(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、この発明の第1の実施の形態である綴じ具を取り付けたファイルの斜視図であり、
図2は、この発明の第1の実施の形態である綴じ具を示す斜視図であり、
図3は、
図1に示す綴じ具の平面図解図であり、
図4は、
図1に示す綴じ具における各部材の位置関係を説明した図であり、
図5は、
図1に示す綴じ具の台部材の平面図解図であり、
図6は、
図1に示す綴じ具の台部材の側面図解図であり、
図7は、
図1に示す綴じ具の台部材の正面図解図であり、
図8は、
図1に示す綴じ具の綴じ部材の平面図解図であり、
図9は、
図1に示す綴じ具の綴じ部材の側面図解図であり、
図10は、(A)は、
図8(A)に示す綴じ具の綴じ部材の断面図解図であり、(B)及び(C)は、
図9(A)に示す綴じ具の綴じ部材の断面図解図であり、
図11は、
図1に示す綴じ具の台部材と綴じ部材の組み立て方を説明した図であり、
図12Aは、綴じ具のホールド状態とオープン状態における付勢部材の状態を説明した図であり、(A)はホールド状態における付勢部材の状態を説明した図であり、(B)はオープン状態における付勢部材の状態を説明した図であり、
図12Bは、付勢部材を示す図である。
一般的には、ファイル10の表紙体12の内面に、用紙等の被綴じ物Xを綴じるための綴じ具20が取り付けられている。
表紙体12は、表表紙14aと裏表紙14bと背表紙14cとを備え、表表紙14aと背表紙14cとの間に形成された折り曲げ部16aと、裏表紙14bと背表紙14cとの間に形成された折り曲げ部16bとを備える。
【0011】
綴じ具20は、板状の台部材たる基板22と、前記台部材上において、付勢部材たるばね部材50の付勢力により、被綴じ物Xを押圧して保持するための押圧部を有する綴じ部材70を備える。
綴じ具20は、前記台部材上において、綴じ部材70が被綴じ物Xを押圧するホールド状態(ロック状態)と被綴じ物より離れるオープン状態(ロック解除状態)とに移動(開閉)可能にするように、台部材に取り付けられた操作部材たる操作レバー60と、操作レバー60をロック状態にするためのロック手段とを備える。
更に、綴じ具20は、前記台部材上に装着され、前記操作レバー60に連結されるとともに綴じ部材70に連結され、被綴じ物Xを押圧する方向に綴じ部材70を付勢する付勢部材たるばね部材50を含む。
【0012】
基板22は、操作レバー60を設置される領域の近傍において、綴じ部材支持部(第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34)を備えている。
前記綴じ部材70は、被綴じ物Xを押圧するホールド状態(ロック状態)と被綴じ物Xより離れるオープン状態(ロック解除状態)とに開閉するように揺動するための係合部90を備えている。
係合部90は、綴じ部材70を基板22へ回動可能に取り付けるための綴じ部材支持機構を構成する。
前記付勢部材たるばね部材50は、その一部分(ばね第1端部56)が綴じ部材70の押圧部72に向かってのびて、綴じ部材70を係合部90を中心として被綴じ物Xを押圧するホールド状態と被綴じ物より離れるオープン状態とに回動するように作動させるように、綴じ部材70に連結されている。
ばね部材50及び綴じ部材70は、被綴じ物Xを押さえるための被綴じ物押さえ機構を構成する。
【0013】
金属製薄板によって形成される台部材を構成する板状本体たる基板22は、その幅方向の一端部(左端部)における直線状長手端縁に操作部材取り付け部を構成する軸受部を備え、軸受部は、
図5ないし
図7に示すように、基板22に対して直立する起立面部を有する軸受板24と、軸受板24の面と平行な面を有する軸受部38とによって構成される。
軸受板24は、基板22と一体的に形成されてなり、軸受部38は、基板22より起立されてなる。
軸受板24は、基板22の長手方向の手前側端縁より向こう側端縁近傍に至るまで連続して形成される。
軸受板24の長手方向の一端側(向こう側)には、操作部材取り付け部を構成する円形の枢軸固定用貫通孔26が形成されている。
枢軸固定用貫通孔26は、軸受板24の枢軸固定用貫通孔26の周辺が、操作レバー60と対向する軸受板24の起立面部と操作レバー60を軸受板24に固定する軸58の軸方向とが斜交するように、向こう側が外に(操作レバー60が取り付けられる面とは反対側に)突き出し、手前側が内に(操作レバー60が取り付けられる面側に)突き出して、操作レバー60と軸受板24の起立面部とは傾斜して形成されている。
第1綴じ部材支持部30は、操作レバー60の向こう側端より更に向こう側に綴じ部材70を支持するために、配置される。
【0014】
さらに、これらの第1綴じ部材支持部30と第2綴じ部材支持部34の間であって、第1綴じ部材支持部30の保持穴32と第2綴じ部材支持部34の保持穴36とを結ぶ線より軸受板24の側であって軸受板24とは適宜な間隔を離れる側において、軸受板24の面と平行な面を有する軸受部38が形成される。この軸受部38は、基板22にU字状の切り込みを形成し、この部分を切り起こすことにより形成され、軸受板24に対してその全体が、操作レバー60の軸受部たる軸受板24の起立面部と斜交するように形成されている。すなわち、操作レバー60を軸受板24に固定する軸58の軸方向が操作レバー60の軸受部たる軸受板24の起立面部と斜交し、枢軸固定用貫通孔26の周辺と平行になるように形成されている。
この軸受部38には、円形の貫通孔40が形成され、軸受板24の枢軸固定用貫通孔26と軸受部38の貫通孔40とが対向するように配置される。すなわち、第1綴じ部材支持部30の保持穴32と第2綴じ部材支持部34の保持穴36とを結ぶ線と、軸受板24の枢軸固定用貫通孔26と軸受部38の貫通孔40とを結ぶ線とが、互いに斜交するように形成される。
【0015】
軸受板24と適宜な間隔を隔てて操作部材たる操作レバー60の長手方向において間隔をあけて、少なくとも二つの綴じ部材支持部(第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34)が突設されている。軸受板24の枢軸固定用貫通孔26の形成部の向こう側において、第1綴じ部材支持部30は、綴じ部材70を支持する第1綴じ部材支持部30の主面は、軸受板24の主面と平行になるように形成される。この第1綴じ部材支持部30には、正面視長方形の保持穴32が形成される。
さらに、操作レバー60の向こう側より手前側において、綴じ部材70を支持するために、第1綴じ部材支持部30の主面に平行な面を有する別の第2綴じ部材支持部34が形成される。この第2綴じ部材支持部34には、正面視長方形の保持穴36が形成される。
第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34は、基板22にU字状の切り込みを形成し、この部分を切り起こすことにより形成される。
前後一対の保持穴32と保持穴36とは、基板22の長手方向にのびる正面視長方形であって、基板22の上面から均等な高さに形成されている。
これらの第1綴じ部材支持部30と第2綴じ部材支持部34とは、綴じ部材70の長手方向に沿って並列された板状体である。そして、その第1綴じ部材支持部30の主面と第2綴じ部材支持部34の主面とを結ぶ線が、軸受板24の基板22側の主面に平行となるように配置され、複数の綴じ部材支持部(第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34)の面が、綴じ部材70の側を向いて綴じ部材70の長手方向に広がる平面に平行に並列されている。
【0016】
前記綴じ部材70は、被綴じ物Xを押える押圧部72と、該押圧部72に連設された架け渡し部74と、該架け渡し部74の押圧部72とは反対側に形成された立ち上がり部76とを有している。
【0017】
[綴じ部材支持機構]
前記綴じ部材70を基板22へ回動可能に取り付けるための綴じ部材支持機構は、立ち上がり部76に押圧部72側に向けて突き出し設けられている係合部90と、前記第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34とにより構成される。
前記綴じ部材70の係合部90は、被綴じ物Xを押える押圧部72とは反対側の端縁である立ち上がり部76に、長手方向において間隔をあけて少なくとも二つ形成されている。
前記係合部90は、前記第1綴じ部材支持部30の保持穴32及び第2綴じ部材支持部34の保持穴36に係合され且つ綴じ部材70を揺動させるように支持凸部92を形成されている。
【0018】
前記支持凸部92は、押圧部72とは反対側の綴じ部材70の端縁たる立ち上がり部76から突き出し設けられた断面略L字型又は断面略J字型である。支持凸部92は、立ち上がり部76に垂直に交わる板状の支持基部94と、支持基部94と垂直に交わり立ち上がり部76に平行な板状の垂下部96とを備える。
保持穴32と保持穴36とは、基板22の主面から同じ距離を離れた同一の高さに位置しており、保持穴32及び保持穴36に係合して支持される複数の係合部90の支持基部94は、全て基板22の主面から同じ距離を離れた同一の高さに位置するように構成されている。
【0019】
そして、支持凸部92は、綴じ部材70の被綴じ物Xを押える押圧部72と向き合う端縁側の領域の下部において、支持基部94が保持穴32及び保持穴36の下部に係合され、綴じ部材70を揺動できるように保持される。
支持凸部92は、保持穴32及び保持穴36の下部に係合された領域(支持基部94)よりのびた先端側たる垂下部96が、保持穴32及び保持穴36から綴じ部材70を揺動するときに抜け出ないように、保持穴32及び保持穴36の下部から下方に垂れ下がっている。
【0020】
前記支持凸部92は、第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34を台部材たる基板22において綴じ部材70の配置側に向けて突設された状態において、保持穴32及び保持穴36の穴内に、その先端より差し込むことができるように、綴じ部材70の押圧部72と向き合う端縁から間隔をあけて押圧部72の側に向けて突き出し設けられている。
綴じ部材70の立ち上がり部76は、支持凸部92が左右端の下方に形成され、支持凸部92を形成された領域においては、支持凸部92を第1綴じ部材支持部30の保持穴32及び第2綴じ部材支持部34の保持穴36に差し込み係合させるときの妨げとならないように切り欠かれている。架け渡し部74の下端と支持凸部92との間に切り欠きによるスペースが設けられているので、基板22の主面に立設された部位に当接することなく、支持凸部92は、第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34に取り付けることができる(
図9(A)参照)。
【0021】
この実施の形態においては、前記支持凸部92は、前記第1綴じ部材支持部30と第2綴じ部材支持部34との間隔に対応した間隔をおいて、綴じ部材70の長手方向に沿って前後1対の支持凸部92が並列されている。支持凸部92は、手前側の第1の支持凸部92aと向こう側の第2の支持凸部92bとが同一の形状の板状体である。
第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとは、いずれも、綴じ部材70の端縁より押圧部72に向けて屈曲されて支持基部94を形成され、且つ、支持基部94より端縁の下方に向けて屈曲されて垂下部96を形成されている。立ち上がり部76と第1の支持凸部92a及び第2の支持凸部92bとのなす形状は、正面視略h字状である。
第1の支持凸部92aは、立ち上がり部76と垂直に交わる板状の第1の支持基部94aと、第1の支持基部94aと垂直に交わり立ち上がり部76と平行な板状の第1の垂下部96aとを備える。
第2の支持凸部92bは、立ち上がり部76と垂直に交わる板状の第2の支持基部94bと、第2の支持基部94bと垂直に交わり立ち上がり部76と平行な板状の第2の垂下部96bとを備える。
第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとは、立ち上がり部76より同じ長さが突き出されている。第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとは、綴じ部材70が第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34に取り付けられたときに水平方向に突き出し形成されている。而して、第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとは、第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34に取り付けられたときに、基板22の主面から同じ距離を離れた同一の高さに位置する。
第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとは、第1の支持基部94aと第2の支持基部94bとが同じ高さに形成されており、第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとが係合される第1綴じ部材支持部30の保持穴32と第2綴じ部材支持部34の保持穴36とは、同じ高さに形成されている。
このように、第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34に取り付けられた綴じ部材70は、押圧部72の向こう側の接地部72a及び手前側の接地部72bが基板22と平行となって、同時に同一の押圧力で被綴じ物Xを押圧するように構成されている。
そして、第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとは、台部材たる基板22において綴じ部材支持部(第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34)が突設された状態において、保持穴32に第1の支持凸部92aを及び保持穴36に第2の支持凸部92bをそれぞれの穴内に、それぞれの垂下部96の先端より差し込むことができるように形成されている。
【0022】
この実施の形態においては、綴じ部材70を操作レバー60側により近づけて配置するために軸受部38と第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34との間隔を狭くしているので、第1の支持凸部92aを保持穴32に及び第2の支持凸部92bを保持穴36にそれぞれ挿入する前には、軸受部38は、第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34から離隔するように第1綴じ部材支持部30側に若干倒されている(
図11(A)参照)。
第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34は、基板22から綴じ部材70の配置側に向けて立ち上げられ、基板22と主面と垂直になるように立設されている(
図11(A)参照)。
第1の支持凸部92aは、その先端である第1の垂下部96aの下端を、第1綴じ部材支持部30の保持穴32の穴縁にあてがい、且つ、第2の支持凸部92bは、その先端である第2の垂下部96bの下端を第2綴じ部材支持部34の保持穴36の穴縁にあてがい、押圧部72を第1綴じ部材支持部30及び保持穴32から離れる方向(軸受板24より離れる方向)に引っ張ることにより、第1の支持凸部92aを保持穴32内に、第2の支持凸部92bを保持穴36内に挿入する(
図11(B)参照)。
そして、若干倒されていた軸受部38は、綴じ部材70が第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34に連結された後に、基板22の主面と垂直になるように立ち上げられる(
図11(C)参照)。
【0023】
また、基板22の幅方向の他端側(右端部)には、1条の凸条42が形成される。凸条42は、基板22の幅方向において適宜な距離をあけて平行に形成される。そして、基板22の長手方向の両側には、綴じ具20をファイルなどに取り付けるための基板固定用貫通孔44が向こう側と手前側とに一対形成され、基板固定用貫通孔44に鋲を嵌装して綴じ具20がファイルなどに取り付けられる。
【0024】
[被綴じ物押さえ機構]
軸受板24の枢軸固定用貫通孔26と軸受部38の貫通孔40には、軸58が挿通され、軸58に捩りコイルばねからなるばね部材50および操作部材たる操作レバー60が取り付けられる。
操作レバー60は、基板22上においてロックされた状態にするためのロック機構を備えている。
ロック機構は、操作レバー60の側(軸受板24とは反対側)に設けられた、係合体120及び該係合体120が取り付けられた係合体支持部180、並びに操作レバー60に設けられた突起部100を備える。
【0025】
前記付勢部材たるばね部材50は、前記操作部材たる操作レバー60側よりその一部分が綴じ部材70の押圧部72に向かってのびて、綴じ部材70の操作部材たる操作レバー60側を中心として被綴じ物Xを押圧するホールド状態と被綴じ物Xより離れるオープン状態とに移動するように作動させる。
前記綴じ部材70は、前記操作部材たる操作レバー60側よりのびる幅方向を有し、前記綴じ部材70を平面視して前記操作部材たる操作レバー60とは反対側の前記綴じ部材70の端縁を含む直線SL1と略々同一の直線上に前記押圧部72を有し、前記付勢部材たるばね部材50の前記一部分が綴じ部材70の幅方向にのびて、前記綴じ部材70の端縁を含む直線SL1の近傍に位置し、且つ、前記綴じ部材の長手方向における中央の近傍に位置している。
ばね部材50は、軸58の外周に巻装された巻線部52と、前記巻線部52の一端(右端部)から綴じ部材70側にのびるばね第1端部56と、前記巻線部52の軸受板24側の他端(左端部)から操作レバー60側に直線状にのびるばね第2端部54とを有している。
軸58及びばね部材50の巻線部52は、軸受板24と斜交するように、軸受板24及び軸受部38の間に架け渡される。
前記付勢部材たるばね部材50の前記一部分(ばね第1端部56)は、前記綴じ部材70が被綴じ物Xを押圧するホールド状態から被綴じ物より離れるオープン状態に開閉移動するように前記操作部材たる操作レバー60を操作した場合に、上方向すなわち、軸受板24が立ち上がる方向に移動するように形成されている。
前記ばね部材50は、その一部分(ばね第1端部56)が綴じ部材70の押圧部72に向かってのびて、綴じ部材70が被綴じ物Xを押圧するホールド状態と被綴じ物より離れるオープン状態とに開閉するために係合部90を中心として回動するように構成されている。
【0026】
ばね部材50のばね第2端部54は、巻線部52の軸受板24側でその後側の上端より手前側に直線状に延び、その先端が外力を受けないときは、その先端が手前側に斜め上方に向けてのびるように形成されている。
【0027】
ばね第1端部56は、巻線部52の軸受部38側でその手前側の下端より軸受板24とは反対側に延びたばね立ち上がり部56aを備え、外力を受けないときは略L字状となるように、上方に延びたばね立ち上がり部56aの上端から斜め下方にばね架け渡し部56bが延び、ばね架け渡し部56bの自由端側にばね係止部56cが形成されている。
前記外力が作用しないばね第1端部56と外力が作用しないばね第2端部54(特に立ち上がり部50b)とは、巻線部52からその先端に向かうに従って、それぞれが離れ拡がる方向に向けてのびる略八の字状に形成されている。
【0028】
操作レバー60及びばね部材50を基板22に固定する軸58は、前記綴じ部材70の長手方向における中央mから向こう側端縁までの間に配置されており、前記軸58は、前記綴じ部材70の長手方向における前記向こう側端縁よりも、中央mすなわち第1の付勢部材収容部80の近傍に配置されている。綴じ部材70の長手方向における中央mは、綴じ部材70の向こう側端縁と手前側端縁とを結ぶ線の中央をいう。
また、ばね部材50は、前記巻線部52から前記綴じ部材70にのびた第1端部56において、略々直角に曲がった角部56dを有している。綴じ具20がホールド状態にあるとき、ばね部材50の巻線部52から角部56dにかけてのばね立ち上がり部56aは、綴じ具20の長手方向に平行であって、ばね部材50の先端であるばね係止部56cから角部56dにかけてのばね架け渡し部56bは、綴じ具20の幅方向に平行である。
前記角部56dから前記巻線部52の中心までの長さL1(すなわち、ばね立ち上がり部56aと略々同じ長さ)は、前記軸58ののびる方向の直線SL2と前記綴じ部材70の長手方向における中央線との間の長さL2と略々同一である(
図12B参照)。
綴じ部材70の長手方向における中央線は、中央m(綴じ部材70の向こう側端縁と手前側端縁とを結ぶ線の中央)を通る、綴じ部材70の幅方向における直線SL4をいう。
【0029】
基板22は、軸58の一端を軸支する軸固定部たる軸受板24と、前記軸受板24の枢軸固定用貫通孔26より向こう側にわずかにずれた位置に形成され、軸58の他端を軸支する軸固定部たる軸受部38とを有する。
軸受板24の枢軸固定用貫通孔26と軸受部38の貫通孔40とに架け渡されて固定された軸58は、その綴じ部材70側である軸受部38側の方が、軸58の軸受板24側を中心にして操作レバー60の自由端より離れる方向に水平面上において回転した位置において、軸受部38の貫通孔40に固定されている。
【0030】
操作レバー60及びばね部材50を基板22に固定する軸58は、その軸58ののびる軸方向の直線SL2と前記ばね部材50の巻線部52の中心軸SL3上の直線との傾きを、前記ホールド状態と前記オープン状態とにおいて変更可能である(
図12A(A)及び(B)参照)。
すなわち、前記巻線部52の内径が、前記軸58の外径との間に若干の隙間が設けられている。更に、基板22の軸受板24から軸受部38までの長さが、巻線部52の中心軸方向における巻線部52の幅(綴じ具20の幅方向における巻線部52の幅)に対して、十分に設けられている。このような構成により、軸58ののびる方向に対して、巻線部52が傾くことが可能である。
【0031】
ここで、ばね部材50の巻線部52の中心軸が軸58に対して傾きを変更できない構成であった場合を比較して説明する。
綴じ具20がホールド状態にあるとき、ばね架け渡し部56bは、巻線部52の中心軸すなわち軸58に略々平行であり、ばね架け渡し部56bは、綴じ具20を平面視して綴じ部材54の中央に位置しており、貫通孔78に挿通されている。
ばね架け渡し部56bは、綴じ具20がホールド状態からオープン状態に移動するときに、巻線部52の中心軸すなわち軸58を中心として回転して、綴じ具20を右側から見て若干右上に移動する。
一方で、綴じ部材70の貫通孔78は、綴じ具20がホールド状態からオープン状態に移動するときに、綴じ部材70が前後1対の第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとを結ぶ線を回転中心として回動するに従って、綴じ具20を右側から見て真上に移動する。
ところが、ばね部材50の巻線部52の中心軸が軸58に対して傾きを変更できない場合、ばね部材50のばね架け渡し部56bと綴じ部材70の貫通孔78とでは、綴じ具20がホールド状態からオープン状態に移動ときの移動方向が異なるため、ばね架け渡し部56bが貫通孔78を挿通した状態を維持してオープン状態からホールド状態に移動する際にばね架け渡し部56b及び貫通孔78の接触部分で負荷がかかってしまうおそれがある。そのため、オープン状態とホールド状態でスムーズな移動が困難となるおそれがある。
しかしながら、この発明の綴じ具20は、巻線部52の中心軸の傾きを軸58に対して変更することができる構成であるため、綴じ具20がホールド状態からオープン状態に移動ときにも、綴じ具を右側から見た貫通孔78の真上への移動に従って、ばね部材50の巻線部52の中心軸が移動し、ばね部材50が貫通孔78を挿通した状態を維持したままばね架け渡し部56b及び貫通孔78の接触部分で大きな負荷をかけることなくスムーズに綴じ具20がホールド状態からオープン状態に移動することが可能である。
【0032】
操作レバー60及びばね部材50を基板22に固定する軸58は、前記綴じ部材70の長手方向における中央mから向こう側端縁までの間に配置されており、前記軸58は、前記綴じ部材70の長手方向における前記向こう側端縁よりも、中央mすなわち第1の付勢部材収容部80の近傍に配置されているが、ここで、仮に前記軸58が前記綴じ部材70の長手方向における中央ではなく、向こう側端縁の近傍に配置されている場合を比較して説明する。
向こう側端縁の近傍に配置されている場合、前記軸58ののびる方向の直線と前記綴じ部材70の長手方向における中央線までの長さが大きくなるため、その長さと略々同一の長さである前記角部56dから前記巻線部52の中心までの長さL1(すなわち、ばね立ち上がり部56aと略々同じ長さ)も大きい構成の綴じ具となる。
前記したように、綴じ具20が巻線部52の中心軸が軸58に対して傾きを変更できない構成であった場合には、ばね架け渡し部56bが、綴じ具20がホールド状態からオープン状態に移動するときに、巻線部52の中心軸すなわち軸58を中心として回転して、綴じ具20を右側から見て若干右上に移動することになるが、巻線部52の中心軸SL3から角部56dまでの長さL1(半径L1)が大きくなると、それに応じて綴じ具20を右側から見た右上への移動距離は大きくなる。巻線部52の中心軸の傾きを軸58に対して変更することができる構成であったとしても、この移動距離が大きいとそれだけ巻線部52が大きく傾く必要がでてくるが、軸58に対する巻線部52の傾きにも限界があるため、綴じ具20がホールド状態からオープン状態に移動するときに、ばね架け渡し部56b及び貫通孔78の接触部分で大きな負荷がかかってしまう。
しかしながら、この発明の綴じ具20は、前記軸58が前記綴じ部材70の長手方向における前記向こう側端縁よりも中央mすなわち第1の付勢部材収容部80の近傍に配置され、巻線部52の中心軸から角部56dまでの長さL2(半径L1)を小さくしているため、ばね架け渡し部56b及び貫通孔78の接触部分で大きな負荷をかけることなくスムーズに綴じ具20がホールド状態からオープン状態に移動することを可能にしている。
【0033】
ばね部材50は、軸固定部たる軸受板24と軸受部38との間において、巻線部52が軸58の軸回りにおいて基板22と略平行に装着され、前記外力が作用しないばね第2端部54は、軸受板24の内側に沿って基板22の長手方向に伸び、操作レバー60の長手方向と略平行に操作レバー60に固定されている。
すなわち、前記外力が作用しないばね第2端部54は、被綴じ物Xを押圧するホールド状態と被綴じ物より離れるオープン状態とにするためにロック状態からロックを解除するように操作レバー60を回動させる方向、すなわち操作レバー60が回動する軌道面に沿って、操作レバー60に固定されている。したがって、ばね部材50は、不用な干渉なくスムーズに動くことができ、操作レバー60の上昇及び下降等の動きもスムーズになる。
【0034】
操作レバー60を回動して綴じ部材70が被綴じ物Xを押圧するホールド状態(ロック状態)にするとき及び被綴じ物Xより離れるオープン状態(ロック解除状態)にするとき、すなわち開閉するときに、ばね部材50のばね第1端部56は、回動するが、巻線部52は、それに対応して縮まったり緩んだりする。そのために、巻線部52の内径は、若干軸58の外径との間に隙間が設けられるように構成されている。そして、巻線部52は、軸58の外周面上に巻装されている。
すなわち、巻線部52は、操作レバー60の長手方向とは斜めに交差するようにばね第2端部54側からばね第1端部56側に向けて延び、ばね部材50のばね第1端部56の側が、ばね第2端部54の側より向こう側の位置において、基板22に固定されている。
ばね部材50に外力が作用しないとき、ばね第2端部54は、操作レバー60の自由端を軸58を枢軸部として押し上げるように形成され、ばね第1端部56は、綴じ部材70を基板22の表面に接近するように形成されている。
ばね部材50は、ばね第2端部54が操作レバー60の長手方向と略平行に操作レバー60に固定されているので、操作レバー60を倒伏位置に向けて押し下げるとき、軸受板24と略平行な方向すなわち垂直方向に向けて押し下げ、ロック機構を構成する突起部100を係合体120に係止させることができる。
【0035】
平面視略長方形状の綴じ部材70は、基板22上において、基板22の長手方向に延びて軸受板24と平行に取り付けられ、軸受板24とは反対側の綴じ部材70の長手端縁が基板22の表面に接近離間するように形成される。
綴じ部材70は、たとえば1枚の金属板によって形成される。綴じ部材70は、たとえば第1綴じ部材支持部30と第2綴じ部材支持部34との距離より短い長さを有し、幅方向において上方に向けて膨らむように屈曲する形状(断面略L字状)に形成される。
そして、綴じ部材70の幅方向の軸受板24側において、その長手方向の両側に分かれて軸受板24側とは反対側に向けて突出する係合部90が形成される。
これらの係合部90が、枢軸部受けたる第1綴じ部材支持部30の保持穴32および枢軸部受けたる第2綴じ部材支持部34の保持穴36に嵌め込まれる。
手前側の第2綴じ部材支持部34の保持穴36は、向こう側の第1綴じ部材支持部30の保持穴32と、基板22からの高さが同一になるように形成され、向こう側の保持穴32に係合された綴じ部材70の向こう側の第1の支持凸部92aと、手前側の保持穴36に係合された綴じ部材70の手前側の第2の支持凸部92bと同一の高さ位置で係合されている。
【0036】
したがって、綴じ部材70は、2つの前後1対の第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとを結ぶ線を回転中心として回動可能となっている。
操作レバー60は、軸受板24と係合部90との間において、軸受板24及び第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとを結ぶ線に沿ってのびる。
そして、操作レバー60の手前側の自由端を押さえて突起部100を係合体支持部180の係合体120に係止して操作レバー60をロックするとき、綴じ部材70の手前側の第2の支持凸部92bと向こう側の第1の支持凸部92aとが同一の高さに位置するので、ばね部材50のばね係止部56cが綴じ部材70の架け渡し部74を押える位置(綴じ部材70の長手方向における中央近傍)との関係上同時に被綴じ物Xを押さえ始めて、被綴じ物Xにかかる押える力のバランスが向こう側と手前側と均等となる。
【0037】
なお、係合部90の強度を高め、保持穴32及び保持穴36内で係合部90が回転しやすいように、係合部90は幅方向に屈曲するように形成される。このように、綴じ部材70から突出する係合部90を第1綴じ部材支持部30の保持穴32及び第2綴じ部材支持部34の保持穴36に嵌め込むことにより、別部品たる回転軸などを用いて綴じ部材70を回動可能に保持する場合に比べて、部品数を少なくすることができる。
【0038】
綴じ部材70は、
図8ないし
図10において示すように、係合部90側より軸受板24とは反対側の斜め上方に延びた立ち上がり部76と、立ち上がり部76の上端から斜め下方(水平面に対して略22°)に向けて延びた平板状の架け渡し部74と、架け渡し部74の自由端に、綴じ部材70の手前側端縁より向こう側端縁に亘って斜め下方(垂直面に対して略15°)に向けて折り曲げられて形成された押圧部72とが形成されている。押圧部72は、書類などの被綴じ物Xを押えるときに、架け渡し部74側に若干撓みつつ押圧部72が書類などの被綴じ物Xを押圧し得るように形成されている。
【0039】
押圧部72は、架け渡し部74の手前側端縁より向こう側端縁に至るまで連続して形成される。押圧部72は、その自由端に形成された被綴じ物Xに接地する接地領域が向こう側の接地部72aと手前側の接地部72bとに分かれており、向こう側の接地部72aと手前側の接地部72bとは略々同じ接地面積となるように形成されている。
【0040】
前記綴じ部材70は、その全体が平面視略長方形状で正面視略々台形状にわん曲した板状体に形成されており、幅方向におけるその一端側部分に前記押圧部72が下方に向かってのびるように形成され、幅方向におけるその他端側部分(軸受板24側部分)に一対の係合部90が前記他端側部分に平行にかつ押圧部72方向にのびるように形成されている。押圧部72は、基板22の長手方向にのびる。
【0041】
前記綴じ部材70は、前記操作部材たる操作レバー60側よりのびる幅方向を有し、前記綴じ部材70を平面視して前記操作部材たる操作レバー60とは反対側の前記綴じ部材70の端縁を通る基準面Pxzの近傍において前記押圧部72を有し、前記付勢部材たるばね部材50の前記一部分たるばね第1端部56が綴じ部材70の幅方向にのびて、前記綴じ部材70の端縁を通る基準面Pxzの近傍に位置している。
基準面Pxzは、基板22の主面に直交する垂直面である。
【0042】
前記綴じ部材70は、前記綴じ部材70の長手方向における中央であって、かつ、前記綴じ部材70を平面視して前記付勢部材たるばね部材50とは反対側の前記綴じ部材70の端縁を通る基準面Pxzの近傍に、前記付勢部材たるばね部材50の前記ばね第1端部56を挿通するための貫通孔78を有している。前記綴じ部材70は、更に、前記綴じ部材70の長手方向における中央であって、前記綴じ部材70を平面視して前記付勢部材たるばね部材50側の前記綴じ部材70の端縁と、前記貫通孔78との間において、切り欠かれて収容空間部を形成された、第1の付勢部材収容部80とを有している。
第1の付勢部材収容部80は、ロック状態とロック解除状態との間で移動する際に、前記綴じ部材70と干渉することなく前記ばね部材50が移動することができるように形成されている。
第1の付勢部材収容部80は、オープン状態とホールド状態との間の移動において、前記ばね部材50のばね第1端部56が前記綴じ部材70に接触しないように、立ち上がり部76側が広く押圧部72側に向かうに従って狭く形成される。
綴じ部材70は、前記綴じ部材70の長手方向における中央であって、前記綴じ部材70を平面視して前記付勢部材たるばね部材50とは反対側の前記綴じ部材70の端縁と、前記貫通孔78との間に、上向きに膨出されて形成された、第2の付勢部材収容部82を有している。
【0043】
綴じ部材70は、前記第1の付勢部材収容部80に臨む領域において、下向きに凹まされて、前記付勢部材たるばね部材50の前記ばね第1端部56を係止し且つ覆うために形成された、付勢部材端部保持部86を有している。
付勢部材端部保持部86は、第2の付勢部材収容部82の下端に立ち上がり部76側に向けて突設された板状体であり、オープン状態のときには、ばね部材50のばね第1端部56を係止するように構成され、ホールド状態のときにも、ばね部材50のばね第1端部56を覆うように形成されている。
付勢部材端部保持部86は、被綴じ物Xの厚さが厚い場合のロック時及び薄い場合のロック時には、基板22の主面と略々平行になるように構成されている(
図32A及び
図32B参照)。
付勢部材端部保持部86は、被綴じ物Xの厚さが厚い場合のロック時及び薄い場合のロック時には、ばね部材50のばね第1端部56が係止されないように構成されている(
図32A及び
図32B参照)。
【0044】
綴じ部材70は、付勢部材端部保持部86より立ち上がり部76側で付勢部材端部保持部86より上方において、ロック状態においてばね部材50のばね第1端部56を係止するための付勢部材端部係止部84を有している。
付勢部材端部係止部84は、第1の付勢部材収容部80の押圧部72側端から貫通孔78に亘って設けられた板状体である。
付勢部材端部係止部84は、被綴じ物Xの厚さが薄い場合のロック時には基板22の主面と略々平行になり、ばね部材50のばね第1端部56を係止するように構成されている(
図32B参照)。
付勢部材端部係止部84は、被綴じ物Xの厚さが厚い場合のロック時には基板22の主面と略々斜交するようになり、ばね部材50のばね第1端部56を係止するように構成されている(
図32A参照)。
付勢部材端部係止部84は、下側に凹み、ばね部材50のばね第1端部56を抱持するように構成されている。
【0045】
立ち上がり部76は、綴じ部材70の長手方向(手前側端から向こう側端に至る方向)における中央mにおいて、一部切り欠かれて、第1の付勢部材収容部80が形成されている。
架け渡し部74は、綴じ部材70の長手方向(手前側端から向こう側端に至る方向)における中央において、下向き(下方向)に凹まされて、ばね部材50のばね第1端部56を収容するための第1の付勢部材収容部80が形成されている。
【0046】
ばね部材50は、ばね第1端部56が綴じ部材70の内面に近似した形状に形成され、ばね部材50のばね立ち上がり部56aが綴じ部材70の立ち上がり部76に沿って立ち上がり、そしてばね部材50のばね架け渡し部56bが綴じ部材70の第1の付勢部材収容部80に沿ってのびて、ばね部材50のばね係止部56cが綴じ部材70の付勢部材端部係止部84又は付勢部材端部保持部86に係止固定されるように設けられている。
【0047】
第2の付勢部材収容部82には、扇形、矩形、半円又は円形の貫通孔78が形成され、ばね部材50のばね第1端部56が付勢部材端部保持部86側より緩挿され、ばね部材50のばね第1端部56の先端部(ばね係止部56c)が貫通孔78から外れないようにされている。
貫通孔78は、ばね部材50のばね第1端部56の外形より少し大きい大きさで、ばね部材50のばね第1端部56を緩挿できる形状に形成されており、ばね部材50が貫通孔78の中で若干動くことができる隙間をあけるように構成されている。
【0048】
この実施の形態においては、綴じ部材70は、幅方向における中央cより軸受板24側に立ち上がり部76と架け渡し部74とが接続された頂部tが形成され、前記頂部tより押圧部72側に付勢部材端部係止部84及び付勢部材端部保持部86が形成され、付勢部材端部係止部84及び付勢部材端部保持部86の幅方向(前後方向)において略々中央において貫通孔78が穿設されている(
図9及び
図13参照)。
貫通孔78は、その下縁eが頂部tより下方であって付勢部材端部保持部86より上方において形成されている。
押圧部72は、係合部90より高さ方向(上下方向)において上方に形成されている(
図9及び
図13参照)。
貫通孔78は、綴じ部材70の前後端に形成された係合部90の間(第1の支持凸部92aと向こう側の第2の支持凸部92bとの間)において、綴じ部材70の長手方向における中央近傍であって、押圧部72に近い位置に形成されている。
なお、押圧部72には、書類などの被綴じ物Xを押さえ付けたときの力による変形を防ぐために、直線状のリブを長手方向に連続して形成してもよく、また、架け渡し部74にも、書類などの被綴じ物Xを押さえ付けたときの力による変形を防ぐために、直線状のリブが長手方向に連続して形成してもよい。
【0049】
ばね部材50は、
図13において示すように、綴じ具20を閉じた状態(ホールド状態)においては、ばね立ち上がり部56aが水平に近い方向を向いて、ばね係止部56cが水平に近い方向を向いている。ばね立ち上がり部56aは、背表紙14c(すなわち折り曲げ部16aと折り曲げ部16bとの間の長さ)の高さより高くならない(
図32参照)。
ばね部材50のばね第1端部56は、
図14及び
図15において示すように、ロック時には貫通孔78の下縁に接し合う。
ばね部材50は、
図14において示すように、綴じ具20を少し開いた状態(オープン状態)においては、ばね立ち上がり部56aの手前側がやや上昇してばね立ち上がり部56aが斜め上方を向いて、ばね係止部56cがやや下方を向いている。
ばね部材50は、
図15において示すように、綴じ具20をいっぱいに開いた状態(オープン状態)においては、ばね立ち上がり部56aが垂直方向を向いて、ばね係止部56cが向こう側に向いて回転してほぼ斜めに立ち上がった状態となる。
ばね部材50のばね第1端部56は、
図32において示すように、オープン状態にするときには、貫通孔78の上縁及び/又は第2の付勢部材収容部82の内面に接し合う。
【0050】
操作レバー60は、合成樹脂又は金属板などによって長尺状に形成され、その強度を高めるために、横断面略L字状または横断面略U字状に形成され、軸受板24側の第1垂直側壁60aと、第1垂直側壁60aと一定の間隔をおいて平行に形成された第2垂直側壁60bとを備える。
操作レバー60の長手方向の一端側(向こう側)における第1垂直側壁60a及び第2垂直側壁60bには、円形のレバー貫通孔62が形成される。そして、軸58が、操作レバー60のレバー貫通孔62と第1垂直側壁60aの内側に配設されたばね部材50の巻線部52とに挿通するようにして、軸受板24および軸受部38に取り付けられる。
ばね部材50のばね第2端部54は、操作レバー60の内側に沿って配置され、操作レバー60の第1垂直側壁60aと及び第2垂直側壁60bとの間に固定される。
【0051】
[ロック機構]
次に、ホールド状態にある操作レバー60をロックするためのロック機構について説明する。
操作レバー60の第1垂直側壁60aには、ホールド状態にある操作レバー60を基板22に固定するためすなわちロックするための突起部100が設けられている。
そして、操作レバー60の綴じ部材70側には、ロックするために突起部100と係合される、係合体120と、前記係合体120が取り付けられた係合体支持部180を備える。
前記ロック状態は、前記係合体120と前記突起部100が係合されることにより形成される。
【0052】
前記係合体120は、前記係合体支持部180に対して回転可能又は摺動可能に取り付けられ、前記被綴じ物Xを押圧するホールド状態にロックするロック状態は、前記係合体120が前記係合体支持部180に対して所定の位置及び向きで、前記係合体120と前記突起部100が係合されることにより形成される。
前記係合体120を取り付けられた前記係合体支持部180は、操作レバー60の突起部100及び係合体120が前記ロック状態から前記ロック解除状態に移動するとき、および、前記ロック解除状態から前記ロック状態に移動するときに、基板22の主面と平行な面上を、操作レバー60の突起部100側に向けて接近したり、離隔したりするように揺動する構造となっている。
前記係合体120は、前記係合体支持部180に対して摺動可能に取り付けられ、前記係合体120は、前記ロック解除状態から前記ロック状態に移動するときに、前記係合体120に前記突起部100が必ず接触する範囲内で、前記係合体支持部180に対して摺動可能である。
【0053】
係合体支持部180は、操作部材たる操作レバー60の長手方向に沿う長手方向を有する係合体支持本体182と、該係合体支持本体182に形成された係合体移動部184とを備える。
係合体支持本体182は、その長手方向における一端に形成された、係合体支持部180の支持部固定部186と、係合体支持部180の支持部固定部186とは離れた他端に形成された、自由端部188とを有している。
係合体支持部180は、固定された係合体支持部180の支持部固定部186を中心に撓み、操作部材たる操作レバー60の突起部100に近づいたり離れたりするように、復元力のある弾力性を有する合成樹脂によって構成されている。
【0054】
この実施の形態においては、係合体支持部180は、係合体支持本体182の一方の端部の支持部固定部186の底面に形成された支持部固定部186の固定突起部186aを基板22の上面に形成された固定凹部46aに差し込み、固定される。
係合体支持部180の自由端部188は、基板22の上面に形成された保持凸部46bに摺動自在に嵌挿され、係合体支持本体182が撓むように構成されている。
【0055】
係合体支持部180は、係合体120に前記突起部100が必ず接触する範囲内で、前記係合体支持部180に対して摺動可能にするために、前記係合体支持本体182に案内支持部190を形成されている。
案内支持部190は、係合体支持本体182の上部に形成された第1の案内支持部190aと、係合体支持本体182の下部の操作レバー60とは反対側の壁面に形成された第2の案内支持部190bとを備える。
更に、係合体支持部180は、係合体支持本体182の長手方向において、係合体120の摺動する範囲を限定するための係合体移動規制部192を備える。
係合体移動規制部192は、係合体移動部184の手前側において係合体移動部184に向いて形成された第1の係合体移動規制部192aと、係合体移動部184の向こう側において係合体移動部184に向いて形成された第2の係合体移動規制部192bとを備える。
【0056】
この実施の形態においては、係合体支持部180は、平面視略長方形の角柱状の係合体支持本体182の長手方向に、係合体支持本体182の長手方向に係合体120を移動するための係合体移動部184を穿設されている。
係合体支持本体182は、その上部(すなわち基板22とは反対側の壁面)に突起部100を通過させるための開口部198を有し、開口部198は係合体移動部184に連通している。
ロックするために操作レバー60を垂下させるとき、操作レバー60の突起部100が該開口部198を通過して、係合体移動部184の係合体120の上方に至る。
ロック状態を解除するために、操作レバー60を上昇させるとき、操作レバー60の突起部100が該開口部198を通過して、係合体支持部180の上方に至る。
【0057】
係合体120は、係合体支持部180の係合体移動部184に摺接される係合体本体122と、係合体本体122に形成された突起部100に従動するための従動案内部124とを備え、従動案内部124に配設された突起部100の移動によって、係合体支持部180の係合体移動部184に沿ってロック状態からロック解除状態に移動するように構成されている。
【0058】
前記係合体120の従動案内部124は、ロック解除状態からロック状態に移動するときに前記突起部100が押し当てられる第1の斜面部130と、ロック解除状態からロック状態に移動するときに前記突起部100が通過する第1の突起通過部132と、ロック解除状態からロック状態に移動するときに前記突起部100を案内する突起案内部134と、ロック状態にするときに前記突起部100を係合する突起係合部136と、ロック状態からロック解除状態に移動するときに前記突起部100が押し当てられる第2の斜面部138と、ロック状態からロック解除状態に移動するときに前記突起部100が通過する第2の突起通過部140とを備える。
【0059】
第1の斜面部130は、係合体本体122の上方に形成された第1のブロック126の上面および第2の突縁部144の上部、すなわち開口部198側に形成されている。
第1の突起通過部132は、第1のブロック126の側部すなわち向こう側の壁面に沿って形成される。
前記第1の突起通過部132には、第1の突縁部142が、前記第1の突起通過部132を通過する前記突起部100に対して突き出て形成されている。
前記第2の突起通過部140には、第2の突縁部144が、前記第2の突起通過部140を通過する前記突起部100に対して突き出て形成されている。
【0060】
第1の突起通過部132は、第1の斜面部130の低い位置において第1の斜面部130に連設され、第1の突起通過部132の第1の斜面部130と連設された部位とは離れた位置において突起案内部134が連設され、突起案内部134に続いて突起係合部136が連設されている。
突起係合部136は、第1のブロック126の基板22側の下部、すなわち第1のブロック126の下部の壁面の下方に形成される。
【0061】
突起係合部136と向き合って第2の斜面部138が形成され、第2の突起通過部140が第2の斜面部138の低い位置において第2の斜面部138に連設されている。
第2の斜面部138は、係合体本体122の下方に形成された第2のブロック128の上部すなわち開口部198側に形成されている。
突起係合部136と第2の斜面部138の手前側と第2の突起通過部140との間には、突起係合部136と第2の斜面部138の間の領域より凹んだ、突起通過段差部150が形成されている。
第2の突起通過部140は、突起係合部136と第2の斜面部138の間の領域より凹んだ、突起通過段差部150の手前側の領域に形成され、且つ、第1のブロック126の手前側の壁面に沿って形成されている。
【0062】
係合体120は、係合体支持部180の案内支持部190に摺接して案内されるための案内連結部(第1案内連結部146,第2案内連結部148)を備える。
第1案内連結部146は、前記第1の案内支持部190aの係合段部と係合するための係合段部を備えており、第1案内連結部146の係合段部と第1の案内支持部190aの係合段部とは平面状で、摺動することができるように構成されている。
第2案内連結部148は、前記第2の案内支持部190bの係合段部と係合するための係合段部を備えており、第2案内連結部148の係合段部と第2の案内支持部190bの係合段部とは平面状で、摺動することができるように構成されている。
【0063】
この実施の形態においては、係合体120は、第1案内連結部146が係合体支持部180の係合体支持本体182の上部に形成された第1の案内支持部190aに摺動自在に連結され、第2案内連結部148が、係合体支持本体182の下部の操作レバー60とは反対側の壁面に形成された第2の案内支持部190bに摺動自在に連結されて、係合体移動部184内を、係合体支持本体182の長手方向において摺動するように構成されている。
係合体120は、操作レバー60側に向いた面側において、従動案内部124を係合体本体122に穿設されて、従動案内部124に挿入された突起部100を移動できるように構成されている。
【0064】
前記係合体120は、前記第1の突起通過部132が前記突起部100の軌道上に位置する第1の状態と、前記突起部100と前記係合体120が係合され、前記綴じ部材70がロック状態にある第2の状態と、前記第2の突起通過部140が前記突起部100の軌道上に位置する第3の状態とをとることができる。
【0065】
係合体120は、前記係合体支持部180に対して摺動可能であり、係合体120が第1の突起通過部132が突起部100の軌道上に位置する第1の状態をとらないときには、必ず突起部100の軌道上に第1の斜面部130があるような範囲で、摺動可能である。
【0066】
突起部100は、上部に形成された傾斜面を有する第1の面102と、前記第1の面102の低い方の部分に角部を介して連続する第2の面104と、前記第1の面102に連続しない第2の面104の部分に角部を介して連続する第3の面106と、前記第2の面104に連続しない第3の面106の部分に角部を介して連続する第4の面108と、前記第3の面106に連続しない第4の面108の部分に角部を介して連続する第5の面110とを備える。
突起部100は、前記面が側面を構成する断面略多角形の角柱体に形成され、該角柱体の底面112と該角柱体の側面とを備える。
前記第1の面102,第2の面104,第3の面106,第4の面108及び第5の面110は、角柱体の側面に形成される。
第1の面102は、操作レバー60の向こう側に行くに従って低くなる傾斜面であり、第2の面104は、操作レバー60を水平にした状態において垂直平面であり、第3の面106は、操作レバー60の向こう側に行くに従って低くなる傾斜平面であり、第4の面108は、操作レバー60の向こう側に行くに従って高くなる傾斜平面であり、第5の面110は、操作レバー60を水平にした状態において垂直平面である、略々五角柱状体である。
第1の面102は、底面112に向かって上方に傾斜した傾斜面であり、第1の面102と底面との間でくびれており、また、第1の面102と操作レバー60の垂直壁面との間でもくびれている。
底面112は、係合体支持部180の係合体移動部184の垂直壁面と向き合い、摺接するための垂直平面である。
突起部100は、前記角柱体の底面が係合体120の操作部材たる操作レバー60に向き合う面と向き合い、且つ、前記角柱体の側面が係合体120の従動案内部124に摺接するように形成されている。
【0067】
次に、オープン状態にある操作レバー60をホールド状態にして、ロック機構をロック状態にすることについて説明する。
ロック機構をロック状態にするために、前記操作部材たる操作レバー60を、台部材たる基板22の主面に略々直交する方向に基板22に向けて押し下げると、操作レバー60の突起部100は、係合体支持部180の上部の開口部198より、開口部198の下方すなわち基板22側に位置する係合体120の上方に至る。
突起部100の開口部198より進入するときの先端である突起部100の第3の面106と第4の面108との間の角部が、前記第1の斜面部130に押し当てられ、その操作レバー60の押し下げる力によって、係合体120は、第1の斜面部130の傾斜の低い側から高い側に移動する。前記係合体120は、第1の突起通過部132の上方に至り、前記第1の状態をとる。
前記操作部材たる操作レバー60を更に押し下げると、前記突起部100が、前記第1の状態にある前記係合体120の第1のブロック126の壁面に沿い、前記第1の突起通過部132を通過し、第2のブロック128の第1の突起通過部132側の壁面の位置に至る。
そこで、操作レバー60を押し下げる力を若干弱めると、ばね部材50の復元力により、突起部100は、第1の突縁部142の下面すなわち基板22の側の壁面に当接する。
操作レバー60の突起部100が、ばね部材50の復元力により第1の突縁部142の下面を押し上げると、係合体120は、第1の突縁部142の傾斜面の低い方に移動し、更に、突起係合部136の傾斜面の低い方に移動する。
係合体120は、突起部100の第1の面102が突起係合部136の下方に至り、第2の状態をとる。
前記係合体120が前記第2の状態に移動することにより、前記係合体120と前記突起部100が係合されることにより、ロック状態を形成される。
係合体120は、第2の状態において、ばね部材50の復元力により、突起部100と係合されてロック状態を維持される。
【0068】
ロック機構をロック解除状態にするために、前記ホールド状態にある前記操作部材たる操作レバー60を基板22側に向けて押し下げると、ロック状態にある突起部100が、前記第2の斜面部138に押し当てられ、係合体120は、第2の斜面部138の傾斜面の高い方に移動し、第2のブロック128の第2の突起通過部140側に至る。前記係合体120は、前記第3の状態をとる。
操作レバー60の押し下げる力を弱めると、ばね部材50の復元力により、突起部100は、突起部100を案内する突起通過段差部150に沿って上昇する。
前記突起部100は、前記第3の状態にある前記係合体120の前記第2の突起通過部140を通過することにより、第2の突縁部144を乗り越えて、係合体支持部180の開口部198より上方に移動して、ロックを解除され、操作レバー60は、オープン状態となる。
【0069】
この実施の形態においては、突起部100及び係合体120は、次のように形成されている。
(1)開口部198の下端に停止した第1の斜面部130は、手前側から向こう側に向かうに従って下がる緩やかな傾斜面を備える。
第1のブロック126は、その上部に斜面部を形成されている。第2の突縁部144は、その上部に斜面部を形成され、第1のブロック126の上面の傾斜面と連続する傾斜面を形成されている。
而して、第1のブロック126の上面及び第2の突縁部144の上部の連続する傾斜面が、第1の斜面部130を構成する。第1の斜面部130である第1のブロック126の上面の傾斜面と第2の突縁部144の上部の傾斜面とは傾斜角度は略々同一である。
係合体120は、突起部100の第3の面106と第4の面108との間の角部の近傍が第1の斜面部130に押し当てられて移動して第1の状態をとる(
図26(A)乃至(C)参照)。
(2)第1の斜面部130の低い方に連設された第1の突起通過部132は、係合体本体122の向こう側において突起部100の第2の面104を第1のブロック126の向こう側に接し合わせながら、垂下させるように、垂直方向にのびる。
第1の突起通過部132は、その上方において第1の突縁部142を形成されている。
第1の突起通過部132は、第1の斜面部130からより下方に向かうに従って操作レバー60側に突き出す傾斜面を備えており、その下端に第1の突縁部142が形成されている。
係合体120は、第3の面106と第4の面108との間の角部に第1の突起通過部132が接し合って滑り、係合体120の移動により突起部100が第1の突縁部142の下面に至る。このとき、突起部100の底面112が係合体120の第1の突縁部142に当接して係合体支持部180を押すことにより、係合体支持部180は、支持部固定部186を中心に操作レバー60より離れる方向に撓む(
図27(D)、(E)及び
図29参照)。
係合体支持部180は、突起部100が第1の突縁部142を離れた後、係合体支持部180の復元力によって、元の状態に戻る。
(3)第1の突縁部142の下面は、手前側に向け上昇する傾斜面の突起案内部134を備えている。
第1の突起通過部132の上下方向における中央あたりから、第1の突縁部142の下面の突起案内部134に連続する突起係合部136が手前側に向けてのびる。
突起係合部136は、第1の突縁部142の下面の突起案内部134に連続した傾斜面で手前側に向かうに従って上昇する。第1の突縁部142の下面の傾斜面の突起案内部134の傾斜面と突起係合部136の傾斜面の傾斜角度は略々同一である。
突起係合部136は、手前側に突起部100の第2の面104に当接して係合体120を停止させる突起部係止部136aが下方に向けて突設されている。
係合体120は、突起部100の第2の面104が第2の斜面部138の向こう側の第2のブロック128の向こう側の壁面に接し合って案内されて、ばね部材50の付勢力により上昇し、突起部100の第1の面102の上方に突起案内部134及び突起係合部136が至る。
係合体120は、ばね部材50の付勢力により、突起部100の第1の面102に当接して向こう側に移動する。
そして、突起部100と係合体120の突起部係止部136aとが突き当たり、突起部100の第1の面102に係合体120の突起係合部136が係合して、係合体120はロック状態になる(
図27(F)及び
図30参照)。
(4)突起係合部136にロック状態に固定された突起部100の垂直下に、第2の斜面部138が形成されている。
第2の斜面部138は、向こう側より手前側に向けて下がる傾斜面を形成され、第2の突起通過部140に至る。
第2の斜面部138は、突起部100の第4の面108に摺接して、突起部100の位置に第2の突起通過部140が位置するように係合体120を案内する。
(5)第2の斜面部138の手前側に連設された第2の突起通過部140は、前記第1の突起通過部132と平行に垂下されており、第2の突起通過部140を形成する突起通過段差部150及び第1のブロック126の手前側の壁面に沿って、突起部100がばね部材50の付勢力により上昇するように構成されている。
突起部100は、突起部100の第5の面110が第2の突起通過部140の側の係合体本体122の第1のブロック126の面に接し合って、係合体120の上方で外側に案内される(
図28(H)及び(I))。
(6)第2の突起通過部140の上方に形成された第2の突縁部144は、下方より上方に至るに従って操作レバー60側に突き出た傾斜状であり、突起部100が、係合体本体122の外側に出るときには、第2の突縁部144を乗り越えて外方に至る。このとき、突起部100の底面112が係合体120の第2の突縁部144に当接して係合体支持部180を押すことにより、係合体支持部180は、支持部固定部186を中心に操作レバー60より離れる方向に撓む(
図31参照)。
係合体支持部180は、突起部100が第1の突縁部142を離れた後、係合体支持部180の復元力によって、元の状態に戻る。
突起部100は、第2の突縁部144を乗り越えて、係合体支持部180の開口部198より上方に移動して、ロックを解除され、操作レバー60は、オープン状態となる。
【0070】
前記第1の突起通過部132に形成された第1の突縁部142は、前記第1の突起通過部132を通過する際の前記突起部100に対して突き出ており、前記ロック解除状態から前記ロック状態に移動するときに、突起部100が前記第1の突起通過部132を通過する際に、前記突起部100が前記第1の突縁部142に押し当てられて、前記係合体支持部180が揺動し(たわみ)、前記突起部100が前記第1の突縁部142を通過しきると、前記係合体支持部180が復元する。
その後、前記突起部100は、前記突起部100がばね部材50の付勢力により上昇するときに、第1の突縁部142の下部の突起案内部134に押し当てられることになるため、第1の突縁部142によって前記第1の突起通過部132を逆戻りすることができない。
【0071】
前記第2の突起通過部140に形成された第2の突縁部144は、前記第2の突起通過部140を通過する際の前記突起部100に対して突き出ており、前記ロック状態から前記ロック解除状態に移動するときに、突起部100が前記第2の突起通過部140を通過する際に、前記突起部100が前記第2の突縁部144に押し当てられて、前記係合体支持部180が揺動し(たわみ)、前記突起部100が前記第2の突縁部144を通過しきると、前記係合体支持部180が復元する。
その後、前記突起部100は、前記係合体120が第3の状態にあったとしても、前記操作レバー60を押し下げたときに、第2の突縁部144の上部の第1の斜面部130に押し当てられることになるため、第2の突縁部144によって前記第2の突起通過部140を逆戻りすることができない。
【0072】
また、操作レバー60の長手方向の他端側(手前側)は、幅広の操作部60cが形成され、指で操作しやすくなっている。
【0073】
前記操作レバー60は、軸受板24に固定する部位である支持部固定部186たる第1垂直側壁60aを備えており、軸受板24は、前記操作レバー60の第1垂直側壁60aと接して操作レバー60を固定する部位である操作部材固定部たる枢軸固定用貫通孔26を形成されている。
なお、軸58の支持部固定部186たる枢軸固定用貫通孔26の周辺は、操作レバー60側に向けて半円環状に打ち出し膨出されたスペーサーが形成されてもよい。そのようにすれば、スペーサーの突出分だけ軸受板24の内面と操作レバー60の第1垂直側壁60aの外面との間に間隔があき、操作レバー60のロックを解除して、綴じ部材70が被綴じ物Xを押圧するホールド状態と被綴じ物より離れるオープン状態とに開閉するために回動させるとき、ばね部材50の不要な力が操作レバー60にかかることなく操作レバー60が軸受板24に擦れることがない。
この実施の形態においては、スペーサーが軸受板24に形成されていないが、スペーサーは、操作レバー60側に形成してもよく、また軸受板24と操作レバー60の両方に形成してもよい。例えば、操作レバー60の第1垂直側壁60aの周辺を、軸受板24側に向けて円環状に膨出されたスペーサーを形成するようにしてもよい。
【0074】
第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34は、軸受板24とは反対側の端縁が、綴じる書類などの被綴じ物Xの端縁を揃えるための軸受板24の面と平行な面を有する、用箋揃え部48を形成している。
第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34は、軸受板24とは反対側の端縁が、用箋揃え部48の軸受板24とは反対側の表面と同一平面(想像上)上に揃うように形成されている。
したがって、第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34の端縁がガイドとなって、用箋揃え部48に綴じる書類などの被綴じ物Xの端縁を当接させて綴じることができる。
【0075】
この発明は、前記実施の形態に限らず、種々変更することができる。
前記綴じ部材70の基板22へ回動可能に取り付けるための綴じ部材支持機構は、
図33において示すように、綴じ部材70に保持穴32及び保持穴36を形成され、第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34に係合部90を構成する支持凸部92を形成されてもよい。
【0076】
前記綴じ部材70は、被綴じ物Xを押える押圧部72と、該押圧部72に連設された架け渡し部74と、該架け渡し部74の押圧部72とは反対側に形成された立ち上がり部76とを有している。
立ち上がり部76には、保持穴32及び保持穴36が形成される。
前後一対の保持穴32と保持穴36とは、基板22の長手方向にのびる正面視長方形であって、基板22の上面から均等な高さに形成されている。
【0077】
基板22は、操作レバー60の向こう側より手前側において、綴じ部材70を支持するために、第1綴じ部材支持部30と、第1綴じ部材支持部30の主面に平行な面を有する別の第2綴じ部材支持部34が形成される。
これらの第1綴じ部材支持部30と第2綴じ部材支持部34とは、綴じ部材70の長手方向に沿って並列された板状体である。そして、その第1綴じ部材支持部30の主面と第2綴じ部材支持部34の主面とを結ぶ線が、軸受板24の基板22側の主面に平行となるように配置され、複数の綴じ部材支持部(第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34)の面が、綴じ部材70の側を向いて綴じ部材70の長手方向に広がる平面に平行に並列されている。
【0078】
前記綴じ部材70を基板22へ回動可能に取り付けるための綴じ部材支持機構は、第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34に押圧部72側に向けて突き出し設けられている係合部90と、前記保持穴32及び保持穴36とにより構成される。
前記係合部90は、被綴じ物Xを押える押圧部72とは反対側で、長手方向において間隔をあけて少なくとも二つ形成されている。
前記係合部90は、前記綴じ部材70の保持穴32及び綴じ部材70の保持穴36に係合され且つ綴じ部材70を揺動させるように支持凸部92を形成されている。
【0079】
前記支持凸部92は、押圧部72とは反対側の綴じ部材70の端縁たる立ち上がり部76に向けて第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34から突き出し設けられた断面略L字型又は断面略クランプ型である。支持凸部92は、第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34に垂直に交わる板状の支持基部94と、支持基部94と垂直に交わる板状の立設部97とを備える。
【0080】
そして、支持凸部92は、綴じ部材70の被綴じ物Xを押える押圧部72と向き合う端縁側の領域の下部において、支持基部94が保持穴32及び保持穴36の上部に係合され、綴じ部材70を揺動できるように保持される。
支持凸部92は、保持穴32及び保持穴36の上部に係合された領域(支持基部94)よりのびた先端側たる立設部97が、保持穴32及び保持穴36から綴じ部材70を揺動するときに抜け出ないように、保持穴32及び保持穴36の上部から上方に立ち上がっている。
【0081】
前記支持凸部92は、第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34から台部材たる基板22において綴じ部材70の配置側に向けて突設された状態において、綴じ部材70の保持穴32及び保持穴36の穴内に、その先端より差し込むことができるように、綴じ部材70の立ち上がり部76と向き合う第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34から間隔をあけて立ち上がり部76の側に向けて突き出し設けられている。
【0082】
この実施の形態においては、前記支持凸部92は、前記第1綴じ部材支持部30と第2綴じ部材支持部34との間隔に対応した間隔をおいて、綴じ部材70の長手方向に沿って前後1対の支持凸部92が並列されている。支持凸部92は、手前側の第1の支持凸部92aと向こう側の第2の支持凸部92bとが同一の形状の板状体である。
第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとは、いずれも、綴じ部材70の端縁より押圧部72に向けて屈曲されて支持基部94を形成され、且つ、支持基部94より上方に向けて屈曲されて立設部97を形成されている。
第1の支持凸部92aは、立ち上がり部76と垂直に交わる板状の第1の支持基部94aと、第1の支持基部94aと垂直に交わり立ち上がり部76と平行な板状の第1の立設部97aとを備える。
第2の支持凸部92bは、立ち上がり部76と垂直に交わる板状の第2の支持基部94bと、第2の支持基部94bと垂直に交わり立ち上がり部76と平行な板状の第2の立設部97bとを備える。
そして、第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとは、台部材たる基板22において綴じ部材支持部(第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34)が突設された状態において、保持穴32に第1の支持凸部92aを及び保持穴36に第2の支持凸部92bをそれぞれの穴内に、それぞれの立設部97の先端より差し込むことができるように形成されている。
【0083】
突起部100と係合体120とを係合するロック機構は、操作レバー60に、支持部を構成する係合体支持部180を設け、突起部100を操作レバー60の近傍に設けるように変えてもよい。
係合体120は、上下の向きを反対にして、操作レバー60の下方に突起部100の通過する開口部198を設けるとよい。
【0084】
(第1の回転式ロック機構)
この発明の別の実施形態として、係合体が係合体支持部に対して回転可能に取り付けられた綴じ具のロック機構について説明する。
操作レバー360の第1垂直側壁360aには、ホールド状態にある操作レバー360を基板22に固定するためすなわちロックするための突起部300が設けられている。
そして、操作レバー360の綴じ部材70側には、ロックするために突起部300と係合される、係合体320と、前記係合体320が取り付けられた係合体支持部380を備える。
前記ロック状態は、前記係合体320と前記突起部300が係合されることにより形成される。
【0085】
前記係合体320は、支持部を構成する前記係合体支持部380に対して回転可能に取り付けられ、前記被綴じ物Xを押圧するロック状態は、前記係合体320が前記係合体支持部380に対して所定の位置及び向きで、前記係合体320と前記突起部300が係合されることにより形成される。
前記係合体320を取り付けられた前記係合体支持部380は、操作レバー360の突起部300及び係合体320が前記ロック状態から前記ロック解除状態に移動するとき、および、前記ロック解除状態から前記ロック状態に移動するときに、基板22の主面と平行な面上を、操作レバー360の突起部300側に向けて接近したり、離隔したりするように揺動する構造となっている。
前記係合体320は、前記係合体支持部380に対して回転可能に取り付けられ、前記係合体320は、前記ロック解除状態から前記ロック状態に移動するときに、前記係合体320に前記突起部300が必ず接触する範囲内で、前記係合体支持部380に対して回転可能である。
【0086】
係合体支持部380は、操作部材たる操作レバー360の長手方向に沿う長手方向を有する係合体支持本体382と、該係合体支持本体382に形成された係合体収容部384とを備える。
係合体支持本体382は、その長手方向における一端に形成された、係合体支持部380の固定部386と、係合体支持部380の固定部386とは離れた他端に形成された、自由端部388とを有している。
係合体支持部380は、固定された係合体支持部380の固定部386を中心に撓み、操作部材たる操作レバー360の突起部300に近づいたり離れたりするように、復元力のある弾力性を有する合成樹脂によって構成されている。
【0087】
この実施の形態においては、係合体支持部380は、係合体支持本体382の一方の端部の固定部386の底面に形成された固定部386の固定突起部386aを基板22の上面に形成された固定凹部46aに差し込み、固定される。
係合体支持部380の自由端部388は、基板22の上面に形成された保持凸部46bに摺動自在に嵌挿され、係合体支持本体382が撓むように構成されている。
【0088】
係合体支持部380は、係合体320に前記突起部300が必ず接触する範囲内で、前記係合体支持部380に対して回転可能にするために、前記係合体支持本体382に係合体枢支部390を形成されている。
係合体枢支部390は、係合体支持本体382の上部に形成された第1の係合体枢支部390aと、係合体支持本体382の下部に形成された第2の係合体枢支部390bとを備える。
更に、係合体支持部380は、平面視して係合体枢支部390を係合体320が回転する方向において、係合体320の回転軸する範囲を限定するための係合体回転規制部392を備える。
係合体回転規制部392は、係合体収容部384の手前側において係合体収容部384に向いて形成された第1の係合体回転規制部392aと、係合体収容部384の向こう側において係合体収容部384に向いて形成された第2の係合体回転規制部392bとを備える。
【0089】
この実施の形態においては、係合体支持部380は、係合体を収容するための係合体収容部384を穿設されている。
係合体支持本体382は、その上部(すなわち基板22とは反対側の壁面)に突起部300を通過させるための開口部398を有し、開口部398は係合体収容部384に連通している。
ロックするために操作レバー360を垂下させるとき、操作レバー360の突起部300が該開口部398を通過して、係合体収容部384の係合体320の上方に至る。
ロック状態を解除するために、操作レバー360を上昇させるとき、操作レバー360の突起部300が該開口部398を通過して、係合体支持部380の上方に至る。
【0090】
係合体320は、係合体支持部380の係合体収容部384に摺接される係合体本体322と、係合体本体322に形成された突起部300に従動するための従動案内部324とを備え、従動案内部324に配設された突起部300の移動によって、係合体支持部380の係合体収容部384に沿ってロック状態からロック解除状態に移動するように構成されている。
【0091】
前記係合体320の従動案内部324は、ロック解除状態からロック状態に移動するときに前記突起部300が押し当てられる第1の斜面部330と、ロック解除状態からロック状態に移動するときに前記突起部300が通過する第1の突起通過部332と、ロック解除状態からロック状態に移動するときに前記突起部300を案内する突起案内部334と、ロック状態にするときに前記突起部300を係合する突起係合部336と、ロック状態からロック解除状態に移動するときに前記突起部300が押し当てられる第2の斜面部338と、ロック状態からロック解除状態に移動するときに前記突起部300が通過する第2の突起通過部340とを備える。
第1の斜面部330の斜面と第2の斜面部338の斜面とは、係合体320の回転方向において、互いに逆方向に傾斜している。
【0092】
第1の斜面部330は、係合体本体322の上方に形成された第1のブロック326の上面すなわち開口部398側、および、第2の突縁部344の上部に形成されている。
第1の突起通過部332は、第1のブロック326の側部すなわち向こう側の壁面に沿って形成される。
前記第1の突起通過部332には、第1の突縁部342が、前記第1の突起通過部332を通過する前記突起部300に対して突き出て形成されている。
前記第2の突起通過部340には、第2の突縁部344が、前記第2の突起通過部340を通過する前記突起部300に対して突き出て形成されている。
【0093】
第1の突起通過部332は、第1の斜面部330の低い位置において第1の斜面部330に連設され、第1の突起通過部332の第1の斜面部330と連設された部位とは離れた位置において突起案内部334が連設され、突起案内部334に続いて突起係合部336が連設されている。
突起係合部336は、第1のブロック326の基板側の下部、すなわち第1のブロックの下部の壁面の下方に形成される。
【0094】
突起係合部336と向き合って第2の斜面部338が形成され、第2の突起通過部340が第2の斜面部338の低い位置において第2の斜面部338に連設されている。
第2の斜面部338は、係合体本体322の下方に形成された第2のブロック328の上部すなわち開口部398側に形成されている。
突起係合部336と第2の斜面部338の手前側と第2の突起通過部340との間には、突起係合部336と第2の斜面部338の間の領域より凹んだ、突起通過段差部350が形成されている。
第2の突起通過部340は、突起係合部336と第2の斜面部338の間の領域より凹んだ、突起通過段差部350の手前側の領域に形成され、且つ、第1のブロック326の手前側の壁面に沿って形成されている。
【0095】
係合体320は、係合体支持部380の係合体枢支部390に取り付けられる係合体軸部370(第1係合体軸部370a,第2係合体軸部370b)を備える。
この実施の形態においては、係合体320は、第1係合体軸部370aが係合体支持部380の係合体支持本体382の上部に形成された第1の係合体枢支部390aに回転自在に取り付けられ、第2係合体軸部370bが、係合体支持本体382の下部に形成された第2の係合体枢支部390bに回転自在に取り付けられて、係合体収容部384内を、係合体支持本体382を平面視して係合体軸部370を中心に回転するように構成されている。
係合体320は、操作レバー360側に向いた面側において、従動案内部324を係合体本体322に穿設されて、従動案内部324に挿入された突起部300を移動できるように構成されている。断面略扇形の柱状体の円周面に従動案内部424が形成されている。
【0096】
係合体320は、係合体支持部380及び係合体320を低背化させて綴じ具全体を低背化させるために、係合体軸部370の周りに凹設された係合体溝部372(第1係合体溝部372a,第2係合体溝部372b)を有する。また、係合体320は、係合体溝部372よりも係合体320の回転軸から外に向かう方向に、係合体溝部372と連設された係合体従動部424を有する。
係合体320の第1係合体溝部372aと係合体支持部380の第1の係合体枢支部390aとは、摺接するように構成され、係合体320の第2係合体溝部372bと係合体支持部380の第2の係合体枢支部390bとは、摺接するように構成される。
【0097】
前記係合体320は、前記第1の突起通過部332が前記突起部300の軌道上に位置する第1の状態と、前記突起部300と前記係合体320が係合され、前記綴じ部材70がロック状態にある第2の状態と、前記第2の突起通過部340が前記突起部300の軌道上に位置する第3の状態とをとることができる(
図38参照)。
【0098】
突起部300は、上部に形成された傾斜面を有する第1の面302と、前記第1の面302の低い方の部分に角部を介して連続する第2の面304と、前記第1の面302に連続しない第2の面304の部分に角部を介して連続する第3の面306と、前記第2の面304に連続しない第3の面306の部分に角部を介して連続する第4の面308と、前記第3の面306に連続しない第4の面308の部分に角部を介して連続する第5の面310とを備える。
突起部300は、前記面が側面を構成する断面略多角形の角柱体に形成され、該角柱体の底面312と該角柱体の側面とを備える。
前記第1の面302,第2の面304,第3の面306,第4の面308及び第5の面310は、角柱体の側面に形成される。
第1の面302は、操作レバー360の向こう側に行くに従って低くなる傾斜面であり、第2の面304は、操作レバー360を水平にした状態において垂直平面であり、第3の面306は、操作レバー360の向こう側に行くに従って低くなる傾斜平面であり、第4の面308は、操作レバー360の向こう側に行くに従って高くなる傾斜平面であり、第5の面310は、操作レバー360を水平にした状態において垂直平面である、略々五角柱状体である。
第1の面302は、横断面波型である。 底面312は、係合体支持部380の係合体収容部384の垂直壁面と向き合い、摺接するための垂直平面である。
突起部300は、前記角柱体の底面が係合体320の操作部材たる操作レバー360に向き合う面と向き合い、且つ、前記角柱体の側面が係合体320の従動案内部324に摺接するように形成されている。
【0099】
次に、オープン状態にある操作レバー360をホールド状態にして、ロック機構をロック状態にすることについて説明する。
ロック機構をロック状態にするために、前記操作部材たる操作レバー360を、台部材たる基板22の主面に略々直交する方向に基板22に向けて押し下げると、操作レバー360の突起部300は、係合体支持部380の上部の開口部398より、開口部398の下方すなわち基板22側に位置する係合体320の上方に至る。
突起部300の開口部398より進入するときの先端である突起部300の第3の面306と第4の面308との間の角部が、前記第1の斜面部330に押し当てられ、その操作レバー360の押し下げる力によって、係合体320は、第1の斜面部330の傾斜の高い側から低い側に移動する。前記係合体320は、第1の突起通過部332の上方に至り、前記第1の状態をとる。
前記操作部材たる操作レバー360を更に押し下げると、前記突起部300が、前記第1の状態にある前記係合体320の第1のブロック326の壁面に沿い、前記第1の突起通過部332を通過し、第2のブロック328の第1の突起通過部332側の壁面の位置に至る。
そこで、操作レバー360を押し下げる力を若干弱めると、ばね部材50の復元力により、突起部300は、第1の突縁部342の下面すなわち基板22の側の壁面に当接する。
操作レバー360の突起部300が、ばね部材50の復元力により第1の突縁部342の下面を押し上げると、係合体320は、第1の突縁部342の傾斜面の低い方に移動し、更に、突起係合部336の傾斜面の低い方に移動する。
係合体320は、突起部300の第1の面302が突起係合部336の下方に至り、第2の状態をとる。
前記係合体320が前記第2の状態に移動することにより、前記係合体320と前記突起部300が係合されることにより、ロック状態を形成される。
係合体320は、第2の状態において、ばね部材50の復元力により、突起部300と係合されてロック状態を維持される。
【0100】
ロック機構をロック解除状態にするために、前記ホールド状態にある前記操作部材たる操作レバー360を基板22側に向けて押し下げると、ロック状態にある突起部300が、前記第2の斜面部338に押し当てられ、係合体320は、第2の斜面部338の傾斜面の低い方に移動し、第2のブロック328の第2の突起通過部340側に至る。前記係合体320は、前記第3の状態をとる。
操作レバー360の押し下げる力を弱めると、ばね部材50の復元力により、突起部300は、突起部300を案内する突起通過段差部350に沿って上昇する。
前記突起部300は、前記第3の状態にある前記係合体320の前記第2の突起通過部340を通過することにより、第2の突縁部344を乗り越えて、係合体支持部380の開口部398より上方に移動して、ロックを解除され、操作レバー360は、オープン状態となる。
【0101】
この実施の形態においては、突起部300及び係合体320は、次のように形成されている。
(1)開口部398の下端に係止した第1の斜面部330は、手前側から向こう側に向かうに従って下がる緩やかな傾斜面を備える。第2の突縁部344は、その上部に斜面部を形成され、第1のブロック326の上面の傾斜面と連続する傾斜面を形成して、第1のブロック326の上面及び第2の突縁部344の上部の連続する傾斜面が、第1の斜面部330を構成する。第1の斜面部330である第1のブロック326の上面の傾斜面と第2の突縁部344の上部の傾斜面とは傾斜角度は略々同一である。係合体320は、突起部300の第3の面306と第4の面308との間の角部の近傍が第1の斜面部330に押し当てられて移動して第1の状態をとる(
図34A乃至C参照)。
(2)第1の斜面部330の低い方に連設された第1の突起通過部332は、係合体本体322の向こう側において突起部300の第2の面304を第1のブロック326の向こう側に接し合わせながら、垂下させるように、垂直方向にのびる。
第1の突起通過部332は、その上方において第1の突縁部342を形成されている。
第1の突起通過部332は、第1の斜面部330からより下方に向かうに従って操作レバー360側に突き出す傾斜面を備えており、その下端に第1の突縁部342が形成されている。
係合体320は、第3の面306と第4の面308との間の角部に第1の突起通過部332が接し合って滑り、係合体320の移動により突起部300が第1の突縁部342の下面に至る。このとき、突起部300の底面312が係合体320の第1の突縁部342に当接して係合体支持部380を押すことにより、係合体支持部380は、支持部固定部386を中心に操作レバー360より離れる方向に撓む(
図34D参照)。
(3)第1の突縁部342の下面は、手前側に向け上昇する傾斜面の突起案内部334を備えている。
第1の突起通過部332の上下方向における中央あたりから、第1の突縁部342の下面の突起案内部334に連続する突起係合部336が手前側に向けてのびる。
突起係合部336は、第1の突縁部342の下面の突起案内部334に連続した傾斜面で手前側に向かうに従って上昇する。第1の突縁部342の下面の傾斜面の突起案内部334の傾斜面と突起係合部336の傾斜面の傾斜角度は略々同一である。
突起係合部336は、手前側に突起部300の第2の面304に当接して係合体320を停止させる突起部係止部336aが下方に向けて突設されている。
係合体320は、突起部300の第2の面304が第2の斜面部338の向こう側の第2のブロック328の向こう側の壁面に接し合って案内されて、ばね部材50の付勢力により上昇し、突起部300の第1の面302の上方に突起案内部334及び突起係合部336が至る(
図34F参照)。
係合体320は、ばね部材50の付勢力により、突起部300の第1の面302に当接して向こう側に移動する。
そして、突起部300と係合体320の突起部係止部336aとが突き当たり、突起部300の第1の面302に係合体320の突起係合部336が係合して、係合体320はロック状態になる(
図34G参照)。
(4)突起係合部336にロック状態に固定された突起部300の垂直下に、第2の斜面部338が形成されている。
第2の斜面部338は、向こう側より手前側に向けて下がる傾斜面を形成され、第2の突起通過部340に至る。
第2の斜面部338は、突起部300の第4の面308に摺接して、突起部300の位置に第2の突起通過部340が位置するように係合体320を案内する。
(5)第2の斜面部338の手前側に連設された第2の突起通過部340は、前記第1の突起通過部332と平行に垂下されており、第2の突起通過部340を形成する突起通過段差部350及び第1のブロック326の手前側の壁面に沿って、突起部300がばね部材50の付勢力により上昇するように構成されている。
突起部300は、突起部300の第5の面310が第2の突起通過部340の側の係合体本体322の第1のブロック326の面に接し合って、係合体320の上方で外側に案内される(
図34I及びJ)。
(6)第2の突起通過部340の上方に形成された第2の突縁部344は、下方より上方に至るに従って操作レバー360側に突き出た傾斜状であり、突起部300が、係合体本体322の外側に出るときには、第2の突縁部344を乗り越えて外方に至る。このとき、突起部300の底面312が係合体320の第2の突縁部344に当接して係合体支持部380を押すことにより、係合体支持部380は、支持部固定部386を中心に操作レバー360より離れる方向に撓む(
図34K参照)。
突起部300は、第2の突縁部344を乗り越えて、係合体支持部380の開口部398より上方に移動して、ロックを解除され、操作レバー360は、オープン状態となる。
【0102】
前記第1の突起通過部332に形成された第1の突縁部342は、前記第1の突起通過部332を通過する際の前記突起部300に対して突き出ており、前記ロック解除状態から前記ロック状態に移動するときに、突起部300が前記第1の突起通過部332を通過する際に、前記突起部300が前記第1の突縁部342に押し当てられて、前記係合体支持部380が揺動し(たわみ)、前記突起部300が前記第1の突縁部342を通過しきると、前記係合体支持部380が復元する。
その後、前記突起部300は、前記突起部300がばね部材50の付勢力により上昇するときに、第1の突縁部342の下部の突起案内部334に押し当てられることになるため、第1の突縁部342によって前記第1の突起通過部332を逆戻りすることができない。
【0103】
前記第2の突起通過部340に形成された第2の突縁部344は、前記第2の突起通過部340を通過する際の前記突起部300に対して突き出ており、前記ロック状態から前記ロック解除状態に移動するときに、突起部300が前記第2の突起通過部340を通過する際に、前記突起部300が前記第2の突縁部344に押し当てられて、前記係合体支持部380が揺動し(たわみ)、前記突起部300が前記第2の突縁部344を通過しきると、前記係合体支持部380が復元する。
その後、前記突起部300は、前記係合体320が第3の状態にあったとしても、前記操作レバー360を押し下げたときに、第2の突縁部344の上部の第1の斜面部330に押し当てられることになるため、第2の突縁部344によって前記第2の突起通過部340を逆戻りすることができない。
【0104】
(第2の回転式ロック機構)
さらに別の実施形態として、複数の突起部を備えた綴じ具であって、係合体420と係合される第1突起部400と、ロック状態からロック解除状態に移動するときに係合体420を回転させる第2突起部401と備えた綴じ具のロック機構について説明する。
【0105】
操作レバー460の第1垂直側壁460aには、
図40に示すように、ホールド状態にある操作レバー460を基板22に固定するためすなわちロックするための第1突起部400と、ロック状態からロック解除状態に移動するための第2突起部401が設けられている。
第1突起部400と第2突起部401は、操作レバー460を押し下げてロック解除状態からロック状態に移動するときに、同一軌道上にあるように設けられている。前記第1突起部400は、操作レバー460を押し下げた側すなわち下端側に、前記第2突起部401は、操作レバー460の押し下げた側とは反対側すなわち上端側に設けられている。
そして、操作レバー460の綴じ部材70側には、ロックするために第1突起部400と係合される、係合体420と、前記係合体420が取り付けられた係合体支持部480を備える。
前記ロック状態は、前記係合体420と前記第1突起部400が係合されることにより形成される。
【0106】
前記係合体420は、支持部を構成する前記係合体支持部480に対して回動可能に取り付けられ、前記被綴じ物Xを押圧するロック状態は、前記係合体420が前記係合体支持部480に対して所定の位置及び向きで、前記係合体420と前記第1突起部400が係合されることにより形成される。
前記係合体420を取り付けられた前記係合体支持部480は、操作レバー460の第1突起部400及び第2突起部401並びに係合体420が、前記ロック状態から前記ロック解除状態に移動するときおよび前記ロック解除状態から前記ロック状態に移動するときに、基板22の主面と平行な面上を、操作レバー460の突起部400側に向けて接近したり、離隔したりするように揺動する構造となっている。
前記係合体420は、前記ロック解除状態から前記ロック状態に移動するときに、前記係合体420に前記第1突起部400が必ず接触する範囲内で、前記係合体支持部480に対して回転可能である。
【0107】
支持部たる係合体支持部480は、操作部材たる操作レバー460の長手方向に沿う長手方向を有する係合体支持本体482と、該係合体支持本体482に形成された係合体収容部484とを備える。
係合体支持本体482は、その長手方向における一端に形成された、係合体支持部480の固定部486と、係合体支持部480の固定部486とは離れた他端に形成された、自由端部488とを有している。
係合体支持部480は、固定された係合体支持部480の固定部486を中心に撓み、操作部材たる操作レバー460の突起部400に近づいたり離れたりするように、復元力のある弾力性を有する合成樹脂によって構成されている。
【0108】
この実施の形態においては、係合体支持部480は、係合体支持本体482の一方の端部の固定部486の底面に形成された固定部486の固定突起部486aを基板22の上面に形成された固定凹部46aに差し込み、固定される。
係合体支持部480の自由端部488は、基板22の上面に形成された保持凸部46bに摺動自在に嵌挿され、係合体支持本体482が撓むように構成されている。
【0109】
係合体支持部480は、係合体420に前記第1突起部400が必ず接触する範囲内で、前記係合体支持部480に対して回動可能にするために、前記係合体支持本体482に係合体枢支部490を形成されている。
係合体枢支部490は、係合体支持本体482の上部に形成された第1の係合体枢支部490aと、係合体支持本体482の下部に形成された第2の係合体枢支部490bとを備える。
更に、係合体支持部480は、平面視して係合体枢支部490を係合体420が回転する方向において、係合体420の回転する範囲を限定するための係合体回転規制部492を備える。
係合体回転規制部492は、係合体収容部484の手前側において係合体収容部484に向いて形成された第1の係合体回転規制部492aと、係合体収容部484の向こう側において係合体収容部484に向いて形成された第2の係合体回転規制部492bとを備える。
【0110】
この実施の形態においては、係合体支持部480は、係合体を収容するための係合体収容部484を穿設されている。
係合体支持本体482は、その上部(すなわち基板22とは反対側の壁面)に第1突起部400及び第2突起部401を通過させるための開口部498を有し、開口部498は係合体収容部484に連通している。
ロックするために操作レバー460を垂下させるとき、操作レバー460の第1突起部400が該開口部498を通過して、係合体収容部484の係合体420の上方に至る。
ロック状態を解除するために、操作レバー460が上昇するとき、操作レバー460の第1突起部400及び第2突起部401が該開口部498を通過して、係合体支持部480の上方に至る。
【0111】
係合体420は、係合体支持部480の係合体収容部484に摺接される係合体本体422と、係合体本体422に形成された第1突起部400及び第2突起部401に従動するための従動案内部424とを備え、従動案内部424に配設された第1突起部400及び第2突起部401の移動によって、係合体支持部480の係合体収容部484においてロック状態からロック解除状態に移動するように構成されている。
【0112】
前記係合体420の従動案内部424は、ロック解除状態からロック状態に移動するときに前記第1突起部400が押し当てられる第1の斜面部430と、ロック解除状態からロック状態に移動するときに前記第1突起部400が通過する第1の突起通過部432と、ロック解除状態からロック状態に移動するときに前記第1突起部400を案内する突起案内部434と、ロック状態にするときに前記第1突起部400を係合する突起係合部436と、ロック状態からロック解除状態に移動するときに前記第2突起部401が押し当てられる第2の斜面部438と、ロック状態からロック解除状態に移動するときに前記第1突起部400が通過する第2の突起通過部440とを備える。
第1の斜面部430の斜面と第2の斜面部438の斜面とは、係合体420の回転方向において、互いに逆方向に傾斜している。
【0113】
係合体420は、係合体支持部480の係合体枢支部490に取り付けられる係合体軸部470(第1係合体軸部470a,第2係合体軸部470b)を備える。
第1係合体軸部470aは、係合体支持本体482の上部に形成された第1の係合体枢支部490aに回転可能に取り付けられ、第2係合体軸部470bは、係合体支持本体482の下部に形成された第2の係合体枢支部490bに回転可能に取り付けられる。
【0114】
前記係合体420は、前記第1の突起通過部432が前記第1突起部400の軌道上に位置する第1の状態と、前記第1突起部400と前記係合体420が係合され、前記綴じ部材70がロック状態にある第2の状態と、前記第2の突起通過部440が前記第1突起部400の軌道上に位置する第3の状態とをとることができる。
【0115】
係合体420は、前記係合体支持部480に対して回転可能であり、係合体420が第1の突起通過部432が第1突起部400の軌道上に位置する第1の状態をとらないときには、必ず第1突起部400の軌道上に第1の斜面部430があるような範囲で、前記係合体支持部480に対して回転可能である。
【0116】
係合体420は、上部に第1の斜面部430を有する第1のブロック426と、上部に第2の斜面部438を有する第2のブロック428と、第1突起通過部を有する第1の通過体427と、第2突起通過部を有する第2の通過体429とを備える。
第1のブロック426は、第2のブロック428の下側に設けられており、第1のブロック426、第2のブロック428、第1の通過体427及び第2の通過体429は、係合体軸部470の回転軸から外側に向けての方向に突き出た形で設けられている。
第1のブロック426及び第2のブロック428は、係合体420において、第1突起部400及び第2突起部401の軌道線上、すなわち、係合体420を平面視してその回転軸から略々同じ角度の範囲に設けられている。
また、第1の突起部400の開口部498から係合体収容部484への進入方向において、第1のブロック426は進入側すなわち下側に、第2のブロックは後尾側すなわち上側に係合体420に設けられている。
第1の通過体427は、第1の斜面部の斜面の低い方の第1のブロックの側部に連設されている。
第2の通過体429は、第1の斜面部の斜面の高い方の第1のブロックの側部に連設されている。
第1の通過体427は、第1の突起部400の開口部498から係合体収容部484への進入方向において、進入側に行くに従って係合体420の回転軸から突き出るように滑らかな斜面を有し、その末端にその回転軸から最も突き出た第1の突縁部344を有する。
第2の通過体429は、第1の突起部400の開口部498から係合体収容部484への進入方向において、後尾側に行くに従って係合体420の回転軸から突き出るように滑らかな斜面を有し、その末端にその回転軸から最も突き出た第2の突縁部444を有する。
第1のブロック及び第1の通過体427は、その上面に連続した傾斜面である第1の斜面部を有する。
【0117】
この実施の形態においては、係合体420は、第1係合体軸部470aが係合体支持部480の係合体支持本体482の上部に形成された第1の係合体枢支部490aに回転自在に取り付けられ、第2係合体軸部470bが、係合体支持本体482の下部に形成された第2の係合体枢支部490bに回転自在に取り付けられて、係合体収容部484内を、係合体支持本体482を平面視して係合体軸部470を中心に、係合体回転規制部492により回転可能な範囲内で回転するように構成されている。
係合体420は、操作レバー460側に向いた面側において、従動案内部424を係合体本体422に穿設されて、従動案内部424に挿入された前記第1突起部400を移動できるように構成されている。断面略扇形の柱状体の円周面に従動案内部424が形成されている。
【0118】
この実施形態においては、係合体420及び係合体支持部480は、台部材たる基板22に、第1突起部400と第2突起部401は、操作レバー460に設けられている。第1突起部400は、第1突起部400及び第2突起部401が開口部498に進入するときの進入方向における進入側、すなわち、操作レバー460の下端側に、第2突起部401は、第1突起部400及び第2突起部401が開口部498に進入するときの進入方向における後尾側に操作レバー460の上端側に設けられている。
変形例として、係合体420及び係合体支持部480は、操作レバー460に、第1突起部400と第2突起部401は、台部材たる基板22に設けられていてもよい。
【0119】
前記第1突起部400は、上部に形成された傾斜面を有する第1の面404と、前記第1の面404の低い方の部分に角部を介して連続する第2の面405と、前記第1の面404に連続しない第2の面405の部分に角部を介して連続する第3の面406と、前記第2の面405に連続しない第3の面406の部分に角部を介して連続する第4の面407とを備える。
前記第1突起部400は、前記面が側面を構成する断面略多角形の角柱体に形成され、前記角柱体の底面408と該角柱体の側面とを備える。
前記第1の面404、第2の面405、第3の面406及び第4の面407は、角柱体の側面に形成される。
第1の面404は、操作レバー460の向こう側に行くに従って低くなる傾斜面であり、第2の面405は、操作レバー460を水平にした状態において係合体420の回転軸に向かって傾斜した傾斜面であり、第3の面406は、操作レバー460の向こう側に行くに従って低くなる傾斜面であり、第4の面407は、操作レバー460を水平にした状態において係合体420の回転軸に向かって傾斜した傾斜面である、略々四角柱状体である。
第1突起部400は、前記角柱体の底面408が係合体420の操作部材たる操作レバー460に向き合う面と向き合い、且つ、前記角柱体の側面が係合体420の従動案内部424に摺接するように形成されている。
【0120】
第2突起部401は、下部に形成された第5の面412と、第5の面412の低い方の部分に角部を介して連続する第6の面413と、第5の面412に連続しない第6の面413の部分に角部を介して連続する第7の面414と、第6の面413に連続しない第7の面414の部分に角部を介して連続する第8の面415とを備える。
前記第2突起部401は、前記面が側面を構成する断面略多角形の角柱体に形成され、前記角柱体の底面416と該角柱体の側面とを備える。
前記第5の面412、第6の面413、第7の面414及び第8の面415は、角柱体の側面に形成される。
第5の面412は、操作レバー460の向こう側に行くに従って高くなる傾斜面であり、第6の面413は、操作レバー460を水平にした状態において係合体420の回転軸に向かって傾斜した傾斜面であり、第7の面414は、操作レバー460の上面と略々平行な平面であり、第8の面415は、操作レバー460を水平にした状態において係合体420の回転軸に向かって傾斜した傾斜面である、略々四角柱状体である。
第2突起部401は、前記角柱体の底面416が係合体420の操作部材たる操作レバー460に向き合う面と向き合い、且つ、前記角柱体の側面である第5の面412が係合体420の第2の斜面部428に摺接するように形成されている。
【0121】
ロック状態において、第1突起部400の第1の面404及び第4の面407と係合体420の突起係合部436とが接し合って、第1突起部400と係合体420の突起係合部436が係合されるように、第1の面404は、操作レバー460とは反対側の上方に向かって傾斜している。
第1突起部400の第2の面405、第3の面406、及び、第1突起部400の底面408によって形成される角部は、係合体420の第1の突起通過部432の有する斜面に摺接するように、丸みを帯びている。
第1突起部400の第1の面404、第4の面407、及び、第1突起部400の底面408によって形成される角部は、係合体420の第2の突起通過部440の有する斜面に摺接するように、丸みを帯びている。
第1突起部400の第2の面405及び第3の面406によって形成される端縁は、係合体420の第1の斜面部430の有する斜面に摺接するように、丸みを帯びている。
第1突起部400の第4の面407及び第3の面406によって形成される端縁は、係合体420の第1の斜面部430の有する斜面に摺接するように、丸みを帯びている。
第2突起部401の第5の面412及び第6の面413によって形成される端縁は、係合体420の第2の斜面部438の有する斜面に摺接するように、丸みを帯びている。
第2突起部401の第5の面412及び第8の面415によって形成される端縁は、係合体420の第2の斜面部438の有する斜面に摺接するように、丸みを帯びている。
【0122】
前記第1突起部400は、係合体420の回転軸から、前記第2突起部401よりも短く外側に突き出て形成されている。
一方、係合体420の第1のブロック426は、第2のブロック428よりも、係合体420の回転軸から外側に向けての方向に突き出て形成されている。
第2のブロック428は、ロック解除状態からロック状態に移動するときに、操作レバー460を押し下げたとき、第1突起部400が第2のブロック428の有する第2の斜面部438には当たらない程度の範囲内で係合体軸部470から突き出ている。
第2のブロック428の下側にある第1のブロック426は、ロック解除状態からロック状態に移動するときに、操作レバー460を押し下げたとき、第2のブロック428の下側にある第1のブロック426の有する第1の斜面部436には当たるように、係合体軸部470から突き出ている。
第2のブロック428は、ロック状態からロック解除状態に移動するときに、操作レバー460を押し下げる際に、第1の突起部よりも長く突き出ている第2突起部401が、第2のブロック428の有する第2の斜面部438に当たるように係合体軸部470から突き出ている。
【0123】
前記第1突起部400は、ロック解除状態からロック状態に移動するときに、前記第2のブロック428には接触しないが、前記第2のブロック428よりも操作レバー460側に長く突き出た前記第1のブロック426には接触する。すなわち、第1の突起部400は、係合体420が第1の状態にない場合には、操作レバー460を押し下げたときに、前記第1のブロック426の上面の第1の斜面部430に押し当てられる(
図39B及びC参照)。これにより、係合体420は、第1の状態に移動する。
【0124】
前記第2突起部401は、第1突起部400よりも係合体420側に長く突き出ているため、ロック状態からロック解除状態に移動するときに、前記第1のブロック426よりも操作レバー460側に短く突き出ている前記第2のブロック428に接触する。すなわち、第2突起部401は、ロック状態からロック解除状態に移動するときに、操作レバー460を押し下げたときに、前記第2のブロック428の上面の第2の斜面部438に押し当てられる(
図39G及びH参照)。これにより、係合体420は、第2の状態から第3の状態に移動する。
【0125】
第1の突起通過部432は、第1のブロック426の側部すなわち向こう側の壁面に沿って形成される。
第1の突起通過部432には、第1の突縁部442が、第1の突起通過部432を通過する第1突起部400に対して突き出て形成されている。
第2の突起通過部440には、第2の突縁部444が、第2の突起通過部440を通過する第1突起部400に対して突き出て形成されている。
【0126】
第1の突起通過部432は、第1の斜面部430の低い位置において第1の斜面部430に連設され、第1の突起通過部432の第1の斜面部430と連設された部位とは離れた位置において突起案内部434が連設され、突起案内部434に続いて突起係合部436が連設されている。
突起係合部436は、第1のブロック426の基板22側の下部、すなわち第1のブロック426の下部の壁面の下方に形成される。
【0127】
ロック状態は、操作レバー460を押し下げることにより、係合体420が第1の状態以外の位置にあるときには、第1突起部400が、第1の斜面部430に押し当てられ、係合体420は第1の状態をとり、操作レバー460を更に押し下げることにより、第1突起部400が、第1の状態にある係合体420の第1の突起通過部432を通過し、係合体420が第2の状態に移動することにより、係合体420と第1突起部400が係合されることにより形成される。
ロック解除状態は、ロック状態にあるときに、操作レバー460を押し下げることにより、第2突起部401が、第2の斜面部438に押し当てられ、係合体420は第3の状態をとり、第1突起部400が、第3の状態にある係合体420の第2の突起通過部440を通過することにより形成される。
【0128】
前記第1の突起通過部432に形成された第1の突縁部442は、前記第1の突起通過部432を通過する際の前記第1突起部400に対して突き出ており、前記ロック解除状態から前記ロック状態に移動するときに、第1突起部400が前記第1の突起通過部432を通過する際に、前記第1突起部400が前記第1の突縁部442に押し当てられて、前記係合体支持部480が揺動し(たわみ)、前記第1突起部400が前記第1の突縁部442を通過しきると、前記係合体支持部480が復元する。
その後、前記第1突起部400は、前記第1突起部400がばね部材50の付勢力により上昇するときに、第1の突縁部442の下部の突起案内部434に押し当てられることになるため、第1の突縁部442によって前記第1の突起通過部432を逆戻りすることができない。
【0129】
前記第2の突起通過部440に形成された第2の突縁部444は、前記第2の突起通過部440を通過する際の前記第1突起部400に対して突き出ており、前記ロック状態から前記ロック解除状態に移動するときに、第1突起部400が前記第2の突起通過部440を通過する際に、前記第1突起部400が前記第2の突縁部444に押し当てられて、前記係合体支持部480が揺動し(たわみ)、前記第1突起部400が前記第2の突縁部444を通過しきると、前記係合体支持部480が復元する。
その後、前記第1突起部400は、前記係合体420が第3の状態にあったとしても、前記操作レバー460を押し下げたときに、第2の突縁部444の上部の第1の斜面部430に押し当てられることになるため、第2の突縁部444によって前記第2の突起通過部440を逆戻りすることができない。
【0130】
次に前記
図1図示第1の実施の形態の変形例である第5の実施形態の綴じ具について、説明する。
この綴じ具は、特に、被綴じ物押さえ機構に特徴を有するが、以下、綴じ部材支持機構を含めて説明する。
図43は、
図1に示す綴じ具の変形例である第5の実施形態の綴じ具平面図解図であり、
図44は、
図1に示す綴じ具の変形例である第5の実施形態の綴じ具の各部材の位置関係を説明した図であり、
図45は、
図1に示す綴じ具の変形例である第5の実施形態の綴じ具の台部材の平面図解図であり、
図46は、
図1に示す綴じ具の変形例である第5の実施形態の綴じ具の台部材の正面図解図であり、
図47は、
図1に示す綴じ具の変形例である第5の実施形態の綴じ部材の平面図解図であり、
図48は、
図1に示す綴じ具の変形例である第5の実施形態の綴じ部材の側面図解図であり、
図49は、(A)は、
図47(A)に示す綴じ具の綴じ部材の断面図解図であり、(B)及び(C)は、
図48(A)に示す綴じ具の綴じ部材の断面図解図であり、
図50は、
図1に示す綴じ具の変形例である第5の実施形態の綴じ具の台部材と綴じ部材の組み立て方を説明した断面図解図であり、
図51は、付勢部材及び綴じ部材と操作部材との作動状態を説明した断面図解図であり、
図52は、付勢部材及び綴じ部材と操作部材との作動状態を説明した断面図解図であり、
図53は、付勢部材及び綴じ部材と操作部材との作動状態を説明した断面図解図であり、
図54Aは、厚い被綴じ物を綴じてロックした状態における、綴じ具を取り付けたファイルの断面図解図であり、
図54Bは、薄い被綴じ物を綴じてロックした状態における、綴じ具を取り付けたファイルの断面図解図である。
一般的には、ファイル10の表紙体12の内面に、用紙等の被綴じ物Xを綴じるための綴じ具20が取り付けられている。
表紙体12は、表表紙14aと裏表紙14bと背表紙14cとを備え、表表紙14aと背表紙14cとの間に形成された折り曲げ部16aと、裏表紙14bと背表紙14cとの間に形成された折り曲げ部16bとを備える。
【0131】
綴じ具20は、板状の台部材たる基板22と、前記台部材上において、付勢部材たるばね部材50の付勢力により、被綴じ物Xを押圧して保持するための押圧部を有する綴じ部材70を備える。
綴じ具20は、前記台部材上において、綴じ部材70が被綴じ物Xを押圧するホールド状態(ロック状態)と被綴じ物より離れるオープン状態(ロック解除状態)とに移動(開閉)可能にするように、台部材に取り付けられた操作部材たる操作レバー60と、操作レバー60をロック状態にするためのロック手段とを備える。
更に、綴じ具20は、前記台部材上に装着され、前記操作レバー60に連結されるとともに綴じ部材70に連結され、被綴じ物Xを押圧する方向に綴じ部材70を付勢する付勢部材たるばね部材50を含む。
【0132】
基板22は、操作レバー60を設置される領域の近傍において、綴じ部材支持部(第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34)を備えている。
前記綴じ部材70は、被綴じ物Xを押圧するホールド状態(ロック状態)と被綴じ物Xより離れるオープン状態(ロック解除状態)とに開閉するように揺動するための係合部90を備えている。
係合部90は、綴じ部材70を基板22へ回動可能に取り付けるための綴じ部材支持機構を構成する。
前記付勢部材たるばね部材50は、その一部分(ばね第1端部56)が綴じ部材70の押圧部72に向かってのびて、綴じ部材70を係合部90を中心として被綴じ物Xを押圧するホールド状態と被綴じ物より離れるオープン状態とに回動するように作動させるように、綴じ部材70に連結されている。
ばね部材50及び綴じ部材70は、被綴じ物Xを押さえるための被綴じ物押さえ機構を構成する。
【0133】
金属製薄板によって形成される台部材を構成する板状本体たる基板22は、その幅方向の一端部(左端部)における直線状長手端縁に操作部材取り付け部を構成する軸受部を備え、軸受部は、
図5ないし
図7に示すように、基板22に対して直立する起立面部を有する軸受板24と、軸受板24の面と平行な面を有する軸受部38とによって構成される。
軸受板24は、基板22と一体的に形成されてなり、軸受部38は、基板22より起立されてなる。
軸受板24は、基板22の長手方向の手前側端縁より向こう側端縁近傍に至るまで連続して形成される。
軸受板24の長手方向の一端側(向こう側)には、操作部材取り付け部を構成する円形の枢軸固定用貫通孔26が形成されている。
枢軸固定用貫通孔26は、軸受板24の枢軸固定用貫通孔26の周辺が、操作レバー60と対向する軸受板24の起立面部と操作レバー60を軸受板24に固定する軸58の軸方向とが斜交するように、向こう側が外に(操作レバー60が取り付けられる面とは反対側に)突き出し、手前側が内に(操作レバー60が取り付けられる面側に)突き出して、操作レバー60と軸受板24の起立面部とは傾斜して形成されている。
第1綴じ部材支持部30は、操作レバー60の向こう側端より更に向こう側に綴じ部材70を支持するために、配置される。
【0134】
さらに、これらの第1綴じ部材支持部30と第2綴じ部材支持部34の間であって、第1綴じ部材支持部30の保持穴32と第2綴じ部材支持部34の保持穴36とを結ぶ線より軸受板24の側であって軸受板24とは適宜な間隔を離れる側において、軸受板24の面と平行な面を有する軸受部38が形成される。この軸受部38は、基板22にU字状の切り込みを形成し、この部分を切り起こすことにより形成され、軸受板24に対してその全体が、操作レバー60の軸受部たる軸受板24の起立面部と斜交するように形成されている。すなわち、操作レバー60を軸受板24に固定する軸58の軸方向が操作レバー60の軸受部たる軸受板24の起立面部と斜交し、枢軸固定用貫通孔26の周辺と平行になるように形成されている。
この軸受部38には、円形の貫通孔40が形成され、軸受板24の枢軸固定用貫通孔26と軸受部38の貫通孔40とが対向するように配置される。すなわち、第1綴じ部材支持部30の保持穴32と第2綴じ部材支持部34の保持穴36とを結ぶ線と、軸受板24の枢軸固定用貫通孔26と軸受部38の貫通孔40とを結ぶ線とが、互いに斜交するように形成される。
【0135】
軸受板24と適宜な間隔を隔てて操作部材たる操作レバー60の長手方向において間隔をあけて、少なくとも二つの綴じ部材支持部(第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34)が突設されている。軸受板24の枢軸固定用貫通孔26の形成部の向こう側において、第1綴じ部材支持部30は、綴じ部材70を支持する第1綴じ部材支持部30の主面は、軸受板24の主面と平行になるように形成される。この第1綴じ部材支持部30には、正面視長方形の保持穴32が形成される。
さらに、操作レバー60の向こう側より手前側において、綴じ部材70を支持するために、第1綴じ部材支持部30の主面に平行な面を有する別の第2綴じ部材支持部34が形成される。この第2綴じ部材支持部34には、正面視長方形の保持穴36が形成される。
第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34は、基板22にU字状の切り込みを形成し、この部分を切り起こすことにより形成される。
前後一対の保持穴32と保持穴36とは、基板22の長手方向にのびる正面視長方形であって、基板22の上面から均等な高さに形成されている。
これらの第1綴じ部材支持部30と第2綴じ部材支持部34とは、綴じ部材70の長手方向に沿って並列された板状体である。そして、その第1綴じ部材支持部30の主面と第2綴じ部材支持部34の主面とを結ぶ線が、軸受板24の基板22側の主面に平行となるように配置され、複数の綴じ部材支持部(第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34)の面が、綴じ部材70の側を向いて綴じ部材70の長手方向に広がる平面に平行に並列されている。
【0136】
前記綴じ部材70は、被綴じ物Xを押える押圧部72と、該押圧部72に連設された架け渡し部74と、該架け渡し部74の押圧部72とは反対側に形成された立ち上がり部76とを有している。
【0137】
[綴じ部材支持機構]
前記綴じ部材70を基板22へ回動可能に取り付けるための綴じ部材支持機構は、立ち上がり部76に押圧部72側に向けて突き出し設けられている係合部90と、前記第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34とにより構成される。
前記綴じ部材70の係合部90は、被綴じ物Xを押える押圧部72とは反対側の端縁である立ち上がり部76に、長手方向において間隔をあけて少なくとも二つ形成されている。
前記係合部90は、前記第1綴じ部材支持部30の保持穴32及び第2綴じ部材支持部34の保持穴36に係合され且つ綴じ部材70を揺動させるように支持凸部92を形成されている。
【0138】
前記支持凸部92は、押圧部72とは反対側の綴じ部材70の端縁たる立ち上がり部76から突き出し設けられた断面略L字型又は断面略J字型である。支持凸部92は、立ち上がり部76に垂直に交わる板状の支持基部94と、支持基部94と垂直に交わり立ち上がり部76に平行な板状の垂下部96とを備える。
保持穴32と保持穴36とは、基板22の主面から同じ距離を離れた同一の高さに位置しており、保持穴32及び保持穴36に係合して支持される複数の係合部90の支持基部94は、全て基板22の主面から同じ距離を離れた同一の高さに位置するように構成されている。
【0139】
そして、支持凸部92は、綴じ部材70の被綴じ物Xを押える押圧部72と向き合う端縁側の領域の下部において、支持基部94が保持穴32及び保持穴36の下部に係合され、綴じ部材70を揺動できるように保持される。
支持凸部92は、保持穴32及び保持穴36の下部に係合された領域(支持基部94)よりのびた先端側たる垂下部96が、保持穴32及び保持穴36から綴じ部材70を揺動するときに抜け出ないように、保持穴32及び保持穴36の下部から下方に垂れ下がっている。
【0140】
前記支持凸部92は、第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34を台部材たる基板22において綴じ部材70の配置側に向けて突設された状態において、保持穴32及び保持穴36の穴内に、その先端より差し込むことができるように、綴じ部材70の押圧部72と向き合う端縁から間隔をあけて押圧部72の側に向けて突き出し設けられている。
綴じ部材70の立ち上がり部76は、支持凸部92が左右端の下方に形成され、支持凸部92を形成された領域においては、支持凸部92を第1綴じ部材支持部30の保持穴32及び第2綴じ部材支持部34の保持穴36に差し込み係合させるときの妨げとならないように切り欠かれている。架け渡し部74の下端と支持凸部92との間に切り欠きによるスペースが設けられているので、基板22の主面に立設された部位に当接することなく、支持凸部92は、第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34に取り付けることができる(
図44(A)参照)。
【0141】
この実施の形態においては、前記支持凸部92は、前記第1綴じ部材支持部30と第2綴じ部材支持部34との間隔に対応した間隔をおいて、綴じ部材70の長手方向に沿って前後1対の支持凸部92が並列されている。支持凸部92は、手前側の第1の支持凸部92aと向こう側の第2の支持凸部92bとが同一の形状の板状体である。
第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとは、いずれも、綴じ部材70の端縁より押圧部72に向けて屈曲されて支持基部94を形成され、且つ、支持基部94より端縁の下方に向けて屈曲されて垂下部96を形成されている。立ち上がり部76と第1の支持凸部92a及び第2の支持凸部92bとのなす形状は、正面視略h字状である。
第1の支持凸部92aは、立ち上がり部76と垂直に交わる板状の第1の支持基部94aと、第1の支持基部94aと垂直に交わり立ち上がり部76と平行な板状の第1の垂下部96aとを備える。
第2の支持凸部92bは、立ち上がり部76と垂直に交わる板状の第2の支持基部94bと、第2の支持基部94bと垂直に交わり立ち上がり部76と平行な板状の第2の垂下部96bとを備える。
第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとは、立ち上がり部76より同じ長さが突き出されている。第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとは、綴じ部材70が第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34に取り付けられたときに水平方向に突き出し形成されている。而して、第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとは、第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34に取り付けられたときに、基板22の主面から同じ距離を離れた同一の高さに位置する。
第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとは、第1の支持基部94aと第2の支持基部94bとが同じ高さに形成されており、第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとが係合される第1綴じ部材支持部30の保持穴32と第2綴じ部材支持部34の保持穴36とは、同じ高さに形成されている。
このように、第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34に取り付けられた綴じ部材70は、押圧部72の向こう側の接地部72a及び手前側の接地部72bが基板22と平行となって、同時に同一の押圧力で被綴じ物Xを押圧するように構成されている。
そして、第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとは、台部材たる基板22において綴じ部材支持部(第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34)が突設された状態において、保持穴32に第1の支持凸部92aを及び保持穴36に第2の支持凸部92bをそれぞれの穴内に、それぞれの垂下部96の先端より差し込むことができるように形成されている。
【0142】
この実施の形態においては、綴じ部材70を操作レバー60側により近づけて配置するために軸受部38と第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34との間隔を狭くしているので、第1の支持凸部92aを保持穴32に及び第2の支持凸部92bを保持穴36にそれぞれ挿入する前には、軸受部38は、第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34から離隔するように第1綴じ部材支持部30側に若干倒されている(
図50(A)参照)。
第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34は、基板22から綴じ部材70の配置側に向けて立ち上げられ、基板22と主面と垂直になるように立設されている(
図50(A)参照)。
第1の支持凸部92aは、その先端である第1の垂下部96aの下端を、第1綴じ部材支持部30の保持穴32の穴縁にあてがい、且つ、第2の支持凸部92bは、その先端である第2の垂下部96bの下端を第2綴じ部材支持部34の保持穴36の穴縁にあてがい、押圧部72を第1綴じ部材支持部30及び保持穴32から離れる方向(軸受板24より離れる方向)に引っ張ることにより、第1の支持凸部92aを保持穴32内に、第2の支持凸部92bを保持穴36内に挿入する(
図50(B)参照)。
そして、若干倒されていた軸受部38は、綴じ部材70が第1綴じ部材支持部30及び第2綴じ部材支持部34に連結された後に、基板22の主面と垂直になるように立ち上げられる(
図50(C)参照)。
【0143】
また、基板22の幅方向の他端側(右端部)には、1条の凸条42が形成される。凸条42は、基板22の幅方向において適宜な距離をあけて平行に形成される。そして、基板22の長手方向の両側には、綴じ具20をファイルなどに取り付けるための基板固定用貫通孔44が向こう側と手前側とに一対形成され、基板固定用貫通孔44に鋲を嵌装して綴じ具20がファイルなどに取り付けられる。
【0144】
[被綴じ物押さえ機構]
軸受板24の枢軸固定用貫通孔26と軸受部38の貫通孔40には、軸58が挿通され、軸58に捩りコイルばねからなるばね部材50および操作部材たる操作レバー60が取り付けられる。
操作レバー60は、基板22上においてロックされた状態にするためのロック機構を備えている。
ロック機構は、操作レバー60の側(軸受板24とは反対側)に設けられた、係合体120及び該係合体120が取り付けられた係合体支持部180、並びに操作レバー60に設けられた突起部100を備える。
【0145】
前記付勢部材たるばね部材50は、前記操作部材たる操作レバー60側よりその一部分が綴じ部材70の押圧部72に向かってのびて、綴じ部材70の操作部材たる操作レバー60側を中心として被綴じ物Xを押圧するホールド状態と被綴じ物Xより離れるオープン状態とに移動するように作動させる。
前記綴じ部材70は、前記操作部材たる操作レバー60側よりのびる幅方向を有し、前記綴じ部材70を平面視して前記操作部材たる操作レバー60とは反対側の前記綴じ部材70の端縁を含む直線SL1と略々同一の直線上に前記押圧部72を有し、前記付勢部材たるばね部材50の前記一部分が綴じ部材70の幅方向にのびて、前記綴じ部材70の端縁を含む直線SL1の近傍に位置し、且つ、前記綴じ部材の長手方向における中央の近傍に位置している。
ばね部材50は、軸58の外周に巻装された巻線部52と、前記巻線部52の一端(右端部)から綴じ部材70側にのびるばね第1端部56と、前記巻線部52の軸受板24側の他端(左端部)から操作レバー60側に直線状にのびるばね第2端部54とを有している。
軸58及びばね部材50の巻線部52は、軸受板24と斜交するように、軸受板24及び軸受部38の間に架け渡される。
前記付勢部材たるばね部材50の前記一部分(ばね第1端部56)は、前記綴じ部材70が被綴じ物Xを押圧するホールド状態から被綴じ物より離れるオープン状態に開閉移動するように前記操作部材たる操作レバー60を操作した場合に、上方向すなわち、軸受板24が立ち上がる方向に移動するように形成されている。
前記ばね部材50は、その一部分(ばね第1端部56)が綴じ部材70の押圧部72に向かってのびて、綴じ部材70が被綴じ物Xを押圧するホールド状態と被綴じ物より離れるオープン状態とに開閉するために係合部90を中心として回動するように構成されている。
【0146】
ばね部材50のばね第2端部54は、巻線部52の軸受板24側でその後側の上端より手前側に直線状に延び、その先端が外力を受けないときは、その先端が手前側に斜め上方に向けてのびるように形成されている。
【0147】
ばね第1端部56は、巻線部52の軸受部38側でその手前側の下端より軸受板24とは反対側に延びたばね立ち上がり部56aを備え、外力を受けないときは略L字状となるように、上方に延びたばね立ち上がり部56aの上端から斜め下方にばね架け渡し部56bが延び、ばね架け渡し部56bの自由端側にばね係止部56cが形成されている。さらに、ばね第1端部56には、ばね架け渡し部56bが若干の角度だけ折り曲げられたばね曲がり部56eが形成されている。
前記外力が作用しないばね第1端部56と外力が作用しないばね第2端部54(特に立ち上がり部50b)とは、巻線部52からその先端に向かうに従って、それぞれが離れ拡がる方向に向けてのびる略八の字状に形成されている。
【0148】
操作レバー60及びばね部材50を基板22に固定する軸58は、前記綴じ部材70の長手方向における中央mから向こう側端縁までの間に配置されており、前記軸58は、前記綴じ部材70の長手方向における前記向こう側端縁よりも、中央mすなわち第1の付勢部材収容部80の近傍に配置されている。綴じ部材70の長手方向における中央mは、綴じ部材70の向こう側端縁と手前側端縁とを結ぶ線の中央をいう。
また、ばね部材50は、前記巻線部52から前記綴じ部材70にのびた第1端部56において、略々直角に曲がった角部56dを有している。綴じ具20がホールド状態にあるとき、ばね部材50の巻線部52から角部56dにかけてのばね立ち上がり部56aは、綴じ具20の長手方向に平行であって、ばね部材50の先端であるばね係止部56cから角部56dにかけてのばね架け渡し部56bは、綴じ具20の幅方向に平行である。
前記角部56dから前記巻線部52の中心までの長さL1(すなわち、ばね立ち上がり部56aと略々同じ長さ)は、前記軸58ののびる方向の直線SL2と前記綴じ部材70の長手方向における中央線との間の長さL2と略々同一である(
図12B参照)。
綴じ部材70の長手方向における中央線は、中央m(綴じ部材70の向こう側端縁と手前側端縁とを結ぶ線の中央)を通る、綴じ部材70の幅方向における直線SL4をいう。
【0149】
基板22は、軸58の一端を軸支する軸固定部たる軸受板24と、前記軸受板24の枢軸固定用貫通孔26より向こう側にわずかにずれた位置に形成され、軸58の他端を軸支する軸固定部たる軸受部38とを有する。
軸受板24の枢軸固定用貫通孔26と軸受部38の貫通孔40とに架け渡されて固定された軸58は、その綴じ部材70側である軸受部38側の方が、軸58の軸受板24側を中心にして操作レバー60の自由端より離れる方向に水平面上において回転した位置において、軸受部38の貫通孔40に固定されている。
【0150】
操作レバー60及びばね部材50を基板22に固定する軸58は、その軸58ののびる軸方向の直線SL2と前記ばね部材50の巻線部52の中心軸SL3上の直線との傾きを、前記ホールド状態と前記オープン状態とにおいて変更可能である(
図12A(A)及び(B)参照)。
すなわち、前記巻線部52の内径が、前記軸58の外径との間に若干の隙間が設けられている。更に、基板22の軸受板24から軸受部38までの長さが、巻線部52の中心軸方向における巻線部52の幅(綴じ具20の幅方向における巻線部52の幅)に対して、十分に設けられている。このような構成により、軸58ののびる方向に対して、巻線部52が傾くことが可能である。
【0151】
ばね部材50は、軸固定部たる軸受板24と軸受部38との間において、巻線部52が軸58の軸回りにおいて基板22と略平行に装着され、前記外力が作用しないばね第2端部54は、軸受板24の内側に沿って基板22の長手方向に伸び、操作レバー60の長手方向と略平行に操作レバー60に固定されている。
すなわち、前記外力が作用しないばね第2端部54は、被綴じ物Xを押圧するホールド状態と被綴じ物より離れるオープン状態とにするためにロック状態からロックを解除するように操作レバー60を回動させる方向、すなわち操作レバー60が回動する軌道面に沿って、操作レバー60に固定されている。したがって、ばね部材50は、不用な干渉なくスムーズに動くことができ、操作レバー60の上昇及び下降等の動きもスムーズになる。
【0152】
操作レバー60を回動して綴じ部材70が被綴じ物Xを押圧するホールド状態(ロック状態)にするとき及び被綴じ物Xより離れるオープン状態(ロック解除状態)にするとき、すなわち開閉するときに、ばね部材50のばね第1端部56は、回動するが、巻線部52は、それに対応して縮まったり緩んだりする。そのために、巻線部52の内径は、若干軸58の外径との間に隙間が設けられるように構成されている。そして、巻線部52は、軸58の外周面上に巻装されている。
すなわち、巻線部52は、操作レバー60の長手方向とは斜めに交差するようにばね第2端部54側からばね第1端部56側に向けて延び、ばね部材50のばね第1端部56の側が、ばね第2端部54の側より向こう側の位置において、基板22に固定されている。
ばね部材50に外力が作用しないとき、ばね第2端部54は、操作レバー60の自由端を軸58を枢軸部として押し上げるように形成され、ばね第1端部56は、綴じ部材70を基板22の表面に接近するように形成されている。
ばね部材50は、ばね第2端部54が操作レバー60の長手方向と略平行に操作レバー60に固定されているので、操作レバー60を倒伏位置に向けて押し下げるとき、軸受板24と略平行な方向すなわち垂直方向に向けて押し下げ、ロック機構を構成する突起部100を係合体120に係止させることができる。
【0153】
平面視略長方形状の綴じ部材70は、基板22上において、基板22の長手方向に延びて軸受板24と平行に取り付けられ、軸受板24とは反対側の綴じ部材70の長手端縁が基板22の表面に接近離間するように形成される。
綴じ部材70は、たとえば1枚の金属板によって形成される。綴じ部材70は、たとえば第1綴じ部材支持部30と第2綴じ部材支持部34との距離より短い長さを有し、幅方向において上方に向けて膨らむように屈曲する形状(断面略L字状)に形成される。
そして、綴じ部材70の幅方向の軸受板24側において、その長手方向の両側に分かれて軸受板24側とは反対側に向けて突出する係合部90が形成される。
これらの係合部90が、枢軸部受けたる第1綴じ部材支持部30の保持穴32および枢軸部受けたる第2綴じ部材支持部34の保持穴36に嵌め込まれる。
手前側の第2綴じ部材支持部34の保持穴36は、向こう側の第1綴じ部材支持部30の保持穴32と、基板22からの高さが同一になるように形成され、向こう側の保持穴32に係合された綴じ部材70の向こう側の第1の支持凸部92aと、手前側の保持穴36に係合された綴じ部材70の手前側の第2の支持凸部92bと同一の高さ位置で係合されている。
【0154】
したがって、綴じ部材70は、2つの前後1対の第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとを結ぶ線を回転中心として回動可能となっている。
操作レバー60は、軸受板24と係合部90との間において、軸受板24及び第1の支持凸部92aと第2の支持凸部92bとを結ぶ線に沿ってのびる。
そして、操作レバー60の手前側の自由端を押さえて突起部100を係合体支持部180の係合体120に係止して操作レバー60をロックするとき、綴じ部材70の手前側の第2の支持凸部92bと向こう側の第1の支持凸部92aとが同一の高さに位置するので、ばね部材50のばね係止部56cが綴じ部材70の架け渡し部74を押える位置(綴じ部材70の長手方向における中央近傍)との関係上同時に被綴じ物Xを押さえ始めて、被綴じ物Xにかかる押える力のバランスが向こう側と手前側と均等となる。
【0155】
なお、係合部90の強度を高め、保持穴32及び保持穴36内で係合部90が回転しやすいように、係合部90は幅方向に屈曲するように形成される。このように、綴じ部材70から突出する係合部90を第1綴じ部材支持部30の保持穴32及び第2綴じ部材支持部34の保持穴36に嵌め込むことにより、別部品たる回転軸などを用いて綴じ部材70を回動可能に保持する場合に比べて、部品数を少なくすることができる。
【0156】
綴じ部材70は、
図47ないし
図49において示すように、係合部90側より軸受板24とは反対側の斜め上方に延びた立ち上がり部76と、立ち上がり部76の上端から斜め下方(水平面に対して略22°)に向けて延びた平板状の架け渡し部74と、架け渡し部74の自由端に、綴じ部材70の手前側端縁より向こう側端縁に亘って斜め下方(垂直面に対して略15°)に向けて折り曲げられて形成された押圧部72とが形成されている。押圧部72は、書類などの被綴じ物Xを押えるときに、架け渡し部74側に若干撓みつつ押圧部72が書類などの被綴じ物Xを押圧し得るように形成されている。
【0157】
押圧部72は、架け渡し部74の手前側端縁より向こう側端縁に至るまで連続して形成される。押圧部72は、その自由端に形成された被綴じ物Xに接地する接地領域が向こう側の接地部72aと手前側の接地部72bとに分かれており、向こう側の接地部72aと手前側の接地部72bとは略々同じ接地面積となるように形成されている。
【0158】
前記綴じ部材70は、その全体が平面視略長方形状で正面視略々台形状にわん曲した板状体に形成されており、幅方向におけるその一端側部分に前記押圧部72が下方に向かってのびるように形成され、幅方向におけるその他端側部分(軸受板24側部分)に一対の係合部90が前記他端側部分に平行にかつ押圧部72方向にのびるように形成されている。押圧部72は、基板22の長手方向にのびる。
【0159】
前記綴じ部材70は、前記操作部材たる操作レバー60側よりのびる幅方向を有し、前記綴じ部材70を平面視して前記操作部材たる操作レバー60とは反対側の前記綴じ部材70の端縁を通る基準面Pxzの近傍において前記押圧部72を有し、前記付勢部材たるばね部材50の前記一部分たるばね第1端部56が綴じ部材70の幅方向にのびて、前記綴じ部材70の端縁を通る基準面Pxzの近傍に位置している。
基準面Pxzは、基板22の主面に直交する垂直面である。
【0160】
前記綴じ部材70は、前記綴じ部材70の長手方向における中央mであって、かつ、前記綴じ部材70を平面視して前記付勢部材たるばね部材50とは反対側の前記綴じ部材70の端縁を通る基準面Pxzの近傍に、前記付勢部材たるばね部材50の前記ばね第1端部56を挿通するための貫通孔78を有している。
【0161】
前記綴じ部材70は、更に、前記綴じ部材70の長手方向における中央mであって、前記綴じ部材70を平面視して前記付勢部材たるばね部材50側の前記綴じ部材70の端縁と、前記貫通孔78との間において、凹んで形成された、第1の付勢部材収容部580とを有している。
第1の付勢部材収容部580は、オープン状態とホールド状態との間の移動において、前記ばね部材50のばね第1端部56が前記綴じ部材70に接触しないように、その面側の架け渡し部74より凹んだ収容凹部を形成される。第1の付勢部材収容部580は、立ち上がり部76側が広く押圧部72側に向かうに従って狭くなるU字谷状であって、底部が丸くわん曲されている。
また、ばね部材50は、オープン状態とホールド状態との間の移動において、前記ばね部材50のばね第1端部56が前記綴じ部材70に接触しないように、ばね曲がり部56eにおいてばね第1端部56が若干の角度だけ曲げられて形成される(
図51(A)参照)。
ばね部材50は、被綴じ物Xの厚さが厚い場合のロック時及び薄い場合のロック時のいずれの場合にも、前記綴じ部材70を平面視して前記操作部材たる操作レバー60とは反対側の前記綴じ部材70の端縁を通る基準面Pxzの近傍において、前記綴じ部材を押さえるように構成される(
図54A及び
図54B参照)。
【0162】
綴じ部材70は、前記綴じ部材70の長手方向における中央であって、前記綴じ部材70を平面視して前記付勢部材たるばね部材50とは反対側の前記綴じ部材70の端縁と、前記貫通孔78との間に、上向きに膨出されて形成された、第2の付勢部材収容部82を有している。
【0163】
綴じ部材70は、前記第1の付勢部材収容部580に臨む領域において、下向きに凹まされて、前記付勢部材たるばね部材50の前記ばね第1端部56を係止し且つ覆うために形成された、付勢部材端部保持部86を有している。
付勢部材端部保持部86は、第2の付勢部材収容部82の下端に立ち上がり部76側に向けて突設された板状体であり、オープン状態のときには、ばね部材50のばね第1端部56を係止するように構成され、ホールド状態のときにも、ばね部材50のばね第1端部56を覆うように形成されている。
付勢部材端部保持部86は、被綴じ物Xの厚さが厚い場合のロック時及び薄い場合のロック時には、基板22の主面と略々平行になるように構成されている(
図54A及び
図54B参照)。
付勢部材端部保持部86は、被綴じ物Xの厚さが厚い場合のロック時及び薄い場合のロック時には、ばね部材50のばね第1端部56が係止されないように構成されている(
図54A及び
図54B参照)。
【0164】
綴じ部材70は、付勢部材端部保持部86より立ち上がり部76側で付勢部材端部保持部86より上方において、ロック状態においてばね部材50のばね第1端部56を係止するための付勢部材端部係止部84を有している。
付勢部材端部係止部84は、第1の付勢部材収容部580の押圧部72側端から貫通孔78に亘って設けられた板状体である。付勢部材端部係止部84は、前記第1の付勢部材収容部580と貫通孔78との間に形成されており、前記第1の付勢部材収容部580と一体的に形成されている。
付勢部材端部係止部84は、被綴じ物Xの厚さが薄い場合のロック時には基板22の主面と略々平行になり、ばね部材50のばね第1端部56を係止するように構成されている(
図54B参照)。
付勢部材端部係止部84は、被綴じ物Xの厚さが厚い場合のロック時には基板22の主面と略々斜交するようになり、ばね部材50のばね第1端部56を係止するように構成されている(
図54A参照)。
付勢部材端部係止部84は、下側に凹み、ばね部材50のばね第1端部56を抱持するように構成されている。
【0165】
立ち上がり部76は、綴じ部材70の長手方向(手前側端から向こう側端に至る方向)における中央mにおいて、下向き(下方向)に凹まされて、第1の付勢部材収容部580が形成されている。
架け渡し部74は、綴じ部材70の長手方向(手前側端から向こう側端に至る方向)における中央において、下向き(下方向)に凹まされて、ばね部材50のばね第1端部56を収容するための第1の付勢部材収容部580が形成されている。
立ち上がり部76の領域における第1の付勢部材収容部580の底部は、低く、架け渡し部74の領域における第1の付勢部材収容部580の底部は、中央においてやや高く盛り上がり、付勢部材端部係止部84側において低く形成されている。
【0166】
ばね部材50は、ばね第1端部56が綴じ部材70の内面に近似した形状に形成され、ばね部材50のばね立ち上がり部56aが綴じ部材70の立ち上がり部76に沿って立ち上がり、そしてばね部材50のばね架け渡し部56bが綴じ部材70の第1の付勢部材収容部580に沿ってのびて、ばね部材50のばね係止部56cが綴じ部材70の付勢部材端部係止部84又は付勢部材端部保持部86に係止固定されるように設けられている。
【0167】
第2の付勢部材収容部82には、扇形、矩形、半円又は円形の貫通孔78が形成され、ばね部材50のばね第1端部56が付勢部材端部保持部86側より緩挿され、ばね部材50のばね第1端部56の先端部(ばね係止部56c)が貫通孔78から外れないようにされている。
貫通孔78は、ばね部材50のばね第1端部56の外形より少し大きい大きさで、ばね部材50のばね第1端部56を緩挿できる形状に形成されており、ばね部材50が貫通孔78の中で若干動くことができる隙間をあけるように構成されている。
【0168】
この実施の形態においては、綴じ部材70は、幅方向における中央cより軸受板24側に立ち上がり部76と架け渡し部74とが接続された頂部tが形成され、前記頂部tより押圧部72側に付勢部材端部係止部84及び付勢部材端部保持部86が形成され、付勢部材端部係止部84及び付勢部材端部保持部86の幅方向(前後方向)において略々中央において貫通孔78が穿設されている(
図48及び
図51参照)。
貫通孔78は、その下縁eが頂部tより下方であって付勢部材端部保持部86より上方において形成されている。
押圧部72は、係合部90より高さ方向(上下方向)において上方に形成されている(
図48及び
図51参照)。
貫通孔78は、綴じ部材70の前後端に形成された係合部90の間(第1の支持凸部92aと向こう側の第2の支持凸部92bとの間)において、綴じ部材70の長手方向における中央近傍であって、押圧部72に近い位置に形成されている。
なお、押圧部72には、書類などの被綴じ物Xを押さえ付けたときの力による変形を防ぐために、直線状のリブを長手方向に連続して形成してもよく、また、架け渡し部74にも、書類などの被綴じ物Xを押さえ付けたときの力による変形を防ぐために、直線状のリブが長手方向に連続して形成してもよい。
【0169】
ばね部材50は、
図51において示すように、綴じ具20を閉じた状態(ホールド状態)においては、ばね立ち上がり部56aが水平に近い方向を向いて、ばね係止部56cが水平に近い方向を向いている。ばね立ち上がり部56aは、背表紙14c(すなわち折り曲げ部16aと折り曲げ部16bとの間の長さ)の高さより高くならない(
図54参照)。
ばね部材50のばね第1端部56は、
図52及び
図53において示すように、ロック時には貫通孔78の下縁に接し合う。
ばね部材50は、
図52において示すように、綴じ具20を少し開いた状態(オープン状態)においては、ばね立ち上がり部56aの手前側がやや上昇してばね立ち上がり部56aが斜め上方を向いて、ばね係止部56cがやや下方を向いている。
ばね部材50は、
図53において示すように、綴じ具20をいっぱいに開いた状態(オープン状態)においては、ばね立ち上がり部56aが垂直方向を向いて、ばね係止部56cが向こう側に向いて回転してほぼ斜めに立ち上がった状態となる。
ばね部材50のばね第1端部56は、
図54において示すように、オープン状態にするときには、貫通孔78の上縁及び/又は第2の付勢部材収容部82の内面に接し合う。