(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
左右に回動する把持部を備える操作具の前記把持部に装着し使用される、ボルトに取付けられたナット脱落防止キャップを取外し、又はボルトにナット脱落防止キャップを取付けるためのナット脱落防止キャップ着脱先端具であって、
前記ナット脱落防止キャップを着脱する、前記把持部に取付けられる一対の着脱片と、
前記一対の各着脱片に取付けられ、前記着脱片を前記操作具の把持部に装着するアダプタと、
前記一対の各着脱片に取付けられ、前記ボルトから取外された前記ナット脱落防止キャップを落下させることなく保持する保持手段と、を備え、
前記一対の着脱片は、前記操作具の前記把持部を閉じることで先端部がボルトに取付けられたナットと前記ナット脱落防止キャップとの間に差し込まれ、前記ナット脱落防止キャップの鍔部を押下げ可能であり、また先端部に前記ナット脱落防止キャップの鍔部を載置可能なことを特徴とするナット脱落防止キャップ着脱先端具。
前記一対の各着脱片は、先端部に、前記ボルトの外径よりも大きく、かつ前記ナット脱落防止キャップの鍔部の外径よりも小さい半円状の切欠きを有することを特徴とする請求項1に記載のナット脱落防止キャップ着脱先端具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の工具は、ナット脱落防止キャップを落下させることなく取外し、また回収することができる優れた工具であるが、脱抜部材の爪部をナット脱落防止キャップとナットとの間に差込む方法に改善の余地がある。さらにナット脱落防止キャップを落下させることなく取外すことができる工具が、ナット脱落防止キャップの取付けにも使用することができれば好ましいが、これまでこのような工具は開発されていない。
【0007】
本発明の目的は、ナット脱落防止キャップを落下させることなく容易に取外し、また取付けも行えるナット脱落防止キャップ着脱先端具及びナット脱落防止キャップ着脱具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、左右に回動する把持部を備える操作具の前記把持部に装着し使用される、ボルトに取付けられたナット脱落防止キャップを取外し、又はボルトにナット脱落防止キャップを取付けるためのナット脱落防止キャップ着脱先端具であって、前記ナット脱落防止キャップを着脱する、前記把持部に取付けられる一対の着脱片と、前記一対の各着脱片に取付けられ、前記着脱片を前記操作具の把持部に装着するアダプタと、前記一対の各着脱片に取付けられ、前記ボルトから取外された前記ナット脱落防止キャップを落下させることなく保持する保持手段と、を備え、前記一対の着脱片は、前記操作具の前記把持部を閉じることで先端部がボルトに取付けられたナットと前記ナット脱落防止キャップとの間に差し込まれ、前記ナット脱落防止キャップの鍔部を押下げ可能であり、また先端部に前記ナット脱落防止キャップの鍔部を載置可能なことを特徴とするナット脱落防止キャップ着脱先端具である。
【0009】
本発明のナット脱落防止キャップ着脱先端具は、操作具の把持部を閉じることで、一対の着脱片の先端部をナットとナット脱落防止キャップとの間に差し込むので左右から均等に力が加わり、一対の着脱片の先端部を簡単に差し込むことができる。これに加え、保持手段を有するので、ナット脱落防止キャップ着脱先端具を押し下げることで、ナット脱落防止キャップを落下させることなく簡単に取外すことができる。また一対の着脱片の先端部にナット脱落防止キャップの鍔部を載せることが可能なので、ナット脱落防止キャップを落下させることなく簡単にボルトに取付けることもできる。
【0010】
本発明のナット脱落防止キャップ着脱先端具において、前記一対の各着脱片は、先端部に、前記ボルトの外径よりも大きく、かつ前記ナット脱落防止キャップの鍔部の外径よりも小さい半円状の切欠きを有することを特徴とする。
【0011】
一対の着脱片の先端部にボルトの外径よりも大きく、かつナット脱落防止キャップの鍔部の外径よりも小さい半円状の切欠きを設けることで、着脱片の先端部をナット脱落防止キャップの鍔部により深く係止させることができる。これにより確実にナット脱落防止キャップを取外すことができる。また切欠きにより、着脱片先端部へのナット脱落防止キャップの載置も確実となり、ナット脱落防止キャップのボルトへの取付けも確実に行える。
【0012】
本発明のナット脱落防止キャップ着脱先端具において、前記着脱片は、板状の部材で形成された、正面視において前記先端部を上面に有するコ字状の着脱部と、前記着脱部の下面の端部に連結する連結部とを有し、前記アダプタは、前記連結部に取付けられ、前記操作具の把持部を閉じると、前記一対の着脱片の先端部が互いに当接することを特徴とする。
【0013】
本ナット脱落防止キャップ着脱先端具は、構成が単純であるから容易に実現することができ、本ナット脱落防止キャップ着脱先端具を使用することで簡単にまた確実にナット脱落防止キャップを取外し、また取付けることができる。
【0014】
本発明のナット脱落防止キャップ着脱先端具において、前記保持手段は、前記一対の各着脱片の上面の下方に設けられた保持片であり、前記一対の各保持片は、それぞれ先端部に、前記ナット脱落防止キャップの円筒部の外径よりも大きく、かつ前記ナット脱落防止キャップの鍔部の外径よりも小さい半円状の切欠きを有すること特徴とする。
【0015】
本ナット脱落防止キャップ着脱先端具は、着脱片の上面の下方に、ナット脱落防止キャップの円筒部の外径よりも大きく、かつナット脱落防止キャップの鍔部の外径よりも小さい半円状の切欠きが設けられた保持片を備えるので、ナット脱落防止キャップの鍔を保持片上に載置させることができる。これによりナット脱落防止キャップを落下させることなく簡単にまた確実に取外し、取付けることができる。
【0016】
本発明のナット脱落防止キャップ着脱先端具において、前記保持手段は、前記着脱部の正面側及び裏面側を覆う内部が視認可能な部材であり、前記操作具の把持部を閉じたとき、一対の着脱部が空間部を形成し、当該空間部に前記ナット脱落防止キャップを保持可能なことを特徴とする。
【0017】
本ナット脱落防止キャップ着脱先端具は、一対の着脱片が閉じられたとき、一対の着脱部が形成する空間部にナット脱落防止キャップを保持することができるので、ナット脱落防止キャップを落下させることなく回収することができる。
【0018】
本発明のナット脱落防止キャップ着脱先端具は、さらに、小さいナット脱落防止キャップを取外し、又は取付けるための、前記一対の各着脱片に装着し使用する着脱片補助キャップを有し、前記着脱片補助キャップは、前記着脱片の先端部に嵌め込み可能に構成され、先端部に小さいナット脱落防止キャップに対応した大きさの切欠きが設けられていることを特徴とする。
【0019】
着脱片補助キャップを使用することで、1つのナット脱落防止キャップ着脱先端具で大きさの異なるナット脱落防止キャップの取外し、又は取付けを確実に行うことができる。本発明によれば、着脱片補助キャップは、着脱片の先端部に嵌め込み可能なため使い勝手もよい。
【0020】
本発明のナット脱落防止キャップ着脱先端具において、前記一対の各着脱片の先端部は、先細りの楔形状を有することを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、着脱片の先端部が先細りであるのでナットとナット脱落防止キャップとの間に差し込み易く、さらに楔形状であるので着脱片の先端部がナットとナット脱落防止キャップとの間に差し込まれると自然とナット脱落防止キャップが押下げられるので、容易にナット脱落防止キャップを取外すことができる。
【0022】
また本発明は、前記ナット脱落防止キャップ着脱先端具と、前記ナット脱落防止キャップ着脱先端具が装着される、左右に回動する把持部を備える操作具と、を備え、前記操作具が間接活線工具であることを特徴とするナット脱落防止キャップ着脱具である。
【0023】
本発明のナット脱落防止キャップ着脱具は、前記ナット脱落防止キャップ着脱先端具と絶縁ヤットコのような間接活線工具とで構成されるので容易に実現することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ナット脱落防止キャップを落下させることなく容易に取外し、また取付けも行えるナット脱落防止キャップ着脱先端具及びナット脱落防止キャップ着脱具を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の第1実施形態のナット脱落防止キャップ着脱具1の正面図である。
図2は、ナット脱落防止キャップ着脱具1のナット脱落防止キャップ着脱先端具11の斜視図である。
図3は、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11の切欠き26等の寸法を説明するための図である。
図4〜
図6は、ナット脱落防止キャップ着脱具1を用いて、高圧ピン碍子111のボルト113に取付けられたナット脱落防止キャップ101を取外す要領を説明するための図である。
図7は、ナット脱落防止キャップ着脱具1を使用し、ナット脱落防止キャップ101を取付ける要領を説明するための図である。
【0027】
ナット脱落防止キャップ着脱具1は、ボルトに取付けられたナットの脱落を防止するナット脱落防止キャップ101を取外し、又はボルトにナット脱落防止キャップ101を取付ける際に使用する工具である。以下、腕金121に固定された高圧ピン碍子111のボルト113に取付けられたナット脱落防止キャップ101を例として説明する。
【0028】
ナット脱落防止キャップ着脱具1は、ナット脱落防止キャップ101を取外し、又は取付けるナット脱落防止キャップ着脱先端具11と、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11を操作する操作具71とを有する。
【0029】
ナット脱落防止キャップ着脱先端具11は、ナット脱落防止キャップ101を着脱する一対の着脱片21と、ナット脱落防止キャップ101を保持し、落下を防止する保持片31と、着脱片21の基端部に設けられたアダプタ61とを有する。
【0030】
着脱片21は、高圧ピン碍子111のボルト113に取付けられたナット脱落防止キャップ101を取外す際に、ナット脱落防止キャップの鍔部103に引っ掛かる部材である。一対の着脱片21は、左右同一であり、開閉自在に操作具71の先端部に取付けられる。
【0031】
着脱片21は、金属製の板材からなり、正面視においてコ字状の形状を有する着脱部23と、着脱部23の下部に連結する連結部24とを有する。連結部24は、着脱部23の開口側端部に直交するように設けられ、着脱部23と連結部24とは、板材を折り曲げ一体的に形成されている。但し、着脱部23と連結部24とを別々に製作した後、溶接等により連結してもよく、着脱部23も板材を溶接等により連結し形成してもよい。
【0032】
着脱部23は、天井面25の開口側端部に半円状の切欠き26が設けられている。この切欠き26は、ナット脱落防止キャップ101を取外す際にボルト113を挟み込み、着脱部の先端部27を奥まで嵌め入れるために設けられている。
【0033】
切欠き26の直径d
2は、ボルト113の外径d
1と同一又はボルト113の外径d
1よりも僅かに大きく設定されている。天井面25は、ナット脱落防止キャップ101を取外す際に、ナット脱落防止キャップの鍔部103を押し下げる部分となるため切欠き26の直径d
2は、ナット脱落防止キャップの鍔103の直径d
3以下でなければならない。切欠き26の直径d
2が、ナット脱落防止キャップの鍔部103の直径d
3以下であっても、切欠き26の直径d
2を不必要に大きくすると鍔部103への掛かり代が少なくなるので好ましくない。またナット脱落防止キャップ101を取付ける際に、天井面25でナット脱落防止キャップ101をぐらつかせることなく把持することができない。
【0034】
着脱片21の板厚さは、特定の厚さに限定されるものではなく、変形しない範囲内で薄い方が好ましい。板厚さが薄い方が、ナット115とナット脱落防止キャップ101との間に差し込み易い。さらに天井面の先端部27は、ナット115とナット脱落防止キャップ101との間に差し込み易くすべく、先細りの楔形状となっている。
【0035】
天井面25の幅W
1は、天井面25にボルト113を挟み込むための半円の切欠き26を設ける必要があるため、少なくとも切欠き26の直径d
2以上の大きさが必要である。さらに着脱部の天井面25の切欠き26の周囲が、ナット脱落防止キャップ101を取外す際に、ナット脱落防止キャップの鍔部103を押し下げる部分となるため、この幅が狭いと鍔部103に十分に引っ掛からず、ナット脱落防止キャップ101を確実に押し下げることができない。一方、天井面25の幅W
1を不必要に大きくすると、不経済であることはもちろん、操作性が低下する。以上のことから、天井面25の幅W
1は、鍔103の直径d
3と同程度が好ましい。
【0036】
天井面25の長さL
1は、後述の保持片31を取付けることができる長さが必要であるため、少なくともナット脱落防止キャップの鍔部103の半径以上の長さが必要である。一方、不必要に長くすると不経済であることはもちろん、操作性が低下する。
【0037】
着脱部23の高さH
1は、ナット脱落防止キャップ101の高さよりも高くする必要がある。後述するようにナット脱落防止キャップ101をボルト113に取付ける際は、保持片31上にナット脱落防止キャップの鍔部103が載置する。この状態でナット脱落防止キャップの円筒部105の下端が、着脱部23の底面28に接触しないことが必要である。
【0038】
着脱部23の底面28の長さL
2と天井面25の長さL
1とは同一であり、天井面25の開口部側端部(先端部27)と底面28の開口部側端部29は、連結部24と同一直線上にある。
【0039】
連結部24は、アダプタ61を取付けるための部位であり平板状である。連結部24は、基本的にアダプタ61を取付けることができる大きさがあればよいが、長さL
3は、操作性を悪化させない範囲内で長い方が好ましい。ナット脱落防止キャップ着脱先端具11は、操作具71の把持部73に装着され、操作具71を操作することで着脱片21が操作具71の把持部73の回動軸80を中心に回動する。このため連結部24の長さL
3が短いと曲率半径が小さくなり、着脱片21の先端部27をナット115とナット脱落防止キャップ101との間に差し込むことが難しくなる。
【0040】
以上からなる着脱片21は、操作具71の把持部73に装着された状態で、一対の着脱片21が接するように閉じると、一対の着脱片21の天井面先端部27、一対の着脱片21の底面先端部29、及び連結部24が互いに接する。このとき一対の着脱片21の天井面25は、同一平面(水平)となる(
図5、
図6参照)。
【0041】
保持片31は、ボルト113からナット脱落防止キャップ101を取外すとき、ナット脱落防止キャップ101が落下しないように保持する部材であり、各着脱片21の天井面25の裏側に取付けられている。なお、保持片31は、ボルト113にナット脱落防止キャップ101を取付ける際にも使用される。
【0042】
保持片31は、段差部32が設けられた金属製の板材であり、上面33が着脱片21の天井面25の裏側に溶接付されている。保持片31の下面部34は、着脱片の天井面25と平行であり、下面34の幅W
2は、着脱片21の幅W
1と同一である。下面34は、ナット脱落防止キャップの鍔部103が載置する部分であり、長さは、ナット脱落防止キャップ101の鍔103の半径よりも長く設定されている。
【0043】
段差部32の高さは、以下の理由により、ナット脱落防止キャップの鍔部103の厚さよりも高く設定されている。
【0044】
ナット脱落防止キャップ101を取外す際、又はナット脱落防止キャップ101を取付ける際に、ナット脱落防止キャップの鍔部103は保持片31の下面34の上に載る。このため段差部32の高さは、少なくともナット脱落防止キャップの鍔部103の厚さ以上の高さが必要である。さらに着脱片21をナット115とナット脱落防止キャップ101との間に差し込む際に、着脱片21は円弧を描くように移動するため、段差部32の高さが狭いと着脱片21をうまく差し込むことができない。
【0045】
一方、段差部32の高さを極端に高くすると、ナット脱落防止キャップ101をボルト113に取付ける際に、ナット脱落防止キャップ101がボルト113の先端に引っ掛かる前に、着脱片の天井面25がナット115に接触し、ナット脱落防止キャップ101を取付けることができなくなる。また段差部32の高さを極端に高くし、ナット脱落防止キャップの円筒部105の高さを超えてしまうと、ナット脱落防止キャップ101を取外す際に、ナット脱落防止キャップ101が保持片31に保持されない恐れがあるため、段差部32の高さは、ナット脱落防止キャップの円筒部105の高さ以下とする必要がある。
【0046】
保持片の下面34の先端部35には着脱片の天井面25に設けられた切欠き26と同様の半円状の切欠き36が設けられている。この切欠き36の直径d
4は、ナット脱落防止キャップの円筒部105が嵌り込むように円筒部105の外径d
5と同一又は円筒部105の外径d
5よりも僅かに大きく、着脱片の天井面25に設けられた切欠き26よりも大きい。
【0047】
保持片の下面34は、ナット脱落防止キャップ101を取外す際に、ナット脱落防止キャップの鍔部103を受ける部分となるため切欠き36の直径d
4は、ナット脱落防止キャップの鍔部103の直径d
3以下でなければならない。切欠き36の直径d
4が、ナット脱落防止キャップの鍔部103の直径d
3以下であっても、切欠き36の直径d
4を不必要に大きくすると鍔部103への掛かり代が少なくなるので好ましくない。また保持片の下面34にナット脱落防止キャップの鍔部103を載置し、ボルト113に取付ける際に、ナット脱落防止キャップ101がぐらつき安定しないので好ましくない。保持片31に設けられた切欠き36の半円の中心点は、着脱片の天井面24に設けられた切欠き25の半円の中心点と一致するように設けられている。
【0048】
アダプタ61は、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11を操作具71の把持部73に装着するための部材であり、着脱片の連結部24の下部に取付けられている。アダプタ61は、一面が開口した直方体形状の本体62と、本体の上面64に取付けられた係合ピン65とを有する。
【0049】
本体62は、開口面63が操作具71の把持部73への挿入口であり、把持部73にしっかり固定することができるように把持部73とほぼ同じ大きさの空間を有する。係合ピン65は、ピン66と円筒状の基台67と、スプリング(図示省略)とを備える。本体の上面64にピン66が突出可能な貫通孔(図示省略)が設けられ、該貫通孔を覆うように基台67が取付けられている。
【0050】
係合ピン65は、基台67内に配置されたスプリングより、先端が本体62内に突出するように付勢されている。ピン66を本体62側と反対方向に引き上げ、アダプタ61を操作具71の把持部73に挿入し、ピン66を離せば、ピン66の先端部が、把持部73に設けられた係止孔(図示省略)に嵌り込み、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11が操作具71の把持部73に固定される。
【0051】
なお、アダプタ61は、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11を操作具71の把持部73に安定的に取付けることができるものであればよく、上記実施形態に限定されるものではない。
【0052】
またアダプタ61は、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11を操作具71の把持部73に着脱可能に装着する手段であるから、アダプタ61に代え、他の装着手段を用いてもよい。例えば、着脱片21の連絡部24に貫通孔を設け、さらに操作具71の把持部73に貫通孔又はねじ孔を設け、ボルト止めしてもよい。
【0053】
操作具71は、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11を支持し、着脱片21を開閉するものであり、ここでは絶縁ヤットコ71を使用する。絶縁ヤットコ71は、間接活線工具の1つであり、先端部に把持部73を有する。把持部73は、固定把持片74と可動把持片77とからなり、固定把持片74と可動把持片77とは回動軸80を介して回動自在に連結されている。
【0054】
固定把持片74は、外側に張り出すように湾曲しており、先端部75はほぼ平坦となっている。固定把持片74は、中央部において回動軸80を介して可動把持片77と連結し、基端部76は、主操作棒81に連結する。
【0055】
可動把持片77は、固定把持片74に対向するように位置し、固定把持片74と反対方向の外側に張り出すように湾曲しており、先端部78はほぼ平坦となっている。可動把持片77は中央部において回動軸80を介して固定把持片74と連結し、基端部79は、連結軸83を介して副操作棒82に回動自在に連結する。
【0056】
主操作棒81及び副操作棒82は、共に絶縁性の部材からなる長尺の棒状体であり、途中に水切り鍔(図示省略)が取付けられている。副操作棒82の基端部には、副操作棒82を動かすためのハンドルレバー(図示省略)が設けられており、ハンドルレバーを操作することで副操作棒82が往復動する。これに伴い副操作棒82に連結する可動把持片77が、回動軸80を中心に回動し、把持部73が開閉する。
【0057】
絶縁ヤットコ71には、固定把持片74の角度を可変可能な絶縁ヤットコなど種々の形態のものがある。絶縁ヤットコ71は、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11を把持部73に取付け可能であり、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11を開閉することができればよく特定の形態の絶縁ヤットコに限定されるものではない。また本実施形態では、操作具に絶縁ヤットコ71を使用するが、絶縁ヤットコ71と同様にナット脱落防止キャップ着脱先端具11を取付け可能で、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11を安全に開閉することができれば他の間接活線工具であってもよい。
【0058】
ナット脱落防止キャップ着脱具1を使用し、高圧ピン碍子111のボルト113に取付けられたナット脱落防止キャップ101を取外す要領を説明する。
【0059】
絶縁ヤットコ71のハンドルレバー(図示省略)を操作し、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11を開いた状態で、着脱片21の天井面先端部27の位置が、ナット115とナット脱落防止キャップ101との間となるようにナット脱落防止キャップ着脱具1を移動させる(
図4参照)。
【0060】
絶縁ヤットコ71のハンドルレバー(図示省略)を操作し着脱片21の間隔を狭め、着脱片21の天井面先端部27を、ナット115とナット脱落防止キャップ101との間に当接させる。この状態で一対の着脱片21が近づくように絶縁ヤットコ71を操作し、着脱片21の天井面先端部27を、ナット115とナット脱落防止キャップ101との間に嵌め込む。
【0061】
その後、一対の着脱片21の天井面先端部27が互いに接するように絶縁ヤットコ71を操作する。着脱片21の天井面先端部27は、先細りで楔形状となっているので、着脱片21の天井面先端部27を互いに近づけることで自然にナット脱落防止キャップ101は、押し下げられる。この状態で、ナット脱落防止キャップの鍔部103は、着脱片21の天井面25と保持片31の下面34との間に位置する(
図5参照)。
【0062】
一対の着脱片21の天井面先端部27が互いに当接した状態を保持し、ナット脱落防止キャップ着脱具1を下方に引き下ろす。これによりナット脱落防止キャップの鍔部103が着脱片21の天井面25に押され、ナット脱落防止キャップ101がボルト113から外れる。このときナット脱落防止キャップ101は、鍔部103が、着脱片21と保持片31との間に挟まれた状態で取外されるのでナット脱落防止キャップ101が落下することはない(
図6参照)。
【0063】
ナット脱落防止キャップ101を引き下ろす際は、一対の着脱片21の天井面先端部27が互いに当接した状態が好ましいが、一対の着脱片21の天井面先端部27同士が近接した状態であれば、ナット脱落防止キャップ101を落下させることなく取外すことができる。
【0064】
次にナット脱落防止キャップ着脱具1を使用した、高圧ピン碍子111のボルト113へのナット脱落防止キャップ101の第1の取付要領を説明する。
【0065】
絶縁ヤットコ71を操作し、ナット脱落防止キャップ着脱具1を開き、一方の着脱片21の天井面25と保持片31の下面34との間にナット脱落防止キャップ101の鍔部103を嵌め込み、絶縁ヤットコ71を操作し、ナット脱落防止キャップ着脱工具1を閉じる(
図6参照)。
【0066】
この状態でナット脱落防止キャップ着脱具1を持ち上げ、着脱片21の2つの切欠き26が形成する孔にボルト113の下部を差し込む。さらにナット脱落防止キャップ着脱具1を持ち上げ、ナット脱落防止キャップ101をボルト113に差込む。このとき保持片31の下面34がナット脱落防止キャップ101の鍔部103を保持しているのでナット脱落防止キャップ101を確実にボルト113に差込むことができる。
【0067】
着脱片21の天井面25がナット115に接触するまで持ち上げた後、絶縁ヤットコ71を操作し、ナット脱落防止キャップ着脱具1を開き、ナット脱落防止キャップ着脱具1を外す。この状態では、ナット115とナット脱落防止キャップ101との間には隙間があるので、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11を少し開き、着脱片21の天井面25を鍔103の下面に宛がい押し上げる。なお、鍔103を押し上げる代わりに、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11を完全に閉じ、着脱片21の天井面25でナット脱落防止キャップ101の円筒部105の底を押し上げてもよい。以上によりナット脱落防止キャップ101の取付けが完了する。
【0068】
上記のナット脱落防止キャップ101の取付け方法は、着脱片21の2つの切欠き26が形成する孔がボルト113のガイドとなるので、ナット脱落防止キャップ101を簡単に取付けることができる。
【0069】
ナット脱落防止キャップ着脱具1を使用した、高圧ピン碍子111のボルト113へのナット脱落防止キャップ101の第2の取付要領を説明する。
【0070】
図7に示すように、絶縁ヤットコ71を操作し、ナット脱落防止キャップ着脱工具1を開き、一方の着脱片の天井面25の上にナット脱落防止キャップの鍔部103を載せ、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11を軽く閉じ、2つの着脱片21でナット脱落防止キャップの円筒部105を把持する。
【0071】
着脱片21の2つの切欠き26が形成する孔の直径d
2は、ナット脱落防止キャップの円筒部105の直径d
5よりも小さいため、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11を完全に閉じると、円筒部105が潰れ、ボルト113に差し込むことができない。ナット脱落防止キャップは鍔部103が着脱片21の天井面25の上に載っているので、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11は、ナット脱落防止キャップ101を軽く把持すればよい。
【0072】
この状態でナット脱落防止キャップ着脱具1を持ち上げ、ナット脱落防止キャップ101をボルト113に差込み、ナット脱落防止キャップ101をナット115に接触させる。その後、ナット脱落防止キャップ着脱具1を開き、ナット脱落防止キャップ着脱具1を外す。なお、ナット脱落防止キャップ着脱具1を取外すとき、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11は、ナット脱落防止キャップ101を軽く把持しているので、そのままの状態でナット脱落防止キャップ着脱具1を下方に降ろし、外してもよい。
【0073】
上記のように第1のナット脱落防止キャップ着脱工具1は、左右からボルト113を挟み込むように着脱片21の先端部27をナット115とナット脱落防止キャップ101との間に差し込むので、左右から均等に力が加わり、一対の着脱片21の先端部27を簡単に差し込むことができる。また着脱片21には切欠き26が設けられているので着脱片21の先端部27をより深く差し込むことが可能であり確実にナット脱落防止キャップ101を取外すことができる。さらに着脱片21と保持片31とでナット脱落防止キャップの鍔部103を挟み込むことができるので、取外し、又は取付けの際にナット脱落防止キャップ101が落下することがない。
【0074】
図8にナット脱落防止キャップ着脱先端具11の変形例としてのナット脱落防止キャップ着脱先端具12の正面図を示す。
図1〜
図7に示す第1実施形態に示すナット脱落防止キャップ着脱具1及びナット脱落防止キャップ着脱先端具11と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0075】
ナット脱落防止キャップ着脱先端具12の基本構成は、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11と同一であるが、ナット脱落防止キャップ着脱先端具を構成する着脱片22の形態が異なる。
【0076】
ナット脱落防止キャップ着脱先端具12の着脱片22は、天井面25の末端部に連結部24が連結した形態からなる。着脱片22の天井面先端部27には、着脱片21と同様の切欠き26が設けられ、先端部27は、先細りとなっている。連結部24は、天井面25の末端部に傾斜するように設けられており、
図8に示すように互いの着脱片22の先端部27を突き合わせた状態で、絶縁ヤットコ71の把持部73は、開いた状態である。
【0077】
ナット脱落防止キャップ着脱先端具12の機能、作用効果は、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11の機能、作用効果と同じである。基本的に、絶縁ヤットコ71を操作することで一対の着脱片22を開閉させ、互いの着脱片22の先端部27を突き合わせ可能で、先端部27を突き合せたとき互いの着脱片22の上面25が同一平面(水平)となればよく、先端部27を突き合わせたとき、絶縁ヤットコ71の把持部73が開いた状態であってもよい。ナット脱落防止キャップ着脱先端具12は、形状が単純ゆえ、製作が容易である。
【0078】
ナット脱落防止キャップ101は、ボルト113の外径d
1に応じて、円筒部105及び鍔部103の大きさが異なる。第1実施形態に示すナット脱落防止キャップ着脱工具1では、着脱片21の切欠き26の直径d
2がボルト113の外径d
1と同一又はボルト113の外径d
1よりも僅かに大きく、保持片31の切欠き36の直径d
4が円筒部105の外径d
5と同一又は円筒部105の外径d
5よりも僅かに大きくなっている。このため大きなナット脱落防止キャップ101を取付け又は取外すためのナット脱落防止キャップ着脱先端具11を、小さなナット脱落防止キャップ101を取付け又は取外すために使用すると、切欠き26とボルト113、切欠き36と円筒部105との間に大きな隙間が生じ、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11内でナット脱落防止キャップ101が安定せず、取付け又は取外す際の操作が難しくなる。
【0079】
大きさの異なるナット脱落防止キャップ101を取外し又は取付けるためには、その大きさに対応したナット脱落防止キャップ着脱先端具を製作することが望ましいが、コスト面で負担が大きい。以下に示す第2実施形態においては、着脱片21及び保持片31に装着可能な補助キャップを使用し、上記問題に対応する。
【0080】
図9は、本発明の第2実施形態のナット脱落防止キャップ着脱先端具13の要部斜視図である。以下、大きさの異なるボルトを、便宜上、ボルトの外径の大きい順に大ボルト、中ボルト、小ボルトとして説明する。
図1〜
図7に示す第1実施形態のナット脱落防止キャップ着脱先端具11の構成と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0081】
着脱片21及び保持片31は、大ボルトのナット脱落防止キャップ用であり、第1実施形態に示す着脱片21及び保持片31である。一方、補助キャップは、小ボルトのナット脱落防止キャップ用である。中ボルトのナット脱落防止キャップ用の補助キャップも、小ボルトのナット脱落防止キャップ用の補助キャップと同じであり、小ボルトを中ボルトに置き換えればよい。
【0082】
補助キャップは、着脱片21及び保持片31の先端部に装着し使用する着脱片補助キャップ41及び保持片補助キャップ46からなる。着脱片補助キャップ41及び保持片補助キャップ46は基本的に同じ形態からなるため、着脱片補助キャップ41を用いて説明する。
【0083】
着脱片補助キャップ41は、先端に切欠き44が設けられた、上下(図では前後)に配置された2枚の金属板42の周囲の3面が金属板で覆われ箱状に形成され、反先端部が開口している。上下に配置された2枚の金属板42の大きさは、着脱片21の天井面25の大きさと略同一である。上下に配置された2枚の金属板42は、着脱片21の天井面25に隙間なく嵌り込むように、着脱片21の天井面25の厚さ分だけ離れている。
【0084】
先端部43に設けられた切欠き44の大きさは、上下同じであり、小ボルトに対応すべく小ボルトの外径d
1と同一又は小ボルトの外径d
1よりも僅かに大きい大きさであり、着脱片21の天井面25に設けられた大ボルト用の切欠き26よりも小さい。また先端部43は、着脱片21の天井面先端部27と同様に、先細りで楔形状となっている。
【0085】
保持片補助キャップ46は、切欠き49の大きさが、小ボルト用のナット脱落防止キャップの円筒部105の外径d
5と同一又は小ボルト用のナット脱落防止キャップの円筒部105の外径d
5よりも僅かに大きいことを除き、着脱片補助キャップ41と同じ構成である。
【0086】
使用の際は、開口した反先端部から着脱片補助キャップ41及び保持片補助キャップ46をそれぞれ各着脱片21及び各保持片31に差込み装着する。着脱片補助キャップ41及び保持片補助キャップ46は、着脱片21及び保持片31に隙間なく嵌り込むように形成されているので、差し込むだけであってもぐらつくことはない。着脱片補助キャップ41及び保持片補助キャップ46は、差し込まれて装着されているので交換も容易である。
【0087】
以上のように大ボルト用の着脱片21及び保持片31に、小ボルトのナット脱落防止キャップ101用の補助キャップ、又は中ボルトのナット脱落防止キャップ101用の補助キャップを装着することで1つのナット脱落防止キャップ着脱具1で、大、中、小ボルトのナット脱落防止キャップ101に対応することができる。
【0088】
図10は、本発明の第3実施形態のナット脱落防止キャップ着脱先端具14の斜視図である。
図11は、本発明の第3実施形態のナット脱落防止キャップ着脱具4の使用例を説明するための図である。
図1〜
図7に示す第1実施形態のナット脱落防止キャップ着脱具1及びナット脱落防止キャップ着脱先端具11と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0089】
第3実施形態のナット脱落防止キャップ着脱先端具14も第1実施形態のナット脱落防止キャップ着脱先端具11と同様に、操作具71に取付け使用するものであり、操作具71に取付けることでナット脱落防止キャップ着脱具4となる。
【0090】
ナット脱落防止キャップ着脱先端具14は、大略的にはナット脱落防止キャップ着脱先端具11と同じ構成からなるが、保持片31を有しておらず、代わりに落下防止板51を備える。
【0091】
落下防止板51は、薄い透明な樹脂板からなり、各着脱片21の着脱部23の表側を塞ぐように取付けられている。同様に各着脱片21の着脱部23の裏側にも、裏側を塞ぐように取付けられている。これにより着脱片21の着脱部23は、互いに対向する一面のみが開口している。なお、着脱片21の幅W
1は、ナット脱落防止キャップの鍔部103が落下防止板51に接触しないように、ナット脱落防止キャップの鍔部103の直径d
3以上とする必要がある。
【0092】
落下防止板51には、基本的に荷重が加わらないので薄い板材でよい。透明な材料でなくてもよいが、ナット脱落防止キャップ101を視認できる点において、透明板が好ましい。板材に代えて、強度のあるフィルムを使用してもよい。
【0093】
ナット脱落防止キャップ着脱先端具14の使用方法を説明する。基本的な操作は、ナット脱落防止キャップ着脱先端具11と同じである。
【0094】
ナット脱落防止キャップ着脱先端具14を操作具71に取付け、一対の着脱片21の天井面先端部27をナット115とナット脱落防止キャップ101との間に挿入し、一対の着脱片21の天井面先端部27を互いに当接させ、ナット脱落防止キャップ着脱具4を下方に引き下ろす。これによりナット脱落防止キャップの鍔部103が着脱片21の天井面25に押され、ナット脱落防止キャップ101がボルト113から外れる。
【0095】
外れたナット脱落防止キャップ101は、ナット脱落防止キャップ着脱先端具14が形成する空間部53内に保持されるのでナット脱落防止キャップ101を落下させることなく回収することができる。
【0096】
ナット脱落防止キャップ着脱先端具14を使用したナット脱落防止キャップ101のボルト113への取付要領は、第1実施形態に示した第2の取付要領と同じである。また第2実施形態で説明した補助キャップのうち着脱片補助キャップ41は使用することができる。但し、ナット脱落防止キャップ着脱先端具14の場合、落下防止板51が取付けられているので、着脱片補助キャップ41を使用する場合は、上下の金属板42を先端部43のみで連結する必要がある。
【0097】
図12は、本発明の第4実施形態のナット脱落防止キャップ着脱先端具15の斜視図である。
図10に示す第3実施形態のナット脱落防止キャップ着脱先端具14と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0098】
第4実施形態のナット脱落防止キャップ着脱先端具15は、ナット脱落防止キャップ着脱先端具14とほぼ同じ構成からなり、相違点は、落下防止板51に代え、落下防止網52が用いられている点にある。
【0099】
落下防止網52の目的及び機能は、落下防止板51と同一であり、取外したナット脱落防止キャップ101をナット脱落防止キャップ着脱先端具15が形成する空間部53に保持することである。
【0100】
落下防止網52は、視認性を考慮し、ナット脱落防止キャップ101が抜け落ちない範囲で、目の粗い網を使用する。素材は樹脂であっても金属であってもよい。取付け要領は、落下防止板51と同じである。
【0101】
ナット脱落防止キャップ着脱先端具15の使用方法は、ナット脱落防止キャップ着脱先端具14と同じであり、ナット脱落防止キャップ着脱先端具15の作用効果もナット脱落防止キャップ着脱先端具14と同じである。また着脱片補助キャップ41を使用することができる点もナット脱落防止キャップ着脱先端具14と同じである。
【0102】
第1〜第4実施形態のナット脱落防止キャップ着脱先端具11、12、13、14及びそれを備えるナット脱落防止キャップ着脱具を用いて説明したように本発明のナット脱落防止キャップ着脱先端具は、左右に回動する一対の着脱片、及びボルトから取外されたナット脱落防止キャップを落下させることなく保持する保持片、あるいは落下防止板、落下防止網などの保持手段を備えるので、ナット脱落防止キャップを落下させることなく簡単かつ確実に取外すことができる。またナット脱落防止キャップをボルトに取付けることもできるので使い勝手がよい。
【0103】
また左右に回動する一対の着脱片、保持片に切欠きを設けることで、より確実にナット脱落防止キャップを取外し、又は取付けることができる。また本発明のナット脱落防止キャップ着脱先端具は、構成が単純であり、また絶縁ヤットコのような操作具の把持部にナット脱落防止キャップ着脱先端具を装着することで本発明のナット脱落防止キャップ着脱具とすることができるので容易に実現可能である。さらに着脱片補助キャップを使用することで、大きさの異なるナット脱落防止キャップにも対応可能であり利便性に優れる。
【0104】
本発明に係るナット脱落防止キャップ着脱先端具及びナット脱落防止キャップ着脱具は、前記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で変更して使用することができる。また前記実施形態では、ボルトが高圧ピン碍子111のボルト113であったが、ボルトが高圧ピン碍子111のボルト113に限定されず、他のボルトであってもよいことは言うまでもない。
【解決手段】左右に回動する把持部を備える操作具の把持部に装着し使用されるナット脱落防止キャップ着脱先端具11であって、先端部27が、ボルトに取付けられたナットと前記ナットの落下を防止するナット脱落防止キャップとの間に差し込まれる一対の着脱片21と、前記一対の各着脱片21の下部に取付けられた、前記着脱片21を操作具の把持部に装着するアダプタ61と、前記一対の各着脱片21に取付けられた、前記ボルトから取外されたナット脱落防止キャップを落下させることなく保持する保持片31とを備える。