その外径は、液路の内径に対して一致されているので、空気も液体も中央液路と芯材との間を流れることはできない。しかしながら、芯材は、液体を一滴ずつ放出するための放出液路32を形成するために、中心に穴を開けられている。芯材の軸方向寸法は、中央液路の軸方向寸法よりも小さく、そのため、芯材がエンドピース内に配置されると、芯材の上端表面は、エンドピースの頂端部壁から離れている。
【0031】
次に、球形の空洞33は、エンドピース本体の壁の内側表面と、芯材の頂端の内側表面で仕切られることによって形成されている。この空洞は、放出液路32の経路上に、放出穴24の近傍に配置されている。この空洞は、中央液路の上流および、放出穴の下流に出現するので、容器から放出液路を通って放出された液体は空洞を通らされ、空気もまたその代わりに容器に流入させられる。
【0032】
エンドピースは、空洞33のレベルで放出液路の端部に形成され、そして空洞33内を自由に移動する球栓を備えるボール弁28を備える。芯材30の頂端部表面は、液路の口の回りの、環状地帯とのシールされた接触のために弁の可動栓を構成する球と相互作用するのに適した弁座36を形成する球形の表面を有することが観察される。
【0033】
図1および
図2に図示した本発明のの実施形態においては、本発明は、ボール弁の栓は球形の実際のボールの形状を取り、全体的に空洞の内部に収められる。この球は、軸方向において互いに反対側の2つの極端位置、すなわち、芯材の端部表面に形成された弁座上に球が留まる第一の閉鎖位置と、エンドピースの頂端壁に向かって球が押される第2の放出位置との間で空洞内を移動することができる。
【0034】
弁栓は、疎水性の特性を有する多孔性の材料によって形成されている。孔の径は、この例においては、0.2μmより小さく、これは弁を通過する空気の流れの抗菌性のろ過を可能にする。従って、変形として、銀イオンを含む高分子材料のような、本来的に殺菌作用のある高分子材料を使用することによって、弁栓に抗菌性処理を付与することもできる。
【0035】
球は、受け容器の弾性的に可逆的に変形可能な壁に圧力が加わらない場合、空洞の底(容器を鉛直に置いたとする)に形成された弁座36上に静座するように適合させられている。弁座は、球の径に適合された径の曲面の断面を示すので、球が弁座上に載せられている時には、空気が球と頂端表面との間を流れることはない。このような相補的な球の形状は、特に、流体圧力作用とは別の誘導が働かない空洞内で全方向に自由に移動可能な弁栓の場合では興味深い。
【0036】
弁がこの閉鎖位置にあるとき、球は弁座上に載っており、液体放出回路は閉塞されている。受け容器の変形可能な壁上に加えられる手動の圧力は、貯液器から押し出される液体の圧力下で球を弁座から離れさせ、押し出された液体は、栓の傍を通って放出穴から流れ出ることを許容される。流れ調整パッドがあるため、単純に容器の上下を逆にしただけでは、球のこの動きは引き起こされないことに留意されるべきである。
【0037】
液体の放出後、受け容器の変形可能な壁の圧力は解放されて、より低い圧力を受け容器内に生成し、それゆえ、弁を、外気を吸引する間、閉じようとし、そして、球がその弁座に戻る間、放出されなかった液体の痕跡は容器内に引き戻され、外気は閉じた弁の栓を通して引き込まれる。容器内に戻されるべき余分の液体の体積は無限小であることが明らかに観察される。全液体が球の下を通過した時、球は完全に弁座に置かれるので、密封はその時に完全に確実になる。多孔性であるという弁の特性は、いかなる状況でも、特に弁が閉鎖位置にある場合には、すなわち、弁座と球との間に、もはや残留液体が無い場合に、空気に弁を通過させる。
【0038】
従って、このことは、閉鎖位置では、液体の放出が終了すると、余分の液体が貯液器に向かって通過した後、放出された液体を補償するために貯液器を空気で満たすために球を通ってろ過された空気を通過させる。一方では放出の後に内部を空気に通過させ、容器はその元の形状の戻り、その後の液体の正確な放出を許容し、そして他方では、まだ容器内に残っている製品の無菌性を保つことが重要である。
【0039】
開放位置から閉鎖位置へ、および、その逆への移動のために、弁栓は、既にそれ自体で、滴下エンドピースにおいて液体の流れと空気の流れの交替を確実にする。同様の交替は、二機能の膜によってさらに確実にされる。弁はまた、まさに二機能の膜がさらに為す通り、選択された多孔性の細かさを介して外部の空気中に存在する細菌に対してバリアを形成し、一方、ろ過された空気は通過させる作用を有する。
【0040】
直前に述べられてきたように、球は弁座に対する閉鎖位置から、球がエンドピースの放出穴周囲の頂端壁に衝突する、液体を放出するためのダクトの開放位置へ通過させるのに適合されている。空洞33の寸法と球の寸法は、弁の機能を実現するために十分であり、外部の空気に対して経路を閉鎖するために球が弁座に素早く戻る必要性との有利な妥協において、一つの位置から他への球の移動がわずかであるように決定される。
【0041】
求心液路38は、エンドピース内の空洞を区切る壁内に切り込まれた溝として形成されている。これらはこの空洞の上半分、つまり、放出穴に近い半分に存在し、それらは放出穴に導かれている。それらの小さい断面と毛細管作用のおかげで、これらの液路は、液路が液体で満ちている時には、実質的に、空気を早まって送り込むことがない。
図3に示すように、これらの液路は空洞全周囲において、角度的に分散されている。
【0042】
放出ヘッドを構成する要素は、一般的には、点眼液と接触するための適用と両立する高分子材料によって形成されている。それらは、特に、それぞれポリエチレン族の高分子で作られる。
【0043】
有利には、エンドピースは、殺菌効果を有するイオンを担持しているポリマーを固体ブロックに取り入れる。後者は、エンドピースの慣用のプラスチック材料と両立するように選ばれる。たとえこの理由だけのためであっても、ポリエチレン材料で形成されることが好ましい。これは、粉、顆粒またはペレットとして、エンドピースの成形組成物にすぐ混入できる形で市場で入手し得る。殺菌剤は、好ましくは、高分子によって担持される銀イオンからなる。
【0044】
本発明に従ったエンドピースは、慣用の成形工程に従って製造される。成形後、殺菌剤がエンドピースのブロック全体、特に使用者の目や手と接触することになる外表面と、中央液路を仕切っている内表面とに存在する。
【0045】
エンドピースの中央芯材は、成形工程で同一の基本材料から製造され、中央液路を囲んでいるエンドピース本体と同様に、特にポリエチレンで製造される。芯材ブロックの下流に配置された弁が液体の戻りを阻止し、そして補償のため流入する外の空気の抗菌を確実にするので、芯材の抗菌処理が実施されないことが見込まれ得る。しかしながら、そのような処理を実施することができ、その時芯材は有利には本体に含まれる殺菌剤とは異なるエンドピースの外表面に効果を有する殺菌剤を含む。この殺菌剤は、この実施形態の例としては、広い抗菌性スペクトルを有する化合物であるので、トリクロサンである。
【0046】
次に、本発明に従った放出ヘッドの装着を説明する。
【0047】
球は、エンドピース内部に、ベースを通して挿入され、中央ダクトの軸を通して上昇させることによって装着される。球は、エンドピースの頂端壁の内表面に接触させられる。その後芯材が中央ダクト内に挿入されて、そこに係合するように押し込まれる。環状の溝(図示しない)が芯材のベースに形成されており、溝の形状に合致する形状のボス(図示しない)に対向するように配置される。この2つの要素は、液路内部の芯材の堅固な保持を確実にするために、弾性的なスナップ嵌めによって相互作用する。
【0048】
ボール弁の空洞はこのように、エンドピースの頂端壁と側壁と、芯材の端部表面によって区切られるように形成されている。球は空洞内に捕捉されており、球が空洞の壁に接触する中央ダクト内の経路に沿って、軸方向に互いに反対な2つの極端位置の間を自由に移動することができる。
【0049】
最後に、膜がエンドピースのベースに配置され、インサートにおいてこのように形成されたアセンブリが密閉される前に、膜が周辺部でシールされる。
【0050】
このようにして形成された容器は、液体を一滴ずつ放出するために使用される。使用者は、キャップを取り外し、次に液体の液滴を出すために、貯液器の壁を押す。使用後は、キャップを元の位置に戻す。
図1に示すように、キャップは、放出孔を塞ぐ中央ピン61によって、弁座に対して弁栓を戻し保持するために役立つ。
【0051】
次に
図4に示した変形具体例が説明される。ここでは放出エンドピース114は全般的に、上述されたエンドピース14と同様であり、弁128の形状のみ異なる。この変形例においては、弁の球は、空洞内に格納されるように適した頭部42と、そして放出穴の外表面と相互作用する截頭円錐部44を備えたピン40によって置換されている。
【0052】
この具体例においては、放出穴は、上述の具体例の穴の断面とは異なる断面を有することが理解され、穴を切る壁は傾斜し、それ故、弁の截頭円錐と相互作用するように適合されている。
【0053】
弁128(より正確にはその可動栓)は、放出穴を通して、頭部が空洞内に入るまで力嵌めによって装着される。従って、有利には、
図4に示すようにエンドピース内に芯材は提供されず、放出液路は直接、エンドピースの中央に穴あけすることによって形成されている。空洞33は、従って、芯材の存在なしに、エンドピースの内壁によってのみ形成されている。製造を容易にするという理由から、2つの部分に切断されたエンドピースを提供することが可能である。それぞれの部分は、他方と組み合わされたときに空洞を形成する凹部を備える。また、一方が他方の頭部となるように組み合わされるように2つの部材として、上部は弁座と弁を備え、下部は中央液路を形成するように、提供されることも可能である。
【0054】
使用においては、エンドピースの外に出る弁の截頭円錐部は、余分の液体と空気を容器内に戻すように引き込む時、放出穴をエンドピースの外部から閉鎖するように適合されている。この実施形態においては、それぞれ弁の栓と弁座を形成するのは截頭円錐部44とエンドピース125の頭部端部壁である。截頭円錐部とエンドピースの頭部端部壁との間の密閉は、空洞内部の弁座において密閉がなされる先に述べた実施形態と異なり、エンドピースの外部においてなされる。
【0055】
この実施例においては、頭部の役割は接触のみであるので、その形状と寸法は前述の実施例におけるほど重要ではない。
図4に示された頭部の卵型の形状は、放出穴に力嵌めすることを容易にし、頭部が空洞内にあり、そしてアセンブリの重量を減らすために扁平にされた時、直径が壁穴に対して密着を形成するのに十分である。ここで、弁栓は変位の間、すなわち、放出穴の位置でエンドピースの壁を通って移動する間、直線的に案内されることに留意されるべきである。
【0056】
上述のように、弁栓は減圧効果の下においてのみ移動する。液体を放出するための上流におけるより高い圧力は、弁栓を弁座から押し出す傾向があり、逆に、外気を吸引するより低い圧力は、弁栓を弁座に近付け、弁栓を弁座シール接触にもたらす傾向があるので、外部から吸引された空気は栓を通らなければならない。この変形例においては、閉鎖位置は、可動栓の截頭円錐部44が、穴を仕切っている斜面壁126に接触することによって得られ、一方、放出位置は、弁の栓の移動の当接手段を形成するエンドピースの頭部端部壁の内壁に対向して頭部が接触することによって得られる。
【0057】
ここで、弁はまた、疎水性の多孔質材料によって形成されている。上述のように、多孔度の微細性は、容器に流入する外気の細菌のろ過を確実にするために選択され、一方、材料の疎水性は、液路の閉鎖位置にある弁が流入する空気流を通過させることができることを確実にすることを可能にする。
【0058】
エンドピースはまた、液滴の分離と較正のための膨張部を有しない点で異なる。この実施例では、弁の栓が、その外部の截頭円錐部において、この機能を実現する。
【0059】
さらに、放出穴における弁の存在は、
図4に破線で示すように、異なる形状のキャップを含む。キャップには中央ピンがない。しかしながら、上述のように、エンドピースの外壁に対する内側シャフトの周面上の圧力は、吸引した空気を容器内部に向かって押す出し、栓を弁座に対して押す傾向がある。
【0060】
前述の説明は、明らかに、本発明がその目的の達成をどのようにして可能にするかを説明している。本発明に従って製造された弁は、それが取り付けられた容器から放出された液体の通路と、消費された液体の補償として同一の経路を通って吸引される空気の通路との交替を管理するように適合させられている。ここで述べてきたような完全な放出ヘッドでは、膜と弁の付加的な役割は、このようにして、同一の経路の液体の流れと空気の流れの交替において得られる。細菌の防護の役割においても等しく、弁はエンドピースにおいてそれ自体で効果を有し、また、下流でろ過膜によって実現されるのと同一の機能で役立ってもいる。完全な放出ヘッドの好ましい具体例においては、流れ調整パッドもまた液体の流れと空気の流れの交替の機能において効果を有することに留意されるべきである。
【0061】
本発明に従った液滴放出ヘッドは、液体放出ダクト(すなわち、液路)上の端部滴下片にあるボール弁または同様の弁の存在によって、既知の液滴放出ヘッドと区別される。弁栓は、フラスコから液体を押し出す開放位置と、固定された弁座に対向して適用され、ダクトを閉鎖し、それによって空気が下流から上流に戻りフラスコに入ることを禁止する閉鎖位置との間で可動である。弁栓は、軸方向において自由に移動可能であり、2つの位置の間で、上流の圧力と下流の圧力の圧力差の効果の下でのみ可動である。
【0062】
弁栓の微細多孔質の構造と、素材の疎水性の性質は、耐水性でありながら選択的に空気を通過させる。弁栓は、放出された液体によって外方に押され、それが保持されている空洞の壁に当接する時、液体(ここでは点眼液のような水性の液体)は弁栓を通過できないが、弁栓の周囲を循環し、管理された流路を通って端部穴へ流出することができるのみである。逆に、フラスコ内部の圧力が低下した時、栓は内側に引かれ、空気が外部から引き込まれ、そして栓は空洞の底に接触し、その位置では弁は閉鎖され、エンドピースの端部の口の全周囲の空洞壁に栓が接触して密閉される。従って、弁栓の周囲の流れではなく弁栓を通る流れのために、外気のみが、フラスコに入って、放出された液体によって残された空の体積を占めることができる。
【0063】
以上、詳細に述べられてきた具体例が本発明を限定しないことはもちろんである。いかなる場合においても、本発明は上述の特定の具体例に制限されず、特にいかなる均等な手段および、これらの手段のいかなる技術的に動作可能な組み合わせにも及ぶ。