特許第5897801号(P5897801)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5897801上り回線容量を増加させるためにチャネル品質インジケータフィードバック期間を調整する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5897801
(24)【登録日】2016年3月11日
(45)【発行日】2016年3月30日
(54)【発明の名称】上り回線容量を増加させるためにチャネル品質インジケータフィードバック期間を調整する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20160317BHJP
【FI】
   H04W24/10
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-11955(P2011-11955)
(22)【出願日】2011年1月24日
(62)【分割の表示】特願2008-528036(P2008-528036)の分割
【原出願日】2006年8月22日
(65)【公開番号】特開2011-91861(P2011-91861A)
(43)【公開日】2011年5月6日
【審査請求日】2011年2月23日
【審判番号】不服2014-22790(P2014-22790/J1)
【審判請求日】2014年11月7日
(31)【優先権主張番号】60/710,986
(32)【優先日】2005年8月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596008622
【氏名又は名称】インターデイジタル テクノロジー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(74)【復代理人】
【識別番号】100115624
【弁理士】
【氏名又は名称】濱中 淳宏
(72)【発明者】
【氏名】ポール マリニエール
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス アール.カスター
【合議体】
【審判長】 近藤 聡
【審判官】 梅本 章子
【審判官】 佐藤 智康
(56)【参考文献】
【文献】 ”Fast CQI Requesting”,TSG−RAN Working Group 1 #29 Tdoc R1−02−1296,2002.11.08,pp.1−5
【文献】 ”E−SCCH for absolute scheduling grant signalling”,3GPP TSG RAN WG1 #38bis R1−041140,2004.10.24,pp.1−2
【文献】 ”UL overhead reduction by using DL activity dependent CQI reporting”,3GPP TSG−RAN WG1#28 R1−02−1069,2002.08.22,pp.1−3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネル品質インジケータ(CQI)フィードバック期間を調整する方法であって、
基地局、CQI構成情報を含む無線リソース制御(RRC)シグナリング信するステップであって、前記CQI構成情報は、CQIフィードバックを報告するための周期を示す第1の期間を含む、ステップと、
前記基地局が、前記第1の期間に従って無線送受信ユニット(WTRU)が送信したCQI情報を信するステップと、
前記基地局が、物理レイヤ下り回線制御チャネルを介して、CQIフィードバックを報告するための前記周期を変更するCQIコマンド、および、該WTRUに関連付けられたWTRU識別でマスクされた巡回冗長検査(CRC)を含む情を送信するステップと、
前記基地局が、受信された前記RRCシグナリングに含まれる前記CQI構成情報に含まれる前記第1の期間で示された周期の代わりに、前記物理レイヤ下り回線制御チャネルを介して送信された前記CQIコマンドに応じた前記変更された周期に従って、前記WTRUにより送信されたCQI情報を信するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記物理レイヤ下り回線制御チャネルを介して送信された前記CQIコマンドを示す情報は、前記CQIコマンドを示す単一ビットを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
基地局であって、
ャネル品質インジケータ(CQI)構成情報を含む無線リソース制御(RRC)シグナリング信するように構成された少なくとも1つのコンポーネントを備え、前記CQI構成情報は、CQIフィードバックを報告するための周期を示す第1の期間を含み、
前記少なくとも1つのコンポーネントは、前記第1の期間に従って無線送受信ユニット(WTRU)が送信したCQI情報を信するようにさらに構成され、
前記少なくとも1つのコンポーネントは、物理レイヤ下り回線制御チャネルを介して、CQIフィードバックを報告するための前記周期を変更するCQIコマンド、および、該WTRUに関連付けられたWTRU識別でマスクされた巡回冗長検査(CRC)を含む情を送信するようにさらに構成され、
前記少なくとも1つのコンポーネントは、受信された前記RRCシグナリングに含まれる前記CQI構成情報に含まれる前記第1の期間で示された周期の代わりに、前記物理レイヤ下り回線制御チャネルを介して送信された前記CQIコマンドに応じた前記変更された周期に従って、前記WTRUにより送信されたCQI情報を信するようにさらに構成されたことを特徴とする基地局。
【請求項4】
前記物理レイヤ下り回線制御チャネルを介して送信された前記CQIコマンドを示す情報は、前記CQIコマンドを示す単一ビットを含むことを特徴とする請求項3に記載の基地局
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信システムに関する。本発明はより詳細には、チャネル品質インジケータ(Channel Quality Indicator:CQI)フィードバック期間を調整して、無線通信システムにおいて上り回線容量を増加させる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
統合無線通信システム(Universal Mobile Telecommunication Service:UMTS)地上無線アクセス(UMTS Terrestrial Radio Access:UTRA)などの無線通信システムにおいては、無線送受信ユニット(Wireless Transmit/Receive Unit:WTRU)がチャネル品質インジケータ(Channel Quality Indicator:CQI)を基地局に送る。CQIは、適応型変調および符号化(Adaptive Modulation and Coding:AMC)、チャネル感知スケジューリング(channel sensitive scheduling)や、同様のものに対して使用される。基地局は、報告されたCQIに基づき、WTRUに関する最適な変調方式および符号化速度を判定する。基地局はまた、どのWTRUが送信を許容されるべきであるかを判定するときに、報告されたCQIを使用する。
【0003】
CQIの生成および送信の頻度は、無線ネットワーク制御装置(Radio Network Controller:RNC)により特定されたパラメータによって制御される。そのパラメータは、呼設定または再構成にて無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)シグナリングを通してWTRUに与えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
WTRUによるCQIの送信は、下り回線上の容量を最適化するために有益であるが、上り回線上に干渉を発生させる。この干渉は、CQIを送信する必要があるWTRUの数が多い場合に、無線通信システムの上り回線容量を減少させることがある。その上、あるWTRUによるCQIの送信が不必要である場合がよくある。そのような状況は、WTRUがアプリケーション・レベルで非アクティブ期間であるために、下り回線に保留中の送信を何もないときに、発生する。
【0005】
非アクティブのWTRUからのCQIの送信により生起される干渉は、CQIがそれらのWTRUによってより少ない頻度にて発生するように、CQIパラメータを更新することによって削減できる。しかしながら、CQIパラメータの更新はRRCシグナリングを通して実行され、このシグナリングは遅いため、この方法は実際にはうまくいかない。CQIパラメータ更新情報がWTRUに伝達されるときまでに、WTRUのユーザが活動を再開することが可能であり、新しい更新情報が送られてCQI発生が元の頻度を回復するまで、性能に悪影響が生じる。
【0006】
加えて、ある状況においては、一時的により多くの容量が必要となる場合に(例えば、1人のユーザが、画像などのアップロードする多量のデータを有する場合)、限定された時間期間の間に、上り回線上の利用可能な容量を増加させるために、CQI送信からの干渉を削減することが望ましい。
【0007】
したがって、上り回線容量を増加させるように、より迅速にかつ効率的にCQIフィードバック期間を調整する方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、無線通信システムにおいて上り回線容量を増加させるためにCQIフィードバック期間を調整するための方法および装置に関する。上り回線容量は、CQI送信により生起される上り回線干渉を削減することによって増加する。本発明の第1の実施形態によると、WTRUは、自WTRUへの下り回線送信の状態を監視し、かつそのWTRUへの下り回線送信の状態に基づきCQIフィードバック期間を設定する。本発明の第2の実施形態によると、基地局は、上り回線および下り回線の送信の必要性を監視する。基地局は、その上り回線送信の必要性および下り回線送信の必要性に基づき、少なくとも1つのWTRUのCQIフィードバック期間を判定し、そしてWTRUにコマンドを送りWTRUのCQIフィードバック期間を変更する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態による、CQIフィードバック期間を調整するための処理のフロー図である。
図2】本発明の第2の実施形態による、CQIフィードバック期間を調整するための処理のフロー図である。
図3図1の処理を実施するWTRUのブロック図である。
図4図2の処理を実施する基地局のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下で言及する場合に、用語「WTRU」には、限定するものではないが、ユーザ機器、移動端末(STAtion:STA)、固定型または移動体の加入者ユニット、ページャ、または無線の環境において動作可能な他の任意のタイプの装置が含まれる。以下で言及する場合に、用語「基地局」には、限定するものではないが、ノードB、サイト制御装置、アクセス・ポイント(Access Point:AP)、または無線の環境における他の任意の型のインタフェース装置もが含まれる。
【0011】
本発明の特徴は、集積回路(Integrated Circuit:IC)に組み込むこと、または相互接続された多数の部品を備える回路において、構成することができる。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施形態による、CQIフィードバック期間を調整するための処理100のフロー図である。第1の実施形態によると、WTRUは、下り回線送信状況に基づいて、CQIフィードバック期間を自律的に調整する。WTRUは当初は通常のCQIフィードバック期間により構成設定され、WTRUはCQIフィードバック期間毎に上り回線チャネルを介してCQIを基地局に報告する。
【0013】
WTRUは、自WTRUへの下り回線送信の状態を監視する(ステップ102)。下り回線送信状態を監視する際に、WTRUはそのWTRUに対する送信を含まない連続した送信時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)の数をカウントするカウンタを保持することができる。例えば、高速下り回線パケット・アクセス(High Speed Downlink Packet Access:HSDPA)においては、WTRUに対する送信を含まないTTIの数は、高速共有制御チャネル(High Speed Shared Control CHannel:HS−SCCH)における下り回線送信の有効な巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check:CRC)を検出することによって判定することができる。WTRUへの有効な下り回線送信が検出されたとき(例えばHSDPAにおいては、有効なCRCがHS−SCCH上で検出される)に、カウンタがリセットされる。
【0014】
WTRUは次に、下り回線送信の状態に基づいてCQIフィードバック期間を調整する(ステップ104)。区分関数(piece-wise function)またはルック・アップ・テーブル(Look-Up Table:LUT)をカウンタ値に基づいて新しいCQIフィードバック期間を選択するために使用することができ、その結果、カウンタ値が増加するに従ってCQIフィードバック期間が増加し、そしてカウンタ値が減少するに従ってCQIフィードバック期間が減少する。CQIフィードバック期間にカウンタ値をマッピングするための代表的なマッピング方式を表1に示す。表1に示すように、増加するCQIフィードバック期間は通常のCQIフィードバック期間の倍数であることができる。基地局は、WTRUにおけるCQIフィードバック期間の設定に関わらず、通常のCQIフィードバック期間毎に、WTRUからのCQIを監視し、検出することができる。この方式により、WTRUおよび基地局においてCQIフィードバック期間の設定が矛盾することに因るCQIの見落としを回避可能である。表1のパラメータは、呼設定にて実行される上位層のシグナリングを介して構成設定可能であることが望ましい。
【0015】
【表1】
【0016】
あるいはまたWTRUが、RRCシグナリングを介して複数のCQIフィードバック期間(例えば、2のCQIフィードバック期間、すなわち、1つのアクティブなCQIフィードバック期間と1つの非アクティブなCQIフィードバック期間)を与えられることができ、そしてカウンタ値(すなわち、WTRUに対して送信がないTTIの数)に従って、CQIフィードバック期間の間で切り換えることができる。例えば、カウンタ値が閾値未満の場合には、アクティブなCQIフィードバック期間が選択され、カウンタ値が閾値以上の場合には、非アクティブなCQIフィードバック期間が選択される。
【0017】
WTRUが下り回線送信の状態に基づいてCQIフィードバック期間を調整した後に、処理100は、ステップ102に戻り、さらに下り回線送信状態を監視する。
【0018】
図2は、本発明の第2の実施形態によるCQIフィードバック期間を調整する処理200のフロー図である。第2の実施形態によると、基地局がコマンドを送り、上り回線送信の必要性および下り回線送信の必要性に基づいて、WTRUのCQIフィードバック期間を増加または減少させる。基地局は、上り回線送信の必要性が増加する場合には、CQIフィードバック期間を増加させる(CQIフィードバックがより頻繁でなくなることを意味する)。一方で、下り回線送信の必要性は、頻度の低いCQIフィードバックで依然としてサポートされ得る。頻繁なCQIフィードバックが下り回線性能に対して有効であるときは、基地局は、短期間ベースで上り回線容量を下り回線容量と取り替える。
【0019】
基地局は、上り回線送信の必要性および下り回線送信の必要性を監視する(ステップ202)。上り回線および下り回線の送信の必要性は、それぞれ、各WTRUにおいて上り回線送信用にバッファされたデータの量、および、基地局において各WTRUに向けの下り回線送信用にバッファされたデータの量に基づいて判定される。上り回線送信用にWTRUにおいてバッファされたデータの量は、WTRUによって示される。例えば、UTRAリリース6にある、スケジューリング要求、ハッピー・ビット、またはトラフィック量測定値により、そのような指示を与えることができる。
【0020】
あるいはまた、基地局は、各WTRUのその時点でのバッファ中のデータを送信するために必要な時間、および、各WTRUに関して基地局においてバッファされたデータを送信するために必要な時間を、各WTRUへの、または各WTRUからの下り回線および上り回線の平均スループットに基づいて、推定することができる。
【0021】
基地局は、上り回線送信の必要性および下り回線送信の必要性に基づいて、少なくとも1つのWTRUのCQIフィードバック期間を変更することが望ましいか否かを判定する(ステップ204)。基地局は、上り回線送信の必要性が高く、下り回線送信の必要性が低い場合に、CQIフィードバック期間を増加させることができ、かつ、上り回線送信の必要性が低く、下り回線送信の必要性が高い場合に、CQIフィードバック期間を減少させる(または元のCQIフィードバック期間に復帰する)ことができる。
【0022】
例えば、少なくとも1つのWTRUに関して、そのWTRUのバッファ中のデータを送信するために必要な推定時間が、所定の閾値を超過している(すなわち、上り回線送信の必要性が高い)場合には、CQIフィードバック期間を増加させることによってCQI送信により生起される干渉を削減することが望ましい。したがって、基地局は、下り回線送信の一部または全てがCQIフィードバックをより低い頻度でできるかを判定する。これを判定するために基地局は、下り回線における基地局のバッファ中のデータを送信するために必要な推定時間が所定の閾値内であるかを判定することができる。下り回線送信の一部または全てがCQIフィードバックをより低い頻度でできる(例えば、基地局のバッファ中のデータを送信するために必要な推定時間が所定の閾値内である)と判定された場合には、基地局は、CQIフィードバック期間を増加させることを決定する。
【0023】
ステップ204にてCQIフィードバック期間を変更することが望ましくないと判定された場合には、処理はステップ202に戻り、さらに上り回線および下り回線送信の必要性を監視する。ステップ204にてCQIフィードバック期間を変更することが望ましいと判定されたなら、基地局は次に、少なくとも1つのWTRUに対してコマンドを送り、そのWTRUのCQIフィードバックの期間を変更する(ステップ206)。コマンドを送った後に、処理200はステップ202に戻り、上り回線および下り回線送信の必要性を監視する。
【0024】
基地局がその後、WTRUの一部または全てに関して、元のCQIフィードバック期間に復帰させることが望ましいと判定した場合には(すなわち、基地局が、下り回線における基地局のバッファ中のデータを送信するために必要な推定時間が所定の閾値を超過すると判定した場合、または、基地局が、上り回線における各WTRUのバッファ中のデータを送信するために必要な推定時間が所定の閾値未満であると判定した場合)、基地局は、WTRUの一部または全てにコマンドを送り、それらのCQI送信を元のCQIフィードバック期間に復帰させる。
【0025】
基地局によって判定が為されると、関係するWTRUまたは全てのWTRU対してコマンドが速やかに(例えば、数十ミリ秒内に)送信されなければならない。コマンドは、適切な任意の手段により送信することができる。例えば、UTRAリリース6においては、コマンドはHS−SCCHを介して送ることができる。HS−SCCHは、2msの各TTIの間に、次のTTIにおいて任意のデータがWTRUに送信されることになるかを各WTRUが判定するために必要となる情報を含む。HS−SCCHは、WTRUに関してチャネル化符号セット・コンビネーションを示すためのビットを含む。チャネル化符号セット・コンビネーションに関しては、現在8つの未使用ビット・コンビネーションがある。CQIフィードバック期間を変更するためにコマンドを送る目的に対して、8つの未使用ビット・コンビネーションの1つを使用することができる。例えば、CQIフィードバック期間の増加を信号で送るために未使用ビット・コンビネーションの1つを使用し、そして元のCQIフィードバック期間の復帰を信号で送るために別の1つを使用することができる。
【0026】
基地局からのコマンドに応じたCQIフィードバック期間の変更の量は予め定められる(例えば、2倍に)。CQIフィードバック期間を2倍に増加することは、元の構成により通常送信されていた1つおきのCQIが今度は送信されないことを意味する。あるいはまた、コマンドに応じたCQIフィードバック期間の変更の量は、呼設定または再構成の際に信号送出される。例えば、2セットのCQIフィードバック期間をWTRUに与えて、コマンドに応じて切り換えることができる。
【0027】
HS−SCCHにおいて特定のTTI中に含まれる情報は、通常、特定の1つのWTRUによって使用されるのみであり、それは、WTRUに特有な信号系列(WTRUの識別子(IDentity:ID))でCRCフィールドをビット・マスクすることにより特定される。短い時間内に上り回線における大幅な干渉削減を提供するために、所与のHS−SCCHを監視する全てのWTRUが同時にCQIフィードバック期間の変更を命令されることが望ましい。したがって、HS−SCCHを介してコマンドを送信するために、全てのWTRUに関して特別なWTRUのIDが使用される場合がある。
【0028】
図3は、図1の処理100を実施するWTRU300のブロック図である。WTRU300は、下り回線状態監視部302、CQIフィードバック制御部304、およびLUT306(オプション)を含む。下り回線状態監視部302は、WTRUへの下り回線送信の状態を監視する。下り回線状態監視部302は、WTRUへの送信を含まない連続したTTIの数をカウントするためのカウンタ308を含むことができる。CQIフィードバック制御部304は、上で述べられたWTRUへの下り回線送信の状態に基づいて、CQIフィードバック期間を設定する。
【0029】
図4は、図2の処理200を実施する基地局400のブロック図である。基地局400は、監視部402およびCQIフィードバック制御部404を含む。監視部402は、上り回線送信の必要性および下り回線送信の必要性を監視する。CQIフィードバック制御部404は、上り回線送信の必要性および下り回線送信の必要性に基づいて、少なくとも1つのWTRUのCQIフィードバック期間を決定し、そして少なくとも1つのWTRUにコマンドを送り、CQIフィードバック期間を変更する。
【0030】
<<実施形態>>
1.複数のWTRUと基地局とを含む無線通信システムにおいて、CQIフィードバック期間を調整して上り回線容量を増加させる方法であって、WTRUが基地局にCQIフィードバック期間毎にCQIを報告する方法。
【0031】
2.WTRUが、そのWTRUへの下り回線送信の状態を監視するステップを備える実施形態1に記載の方法。
【0032】
3.WTRUが、そのWTRUへの下り回線送信の状態に基づいてCQIフィードバック期間を設定するステップを備える実施形態2に記載の方法。
【0033】
4.下り回線送信の状態は、WTRUへの送信を有さない連続したTTIの数をカウントすることによって監視される実施形態2または3に記載の方法。
【0034】
5.CQIフィードバック期間が、WTRUへの送信を有さない連続したTTIの数に基づいて設定される実施形態4に記載の方法。
【0035】
6.CQIフィードバック期間が、LUTを使用して下り回線送信の状態を複数のCQIフィードバック期間の1つにマッピングすることで設定される実施形態2〜5のいずれかに記載の方法。
【0036】
7.LUTは、上位層のシグナリングにより構成設定可能である実施形態6に記載の方法。
【0037】
8.CQIフィードバック期間は、通常のCQIフィードバック期間の倍数である実施形態3〜7のいずれかに記載の方法。
【0038】
9.基地局が、通常のCQIフィードバック期間毎にWTRUからのCQIフィードバックを監視する実施形態8に記載の方法。
【0039】
10.CQIフィードバック期間は、区分関数を使用して下り回線送信の状態を複数のCQIフィードバック期間の1つにマッピングすることで設定される実施形態2〜5のいずれかに記載の方法。
【0040】
11.WTRUが、アクティブなCQIフィードバック期間および非アクティブなCQIフィードバック期間を与えられ、WTRUへの送信を有さない連続したTTIの数が閾値を超過した場合には、アクティブなCQIフィードバック期間が選択されて、そうでなければ非アクティブなCQIフィードバック期間が選択される実施形態2〜5のいずれかに記載の方法。
【0041】
12.基地局が、上り回線および下り回線の送信の必要性を監視するステップを備える実施形態1に記載の方法。
【0042】
13.基地局が、上り回線および下り回線の送信の必要性に基づいて少なくとも1つのWTRUのCQIフィードバック期間を変更することが望ましいかを判定するステップを備える実施形態12に記載の方法。
【0043】
14.CQIフィードバック期間を変更することが望ましいと判定された場合には、基地局がWTRUにコマンドを送り、WTRUのCQIフィードバック期間を変更するステップを備える実施形態13に記載の方法。
【0044】
15.上り回線送信の必要性が第1の閾値を超過し、かつ、下り回線送信の必要性が第2の閾値内である場合に、基地局がコマンドを送ってWTRUのCQIフィードバック期間を増加させる実施形態14に記載の方法。
【0045】
16.上り回線送信の必要性が第1の閾値内であるか、または、下り回線送信の必要性が第2の閾値を超過しているかのいずれかの場合には、基地局がコマンドを送ってCQIフィードバック期間を減少させる実施形態14に記載の方法。
【0046】
17.上り回線送信の必要性は、各WTRUにおいてバッファされた上り回線送信用のデータの量に基づき判定される実施形態15〜16のいずれか記載の方法。
【0047】
18.下り回線送信の必要性は、各WTRUへの下り回線送信用に基地局にてバッファされたデータの量に基づき判定される実施形態15〜17のいずれかに記載の方法。
【0048】
19.上り回線送信の必要性は、各WTRUにおいてバッファされたデータを送信するために必要な時間に基づき判定される実施形態15〜16のいずれかに記載の方法。
【0049】
20.下り回線送信の必要性は、各WTRU用に基地局にてバッファされたデータを送信するために必要な時間に基づき判定される実施形態15〜16のいずれかに記載の方法。
【0050】
21.WTRUにおいてバッファされたデータの量は、WTRUによって報告される実施形態17〜20のいずれかに記載の方法。
【0051】
22.WTRUにおいてバッファされたデータの量は、WTRUによって送られるスケジューリング要求により示される実施形態21に記載の方法。
【0052】
23.WTRUにおいてバッファされたデータの量は、WTRUによって送られるハッピー・ビットにより示される実施形態21に記載の方法。
【0053】
24.WTRUにおいてバッファされたデータの量は、トラフィック量測定値により示される実施形態21に記載の方法。
【0054】
25.基地局が、全てのWTRUにコマンドをブロードキャストする実施形態14〜24のいずれかに記載の方法。
【0055】
26.基地局が、関係するWTRUのみにコマンドを送る実施形態14〜24のいずれかに記載の方法。
【0056】
27.下り回線送信が、HSDPAを介して送信される実施形態12〜26のいずれかに記載の方法。
【0057】
28.コマンドが、HS−SCCHを介して送信される実施形態27に記載の方法。
【0058】
29.コマンドが、未使用のチャネル化符号セット・コンビネーションを使用することによって送信される実施形態28に記載の方法。
【0059】
30.コマンドが、全てのWTRUに関して特別なWTRU IDを使用して送信される実施形態28〜29のいずれかに記載の方法。
【0060】
31.コマンドに応じるCQIフィードバック期間の変更の量が、予め定められており、WTRUに信号送出され、それによりWTRUが、予め定められた変更の量に基づきCQIフィードバック期間を変更する実施形態14〜30のいずれかに記載の方法。
【0061】
32.複数のCQIフィードバック期間が、WTRUに予め与えられ、かつコマンドに従って、CQIフィードバック期間の1つが選択される実施形態14〜31のいずれかに記載の方法。
【0062】
33.CQIフィードバック期間が、通常のCQIフィードバック期間の倍数として決定される実施形態31〜32のいずれかに記載の方法。
【0063】
34.基地局が、通常のCQIフィードバック期間毎にWTRUからのCQIフィードバックを監視する、実施形態33に記載の方法。
【0064】
35.複数のWTRUと基地局とを含む無線通信システムにおいて、CQIフィードバック期間を調整して上り回線容量を増加させるWTRUであって、CQIフィードバック期間毎に上り回線チャネルを介してCQIを基地局に報告するWTRU。
【0065】
36.WTRUへの下り回線送信の状態を監視する下り回線状態監視部を備える実施形態35に記載のWTRU。
【0066】
37.WTRUへの下り回線送信の前記状態に基づきCQIフィードバック期間を設定するCQIフィードバック制御部を備える実施形態36に記載のWTRU。
【0067】
38.下り回線状態監視部が、WTRUへの送信を有さない連続したTTIの数をカウントするカウンタを含み、カウンタ値に基づきCQIフィードバック制御部がCQIフィードバック期間を決定する実施形態36〜37のいずれかに記載のWTRU。
【0068】
39.カウンタ値を複数のCQIフィードバック期間の1つにマッピングするためのLUTをさらに備え、CQIフィードバック制御部が、LUTを使用することによってCQIフィードバック期間を設定する実施形態36〜38のいずれかに記載のWTRU。
【0069】
40.LUTが、上位層のシグナリングにより構成設定可能である実施形態39に記載のWTRU。
【0070】
41.CQIフィードバック期間が、通常のCQIフィードバック期間の倍数として決定される実施形態36〜40のいずれかに記載のWTRU。
【0071】
42.CQIフィードバック制御部が、区分関数を使用することによってCQIフィードバック期間を決定する実施形態37〜38のいずれかに記載のWTRU。
【0072】
43.WTRUが、アクティブなCQIフィードバック期間および非アクティブなCQIフィードバック期間を与えられ、WTRUへの送信を有さない連続したTTIの数が閾値を超過した場合には、アクティブなCQIフィードバック期間が選択され、そうでない場合には、非アクティブなCQIフィードバック期間が選択される実施形態36〜38のいずれかに記載のWTRU。
【0073】
44.複数のWTRUと基地局とを含む無線通信システムにおいて、CQIフィードバック期間を調整して上り回線容量を増加させる基地局。WTRUはCQIフィードバック期間毎に上り回線チャネルを介してCQIを基地局に報告する。
【0074】
45.上り回線および下り回線の送信の必要性を監視するための監視部を備える実施形態44に記載の基地局。
【0075】
46.上り回線および下り回線の送信の必要性に基づき少なくとも1つのWTRUの前記CQIフィードバック期間を変更することが望ましいかを判定し、WTRUにコマンドを送ってWTRUのCQIフィードバック期間を変更するためのCQIフィードバック制御部を備える実施形態45に記載の基地局。
【0076】
47.上り回線送信の必要性が第1の閾値を超過し、かつ下り回線送信の必要性が第2の閾値内である場合に、CQIフィードバック制御部がコマンドを送りWTRUのCQIフィードバック期間を増加させる実施形態46に記載の基地局。
【0077】
48.上り回線送信の必要性が第1の閾値内にあるか、または下り回線送信の必要性が第2の閾値を超過しているかのいずれかの場合に、CQIフィードバック制御部が、コマンドを送りCQIフィードバック期間を減少させる実施形態46に記載の基地局。
【0078】
49.監視部が、上り回線送信用に各WTRUにおいてバッファされたデータの量に基づき上り回線送信の必要性を監視する実施形態45〜48のいずれかに記載の基地局。
【0079】
50.監視部が、各WTRUへの下り回線送信用に基地局にてバッファされたデータの量に基づき下り回線送信の必要性を監視する実施形態45〜48のいずれかに記載の基地局。
【0080】
51.監視部が、各WTRUにおいてバッファされたデータを送信するために必要な時間に基づき上り回線送信の必要性を監視する実施形態45〜48のいずれかに記載の基地局。
【0081】
52.監視部が、各WTRU用に基地局にてバッファされたデータを送信するために必要な時間に基づき下り回線送信の必要性を監視する実施形態45〜48のいずれかに記載の基地局。
【0082】
53.WTRUにおいてバッファされたデータの量が、WTRUによって報告される実施形態49に記載の基地局。
【0083】
54.WTRUにおいてバッファされたデータの量が、WTRUによって送られるスケジューリング要求により示される実施形態53に記載の基地局。
【0084】
55.WTRUにおいてバッファされたデータの量が、WTRUによって送られるハッピー・ビットにより示される実施形態53に記載の基地局。
【0085】
56.WTRUにおいてバッファされたデータの量が、トラフィック量測定値により示される実施形態53に記載の基地局。
【0086】
57.CQIフィードバック制御部が、全てのWTRUにコマンドをブロードキャストする実施形態46〜56のいずれかに記載の基地局。
【0087】
58.CQIフィードバック制御部が、関係するWTRUのみにコマンドを送る実施形態46〜56のいずれかに記載の基地局。
【0088】
59.下り回線送信が、HSDPAを介して送信される実施形態44〜58のいずれかに記載の基地局。
【0089】
60.CQIフィードバック制御部が、HS−SCCHを介してコマンドを送る実施形態59に記載の基地局。
【0090】
61.CQIフィードバック制御部が、未使用のチャネル化符号セット・コンビネーションを使用してコマンドを送る実施形態60に記載の基地局。
【0091】
62.CQIフィードバック制御部が、全てのWTRUに対する特別なWTRU IDを使用してコマンドを送る実施形態60に記載の基地局。
【0092】
63.監視部が、通常のCQIフィードバック期間毎にWTRUからのCQIフィードバックを監視する実施形態45〜62のいずれかに記載の基地局。
【0093】
本発明の特徴および要素が好適な実施形態において特定の組み合わせにて記述されているが、それぞれの特徴または要素は、好適な実施形態の他の特徴および要素なしで単独で、または本発明の他の特徴および要素のあるなしにかかわらず、様々な組み合わせにて使用可能である。
図1
図2
図3
図4