【課題を解決するための手段】
【0013】
(1) 第1の発明に係るリールシートは、軸方向一端側に固定フードが形成された筒状のシート本体と、当該シート本体の軸方向他端側に上記固定フードに対向した状態で上記軸方向に沿ってスライドする可動フードユニットとを備えている。この可動フードユニットは、上記シート本体を周方向に囲繞し、当該シート本体との間に釣用リールの脚が挿入される隙間を形成する保持リングと、上記軸方向に沿うスライドが許容され且つ上記軸方向を中心とする回転が規制された状態で上記シート本体に外嵌されたベースリング及び当該ベースリングの上記軸方向一端部に片持ち状に突設され、上記保持リングを貫通して当該保持リングと上記シート本体との間に挿入される
平板状パッド部を有するフード本体と、上記シート本体に外嵌螺合され且つ上記フード本体に対して上記軸方向を中心とする回転が許容された状態で当該フード本体の上記軸方向他端部に連結された操作ナットとを備える。上記フード本体及び操作ナットは樹脂からなり、上記保持リングは金属からなる。
【0014】
この構成によれば、リールの脚がシート本体上に載置される。この脚の一端側が固定フード内に挿入され、当該脚の他端側が可動フードユニット内に挿入される。具体的には、当該脚の他端側は、シート本体とフード本体の
平板状パッド部との間に挿入される。これにより、上記脚は、固定フード及び可動フードユニットによって挟持される。
【0015】
釣人が操作ナットを回転させると、当該操作ナットは軸方向に沿って固定フードに接離する。この操作ナットにフード本体が前述のように連結されているから、操作ナットと共にフード本体がシート本体に対して回転規制された状態で固定フードに接離する。具体的には、フード本体のベースリングがシート本体に係合し且つ上記軸方向に沿ってスライドする。
【0016】
このベースリングに突設された
平板状パッド部の外側を囲繞するように保持リングが配置されている。換言すれば、保持リングによって
平板状パッド部が補強されている。上記脚の他端側は、シート本体と
平板状パッド部との間に挿入され、上記操作ナットが締め付けられることによって当該
平板状パッド部によって押圧され固定される。この脚の他端側に作用する押圧力の反力が
平板状パッド部に反作用として負荷される。保持リングによって
平板状パッド部が補強されているから、
平板状パッド部及び保持リングは、大きく変形することなく協働して上記脚の他端側を確実に固定する。
【0017】
保持リングは
平板状パッド部の補強部材として機能するから、保持リングとフード本体とが組み合わされた部位の剛性は高くなる。つまり、従来のリールシートでは、保持リングのみによってリールの脚が固定されていたため、保持リングの剛性が確保されるために、そのサイズ及び肉厚が大きくならざるを得なかった。しかし、この発明では、保持リングとフード本体とが協働して上記脚を固定するから、保持リングの小型化及び薄肉化が可能となる。しかも、保持リングが金属(典型的にはステンレス鋼)から構成されるので、その肉厚はきわめて小さくすることが可能である。加えて、上記フード本体及び操作ナットが樹脂から構成されるので、可動フードユニット及びリールシートの軽量化が図られる。
【0018】
(2) 上記ベースリングの内周面に上記シート本体と係合するキーが設けられてもよい。このキーは、径方向内側に突設され且つ上記軸方向に延びるように形成される。他方、上記シート本体の外周面に上記軸方向他端から一端側に延びるスライド溝が形成され、上記キーは、上記スライド溝にスライド自在に嵌合されるのが好ましい。
【0019】
この構成では、上記キーがシート本体と係合することによってシート本体に対するフード本体の回転が簡単且つ確実に規制される。しかも、上記キーは、上記ベースリングの内周面に設けられ、このキーが嵌合するスライド溝は、上記シート本体の外周面に形成されているから、当該回転規制を行うための構造が設けられても、フード本体の外径及び保持リングの外径が大きくなることはない。
【0020】
(3) 上記スライド溝の幅は、上記軸方向他端側に向かって漸次大きくなっているのが好ましい。
【0021】
前述のようにリールの脚がフード本体内に挿入され、操作ナットが締め付けられると、上記押圧力の反力は、上記
平板状パッド部を跳ね上げる向きに作用する。このため、上記キーが同向きに傾斜し、上記スライド溝の壁面に押し付けられる傾向にある。しかし、スライド溝の幅が前述のように拡大されているので、上記キーは滑らかに上記スライド溝に沿って移動することができる。すなわち、リールの脚が強固に固定される場合であっても、操作ナットは滑らかに操作される。
【0022】
(4) 上記キーは、上記保持リングと上記操作ナットとを連結する連結具を兼ねているのが好ましい。この場合、上記キーは、上記ベースリングから上記軸方向他端側に突出する真直部及び当該真直部の上記軸方向他端部に連続し、上記ベースリングの径方向外方に向かって屈曲した屈曲部を備えるのが好ましい。
【0023】
この構成では、上記キーが操作ナットと係合する。この場合、キーの真直部が操作ナットの内側に進入し、キーの屈曲部が操作ナットの内面に係合する。このように、上記キーが操作ナットに対して内側から外側に向かって屈曲して係合するから、当該キーが上記連結具を兼ねる構造であっても、保持リング及び操作ナットの外径が大きくなることはない。
【0024】
(5) 上記操作ナットの内周面に上記屈曲部が嵌合する周溝が形成されているのが好ましい。
【0025】
この構成では、上記キーの屈曲部が上記周溝に嵌合する。これにより、操作ナットは、きわめて簡単な構造でフード本体に連結され且つ当該フード本体に対して相対的に回転自在となる。
【0026】
(6) 上記キーは、ベースリングの周方向に沿って均等に4箇所に設けられているのが好ましい。
【0027】
操作ナットが操作されて、リールの脚が前述のようにシート本体に固定される場合のほか、実釣においてはヒットした魚が大型である場合には、釣人による釣竿の操作に起因して可動フードユニットにはさまざまな方向に外力が作用する。すなわち、上記フード本体にさまざまな方向に負荷がかかり、上記キーが変形する傾向にある。しかし、上記キーが前述のように均等に4箇所に設けられることにより、あらゆる方向に負荷がかかった場合であっても、いずれかのキーが確実に上記スライド溝と嵌合し、且つ操作ナットの周溝と嵌合する。これにより、操作ナットが緩んだり、操作ナットとフード本体との連結が外れたりすることが防止される。
【0028】
(7) 上記キーは、上記ベースリングから上記軸方向一端側に突出する第2真直部及び当該第2真直部の上記軸方向一端部に連続し、上記ベースリングの径方向外方に向かって屈曲した第2屈曲部を有していてもよい。その場合、当該第2屈曲部が上記保持リングの内側に係合しているのが好ましい。
【0029】
この構成では、上記キーの第2真直部が保持リングの内側に進入し、キーの第2屈曲部が保持リングの内面に係合する。このように、上記キーが保持リングに対して内側から外側に向かって屈曲して係合するから、保持リングとフード本体との組み付けがより確実なものとなり、剛性がさらに向上する。しかも、上記キーが保持リングの内側から係合するので、保持リングの外径が大きくなることもない。
【0030】
(8) また、第2の発明に係る可動フードユニットは、軸方向一端側に固定フードが形成された筒状のシート本体を有するリールシートに適用され、上記シート本体の軸方向他端側に装着されて上記固定フードに対向した状態で上記軸方向に沿ってスライドするものである。この可動フードユニットは、上記シート本体を周方向に囲繞し、当該シート本体との間に釣用リールの脚が挿入される隙間を形成する保持リングと、上記軸方向に沿うスライドが許容され且つ上記軸方向を中心とする回転が規制された状態で上記シート本体に外嵌されたベースリング及び当該ベースリングの上記軸方向一端部に片持ち状に突設され、上記保持リングを貫通して当該保持リングと上記シート本体との間に挿入される
平板状パッド部を有するフード本体と、上記シート本体に外嵌螺合され且つ上記フード本体に対して上記軸方向を中心とする回転が許容された状態で当該フード本体の上記軸方向他端部に連結された操作ナットとを備える。上記フード本体及び操作ナットは樹脂からなり、上記保持リングは金属からなる。
【0031】
当該第2の発明では、シート本体上に載置されたリールの脚の一端側が固定フード内に挿入され、当該脚の他端側が可動フードユニット内に挿入される。具体的には、当該脚の他端側は、シート本体とフード本体の
平板状パッド部との間に挿入される。これにより、上記脚は、固定フード及び可動フードユニットによって挟持される。
【0032】
操作ナットが回転すると、当該操作ナットは軸方向に沿って固定フードに接離する。この操作ナットにフード本体が前述のように連結されているから、操作ナットと共にフード本体がシート本体に対して回転規制された状態で固定フードに接離する。具体的には、フード本体のベースリングがシート本体に係合し且つ上記軸方向に沿ってスライドする。
【0033】
このベースリングに突設された
平板状パッド部の外側を囲繞するように保持リングが配置されている。換言すれば、保持リングによって
平板状パッド部が補強されている。上記脚の他端側は、シート本体と
平板状パッド部との間に挿入され、上記操作ナットが締め付けられることによって当該
平板状パッド部によって押圧され固定される。この脚の他端側に作用する押圧力の反力が
平板状パッド部に反作用として負荷される。保持リングによって
平板状パッド部が補強されているから、
平板状パッド部及び保持リングは、大きく変形することなく協働して上記脚の他端側を確実に固定する。
【0034】
保持リングは
平板状パッド部の補強部材として機能するから、保持リングとフード本体とが組み合わされた部位の剛性は高くなる。つまり、従来の可動フードユニットでは、保持リングのみによってリールの脚が固定されていたため、保持リングの剛性が確保されるために、そのサイズ及び肉厚が大きくならざるを得なかった。しかし、この発明では、保持リングとフード本体とが協働して上記脚を固定するから、保持リングの小型化及び薄肉化が可能となる。しかも、保持リングが金属(典型的にはステンレス鋼)から構成されるので、その肉厚はきわめて小さくすることが可能である。加えて、上記フード本体及び操作ナットが樹脂から構成されるので、可動フードユニットの軽量化が図られる。
【0035】
(9) 上記ベースリングの内周面に上記シート本体と係合するキーが設けられ、当該キーは、径方向内側に突設され且つ上記軸方向に延びているのが好ましい。
【0036】
この構成では、上記キーがシート本体と係合することによってシート本体に対するフード本体の回転が簡単且つ確実に規制される。しかも、上記キーは、上記ベースリングの内周面に設けられ、このキーが嵌合するスライド溝は、上記シート本体の外周面に形成されているから、当該回転規制を行うための構造が設けられても、フード本体の外径及び保持リングの外径が大きくなることはない。
【0037】
(10)上記キーは、上記保持リングと上記操作ナットとを連結する連結具を兼ねているのが好ましい。この場合、上記キーは、上記ベースリングから上記軸方向他端側に突出する真直部及び当該真直部の上記軸方向他端部に連続し、上記ベースリングの径方向外方に向かって屈曲した屈曲部を備えているのが好ましい。
【0038】
この構成では、上記キーが操作ナットと係合する。この場合、キーの真直部が操作ナットの内側に進入し、キーの屈曲部が操作ナットの内面に係合する。このように、上記キーが操作ナットに対して内側から外側に向かって屈曲して係合するから、当該キーが上記連結具を兼ねる構造であっても、保持リング及び操作ナットの外径が大きくなることはない。
【0039】
(11)上記操作ナットの内周面に上記屈曲部が嵌合する周溝が形成されているのが好ましい。
【0040】
この構成では、上記キーの屈曲部が上記周溝に嵌合する。これにより、操作ナットは、きわめて簡単な構造でフード本体に連結され且つ当該フード本体に対して相対的に回転自在となる。
【0041】
(12)上記キーは、ベースリングの周方向に沿って均等に4箇所に設けられているのが好ましい。
【0042】
操作ナットが操作されて、リールの脚が前述のようにシート本体に固定される場合のほか、実釣においてはヒットした魚が大型である場合には、釣人による釣竿の操作に起因して可動フードユニットにはさまざまな方向に外力が作用する。すなわち、上記フード本体にさまざまな方向に負荷がかかり、上記キーが変形する傾向にある。しかし、上記キーが前述のように均等に4箇所に設けられることにより、あらゆる方向に負荷がかかった場合であっても、いずれかのキーが確実に上記スライド溝と嵌合し、且つ操作ナットの周溝と嵌合する。これにより、操作ナットが緩んだり、操作ナットとフード本体との連結が外れたりすることが防止される。
【0043】
(13)上記キーは、上記ベースリングから上記軸方向一端側に突出する第2真直部及び当該第2真直部の上記軸方向一端部に連続し、上記ベースリングの径方向外方に向かって屈曲した第2屈曲部を有していてもよい。その場合、当該第2屈曲部が上記保持リングの内側に係合しているのが好ましい。
【0044】
この構成では、上記キーの第2真直部が保持リングの内側に進入し、キーの第2屈曲部が保持リングの内面に係合する。このように、上記キーが保持リングに対して内側から外側に向かって屈曲して係合するから、保持リングとフード本体との組み付けがより確実なものとなり、剛性がさらに向上する。しかも、上記キーが保持リングの内側から係合するので、保持リング及の外径が大きくなることもない。