【実施例】
【0045】
次に、実施例及び比較例によって、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において示す物性値は、下記の方法で測定した。
【0046】
1)ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率
ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率は、以下の方法で測定した。ポリカーボネートジオールの70g〜100gを300ccのナスフラスコに測り取り、留分回収用のトラップ球(trap bulb)に接続したロータリーエバポレーターを用いて0.1kPa以下の圧力下、攪拌しながら、約180℃の加熱浴でポリカーボネートジオールを加熱して、トラップ球に該ポリカーボネートジオールの1〜2重量%に相当する量の初期留分、即ち約1g(0.7〜2g)の初期留分を得た。これを、約100g(95〜105g)のエタノールを溶剤として用いて回収し、回収した溶液をGC分析にかけて得られるクロマトグラムのピーク面積の値から、下記数式(1)により算出した。
1級末端OH比率(%)=A÷B×100 (1)
A:両末端が1級OH基であるジオールのピーク面積の総和
B:ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)のピーク面積の総和
ガスクロマトグラフィーの分析条件: カラム;DB−WAX(米国J&W社製)、30m、膜厚0.25μm、昇温条件:60℃〜250℃、検出器:FID(flame ionization detector)
【0047】
2)ポリカーボネートジオールの数平均分子量
無水酢酸とピリジンを用い、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定する「中和滴定法(JIS K 0070−1992)」によって水酸基価を決定し、下記数式(2)を用いて数平均分子量を計算した。
数平均分子量=2/(OH価×10
−3/56.1) (2)
【0048】
3)ポリカーボネートジオールの共重合割合と主成分割合
100mlのナスフラスコにサンプルを1g取り、エタノール30g、水酸化カリウム4gを入れて、100℃で1時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、指示薬にフェノールフタレインを2〜3滴添加し、塩酸で中和した。冷蔵庫で1時間冷却後、沈殿した塩を濾過で除去し、GC(ガスクロマトグラフィー)を用いて分析した。GC分析は、カラムとしてDB−WAX(米国、J&W製)を付けたガスクロマトグラフィーGC−14B(日本、島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内部標準として、FIDを検出器として行った。なお、カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温した。
【0049】
(i)共重合割合
上記の分析結果を用い、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとのモル比から、共重合割合(全体を100とした場合の1,5−ペンタンジオールのモル数:1,6−ヘキサンジオールのモル数)を求めた。
(ii)主成分割合
上記の分析結果を用い、下記の数式(3)により求めた。
主成分割合(モル%)={(B+C)/A}×100 (3)
A:上記式(A)の繰り返し単位に由来するジオールの全モル数
B:1,5−ペンタンジオールのモル数
C:1,6−ヘキサンジオールのモル数
【0050】
4)ポリカーボネートジオールの原料ジオールの純度分析
ジオール原料として用いた1,5−ヘキサンジオール及び1,6−ヘキサンジオールをガスクロマトグラフィーで分析した。条件は、カラムとしてDB−WAX(J&W製)付けたガスクロマトグラフィーGC−14B(島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内標として、FIDを検出器として行った。なお、カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温した。
【0051】
5)ラミネートフィルムの作製
ポリエステルフィルム(東レ(株)製、ルミラーX−10S、厚み50μm)に無溶剤ラミネーターを用いて、固形分重量で2〜2.5g/m
2となるように接着剤組成物を塗布し、溶剤を揮散させた後、ポリエステルフィルム(東レ(株)製、ルミラーX−10S、厚み50μm)と貼り合わせた。40℃で3日間エージングを行った後、以下の評価に用いた。
【0052】
6)外観の評価
上記エージング終了後、さらに40℃で1週間放置した後、試験片を目視で観察した。
【0053】
7)接着強度の測定
JIS K6854−3(接着剤−はく離接着強さ試験方法−第3部:T形はく離)に準じて測定した。5個の試験片の平均値(単位:N/25mm)で評価した。
【0054】
8)接着強度の耐久性評価
試験片をサンシャイン型ウエザオメーター(スガ試験機製、WEL−SUN−DC)中で、1サイクル60分、内12分の降水の繰り返しで所定時間(2000時間)経過するまで処理した。その後、上記7)の「接着強度の測定の方法」に記載されたものと同じ方法で、接着強度を測定した。
【0055】
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例1]
原料に用いた1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを分析した。1,5−ペンタンジオールは、純度が98.4%で、1,5−ヘキサンジオールを1.2重量%、1,4−シクロヘキサンジオールを0.1重量%含んでいた。残りの0.3重量%は、複数の不明物であった。1,6−ヘキサンジオールは、純度が98.9%で、1,4−シクロヘキサンジオールを0.7重量%含んでいた。残りの0.4重量%は、複数の不明物であった。以下の重合例では、ポリカーボネートジオール(b)の重合例7と13を除き、当該原料を使用した。
【0056】
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置を備えた2Lのガラス製フラスコに、エチレンカーボネートを650g(7.4mol)、1,5−ペンタンジオールを370g(3.6mol)、1,6−ヘキサンジオールを450g(3.8mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧で攪拌・加熱した。反応温度を150℃〜190℃とし、圧力3.0〜5.0kPaで、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物を留去しながら10時間反応を行った。その後、0.5kPaまで減圧し、エチレンカーボネートとジオールを留去しながら、190℃でさらに5時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC1と称する。
【0057】
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例2]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1に示す装置と原料仕込み量で反応させた。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧で攪拌・加熱した。反応温度を150℃〜190℃とし、圧力3.0〜5.0kPaで、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物を留去しながら10時間反応を行った。その後、0.5kPaまで減圧し、エチレンカーボネートとジオールを留去しながら、190℃でさらに3時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC2と称する。
【0058】
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例3]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジメチルカーボネートを700g(7.8mol)、1,5−ペンタンジオールを450g(4.3mol)、1,6−ヘキサンジオールを450g(3.8mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、8時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃とし、圧力10〜15kPaで、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら2時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、190℃で5時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC3と称する。
【0059】
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例4]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジメチルカーボネートを700g(7.8mol)、1,5−ペンタンジオールを480g(4.6mol)、1,6−ヘキサンジオールを400g(3.4mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、8時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃とし、圧力10〜15kPaで、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら2時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、190℃で5時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC4と称する。
【0060】
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例5]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジエチルカーボネートを730g(6.2mol)、1,5−ペンタンジオールを250g(2.4mol)、1,6−ヘキサンジオールを500g(4.2mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するエタノールとジエチルカーボネートの混合物を留去しながら、8時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃とし、圧力10〜15kPaで、生成するエタノールとジエチルカーボネートの混合物を留去しながら2時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、190℃で5時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC5と称する。
【0061】
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例6]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジエチルカーボネートを780g(6.6mol)、1,5−ペンタンジオールを210g(2.0mol)、1,6−ヘキサンジオールを600g(5.1mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するエタノールとジエチルカーボネートの混合物を留去しながら、8時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃とし、圧力10〜15kPaで、生成するエタノールとジエチルカーボネートの混合物を留去しながら2時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、190℃で5時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC6と称する。
【0062】
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例7]
原料の1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを蒸留で精製した。その結果、1,5−ペンタンジオールは、純度が99.0%で、1,5−ヘキサンジオールを0.4重量%含み、1,4−シクロヘキサンジオールは検出されなかった。残りの0.6重量%は、複数の不明物であった。1,6−ヘキサンジオールは、純度が99.1%で、1,4−シクロヘキサンジオールを0.3重量%含んでいた。残りの0.6重量%は、複数の不明物であった。上記の原料を用いてポリカーボネートジオールを重合した。
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジエチルカーボネートを810g(6.9mol)、1,5−ペンタンジオールを370g(3.6mol)、1,6−ヘキサンジオールを450g(3.8mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するエタノールとジエチルカーボネートの混合物を留去しながら、8時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃とし、圧力10〜15kPaで、生成するエタノールとジエチルカーボネートの混合物を留去しながら2時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、190℃で5時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC7と称する。
【0063】
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例8]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジエチルカーボネートを740g(6.3mol)、1,5−ペンタンジオールを500g(4.8mol)、1,6−ヘキサンジオールを230g(2.0mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するエタノールとジエチルカーボネートの混合物を留去しながら、8時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃とし、圧力10〜15kPaで、生成するエタノールとジエチルカーボネートの混合物を留去しながら2時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、190℃で5時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC8と称する。
【0064】
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例9]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1に示す装置と原料仕込み量で反応させた。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧で攪拌・加熱した。反応温度を150℃〜190℃とし、圧力3.0〜5.0kPaで、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物を留去しながら8時間反応を行った。その後、0.5kPaまで減圧し、エチレンカーボネートとジオールを留去しながら、190℃でさらに2時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC9と称する。
【0065】
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例10]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1に示す方法で反応を行い、さらに190℃で8時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC10と称する。
【0066】
[ポリカーボネートジオールの重合例11]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジメチルカーボネートを580g(6.4mol)、1,6−ヘキサンジオールを800g(6.8mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、8時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃とし、圧力10〜15kPaで、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら2時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、190℃で5時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC11と称する。
【0067】
[ポリカーボネートジオールの重合例12]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジメチルカーボネートを750g(8.3mol)、1,5−ペンタンジオールを480g(4.6mol)、1,6−ヘキサンジオールを400g(3.4mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、6時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜210℃とし、圧力9〜15kPaで、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら2時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、210℃で3時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC12と称する。
【0068】
[ポリカーボネートジオールの重合例13]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例7で用いた1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを用いた。ポリカーボネートジオール(b)の重合例1に示す装置に、エチレンカーボネートを630g(7.2mol)、1,5−ペンタンジオールを350g(3.4mol)、1,6−ヘキサンジオールを450g(3.8mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧で攪拌・加熱した。反応温度を150℃〜190℃とし、圧力3.0〜5.0kPaで、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物を留去しながら10時間反応を行った。その後、0.5kPaまで減圧し、エチレンカーボネートとジオールを留去しながら、190℃でさらに5時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC13と称する。
【0069】
[ポリカーボネートジオールの重合例14]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1に示す装置に、エチレンカーボネートを660g(7.5mol)、1,5−ペンタンジオールを160g(1.5mol)、1,6−ヘキサンジオールを90g(0.8mol)、1,4−ブタンジオールを470g(5.2mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧で攪拌・加熱した。反応温度を150℃〜190℃とし、圧力3.0〜5.0kPaで、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物を留去しながら10時間反応を行った。その後、0.5kPaまで減圧し、エチレンカーボネートとジオールを留去しながら、190℃でさらに5時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC14と称する。
【0070】
[ポリカーボネートジオールの重合例15]
ポリカーボネートジオールの重合例11において、1,6−ヘキサンジオールを1,5―ペンタンジオール710g(6.8mol)とした以外は、同じ装置を用い、同じ条件で反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC15と称する。
【0071】
[ポリカーボネートジオールの重合例16]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例10に示す方法で反応を行い、さらに190℃で12時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC16と称する。
【0072】
【表1】
【0073】
[実施例1]
酢酸エチル340gに、アクリルポリオール(a)(モノマー組成:n−ブチルアクリレート70質量部、4−ヒドロキシルブチルアクリレート2.5質量部、メチルメタアクリレート20質量部、スチレン7.5質量部であり、数平均分子量30000、OH価9)を80gと、ポリカーボネートジオール(b)としてPC1を20g加え、撹拌して均一な溶液とした。そこへ、ポリイソシアネート(c)としてイソシアヌレート構造タイプのTPA−100(旭化成ケミカルズ株式会社製、NCO含有量23.1%)を45g加えて撹拌し、接着剤組成物を調製した。
得られた接着剤組成物を用いてラミネートフィルムを作製し、外観、初期接着強度(所定条件でエージングした直後の試験片で測定)、接着強度の耐久性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0074】
[実施例2]
酢酸エチル390gに、実施例1で用いたアクリルポリオール(a)を80gと、ポリカーボネートジオール(b)としてPC2を20g加え、撹拌して均一な溶液とした。そこへ、ポリイソシアネート(c)としてイソシアヌレート構造タイプのTPA−100(旭化成ケミカルズ株式会社製、NCO含有量23.1%)を67g加えて撹拌し、接着剤組成物を調製した。
得られた接着剤組成物を用いてラミネートフィルムを作製し、外観、初期接着強度(所定条件でエージングした直後の試験片で測定)、接着強度の耐久性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0075】
[実施例3〜8、比較例1〜5]
ポリカーボネートジオールとして、PC3〜8及び11〜15を用いた以外は実施例1に示す方法で接着剤組成物を調製した。
得られた接着剤組成物を用いてラミネートフィルムを作製し、外観、初期接着強度(所定条件でエージングした直後の試験片で測定)、接着強度の耐久性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0076】
[実施例9]
酢酸エチル450gに、実施例1で用いたアクリルポリオール(a)を80gと、ポリカーボネートジオール(b)としてPC9を20g加え、撹拌して均一な溶液とした。そこへ、ポリイソシアネート(c)としてイソシアヌレート構造タイプのTPA−100(旭化成ケミカルズ株式会社製、NCO含有量23.1%)を95g加えて撹拌し、接着剤組成物を調製した。
得られた接着剤組成物を用いてラミネートフィルムを作製し、外観、初期接着強度(ラミネートフィルムを作製し所定条件エージングした直後の試験片で測定)、接着強度の耐久性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0077】
[実施例10]
酢酸エチル280gに、実施例1で用いたアクリルポリオール(a)を80gと、ポリカーボネートジオール(b)としてPC10を20g加え、撹拌して均一な溶液とした。そこへ、ポリイソシアネート(c)としてイソシアヌレート構造タイプのTPA−100(旭化成ケミカルズ株式会社製、NCO含有量23.1%)を20g加えて撹拌し、接着剤組成物を調製した。
得られた接着剤組成物を用いてラミネートフィルムを作製し、外観、初期接着強度(ラミネートフィルムを作製し所定条件エージングした直後の試験片で測定)、接着強度の耐久性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0078】
[比較例6]
酢酸エチル240gに、実施例1で用いたアクリルポリオール(a)を80gと、ポリカーボネートジオールとしてPC16を20g加え、撹拌して均一な溶液とした。そこへ、ポリイソシアネート(c)としてイソシアヌレート構造タイプのTPA−100(旭化成ケミカルズ株式会社製、NCO含有量23.1%)を13g加えて撹拌し、接着剤組成物を調製した。
得られた接着剤組成物を用いてラミネートフィルムの作製を試みたが、接着剤組成物が高粘度であるため、均一に塗布することが出来なかった。
【0079】
【表2】
【0080】
表2に示される結果から、本発明による接着剤組成物は、高い温度でのエージング後の外観が良好であり、かつ、初期の接着強度及び接着力の耐久性に優れていることが分かった。