特許第5897768号(P5897768)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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5897768LEDドライバ回路、および、LEDドライバ回路の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5897768
(24)【登録日】2016年3月11日
(45)【発行日】2016年3月30日
(54)【発明の名称】LEDドライバ回路、および、LEDドライバ回路の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20160317BHJP
【FI】
   H01L33/00 J
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-511849(P2015-511849)
(86)(22)【出願日】2013年12月17日
(86)【国際出願番号】JP2013083706
(87)【国際公開番号】WO2015092864
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2015年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(72)【発明者】
【氏名】小林 圭介
(72)【発明者】
【氏名】岡本 章広
【審査官】 高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−021117(JP,A)
【文献】 特開2010−177531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
H05B 37/00−39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED回路を駆動するLEDドライバシステムであって、
バッテリと、
1つ又は直列に接続された複数のLED素子を有し且つ前記バッテリの正極にアノード側が接続された第1のLED回路と、
1つ又は直列に接続された複数のLED素子を有し且つ前記バッテリの正極にアノード側が接続された第2のLED回路と、
前記第1のLED回路と前記第2のLED回路とを駆動するLEDドライバ回路と、を備え、
前記LEDドライバ回路は、
前記第1のLED回路のカソード側が接続される第1のLED端子と、
前記第2のLED回路のカソード側が接続される第2のLED端子と、
前記バッテリの負極に接続される接地端子と、
前記第1のLED端子と前記接地端子との間に接続された第1のスイッチ素子と、
前記第2のLED端子と前記接地端子との間に接続された第2のスイッチ素子と、
前記第1のLED端子の第1の端子電圧を検出する第1の電圧検出回路と、
前記第2のLED端子の第2の端子電圧を検出する第2の電圧検出回路と、
前記第1の端子電圧および前記第2の端子電圧に応じて、前記第1のスイッチ素子および前記第2のスイッチ素子を制御する制御部と、を備え、
前記LEDドライバシステムは、
前記バッテリの正極と前記第1のLED端子との間で、ユーザによりオン/オフが切り替え可能な第1のLEDスイッチが、前記第1のLED回路と直列に接続されており、
前記バッテリの正極と前記第2のLED端子との間で、ユーザによりオン/オフが切り替え可能な第2のLEDスイッチが前記第2のLED回路と直列に接続されており、
前記制御部は、
前記第1のLEDスイッチがオンし且つ前記第1の端子電圧が予め設定された第1の上限値未満の場合には、第1のオンデューティで前記第1のスイッチ素子を制御し、
前記第1のLEDスイッチがオンし且つ前記第1のオンデューティで前記第1のスイッチ素子を制御しているときに前記第1の端子電圧が前記第1の上限値に達した場合には、前記第1のオンデューティより小さい第2のオンデューティで前記第1のスイッチ素子を制御し、
前記第2のLEDスイッチがオンし且つ前記第2の端子電圧が予め設定された第2の上限値未満の場合には、第3のオンデューティで前記第2のスイッチ素子を制御し、
前記第2のLEDスイッチがオンし且つ前記第3のオンデューティで前記第2のスイッチ素子を制御しているときに前記第2の端子電圧が前記第2の上限値に達した場合には、前記第3のオンデューティより小さい第4のオンデューティで前記第2のスイッチ素子を制御する
ことを特徴とするLEDドライバシステム。
【請求項2】
前記LEDドライバ回路は、
前記バッテリのバッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出回路をさらに備え、
前記制御部は、
前記バッテリ電圧と前記第1の端子電圧との第1の電位差が、第1の規定値以下である場合には、前記第1のスイッチ素子のオンデューティを低下させ、
また、前記バッテリ電圧と前記第2の端子電圧との第2の電位差が、第2の規定値以下である場合には、前記第2のスイッチ素子のオンデューティを低下させる
ことを特徴とする請求項1に記載のLEDドライバシステム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1の電位差が、前記第1の規定値よりも低い第3の規定値以下である場合には、前記第1のスイッチ素子をオフし、
前記第2の電位差が、前記第2の規定値よりも低い第4の規定値以下である場合には、前記第2のスイッチ素子をオフする
ことを特徴とする請求項2に記載のLEDドライバシステム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1の端子電圧が予め設定された第1の判断値以下である場合には、前記第1のLED回路のLED素子に断線が発生していると判断し、
前記第2の端子電圧が予め設定された第2の判断値以下である場合には、前記第2のLED回路のLED素子に断線が発生していると判断する
ことを特徴とする請求項1に記載のLEDドライバシステム。
【請求項5】
前記第1の判断値および前記第2の判断値は、接地電圧であることを特徴とする請求項4に記載のLEDドライバシステム。
【請求項6】
前記第1および第3のオンデューティは、100%のオンデューティであることを特徴とする請求項1に記載のLEDドライバシステム。
【請求項7】
リレーの一端が前記バッテリの正極に接続され、前記リレーの他端が前記第1のLED回路および前記第2のLED回路のアノード側に接続され、
前記リレーの他端と前記バッテリの負極との間に負荷が接続され、
前記第1のLED回路および前記第2のLED回路は、2輪車のヘッドランプのLEDであり、
前記負荷は、前記2輪車のエンジンの点火装置であることを特徴とする請求項1に記載のLEDドライバシステム。
【請求項8】
前記第1のスイッチ素子は、
前記第1のLED端子と前記接地端子との間に接続され、前記制御部によりゲート電圧が制御される第1のMOSトランジスタであり、
前記第2のスイッチ素子は、
前記第2のLED端子と前記接地端子との間に接続され、前記制御部によりゲート電圧が制御される第2のMOSトランジスタであり、
前記LEDドライバ回路は、
前記制御部により制御される第1の基準電圧を出力する第1の基準電圧回路と、
前記第1のスイッチ素子と前記接地端子との間に接続された第1の検出用抵抗と、
前記第1の基準電圧と、前記第1のスイッチ素子と前記第1の検出用抵抗との間の第1の検出電圧とを比較し、前記第1の基準電圧と前記第1の検出電圧とが等しくなるように、前記第1のMOSトランジスタを動作させる第1の制御信号を出力する第1のコンパレータと、
前記第1のコンパレータの出力と前記第1のMOSトランジスタのゲートとの間に接続された第1の制御用抵抗と、
前記制御部により制御される第2の基準電圧を出力する第2の基準電圧回路と、
前記第2のスイッチ素子と前記接地端子との間に接続された第2の検出用抵抗と、
前記第2の基準電圧と、前記第2のスイッチ素子と前記第2の検出用抵抗との間の第2の検出電圧とを比較し、前記第2の基準電圧と前記第2の検出電圧とが等しくなるように、前記第2のMOSトランジスタを動作させる第2の制御信号を出力する第2のコンパレータと、
前記第2のコンパレータの出力と前記第2のMOSトランジスタのゲートとの間に接続された第2の制御用抵抗と、をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1の端子電圧が前記第1の上限値未満の場合には、前記第1の制御信号により前記第1のオンデューティで前記第1のスイッチ素子が動作するように、前記第1の基準電圧を制御し、
前記第1の端子電圧が前記第1の上限値に達した場合には、前記第1の制御信号により前記第2のオンデューティで前記第1のスイッチ素子が動作するように、前記第1の基準電圧を制御し、
前記第2の端子電圧が予め設定された第2の上限値未満の場合には、前記第2の制御信号により前記第3のオンデューティで前記第2のスイッチ素子が動作するように、前記第2の基準電圧を制御し、
前記第2の端子電圧が前記第2の上限値に達した場合には、前記第2の制御信号により前記第4のオンデューティで前記第2のスイッチ素子が動作するように、前記第2の基準電圧を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のLEDドライバシステム。
【請求項9】
バッテリと、1つ又は直列に接続された複数のLED素子を有し且つ前記バッテリの正極にアノード側が接続された第1のLED回路と、1つ又は直列に接続された複数のLED素子を有し且つ前記バッテリの正極にアノード側が接続された第2のLED回路と、前記第1のLED回路と前記第2のLED回路とを駆動するLEDドライバ回路と、を備え、前記LEDドライバ回路は、前記第1のLED回路のカソード側が接続される第1のLED端子と、前記第2のLED回路のカソード側が接続される第2のLED端子と、前記バッテリの負極に接続される接地端子と、前記第1のLED端子と前記接地端子との間に接続された第1のスイッチ素子と、前記第2のLED端子と前記接地端子との間に接続された第2のスイッチ素子と、前記第1のLED端子の第1の端子電圧を検出する第1の電圧検出回路と、前記第2のLED端子の第2の端子電圧を検出する第2の電圧検出回路と、前記第1の端子電圧および前記第2の端子電圧に応じて、前記第1のスイッチ素子および前記第2のスイッチ素子を制御する制御部と、を備えたLEDドライバシステムの制御方法において、
前記LEDドライバシステムは、前記バッテリの正極と前記第1のLED端子との間で、ユーザによりオン/オフが切り替え可能な第1のLEDスイッチが、前記第1のLED回路と直列に接続されており、
前記バッテリの正極と前記第2のLED端子との間で、ユーザによりオン/オフが切り替え可能な第2のLEDスイッチが前記第2のLED回路と直列に接続されており、
前記制御部は、
前記第1のLEDスイッチがオンし且つ前記第1の端子電圧が予め設定された第1の上限値未満の場合には、第1のオンデューティで前記第1のスイッチ素子を制御し、
前記第1のLEDスイッチがオンし且つ前記第1のオンデューティで前記第1のスイッチ素子を制御しているときに前記第1の端子電圧が前記第1の上限値に達した場合には、前記第1のオンデューティより小さい第2のオンデューティで前記第1のスイッチ素子を制御し、
前記第2のLEDスイッチがオンし且つ前記第2の端子電圧が予め設定された第2の上限値未満の場合には、第3のオンデューティで前記第2のスイッチ素子を制御し、
前記第2のLEDスイッチがオンし且つ前記第3のオンデューティで前記第2のスイッチ素子を制御しているときに前記第2の端子電圧が前記第2の上限値に達した場合には、前記第3のオンデューティより小さい第4のオンデューティで前記第2のスイッチ素子を制御する
ことを特徴とするLEDドライバシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDドライバ回路、および、LEDドライバ回路の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直列に接続された複数のLED素子を有するLED回路を駆動するLEDドライバ回路がある(例えば、特開2008−218457号公報参照)。
【0003】
例えば、従来のLEDドライバ回路100aは、例えば、Hi側端子TIaを介して第1のLED回路LC1aにLED素子を点灯するための定電流を供給する第1の定電流電源(例えば、昇圧回路又は降圧回路)と、Lo側端子TIbを介して第2のLED回路LC2aにLED素子を点灯するための定電流を供給する第2の定電流電源(例えば、昇圧回路又は降圧回路)Ibと、第1、第2の定電流電源Ia、Ibを制御する制御部Xaと、第1、第2の定電流電源Ia、Ibおよび制御部Xaに電力を供給する電源Saとを備える(図2)。
【0004】
そして、バッテリBaの正極は、メインスイッチMSWa、及びバッテリ端子TBaを介して、電源Saに接続されている。また、バッテリBaの負極は、接地端子TGaを介して、制御部Xaに接続されている。
【0005】
また、バッテリBaの正極は、リレーREaを介して、負荷LOaの一端に接続され、バッテリBaの負極は、負荷LOaの他端に接続されている。
【0006】
そして、Hi側端子TIa(第1の定電流電源Iaの出力)と接地端子TGaとの間で、ユーザによりオン/オフが切り替え可能な第1のLEDスイッチLS1aが、第1のLED回路LC1aと直列に接続されている。
【0007】
同様に、Lo側端子TIb(第2の定電流電源Ibの出力)と接地端子TGaとの間で、ユーザによりオン/オフが切り替え可能な第2のLEDスイッチLS2aが、第2のLED回路LC2aと直列に接続されている。
【0008】
なお、これらの第1のLED回路LC1aと、第2のLED回路LC1bと、第1のLEDスイッチLS1aと、第2のLEDスイッチLS2aとにより、ヘッドランプユニット101aが構成される。
【0009】
そして、スイッチ検出部Daは、第1、第2のLEDスイッチLS1a、LS2aのユーザによる切り替え(オン/オフ)の状態を検出し、この検出結果をスイッチ切り替え情報端子TD1、TD2を介して、制御部Xaに出力する。
【0010】
ここで、この従来のLEDドライバ回路100aにおいて、制御部Xaは、スイッチ検出部Daが検出した第1、第2のLEDスイッチLS1a、LS2aから出力されたユーザによる切り替え(オン/オフ)の状態の検出結果(外部信号)に基づいて、第1、第2の定電流電源Ia、IbによりLED素子に定電流を供給する制御を行っている。
【0011】
そして、この制御部Xaによる電流の供給の制御により、ヘッドランプユニット101aのHighビーム/Lowビームの切り替え(すなわち、第1、第2のLED回路LC1a、LC2aの点灯/消灯の制御)が実行される。
【0012】
また、従来、定電流電源の出力を制御するトランジスタの加熱保護をする加熱保護回路がある(例えば、特開2010−277226号公報参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
既述のように、従来のLEDドライバ回路は、昇圧回路又は降圧回路等の第1、第2の定電流電源が必要になる。さらに、従来のLEDドライバ回路100aにおいては、スイッチ検出部Daおよび第1、第2のLED回路LC1a、LC2aに直列に接続された第1、第2のLEDスイッチLS1a、LS2aのオン/オフの切り替えの情報(外部信号)が必要になる。すなわち、従来のLEDドライバ回路100aは、外部信号用の端子、配線が必要になる。
【0014】
このように、従来のLEDドライバ回路100aは、回路面積や製造コストが増大する問題がある。
【0015】
さらに、既述の加熱保護回路は、LED素子の電圧に応じて、トランジスタを保護するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様に係る実施例に従ったLEDドライバ回路は、
1つ又は直列に接続された複数のLED素子を有し且つバッテリの正極にアノード側が接続された第1のLED回路と、1つ又は直列に接続された複数のLED素子を有し且つ前記バッテリの正極にアノード側が接続された第2のLED回路と、を駆動するLEDドライバ回路であって、
前記第1のLED回路のカソード側が接続される第1のLED端子と、
前記第2のLED回路のカソード側が接続される第2のLED端子と、
前記バッテリの負極に接続される接地端子と、
前記第1のLED端子と前記接地端子との間に接続された第1のスイッチ素子と、
前記第2のLED端子と前記接地端子との間に接続された第2のスイッチ素子と、
前記第1のLED端子の第1の端子電圧を検出する第1の電圧検出回路と、
前記第2のLED端子の第2の端子電圧を検出する第2の電圧検出回路と、
前記第1の端子電圧および前記第2の端子電圧に応じて、前記第1のスイッチ素子および前記第2のスイッチ素子を制御する制御部と、を備え、
前記バッテリの正極と前記第1のLED端子との間で、ユーザによりオン/オフが切り替え可能な第1のLEDスイッチが、前記第1のLED回路と直列に接続されており、
前記制御部は、
前記第1の端子電圧が予め設定された第1の上限値未満の場合には、第1のオンデューティで前記第1のスイッチ素子を制御し、
前記第1の端子電圧が前記第1の上限値に達した場合には、前記第1のオンデューティより小さい第2のオンデューティで前記第1のスイッチ素子を制御し、
前記第2の端子電圧が予め設定された第2の上限値未満の場合には、第3のオンデューティで前記第2のスイッチ素子を制御し、
前記第2の端子電圧が前記第2の上限値に達した場合には、前記第3のオンデューティより小さい第4のオンデューティで前記第2のスイッチ素子を制御する。
【0017】
前記LEDドライバ回路において、
前記バッテリのバッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出回路をさらに備え、
前記制御部は、
前記バッテリ電圧と前記第1の端子電圧との第1の電位差が、第1の規定値以下である場合には、前記第1のスイッチ素子のオンデューティを低下させ、
また、前記バッテリ電圧と前記第2の端子電圧との第2の電位差が、第2の規定値以下である場合には、前記第2のスイッチ素子のオンデューティを低下させるようにしてもよい。
【0018】
前記LEDドライバ回路において、
前記制御部は、
前記第1の電位差が、前記第1の規定値よりも低い第3の規定値以下である場合には、前記第1のスイッチ素子をオフし、
前記第2の電位差が、前記第2の規定値よりも低い第4の規定値以下である場合には、前記第2のスイッチ素子をオフするようにしてもよい。
【0019】
前記LEDドライバ回路において、
前記制御部は、
前記第1の端子電圧が予め設定された第1の判断値以下である場合には、前記第1のLED回路のLED素子に断線が発生していると判断し、
前記第2の端子電圧が予め設定された第2の判断値以下である場合には、前記第2のLED回路のLED素子に断線が発生していると判断するようにしてもよい。
【0020】
前記LEDドライバ回路において、
前記第1の判断値および前記第2の判断値は、接地電圧であるようにしてもよい。
【0021】
前記LEDドライバ回路において、
前記第1および第3のオンデューティは、100%のオンデューティであるようにしてもよい。
【0022】
前記LEDドライバ回路において、
前記バッテリの正極と前記第2のLED端子との間で、ユーザによりオン/オフが切り替え可能な第2のLEDスイッチが前記第2のLED回路と直列に接続されているようにしてもよい。
【0023】
前記LEDドライバ回路において、
リレーの一端が前記バッテリの正極に接続され、前記リレーの他端が前記第1のLED回路および前記第2のLED回路のアノード側に接続され、
前記リレーの他端と前記バッテリの負極との間に負荷が接続され、
前記第1のLED回路および前記第2のLED回路は、2輪車のヘッドランプのLEDであり、
前記負荷は、前記2輪車のエンジンの点火装置であるようにしてもよい。
【0024】
前記LEDドライバ回路において、
前記第1のスイッチ素子は、
前記第1のLED端子と前記接地端子との間に接続され、前記制御部によりゲート電圧が制御される第1のMOSトランジスタであり、
前記第2のスイッチ素子は、
前記第2のLED端子と前記接地端子との間に接続され、前記制御部によりゲート電圧が制御される第2のMOSトランジスタであり、
前記LEDドライバ回路は、
前記制御部により制御される第1の基準電圧を出力する第1の基準電圧回路と、
前記第1のスイッチ素子と前記接地端子との間に接続された第1の検出用抵抗と、
前記第1の基準電圧と、前記第1のスイッチ素子と前記第1の検出用抵抗との間の第1の検出電圧とを比較し、前記第1の基準電圧と前記第1の検出電圧とが等しくなるように、前記第1のMOSトランジスタを動作させる第1の制御信号を出力する第1のコンパレータと、
前記第1のコンパレータの出力と前記第1のMOSトランジスタのゲートとの間に接続された第1の制御用抵抗と、
前記制御部により制御される第2の基準電圧を出力する第2の基準電圧回路と、
前記第2のスイッチ素子と前記接地端子との間に接続された第2の検出用抵抗と、
前記第2の基準電圧と、前記第2のスイッチ素子と前記第2の検出用抵抗との間の第2の検出電圧とを比較し、前記第2の基準電圧と前記第2の検出電圧とが等しくなるように、前記第2のMOSトランジスタを動作させる第2の制御信号を出力する第2のコンパレータと、
前記第2のコンパレータの出力と前記第2のMOSトランジスタのゲートとの間に接続された第2の制御用抵抗と、をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1の端子電圧が前記第1の上限値未満の場合には、前記第1の制御信号により前記第1のオンデューティで前記第1のスイッチ素子が動作するように、前記第1の基準電圧を制御し、
前記第1の端子電圧が前記第1の上限値に達した場合には、前記第1の制御信号により前記第2のオンデューティで前記第1のスイッチ素子が動作するように、前記第1の基準電圧を制御し、
前記第2の端子電圧が予め設定された第2の上限値未満の場合には、前記第2の制御信号により前記第3のオンデューティで前記第2のスイッチ素子が動作するように、前記第2の基準電圧を制御し、
前記第2の端子電圧が前記第2の上限値に達した場合には、前記第2の制御信号により前記第4のオンデューティで前記第2のスイッチ素子が動作するように、前記第2の基準電圧を制御するようにしてもよい。
【0025】
本発明の一態様に係る実施例に従ったLEDドライバ回路の制御方法は、
1つ又は直列に接続された複数のLED素子を有し且つバッテリの正極にアノード側が接続された第1のLED回路と、1つ又は直列に接続された複数のLED素子を有し且つ前記バッテリの正極にアノード側が接続された第2のLED回路と、を駆動するLEDドライバ回路であって、前記第1のLED回路のカソード側が接続される第1のLED端子と、前記第2のLED回路のカソード側が接続される第2のLED端子と、前記バッテリの負極に接続される接地端子と、前記第1のLED端子と前記接地端子との間に接続された第1のスイッチ素子と、前記第2のLED端子と前記接地端子との間に接続された第2のスイッチ素子と、前記第1のLED端子の第1の端子電圧を検出する第1の電圧検出回路と、前記第2のLED端子の第2の端子電圧を検出する第2の電圧検出回路と、前記第1の端子電圧および前記第2の端子電圧に応じて、前記第1のスイッチ素子および前記第2のスイッチ素子を制御する制御部と、を備えたLEDドライバ回路の制御方法において、
前記バッテリの正極と前記第1のLED端子との間で、ユーザによりオン/オフが切り替え可能な第1のLEDスイッチが、前記第1のLED回路と直列に接続されており、
前記制御部は、
前記第1の端子電圧が予め設定された第1の上限値未満の場合には、第1のオンデューティで前記第1のスイッチ素子を制御し、
前記第1の端子電圧が前記第1の上限値に達した場合には、前記第1のオンデューティより小さい第2のオンデューティで前記第1のスイッチ素子を制御し、
前記第2の端子電圧が予め設定された第2の上限値未満の場合には、第3のオンデューティで前記第2のスイッチ素子を制御し、
前記第2の端子電圧が前記第2の上限値に達した場合には、前記第3のオンデューティより小さい第4のオンデューティで前記第2のスイッチ素子を制御する。
【0026】
本発明の一態様に係るLEDドライバ回路は、第1のLED端子と接地端子との間に接続された第1のスイッチ素子と、第2のLED端子と接地端子との間に接続された第2のスイッチ素子と、第1のLED端子の第1の端子電圧を検出する第1の電圧検出回路と、第2のLED端子の第2の端子電圧を検出する第2の電圧検出回路と、第1の端子電圧および第2の端子電圧に応じて、第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子を制御する制御部と、を備える。
【0027】
そして、バッテリの正極と第1のLED端子との間で、ユーザによりオン/オフが切り替え可能な第1のLEDスイッチが、第1のLED回路と直列に接続されている。
【0028】
そして、制御部は、第1の端子電圧が予め設定された第1の上限値未満の場合には、第1のオンデューティで第1のスイッチ素子を制御し、第1の端子電圧が第1の上限値に達した場合には、第1のオンデューティより小さい第2のオンデューティで第1のスイッチ素子を制御し、第2の端子電圧が予め設定された第2の上限値未満の場合には、第3のオンデューティで第2のスイッチ素子を制御し、第2の端子電圧が第2の上限値に達した場合には、第3のオンデューティより小さい第4のオンデューティで第2のスイッチ素子を制御する。
【0029】
これにより、本発明に係るLEDドライバ回路は、スイッチ切り替えの情報が不要になるので、外部信号が不要になる。また、定電流電源が不要になる。
【0030】
すなわち、LEDドライバ回路の端子、配線等を削減することができる。
【0031】
さらに、本発明に係るLEDドライバ回路は、バッテリ異常時等で、過電圧となった場合に、LED素子の光度は、低下するが、急に消灯するのを抑制しつつ、MOSトランジスタの発熱を抑制することができる。
【0032】
さらに、制御部は、バッテリ電圧と第1の端子電圧との第1の電位差が、第1の規定値以下である場合には、第1のスイッチ素子のオンデューティを低下させ、また、バッテリ電圧と第2の端子電圧との第2の電位差が、第2の規定値以下である場合には、第2のスイッチ素子のオンデューティを低下させる。
【0033】
これにより、バッテリ電圧とLED端子の電圧との電位差が規定値以下の場合(すなわち、LED素子の少なくともいずれかがショートした場合)に、スイッチ素子(MOSトランジスタ)のオンデューティを低下させて、スイッチ素子(MOSトランジスタ)の発熱を抑制させることができる。
【0034】
さらに、制御部は、第1の端子電圧が予め設定された第1の判断値以下である場合には、第1のLED回路のLED素子に断線が発生していると判断し、第2の端子電圧が予め設定された第2の判断値以下である場合には、第2のLED回路のLED素子に断線が発生していると判断する。
【0035】
これにより、Lo、HiのLED端子の電圧がゼロ(判断値以下)である場合には、HighビームまたはLowビームのLED素子に、断線が発生したと判断できる。
【0036】
このように、例えば、2輪車のヘッドランプにおいて、HighビームまたはLowビームの断線を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、第1の実施形態に係るLEDドライバ回路100を含むシステム1000の回路構成の一例を示す図である。
図2図2は、従来のLEDドライバ回路100aを含むシステム1000aの回路構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【第1の実施形態】
【0039】
第1の実施形態に係るシステム1000において、LEDドライバ回路100は、1つ又は直列に接続された複数のLED素子を有する第1、第2のLED回路LC1、LC2を駆動するようになっている(図1)。
【0040】
ここで、バッテリBの正極BPは、メインスイッチMSW、バッテリ端子TBを介して、制御部Xに接続されている。また、バッテリBの負極BNは、接地端子TGを介して、制御部Xに接続されている。すなわち、制御部Xは、バッテリ端子TBと接地端子TGとの間に接続され、バッテリBから供給される電力により駆動するようになっている。
【0041】
そして、第1のLED回路LC1は、1つ又は直列に接続された複数のLED素子を有し且つバッテリBの正極BPにアノード側が接続されている。
【0042】
そして、第2のLED回路LC2は、1つ又は直列に接続された複数のLED素子を有し且つバッテリBの正極BPにアノード側が接続されている。
【0043】
なお、これらの第1のLED回路LC1および第2のLED回路LC2は、例えば、2輪車のヘッドランプのLEDである。そして、例えば、第1のLED回路LC1のLED素子は、LowビームのLED素子であり、第2のLED回路LC2のLED素子は、HiビームのLED素子である。
【0044】
また、バッテリBの正極BPと第1のLED端子TL1との間で、ユーザによりオン/オフが切り替え可能な第1のLEDスイッチLS1が、第1のLED回路LC1と直列に接続されている。
【0045】
この第1のLEDスイッチLS1がユーザによりオンに制御されることにより、第1のLED回路LC1に流れる電流が流れる状態になる。一方、第1のLEDスイッチLS1がユーザによりオフに制御されることにより、第1のLED回路LC1に流れる電流が遮断された状態になる。
【0046】
また、バッテリBの正極BPと第2のLED端子TL2との間で、ユーザによりオン/オフが切り替え可能な第2のLEDスイッチLS2が、第2のLED回路LC2と直列に接続されている。
【0047】
この第2のLEDスイッチLS2がユーザによりオンに制御されることにより、第2のLED回路LC2に流れる電流が流れる状態になる。一方、第2のLEDスイッチLS2がユーザによりオフに制御されることにより、第2のLED回路LC2に流れる電流が遮断された状態になる。
【0048】
なお、これらの第1のLED回路LC1と、第2のLED回路LC2と、第1のLEDスイッチLS1と、第2のLEDスイッチLS2とにより、2輪車のヘッドランプユニット101が構成される。
【0049】
メインスイッチMSWは、ユーザによりオン/オフが切り替え可能になっている。
また、バッテリBの正極BPと、第1のLED回路LC1のアノード側および第2のLED回路LC2のアノード側との間に、リレーREが接続されている。すなわち、リレーREの一端がバッテリの正極BPに接続され、リレーREの他端が第1のLED回路LC1および第2のLED回路LC2のアノード側に接続されている。
【0050】
なお、メインスイッチMSWがオンすることにより、このリレーREのコイルに電流が流れて、リレーREがオンするようになっている。
【0051】
また、リレーREとバッテリBの負極BNとの間に負荷LOが接続されている。この負荷LOは、例えば、2輪車のエンジンの点火装置である。
【0052】
ここで、図1に示すように、LEDドライバ回路100は、1つ又は直列に接続された複数のLED素子を有し且つバッテリBの正極BPにアノード側が接続された第1のLED回路LC1と、1つ又は直列に接続された複数のLED素子を有し且つバッテリBの正極BPにアノード側が接続された第2のLED回路LC2と、を駆動する。
【0053】
このLEDドライバ回路100は、第1のLED回路LC1のカソード側が接続される第1のLED端子TL1と、第2のLED回路LC2のカソード側が接続される第2のLED端子TL2と、を備える。
【0054】
また、LEDドライバ回路100は、バッテリBの負極BNに接続される接地端子TGと、メインスイッチMSWを介してバッテリBの正極BPに接続されるバッテリ端子TBと、リレーREを介してバッテリBの正極BPに接続される電圧検出端子TDと、を備える。
【0055】
また、LEDドライバ回路100は、第1のLED端子TL1と接地端子TGとの間に接続された第1のスイッチ素子SW1と、第2のLED端子TL2と接地端子TGとの間に接続された第2のスイッチ素子SW2と、を備える。
【0056】
また、LEDドライバ回路100は、第1のLED端子TL1の第1の端子電圧を検出する第1の電圧検出回路VD1と、第2のLED端子TL2の第2の端子電圧を検出する第2の電圧検出回路VD2と、バッテリBのバッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出回路VDBと、を備える。
【0057】
なお、バッテリ電圧検出回路VDBは、例えば、電圧検出端子TDの電圧を検出することにより、バッテリBのバッテリ電圧を検出する。
【0058】
ここで、既述のように、電圧検出端子TDは、リレーREを介して、バッテリBの正極BPに接続されている。したがって、リレーREがオンすることにより、電圧検出端子TDにバッテリBのバッテリ電圧が供給されることとなる。そこで、バッテリ電圧検出回路VDBは、この電圧検出端子TDの電圧を検出することにより、バッテリBのバッテリ電圧を検出することができる。
【0059】
また、LEDドライバ回路100は、第1の端子電圧および第2の端子電圧に応じて、第1のスイッチ素子SW1および第2のスイッチ素子SW2を制御する制御部Xを備える。この制御部Xは、バッテリ端子TBと接地端子TGとの間に接続され、メインスイッチMSWがオンすることによりバッテリBから電力が供給されて動作する。
【0060】
ここで、第1のスイッチ素子SW1は、図1に示すように、第1のLED端子TL1と接地端子TGとの間に接続され、制御部Xによりゲート電圧が制御される第1のMOSトランジスタM1である。また、第2のスイッチ素子SW2は、図1に示すように、第2のLED端子TL2と接地端子TGとの間に接続され、制御部Xによりゲート電圧が制御される第2のMOSトランジスタM2である。
【0061】
また、LEDドライバ回路100は、制御部Xにより制御される第1の基準電圧を出力する第1の基準電圧回路VR1と、第1のスイッチ素子SW1と接地端子TGとの間に接続された第1の検出用抵抗R1と、を備える。さらに、LEDドライバ回路100は、第1の基準電圧と、第1のスイッチ素子SW1と第1の検出用抵抗R1との間の第1の検出電圧とを比較し、第1の基準電圧と第1の検出電圧とが等しくなるように、第1のMOSトランジスタM1を動作させる第1の制御信号を出力する第1のコンパレータCON1と、第1のコンパレータCON1の出力と第1のMOSトランジスタM1のゲートとの間に接続された第1の制御用抵抗Raとを備える。
【0062】
なお、制御部Xは、第1の端子電圧に基づいて、上述の第1の基準電圧を制御することにより、第1のコンパレータCON1が出力し且つ第1のMOSトランジスタM1のゲートに供給される第1の制御信号を制御する。すなわち、制御部Xは、第1の基準電圧を制御することにより、第1のMOSトランジスタM1のゲート電圧を制御するようになっている。
【0063】
また、LEDドライバ回路100は、制御部Xにより制御される第2の基準電圧を出力する第2の基準電圧回路VR2と、第2のスイッチ素子SW2と接地端子TGとの間に接続された第2の検出用抵抗R2と、を備える。さらに、LEDドライバ回路100は、第2の基準電圧と、第2のスイッチ素子SW2と第2の検出用抵抗R2との間の第2の検出電圧とを比較し、第2の基準電圧と第2の検出電圧とが等しくなるように、第2のMOSトランジスタM2を動作させる第2の制御信号を出力する第2のコンパレータCON2と、第2のコンパレータCON2の出力と第2のMOSトランジスタM2のゲートとの間に接続された第2の制御用抵抗Rbと、をさらに備える。
【0064】
なお、制御部Xは、第2の端子電圧に基づいて、上述の第2の基準電圧を制御することにより、第2のコンパレータCON2が出力し且つ第2のMOSトランジスタM2のゲートに供給される第2の制御信号を制御する。すなわち、制御部Xは、第2の基準電圧を制御することにより、第2のMOSトランジスタM2のゲート電圧を制御するようになっている。
【0065】
また、制御部Xは、第1の端子電圧が予め設定された第1の上限値未満の場合には、第1の基準電圧を制御することにより、第1の制御信号により第1のオンデューティで第1のスイッチ素子SW1を制御する。なお、この第1のオンデューティは、例えば、100%のオンデューティである。
【0066】
また、制御部Xは、第1の端子電圧が第1の上限値に達した場合には、第1の基準電圧を制御することにより、第1の制御信号により上記第1のオンデューティより小さい第2のオンデューティで第1のスイッチ素子SW1を制御する。
【0067】
また、制御部Xは、第2の端子電圧が予め設定された第2の上限値未満の場合には、第2の基準電圧を制御することにより、第2の制御信号により第3のオンデューティで第2のスイッチ素子SW2を制御する。なお、この第3のオンデューティは、例えば、100%のオンデューティである。
【0068】
また、制御部Xは、第2の端子電圧が第2の上限値に達した場合には、第2の基準電圧を制御することにより、第2の制御信号により上記第3のオンデューティより小さい第4のオンデューティで第2のスイッチ素子SW2を制御する。
【0069】
これにより、LEDドライバ回路100は、スイッチ切り替えの情報が不要になるので、外部信号が不要になる。また、定電流電源が不要になる。
【0070】
すなわち、LEDドライバ回路100の端子、配線等を削減することができる。
【0071】
さらに、LEDドライバ回路100は、バッテリ異常時等で、過電圧となった場合に、LED素子の光度は、低下するが、急に消灯するのを抑制しつつ、MOSトランジスタの発熱を抑制することができる。
【0072】
また、制御部Xは、バッテリ電圧と第1の端子電圧との第1の電位差が、第1の規定値以下である場合には、第1の基準電圧を制御することにより、第1のスイッチ素子SW1のオンデューティを低下させる。
【0073】
なお、この第1の規定値は、例えば、第1のLEDスイッチLS1がオンし且つ第1のLED回路LC1のLED素子の何れかがショートしている場合における第1のLED端子TL1と電圧検出端子TDとの間の電位差に設定される。
【0074】
また、制御部Xは、バッテリ電圧と第2の端子電圧との第2の電位差が、第2の規定値以下である場合には、第2の基準電圧を制御することにより、第2のスイッチ素子SW2のオンデューティを低下させる。
【0075】
なお、この第2の規定値は、例えば、第2のLEDスイッチLS2がオンし且つ第2のLED回路LC2のLED素子の何れかがショートしている場合における第2のLED端子TL2と電圧検出端子TDとの間の電位差に設定される。
【0076】
これにより、バッテリ電圧とLED端子の電圧との電位差が規定値以下の場合(すなわち、LED素子の少なくともいずれかがショートした場合等)に、スイッチ素子(MOSトランジスタ)のオンデューティを低下させて、スイッチ素子(MOSトランジスタ)の発熱を抑制させることができる。
【0077】
特に、制御部Xは、既述の第1の電位差が、第1の規定値よりも低い第3の規定値以下である場合には、第1のスイッチ素子SW1をオフするように制御してもよい。
【0078】
同様に、制御部Xは、既述の第2の電位差が、第2の規定値よりも低い第4の規定値以下である場合には、第2のスイッチ素子SW2をオフするように制御してもよい。
【0079】
これにより、バッテリ電圧とLED端子の電圧との電位差が規定値以下の場合(すなわち、LED素子の少なくともいずれかがショートした場合)に、スイッチ素子(MOSトランジスタ)をオフさせて、スイッチ素子(MOSトランジスタ)の発熱をより確実に抑制させることができる。
【0080】
ここで、第1のLED回路LC1のLED素子に断線が発生した場合、バッテリBの正極BPと第1のLED端子TL1との間は、遮断される。すなわち、第1のLED端子TL1の第1の端子電圧は、バッテリBの負極BNの電圧(接地電圧)になる。
【0081】
そこで、制御部Xは、既述の第1の端子電圧が予め設定された第1の判断値以下である場合には、第1のLED回路LC1のLED素子に断線が発生していると判断する。なお、この第1の判断値は、例えば、接地電圧(バッテリBの負極BNの電圧)である。
【0082】
同様に、第2のLED回路LC2のLED素子に断線が発生した場合、バッテリBの正極BPと第2のLED端子TL2との間は、遮断される。すなわち、第2のLED端子TL2の第2の端子電圧は、バッテリBの負極BNの電圧(接地電圧)になる。
【0083】
そこで、制御部Xは、既述の第2の端子電圧が予め設定された第2の判断値以下である場合には、第2のLED回路LC2のLED素子に断線が発生していると判断する。なお、この第2の判断値は、例えば、接地電圧(バッテリBの負極BNの電圧)である。
【0084】
このように、制御部Xは、第1の端子電圧および第2の端子電圧に基づいて、LED素子の断線を検出することができる。すなわち、LEDドライバ回路100は、例えば、2輪車のヘッドランプにおいて、HighビームまたはLowビームの断線を検出することができる。
【0085】
次に、以上のような構成を有するLEDドライバ回路100の制御方法の一例について説明する。
【0086】
まず、例えば、ユーザによりメインスイッチMSWがオンに切り替えられることにより、制御部Xは、バッテリBから電力が供給されて動作(起動)する。
【0087】
このメインスイッチMSWがオンすることにより、リレーREがオンする。これにより、バッテリBからヘッドランプユニット101に電力が供給可能な状態になる。このとき、第1、第2のLEDスイッチLS1がオフしているとすると、第1、第2のLED回路LC1、LC2には、電流が流れない。
【0088】
このとき、第1の端子電圧は、接地電圧、すなわち、第1の上限値未満になる。さらに、第2の端子電圧は、接地電圧、すなわち、第2の上限値未満となる。
【0089】
そして、制御部Xは、第1の端子電圧が予め設定された第1の上限値未満であるので、第1の基準電圧を制御することにより、第1の制御信号により第1のオンデューティ(例えば、100%のオンデューティ)で第1のスイッチ素子SW1を制御する。
【0090】
さらに、制御部Xは、第2の端子電圧が予め設定された第2の上限値未満であるので、第2の基準電圧を制御することにより、第2の制御信号により第3のオンデューティ(例えば、100%のオンデューティ)で第2のスイッチ素子SW2を制御する。
【0091】
その後、例えば、ユーザにより第1のLEDスイッチLS1がオンに切り替えられるとする。このとき、第1のスイッチ素子SW1が第1のオンデューティで制御されているため、第1のLED回路LC1に所定の電流が流れて、LED素子が発光することとなる。
【0092】
一方、ユーザにより第2のLEDスイッチLS2がオンに切り替えられるとする。このとき、第2のスイッチ素子SW2が第3のオンデューティで制御されているため、第2のLED回路LC2に所定の電流が流れて、LED素子が発光することとなる。
【0093】
このように、LEDドライバ回路100は、スイッチ切り替えの情報が不要になるので、外部信号が不要になる。また、定電流電源が不要になる。
【0094】
その後、例えば、バッテリ異常時等で、過電圧となった場合、第1の端子電圧は、第1の上限値に達し、第2の端子電圧は、第2の上限値に達することとなる。
【0095】
このとき、制御部Xは、第1の端子電圧が第1の上限値に達しているので、第1の基準電圧を制御することにより、第1の制御信号により上記第1のオンデューティより小さい第2のオンデューティで第1のスイッチ素子SW1を制御する。
【0096】
これにより、第1のスイッチ素子SW1(第1のMOSトランジスタM1)に流れる電流が制限されて、第1のスイッチ素子SW1における発熱が抑制される。
【0097】
さらに、制御部Xは、第2の端子電圧が第2の上限値に達しているので、第2の基準電圧を制御することにより、第2の制御信号により上記第3のオンデューティより小さい第4のオンデューティで第2のスイッチ素子SW2を制御する。
【0098】
これにより、第2のスイッチ素子SW2(第2のMOSトランジスタM2)に流れる電流が制限されて、第2のスイッチ素子SW2における発熱が抑制される。
【0099】
これにより、LEDドライバ回路100は、バッテリ異常時等で、過電圧となった場合に、LED素子の光度は、低下するが、急に消灯するのを抑制しつつ、スイッチ素子(MOSトランジスタ)の発熱を抑制することができる。
【0100】
また、例えば、第1のLED回路LC1のLED素子の何れかがショートすると、バッテリ電圧と第1の端子電圧との第1の電位差が、第1の規定値以下になる。このとき、制御部Xは、バッテリ電圧と第1の端子電圧との第1の電位差が、第1の規定値以下であるので、第1の基準電圧を制御することにより、第1のスイッチ素子SW1のオンデューティを低下させる。
【0101】
また、例えば、第2のLED回路LC2のLED素子の何れかがショートすると、バッテリ電圧と第2の端子電圧との第2の電位差が、第2の規定値以下になる。このとき、制御部Xは、バッテリ電圧と第2の端子電圧との第2の電位差が、第2の規定値以下であるので、第2の基準電圧を制御することにより、第2のスイッチ素子SW2のオンデューティを低下させる。
【0102】
これにより、スイッチ素子(MOSトランジスタ)の発熱を抑制させることができる。
【0103】
以降、同様の動作が繰り返される。
【0104】
以上のように、本発明の一態様に係るLEDドライバ回路100は、第1のLED端子TL1と接地端子TGとの間に接続された第1のスイッチ素子SW1と、第2のLED端子TL2と接地端子TGとの間に接続された第2のスイッチ素子SW2と、第1のLED端子TL1の第1の端子電圧を検出する第1の電圧検出回路VD1と、第2のLED端子TL2の第2の端子電圧を検出する第2の電圧検出回路VD2と、第1の端子電圧および第2の端子電圧に応じて、第1のスイッチ素子SW1および第2のスイッチ素子SW2を制御する制御部Xと、を備える。
【0105】
そして、バッテリの正極BPと第1のLED端子TL1との間で、ユーザによりオン/オフが切り替え可能な第1のLEDスイッチが、第1のLED回路LC1と直列に接続されている。
【0106】
そして、制御部Xは、第1の端子電圧が予め設定された第1の上限値未満の場合には、第1のオンデューティで第1のスイッチ素子SW1を制御し、第1の端子電圧が第1の上限値に達した場合には、第1のオンデューティより小さい第2のオンデューティで第1のスイッチ素子SW1を制御し、第2の端子電圧が予め設定された第2の上限値未満の場合には、第3のオンデューティで第2のスイッチ素子SW2を制御し、第2の端子電圧が第2の上限値に達した場合には、第3のオンデューティより小さい第4のオンデューティで第2のスイッチ素子SW2を制御する。
【0107】
これにより、本発明に係るLEDドライバ回路100は、スイッチ切り替えの情報が不要になるので、外部信号が不要になる。また、定電流電源が不要になる。
【0108】
すなわち、LEDドライバ回路100の端子、配線等を削減することができる。
【0109】
さらに、本発明に係るLEDドライバ回路100は、バッテリ異常時等で、過電圧となった場合に、LED素子の光度は、低下するが、急に消灯するのを抑制しつつ、MOSトランジスタの発熱を抑制することができる。
【0110】
さらに、制御部Xは、バッテリ電圧と第1の端子電圧との第1の電位差が、第1の規定値以下である場合には、第1のスイッチ素子SW1のオンデューティを低下させ、また、バッテリ電圧と第2の端子電圧との第2の電位差が、第2の規定値以下である場合には、第2のスイッチ素子SW2のオンデューティを低下させる。
【0111】
これにより、バッテリ電圧とLED端子の電圧との電位差が規定値以下の場合(すなわち、LED素子の少なくともいずれかがショートした場合)に、スイッチ素子(MOSトランジスタ)のオンデューティを低下させて、スイッチ素子(MOSトランジスタ)の発熱を抑制させることができる。
【0112】
さらに、制御部Xは、第1の端子電圧が予め設定された第1の判断値以下である場合には、第1のLED回路LC1のLED素子に断線が発生していると判断し、第2の端子電圧が予め設定された第2の判断値以下である場合には、第2のLED回路LC2のLED素子に断線が発生していると判断する。
【0113】
これにより、Lo、HiのLED端子の電圧がゼロ(判断値以下)である場合には、HighビームまたはLowビームのLED素子に、断線が発生したと判断できる。
【0114】
このように、LEDドライバ回路100は、例えば、2輪車のヘッドランプにおいて、HighビームまたはLowビームの断線を検出することができる。
【0115】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
図1
図2