(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
交通信号機の状況に関する条件であり、運転支援を開始するための条件である運転支援開始条件と、当該運転支援の内容を示す情報であり、方向指示器の点灯を指示する情報を含む運転支援内容情報とを有する1以上の運転支援管理情報が格納される運転支援管理情報格納部と、
交通信号機に関する情報であり、交通信号機の状況を示す交通信号機状況情報を有する情報である1以上の交通信号機情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した交通信号機情報が有する交通信号機状況情報が合致する運転支援開始条件に対応する運転支援内容情報を、前記運転支援管理情報格納部から取得する運転支援内容情報取得部と、
前記運転支援内容情報取得部が取得した運転支援内容情報に従って、方向指示器を点灯する運転支援部とを具備し、
前記運転支援開始条件は、
移動体が一の交通信号機に到着するまでの時間に関する条件、または移動体からの一の交通信号機までの距離に関する条件を含み、
前記受信部は、
一の交通信号機に対して予め決められた距離まで近づいたときに、当該交通信号機の交通信号情報を受信し、
前記予め決められた距離は、交通信号機ごとに異なる運転支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明による運転支援装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。また、所定の情報が格納され得る格納部等において、当該格納部に情報が記憶される過程は問わないものとする。例えば、記録媒体を介して情報が格納部等で記憶されるようになってもよい。また、通信回線などを介して送信された情報が格納部等で記憶されるようになってもよい。さらに、入力デバイスを介して入力された情報が格納部等で記憶されるようになってもよい。また、本実施の形態において説明する各情報の形式、内容などは、あくまで例示であり、各情報の持つ意味を示すことができれば、形式、内容などは問わない。
【0020】
(実施の形態1)
本実施の形態において、交通信号機に関する情報である1以上の交通信号機情報を交通信号機から受信し、当該受信した情報を用いて運転支援を行う運転支援装置1について説明する。なお、本実施の形態における運転支援装置1は、例えば、車や、バイク、自転車などの移動体(乗り物)に搭載されている。また、移動体には、通常、人も含まれる。また、交通信号機(以下、適宜、信号機)は、通常、車両用信号機であるが、歩行者用信号機であってもよい。また、運転支援とは、移動体を運転しているユーザ(ドライバー)を支援すること、ユーザの運転を支援することなどである。特に、本実施の形態においては、運転支援は、通常、移動体が交通信号機のある交差点に進入する際や、交通信号機が近づいてきた際に、ユーザが行うであろうと考えられる動作などの支援である。また、交通信号機情報とは、交通信号機に関する情報である。交通信号機情報は、通常、交通信号機の位置を示す交通信号機位置情報と、交通信号機の状況を示す交通信号機状況情報とを有する。また、交通信号機情報は、交通信号機を識別する交通信号機識別子を有していてもよい。交通信号機位置情報は、位置情報である。位置情報は、通常、経緯度を示す経緯度情報であるが、地図上の座標を示す座標情報や、高度を示す高度情報などであってもよい。また、交通信号機位置情報は、交通信号機識別子であってもよい。この場合、通常、任意の記憶領域に、当該識別子と、当該識別子で識別される交通信号機の位置を示す位置情報とが対応付いた情報が格納されている。また、交通信号機状況情報は、例えば、点灯しているランプの色や、次に点灯するランプの色、点灯するランプが変わるまでの時間、点灯しているランプが消えるまでの時間などを示す情報を有する。なお、以下、例えば、赤のランプが点灯している交通信号機のことを、「赤信号である交通信号機」と呼ぶ。また、一の交通信号機において、赤ランプの点灯から青ランプの点灯に変わることを、「赤信号から青信号に変わる」と呼ぶ。
【0021】
図1は、本実施の形態における運転支援装置1のブロック図である。運転支援装置1は、運転支援管理情報格納部11、受信部12、運転支援内容情報取得部13、運転支援部14を備える。
【0022】
運転支援管理情報格納部11には、運転支援を開始するための条件である運転支援開始条件と、運転支援の内容を示す運転支援内容情報とを有する1以上の運転支援管理情報が格納される。つまり、運転支援管理情報とは、移動体の走行中の運転支援を行う際に用いる情報である。
【0023】
運転支援開始条件は、交通信号機の状況に関する条件である。つまり、運転支援開始条件は、交通信号機状況情報を有する条件である。また、運転支援開始条件は、例えば、移動体が一の交通信号機に到着するまでの時間に関する条件や、移動体から一の交通信号機までの距離に関する条件、移動体の速度に関する条件などを有していてもよい。当該「到着する」とは、例えば、当該交通信号機の直下に到着することや、当該交通信号機の直下からnメートル以内の地点に到着することなどである。運転支援開始条件は、例えば、「交通信号機が赤信号であること」や、「通過時に赤信号であること」、「直近の交通信号機が赤信号である、かつ青信号に変わるまでの時間が30秒であること」、「直近の交通信号機の青信号から黄信号に変わるまでの時間が20秒である、かつ当該信号機に到着するまでの時間が10秒であること」などである。
【0024】
また、運転支援内容情報は、具体的には、運転支援のために移動体に対して行う制御内容を示す情報である。運転支援内容情報は、例えば、(1)移動体の走行時の属性を増減することや、(2)移動体の動作のON/OFFを切り替えること、(3)移動体が備える装置の動作を加減することなどを示す情報である。(1)の「走行時の属性」とは、例えば、速度や、加速度などである。また、(2)の「移動体の動作」とは、例えば、アイドリングや、方向指示器の点灯などである。また、(3)の「装置」とは、例えば、ブレーキや、エンジン、ハンドル、ギアボックスなどである。また、運転支援内容情報は、これらの制御を行うプログラムや、当該プログラムを識別する識別子であってもよい。運転支援内容情報がプログラムの識別子である場合、当該識別子で識別されるプログラムは、通常、運転支援管理情報格納部11に格納されている。
【0025】
また、運転支援開始条件は、移動体の状態に関する条件を有していてもよい。これは、つまり、運転支援開始条件は、運転支援内容情報を有する条件を有していてもよい。
【0026】
受信部12は、交通信号機に関する情報である1以上の交通信号機情報を受信する。本実施の形態において、交通信号機は、通常、1つの交通信号機につき当該交通信号機に対応する1つの交通信号機情報を送信している。従って、受信部12は、通常、当該送信されている交通信号機情報を、1以上の各交通信号機から受信し、合計1以上の交通信号機情報を受信する。
【0027】
また、受信部12は、通常、移動体が走行している道路上に位置し、かつ、移動体の進行方向に位置する1以上の交通信号機から、1以上の交通信号機情報を受信する。当該「移動体の進行方向」とは、通常、移動体の向いている方向から左右90°の範囲である。また、このとき、受信部12は、現在位置から直近の1つの交通信号機から、1つの交通信号機を受信することが好適である。当該「直近の交通信号機」とは、走行している道路上に位置する1以上の交通信号機のうち、最も近い位置にある交通信号機のことである。また、受信部12は、例えば、移動体の現在位置から予め決められた距離の範囲内(例えば、現在位置から半径nキロメートル以内)に位置する1以上の交通信号機から、1以上の交通信号機情報を受信してもよい。
【0028】
また、受信部12は、例えば、1つの交通信号機に対応する機器であり、当該交通信号機に対応する1つの交通信号機情報を送信する機器から、交通信号機情報を受信してもよい。当該機器は、例えば、電波ビーコンや、光ビーコンなどである。
【0029】
運転支援内容情報取得部13は、受信部12が受信した交通信号機情報が有する交通信号機状況情報が合致する運転支援開始条件に対応する運転支援内容情報を、運転支援管理情報格納部11から取得する。運転支援内容情報取得部13は、例えば、受信部12が受信した交通信号機情報が有する交通信号機状況情報が、運転支援管理情報格納部11に格納されている1以上の運転支援管理情報が有する運転支援開始条件のいずれに合致するか否かを判断する。そして、運転支援内容情報取得部13は、当該合致する運転支援開始条件に対応する運転支援内容情報を、当該運転支援管理情報から取得する。なお、当該「取得」には、運転支援内容情報が示すプログラムへのプログラムポインタのジャンプも含む。
【0030】
例えば、受信部12が受信した1つの交通信号機情報が有する交通信号機状況情報が「赤」であるとする。当該交通信号機情報は、「赤信号である」ことを意味する。また、運転支援開始条件が「赤」であるとする。当該運転支援開始条件は、「赤信号であること」を意味する。この場合、運転支援内容情報取得部13は、当該交通信号機状況情報が当該運転支援開始条件に合致すると判断し、当該運転支援開始条件に対応する経路条件を取得する。
【0031】
また、例えば、受信部12が受信した1つの交通信号機情報が有する交通信号機状況情報が「赤=30秒」であるとする。当該交通信号機情報は、「赤信号である時間が残り30秒である」ことを意味する。また、運転支援開始条件が「赤≦30秒」であるとする。当該運転支援開始条件は、「赤信号である時間が残り30秒以下であること」を意味する。この場合、運転支援内容情報取得部13は、当該交通信号機状況情報が当該運転支援開始条件に合致すると判断し、当該運転支援開始条件に対応する経路条件を取得する。
【0032】
また、例えば、受信部12が受信した1つの交通信号機情報が有する交通信号機状況情報が「赤=40秒」であるとする。また、移動体が当該交通信号機に到着するまでの予定時間(以下、到着予定時間)が「20秒」であるとする。当該予定時間の算出には、通常、移動体の速度と、移動体の現在位置から当該交通信号機までの距離を用いる。また、当該移動体の速度や、移動体の現在位置から交通信号機までの距離は、通常、運転支援内容情報取得部13が取得する。なお、移動体の速度の取得や、移動体の現在位置から交通信号機までの距離の取得、当該速度と距離を用いての時間の算出などの方法や手順などは、公知であるので、詳細な説明を省略する。そして、運転支援開始条件が「到着時:赤信号」であるとする。当該運転支援開始条件は、「移動体が到着する際に赤信号であること」を意味する。この様な場合、当該交通信号機状況情報に対応する交通信号機が赤信号である間に、移動体が当該交通信号機に到着するため、運転支援内容情報取得部13は、当該交通信号機に移動体が到着する際に、当該交通信号機は赤信号であると判断する。そして、運転支援内容情報取得部13は、当該交通信号機状況情報と当該到着予定時間とが当該運転支援開始条件に合致すると判断し、当該運転支援開始条件に対応する経路条件を取得する。
【0033】
また、運転支援内容情報取得部13は、通常、1つの運転支援内容情報を取得する。例えば、受信部12が受信した1つの交通信号機情報が有する交通信号機状況情報が2以上の運転支援開始条件に合致する場合、運転支援内容情報取得部13は、例えば、予め決められた基準に従い、当該2以上の運転支援開始条件から1つの運転支援開始条件を決定し、当該運転支援開始条件に対応する運転支援内容情報を取得する。なお、「予め決められた基準」とは、例えば、最初に合致することや、最後に合致すること、日付が最新であることなどである。なお、当該基準が予め決められていない場合、運転支援内容情報取得部13は、2以上の運転支援内容情報を取得してもよい。
【0034】
また、受信部12は、通常、移動体が走行している道路上に位置し、かつ、移動体の進行方向に位置し、かつ、直近に位置する1つの交通信号機から、1つの交通信号機情報を受信することが好適である。従って、運転支援内容情報取得部13は、通常、当該1つの交通信号機情報が有する交通信号機状況情報を、1以上の運転支援開始条件に合致するか否かの判断の対象とする。
【0035】
運転支援部14は、運転支援内容情報取得部13が取得した運転支援内容情報が示す内容の運転支援を行う。例えば、運転支援内容情報取得部13が取得した運転支援内容情報が「速度≦20km/h」であるとする。当該運転支援内容情報は、速度を制御することを示す速度制御情報である。また、当該速度制御情報は、移動体の速度を20km/h以下にすることを意味する。この場合、運転支援部14は、移動体の速度が20km/h以下になるように、移動体の速度を制御する。当該速度の制御は、例えば、ブレーキを掛けることや、アクセルの踏み込み量を減らすこと、エンジンの回転数を下げることなどである。この様に、運転支援内容情報が、速度の様な移動体の走行時の概念の制御を示す情報である場合、運転支援部14は、通常、移動体が備える装置であり、移動体の走行に関連する装置の制御を行う。
【0036】
また、例えば、運転支援内容情報取得部13が取得した運転支援内容情報が「ブレーキ:80%」であるとする。当該運転支援内容情報は、ブレーキを制御することを示すブレーキ制御情報である。また、当該ブレーキ制御情報は、移動体のブレーキを、全体の80%の踏み込み量で効かせることを意味する。この場合、運転支援部14は、ブレーキの踏み込み量が全体の80%になるように、移動体のブレーキを制御する。
【0037】
また、例えば、運転支援内容情報取得部13が取得した運転支援内容情報が「アイドリング:OFF」であるとする。当該運転支援内容情報は、アイドリングを制御することを示すアイドリング制御情報である。また、当該アイドリング制御情報は、アイドリングをOFFすることを意味する。この場合、運転支援部14は、アイドリングをOFFするために、エンジンを停止する。
【0038】
また、例えば、運転支援内容情報取得部13が取得した運転支援内容情報が、プログラム、またはプログラムの識別子である場合、運転支援部14は、当該プログラム、または当該プログラムの識別子で識別されるプログラムを実行する。
【0039】
運転支援管理情報格納部11は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0040】
また、受信部12は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されてもよい。
【0041】
また、運転支援内容情報取得部13は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。運転支援内容情報取得部13の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。なお、運転支援内容情報取得部13は、いわゆる車速センサや、スピードセンサ、衛星航法システム(GPS受信機など)や移動体通信用の基地局から位置情報を受信する装置などで実現され得てもよい。また、運転支援内容情報取得部13の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。
【0042】
また、運転支援部14は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。運転支援部14の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0043】
次に、運転支援装置1の全体動作について、
図2のフローチャートを用いて説明する。なお、所定の情報におけるi番目の情報は、「情報[i]」と記載するものとする。また、
図2のフローチャートにおいて、運転支援管理情報格納部11には、m個の運転支援管理情報が格納されているものとする。
【0044】
(ステップS201)運転支援装置1は、移動体が走行中であるか否かを判断する。走行中である場合は、ステップS202に進み、そうでない場合は、ステップS201に戻る。
【0045】
(ステップS202)運転支援内容情報取得部13は、受信部12が交通信号機情報を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップS203に進み、そうでない場合は、ステップS201に戻る。
【0046】
(ステップS203)運転支援内容情報取得部13は、カウンタiに1をセットする。
【0047】
(ステップS204)運転支援内容情報取得部13は、運転支援管理情報[i]が有する運転支援開始条件[i]に、ステップS202で受信した交通信号機情報が有する交通信号機状況情報が合致するか否かを判断する。合致する場合は、ステップS205に進み、そうでない場合は、ステップS206に進む。
【0048】
(ステップS205)運転支援内容情報取得部13は、運転支援開始条件に対応する運転支援内容情報[i]を取得する。そして、ステップS208に進む。
【0049】
(ステップS206)運転支援内容情報取得部13は、iがmであるか否かを判断する。mである場合は、ステップS201に戻り、そうでない場合は、ステップS207に進む。
【0050】
(ステップS207)運転支援内容情報取得部13は、iを1インクリメントする。そして、ステップS204に戻る。
【0051】
(ステップS208)運転支援部14は、ステップS205で取得した運転支援内容情報に従い、運転支援を行う。
【0052】
なお、
図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理を終了してもよい。
【0053】
(具体例)
次に、運転支援装置1の動作の具体例について説明する。なお、本具体例において、運転支援装置1は、自動車に搭載されている電子制御ユニット(Electronic Control Unit、以下、ECU)であるものとする。また、受信部12は、自動車の走行中に1以上の交通信号機情報を受信するものとする。つまり、受信部12は、自動車が走行を開始すると1以上の交通信号機情報の受信を開始するものとする。また、交通信号機は、予め決められた距離の範囲内の移動体に対して、当該交通信号機の交通信号機情報を送信するものとする。つまり、受信部12は、一の交通信号機に対して予め決められた距離まで近づいたときに、当該交通信号機の交通信号機情報を受信するものとする。なお、当該予め決められた距離は、交通信号機ごとに異なるものとする。また、運転支援管理情報格納部11には、
図3に示す運転支援管理情報が格納されているものとする。当該運転支援管理情報は、各レコードを一意に特定するためのID(項目名:ID)と、運転支援開始条件(項目名:開始条件)と、運転支援内容情報(項目名:支援内容)とを有する。
【0054】
まず、ドライバー(ユーザ)が自動車のエンジンを始動し、運転を開始したとする。すると、自動車は、走行を開始する。また、受信部12は、交通信号機情報の受信を開始する。このとき、受信部12は、交通信号機情報は未受信であるものとする。
【0055】
ここで、自動車が走行中の道路上に位置し、当該位置から300mの位置を通過する移動体に対して交通信号機情報を送信する交通信号機があるとする。また、当該交通信号機から300mの位置を、自動車が通過したとする。すると、受信部12は、当該交通信号機が送信している交通信号機情報を受信する。ここで、受信部12は、交通信号機状況情報「青⇒赤:15秒」を有する交通信号機情報を受信したものとする。当該交通信号機状況情報は、青信号から赤信号になるまでの時間が15秒であることを意味する。
【0056】
次に、運転支援内容情報取得部13は、自動車が現在位置から当該交通信号機に到着するまでの予定時間を算出する。ここで、当該到着予定時間が「20秒」であるとする。すると、運転支援内容情報取得部13は、自動車が当該交通信号機に到着する際に、当該交通信号機は赤信号であると判断する。
【0057】
次に、運転支援内容情報取得部13は、上記の判断結果に基づき、受信部12が受信した交通信号機状況情報「青⇒赤:15秒」が、
図3の「ID=012」の運転支援開始条件「(到着時:赤)」に合致すると判断する。当該運転支援開始条件は、移動体が到着する際に赤信号であることを意味する。そして、運転支援内容情報取得部13は、当該「ID=012」の運転支援内容情報「速度≦10km/h」を取得する。当該交通支援内容情報は、移動体の速度を10km/h以下にすることを意味する。
【0058】
次に、運転支援部14は、運転支援内容情報取得部13が取得した運転支援内容情報「速度≦10km/h」に従い、自動車の速度が10km/h以下になるように、自動車の速度を制御する。このとき、運転支援部14は、例えば、アクセルをOFFにすることを示す電気信号をアクセルに送信する。また、運転支援部14は、例えば、ブレーキを掛けることを示す電気信号をブレーキに送信する。
【0059】
また、例えば、自動車が走行中の道路上に位置し、当該位置から800mの位置を通過する移動体に対して交通信号機情報を送信する交通信号機があるとする。また、当該交通信号機から800mの位置を、自動車が通過したとする。すると、受信部12は、当該交通信号機が送信している交通信号機情報を受信する。ここで、受信部12は、交通信号機状況情報「赤:50秒」を有する交通信号機情報を受信したものとする。当該交通信号機状況情報は、赤信号である時間が残り50秒であることを意味する。また、このとき、運転支援内容情報取得部13は、自動車が現在位置から当該交通信号機に到着するまでの予定時間を算出し、到着予定時間「15秒」を算出したものとする。
【0060】
次に、運転支援内容情報取得部13は、受信部12が受信した交通信号機状況情報「赤:50秒」と、上記の交通信号機に到着するまでの予定時間が、
図3の「ID=014」の運転支援開始条件「(40秒≦赤<60秒)&(5秒≦到着<20秒)」に合致すると判断する。当該運転支援開始条件は、赤信号である時間が残り40秒以上60秒未満であり、かつ、現在位置から当該交通信号機に到達するまでの時間が5秒以上20秒未満であることを意味する。そして、運転支援内容情報取得部13は、当該「ID=014」の運転支援内容情報「ブレーキ:40%」を取得する。当該交通支援内容情報は、移動体のブレーキを、全体の40%の踏み込み量で効かせることを意味する。
【0061】
次に、運転支援部14は、運転支援内容情報取得部13が取得した運転支援内容情報「ブレーキ:40%」に従い、ブレーキの踏み込み量が全体の40%になるようにブレーキを制御する。具体的に、運転支援部14は、ブレーキの踏み込み量を全体の40%にする電気信号をブレーキに送信する。
【0062】
また、例えば、自動車が走行中の道路上に位置し、当該位置から50mの位置までの間を走行している移動体に対して交通信号機情報を送信する交通信号機があるとする。また、当該交通信号機から30mの位置に、自動車が停車したとする。すると、受信部12は、当該交通信号機が送信している交通信号機情報を受信する。ここで、受信部12は、交通信号機状況情報「赤:60秒」を有する交通信号機情報を受信したものとする。また、このとき、運転支援内容情報取得部13は、自動車の速度を取得し、速度「0km/h」を取得したものとする。
【0063】
次に、運転支援内容情報取得部13は、受信部12が受信した交通信号機状況情報「赤:60秒」と、取得した速度「0km/h」とが、
図3の「ID=015」の運転支援開始条件「(赤≧30秒)&(速度=0km/h)」に合致すると判断する。そして、運転支援内容情報取得部13は、当該「ID=015」の運転支援内容情報「アイドリング停止」を取得する。当該交通支援内容情報は、アイドリングを停止することを意味する。
【0064】
次に、運転支援部14は、運転支援内容情報取得部13が取得した運転支援内容情報「アイドリング停止」に従い、アイドリングを停止する。具体的に、運転支援部14は、エンジンをOFFにする電気信号をエンジンに送信する。
【0065】
以上、本実施の形態による運転支援装置1によれば、交通信号機に関する情報を用いた運転支援を行うことができる。
【0066】
また、本実施の形態による運転支援装置1によれば、交通信号機に関する情報に応じて速度を制御することができる。これにより、例えば、移動体が赤信号である交通信号機に近づいたときに、速度を低下させることができる。
【0067】
また、本実施の形態による運転支援装置1によれば、交通信号機に関する情報に応じてブレーキを制御することができる。これにより、例えば、交通信号機が赤信号である場合に、移動体を停車させることができる。
【0068】
また、本実施の形態による運転支援装置1によれば、交通信号機に関する情報に応じてアイドリングを制御することができる。これにより、例えば、赤信号により移動体が停車している場合に、アイドリングを停止させることができる。
【0069】
また、本実施の形態による運転支援装置1によれば、交通信号機や、サーバ装置からなどから交通信号機情報を受信することができる。
【0070】
(実施の形態2)
本実施の形態において、交通信号機に関する情報である1以上の交通信号機情報をサーバ装置から受信し、当該受信した情報を用いて運転支援を行う運転支援装置2について説明する。なお、本実施の形態における運転支援装置2は、例えば、車や、バイク、自転車などの移動体(乗り物)に搭載されている。また、移動体には、通常、人も含まれる。また、交通信号機(以下、適宜、信号機)は、通常、車両用信号機であるが、歩行者用信号機であってもよい。
【0071】
本実施の形態における運転支援装置2のブロック図は、
図1と同様であり、
図1の「受信部12」を「受信部22」と読み替えたものである。運転支援装置2は、運転支援管理情報格納部11、受信部22、運転支援内容情報取得部13、運転支援部14を備える。
【0072】
受信部22は、交通信号機に関する情報である1以上の交通信号機情報を受信する。本実施の形態において、受信部22は、1以上の交通信号機情報を保持しているサーバ装置から、1以上の交通信号機情報を受信する。当該サーバ装置は、通常、不特定の移動体に対して、1以上の交通信号機情報を送信している。また、当該サーバ装置には、例えば、人工衛星が含まれると考えてもよい。
【0073】
また、受信部22は、通常、移動体が走行している道路上に位置し、かつ、移動体の進行方向に位置する1以上の交通信号機から、1以上の交通信号機情報を受信する。このとき、受信部22は、現在位置から直近の1つの交通信号機から、1つの交通信号機を受信することが好適である。また、受信部22は、例えば、移動体の現在位置から予め決められた距離の範囲内(例えば、現在位置から半径nキロメートル以内)に位置する1以上の交通信号機から、1以上の交通信号機情報を受信してもよい。
【0074】
受信部22は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されてもよい。
【0075】
なお、本実施の形態における運転支援装置2の全体動作や、動作の具体例については、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0076】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されてもよいことは言うまでもない。
【0077】
また、上記各実施の形態における運転支援装置は、例えば、スタンドアロンの装置であってもよいし、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、例えば、ASP(Application Service Provider)として交通信号機情報の受信や運転支援が行われてもよい。
【0078】
また、上記各実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよいし、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0079】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよいし、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0080】
また、上記各実施の形態における運転支援装置を実現するソフトウェアは、例えば、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、記録媒体に、交通信号機の状況に関する条件であり、運転支援を開始するための条件である運転支援開始条件と、当該運転支援の内容を示す運転支援内容情報とを有する1以上の運転支援管理情報が格納されており、コンピュータを、交通信号機に関する情報であり、交通信号機の状況を示す交通信号機状況情報を有する情報である1以上の交通信号機情報を受信する受信部と、前記受信部が受信した交通信号機情報が有する交通信号機状況情報が合致する運転支援開始条件に対応する運転支援内容情報を取得する運転支援内容情報取得部と、前記運転支援内容情報取得部が取得した運転支援内容情報が示す内容の運転支援を行う運転支援部として機能させるためのプログラムである。
【0081】
なお、上記プログラムにおいて、ハードウェアでしか行われない処理は少なくとも含まれない。
【0082】
また、上記プログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよいし、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0083】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよいし、複数であってもよい。つまり、集中処理を行ってもよいし、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0084】
また、
図4は、前述のプログラムを実行して、前述の実施の形態の運転支援装置等を実現するコンピュータシステム9の概観図である。前述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
【0085】
図4において、コンピュータシステム9は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ9011、FD(Flexible Disk)ドライブ9012を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0086】
図5は、コンピュータシステム9のブロック図である。
図5において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012に加えて、MPU(Micro Processing Unit)9013と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM(Read−Only Memory)9014と、MPU9013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM(Random Access Memory)9015と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク9016と、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012、MPU9013等を相互に接続するバス9017とを備える。ここでは図示しないが、コンピュータ901は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを備えていてもよい。
【0087】
コンピュータシステム9に、前述の実施の形態の運転支援装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM9101、またはFD9102に記憶されて、CD−ROMドライブ9011またはFDドライブ9012に挿入され、さらにハードディスク9016に転送されてもよい。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク9016に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM9015にロードされる。プログラムは、CD−ROM9101、FD9102またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0088】
プログラムは、コンピュータ901に、前述の実施の形態の運転支援装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいればよい。コンピュータシステム9がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0089】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。