(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5897903
(24)【登録日】2016年3月11日
(45)【発行日】2016年4月6日
(54)【発明の名称】自動車用カーテン具
(51)【国際特許分類】
B60J 3/00 20060101AFI20160324BHJP
【FI】
B60J3/00 F
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-290186(P2011-290186)
(22)【出願日】2011年12月28日
(65)【公開番号】特開2013-139186(P2013-139186A)
(43)【公開日】2013年7月18日
【審査請求日】2014年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】591077461
【氏名又は名称】株式会社リード
(74)【代理人】
【識別番号】100098741
【弁理士】
【氏名又は名称】武蔵 武
(72)【発明者】
【氏名】石田 晶二
【審査官】
加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭63−087113(JP,U)
【文献】
実開昭59−158520(JP,U)
【文献】
実開平02−109711(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の窓フレームの内側に設けられる自動車用カーテン具であって、
上下両端に取付部を有するカーテン部材と、
細い棒状のカーテン支持棒と、
そのカーテン支持棒の中間を支承する中間支持具と、
前記カーテン支持棒の端部を支承する棒端支持具と、を有し、
前記中間支持具は、適宜な長さに形成された合成樹脂押出成形品であって、
前記カーテン支持棒が挿通可能な左右方向に貫通する貫通孔と、
前記カーテン支持棒の太さより細幅であって前記貫通孔から外部に抜ける割溝と、
その割溝と反対側の面に設けた貼着部と、を備え、
一方、前記棒端支持具は、適宜な長さに形成された前記中間支持具と同じ合成樹脂押出成形品であって、
前記割溝から前記貫通孔に向けて穿設された前記カーテン支持棒の端部を差込むための差込み孔と、
その差込み孔の挿入口と反対側の面に設けた貼着部と、を備えており、
前記中間支持具は、前記窓フレームの内側上辺部及び内側下辺部の中間位置に前記貼着部で取着され、
前記棒端支持具は、前記窓フレームの内側略コーナー部分に前記貼着部で取着され、
前記カーテン支持棒は、両端部が前記棒端支持具の差込み孔に差し込まれて支持されると共に中間部が前記中間支持具の前記割溝から前記貫通孔内に加圧挿入されて支持されるようになっており、
さらに前記カーテン部材は、前記棒端支持具と前記中間支持具の支持具間に露出するカーテン支持棒に前記取付部を取り付けて自動車の窓を覆い得るようにしたことを特徴とする自動車用カーテン具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の窓フレームの内側に装着する自動車用カーテン具に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の窓フレームの内側上下辺部に断面略角形C字状のカーテンロッドを貼着するようにした自動車用カーテン具が、例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3050727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の自動車用カーテン具は、建物の開口部に装着するカーテンロッドに近似する構成であり、コストが高い問題があった。
【0005】
本発明は上記に鑑みなされたもので、その目的は低コストに製造可能な自動車用カーテン具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため本発明は、
自動車の窓フレームの内側に設けられる自動車用カーテン具であって、
上下両端に取付部を有するカーテン部材と、
細い棒状のカーテン支持棒と、
そのカーテン支持棒の中間を支承する中間支持具と、
前記カーテン支持棒の端部を支承する棒端支持具と、を有し、
前記中間支持具は、
適宜な長さに形成された合成樹脂押出成形品であって、
前記カーテン支持棒が挿通可能な左右方向に貫通する貫通孔と、
前記カーテン支持棒の太さより細幅であって前記貫通孔から外部に抜ける割溝と、
その割溝と反対側の面に設けた貼着部と、を備え、
一方、前記棒端支持具は、
適宜な長さに形成された前記中間支持具と同じ合成樹脂押出成形品であって、
前記割溝から前記貫通孔に向けて穿設された前記カーテン支持棒の端部を差込
むための差込み孔と、
その差込み孔の挿入口と反対側の
面に設けた貼着部と、を備えており、
前記中間支持具は、前記窓フレームの内側上辺部及び内側下辺部の中間位置に前記貼着部で取着され、
前記棒端支持具は、前記窓フレームの内側略コーナー部分に前記貼着部で取着され、
前記カーテン支持棒は、両端部が前記棒端支持具の差込み孔に差し込まれて支持されると共に中間部が前記中間支持具の前記割溝から前記貫通孔内に加圧挿入されて支持されるようになっており、
さらに前記カーテン部材は、前記棒端支持具と前記中間支持具の支持具間に露出するカーテン支持棒に前記取付部を取り付けて自動車の窓を覆い得るようにした自動車用カーテン具を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の自動車用カーテン具は、カーテン部材を支えるための主要部品たるカーテン支持棒が単純な細い棒で形成されているため、車種毎に異なる窓フレームのサイズに対してカーテン支持棒の長さを変更するだけで容易に対応できる。また、構造がシンプルであることより製造コストも低く抑えることができる。
【0008】
また
、カーテン支持棒を支える棒端支持具と中間支持具を同じ合成樹脂押出成形品で形成することにより、さらに製造コストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】自動車用後部ドアの窓フレームを示す正面図である。
【
図2】
図1において中間支持具を断面にして示す要部拡大断面図である。
【
図3】
図1において中間支持具近傍を断面にして示す要部拡大断面図である。
【
図6】他の形態を示すもので、自動車用後部ドアの窓フレームを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0011】
本発明の自動車用カーテン具1は、
図1に示したように、自動車の例えば後部ドア2の窓フレーム3の内側に取り付けられる。
この自動車用カーテン具1は、レース生地や遮光性を有する生地で形成された二枚のカーテン部材4,4と、適度な弾性を有する金属又は合成樹脂製で細長い例えば丸棒状である上下二本のカーテン支持棒5,5と、そのカーテン支持棒5の中間を支承する上下一個ずつの中間支持具6,6と、カーテン支持棒5の両端部を支承する上下各一対の棒端支持具7,7と、を有する。
【0012】
前記カーテン部材4は、端部を折り返して筒状に縫合してなる取付部4aを上下両端に形成してなる。また、カーテン部材4は、左右両横の縦辺に適宜面状ファスナ4b,4b…が取り付けられている。なお、
図1において符合4cは、カーテン部材4の縁に設けた柔軟な結束帯であり、この結束帯4cによって閉じたカーテン部材4を束ねるようになっている。
【0013】
前記中間支持具6は、
図4に示したように、断面略ダルマ状の合成樹脂押出成形品を適宜な長さに切断して形成されるものであって、カーテン支持棒5が挿通可能な左右方向に貫通する貫通孔8と、カーテン支持棒5の太さより細幅であって貫通孔8から外部に抜ける割溝9と、その割溝9と反対側の
図2〜
図4において底面に設けた貼着部10と、を備えている。
【0014】
前記棒端支持具7は、
図5に示したように、中間支持具6と同じ合成樹脂押出成形品を適宜な長さに切断して形成されるものであって、カーテン支持棒5の端部を差込み可能とするために前記割溝9から貫通孔8に向けて且つ貫通孔8より深く穿孔した差込み孔11と、その差込み孔11の挿入口と反対側の面に設けた貼着部10と、を備えている。なお、実施形態の棒端支持具7は、中間支持具6と同じ合成樹脂押出成形品を使用したため、貼着部10を差込み孔11の挿入口と反対側の面に形成したが、棒端支持具7は、独立した部品として形成してもよく、その場合には、差込み孔11の軸方向と平行な面に貼着部10を形成して窓フレーム3の上辺部3a又は下辺部3bに貼着するようにしてもよい。
【0015】
本発明の自動車用カーテン具1は以上のように構成されているため、
図1に示したように、窓フレーム3の上辺部3aと下辺部3bの両端に対応する略コーナー部分(正確には、
図1に示したように窓フレーム3の前辺部3cと後辺部3dの上下端)に棒端支持具7の貼着部10を貼着し、また、上辺部3aと下辺部3bの中間位置に中間支持具6の貼着部10を貼着する。
【0016】
一方、二枚のカーテン部材4,4の上下にある取付部4a,4aのそれぞれにカーテン支持棒5,5を通し、そのカーテン支持棒5を若干撓ませつつその両端を前記棒端支持具7,7の差込み孔11,11に挿入する。このとき棒端支持具7の割溝9にカーテン支持棒5の端部を押し入れてその割溝9沿いにカーテン支持棒5をスライドさせれば、比較的容易に差込み孔11に導くことができる。
そして、棒端支持具7の差込み孔11に差し込んだ状態でカーテン支持棒5から手を離すと、そのカーテン支持棒5が自己の弾性によって真っ直ぐに戻る。
【0017】
次に、二枚のカーテン部材4,4同士の間を開けてカーテン支持棒5を部分的に露出させ、その露出部分を中間支持具6の割溝9に当ててそのまま貫通孔8にまで押し込む。これにより各カーテン支持棒5,5は、両端が棒端支持具7,7で固定され、中間が中間支持具6で固定されるから、その棒端支持具7,7と中間支持具6の間でカーテン部材4をスライドさせて開閉することができる。
【0018】
なお、カーテン部材4の縁には前記ように面状ファスナ4b,4b…が設けられているため、その面状ファスナ4bを使ってカーテン部材4の縁を窓フレーム3の前辺部3cや後辺部3dに固定し、また、カーテン部材4,4同士の縁を連結して開かないようにすることができる。
【0019】
以上本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では自動車用カーテン具を後部ドア2の窓フレーム3に装着する例を示したが、図示しないが前部ドアの窓フレームや、後面ガラスの窓フレームに装着してもよい。なお、後面ガラスのような広い窓フレームに装着する場合は、棒端支持具7,7の間隔が広いため、中間支持具6の設置個数やカーテン部材4の枚数を増やすようにしてもよい。
【0020】
また、実施形態では支持具間ごとに一枚のカーテン部材4を設けるようにしたが、
図6に示したようにカーテン部材4の上縁と下縁に中間支持具6に対応する切欠部13を設けることによって中間支持具6を跨ぐ大きなカーテン部材4を採用することができる。斯かる実施形態のカーテン部材4は、広い面積を継ぎ目無くカバーすることができるため、後部ガラスへの利用に適する。なお、この実施形態のカーテン部材4は、中間支持具6のところに寄せる形で開くことができる。
【0021】
また、実施形態では、カーテン部材4の上下端を筒状に縫合して取付部4aを形成したが、カーテン部材4に別途リングを取り付けて取付部4aを形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0022】
1 …自動車用カーテン具
3 …窓フレーム
3a …上辺部
3b …下辺部
4 …カーテン部材
4a …取付部
5 …カーテン支持棒
6 …中間支持具
7 …棒端支持具
8 …貫通孔
9 …割溝
10 …貼着部
11 …差込み孔