(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
天板下面側の妻側端部で対向する両主脚をツナギ材でつないでなる主脚体と、両主脚内に夫々伸縮可能に嵌挿される両伸縮脚をツナギ材でつないでなる伸縮脚体とを備え、伸縮脚体の両伸縮脚には対向する位置に係止部を適当間隔おきに設け、主脚体にはツナギ材沿いにその中央側から両端側へ長く延び、中央側で対向する端部に把持部を形成した一対のロックシャフトを水平方向スライド自在に取り付け、常時はバネの付勢力で両ロックシャフトの夫々外端部を両伸縮脚の係止部に係止させることによって伸縮脚体を所要伸縮位置にロックし、両ロックシャフトの把手部を掴んでバネに抗し互いに引き寄せてシャフト外端部を両伸縮脚の係止部から引き離すことによりロック解除するようにした作業台の伸縮脚ロック装置において、
各ロックシャフトは、把持部を含むシャフト内端部からシャフト外端側へ長く延びる長尺状シャフト本体の外端部に、このシャフト本体よりも太径のロックピンを連設し、この太径のロックピンを各伸縮脚の係止部に係止させるようにし、
前記ロックピンは、シャフト本体とは別体に形成したもので、コネクターを介してシャフト本体に連結すると共に、ロックシャフトのロック作用時にコネクターの先端部を主脚に設けたロックピン側シャフトガイド金具に当接させることによってロックピンが伸縮脚の係止部側へ一定長さだけ突出するようにしてなることを特徴とする作業台の伸縮脚ロック装置。
前記コネクターはスリーブ状ナット部材からなり、このスリーブ状ナット部材の両端部にシャフト本体及びロックピンの夫々連結端部に設けた雄ねじ部をねじ込んで、シャフト本体とロックピンとを連結するようにしてなることを特徴とする請求項1に記載の作業台の伸縮脚ロック装置。
前記ロックシャフトの把持部側をシャフト長さ方向スライド自在に支持する把持部側シャフトガイド金具は、前記ツナギ材に取り付けられる取付板部と、この取付板部の一端部から直角下向きに延びるガイド板部とからなり、ガイド板部には、シャフト本体の内端部側を略コ字状に折曲して形成されるコ字状把持部を除くシャフト本体側が嵌挿する上下に長いシャフト本体側ガイド長孔と、コ字状把持部の先端部側が挿通する把持部先端部側ガイド孔とを上下に所定の間隔で設けると共に、シャフト本体側ガイド長孔の側部にシャフト本体側挿脱用の切欠開口を設けて、この切欠開口からシャフト本体側をガイド長孔に嵌め入れた後、コ字状把持部の先端部をガイド孔に軸方向に突入させることによって、シャフト本体側がガイド長孔の切欠開口からは抜け出ないようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の作業台の伸縮脚ロック装置。
【背景技術】
【0002】
従来の作業台の伸縮脚ロック装置として、特許公報等の公知文献を具体的に挙げることは出来ないが、従来より使用されている作業台の伸縮脚ロック装置を、後述する本発明の実施形態を示す
図1〜
図4及び従来の伸縮脚ロック装置を示す
図9を参照して説明する。この種の作業台は、
図1の(a) ,(b) に示すように、天板1の下面側四隅部に配設された四本の主脚2・・・のうち天板1の妻側端部で対向する両主脚2,2を中間部及び下部側のツナギ材3,4でつなぐことにより形成される主脚体5と、各主脚体5の両主脚2,2内に夫々伸縮可能に嵌挿される両伸縮脚6,6の下端部どうしをツナギ材7でつなぐことによって形成される伸縮脚体8とを備え、そして伸縮脚体8の両伸縮脚6,6には、
図4の(a) ,(b) に示すように、左右対向する位置に夫々係止部9を適当間隔おきに設け、主脚体5には、
図2に示すようにツナギ材4の下面側沿いにその中央側から両端側へ長く延びて、中央側で対向する端部に把持部12,12を形成した一対のロックシャフト13,13を、シャフトガイド金具47,51(
図9参照)により水平方向スライド自在に取り付け、常時は圧縮コイルバネ14,14の付勢力によって両ロックシャフト13,13の夫々外端部を両伸縮脚6,6の係止部9に係止させることにより伸縮脚6,6を夫々所要伸縮位置にロックし、そしてロック解除時には両ロックシャフト13,13の把持部12,12を掴んでバネ14,14に抗し互いに引き寄せてシャフト13,13外端部を両伸縮脚6,6の係止部9,9から引き離すことによってロック解除する。
図9に示すシャフトガイド金具47は、ツナギ板4の下面にリベット止めされる取付板部48と、取付板部48の一端部から下向き直角に延びるガイド板部49とからなるもので、ガイド板部39の上下部に設けたガイド孔49a,49bに把持部12側のシャフトを挿通して、この把持部12側シャフトの先端部にコイルバネ14を嵌めて、雄ねじ部45に螺着したナット46で保持している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種作業台の伸縮脚ロック装置では、
図3に示すように、主脚体5の幅方向中央部で両ロックシャフト13,13の対向端部を片手で同時に掴んでバネ14,14に抗して引き寄せるようにしてロック解除操作を行なうため、各ロックシャフト13の長さを十分に長くする必要があり、また天板1及び主脚体5側の荷重がロックシャフト13の外端部を介して伸縮脚6の係止部9にかかり、このシャフト13外端部に相当な剪断力が作用するから、ロックシャフト13の外端部の径は出来るだけ太くする必要がある。然るに、従来の伸縮脚ロック装置では、
図9に示すように、長尺状ロックシャフト13がその全長に亘って一様断面の丸鋼材によって形成されているために各ロックシャフト13が重くなり、しかも作業台全体で4つのロックシャフト13が設けられることから、作業台全体の重量が可なり増大するという問題がある。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑み、ロックシャフト13を出来るだけ軽くし、作業台全体の重量を軽減できるようにした伸縮脚ロック装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、天板1下面側の妻側端部で対向する両主脚2,2をツナギ材4でつないでなる主脚体5と、両主脚2,2内に夫々伸縮可能に嵌挿される両伸縮脚6,6をツナギ材7でつないでなる伸縮脚体8とを備え、伸縮脚体8の両伸縮脚6,6には対向する位置に係止部9を適当間隔おきに設け、主脚体5にはツナギ材4沿いにその中央側から両端側へ長く延び、中央側で対向する端部に把持部12,12を形成した一対のロックシャフト13,13を水平方向スライド自在に取り付け、常時はバネ14,14の付勢力で両ロックシャフト13,13の夫々外端部を両伸縮脚6,6の係止部9,9に係止させることによって伸縮脚体8を所要伸縮位置にロックし、両ロックシャフト13,13の把持部12,12を掴んでバネ14に抗し互いに引き寄せてシャフト外端部を両伸縮脚6,6の係止部9,9から引き離すことによりロック解除するようにした作業台の伸縮脚ロック装置において、
各ロックシャフト13は、把持部12を含むシャフト内端部からシャフト外端側へ長く延びる長尺状シャフト本体15の外端部に、このシャフト本体15よりも太径のロックピン16を連設し、この太径のロックピン16を各伸縮脚6の係止部9に係止させるようにし
、
前記ロックピン16は、シャフト本体15とは別体に形成したもので、コネクター17を介してシャフト本体15に連結すると共に、ロックシャフト13のロック作用時にコネクター17の先端部を主脚2に設けたロックピン側シャフトガイド金具18に当接させることによってロックピン16が伸縮脚6の係止部9側へ一定長さだけ突出するようにしてなることを特徴とする。
【0007】
請求項
2は、請求項
1に記載の作業台の伸縮脚ロック装置において、前記コネクター17はスリーブ状ナット部材からなり、このスリーブ状ナット部材17の両端部にシャフト本体15及びロックピン16の夫々連結端部に設けた雄ねじ部15a,16aをねじ込んで、シャフト本体15とロックピン16とを連結するようにしてなることを特徴としている。
【0008】
請求項
3は、請求項
1又は2に記載の作業台の伸縮脚ロック装置において、前記ロックシャフト13の把持部12側をシャフト長さ方向スライド自在に支持する把持部側シャフトガイド金具19は、前記ツナギ材4に取り付けられる取付板部38と、この取付板部38の一端部から直角下向きに延びるガイド板部39とからなり、ガイド板部39には、その一例を
図7又は
図8に示すように、シャフト本体15の内端部側を略コ字状に折曲して形成されるコ字状把持部12を除くシャフト本体15側が嵌挿する上下に長いシャフト本体側ガイド長孔41と、コ字状把持部12の先端部12o側が挿通する把持部先端部側ガイド孔40とを上下に所定の間隔で設けると共に、シャフト本体側ガイド長孔41の側部にシャフト本体側挿脱用の切欠開口42を設けて、この切欠開口42からシャフト本体15側をガイド長孔41に嵌め入れた後、コ字状把持部12の先端部12oをガイド孔40に軸方向に突入させることによって、シャフト本体15側がガイド長孔41の切欠開口42からは抜け出ないようにしたことを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によれば、各ロックシャフト13が、把持部12を含むシャフト内端部からシャフト外端側へ長く延びる長尺状シャフト本体15の外端部に、このシャフト本体15よりも太径のロックピン16を連設し、この太径のロックピン16を各伸縮脚6の係止部9に係止させるようにしたものであるから、天板1及び主脚体5側の荷重がかかるロックピン16は、大きな剪断荷重に十分に耐え得るように太い径にすることができる一方、シャフト本体15は、その径を出来るだけ細くすることができて、重量を軽くでき、それによって作業台全体の重量の軽減化を図ることができる。
【0010】
又、本発明によれば、ロックピン16とシャフト本体15とが別体に形成されてコネクター17により連結されるようになっているから、ロックピン16又はシャフト本体15が破損した時はその破損した方を取り換えればよく、経済的である。またロック時は、コネクター17の先端が、ロックピン側シャフトガイド金具18に当接することによって、ロックピン16の先端部が伸縮脚6の係止部9側へ一定長さしか突出せず、それによって伸縮脚6内に取り付けてある係止部取付片11やこれを取り付けているリベットの頭部との間に隙間を形成できるから、一旦ロック状態を解除し、伸縮脚6を主脚2に対しスライドさせて脚長を調整する時に、ロックピン16の先端部が係止部取付片11やリベット頭部に当たったり、それらに引っ掛かるようなことが
なく、従ってロックピン16の先端部を破損したり、不快な金属音が発生するのを防止できる。また、このコネクター17は、上記のようにロックピン16の先端部の突出長さを一定長に制限するストッパーを兼ねるから、特別なストッパー手段を設ける必要がなく、構造を簡素化できる。
【0011】
請求項
2に係る発明によれば、コネクター17がスリーブ状ナット部材からなり、このナット部材17の両端部にシャフト本体15及びロックピン16の夫々連結端部に設けた雄ねじ部15a,16aをねじ込んで、シャフト本体15とロックピン16とを連結するようにした場合には、構造が簡単となり、連結操作も容易に行うことができる。
【0012】
請求項
3に係る発明によれば、ロックシャフト13の把持部側をガイド板部39のガイド孔に挿通するのに、コ字状把持部12に近いシャフト本体15の所要部を、切欠開口42からガイド長孔41に嵌め入れた後、コ字状把持部12の先端部12oをガイド孔40に軸方向に突入させればよいから、ガイド板部39のガイド孔に対するロックシャフト13の挿通作業が簡単容易となる。即ち、ロックシャフト13のシャフトガイド金具19への組込み作業を迅速容易に行なうことができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の好適な一実施形態を図面に基づいて説明すると、
図1に示す作業台は、作業者が載って作業を行なう天板1と、この天板1の下面側四隅部に配設された四本の主脚2・・・のうち天板1の各妻側端部で左右に対向する両主脚2,2を中間部及び下部側のツナギ材3,4でつなぐことによって形成される前後一対の主脚体5,5と、各主脚体5の両主脚2,2内に夫々伸縮可能に嵌挿される両伸縮脚6,6の下端部どうしをツナギ材7でつなぐことにより形成される前後一対の伸縮脚体8,8とを備えて構成される。各伸縮脚体8の伸縮脚6下端部にはキャスター50が取り付けてある。
【0015】
尚、各主脚体5を構成する左右両主脚2,2の上端部には、天板1下面の妻側両端部に固定されるブラケット31,31が取り付けてあって、両ブラケット31,31に脚体回転軸材32が回転自在に軸架され、従って各主脚体5は、脚体回転軸材32を中心として、
図1の(b) に示すような開脚位置と、図示は省略するが、天板1の下面に添うように折り畳まれる折り畳み位置との間で回転可能となっている。天板1と中間部側ツナギ材3との間には、屈曲自在なステイ33が介装されている。
【0016】
伸縮脚体8の左右両伸縮脚6,6には、
図4の(a) ,(b) に示すように、左右対向する位置に夫々係止部9が適当間隔おきに設けられ、主脚体5には、
図2に示すようにツナギ材4の下面側沿いにその中央側から両端側へ長く延びて、中央側で対向する端部にロック解除操作用の把持部12,12を形成した一対のロックシャフト13,13が水平方向スライド自在に取り付けられていて、常時はバネ14,14の付勢力で両ロックシャフト13,13の夫々外端部を両伸縮脚6,6の係止部9に係止させることにより伸縮脚6,6を夫々所要伸縮位置にロックし、そしてロック解除時には
図3に示すように両ロックシャフト13,13の把持部12,12を掴んでバネ14,14に抗し互いに引き寄せてシャフト13,13外端部を両伸縮脚6,6の係止部9,9から引き離すことによってロック解除するようになっている。尚、係止部9としては、図示のような段状の係止部が好ましいが、これに限定されることはない。例えば、ロックシャフト13の先端部(ロックピン)が係脱可能に係止する係止孔でもよい。
【0017】
図5及び
図6に示すように、主脚体5の左右各主脚2は、アルミ押出形材で角筒状に形成されたもので、この角筒状主脚2内に伸縮脚体8の左右各伸縮脚6がスライド自在に嵌挿され、この伸縮脚6には内側面側に凹溝34が全長に亘り条設されていて、この凹溝34の底面に係止部9が設けられるが、この係止部9の一例として、水平状の係止段部10aと傾斜部10bとを連設した係止部取付片11が、凹溝34の長さ方向一定間隔おきに複数個リベット止めされている。これら一連の係止部取付片11の上端側と下端側には、
図4の(a) ,(b) に概略図示するように、凹窪部35を形成した凹窪部取付片36がリベット止めされ、この凹窪部35には、後述するストッパーピン23を係入できるようになっている。このような伸縮脚6の構造については、
図9に示す従来の作業台の伸縮脚体8と同じ構造である。
【0018】
各ロックシャフト13は、
図5から分かるように、ロック解除操作用の把持部12を含むシャフト内端部からシャフト外端側へ長く延びる長尺状シャフト本体15の外端部に、このシャフト本体15よりも太径のロックピン16を連設してなるもので、この太径のロックピン16を各伸縮脚6の係止部9に係止させるようにしている。このロックシャフト13を含む本発明に係る伸縮脚ロック装置について、以下に詳細に説明する。
【0019】
各ロックシャフト13のシャフト本体15は、
図5に示すように、その内端部をコ字状に折曲形成して把持部12としたもので、このシャフト本体15の外端部は、シャフト本体15とは別体に形成された、シャフト本体15よりも太径のロックピン16に、コネクター17を介して連結されている。
【0020】
コネクター17は、
図6の(d) に示すようなスリーブ状のナット部材からなるもので、このスリーブ状ナット部材17のネジ孔17aの一端側に、シャフト本体15の外端部に形成した雄ねじ部15aを螺入し、ネジ孔17aの他端側には、ロックピン16の一端部に同軸一体に形成した雄ねじ部16aを螺入することにより、シャフト本体15とロックピン16とを一体的に連結するようになっている。
【0021】
しかして、ロックシャフト13は、
図5に示すように、シャフト本体15の内端部である把持部12が、ツナギ材4の下面に固定された把持部側シャフトガイド金具19によりシャフト軸方向スライド自在に支持され、シャフト本体15の外端部にコネクター17で連結されたロックピン16が、主脚2に固定したロックピン側シャフトガイド金具18によりシャフト軸方向スライド自在に支持されていて、常時は、把持部12の先端部12oに取り付けられてシャフト本体15をロックピン16側へ押動するように付勢する圧縮コイルバネ14でロックピン16の先端部を主脚2の開口部20から突入させて伸縮脚6の係止部9に係止させることにより、伸縮脚6を所要伸縮位置にロックすることができる。
【0022】
ロックピン側シャフトガイド金具18は、
図5及び
図6の(b) ,(c) に示すように、アルミ押出形材で略角筒状に形成されたもので、主脚2に当接されて、主脚2から一体に突出する両側一対の支持板部37,37に挟持された状態で主脚2にリベット止めされて固定され、このシャフトガイド金具18を貫通する貫通孔21,22によりロックシャフト13のロックピン16をスライド自在に支持している。尚、
図5及び
図6の(a) に示すように、下部側ツナギ材4の端部は、主脚2から突出する両側一対の支持板部37,37で挟持されると共に、両支持板部37,37に重合する両側一対の補強金具30,30で挟持された状態でリベット止めされて、主脚2に固定されている。中間部側ツナギ材4の端部も、この下部側ツナギ材4と同様にして主脚2に固定される。
【0023】
図6の(b) は、ロックシャフト13のロック作用時にコネクターであるスリーブ状ナット部材17の先端がロックピン側シャフトガイド金具18に当接して、ロックピン16の先端部が伸縮脚6の係止部9側へ一定長さだけ突出している状態を示す平面図で、これと同じ状態を側面から見たのが
図5である。この
図5から分かるように、ロックシャフト13がロック状態にある時にロックピン16の先端部は、伸縮脚6の凹溝34内へ一定長さしか突出せず、その凹溝34に取り付けてある係止部取付片11やこれを取り付けているリベットの頭部との間に隙間を形成しているから、一旦ロック状態を解除して、伸縮脚6を主脚2に対しスライドさせて高さ調整する時に、凹溝34の底面を擦ったり、係止部取付片11やリベット頭部に当たったり、それらに引っ掛かるようなことがく、従ってロックピン16の先端部を破損したり、不快な金属音が発生するのを防止できる。
【0024】
また、ロックピン側シャフトガイド金具18には、
図5及び
図6の(e) に示すように、主脚2の係止部に対しねじによって進退移動するストッパーピン23が螺装されている。即ち、このストッパーピン23は、ボルトからなるもので、
図6の(e) に示すように、シャフトガイド金具18の一方側のボルト挿通孔25から、このボルト挿通孔25の内端部に固着されたナット24に螺入されて、他方側のボルト挿通孔26を通り、更に主脚2の開口部27を通って伸縮脚6の凹溝34に押し込まれるようになっている。このストッパーピン23の基端部にはノブ28が取り付けられ、このノブ28とシャフトガイド金具18との間に圧縮コイルバネ29が介装されている。
【0025】
前記ストッパーピン23は、通常は、
図6の(e) に示すように、ピン先端部が伸縮脚6の係止部9からシャフトガイド金具18内に退入した位置に保持されており、ノブ28をバネ29の付勢力に抗して螺進方向に回すことにより、ピン先端部がシャフトガイド金具18から伸縮脚6の凹溝34内に突入して、係止部取付片11や凹窪部取付片36を介して伸縮脚6を主脚2に押し付け、伸縮脚6の横方向のガタつきを防止する。このようにストッパーピン23の先端が伸縮脚6を直に押さず、係止部取付片11等を介して押すようになっているため、アルミ押出形材で形成される伸縮脚6を傷つけることがない。また、圧縮コイルバネ29は、ストッパーピン23の解除状態を保持するもので、ピン解除時にストッパーピン23が不測に伸縮脚6内に入り込まないようにして、伸縮動作に影響を与えないようにするためのものである。また圧縮コイルバネ29は、ナット24に螺入しているストッパーピン23が不測に回転して緩むことを防止する機能も有する。
【0026】
把持部側のシャフトガイド金具19は、
図5、
図7及び
図8に示すように、主脚体5の下部側ツナギ材4下面に取り付けられる取付板部38と、この取付板部19aの一端部から直角下向きに延びるガイド板部39とによりL字形に形成され、ガイド板部39には、シャフト本体15の内端部側に形成されたコ字状把持部12を除くシャフト本体15側が挿通する上下に長いシャフト本体側ガイド長孔41と、コ字状把持部12の先端部12o側が挿通する把持部先端部側ガイド孔40とを上下所定間隔に設けると共に、シャフト本体側ガイド長孔41の側部にシャフト本体側挿脱用の切欠開口42を設けて、この切欠開口42からシャフト本体側をガイド長孔41に嵌め入れた後、コ字状把持部12の先端部12oをガイド孔40に軸方向に突入させることによって、シャフト本体15側がガイド長孔41の切欠開口42からは抜け出ないようにしたもので、
図7には具体的な一例であるシャフトガイド金具19Aを示し、
図8には他の具体例であるシャフトガイド金具19Bを示す。
【0027】
図7に示す把持部側シャフトガイド金具19Aでは、ガイド板部39の上部側に設けられたシャフト本体側ガイド長孔41は、その長径がシャフト本体15の直径の2倍半程度であって、当該長孔41の上部側孔部の曲率中心aと、ガイド板部39の下部側に設けられた把持部先端部側ガイド孔40の中心bとの距離ηが、シャフト本体15と把持部12の先端部12oとの軸芯間距離とほぼ同じになるように形成され、そしてシャフト本体側挿脱用の切欠開口42は、シャフト本体側ガイド長孔41の下部側孔部の側部に形成されている。尚、取付板部38にはリベット孔38aが複数設けられ、この取付板部38は、
図5に示すように、ツナギ材4の下面にリベット44止めされる。
【0028】
従って、ロックシャフト13を把持部側シャフトガイド金具19Aに取り付けるには、取付板部38をツナギ材4の下面に取り付けた状態のシャフトガイド金具19Aのガイド板部39に対し、ロックシャフト13を、
図7の(b) に示すように、シャフトガイド金具19Aの前方に平行に持ち来して、コ字状把持部12に近いシャフト本体15所要部を、切欠開口42からガイド長孔41に嵌め入れた後、持ち上げてガイド長孔41の上部側孔部に嵌合させ、この状態でコ字状把持部12の先端部12oを、把持部先端部側ガイド孔40に対し軸方向に突入させる。その後、ガイド孔40から突出した把持部12の先端部12oに圧縮コイルバネ14を嵌め込んで、突端部の雄ねじ部45にナット46を螺合する(
図5参照)。そして、
図6の(b) ,(c) ,(d) に示すように、ロックピン側シャフトガイド金具18の貫通孔21,22にロックピン16を貫通させて、このロックピン16の基端部と、前記シャフト本体15の外端部とをコネクターであるスリーブ状ナット部材17で連結すればよい。
【0029】
図8に示す把持部側シャフトガイド金具19Bも、ガイド板部39の上部側に設けられたシャフト本体側ガイド長孔41は、その長径がシャフト本体15の直径の2倍半程度であるが、当該長孔41の下部側孔部の曲率中心aと、ガイド板部39の下部側に設けられた把持部先端部側ガイド孔40の中心bとの距離ηが、シャフト本体15と把持部12の先端部12oとの軸芯間距離とほぼ同じになるように形成され、そしてシャフト本体側挿脱用の切欠開口42は、シャフト本体側ガイド長孔41の上部側孔部の側部に形成されている。
【0030】
従って、ロックシャフト13を把持部側シャフトガイド金具19Bに取り付けるには、ロックシャフト13を、
図8の(b) に示すように、シャフトガイド金具19Bのガイド板部39に対しその前方に平行に持ち来して、コ字状把持部12に近いシャフト本体15の所要部を、切欠開口42からガイド長孔41に落とし込んだ状態で、コ字状把持部12の先端部12oを、把持部先端部側ガイド孔40に対し軸方向に突入させればよい。あとは
図7に示すシャフトガイド金具19Aの場合と同様にして、ロックシャフト13を取り付けることができる。
【0031】
上述した
図7、
図8に示すような把持部側シャフトガイド金具19(19A,19B)を使用すれば、ロックシャフト13の把持部側をガイド板部39のガイド孔に挿通するのに、コ字状把持部12に近いシャフト本体15の所要部を、切欠開口42からガイド長孔41に嵌め入れた後、コ字状把持部12の先端部12oをガイド孔40に軸方向に突入させればよいから、ガイド板部39のガイド孔に対するロックシャフト13の挿通作業が簡単容易で、迅速にロックシャフト13の組込み作業を行なうことができる。即ち、
図9に示すような従来の把持部側シャフトガイド金具47では、ガイド板部39の上下部に丸孔からなるガイド孔49a,49bを設けただけであるから、このガイド孔49a,49bにロックシャフト13の把持部12側を挿通するには、長いロックシャフト13の外端部をガイド孔49aに対し軸方向に突入させて把持部12側までスライドさせた後、把持部12の先端部をガイド孔49bに軸方向に突入させるようにするので、ロックシャフト13の挿入操作が面倒となり、迅速に組み込むことが困難である。
【0032】
以上説明したように構成される作業台の伸縮脚ロック装置によれば、両ロックシャフト13,13は、
図1の(a) 及び
図5に示すように、常時は圧縮コイルバネ14,14の付勢力により外端部側へ付勢されてロックピン16,16が両伸縮脚6,6の係止部9,9に係止され、ロック状態にある。従って、伸縮脚体8を主脚体5に対し伸縮調整する時は、両ロックシャフト13,13の把持部12,12を
図3に示すように片手で掴んでバネ14,14に抗し互いに引き寄せることにより、両ロックシャフト13,13の外端部にあるロックピン16,16が、両伸縮脚6,6の係止部9,9から引き離されてロック解除されるから、このロック解除状態で伸縮脚体8の伸縮脚6,6を主脚体5の主脚2,2に対しスライドさせて伸縮脚体8の脚長を所望に調整した後、把持部12,12から手を放せば、両ロックピン16,16が両伸縮脚6,6の係止部9,9に係止して、伸縮脚体8を所要脚長にロックすることができる。
【0033】
尚、この伸縮脚ロック装置が
図5に示すようなロック状態の時、主脚体5の主脚2を保持した状態で伸縮脚体8の伸縮脚6を下向きにスライドさせて、ロックピン16を各係止部取付片11の傾斜部10bに当てると、この傾斜部10bのテーパ作用でロックピン16がコイルバネ14に抗してロック解除方向に押し戻される状態となるから、この状態では伸縮脚6を伸張方向にスライドさせることができる。
【0034】
この伸縮脚ロック装置の大きな特徴は、各ロックシャフト13が、把持部12を含むシャフト内端部からシャフト外端側へ長く延びる長尺状シャフト本体15の外端部に、このシャフト本体15よりも太径のロックピン16を連設し、この太径のロックピン16を各伸縮脚6の係止部9に係止させるようにしたことにあるから、必然的にシャフト本体15の径を細くすることができて、ロックシャフト13の重量を軽減でき、それによって作業台全体の重量の軽減化を図ることができる。特に、この伸縮脚ロック装置は、現在使用されている従来タイプの作業台に後付け式に設置することが可能である。その場合は、主脚体5の両主脚2,2及びツナギ材3,4並びに伸縮脚体8の両伸縮脚6,6及びツナギ材7を夫々従来品をそのまま使用でき、そしてロックピン16については、従来のロックシャフト13に使用されるものと同じ径の丸鋼材を使用し、シャフト本体15については、従来のロックシャフト13に使用される丸鋼材よりも径小のもので形成すればよい。
【0035】
また、この伸縮脚ロック装置では、ロック時には、コネクターであるスリーブ状ナット部材17の先端が、
図6の(b) に示すように、ロックピン側シャフトガイド金具18に当接して、ロックピン16の先端部が伸縮脚6の係止部9側へ一定長さしか突出せず、伸縮脚6の凹溝34に取り付けてある係止部取付片11やこれを取り付けているリベットの頭部との間に隙間を形成するから、一旦ロック状態を解除して、伸縮脚6を主脚2に対しスライドさせて脚長を調整する時に、凹溝34の底面を擦ったり、係止部取付片11やリベット頭部に当たったり、それらに引っ掛かるようなことがく、従ってロックピン16の先端部を破損したり、不快な金属音が発生するのを防止できる。
【0036】
上述した実施形態の伸縮脚ロック装置では、ロックピン16を、シャフト本体15とは別体に形成して、コネクター17によりシャフト本体15に連結するようにしているが、ロックピン16をシャフト本体15と一体に形成してもよい。但し、この実施形態のようにロックピン16をシャフト本体15と別体に形成してコネクター17で連結するようにすれば、ロックピン16又はシャフト本体15が破損した時はその破損した方を取り換えればよいから、経済的となる。
【0037】
また、実施形態の伸縮脚ロック装置では、コネクター17として、スリーブ状ナット部材からなるものを使用したが、コネクター17にはスリーブ状ナット部材17以外の適当なものを使用することができる。但し、コネクター17としてスリーブ状ナット部材を使用すれば、構造が簡単で連結操作も容易に行うことができる。また、上述した実施形態に示すコネクター17は、ロックピン16の先端部の突出長さを一定長に制限するストッパーを兼ねるから、特別なストッパー手段を設ける必要がなく、構造を簡素化できる。