(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無線コントローラデバイスを介して、特定されていない隠れたオーディオネットワークへ無線デバイスが接続するためのネットワーク接続リクエストを開始するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0004】
さらに、図面は、例示的な実施形態を説明することを目的としているが、本開示は、図面に示した配置および手段に限定されるものではない。
【0005】
I.概要
家庭又はその他の場所にある再生ネットワーク(例えば、ホームミュージックシステム)において、1つ以上のマルチメディア再生デバイスを接続するために、有線又は無線のネットワークを使用することができる。ある例では、ネットワークに接続される再生デバイスのパラメータの自動設定を、人間の介入を低減又は最小にしながら行う。例えば、デバイスのグループ間の通信を促進するために、有線および/又は無線のアドホックネットワークが確立される。新たなデバイスがネットワークに追加されると、ネットワーク内にある1つのデバイス(「第1のデバイス」)と、新たなデバイス(「第2のデバイス」)との間で基礎的な通信パスが最初に確立され、新たなデバイスがネットワーク内で正しく機能するようにパラメータ(例えば、サービスセット識別子(SSID)、基本サービスセット識別子(BSSID)、有線同等プライバシー(WEP)セキュリティ、チャネル周波数など)が交換可能となる。パラメータが安全な方法で交換されるように、2つのデバイス間にて例えば、付加的な公開セキュリティ手順を使用することができる。良好な接続を確保するために、観察されるネットワーク特性に基づき、利用可能なネットワークの間でデバイスが切り替わるように構成することができる。
【0006】
以下において、コンポーネントの中でも特に、ハードウェア上で実行されるファームウェアおよび/又はソフトウェアを含む、例示的なシステム、方法、装置、および製品を開示するが、これらは単なる例示であってこれらに限定されるものではない。例えば、ファームウェア、ハードウェアおよび/又はソフトウェアのコンポーネントのいずれか又はその全てが、ハードウェア単独で、ソフトウェア単独で、ファームウェア単独で、および/又はハードウェア、ソフトウェアおよび/又はファームウェアの任意の組み合わせで具現化される。したがって、以下では、例示的なシステム、方法、装置、および/又は製品を記述するが、これらの例は、このようなシステム、方法、装置、および/又は製品を実施するための唯一の方法ではない。
【0007】
特許請求の範囲の請求項がソフトウェアおよび/又はファームウェアの実施を純粋にカバーするように読めるときには、少なくとも1つの例における少なくとも1つの要素が、本明細書にて、ソフトウェアおよび/又はファームウェアを記憶するメモリ、DVD、CD、ブルーレイなどの有形媒体を含むように明示的に定義される。
【0008】
これらの実施形態および多くの付加的な実施形態が以下でより詳細に説明される。さらに、詳細な説明は、例示的な環境、システム、手順、ステップ、論理ブロック、処理、およびネットワークに接続されたデータ処理デバイスの動作に直接的又は間接的に似た他の記号表現に関して主として提示される。これらのプロセスの記載および表現は、一般的に、当業者によって使用され、最も効果的に他の当業者にそれらの仕事の内容を伝えられている。多数の特定の詳細が本開示の完全な理解を提供するために説明される。しかしながら、本開示のある実施形態は、ある種の特定の詳細なしに実施できることが当業者に理解される。他の例では、周知の方法、手順、コンポーネント、および回路は、簡略化して説明されており、不必要に実施形態の態様を不明瞭にすることを避けている。
【0009】
本明細書での「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態に含まれ得ることを意味する。明細書における様々な部分でのこのフレーズの使用は、同じ実施形態を必ずしも言及しておらず、また、他の実施形態と互いに排他的な別個の又は代替的な実施形態でもない。このように、本明細書に記載の実施形態を他の実施形態と組み合わせてもよいことが、明示的および暗示的に当業者によって理解される。
【0010】
ある例は、マルチメディア再生デバイスに接続するために用いられる無線ネットワーク(例えば、無線メッシュネットワーク)などのネットワークを提供し、これは本明細書でゾーンプレーヤーとも称される。ネットワークに接続された1つ以上のゾーンプレーヤーでの音楽再生および/又はその他のアクティビティを制御するために、スマートフォン(Android(商標)スマートフォン、AppleのiPhone(商標)およびAppleのiPad(商標)など)上で動作するコントローラ、パーソナルコンピュータ上で動作するコントローラ、および専用のコントローラ(例えば、Sonos・CR200(商標))などのコントローラを使用することができる。
【0011】
ある実施形態は、無線ネットワークを介して、家庭、乗り物、又はその他の場所を通して音楽を再生するように設計されたマルチルーム音楽システムを提供する。他のほとんどの無線ネットワークとは異なり、セットアップを簡素化するために暗号化キーやSSIDが自動的に生成されるため、ユーザはそれを手動で生成する必要はない。これにより、音楽又はその他のマルチメディアコンテンツをより信頼性高く再生することができる。
【0012】
全てのトラフィックを中継する中央ハブを有する従来の無線アクセスポイントシステムでは、家庭全体に及ぶ十分に広範囲にカバーすることや、同期化したデジタル音楽再生で所望のレベルのパフォーマンスを発揮することができない。各ゾーンプレーヤーが別のゾーンプレーヤーの範囲内にある限り、無線ネットワークはインターネットやユーザのコンピュータから、音楽やその他のコンテンツを、ユーザが楽しむことを望む部屋へどのようにルーティングするかを決定することができる。コントローラは、ユーザがその場所からシステムを制御できるように、1つのゾーンプレーヤーから次のところへ透過的に移行される。
【0013】
ある実施形態では、コントローラは、無線ルータなどのローカル(例えば、家庭)無線(例えば、WiFi)アクセスポイントや、ネットワーク上のゾーンプレーヤーによって形成されるローカルノードなどを含めた様々な接続を経由して、再生用のネットワークに接続することができる。これにより、コントローラは、無線アクセスポイントかネットワークに接続されたゾーンプレーヤーのいずれかを介してネットワークに接続し、マルチメディアの再生やその他のゾーンプレーヤー機能を制御することができる。ある実施形態では、コントローラは、WiFiアクセスポイントとローカルゾーンプレーヤーノード間でローミング可能な無線デバイス上にて実行することができる。ある実施形態では、各ネットワークが異なるSSIDに関連付けられることで、コントローラデバイスは例えば同じ範囲内にある場合に、同じネットワークにローミングおよび接続するよりもむしろ、2つの異なるネットワーク間でローミングする。
【0014】
ある実施形態では、無線ネットワークに接続された1つ以上のゾーンプレーヤーは、デバイスを保持して音楽やその他のコンテンツを選択するユーザの手に対応するよう設計されたマルチアンテナ構成と組み合わせて、無線技術を利用する。例えば、3つのアンテナ構成を用いることで、送信可能な最良の無線範囲および性能を発揮する所望の信号強度での送信・受信を行うように、ゾーンプレーヤーは最大効率にて動作することが可能となる。
【0015】
ある実施形態は、デバイスや人がネットワーク名を知らない、あるいはネットワーク名を入力しなくとも(例えば、ディスカバリおよび接続がなくとも)、隠れたネットワークへの無線デバイスによる接続機能を提供する。例えば、WiFiアクセスポイントを利用できない場合、コントローラ(例えば、スマートフォンコントローラ)は、ユーザにネットワーク名の入力を要求することなく、かつ、スマートフォンがネットワークの存在を知らなくても、隠れたネットワークに接続できる。
【0016】
ある実施形態では、セットアップ技術を用いて、インターフィアレンスが最小な無線チャネルを検索し、安全な無線ネットワークをデフォルトによってセットアップする。家又はその他の場所で伝達されるデータの経路を自動で最適化するために、メッシュネットワーキングスタック(mesh networking stack)が設けられ、これにより、再生を中断することなく視聴することができる。ある実施形態では、複数の部屋に対して、同一のデータ(例えば、同じ曲)の効率的な配信を容易にするために、マルチキャスティングサポートを組み込んでいる。
【0017】
ある実施形態では、無線(例えば、WiFi)接続とともに、無線メッシュネットワーク(例えば、SonosNetネットワーク)を、利用可能なネットワークのリストの2番目に配置しており、これにより、スマートフォンコントローラがWiFiアクセスポイントの範囲外にある場合にも、スマートフォンは、アクセスポイントとしてメッシュネットワークを使用できるようにしている。したがって、データは、(ゾーンプレーヤーがWiFiアクセスポイントであるかのように)ゾーンプレーヤーを通過することができるので、ローカルノードゾーンプレーヤーをマルチメディアの再生やウェブサーフィンなどの接続ポイントとして使用することができる。ある実施形態では、無線デバイス(例えば、スマートフォン)は、1つ以上の基準に基づいて、WiFiアクセスポイントかローカルゾーンプレーヤーノードをネットワークアクセスポイントとして選択することができる。
【0018】
本明細書に記載のシステム、方法、装置、および/又は製品の実施形態によれば、複数の再生デバイスと関連してネットワークの検知、制御、管理を行う。以下でより詳細に説明するように、本明細書に記載のシステム、方法、装置、および/又は製品によって、電話やタブレットコンピュータなどの無線デバイスのユーザは、隠れたネットワークへ接続できるようになる。本明細書に記載のシステム、方法、装置、および/又は製品によって、電話やタブレットコンピュータなどの無線デバイスのユーザは、マルチメディアコンテンツの制御および再生を行うためのアクセスを維持するように、複数の利用可能な接続間でのモニタおよび切り替えを行うことができるようになる。
【0019】
ある実施形態は、無線デバイス又はユーザネットワークが隠れたネットワークのネットワーク名を知る又は入力することなく、その隠れたネットワークに無線デバイスを接続する方法が提供される。当該例示的な方法は、マルチメディア再生デバイスを介して、オーディオネットワークに対するネットワーク接続リクエストを検出するステップを含む、ここで、オーディオネットワークは、当該リクエスト内では特定されておらず、ある場所で利用可能であるが隠れている。当該例示的な方法は、マルチメディア再生デバイスを介して、隠れたオーディオネットワークに無線デバイスを接続させる接続フェーズをトリガするステップを含む。当該例示的な方法は、予め設定された識別子とともにネットワークアクセスポイントを無線デバイスに示すステップを含む、ここで、当該ネットワークアクセスポイントには、無線デバイスは接続フェーズの間に有効な所定のパスワードを用いて接続することができる。当該例示的な方法は、ネットワークアクセスポイントを介して、所定のパスワードを用いてオーディオネットワークとともに無線デバイスを認証し、当該無線デバイスを、接続フェーズにおけるオーディオネットワークへの接続を制限しながらオーディオネットワークに関連付けるステップを含む。当該例示的な方法は、オーディオネットワークとの接続から無線デバイスを解除するステップを含む。当該例示的な方法は、動作フェーズにおいて、無線デバイスによるオーディオネットワークへの接続を受け付けるステップを含む、ここで、当該接続は、接続フェーズに無線デバイスへ提供された情報を用いて接続フェーズの接続制限を受けずに確立される。
【0020】
ある実施形態は、マルチメディア再生デバイスからのコマンドがないと存在のインジケータを提供しないように構成されたローカルマルチメディア再生ネットワークに接続される例示的なマルチメディア再生デバイスを提供する。当該例示的なマルチメディア再生デバイスは、マルチメディア再生デバイスでのユーザアクションに基づき、隠れたネットワークにデバイスが接続するための接続フェーズを開始する。当該例示的なマルチメディア再生デバイスは、予め設定された識別子とともにネットワークアクセスポイントを無線デバイスに示す、ここで、当該ネットワークアクセスポイントには、無線デバイスは接続フェーズの間に有効な所定のパスワードを用いて接続することができる。当該例示的なマルチメディア再生デバイスは、ネットワークアクセスポイントを介して、所定のパスワードを用いてオーディオネットワークとともに無線デバイスを認証し、当該無線デバイスを、接続フェーズにおけるオーディオネットワークへの接続を制限しながらオーディオネットワークに関連付ける。当該例示的なマルチメディア再生デバイスは、オーディオネットワークとの接続から無線デバイスを解除する。当該例示的なマルチメディア再生デバイスは、動作フェーズにおいて、無線デバイスによるオーディオネットワークへの接続を受け付ける、ここで、当該接続は、接続フェーズに無線デバイスへ提供された情報を用いて接続フェーズの接続制限を受けずに確立される。
【0021】
ある実施形態は、プロセッサによって実行される命令を含んだコンピュータ可読媒体を提供する。その命令は実行されるとプロセッサに対して、再生ネットワークにデバイスを接続する方法を実行させる。
【0022】
II.例示的な環境
図面の全体を通して同様のパーツに対しては、同様の符号を用いる。
図1は、例示的なシステム構成100を示し、このシステム構成100において、本明細書に記載の1つ以上の方法および/又は装置が実施又は実行される。システム構成100が、複数のゾーンを有する家庭に用いられた場合を、例示的に示す。それぞれのゾーンは例えば、オフィス、浴室、寝室、キッチン、ダイニングルーム、ファミリールーム、ホームシアタールーム、ユーティリティ又はランドリールーム、パティオなどの異なる部屋又はスペースを表す。ここには示されていないが、1つのゾーンが複数の部屋やスペースを占めるものであっても良い。各ゾーンに1つ以上のゾーンプレーヤー102―124が示されている。ゾーンプレーヤー102―124は、再生デバイス、マルチメディアユニット、スピーカーなどで構成され、それぞれ、オーディオ、ビデオ、および/又はオーディオビジュアルの出力を行う。コントローラ130(ここでは例示的にキッチンに設けられている)は、システム構成100の制御を行う。システム構成100は、例示的なハウスオーディオシステム全体を表すが、本明細書に記載の技術は、これらの特定の場所への用途に限定されず、又は
図1のハウスオーディオシステム100全体のような広範囲のシステムにも限定されない。
【0023】
図2A、
図2B、
図2Cは、ゾーンプレーヤー200−204の例示的なタイプを示す。
図2A、
図2B、
図2Cのゾーンプレーヤー200―204のそれぞれは、
図1のゾーンプレーヤー102―124のいずれにも対応するものである。いくつかの実施形態では、オーディオ出力を単一のゾーンプレーヤーを用いて生成する複数のゾーンプレーヤーが提供される。
図2Aは、(例えば、無線により、および/又は有線のインタフェースを介して)受信された信号に対応する音声又はオーディオ出力を生成可能な音声生成機器208を示す。音声生成機器208は、内蔵アンプ(図示せず)とスピーカー(例えば、ツイーター、ミッドレンジドライバおよび/又はサブウーファー)とを備える。いくつかの実施形態では、
図2Aのゾーンプレーヤー200は、ステレオ又はモノラルのオーディオを再生するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、
図2Aのゾーンプレーヤー200は、ステレオ、モノラルおよび/又はサラウンドのオーディオを再生するゾーンプレーヤーの組合せにおけるコンポーネントとして構成されてもよい。以降で詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、
図2Aのゾーンプレーヤー200は、第2の信号を、例えば、同じ又は異なるゾーン、スピーカー、受信機などにおける他のゾーンプレーヤーに送信することもできる。第2の信号の送信は例えば、複数のゾーンプレーヤー、スピーカー、受信機などが1つのネットワークを形成することでメディアコンテンツを例えば同期型又は分散型の手法により提示するようなシステムの一部であってもよい。
【0024】
図2Bの例示的なゾーンプレーヤー202は、分離したスピーカー210のセットを起動するための内蔵アンプ(図示せず)を備える。
図2Bのスピーカー210は、例えば、任意のタイプのラウドスピーカーを有してもよい。
図2Bのゾーンプレーヤー202は、オーディオコンテンツに対応する信号を有線および/又は無線のチャネルを介して分離したスピーカー210へ通信する。
図2Aのようにオーディオコンテンツを受信および生成する代わりに、
図2Bのゾーンプレーヤー202はオーディオコンテンツを受信するとともに、分離したスピーカー210へ同じものを(例えば受信した信号の処理後に)送信する。
図2Aの例示的なゾーンプレーヤーと同様に、いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー202は、第2の信号を例えば、同じ又は異なるゾーン、スピーカー、受信機などにおける他のゾーンプレーヤーに送信することもできる。
【0025】
図2Cの例示的なゾーンプレーヤー204は、アンプを含まないが、内蔵アンプを有する受信機214又は別のオーディオおよび/又はビデオタイプのデバイスが
図1のデータネットワーク128へ接続するとともに、データネットワーク128から受信機214および分離したスピーカー216のセットを介して受信したオーディオを再生することを可能にする。
図2Cに示される有線結合に加えて、分離したスピーカー216は、例えばゾーンプレーヤー204および/又は受信機214との間における無線通信チャネルを介してオーディオコンテンツを受信することができる。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー202は、第2の信号を例えば、同じ又は異なるゾーン、スピーカー、受信機などにおける他のゾーンプレーヤーに送信することもできる。
【0026】
例として、ゾーンプレーヤーには、カリフォルニア州サンタバーバラのソノズ・インコーポレイテッドによって提供される「ソノズ(登録商標)S5」、「ソノズ プレイ:5」、「ソノズ プレイ:3」、「ゾーンプレーヤー120」および「ゾーンプレーヤー90」が含まれる。その他の任意の過去の、現在の、および/又は未来のゾーンプレーヤーを付加的に又は代替的に用いて、本明細書に記載の例示的な実施形態のゾーンプレーヤーを実現してもよい。ゾーンプレーヤーは、本明細書では再生デバイスとも称されるが、
図2A、
図2B、
図2Cに示される特定の例に限定されない。例えば、ゾーンプレーヤーは、有線又は無線のヘッドホンを含んでもよい。他の例では、ゾーンプレーヤーは、サブウーファーを含む場合がある。さらに他の例では、ゾーンプレーヤーはサウンドバーを含む場合がある。一例では、ゾーンプレーヤーは、アップル社のIPod(商標)又は同様のデバイス用のドッキングステーションを含む、又はそれと交信可能である。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤーは、例えば第1のゾーンプレーヤーから受信した1つ以上の信号を別の再生デバイスへ中継してもよい。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤーは、第1の信号を受信して第1の信号に対応する出力を生成し、同時に又は別個に、第2の信号を受信して第2の信号を別のゾーンプレーヤー、スピーカー、受信機などに送信又は中継してもよい。このように、本明細書に記載の例示的なゾーンプレーヤーは、再生デバイスとして機能して、同時にゾーンプレーヤーのネットワーク内のハブとして動作可能である。このような場合、第1の信号に対応するメディアコンテンツは、第2の信号に対応するメディアコンテンツと異なってもよい。
【0027】
図3は、ドッキングステーション302に入っている例示的な無線コントローラ300を示している。コントローラ300は、
図1の制御デバイス130に対応し得る。コントローラ300には、タッチスクリーン304が設けられている。ユーザはタッチスクリーン304を用いて、コントローラ300と交信して、例えば、オーディオアイテムのプレイリストの読み出し・ナビゲート操作、1つ以上のゾーンプレーヤーの制御操作、およびシステム構成100全体の制御操作を行うことができる。いくつかの実施形態では、システム構成100を制御するために、任意の数のコントローラが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、システム構成100を制御することができるコントローラの数に制限が存在してもよい。コントローラは、無線コントローラ300のような無線式であっても、データネットワーク128に接続された有線式であってもよい。さらに、IPhone(商標)、IPad(商標)、アンドロイド(商標)電話などの任意のネットワーク対応ポータブルデバイス上で動作するアプリケーション、又は他の任意のスマートフォンやネットワーク対応デバイス上で動作するアプリケーションを、データネットワーク128に接続することでコントローラとして使用してもよい。ラップトップ又はであるクトップのPC又はMac上で動作するアプリケーションをコントローラとして使用しても良い。例示的なコントローラには、カリフォルニア州サンタバーバラのソノズ・インコーポレイテッドによって提供される「ソノズ(登録商標)コントローラ200」、「ソノズ(登録商標)IPhone用コントローラ」、「ソノズ(登録商標)IPad用コントローラ」、「ソノズ(登録商標)アンドロイド用コントローラ」および「ソノズ(登録商標)Mac又はPC用コントローラ」が含まれる。このような用途への柔軟性および新たなタイプのポータブルデバイスへの移植能力は好都合である。
【0028】
図1のシステム構成100に戻ると、特定のゾーンは、1つ以上のゾーンプレーヤーを含んでもよい。例えば、
図1のファミリールームは、2つのゾーンプレーヤー106、108を含み、キッチンには1つのゾーンプレーヤー102が示されている。ゾーンプレーヤーをある部屋又はスペースに配置するとともに、そのゾーンプレーヤーをコントローラ130を介して新たな又は既存のゾーンに割り当てることにより、ゾーンを動的に構成してもよい。このように、ゾーンは、そのようにプログラムされている場合には、生成され、別のゾーンと組み合わされ、取り除かれ、特定の名前(例えば、「台所」)が与えられてもよい。ゾーンプレーヤー102−124は、
図1に示されるデータネットワーク128などのデータネットワークに直接的又は間接的に接続される。データネットワーク128は、図中の他の構成要素から目立つように八角形で示されている。データネットワーク128は1つの場所にのみ示されているが、このようなネットワークをシステム構成100の中およびその周りに分配してもよい。
【0029】
特に、データネットワーク128は、有線ネットワーク、無線ネットワーク又は両方の組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124のうちの1つ以上が、独自のメッシュネットワークに基づいてデータネットワーク128へ無線で接続される。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124のうちの1つ以上が、非メッシュトポロジーを用いてデータネットワーク128へ無線で接続される。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124のうちの1つ以上が、イーサネット(登録商標)又は同様の技術を用いてデータネットワーク128へ有線で接続される。データネットワーク128に接続した1つ以上のゾーンプレーヤー102−124に加えて、データネットワーク128は、インターネットなどの広域ネットワークへのアクセスを可能とするものであってもよい。
【0030】
ある実施形態では、任意のゾーンプレーヤー102−124又は他の接続デバイスをブロードバンドルータに接続することにより、データネットワーク128を生成してもよい。そのとき、他のゾーンプレーヤー102−124を無線又は有線でデータネットワーク128に追加してもよい。例えば、データネットワーク128への接続を可能とするゾーンプレーヤー自体のボタンを単に押すことで、ゾーンプレーヤー(例えば、任意のゾーンプレーヤー102−124)をシステム構成100に追加してもよい。ブロードバンドルータは例えば、インターネットサービスプロバイダ(ISP)に接続されてもよい。ブロードバンドルータは、他の用途(例えば、ウェブサーフィン)にも使用することができるシステム構成100内の別のネットワークを形成するように使用されてもよい。データネットワーク128は、そのようにプログラムされる場合には、他の用途に使用されてもよい。さらに、ある実施形態では、データネットワーク128は、家庭内での他の用途にも使用されている同一のネットワークである。
【0031】
ある実施形態では、それぞれのゾーンは、別のゾーンと同じオーディオソースから再生を行ってもよく、又は、異なるオーディオソースから再生を行ってもよい。例えば、誰かがパティオでグリルしながらゾーンプレーヤー124を通じてジャズ音楽を聞いている一方で、誰かはキッチンで料理を準備しながらゾーンプレーヤー102を通じてクラシック音楽を聞くこともできる。さらに、オフィスにいる誰かが、パティオでゾーンプレーヤー124を通じて再生されているものと同じジャズ音楽をゾーンプレーヤー110を通じてオフィスで聞くこともできる。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー110、124を通じて再生されるジャズ音楽が同期して再生される。複数のゾーンにわたって再生を同期することで、オーディオを途切れなく聞きながら複数のゾーンを通過することができる。さらに、関連する全てのゾーンが同期してオーディオを再生するように、ゾーンを「パーティーモード」に設定することもできる。
【0032】
ある実施形態では、1つのゾーンは、2つ以上のゾーンプレーヤーを含む。例えば、ファミリールームは2つのゾーンプレーヤー106、108を含み、ホームシアタールームは少なくとも3つのゾーンプレーヤー116、118、120を含む。所望の場合には、1つのゾーンが多数のゾーンプレーヤーを含むように構成されてもよく、例えば、ホームシアタールームが、5.1以上のチャネルのオーディオソースからのオーディオ(例えば、5.1以上のオーディオチャネルにてエンコードされたムービー)を再生する付加的なゾーンプレーヤーを有してもよい。1つのゾーンが、ファミリールームにおける2つのゾーンプレーヤー106、108のような2つ以上のゾーンプレーヤーを含む場合には、例えば、2つのゾーンプレーヤー106、108が同期して同じオーディオソースを再生するように構成されるか、あるいは、左右のチャネルにおいて2つの別々の音声を再生するようにペアであってもよい。換言すれば、音声のステレオ効果は、1つは左側の音声に対応しもう1つは右側の音声に対応する2つのゾーンプレーヤー106、108を通じて再現又は増強することができる。ある実施形態では、ペアになっているゾーンプレーヤーが、他のゾーンプレーヤーと同期してオーディオを再生する。
【0033】
ある実施形態では、3つ以上のゾーンプレーヤーが、3つ以上のチャネルの音声にてエンコードされたオーディオの各種チャネルを再生するように構成されてもよい。例えば、ホームシアタールームには、3つのゾーンプレーヤー116、118、120が示されている。音声が2.1チャネルおのオーディオとしてエンコードされている場合、ゾーンプレーヤー116は左側チャネルのオーディオを再生し、ゾーンプレーヤー118は右側チャネルのオーディオを再生し、ゾーンプレーヤー120はバス周波数を再生するように、それぞれが構成されてもよい。他の構成も可能であるが、ゾーンプレーヤーの数やオーディオの種類に依存する。さらに、一例として、特定のゾーンが、例えば映画からのオーディオを再生する場合のように、5.1チャネルのオーディオを再生し、その後、例えば2チャネルソースからのオーディオを再生する場合のように、ステレオを再生するように動的にスイッチするよう構成されてもよい。
【0034】
ある実施形態では、2つ以上のゾーンプレーヤーが、単一の統合ゾーンプレーヤーを形成するように音響的に統合されてもよい。(複数の別々のデバイスで構成されている)統合ゾーンプレーヤーは、統合されていないゾーンプレーヤーやペアになっているゾーンプレーヤーとは異なるように音声を処理および再現するように構成されてもよく、これは、統合ゾーンプレーヤーが音声を通過させる付加的なスピーカードライバを有するからである。統合ゾーンプレーヤーはさらに、単一のゾーンプレーヤーやさらに別の統合ゾーンプレーヤーとペアになってもよい。統合再生デバイスにおける各再生デバイスは、好ましくは統合モードに設定される。
【0035】
いくつかの実施形態では、例えば、所望の設定が完了するまで、ゾーンプレーヤーのグループ化、統合およびペアリングの任意を継続して行うことができる。グループ化、統合およびペアリングの動作は、好ましくは、スピーカー線を例えば個々のディスクリートスピーカーに物理的に接続および再接続することで異なる構成を構築することではなく、例えばコントローラ130を用いるなど制御インタフェースを通じて実施される。このように、本明細書に記載のある実施形態によれば、エンドユーザに音声再生を提供可能な、より柔軟で動的なプラットフォームを提供することができる。
【0036】
ゾーンプレーヤー102−124によって再生されるオーディオコンテンツの供給ソースは多数ある。コンピュータ又はネットワーク接続ストレージ(NAS)に保存された個人のライブラリにある音楽が、データネットワーク128を介してアクセスされ、再生することができる。インターネットラジオステーション、番組、ポッドキャストは、データネットワーク128を介してアクセスすることができる。ユーザに音楽およびオーディオコンテンツをストリーム再生させたりダウンロードさせたりすることができる音楽サービスには、データネットワーク128を介してアクセスすることができる。さらに、音楽は例えば、ゾーンプレーヤーへのラインイン接続を通じて、ターンテーブル又はCDプレーヤーなどの従来の供給ソースから得ることができる。オーディオコンテンツもまた、例えば、アップル社のAirPlay(商標)無線技術を通じてアクセスすることができる。1つ以上の供給ソースから受信されたオーディオコンテンツは、データネットワーク128および/又はコントローラ130を介してゾーンプレーヤー102―124の間で共有されてもよい。本明細書では、上述したオーディオコンテンツのソースが、ネットワークベースのオーディオ情報ソースとも称される。しかしながら、ネットワークベースのオーディオ情報ソースには限られない。
【0037】
例示的なホームシアターのゾーンプレーヤー116、118、120は、テレビ132などのオーディオ情報ソースに接続される。いくつかの例では、テレビ132は、ホームシアターのゾーンプレーヤー116、118、120のためのオーディオのソースとして用いられる一方で、他の例では、テレビ132からのオーディオ情報が、オーディオシステム100内の任意のゾーンプレーヤー102−124で共有可能である。
【0038】
III.例示的なゾーンプレーヤー
図4を参照すると、1つの例示的な実施形態に係るゾーンプレーヤー400の例示的な機能ブロック図が示されている。
図4のゾーンプレーヤー400は、ネットワークインタフェース402、プロセッサ408、メモリ410、オーディオ処理コンポーネント412、モジュール414、オーディオアンプ416およびオーディオアンプ416に接続されたスピーカーユニット418を含む。
図2Aは、このようなゾーンプレーヤーの例示的な図である。ゾーンプレーヤーの他の種類は、スピーカーユニット418(例えば、
図2B)又はオーディオアンプ416(例えば、
図2C)を含まなくてもよい。また、ゾーンプレーヤー400は、別のコンポーネントに統合されてもよい。例えば、ゾーンプレーヤー400は、屋内又は屋外の使用のための照明(ランプ)の一部として構成することができる。
【0039】
図4を参照すると、ネットワークインタフェース402は、データネットワーク(
図1に示すデータネットワーク128)上におけるゾーンプレーヤーや他のデバイスとゾーンプレーヤー400との間のデータフローを促進する。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402は、オーディオのソースやファイルをデータネットワーク上で伝達すべきより小さなパケットへ構築すること、あるいは受信したパケットを元のソースやファイルへ再構築することに関する管理を行うことができる。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402は、それぞれのパケットのアドレス部分が正しい宛先に到達するように又はゾーンプレーヤー400宛てのパケットを傍受するようにそのアドレス部分を処理することができる。したがって、いくつかの実施形態では、それぞれのパケットは、インターネットプロトコル(IP)ベースのソースアドレスおよびIPベースの宛先アドレスを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402は、無線インタフェース404および有線インタフェース406のうちの1つ又はその両方を含んでもよい。無線インタフェース404は、RFインタフェースとも称され、ゾーンプレーヤー400に対して、通信プロトコル(例えば、IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.15のうちの任意の無線規格)に従って他のデバイス(例えば、データネットワーク128に関連する他のゾーンプレーヤー、スピーカー、受信機およびコンポーネントなど)と無線通信するためのネットワークインタフェース機能を提供する。有線インタフェース406は、ゾーンプレーヤー400に対して、通信プロトコル(例えば、IEEE802.3)に応じて他のデバイスと有線で通信するためのネットワークインタフェース機能を提供する。無線信号を受信し、その無線信号を無線インタフェース404に提供し、さらに無線信号を伝達するために、
図4のゾーンプレーヤー400は、1つ以上のアンテナ420を含む。有線インタフェース406は、ゾーンプレーヤー400に対して、通信プロトコル(例えば、IEEE802.3)に従って他のデバイスと有線通信するためのネットワークインタフェース機能を提供する。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー400は、無線インタフェース404又は有線インタフェース406のいずれかのみを含む。
【0041】
いくつかの実施形態において、プロセッサ408は、メモリ410に保存された命令に従って入力データを処理するように構成されているクロック駆動の電子デバイスである。メモリ410は、プロセッサ408によって実行されることで特定のタスクを達成可能な1つ以上のソフトウェアモジュール414が搭載されるデータ記憶装置である。例示的な実施形態では、メモリ410は、プロセッサ408によって実行可能な命令を保存した有形の機械可読媒体である。いくつかの実施形態では、タスクとは、ゾーンプレーヤー400が別のゾーンプレーヤーやネットワーク上のデバイスからオーディオデータを取得することであってもよい。いくつかの実施形態では、タスクは、ゾーンプレーヤー400が別のゾーンプレーヤーやネットワーク上のデバイスにオーディオデータを送信することであってもよい。いくつかの実施形態では、タスクは、ゾーンプレーヤー400がオーディオの再生を1つ以上の付加的なゾーンプレーヤーと同期させることであってもよい。いくつかの実施形態では、タスクは、ゾーンプレーヤー400を1つ以上のゾーンプレーヤーとペアリングすることで、マルチチャネルオーディオ環境を作成することであってもよい。付加的又は代替的なタスクは、1つ以上のソフトウェアモジュール414およびプロセッサ408を介して達成することができる。
【0042】
オーディオ処理コンポーネント412は、1つ以上のデジタル−アナログ変換器(DAC)、オーディオ前処理コンポーネント、オーディオ強化コンポーネント又はデジタル信号プロセッサなどを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402を介して取得されたオーディオは、オーディオ処理コンポーネント210によって処理される、および/又は意図的に変更される。さらに、オーディオ処理コンポーネント412は、アナログオーディオ信号を生成してもよい。処理されたアナログオーディオ信号は、スピーカー418を通じた再生のためにオーディオアンプ416に提供される。また、オーディオ処理コンポーネント412は、アナログ信号又はデジタル信号を、ゾーンプレーヤー400から再生するための入力として、ネットワーク上の別のゾーンプレーヤーに送信するための入力として、又は再生および送信の両方を行うための入力として処理するための必要な回路を含んでもよい。例示的な入力は、ラインイン接続(例えば、オートディテクティング3.5mmオーディオラインイン接続)を含む。
【0043】
オーディオアンプ416は、1つ以上のスピーカー418を駆動するレベルまでオーディオ信号を増幅するデバイスである。1つ以上のスピーカー418には、個々の変換器(例えば、「ドライバ」)や1つ以上のドライバを内包する筐体を含んだ完全なスピーカーシステムが含まれてもよい。特定のドライバは、例えば、サブウーファー(例えば低周波用)、ミッドレンジドライバ(例えば中周波用)、およびツイーター(例えば高周波用)であってもよい。筐体は、例えば、密封され又は移植されていてもよい。
【0044】
本明細書では、ゾーンプレーヤー400は、再生デバイスとも称される。例示的な再生デバイスには、カリフォルニア州サンタバーバラにあるソノズ社によって製造される「ソノズ(登録商標)PLAY:5」が含まれる。「PLAY:5」は、内蔵アンプとスピーカーとを備えるゾーンプレーヤーの例である。具体的には、PLAY:5は、2つのツイーター、2つのミッドレンジドライバおよび1つのサブウーファーを含む5ドライバのスピーカーシステムである。PLAY:5を経由してオーディオコンテンツを再生する場合、トラックの左側のオーディオデータが左側のツイーターおよび左側のミッドレンジドライバから送信され、トラックの右側のオーディオデータが右側のツイーターおよび右側のミッドレンジドライバから送信され、モノラル低音がサブウーファーから送信される。さらに、両方のミッドレンジドライバと両方のツイーターが、同じイコライゼーション(又は実質的に同じイコライゼーション)を有する。すなわち、それらはともに、異なるオーディオのチャネルから同じ周波数で送信される。ソノズ社のPLAY:5からは、インターネットラジオステーションやオンライン音楽・ビデオサービスからのオーディオ、ダウンロードされた音楽、アナログオーディオ入力、テレビ、DVDなどを再生することができる。PLAY:5は、複数のスピーカーを備えるゾーンプレーヤーの例であるが、スピーカーを備えるゾーンプレーヤーとしては、特定の数のスピーカー(例えば、PLAY:5における5つのスピーカー)を有するものに限らず、1つ以上のスピーカーを有するものでもよい。さらに、ゾーンプレーヤーは、オーディオとは異なる目的に供する可能性のある別のデバイス(例えば、ランプ)の一部であってもよい。
【0045】
IV.例示的なコントローラ
図5を参照すると、
図1の制御デバイス130に対応し得るコントローラ500の例が示されている。コントローラ500は、システム内のマルチメディアアプリケーションの制御、自動化およびその他のことを促進するために使用することができる。特に、コントローラ500は、ネットワーク上にて利用可能な複数のオーディオソースの中からの選択を容易にするとともに、無線又は有線のネットワークインタフェース508を介した1つ以上のゾーンプレーヤー(例えば、
図1のゾーンプレーヤー102―124)の制御を可能にするように構成されている。1つの例示的な実施形態によれば、無線通信は、業界標準に基づいている(例えば、赤外線、ラジオ、あるいは無線規格のIEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n又は802.15)。さらに、特定のオーディオがコントローラ500を介してアクセスされている、又はゾーンプレーヤーを経由して再生されている場合、オーディオソースに関連付けられている画像(例えば、アルバムアート)又は他のデータが、あるゾーンプレーヤー又は他の電子機器から、表示のためにコントローラ500へ送信されてもよい。
【0046】
コントローラ500には、画面502および入力インタフェース514が設けられており、これにより、ユーザはコントローラ500と交信し、多くのマルチメディアアイテムのプレイリストをナビゲートしたり、1つ以上のゾーンプレーヤーの動作を制御することができる。コントローラ500上の画面502は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)画面であってもよい。画面500は、マイクロコントローラ(例えば、プロセッサ)506によって制御されるスクリーンドライバ504と通信するとともに、指令を受ける。メモリ510は、1つ以上のアプリケーションモジュール512がロードされてもよい。そのアプリケーションモジュール512は、ユーザインタフェース514を介したユーザ入力の有無にかかわらず、特定のタスクを達成するようにマイクロコントローラ506によって実行可能である。いくつかの実施形態では、アプリケーションモジュール512は、選択された多くのゾーンプレーヤーを1つのゾーングループにグループ化すること、およびオーディオ再生のために複数のゾーンプレーヤーを同期することを促進するように構成されている。いくつかの実施形態では、アプリケーションモジュール512は、ゾーングループ内のゾーンプレーヤーのオーディオ音声(例えば、音量)を制御するように構成されている。動作中において、マイクロコントローラ506がアプリケーションモジュール512の1つ以上を実行するときには、スクリーンドライバ504は、画面502を特定のユーザインタフェースにアプリケーションを表示するように駆動するための制御信号を生成する。
【0047】
コントローラ500は、ゾーンプレーヤーとの無線通信を促進するネットワークインタフェース508を含む。いくつかの実施形態では、このような音量コントロールやオーディオ再生の同期化などのコマンドは、ネットワークインタフェース508を介して送信される。いくつかの実施形態では、保存されたゾーングループ設定は、ネットワークインタフェース508を介してゾーンプレーヤーとコントローラとの間で通信される。コントローラ500は、
図1に示す符号102−124のような1つ以上のゾーンプレーヤーを制御してもよい。特定のシステムに対して1つ以上のコントローラがあってもよい。また、コントローラは、ゾーンプレーヤーに組み込まれてもよい。
【0048】
なお、IPhone(登録商標)やIPad(登録商標)のような他のネットワーク対応デバイスや、他の任意のスマートフォンやネットワーク対応デバイス(例えば、PCやMac(登録商標)などのネットワーク化されたコンピュータなど)を、特定の環境内におけるゾーンプレーヤーと交信又は制御するためのコントローラとして使用することができる。いくつかの実施形態によれば、ソフトウェアアプリケーション又はアップグレードを、本明細書に記載の機能を実行するためにネットワーク対応デバイス上にダウンロードしてもよい。
【0049】
ある実施形態では、ユーザは、コントローラ500から少なくとも2つのゾーンプレーヤーを含むゾーングループを作成することができる。ゾーングループ内のゾーンプレーヤーを同期させて、ゾーングループ内のゾーンプレーヤーの全てが、遅れや中断が聞こえない(又は実質的に聞こえない)ような方法により同一のオーディオソース又は同一のオーディオソースのリストを再生するようにオーディオを再生させてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、ユーザがコントローラ500からグループの音量を増大させると、グループの音量を増大させる信号又はデータがゾーンプレーヤーのうちのいずれか1つに送信されて、グループ内の他のゾーンプレーヤーの音量をともに増加させる。
【0050】
ユーザは、コントローラ500を介して、「ゾーンのリンク」又は「ゾーンの追加」のソフトボタンを作動させることによって、ゾーンプレーヤーをゾーングループにグループ化することができ、又は、「ゾーンのリンク解除」又は「ゾーンのドロップ」のボタンを作動させることによって、ゾーングループのグループ化の解除を行うことができる。例えば、オーディオ再生に関してゾーンプレーヤーをともに「参加」させるための1つのメカニズムは、グループを形成するように多くのゾーンプレーヤーをともにリンクすることである。多くのゾーンプレーヤーをともにリンクするには、ユーザが手動でそれぞれのゾーンプレーヤーや部屋を順にリンクするようにしてもよい。例えば、以下のゾーン:浴室、寝室、書斎、ダイニングルーム、ファミリールーム、玄関を含むマルチゾーンシステムの場合を想定する。
【0051】
ある実施形態では、ユーザは例えば、単一のゾーンで開始してから手動でそのゾーンに各ゾーンをリンクすることによって、6つのゾーンプレーヤーのうちの任意の数をリンクさせることができる。
【0052】
ある実施形態では、(最初のゾーンのシーンを作成してから)ゾーンのシーンやテーマを作成するためのコマンドを使用することで、1セットのゾーンを動的に相互にリンクすることができる。例えば、「朝」のゾーンシーンコマンドは、1つのアクションで寝室、オフィスおよびキッチンのゾーンをともにリンクすることができる。この単一のコマンドを使用しない場合、ユーザは手動で個別に各ゾーンをリンクする必要があると考えられる。単一のコマンドには、マウスクリック、マウスのダブルクリック、ボタン押し、ジェスチャー又は他のいくつかのプログラムされたアクションが含まれてもよい。他の種類のゾーンシーンがプログラムされてもよい。
【0053】
ある実施形態では、ゾーンシーンは、時間に基づいて始動される(例えば、目覚まし時計機能)。例えば、ゾーンシーンを午前8時に適用するように設定することができる。システムは、適切なゾーンを自動的にリンクするとともに、再生する特定の曲を設定してから所定期間後に音楽を停止することができる。任意の特定のゾーンが時間に基づいて「オン」又は「オフ」の状態となるが、ゾーンシーンを用いることで、例えば、そのシーンにリンクされた全てのゾーンにおいて、特定の時および/又は期間にて所定のオーディオ(例えば、お気に入りの歌や所定のプレイリスト)を再生することができる。何らかの理由で、予定された音楽が再生されなかった場合には(例えば、空のプレイリスト、共有への接続なし、ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ(UPnP)なし、インターネットラジオステーションへのインターネット接続なし)、バックアップブザーが鳴るようにプログラムすることもできる。ブザーは、例えば、ゾーンプレーヤーに記憶されたサウンドファイルを含んでもよい。
【0054】
V.例示的なアドホックネットワーク
再生ネットワークへの接続を容易にするいくつかの基本システムおよびその方法を説明するために、
図6―8Bに関連して、いくつかの例が提供される。
図6は、アドホックネットワーク610とも称されるネットワークブランチを形成する3つのゾーンプレーヤー602、604、606とコントローラ608が存在することを示している。ネットワーク610は、有線、無線又はこれらの組み合わせであってもよい。一般に、アドホック(又は「自発的(spontaneous)」)ネットワークは、全てのトラフィック用のアクセスポイントが存在しないローカルエリアネットワーク又はその他のスモールネットワークである。確立されたアドホックネットワーク610において、デバイス602、604、606、608は全て、例えば、「ピアツーピア」の通信方式により互いに通信可能である。さらに、ネットワーク610においてデバイスを追加/削除してもよく、ネットワーク610は、ユーザによる再設定がなくとも自動的にネットワーク610自体を再設定する。
【0055】
アドホックネットワーク610を使用することで、デバイス602、604、606、608は、1つ以上のオーディオソースを共有又は交換するとともに、同一の又は異なるオーディオソースを再生するようにグループ化が可能である。例えば、デバイス602、604が1曲の音楽を再生するようにグループ化されると同時に、デバイス606は別の音楽を再生する。換言すれば、デバイス602、604、606、608は、
図6に示されるように、オーディオを配信および/又は音声を再生するHOUSEHOLD(ハウスホールド)を形成する。本明細書で使用されるHOUSEHOLD(ユーザの居住地と明確に区別するために大文字で表される)という用語は、アプリケーション又はサービスを提供するために協働するネットワークデバイスの集合体を表すものとして使用される。HOUSEHOLDの一例は、ハウスホールド10(又はハウスホールド識別子)により特定される。
【0056】
ある実施形態では、ハウスホールド識別子(HHID)は、固有であることを保証するためにコンピュータにて生成された短い文字列や識別子である。したがって、ネットワーク610は、固有のHHIDと、チャネル(例えば、各周波数バンド)、SSID(無線ネットワークの名称である一連の英数字)、WEPキー(有線同等プライバシー又はその他のセキュリティキー)などの構成変数やパラメータの固有セットと、によって特徴付けることができる。ある実施形態では、SSIDは、HHIDと同じになるように設定される。
【0057】
ある実施形態では、各HOUSEHOLDには、コントロールポイント(CP)とゾーンプレーヤー(ZP)の2種類のネットワークノードがある。コントロールポイントは、必要なネットワークパラメータ(例えば、WEPキー)の自動生成を行い、ネットワーク全体のセットアッププロセスおよびそのシーケンシングを制御する。ある実施形態では、CPは、ハウスホールド設定用のユーザインタフェースをユーザに提供する。CPにおける機能は、例えば、CPアプリケーションモジュールを実行しているコンピュータによって、又は、CPアプリケーションモジュールを実行しているハンドヘルドコントローラ(例えば、コントローラ308)によって提供することができる。ゾーンプレーヤーは、自動設定プロセスに参加するために配置されているネットワーク上のその他のデバイスである。本明細書で使用する表記としてのZPは、例えば、コントローラ308又はコンピューティングデバイスを含む。
【0058】
ある実施形態では、ハウスホールドの設定は、標準的なネットワークプロトコル(例えば、有線又は無線のイーサネット(登録商標)上のIP)を使用することができるように既知の設定を集合および確立させる複数のCPとZPを伴う。ある実施形態では、イーサネット(登録商標)802.3およびワイヤレス802.11gの2種類のネットワーク/プロトコルが採用されている。CPとZPの間の相互接続には、ネットワーク/プロトコルのいずれも使用することができる。HOUSEHOLDのメンバーであるシステム内のデバイスは、両方のネットワークに同時に接続することができる。両方のネットワークが使用中である環境においては、システム内における少なくとも1つのデバイスがブリッジデバイスとしてその両方に接続されることが想定され、これにより、有線/無線のネットワーク間における他人とのブリッジングサービスを提供する。
図6のゾーンプレーヤー606は、例えば、両方のネットワークに接続されるように示されている。ネットワーク612への接続はイーサネット(登録商標)に基づく一方で、他のデバイス602、604、608への接続は無線に基づいている。しかしながら、いくつかの実施形態では、各ゾーンプレーヤー606、604、602は、ブリッジデバイスを介してクラウド(例えば、インターネット)からメディアを取得するときにインターネットにアクセスすることができる。例えば、ゾーンプレーヤー602は、クラウド内の特定のオーディオトラックへのアドレスを指定するユニフォームリソースロケータ(URL)を含んでもよい。URLを使用することで、ゾーンプレーヤー602はクラウドからオーディオトラックを取得し、最終的には1つ以上のゾーンプレーヤーから音声を再生する。
【0059】
ある実施形態では、ゾーンプレーヤーを家庭やその他の場所のネットワークに接続するために、基礎的な通信パスが確立される。
図6を参照すると、ゾーンプレーヤーはまだ、HOUSEHOLDのメンバーではない。ゾーンプレーヤーが、ケーブル又は無線によってHOUSEHOLDのメンバーになるように追加されることを想定する。ゾーンプレーヤーが最初に起動されると、当該ゾーンプレーヤーは、別のデバイス(例えば、ネットワーク対応したもの)との基礎的な通信パスを確立するように構成された埋め込みモジュールを実行する。基礎的な通信パスは、別のデバイスを介して行うゾーンプレーヤーの自動設定を容易にする。この通信パスは、ゾーンプレーヤーが無線とイーサネット(登録商標)プロトコルの一方又は両方に接続する際に、当該無線および/又はイーサネット(登録商標)プロトコルを介して動作してもよい。動作中において、通信パスは、近くにある他のデバイスにマイナスの影響を与えず、かつ、利用可能であれば、HOUSEHOLD(CPとZPの両方)の他の全てのメンバーにも接続することができる。ある実施形態では、通信パスは、2つのデバイス間において直接的である必要はなく、1つ又は複数の他のデバイスによってブリッジされていてもよい。通信パスは、デバイスの初期設定用に使用されるのみであるため、重要な性能および高度な機能を必要としない。通信パスを確立するには、チャネルの選択およびパケットの交換という少なくとも2つの要素がある。
【0060】
ある実施形態では、適切な伝送チャネル(例えば、無線周波数(RF)チャネル)の選択は、プロトコル(例えば、802.11)の観点で安全なチャネル(例えば、競合する無線トラフィックが最小)を見つける、および、RFの観点で安全なチャネル(例えば、他の信号からのノイズが最小)を見つけるという、主に2つの制限下で実行される。家庭環境は、他のRF(例えば、2.4GHz)トラフィックや潜在的な他の無線アクセスポイントを有する場合があるため、これらのテストの両方を適用してもよい。
【0061】
チャネルの選択は、例えば、走査技術により実行することができる、すなわち、デバイスが所定期間の間、各チャネルを巡回して、無線ビーコンおよび他のRF信号の存在を検索する。ある実施形態では、設定されるデバイスは、HOUSEHOLDにとって好ましいチャネルを有し、設定されないデバイスは、それらが集合するための予め定義された(デフォルト)チャネルを有する。例えば、802.11b/gチャネル1をデフォルトチャネルとして予め構成することができる。あるいは、周知の周波数ホッピングシーケンスを有する複数のチャネルを(例えば、非周期的な周波数変化間隔を用いる)デバイスが使用することができる。
【0062】
ある実施形態では、多くのハードウェア構成は、所定の時間における単一チャネルでの受信/送信をサポートするのみである。また、当該実施形態では、ブートストラップ設定と標準ネットワークオペレーション(設定後の通信)用に異なるチャネルを使用する設定済みと未設定のデバイスがある。ある実施形態では、デバイスは「設定・構成(configuration)」モードに置かれることで、通信用の適切なチャネルを使用する。
【0063】
同じHOUSEHOLDのメンバーでないデバイス間での通信を可能にするために、パケット交換ネットワークインフラが開発されている。プロービングメッセージは、イーサネット(登録商標)と無線ネットワークの両方を横断して、任意の接続されるデバイスに到達するような方法により送信される。HOUSEHOLDに既に登録されているデバイスは、デバイス間のユニキャストおよびマルチキャスト/ブロードキャストネットワークフレームを交換するために使用可能なネットワークインフラを構成する。HOUSEHOLDに登録されていないデバイスは、ネットワーク機能が厳しく制限されているため、例えば、直接的に接続されたデバイスからのデータや、RFスペクトルの特定のチャネルで動作する全無線ネットワークに送信された暗号化されていないメッセージを受信することができるのみである。
【0064】
ある実施形態では、新しいデバイスのIPアドレスは、HOUSEHOLDの全てのメンバーに知られていない。デバイスが純粋に無線である場合、それはIPアドレスを全く持たないか、あるいは、DHCPサーバによって割り当てられたそれぞれのIPアドレスを持つ他のデバイスにはアクセスできない自動的に割り当てられたIPアドレスを有している。HOUSEHOLDのメンバーではないデバイスがHOUSEHOLDに加入できるようにするために、HOUSEHOLDネットワークインフラから「ホップ(hop)」1つ分超えてデータを得ることができる伝送方式を構成してもよい。
【0065】
ある実施形態では、データのパケットは、HOUSEHOLDのメンバー間で送信される。データのパケットは、「プローブ(probe)」データグラムとIPブロードキャストが混合されたものを含む。例えば、802.11「プローブ」データグラムは、無線ネットワークの境界を越えて使用される。言い換えれば、「ブローブ」データグラムは、SSIDによって設定されていないものであっても、チャネル上において全てのリスナー(例えば、他のデバイス)が受信可能である。その理由は、「プローブ」データグラムが、全デバイスが視聴するように構成されることができる放送衛星サービス(BSS)(例えば、FF:FF:FF:FF:FF:FF)に送信されるためである。例えば、IPブロードキャストが有線ネットワークセグメント上およびHOUSEHOLD用ネットワークインフラ上で使用されることにより、PCベースのコントローラは、標準のユーザ権限(IPベースのネットワークサービスのみへのアクセスを許可するもの)での実行中にも参加することが可能となる。「プローブ」データグラムとIPブロードキャストの組み合わせが使用されることで、ネットワークパラメータを有しないデバイスによる通信を可能にするブロードキャストデータグラム転送が提供される。
【0066】
ある実施形態では、プローブデータグラムは、HOUSEHOLDに参加する他のデバイスの設定を容易にするための複数のエレメントを含む。ある実施形態では、エレメントの各々は、255バイトまでのデータを運ぶ。エレメントは、HOUSEHOLDへの参加を奨励するブートストラップ手順により使用される各メッセージのデータペイロードを含んでいる。このエレメントは、完全なメッセージを運ぶために必要な回数だけ繰り返される。ある実施形態では、IPブロードキャストデータグラムは、通常のIPデータペイロードと同一のデータペイロードを含む。
【0067】
ブートストラップ手順に関連したメッセージは、既存のHOUSEHOLDネットワークインフラ(例えば、適切に構成された無線デバイスおよび有線ネットワークを含む)の境界を越えて転送することができる。同様に、HOUSEHOLD用ネットワークインフラの外部に由来するメッセージは、インフラに転送することができる。転送は、無線/有線ネットワーク環境において、ブロードキャストストームを招くことなく達成することができる。ブロードキャストストームとは、ネットワークを通じてブロードキャストされるメッセージに必要以上の応答が生じて、それぞれの応答が雪だるま式に増えた後、ネットワークのメルトダウンやロックアップをもたらす状態のことをいう。ある実施形態では、ネットワークは、このようなブロードキャストストームや不正なブロードキャストメッセージを防ぐように構成されている。これを達成するために、メッセージのボディには、例えば、「SENT_AS_PROBE」および「SENT_AS_IP_BROADCAST」という2つのフラグが含まれる。デバイスは、「Sonos netstart」のSSID(又はブロードキャストBSS)の使用を想定した「プローブ」メッセージを受信すると、SENT_AS_IP_BROADCASTのフラグが未だ設定されていない場合には、(例えば「SENT_AS_IP_BROADCAST」のフラグを設定した後に)そのメッセージをIPブロードキャストメッセージとして送信する。デバイスが、適切なポート(例えば、ポート番号6969)へのユーザデータグラムプロトコル(UDP)ペイロードアドレスとともにIPブロードキャストを受信する場合も同様に、デバイスは、SENT_AS_PROBEのフラグが未だ設定されていない場合には、(例えば「SENT_AS_PROBE」のフラグを設定した後に)そのメッセージを「プローブ」データグラムとして送信する。これにより、パケット交換に関連するメッセ―ジを、ブロードキャストストームを発生させることなく、HOUSEHOLDネットワークインフラに入れる又はそこから出すことができる。
【0068】
ブロードキャスト通信による本方法によれば、パケットは、HOUSEHOLDのメンバーとHOUSEHOLDに参加しようとするデバイスの間で、イーサネット(登録商標)と無線ネットワークの両方により送信可能となる。HOUSEHOLDに参加するデバイスは、新たなデバイスであってもあるいは、例えば、以前に別のネットワークで構成されていたデバイス(例えば、異なるhouseholdの古くなった構成を有していたデバイス)であってもよい。また、慎重に使用した場合には、これらのブロードキャストメッセージは、ネットワーク又は接続されたデバイスの通常の動作を妨害しない。その結果、2つのデバイス間で、合意されたチャネルでの通信パスが確立される。
【0069】
ある実施形態では、既存のネットワークへの影響を軽減又は最小化して、構成・設定(configuration)のセキュリティを向上させるために、ユーザは、自動コンフィギュレーションプロセスを手動でアクティブにする(起動する)ことができる。ユーザによる手動のアクティブ化は、ネットワークに追加されようとしている各デバイスでの特定のアクションによって実行することができる。例えば、ユーザが1つのCPと2つのZPを含む新たなHOUSEHOLDをインストールしようとしている場合、アクティブ化のプロセスは、例えば、電源をオフおよびオン、リセットボタンを押す、又は2つ以上の特定のボタンをZPとCPで同時に押すことにより、手動で行うことができる。ある実施形態では、CP又はZPがユーザによって起動されることにより、プリインストールされたモジュールがアクティブにされ、ブートストラップ手順が開始される。
【0070】
ZPに関しては、デバイスが未設定の場合(例えば、工場出荷時の設定)、デバイスは、アクティブコマンドを待機する「スリープ」モードになる。ZPが以前に設定されている場合、ZPは、HOUSEHOLDネットワークの他のメンバーへの接続を試みる。ZPが孤立している場合、すなわち、ZPが以前に設定されており(例えば、別のアドホックネットワークにて)、現在はHOUSEHOLDに追加されるようとしている場合(例えば、ZPは前の所有者から取得される)、ZPは元のネットワークとの通信を試みることができる。この操作は例えば、不成功であってもよく、あるいはハームレスであってもよい。このように設定された状態でも、デバイスは、上述した基礎的ブロードキャスト通信プロセスに参加することができる。
【0071】
CPに関しては、デバイスが未設定の場合(例えば、工場出荷時の設定)、CPは、設定プロセスを開始する方法の説明をユーザに提示する。CPデバイスが設定されている場合、CPは、そのHOUSEHOLDネットワークの他のメンバーへの接続を試みる。CPはまた、孤立したデバイスであってもよく、その場合は例えば、ZPの場合のデバイスと同様に機能する。
【0072】
いずれの場合も、正しく設定・構成されているデバイスは、ネットワーク通信を確立し、通常の操作のためにデバイス自体を利用できるようにする。既に設定・構成されたものを含む全てのデバイスは、ユーザが望む場合には「起動状態」に入る。この時点で、設定・構成プロセスを開始することができる。
【0073】
ある実施形態では、デバイス設定・構成は、必ずしも直接接続される必要のない2つのデバイス間のデータ交換によって促進される。交換の手順は、前述したような基礎的通信パスを介して実行される。データを交換するシーケンスは、例えば、リセットボタンをアクティブ化して、関係するデバイスの「起動」又は設定・構成のモードをトリガすることにより、ユーザ又はその他のプロセスによって開始される。各デバイスは、このシーケンスを実行し、起動モードを終了させる。
図7は、データを5回交換するプロセスを含む実施形態を示している。
【0074】
データ交換のそれぞれについては、メッセージのタイプが、Alive、QueryNetParams、RespondNetParams、SetNetParams、およびAckNetParamsと称され、以下で説明される。
【0075】
Aliveメッセージとは、指定されたZPが設定・構成を行うことが可能であることを示すメッセージである。当該メッセージには、メッセージを送信しているZPを識別するための汎用的な一意識別子である少なくとも1つのzpUUID(ゾーンプレーヤーの「普遍的(universally)」固有識別子)が含まれている。
【0076】
QueryNetParamsメッセージは、CPからZPに対して、ZPにおける現在のネットワーク設定情報で応答するリクエストである。当該リクエストには、少なくともzpUUID、cpPK(例えば、CPのRSA公開キー)、およびtid(一意トランザクション識別子)が含まれている。
【0077】
RespondNetParamsメッセージは、QueryNetParamsメッセージへの応答である。RespondNetParamsメッセージは、ZPのネットワーク設定情報(例えば、HHID、WEPキー、RSA公開キー)を含む。セキュリティ上の理由から、WEPキーは、CPによってのみ読み取り可能なCPの公開キーを用いて暗号化される。また、当該応答には、少なくともzpUUID、NetConfig(ZPにおける現在のネットワーク設定パラメータ)、zpPK(例えば、ZPの公開キー)、およびtidが含まれている。ある実施形態では、工場出荷時のデフォルトに設定された新しいZPはよく知られたパラメータ値を持つことが可能であるため、ZPが未設定であることを、CPが判断することができる。
【0078】
SetNetParamsメッセージは、CPからZPに対して、ZPがネットワークパラメータを再設定する必要があることを示すコマンドメッセージである。WEPキーは、ZPの公開キーを使って暗号化されるため、ZPのみによって読み取り可能である。当該コマンドは、少なくともzpUUID、NetConfig、およびtidを含んでいる。ある実施形態では、NetConfigは、CPによって決定されるZP用の新しい設定パラメータを含む。ZPは、ZP自体のネットワーク設定においてこの値を保存する。いくつかの場合において、これらのパラメータは、ZPの既存の設定と一致してもよい。
【0079】
AckNetParamsメッセージは、SetNetParamsメッセージングへの応答である。当該応答は、SetNetParamsメッセージが受信されて、その中に含まれるネットワーク設定が正常に適用されたことを示す。当該応答には、少なくともzpUUIDおよびtidが含まれている。
【0080】
動作中において、
図7の751で、ユーザが(ZPとCPの両方に対して)設定プロセスを起動(アクティブ化)した後、CPは、Aliveメッセージの受領を望んでいる状態であることを入力する。CPは、所定期間の間(例えば、指定された期間、又は有限の期間)、この状態を維持する。ZPは、CPとのランデブーを試みるアクティブ状態に入る。ZPは、所定の限られた期間、この状態を維持する。ZPは、QueryNetParamsメッセージを受信する、又はアクティブ状態を終了するかのいずれかまで、Aliveメッセージを定期的に送信する。
【0081】
752において、CPはAliveメッセージを受信する。CPは、設定・構成モードにある場合には、新しいtidを生成して、ZPにQueryNetParamsメッセージを送信する。CPは、この時点では設定済みあるいは未設定のいずれの可能性もある。いずれの場合も、CPは、QueryNetParamsメッセージを送信する。753において、ZPが既にアクティブ状態にある場合、ZPは、現在のネットワーク設定においてQueryNetParamsに応答する。ZPが未設定(例えば、工場出荷時の設定)の場合、ZPは、空のHHIDとWEPキーを返す。ZPが前に設定されている場合、ZPは現在の設定を返す。ZPもまた、WEPキーが例えばCPの公開キーを用いて暗号化することができるように、その公開キーを返す。
【0082】
754において、ZPの現在の設定情報を受信すると、CPは、一連のアクションを決定する。ある実施形態では、これらのオプションの全てではないがほとんどが、ZPに送信されるSetNetParamsメッセージとなる。想定される状況についてのマトリックスは、次のとおりである。
【0084】
755において、ZPがSetNetParamsメッセージを受信すると、ZPは、ZP自体の独自のHHIDとWEPキーを、ネットワークパケットに含まれるものと一致するように再設定する。これにより、CPは、以下のようにしたがって新しい設定パラメータを生成することを決定する。例えば、HHIDは、CPのユーザインタフェースを介してユーザによって提供される、又は自動的にCPによって生成される。SSIDは、CPによって自動的に(例えば、HHIDと同じ値で)生成される。WEPキーは、自動的に(例えば、CPによって収集されたエントロピーでシードされた(seeded with entropy)擬似乱数発生器を用いて)生成される。CPは、(例えば、トラフィックや他のソースからの干渉を含みうる様々な基準に基づいて)許容可能なチャネルのネットワーク検索をプローブする。
【0085】
アクティブ化プロセスに続いて、再設定されたデバイスは、デバイス自体の新たなネットワーク設定パラメータを用いて、通常のネットワーク通信の確立を試みる。ある実施形態では、CPやZPがアクティブ状態になっていない場合、メッセージの受信は無視される。
【0086】
ある実施形態では、同時(又は略同時)にアクティブ化された複数のZPが存在する場合、デバイスは、互いに独立して同じシーケンスを実行することができる(例えば、CPは複数の独立したセッションを行うことが可能である)。複数のCPがアクティブ化されると、それぞれがZPのAliveメッセージに応答して、シーケンスを実行することができる。ZPにSetNetParamsを提供する最初のCPはそれを設定する。この場合、ZPはアクティブ化状態を終了しているため、第2のCPは、AckNetParamsメッセージを受け取らない可能性がある。ある実施形態では、第2のCPにおいてトランザクションのタイムアウトが生じる場合があり、その場合には、CPはシーケンス全体のエラー又は再試行をユーザに通知してもよい。CPがシーケンス全体を再試行する場合には、例えばZPを再プログラムしない。
【0087】
ある実施形態は、ネットワーク通信のセキュリティを提供する。例えば、HOUSEHOLDのメンバー間での無線通信が安全であることの確認を補助するために、自動設定に関する複数の問題が解決される。パケット交換ブロードキャストが複合化される一方で、WEPキーが確実に配信されていることの確認を補助するために、公開キーによる暗号化が使用される。ネットワーク設定プロセスが自動化されており、データがネットワークを介して送信されるため、ある実施形態では、自動設定プロセスがユーザによって手動で開始される。接続されたデバイスの1つがHOUSEHOLDから削除されると、そのデバイスは、工場出荷時のデフォルト設定にリセットされ(例えば、WEPキーおよびその他のプライベート情報を消去する)、ネットワークへのデバイスがアクセスできなくなる。ある実施形態では、ユーザは、コントロールポイント上での検証/ステータスユーザインタフェースを使用して、1つ以上のデバイスを正しく設定したことを検証することができる。
【0088】
ある実施形態では、設定プロセスは、ネットワークを盗聴する者には見えてはならないWEPキーと他の情報を交換するために、公開キーによる暗号化を使用している。ある実施形態では、この交換は、署名された公開キー証明書を発行する認証局(CA)を指定することによって促進される。それぞれのCPとZPは、RSAアルゴリズムをサポートする形式による一意の証明書、公開キー、およびプライベートキーで構成されたファクトリー(factory)である。証明書は、指定されたCAによって署名され、発行され、例えば、デバイスのMACアドレスのハッシュを含む。CPおよびZPは公開キーを交換し、WEPキーは、その公開キーを用いて暗号化される。ある状況では、デバイスは、付加的なセキュリティ層を追加するために、受信したパケット内のMACと証明書内のMACとを比較する。
【0089】
図8Aは、再生デバイスとネットワーク設定のための例示的な方法・プロセス800のフローチャートを示す。プロセス800は、方法、システム、又はプロセスとして、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方の組合せにて実現することができる。ある実施形態では、プロセス800は、ハンドヘルド型のコントローラ又はコンピューティングデバイスにて実行される。プロセス800の理解を深めるために、ここでの説明では、
図6のコントローラ608のようなハンドヘルド型コントローラに基づいているが、ここで記述される技術に限定されない。
【0090】
ある実施形態では、ハンドヘルド型コントローラは、ユーザがリセット可能な機構を備えている。ある実施形態では、コントローラの電源が投入されたときにリセットが行われる。ブロック802において、コントローラに電源が投入されたと仮定する。ブロック804において、コントローラが設定済みかどうかを決定する。設定済みのコントローラは、無線ネットワークなどのネットワーク上にある又はそこにない他のデバイス(例えば、ゾーンプレーヤー)と通信を行う準備ができている。
図6の文脈では、ハンドヘルド型のデバイス608は例えば、デバイス602、604、606(未設定の場合を想定)のそれぞれ又は全てと通信する準備ができている。
【0091】
コントローラが設定済みの場合、ブロック806において、デバイスがハンドヘルド(HH)型のコントローラデバイス又はコンピュータであるかどうかを決定する。例えば、デバイスは、専用のハンドヘルド型のコントローラ、パーソナルコンピュータ、又は他のタイプのデバイスであってもよい。図示の実施形態では、ハンドヘルド型のコントローラおよびコンピュータは、異なるディスプレイ又はグラフィック環境を提供する可能性があるので、デバイスのタイプが決定される。デバイスがハンドヘルド型のコントローラである場合、ブロック808において、コントローラは、ユーザが再生ネットワークに接続された1つ以上のゾーンプレーヤーの制御を行う、又は1つ以上のゾーンプレーヤーを介して特定のマルチメディアコンテンツを再生するための画面を表示する。デバイスがコンピュータである場合、そのコンピュータは、ある環境(例えば、グラフィックユーザインタフェース又はGUI)を表示するように実行されるモジュールを搭載することにより、ユーザは、ポインティングデバイス(例えば、マウス)やキーボードによってアシスト可能な他のタスクに加えて、ハンドヘルド型のコントローラ上にて実行可能な多くのタスクを実行することができる。
【0092】
ブロック804において、デバイスが設定されていないものとし、ブロック812において、ユーザが自動設定処理を行ったかどうかが決定される。ある実施形態では、コントローラは、所定時間の後、「スリープ」モードに入り、設定プロセスは起動されない。ユーザが(例えば、モーション又はボタンの押下を介して)設定プロセスを起動するとき、ブロック814において、コントローラ自体がネットワークのアクセスポイントへ接続されているか、あるいは、HOUSEHOLDの少なくとも1つのメンバーがアクセスポイント又はアドホックネットワークに接続されているかを決定する。一般的に、GUIは、ハンドヘルド型又はコンピュータ用に提供される。したがって、関連するメッセージを含むディスプレイが表示される。コントローラ自体又はゾーンプレーヤーのいずれかがネットワークに接続されていると判定された後、ユーザは、例えば、表示されたGUIにて「OK」を押下することができる。
【0093】
ブロック818において、ユーザは自動設定プロセスを手動でアクティブにすることができる。ある実施形態では、ユーザが2つのボタン(例えば、「VOL」、「Mute」)を同時に押下することで、自動設定プロセスを開始することができる。ブロック820において、プロセスは、ゾーンプレーヤーから有効な応答が受信されたか否かを判定する。受信されていない場合には、一定時間後(822)に、プロセス800はブロック818に到達してプロセスを再度アクティブにするか、あるいは、ブロック824を介してブロック814に到達してユーザにネットワーク接続に関して促す若しくは思い出させる。
【0094】
ある実施形態では、ハンドヘルド型コントローラは、新しいゾーンプレーヤーが適切なチャネル上でHOUSEHOLDに参加するためのhousehold参加プロセスの実行を容易に行うことができるように構成される。そのチャネルは、コントローラとゾーンプレーヤー間で合意することができる。例えば、ゾーンプレーヤー上でリセットボタン又は複数(例えば2つ)のボタンが押下されて、household参加プロセスが「アクティブ」にされると、ゾーンプレーヤーは、利用可能な無線チャネルをスキャンするとともに、各チャネルに対して「Alive」データグラムを送信する。チャネルは、例えば、数回にわたって巡回させることができる。ゾーンプレーヤーが、そのゾーンプレーヤーに向けられたQueryNetParamsリクエストを受信すると、チャネルの巡回を停止する。ゾーンプレーヤーは、ゾーンプレーヤーの設定・構成で終了する成功シーケンスが完了する(ここでは特定のチャネルを使用する)か、タイムアウトが満了する(ここでは、元のチャネルに戻る、あるいはアクティブプロセスの全タイムアウトが満了しない限り、チャネルの巡回とaliveメッセージ送信を行う)まで、リクエストを受信したチャネル上で固定されたままである。
【0095】
ある実施形態では、ゾーンプレーヤーがチャネル巡回を行うが、コントローラも、チャネル巡回を行うように構成されてもよい。しかしながら、コントローラが例えばパーソナルコンピュータである場合、ゾーンプレーヤーは通常、利用可能なチャネルを巡回するように構成される。
【0096】
ゾーンプレーヤーから有効な応答が受信されると、プロセス800は、ブロック826において、ゾーンプレーヤーが独自のネットワーク名(例えば、HHID)を有するかどうかを決定する。ゾーンプレーヤーがHHIDを有しない場合、すなわち、ゾーンプレーヤーがデバイスにより与えられるHHIDという名称の無線ネットワークへ追加されようとする場合、ブロック828において、ゾーンプレーヤーは無線ネットワークへの参加を指示される。ゾーンプレーヤーがHHIDを有している場合、すなわち、デバイス自体がゾーンプレーヤーにより与えられるHHIDという名称の無線ネットワークへ追加されようとする場合、プロセスはブロック830で終了する。
【0097】
自動設定プロセスの実行が完了した後、完了のメッセージや指示が表示される。ユーザが認識した後、ブロック834において、ユーザは、ゾーンプレーヤーに名称を付けるように求められる。その名称には例えば、ゾーンプレーヤーがダイニングルームにあることを表す「Dining」などがある。その後、プロセスは、上述したようにブロック406へと続く。
【0098】
図8Bは、方法、システム、又はプロセスとして、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方の組合せにて実現することができる例示的な方法又はプロセス850のフローチャートを示す。ある実施形態では、プロセス850は、ゾーンプレーヤーにて実行される。プロセス850の理解を深めるために、ここでの説明では、
図6のプレーヤー602のようなゾーンプレーヤーに基づいているが、ここで記述される技術に限定されない。
【0099】
ゾーンプレーヤーに電源が投入されると、プロセス850は、ブロック852において、ゾーンプレーヤーが登録済み又は設定済みか否かを判定する。例えば、ゾーンプレーヤーが使用中のゾーンプレーヤーである場合は、そのゾーンプレーヤーはすでに設定済みである可能性がある。ゾーンプレーヤーが設定済みである場合、ブロック854において、「登録済み」の指示が表示される。ゾーンプレーヤーが未設定である場合、ブロック856は、未設定のZPを示す。ブロック858において、(例えば、内部点検を通して)ゾーンプレーヤーの「通常」の動作が確認される。
【0100】
ブロック860において、ユーザは、ゾーンプレーヤーの「VOL」と「Mute」と名付けられた2つのボタンを押下することにより、自動設定プロセスをアクティブにする。自動設定プロセスは、上述のように、ブロック862において、Aliveメッセージの送信によって開始される。ブロック864において、ゾーンプレーヤーは応答を待つ。所定時間内に又はそれを超えて応答が受信されない場合、プロセス850は、ブロック866又はブロック858に進み、応答を待ち続ける、あるいはプロセスを再スタートする。応答が受信されると、自動設定プロセスは、ブロック868にて継続する。ブロック868では、ゾーンプレーヤーは、設定済みのデバイスから受け取った又はゾーンプレーヤー自体によって提供されるHHIDという名称の無線ネットワークの一部である。
【0101】
VI.例示的な隠れたネットワークアクセス・ネットワークスイッチング
上述した接続システムおよび方法の代替または付加として、ネットワーク接続およびスイッチングの付加的な実施形態を開示する。
【0102】
ある実施形態は、複数の利用可能なネットワークのいずれかにユーザが接続することを可能にする無線デバイスにて稼働するコントローラアプリケーションを提供する。例えば、アンドロイド(商標)のスマートフォン上のコントローラアプリケーションを使用して、ユーザは、ネットワーク上の再生デバイスを制御する目的で、ユーザの家庭(又は他の場所)無線コネクションか再生デバイスメッシュネットワークのいずれかを介して、再生デバイスネットワークに接続することができる。ある実施形態では、無線デバイスコントローラアプリケーションは、2つのコネクション間にて移行又はローミングし、接続された任意の再生デバイスにて、オーディオ音楽再生などのコンテンツ再生の制御を維持することができる。
【0103】
例えば、
図9は、マルチメディアコンテンツを再生するために無線デバイス910が利用可能なネットワークへの接続を試みているマルチメディア再生システム900を示している。無線デバイス910は、ネットワーク920、930上の1つ以上のデバイスを介して、1つ以上の利用可能なネットワーク920、930に接続することができる。各ネットワーク920、930は、例えば、そのネットワークへのアクセスのための1つ以上のデバイスやポイントを含むことができる。無線デバイス910(例えば、コントローラ、スマートフォン、タブレットコンピュータなど)は、ネットワーク920、930内における無線アクセスポイント922、932および/又はその他のデバイス924、934(例えば、ゾーンプレーヤー、スピーカー、その他の再生デバイスなど)に接続することができる。
【0104】
例えば、ユーザがホームネットワーク内に無線アクセスポイントを有しない場合、あるいは、無線デバイス上でコントローラが最初にセットアップされる際に、無線コントローラデバイスが無線アクセスポイントの範囲内にない場合には、再生ネットワークの一部を構成する再生デバイス又はその他のコンポーネントのうちの1つの範囲内に無線デバイスがあれば、コントローラが搭載されるその無線デバイスは、再生デバイスネットワークへの接続を安全に確立する。例えば、ゾーンプレーヤー(例えば、再生デバイス)上の参加householdボタンを使用して、ユーザは、再生ネットワーク用のコントローラとして動作するように自分のスマートフォンを構成することができる。
【0105】
ある実施形態は、無線コントローラのバックグラウンドで継続的に稼働するサービスを提供するものであり、そのサービスは、ユーザがある場所からある場所へ移動する際のユーザ体験を向上又は維持させるために、再生ネットワークへ接続するか、あるいは別の利用可能な無線ネットワークへ接続するかを動的に管理する。
【0106】
例えば、
図10は、信号強度モニタ1010、ネットワークレジストリ1025を含むメモリ1020、プロセッサ1030、通信インタフェース1040、およびマルチメディアコンテンツ出力部1050を含む、例示的な無線デバイス1000(例えば、無線デバイス910と同一又は類似するもの)を示す。デバイス1000は、通信インタフェース1040を使用して利用可能なネットワークに接続し、プロセッサ1030と連携して、出力部1050を介してコンテンツの再生および/又はその他の通信を促進することができる。信号強度モニタ1010を使用して、デバイス1000は、ネットワークレジストリ1020にて特定された利用可能なネットワークを継続的(あるいは定期的など)にモニタするとともに、プロセッサ1030を使用して、利用可能な別のネットワークが現在接続されているネットワークよりも接続に適しているかどうかを決定することができる(例えば、信号が強い、安全度が高いなど)。
【0107】
図11は、デバイス又はユーザネットワークのネットワーク名がなくとも、又はネットワーク名を入力しなくても、無線デバイスを隠れたネットワークに接続する例示的な方法1100のフロー図を示す。
【0108】
ブロック1105において、特定されていない利用可能なオーディオネットワークであって隠れた場所にあるオーディオネットワークに接続するために、無線デバイスに対してネットワーク接続リクエストが開始される。例えば、接続リクエストは、制御デバイス(例えば、スマートフォン、専用コントローラ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータなど)を介して、その場所(例えば、家庭、建物、又はその他の場所)においてオーディオネットワークの範囲内で開始することができる。別の例として、接続リクエストは、オーディオネットワークに接続されたマルチメディア再生デバイス上のボタンの押下により開始することができる。
【0109】
ブロック1110において、オーディオネットワークに対するネットワーク接続リクエストが検出される。リクエストは、例えば、隠れたオーディオネットワークに既に接続されているマルチメディア再生デバイス(例えば、ゾーンプレーヤー、スピーカー、出力部など)を介して検出することができる。オーディオネットワークは、リクエスト内では特定されておらず、利用可能であるがその場所に隠れている。
【0110】
ブロック1115において、接続フェーズがトリガされて、隠れた音声ネットワークに無線デバイスを接続する。接続フェーズは、例えば、マルチメディア再生デバイスを用いて起動することができる。ある例では、接続フェーズは、マルチメディア再生デバイスからのリクエストに対する応答を送信することなくトリガされる。ある実施形態では、マルチメディア再生デバイスおよび/又はその他のネットワークコンポーネントにおいて、最近、アクション(例えば、1つ以上のボタンの押下)が起こされていない限り、プローブをブロードキャストするための応答は提供されない。
【0111】
ブロック1120において、無線デバイスへの予め定められた識別子とともにネットワークアクセスポイントが明らかにされ、無線デバイスは、接続フェーズの間、有効な所定のパスワードを使用して当該ネットワークアクセスポイントに接続することができる。ある実施形態では、識別子およびパスワードが接続デバイスに提供されると、その後、ネットワークアクセスポイントが隠される。
【0112】
ブロック1125において、無線デバイスは、所定のパスワードを使用して、ネットワークアクセスポイントを経由してオーディオネットワークとともに認証される。無線デバイスは、接続フェーズにおける接続が制限されながらも当該オーディオネットワークに関連付けられる。
【0113】
ブロック1130において、無線デバイスは、オーディオネットワークから切断される。ブロック1135において、オーディオネットワークへの無線デバイスの接続は、動作フェーズで受け入れられる。この接続は例えば、接続フェーズの間に無線デバイスに提供される情報を使用して、接続フェーズで設けられた接続制限を受けることなく有効に確立することができる。
【0114】
ブロック1140において、ネットワークアクセスは、接続フェーズの間に無線デバイスに提供された情報を使用して無線デバイス用に構成される。ブロック1145において、コンテンツの再生は、オーディオネットワーク上のマルチメディア再生デバイスを介して促進される。例えば、再生は、無線デバイスを使用して促進することができる。
【0115】
これより、ある実施形態では、マルチメディア再生デバイスは、マルチメディア再生デバイスからのコマンドを(例えば、その存在を表示することなく)非表示にするように構成されたローカルマルチメディア再生ネットワークに接続されている。マルチメディア再生デバイスは、マルチメディア再生デバイスでのユーザアクション(例えば、ボタンの押下)に基づいて、デバイスが隠れたネットワークに接続するための接続フェーズを開始する。マルチメディア再生デバイスは、無線デバイスに対する予め定められた識別子とともにネットワークアクセスポイントを明らかにし、当該無線デバイスは、接続フェーズの間、有効な所定のパスワードを使用して当該ネットワークアクセスポイントに接続することができる。無線デバイスは、所定のパスワードを使用して、ネットワークアクセスポイントを経由してオーディオネットワークとともに認証され、接続フェーズにおける接続が制限されながらも当該オーディオネットワークに関連付けられる。無線デバイスはその後、オーディオネットワークから切断されるが、動作フェーズにてオーディオネットワークに再接続することができる。動作フェーズにおける接続は、接続フェーズの間に無線デバイスに提供される情報を用いて確立することができ、接続フェーズにおける無線デバイスに対する接続制限よりも、より良い接続性とアクセス性を発揮することができる。
【0116】
図12は、無線アクセスポイントとローカルノード間におけるスイッチングを促進して、ネットワーク化されたマルチメディアシステムにアクセスするための例示的な方法1200のフロー図を示す。
【0117】
ブロック1205において、マルチメディア再生ネットワークへの無線デバイスの接続が促進される。当該接続によって、例えば、可視的および/又は隠れた無線ネットワークにおける通信、制御、再生を促進することができる。ネットワークへのデバイスの接続は、例えば、識別子とパスワード情報の交換により容易にすることができる。
【0118】
ブロック1210において、無線デバイスは、接続のために利用可能なネットワークのリストに、マルチメディア再生ネットワークを追加することが可能になる。例えば、無線デバイスは、デバイスを認証するおよび/又は他の方法で接続するように構成された1つ以上のネットワーク/システムのリストを維持することができる。
【0119】
ブロック1215において、無線デバイスの範囲内にある1つ以上の利用可能なネットワークが識別される。例えば、コントローラがサードパーティのデバイス(例えば、Androidのスマートフォン、タブレット、又はその他のデバイス)上で最初に設定される際に、ユーザがWiFiアクセスポイントを持っていない場合、利用可能なネットワークのいずれかにおける再生システムの範囲内であれば、当該デバイスは安全かつ直接的にネットワーク接続を確立することができる。
【0120】
ブロック1220において、識別されたネットワークにおける信号強度などのネットワーク特性がモニタされる。例えば、無線デバイスは、無線ネットワークから受信した利用可能な信号強度をモニタおよび評価するためのセンサを含むことができる。
【0121】
ブロック1225において、ユーザ体験、再生クオリティ、システムの応答性などを最適化又は向上させるために、少なくとも1つのモニタされたネットワーク特性(例えば、信号強度、デバイス上のユーザの行為など)に基づいて、識別されたネットワーク間でのアクティブな無線接続がアクティブに切り替えられる。ある実施形態では、ネットワーク間で接続が移行されると、2つの接続間を無線デバイスが移行し、ネットワーク化された利用可能なデバイス上での音楽再生の制御を維持する。
【0122】
ある実施形態では、ネットワークローミングは、無線(例えば、WiFi)アクセスポイントとローカルゾーンプレーヤー若しくはその他の再生デバイスノードとの間でローミング可能な無線デバイス上で実行されるプリケーションを使用することで容易に行うことができる。ある実施形態では、各ネットワークは、それ自体のSSIDを持っているので、無線デバイスは、単に範囲内にある同じネットワークにローミングおよび接続するのではなく、2つの異なるネットワーク間でローミングしている。
【0123】
サードパーティの無線デバイス(例えば、Android端末)上のコントローラアプリケーション(例えば、Sonosのコントローラアプリケーション)を使用することにより、ユーザは、1)自身のWiFi接続、2)オーディオ再生ネットワーク(例えば、SonosNetメッシュネットワーク)のいずれかを使用して、再生システムを制御することができる。ある実施形態では、電話又はその他の無線デバイスは、2つの接続間で移行するとともに、接続された利用可能なデバイスのいずれかにおける音楽再生の制御を(相対的に)シームレスに維持することができる。
【0124】
ある実施形態では、無線(例えば、WiFi)接続を用いて、コントローラアプリケーションソフトウェアは、接続リストにおける1つ以上の他のネットワーク接続オプションの2番目に又はその後に、再生(例えば、SonosNet(商標)メッシュ)ネットワークを意図的に配置することができる。これにより、WiFiアクセスポイントが1番目にリストされSonosNet(商標)ネットワークが2番目にあり、かつ、ユーザの電話がWiFiアクセスポイントの範囲外にある場合に、当該電話が再生用の接続を行うアクセスポイントとしてSonosNetを使用するようになる。これにより、ローカルノードの1つのプレーヤーをネットワークの好適なリストに置くとともに、ウェブサーフィンなどの接続ポイントとして使用することができる(例えば、ゾーンプレーヤーがWiFiアクセスポイントであるかのように、データがゾーンプレーヤーを通過する)。
【0125】
ある実施形態では、サードパーティのデバイス(例えば、Androidベースのデバイス)上でコントローラを設定する際に、ユーザがWiFiアクセスポイントを有しておらず、かつ、アクセスポイントの範囲内にない場合、ネットワーク接続されたデバイスの範囲内にユーザがいれば、電話又はその他のデバイスは、(例えば、ブリッジ、ゾーンプレーヤー、又は他の再生デバイスに対するhousehold参加ボタンを押すことにより)再生ネットワーク接続を直接的に安全に確立することができる。
【0126】
ある実施形態では、サードパーティデバイスのバックグラウンドで実行中のサービスは、ユーザが複数の場所にわたって移動する際にユーザの体験をより良く向上させるために、再生デバイス(例えば、SonosNet(商標))あるいは別の利用可能な無線(例えば、Wifi)ネットワークのいずれに接続するかの判断をアクティブに管理する。
【0127】
このように、サードパーティのデバイスは、ユーザの再生システムの範囲内のいずれにおいても再生システムをセットアップして制御するコントローラとして機能することができ、これにより、ユーザの無線ネットワークを選択的(例えば、家庭のWiFiネットワーク)にすることができる。ある実施形態では、再生メッシュネットワークに加えて、ユーザの家庭WiFi範囲の上位集合(superset)となるユーザデバイスのWiFi範囲が拡張される。ある実施形態は、1つ以上の基準又はパラメータに基づいて、有効な無線範囲を自動的に広げる。
【0128】
ある実施形態は、自宅などの場所におけるマルチメディアコンテンツのワイヤレス再生のためのネットワークを提供する。再生ネットワークに接続して制御する際の柔軟性を補助するために、WPA2セキュリティなどのセキュリティに、ネットワークに含まれるSonosのゾーンプレーヤーなどの1つ以上の再生デバイスを含ませることにより、メッシュネットワーク内の各再生デバイスを、コントローラとして使用されているスマートフォンなどのサードパーティデバイスに対する無線アクセスポイントとして機能させるようにする。サードパーティデバイス上のコントローラが(例えば、顧客のWiFiネットワークを使用して)再生ネットワークに参加すると、コントローラは、WPA2パスフレーズを安全に取得して、コントローラデバイス上の利用可能なネットワークの一覧に無線再生ネットワークを自動的に追加できるようにすることができる。これにより、コントローラは、ユーザの無線接続又は無線再生ネットワークを使用することができるようになる。コントローラデバイスが、既存の無線接続を有していないが再生デバイス、ブリッジ、ドックなどの範囲内にある場合には、無線デバイスは、別の無線接続を利用することなく再生ネットワークを直接使用して、ローカル(例えば、household)ネットワークに安全に参加することができる。
【0129】
例えば、ある実施形態では、コントローラは、特定のSSIDを有する架空のネットワークへの接続を試みる。これは、コントローラがhouseholdに参加しようとしていることをゾーンプレーヤーと再生ネットワークに警告するものである。ユーザがhousehold参加ボタン又はゾーンプレーヤー上のボタンを押下して、ゾーンプレーヤーが架空のSSIDを検索しているデバイスを検出すると、ゾーンプレーヤーは、コントローラデバイスの無線(例えば、WiFi)スキャンに現れるように可視的なものになる。例えば、コントローラは現在、可視的な再生ネットワークを認識し、特定の固定パスワードを使って接続を試みているとする。ゾーンプレーヤーは接続を許可するが、ネットワーク起動プロトコルを実行するために、トラフィックへの通信を制限する。ネットワーク起動(ネットスタート(netstart))プロトコルは、コントローラがhouseholdに参加してネットワーク暗号化キーを秘匿に交換するために使用するプロトコルである。コントローラは接続を切断し、ゾーンプレーヤーは通常の隠れた動作に戻る。コントローラは、取得したネットワークキーを用いて再生デバイスネットワークに再接続する。
【0130】
ある実施形態では、コントローラデバイス上で使用される無線ネットワークが再生ネットワークと同じサブネット上にあるかどうかを決定するために、バックグラウンドサービスが使用される。ある実施形態では、サービスは、再生ネットワークおよび上記で識別されたネットワークの信号強度をモニタすることができる。サービスは、例えば、デバイスの信号強度とユーザアクティビティに基づいて、再生ネットワークと識別された他のネットワークの間にてコントローラデバイスの無線接続をアクティブに切り替えることで、ユーザ体験をより良くし最適化することができる。ある実施形態では、スマートフォンやタブレット(例えば、アンドロイド(商標)のスマートフォンやタブレット)などのデバイスで実行されるコントローラアプリケーションは、デバイスのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を使用して、ネットワーク(例えば、WiFiネットワーク)情報を修正(例えば、追加、削除、編集など)する。
【0131】
ある実施形態は、ショートメッセージを無線式の再生商品間で通信するために使用可能なパケット伝送方式を提供する。ある実施形態は、再生デバイスネットワークのメインのセットアップの前に、再生デバイス間におけるショートメッセージを通信するために使用される簡略化されたパケット伝送方式を提供する。例えば、このようなスマートフォンなどのサードパーティのハードウェア上で実行されているハードウェアおよびソフトウェア用のコントローラは、この簡略化されたパケット伝送方式を使用して、再生デバイスネットワークとの主なセットアップを行う前に接続を実施することができる。ある実施形態では、例えば、IPブロードキャストベース伝送方式および802.11プローブリクエストベース伝送方式という2つのベーシック伝送方式が定義されている。例示的なIPブロードキャストベースの伝送方式では、送信元ソースアドレスに等しいソースアドレスを持つIPパケットが、IPブロードキャストアドレスに等しい宛先アドレスとともに提供される。メッセージ内には、実際の宛先アドレス(例えば、Sonos(商標)のUUID)が含まれている。例示的な802.11プローブリクエストベースの伝送方式では、ソースMAC(Media Access Control)アドレスは、送信者自身の無線MACアドレスに等しく、宛先MAC又は宛先BSSIDは、MACブロードキャストアドレスに等しく、実際の宛先アドレス(例えば、Sonos(商標)のUUID)は、プローブ内の情報要素の中に含まれている。ある実施形態では、プローブリクエストは、「SonosNet start 1.0」などの識別子である。ある実施形態では、それぞれの伝送パケットは、既に送信されたパケットの伝送方式を示す2ビットを含む。例えば、ビットは、パケットがIPブロードキャストとして又は802.11プローブとして既に送信されたことを示すことができる。ゾーンプレーヤーは、パケットの送信を開始すると、(例えば、伝送方式が使用されている適切なセットのシンジケートとともに)各伝送方式を使用してパケットを2回送信する。コントローラは、パケットの送信を開始すると、(例えば、適切なビットとともに)IPブロードキャストを使用してパケットを1つ送信する。しかし、ある実施形態では、コントローラは、そのパケットを2回送信する。ゾーンプレーヤー上のネットスタートアプリケーションがネットスタートパケットを受信すると、前に使用されていない任意の伝送方式によって、当該伝送方式を示すようビットを適切に設定しながらパケットの再送信を行う。このように、プローブリクエストとしてネットスタートパケットを受信する各ゾーンプレーヤーは、それを再生メッシュネットワーク上のIPブロードキャストとして1回送信し、その一方で、IPブロードキャストとしてパケットを受信する各ゾーンプレーヤーは、それをプローブリクエストとして1回送信する。
【0132】
ある実施形態では、複数のネットスタートプロトコルメッセージを使用することで、ネットワークに接続しているコントローラ(CR)などの新しいデバイスのためのネットスタートプロトコルを容易に行うようにすることができる。例えば、メッセージには以下の内容を含めることができる。
【0134】
ある実施形態では、ファクトリーリセットCRとファクトリーリセットZPの間の例示的なシーケンスは、上記メッセージに基づいて以下のように説明することができる。
1.R_NS_ALIVE_UNICAST_REQUEST(CRから、視聴中の任意のZPへ)
2.R_NS_ALIVE(CRとZPが互いに発見するようにZPから)
3.R_NS_QUERY(CRからZPへ)
4.R_NS_RESPONSE(CRは、ZPに対して、RSA公開キー+ネットワークパラメータをたずねる−ZPはファクトリーリセットなのでブランクに戻る)
5.R_NS_ASSESS_CHANS(CRは、ZPに対して、チャネル評価を実行するようにたずねる)
6.R_NS_RESPOND_CHANS(ZPは、最良の通信用チャネルの評価で応答する)
7.R_NS_SET(CRが新しいHouseholdIDとAESキーを生成し、それをR_NS_ASSESS_CHANSの間に決定されたチャネルとともにZP内にプログラムする)
8.R_NS_ACK(ZPは、アクノリッジメントで応答する)
【0135】
ある実施形態では、ファクトリーリセットCRとファクトリーリセットZPの間の例示的なシーケンスは、上記メッセージに基づいて以下のように説明することができる。
1.R_NS_ALIVE_UNICAST_REQUEST
2.R_NS_ALIVE(CRとZPは互いに発見する)
3.R_NS_QUERY
4.R_NS_RESPONSE(CRは、ZPに対して、RSA公開キー+ネットワークパラメータをたずねる−集中状態(populated)に戻る)
5.R_NS_REVERTCHAN(CRは、ネットワークパラメータをローカルに適用して、ZPに対してすぐにホームチャネルに戻るように指示する)
【0136】
ある実施形態では、CRを使用して既存のhouseholdにZPを追加する際の例示的なシーケンスは、上記メッセージに基づいて以下のように説明することができる。
1.R_NS_ALIVE_UNICAST_REQUEST
2.R_NS_ALIVE(CRと新しいZPは互いに発見する)
3.R_NS_QUERY
4.R_NS_RESPONSE(CRは、関連するZPに対して、ネットワークパラメータをもとめる)
5.R_NS_QUERY
6.R_NS_RESPONSE(CRは、他の全ネットワークパラメータを無視しながら、新しいZPのRSA公開キーを取得する)
7.R_NS_SET
8.R_NS_ACK(CRは、チャネル、HouseholdIDおよびAESキーを新しいZP内にプログラムする)
【0137】
ある実施形態では、ユーザは、ゾーンプレーヤー上の1つ以上のボタンを押下して、無線再生ネットワークに接続する。ゾーンプレーヤーは、複数の利用可能なチャネル(例えば、3つのチャネル)の間を巡回する。ゾーンプレーヤーは、利用可能なチャネルのそれぞれにaliveメッセージ(生のメッセージ)を送信して、応答のための短い時間、待機する。コントローラは、1つのチャネル上で、生のメッセージが送られて来るのを待機する。コントローラは、aliveメッセージを受信すると、発信ゾーンプレーヤーにクエリを送信する。ゾーンプレーヤーはクエリを受信すると、チャネル間の巡回を停止する。残りのネットスタートのハンドシェイク手順がそのチャネルで行われ、そのチャネルすなわちコントローラと応答したチャネルにゾーンプレーヤーは拘束される。シーケンスの終了時に、ゾーンプレーヤーがネットワーク設定メッセージを受信すると、指定されたチャネルに切り替わる。あるいは、もしゾーンプレーヤーがチャネルメッセージ「戻る」を受信すると、「ホーム」のチャネルに戻る。
【0138】
ある実施形態では、ユーザがゾーンプレーヤー上の1つ以上のボタンを押下すると、ゾーンプレーヤーは、利用可能な複数のチャネル(例えば、3つのチャネル)の各々の間を巡回しながら、aliveメッセージを送信して、その後、応答を受けるために短い時間、待機する。コントローラは、IPブロードキャストを送信し、受信する。新規の無線ゾーンプレーヤーは、ネットスタート動作(すなわち、受信したネットスタート802.11プローブリクエストをIPブロードキャストとして再生ネットワーク上に送信すること、および、再生ネットワークから受信したIPブロードキャストを802.11プローブリクエストとして送信すること)により、コントローラと通信する。ゾーンプレーヤーはネットスタート設定メッセージを受信すると、指定されたチャネルに切り替わる。あるいは、もしゾーンプレーヤーがチャネルメッセージ「戻る」を受信すると、ホームチャネルに戻る。
【0139】
ある実施形態では、コントローラは、AR6002無線チップなどの無線チップを使用しており、このような無線チップは、802.11gクライアントによるハードコードされたファームウェアが実装されている。このファームウェアは、例えば、特定されたチャネルリスト上のアクセスポイントをプローブ(探査)するとともに、それらのビーコンおよびプローブ応答から情報要素のコンテンツを報告することができる。ファームウェアも例えば、SSID、BSSID、高度暗号化標準(AES)キーなどの特定のアクセスポイントで協働することができる。ネットスタートをこのファームウェアの機能のトップに構築することで、ユーザがゾーンプレーヤーのボタンを押してネットワークに接続したときに、ゾーンプレーヤーは、利用可能なチャネルを巡回しながらメッセージを送信してそれを関連付けつつ、応答のための短い時間、待機する。ゾーンプレーヤーは、利用可能なチャネル間で巡回している一方で、そのゾーンプレーヤーがネットスタートモードであることを示す特別な情報要素をそのプローブ応答に含んでいる。コントローラは、ゾーンプレーヤーよりも速い速度にて利用可能なチャネル間で巡回を行うとともに、コントローラがゾーンプレーヤーを探していることを示す特別な情報要素を含むプローブを送信しながら、アクセスポイントのスキャンを連続的に行う。ネットスタートモードにあるゾーンプレーヤーが、特別な情報要素で識別されるように、ゾーンプレーヤーを探しているコントローラからブロードキャストされるプローブ(ブロードキャストプローブ)を受信した場合、ゾーンプレーヤーはチャネルのスキャニングを中止して、ブロードキャストプローブに応答する。コントローラは、特別な情報要素とともにアクセスポイントのスキャン結果を閲覧する。そのようなアクセスポイントが検出された場合、ゾーンプレーヤーは、そのアクセスポイントにセキュリティなしで関連付けられる。特別な「セキュリティなし(no security)」の関連付けにより、コントローラと再生ネットワークは、MACブロードキャストフレームを交換することができる。ある実施形態では、そのセキュリティは、コントローラとゾーンプレーヤーがネットスタートブロードキャストのみを交換可能なように制限される。すなわち、例えば、宛先ポート6969のUDPデータグラムを含んだIPブロードキャストであるMACブロードキャストのみを交換することができる。より厳格なフィルタによれば、「セキュリティなし」の関連付けをより制限することで、セキュリティ上のリスクが軽減される。ある実施形態では、ゾーンプレーヤーが工場出荷時の設定にリセットされ、household用のIDを持っていない場合、そのゾーンプレーヤーは、一時的な関連付けのための一般的な形式のSSIDを使用する。ある実施形態では、1つの追加的なMACアドレスを含むゾーンプレーヤーと、ビーコンおよびプローブ応答の関連付けに従事するコントローラとに用いるテストを製造するための特別な「安全関連付け」モードがある。
【0140】
コントローラとゾーンプレーヤーの間で関連付けの関係が確立されると、IPブロードキャストを介して、ネットスタートのハンドシェイクが行われる。コントローラは、ネットワークのAESキーを識別すると、ゾーンプレーヤーとの安全でない関連付けを解除するとともに、再生ネットワークへのアクセスをフルに許可されたAESキーを使用して、関連付けを再度、安全に行う。
【0141】
ある実施形態では、コントローラ実装について、より制限されたバージョンが提供される。例えば、コントローラは、プローブリクエスト又はプローブ応答の中に任意の情報要素を設定および検出することができない。スマートフォンなどのコントローラデバイスは、ビーコンを発信していないアクセスポイントを認識することができないが、これらのスマートフォンは、ビーコンを発信していないゾーンプレーヤーとに関連付けられることが可能である。これを行うために、ゾーンプレーヤーは、コントローラデバイスによるhouseholdディスカバリの間、標準の外部アクセスポイントのように見えるようになっている。ユーザがネットワークに接続されたゾーンプレーヤー上のボタンを押下すると、ゾーンプレーヤーは、無線ドライバに対して、チャネルのスキャニングとlifeメッセージの待機に加えて、サードパーティのデバイスからの全てのプローブ・関連付けリクエストをドロップするように指示する。このようなスマートフォンなどのコントローラは、SSID(全てのプローブをブロードキャストすることに加えて当該SSIDを対象としたプローブをデバイスに送信させるネットスタートを行うように設定されたもの)を有するネットワークへの接続を行う。ゾーンプレーヤー上の無線ドライバがネットスタート用のプローブを発見したとき、ゾーンプレーヤーは、ネットリンクを介してネットスタートを通知する。ある実施形態では、ゾーンプレーヤーは、プローブに対して応答しない。このとき、ネットスタートは、DHCPトラフィック用のパスがあることを確保するようにクウォートホームクウォートチャネル(quote home quote channel)に切り替わるとともに、通常のSSIDを対象としてブロードキャストされるプローブに応答することを無線ドライバができるようにすることができる。さらに、ネットスタートは、SSIDを含むビーコンの送信を開始する。無線デバイスは、householdのID番号で始まるSSIDを有するIPによって、デバイスがゾーンプレーヤーであることを想定する。次に、無線デバイスは、ゾーンプレーヤー上のネットスタートモードの間のみ有効なパスワードによりWPA2認証を試みる。ゾーンプレーヤーは、コントローラデバイスがネットワークとの関連付けを行うことを可能にするとともに、(例えば、DHCPおよびネットスタートには十分な)ネットワークの制限されたチップコンダクティビティプライバシー(tip conductivity privacy)を提供する。コントローラデバイスは、上述したIPベースのネットスタートプロトコルを実施して、householdに参加する。ワイヤレスコントローラデバイスは、ゾーンプレーヤーから取得した情報を使用して、正しいネットワーク構成(例えば、SSIDと永久WPA2パスフレーズ)を設定する。
【0142】
このように、いくつかの例では、無線デバイス又はユーザネットワークが隠れたネットワークのネットワーク名を知る又は入力することなく、その隠れたネットワークに無線デバイスを接続する方法が提供される。当該例示的な方法は、マルチメディア再生デバイスを介して、オーディオネットワークに対するネットワーク接続リクエストを検出するステップを含む、ここで、オーディオネットワークは、当該リクエスト内では特定されておらず、ある場所で利用可能であるが隠れている。当該例示的な方法は、マルチメディア再生デバイスを介して、隠れたオーディオネットワークに無線デバイスを接続させる接続フェーズをトリガするステップを含む。当該例示的な方法は、予め設定された識別子とともにネットワークアクセスポイントを無線デバイスに示すステップを含む、ここで、当該ネットワークアクセスポイントには、無線デバイスは接続フェーズの間に有効な所定のパスワードを用いて接続することができる。当該例示的な方法は、ネットワークアクセスポイントを介して、所定のパスワードを用いてオーディオネットワークとともに無線デバイスを認証し、当該無線デバイスを、接続フェーズにおけるオーディオネットワークへの接続を制限しながらオーディオネットワークに関連付けるステップを含む。当該例示的な方法は、オーディオネットワークとの接続から無線デバイスを解除するステップを含む。当該例示的な方法は、動作フェーズにおいて、無線デバイスによるオーディオネットワークへの接続を受け付けるステップを含む、ここで、当該接続は、接続フェーズに無線デバイスへ提供された情報を用いて接続フェーズの接続制限を受けずに確立される。
【0143】
ある例では、本方法は、無線コントローラデバイスを介して、特定されていない隠れたオーディオネットワークへ無線デバイスが接続するためのネットワーク接続リクエストを開始するステップをさらに含む。ある例では、ネットワーク接続リクエストの開始は、オーディオネットワークに接続されたマルチメディア再生デバイス上のボタンを押下することにより行われる。ある例では、接続フェーズのトリガは、マルチメディア再生デバイスからのリクエストへの応答を送信することなく行われる。ある例では、本方法は、無線デバイスによる接続の後に続いてネットワークアクセスポイントを隠すステップをさらに含む。ある例では、マルチメディア再生デバイスにおける1つ以上のボタンが押下されない限り、ブロードキャストされるプローブに対する応答は行われない。ある例では、本方法は、無線デバイスに提供される情報を用いてオーディオネットワーク上で接続および再生を構築するステップをさらに含む。ある例では、本方法は、オーディオネットワーク上のマルチメディア再生デバイスにおける再生を、無線デバイスを用いて促進するステップをさらに含む。
【0144】
ある例は、マルチメディア再生デバイスからのコマンドがないと存在のインジケータを提供しないように構成されたローカルマルチメディア再生ネットワークに接続されるマルチメディア再生デバイスを提供する。当該例示的なマルチメディア再生デバイスは、マルチメディア再生デバイスでのユーザアクションに基づき、隠れたネットワークにデバイスが接続するための接続フェーズを開始する。当該例示的なマルチメディア再生デバイスは、予め設定された識別子とともにネットワークアクセスポイントを無線デバイスに示す、ここで、当該ネットワークアクセスポイントには、無線デバイスは接続フェーズの間に有効な所定のパスワードを用いて接続することができる。当該例示的なマルチメディア再生デバイスは、ネットワークアクセスポイントを介して、所定のパスワードを用いてオーディオネットワークとともに無線デバイスを認証し、当該無線デバイスを、接続フェーズにおけるオーディオネットワークへの接続を制限しながらオーディオネットワークに関連付ける。当該例示的なマルチメディア再生デバイスは、オーディオネットワークとの接続から無線デバイスを解除する。当該例示的なマルチメディア再生デバイスは、動作フェーズにおいて、無線デバイスによるオーディオネットワークへの接続を受け付ける、ここで、当該接続は、接続フェーズに無線デバイスへ提供された情報を用いて接続フェーズの接続制限を受けずに確立される。
【0145】
ある例では、無線デバイスは、無線コントローラデバイスを備え、無線コントローラデバイスは、特定されていない隠れたオーディオネットワークへ無線デバイスが接続するためのネットワーク接続リクエストを開始する。ある例では、ネットワーク接続リクエストの開始は、オーディオネットワークに接続されたマルチメディア再生デバイス上のボタンを押下することにより行われる。ある例では、接続フェーズは、マルチメディア再生デバイスからのリクエストへの応答を送信することなくトリガされる。ある例では、ネットワークアクセスポイントは、無線デバイスによる接続の後に続いて隠される。ある例では、マルチメディア再生デバイスにおける1つ以上のボタンが押下されない限り、ブロードキャストされるプローブに対する応答は行われない。
【0146】
ある例は、プロセッサによって実行される命令を含んだコンピュータ可読媒体を提供し、その命令は実行されるとプロセッサに対して、デバイスを再生ネットワークに接続させる方法を実行させるものである。当該例示的な方法は、マルチメディア再生デバイスを介して、オーディオネットワークに対するネットワーク接続リクエストを検出するステップを含む、ここで、オーディオネットワークは、当該リクエスト内では特定されておらず、ある場所で利用可能であるが隠れている。当該例示的な方法は、マルチメディア再生デバイスを介して、隠れたオーディオネットワークに無線デバイスを接続させる接続フェーズをトリガするステップを含む。当該例示的な方法は、予め設定された識別子とともにネットワークアクセスポイントを無線デバイスに示すステップを含む、ここで、当該ネットワークアクセスポイントには、無線デバイスは接続フェーズの間に有効な所定のパスワードを用いて接続することができる。当該例示的な方法は、ネットワークアクセスポイントを介して、所定のパスワードを用いてオーディオネットワークとともに無線デバイスを認証し、当該無線デバイスを、接続フェーズにおけるオーディオネットワークへの接続を制限しながらオーディオネットワークに関連付けるステップを含む。当該例示的な方法は、オーディオネットワークとの接続から無線デバイスを解除するステップを含む。当該例示的な方法は、動作フェーズにおいて、無線デバイスによるオーディオネットワークへの接続を受け付けるステップを含む、ここで、当該接続は、接続フェーズに無線デバイスへ提供された情報を用いて接続フェーズの接続制限を受けずに確立される。
【0147】
ある例では、本方法は、無線コントローラデバイスを介して、特定されていない隠れたオーディオネットワークへ無線デバイスが接続するためのネットワーク接続リクエストを開始するステップをさらに含む。ある例では、ネットワーク接続リクエストの開始は、オーディオネットワークに接続されたマルチメディア再生デバイス上のボタンを押下することにより行われる。ある例では、接続フェーズのトリガは、マルチメディア再生デバイスからのリクエストへの応答を送信することなく行われる。ある例では、本方法は、無線デバイスによる接続の後に続いてネットワークアクセスポイントを隠すステップをさらに含む。ある例では、マルチメディア再生デバイスにおける1つ以上のボタンが押下されない限り、ブロードキャストされるプローブに対する応答は行われない。
【0148】
ある例は、デバイスを再生ネットワークに接続するための方法を提供する。当該例示的な方法は、無線デバイスが接続を行う範囲内にある第1のネットワークを識別するステップを含む。当該例示的な方法は、無線デバイスによって、第1のネットワークへの接続を開始するステップを含む。当該例示的な方法は、無線デバイスによる接続のための複数のネットワークのリストに第1のネットワークを追加するステップを含む。当該例示的な方法は、無線デバイスを介して、ネットワークのリストから無線デバイスの範囲内にある1つ以上の利用可能なネットワークをモニタするステップを含む。当該例示的な方法は、接続のための好ましいネットワークを識別するために、少なくとも1つのネットワーク特性に基づき、利用可能な1つ以上のネットワークを評価するステップを含む。当該例示的な方法は、好ましいネットワークが第1のネットワークと異なる場合、無線デバイスによる第1のネットワークとの接続からの切り替えを促進するステップを含む。
【0149】
ある例では、無線デバイスは、1つ以上のネットワーク化された再生デバイス用のコントローラを備える。ある例では、コントローラは、コントローラアプリケーションを実行するスマートフォンである。ある例では、ネットワークのリストは、ネットワークアクセスを有する無線アクセスポイントと、無線再生ネットワークに接続された再生デバイスを含む。ある例では、再生デバイスの接続の優先度は、無線デバイスのネットワークリスト内において、無線アクセスポイントの接続よりも下にされる。ある例では、少なくとも1つのネットワーク特性には、信号強度が含まれる。ある例では、切り換えを促進するステップは、モニタされる信号強度と無線デバイス上でのユーザアクティビティに基づいて、無線デバイスのための無線ネットワーク接続を再生デバイスの接続と無線アクセスポイントの接続との間にてアクティブに切り替えるステップをさらに含む。ある例では、モニタ、評価、および促進を行うステップを、無線デバイスのバックグラウンドで実行するサービスにより行うことで、ネットワーク接続の決定をアクティブに管理することができる。ある例では、本方法は、無線デバイスが2つのネットワーク接続の間で切り替わるときに、無線デバイスを介した音楽再生の制御を維持するステップをさらに含む。
【0150】
ある例は、プロセッサによって実行される命令を含んだコンピュータ可読媒体を提供し、その命令は実行されるとプロセッサに対して、デバイスを再生ネットワークに接続させる方法を実行させる。当該例示的な方法は、無線デバイスが接続を行う範囲内にある第1のネットワークを識別するステップを含む。当該例示的な方法は、無線デバイスによって、第1のネットワークへの接続を開始するステップを含む。当該例示的な方法は、無線デバイスによる接続のための複数のネットワークのリストに第1のネットワークを追加するステップを含む。当該例示的な方法は、無線デバイスを介して、ネットワークのリストから無線デバイスの範囲内にある1つ以上の利用可能なネットワークをモニタするステップを含む。当該例示的な方法は、接続のための好ましいネットワークを識別するために、少なくとも1つのネットワーク特性に基づき、利用可能な1つ以上のネットワークを評価するステップを含む。当該例示的な方法は、好ましいネットワークが第1のネットワークと異なる場合、無線デバイスによる第1のネットワークとの接続からの切り替えを促進するステップを含む。
【0151】
ある例では、無線デバイスは、1つ以上のネットワーク化された再生デバイス用のコントローラを備える。ある例では、コントローラは、コントローラアプリケーションを実行するスマートフォンである。ある例では、ネットワークのリストは、ネットワークアクセスを有する無線アクセスポイントと、無線再生ネットワークに接続された再生デバイスを含む。ある例では、再生デバイスの接続の優先度は、無線デバイスのネットワークリスト内において、無線アクセスポイントの接続よりも下にされる。ある例では、少なくとも1つのネットワーク特性には、信号強度が含まれる。ある例では、本方法は、無線デバイスが2つのネットワーク接続の間で切り替わるときに、無線デバイスを介した音楽再生の制御を維持するステップをさらに含む。
【0152】
ある例は、無線デバイスを提供する。当該例示的な無線デバイスは、無線デバイスによる接続の範囲内の第1のネットワークを識別するとともに第1のネットワークへの無線デバイスの接続を促進する無線通信インタフェースを備える。当該例示的な無線デバイスは、無線デバイスによる接続のためのネットワークのレジストリに第1のネットワークを追加するプロセッサを備える。当該例示的な無線デバイスは、ネットワークのレジストリから無線デバイスの範囲内にある1つ以上の利用可能なネットワークをモニタする信号強度モニタを備える。この例では、プロセッサは、接続のための好ましいネットワークを識別するために、少なくとも1つのネットワーク特性に基づき、利用可能な1つ以上のネットワークを評価し、好ましいネットワークが第1のネットワークと異なる場合、無線デバイスによる第1のネットワークとの接続からの切り替えを促進する。
【0153】
ある例では、無線デバイスは、1つ以上のネットワーク化された再生デバイス用のコントローラを備える。ある例では、コントローラは、コントローラアプリケーションを実行するスマートフォンである。ある例では、ネットワークのレジストリは、ネットワークアクセスを有する無線アクセスポイントと、無線再生ネットワークに接続された再生デバイスを含む。ある例では、再生デバイスの接続の優先度は、無線デバイスのネットワークリスト内において、無線アクセスポイントの接続よりも下にされる。ある例では、少なくとも1つのネットワーク特性には、信号強度が含まれる。ある例では、プロセッサは、モニタされる信号強度と無線デバイス上でのユーザアクティビティに基づいて、無線デバイス用の無線ネットワーク接続を再生デバイス接続と無線アクセスポイント接続の間にてアクティブに切り替える。ある例では、プロセッサは、無線デバイスが2つのネットワーク接続の間で切り替わるときに、無線デバイスを介して音楽再生の制御を維持する。
【0154】
様々な発明が、ある程度の具体性を持って十分に詳細に記載されている。実施形態の開示は、例示の目的のみで作られることと、部品の配置および組み合わせにおいて多くの変更が、特許請求の範囲に記載された発明の精神および範囲から逸脱しないように行われてもよいことが、当業者に理解される。本明細書に記載された実施形態は、情報単位の提示に関して形式又は配置の点でいくつかの制限を含むように見えるかもしれないが、実施形態は、そのような実施形態をはるかに超えて適用可能であることが、当業者によって理解される。したがって、本開示の範囲は、上記した実施形態の説明よりむしろ添付された特許請求の範囲によって定義される。