(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
覗き見防止フィルム1は、現金自動預け払い機やノートパソコンのLCD等の表示装置の画面を覆うように設置されて使用されるものである。覗き見防止フィルム1が設置されたことで、LCDの視野角が狭くなり、横方向等の斜めの角度からの表示装置の覗き見が防止される。
【0020】
覗き見防止フィルム1は、
図1で示すように、たとえば矩形な平板状に形成されており、第1の基材(底材;ベース材)3と観察部(光透過部;透光部)5と壁部(遮光部)7と第2の基材(蓋材)9とを備えて構成されている。なお、
図1で示している寸法は参考寸法である。
【0021】
第1の基材3は、光(可視光)を透過する材料(たとえば透明なPET樹脂)で平板状に形成されている。
【0022】
観察部5も、光を透過する材料で構成されている。また、透明な観察部5は、たとえば、柱状に形成されて多数設けられており、第1の基材3の厚さ方向の一方の面から起立している。さらに、各観察部5は、お互いが、第1の基材3の面内方向で(第1の基材3の厚さ方向に直交する方向で)、所定のわずかな間隔をあけて配置されている。
【0023】
さらに説明すると、観察部5は、たとえば四角柱状(正六角柱状等他の柱状でもよい。)に形成されており、お互いが、第1の基材3の面内方向で僅かに離れ、第1の基材3に一体的に設けられている。柱状の観察部5の高さ方向が、第1の基材3の厚さ方向と一致している。
【0024】
また、観察部5は、高さ寸法が縦寸法や横寸法よりも大きく形成されており、底面が第1の基材3に面接触している。第1の基材3の厚さ方向から見ると、各観察部5は、行列をなして配置されており、各観察部5間の間隙は、たとえば格子状になっている。
【0025】
壁部7は、不透明な材料(光を透過しない材料;光の透過率が極めて低いものを含む)で構成されており、各観察部5の間の格子状の間隙に充填されている。これにより第1の基材3の厚さ方向(覗き見防止フィルム1,1aの厚さ方向)から見ると、観察部5と壁部7とが交互に配置されていると言うこともできる。
【0026】
第2の基材9も、第1の基材3と同様にして、光(可視光)を透過する材料(たとえば透明なPET樹脂)で平板状に形成されている。第2の基材9は、この厚さ方向の一方の面が観察部5と壁部7とに対向して(たとえば接して)、第1の基材3と協働して観察部5と壁部7とを挟み込んでいる。各基材3,9と観察部5と壁部7とは一体化している。
【0027】
図1で示す覗き見防止フィルム1では、
図1(a)で示すように、観察部の間に形成されている間隙の幅(壁部7の幅;格子の桟の幅)は、一定になっており、壁部7の幅は、観察部5の縦寸法や横寸法よりも小さくなっている。
【0028】
一方、
図2で示す覗き見防止フィルム1aでは、観察部5の間に形成されている間隙の幅(壁部7の幅)が、中央部位13で狭くなっており、周辺部位(外周部位)15で、中央部位13よりも広くなっている。
【0029】
中央部位13とは、覗き見防止フィルム1aをこの厚さ方向から見たときに、各基材3,9と観察部5と壁部7(覗き見防止フィルム1a)の中央部のところ(
図2(a)に破線で示す矩形な四角形11の内側)の部位である。周辺部位15とは、覗き見防止フィルム1をこの厚さ方向から見たときに、各基材3,9と観察部5と壁部7(覗き見防止フィルム1a)の周辺部のところ(
図2(a)に破線で示す矩形な四角形11の外側)の「ロ」字状の部位である。なお、
図2では、図を見やすくするために、壁部7のハッチングをしていない。
【0030】
図2(a)で示す覗き見防止フィルム1aの中央部位13では、壁部7の幅が、観察部5の縦寸法や横寸法よりも小さくなっている。覗き見防止フィルム1aの中央部位13では、壁部7の幅が観察部5の縦寸法や横寸法とほぼ等しくなっているが、壁部7の幅が観察部5の縦寸法や横寸法よりも大きくなっていてもよいし、壁部7の幅が観察部5の縦寸法や横寸法よりも小さくなっていてもよい。
【0031】
また、
図2で示す覗き見防止フィルム1aで、各基材3,9と観察部5と壁部7との周辺部のところ(周辺部位)15を、各基材3,9と観察部5と壁部7との中央部のところ(中央部位)13から、破線11のところで切断して離すことで、
図1で示す覗き見防止フィルム1を得ることができる。換言すれば、
図2で示す覗き見防止フィルム1aの中央部位13が、
図1で示す覗き見防止フィルム1になる。
【0032】
図1(a)で示す覗き見防止フィルム1は、壁部7のところで上記切断がなされているが、
図1(c)で示すように、観察部5を含んだ態様で上記切断がなされていてもよい。
【0033】
また、
図1、
図2等では、図を見やすくするために、観察部5や壁部7を大きく描いてあるので、観察部5の数が少なくなっているが、実際の覗き見防止フィルム1(1a)では、観察部5の数は、
図1、
図2等で示
すものに比べて相当に多くなっている。また、周辺部位15の面積と中央部位13の面積との比(周辺部位15の面積/中央部位13の面積)は、
図1、
図2等で示
すものに比べて相当に小さくなっている。
【0034】
図1で示す覗き見防止フィルム1が、前述したように、パソコンのLCD等の表示画面(表示装置の表示画面)に設置されて使用される。この設置がなされた状態では、覗き見防止フィルム1の厚さ方向(各基材3,9の厚さ方向)が、パソコンのLCD等の表示画面と直交しており、また、表示画面の全面を覗き見防止フィルム1が覆っている。そして、壁部7によって光が遮られ、表示画面の視野角が狭まるようになっている。
【0035】
なお、図
2で示す覗き見防止フィルム1aを、パソコンのLCD等の表示画面に設置してもよい。この場合、LCD等の表示画面の全面を中央部位13が覆い、周辺部位15は、表示画面の外側に位置するようになる。
【0036】
次に、覗き見防止フィルム1(1a)の製造方法について説明する。
【0037】
覗き見防止フィルム1aは、観察部生成工程と第2の基材設置工程と被成形物設置工程と壁部生成工程とを経て製造される。また、切断工程を経る場合もある。
【0038】
観察部生成工程は、光を透過する材料で構成された第1の基材3の厚さ方向の一方の面に、お互いが僅かに離れている多数の透明な観察部5を生成する工程である。
【0039】
ここで、観察部生成工程について例を掲げて詳しく説明する。
【0040】
まず、
図3で示すように、第1の基材3に、光(可視光)を透過する材料(透明な材料)で構成された第1の被成形物(透明な未硬化の紫外線硬化樹脂)17を薄く膜状に設ける(第1の被成形物設置工程)。第1の基材3に設置された第1の被成形物17は、第1の基材3の厚さ方向の一方の面の全面を覆っている。
【0041】
第1の被成形物設置工程で第1の被成形物17を設けた後、型19を用いて観察部5を生成する(観察部生成工程)。型19は、平板状に形成されており、厚さ方向の一方の面に、微細な凹凸で形成されている転写パターンが形成されている。観察部生成工程では、上記転写パターンを第1の被成形物17に転写することで、第1の基材3の厚さ方向の一方の面に、お互いが僅かに離れている多数の微細な観察部(硬化した被成形物17で形成された透明な観察部)5が生成される。
【0042】
さらに説明すると、
図3に示す状態から、転写パターンが下方に形成されている型19を下方に移動して、
図4で示すように、型19で第1の基材3と第1の被成形物17とを押圧する。換言すれば、型19と第1の基材3とで第1の被成形物17を挟み込む。
【0043】
このとき、型19(型19の下端)と第1の基材3(第1の基材3の上面)とがお互いに接している(
図7で示すように、ごく僅かに離れている場合もあるが、この場合には、ごく僅かな隙間に被成形物17が入り込んでいる)。また、型19の微細な凹部に未硬化の第1の被成形物17が隙間無く入り込んでいる。いずれにしても、型19と第1の基材3との間の空間は、第1の被成形物17で隙間なく充填されている。
【0044】
押圧は、円柱状もしくは円筒状に形成されているローラ21で型19を押すことでなされる。ローラ21は、回転しつつ移動することで、型19を押すようになっている。また、紫外線生成装置23が発した紫外線が、ローラ21の押圧部のところで、第1の被成形物17に照射され、第1の被成形物17が硬化するようになっている。
【0045】
型19を第1の基材3と硬化した第1の被成形物17から離すことで、
図5で示すように、第1の基材3に観察部5が転写されて生成される。
【0046】
なお、第1の被成形物設置工程を無くして、代わりに、ドライフィルムフォトレジストを用いてもよい。詳しく説明すると、平板状の第1の基材3に第1の被成形物17を設けこの第1の被成形物17に型19を用いて観察部5を生成する代わりに、ドライフィルムフォトレジストの感光性樹脂(第1の被成形物17に相当)に、型19を用いて観察部5を生成してもよい。ドライフィルムフォトレジストとは、光によって固まる感光性樹脂(レジスト層)がポリエチレンとポリエステル等のフィルムによってサンドウィッチされているフィルムである。型19を用いた観察部5の生成は、たとえば、ドライフィルムフォトレジストの一方のフィルムを除去してなされる。さらに、エッチング等の他の方法を用いて観察部5を生成してもよい。
【0047】
第2の基材設置工程は、観察部生成工程で観察部5を生成した後、第2の基材9の厚さ方向の一方の面が観察部5に対向し(接触し)、第1の基材3と協働して各観察部5を挟み込むように、光を透過する材料で構成された第2の基材9を設ける工程である(
図6参照)。
【0048】
被成形物設置工程(第2の被成形物設置工程)は、観察部生成工程で観察部5を生成した後、各観察部5の間の間隙に、未硬化のたとえば不透明な被成形物(第2の被成形物)25を設ける工程である。
【0049】
第2の被成形物25は、たとえば、黒色等の顔料を含む未硬化の紫外線硬化樹脂等の不透明な材料(光を透過しない材料;光の透過率が極めて低いものを含む)で構成されている。
【0050】
なお、第2の基材設置工程は被成形物設置工程よりも先になされるのであるが、
図8(a)、(b)で示すように、被成形物設置工程が第2の基材設置工程よりも先になされてもよい。
【0051】
第2の基材設置工程で第2の基材9を設けた後に、被成形物設置工程で被成形物25を設ける場合、被成形物設置工程では、真空引きによって被成形物25を設ける(
図6参照)。
【0052】
各観察部5の間の間隙(観察部5の生成後に壁部7が生成される部位)は、
図6等で示すように、つながって連続して形成されている。これによって、未硬化の第2の被成形物25が流動し、各観察部5の間の間隙の全部の領域に入り込むようになっている。なお、
図6では、図を見やすくするために、第2の被成形物25の表示を省略してある。
【0053】
被成形物設置工程で、真空引きによって第2の被成形物25を設ける場合、
図6で示すように、観察部5が間に位置するようにして観察部5は挟んでいる各基材3,9の一方の側に、ノズル35を設置し、他方の側に真空吸引部37を設置する。
【0054】
そして、ノズル35から第2の被成形物25を吐出し、真空吸引部37で吸引することで、観察部5の間の格子状の間隙を
図6の左側から右側に向かって被成形物25が流れ、観察部5の間の格子状の間隙に、未硬化の第2の被成形物25を充填する。
【0055】
壁部生成工程は、第2の基材設置工程で第2の基材9を設け、被成形物設置工程で被成形物25を設けた後、被成形物25を中央部位13で硬化して不透明な壁部を生成する工程である。
【0056】
中央部位13での被成形物25の硬化が完了した後、周辺部位15で被成形物25を硬化する。なお、周辺部位15で被成形物25を必ずしも硬化させなくてもよく、放っておいて自然に硬化させてもよい。
【0057】
また、覗き見防止フィルム1(1a)をこの厚さ方向から見ると、各基材3,9同士はお互いが完全に重なっている。覗き見防止フィルム1(1a)の厚さは、たとえば、第1の基材3の厚さに、第1の基材3から柱状(たとえば四角柱状)に起立している観察部5の高さと、第2の基材9の厚さとを加えた値になっている。
【0058】
なお、壁部生成工程では、
図6(a)に示す破線11(
図2(a)の破線11と同様の破線)の内側を硬化するのであるが、このとき、破線11の外側で破線11を囲んでいる破線27(破線11の矩形よりも僅かに大きい矩形)の内側に、紫外線発生装置33(
図6(b)参照)が発した紫外線を照射する。これにより、中央部位13での被成形物25を確実に硬化させることができる。なお、破線11の内側にのみ紫外線を照射するようにしてもよい。
【0059】
破線27の内側にのみ紫外線を照射するために、
図6(b)で示すように、マスク31を設けられているが、マスク31に代えて、笠(図示せず)によって破線27の内側にのみ紫外線を照射するようにしてもよい。
【0060】
また、被成形物25が不透明であるので、
図6(b)で示すように、覗き見防止フィルムの厚さ方向の両側から紫外線を照射することが望ましい。
【0061】
さらに、
図6に二点鎖線で示すような線光源(紫外線の線光源)29によって、中央部位13の被成形物25を硬化するようにしてもよい。この場合、まず、
図6(a)の上下方向
に延びている線光源29を、
図6(a)の左右方向で中央部に位置させておき、続いて、線光源29を左側に移動し、中央部位13の左側の被成形物25を硬化し、続いて、線光源29を左右方向の中央部に戻し、線光源29を右側に移動し、中央部位13の右側の被成形物25を硬化する。
【0062】
または、
図6(a)の上下方向
に延びている線光源29を、
図6(a)の左端(破線27の領域内で左端)位置させておき、続いて、線光源29を右側に移動し、中央部位13の被成形物25を右から左に向かって順に硬化する。
【0063】
図2に示す覗き見防止フィルム1aをこの厚さ方向から見ると、前述したように、観察部5の間の間隙の幅が、中央部位13で狭くなっており、周辺部位15で中央部位13よりも広くなっている。
【0064】
観察部5の間の間隙の幅についてさらに説明する。覗き見防止フィルム1aをこの厚さ方向から見ると、中央部位13における観察部5のピッチ(お互いが隣接している観察部5の中心間の距離)と、周辺部位15における観察部5のピッチとはお互いに等しいが、中央部位13における観察部5の大きさ(1つの観察部5の大きさ)が、周辺部位15における観察部5の大きさ(1つの観察部5の大きさ)よりも大きくなっている。これにより、観察部5の間の間隙の幅が、中央部位13で狭く、周辺部位15で広くなっている。
【0065】
なお、上述したようにして観察部5の大きさを変えることに代えてもしくは加えて、観察部5のピッチを変え、観察部5の間の間隙の幅が、中央部位13で狭く、周辺部位15で広くなるようにしてもよい。
【0066】
また、周辺部位15において、観察部5の間の間隙の幅を必ずしも一定にする必要はなく、間隙の幅が変化していてもよい。たとえば、周辺部位15において、観察部5の間の間隙の一部を円形状(円柱状)等の形状にし、未硬化の被成形物25が溜る被成形物溜りとしてもよい。
【0067】
切断工程は、壁部生成工程で壁部7を生成した後、前述したように、周辺部位15を、中央部位13から切り離す工程である。
【0068】
覗き見防止フィルム1(1a)によれば、被成形物25を周辺部位15で硬化するよりも先に中央部位13で硬化して中央部位13に不透明な壁部7を生成するので、被成形物25を中央部位13で硬化するときに被成形物25の体積が減少しても、この減少分だけ未硬化の被成形物25が周辺部位15から中央部位13に流れ込むようになっている。
【0069】
これにより、中央部位13の被成形物25の硬化による収縮がおこっても、壁部(中央部位13に存在する壁部)7での欠陥の発生が無くなる。
【0070】
また、覗き見防止フィルム1(1a)によれば、観察部5の間の間隙の幅が中央部位13のところで狭くなっており周辺部位15のところで広くなっているので、周辺部位15で未硬化の被成形物25が流れる流路面積が大きくなっており、被成形物25を中央部位13で硬化するときに未硬化の被成形物25が周辺部位15から中央部位13に流れやすくなっている。
【0071】
これにより、壁部(中央部位13に存在する壁部)7での欠陥の発生を一層確実に無くすことができる。
【0072】
なお、覗き見防止フィルム1(1a)において、周辺部位15に観察部5を一切設けずに壁部7のみを設けた構成にすることも考えられる。しかし、成形時に周辺部位15では、型19の凸部が無いことでローラ21で型19を押圧すると中央部位13の周辺の観察部5のエッジに加わる荷重が大きくなり、中央部位13の周辺の観察部5が崩れてしまう等して、中央部位13の周辺で欠陥が発生しやすくなるという弊害がある。
【0073】
これに対して、覗き見防止フィルム1(1a)では、周辺部位15にも観察部5が設けられているので、成形時に周辺部位15にも型19の凸
部が有り、上記弊害が発生するおそれは無い。
【0074】
また、覗き見防止フィルム1(1a)によれば、観察部5を生成し第2の基材9を設置した後に、各観察部5と各
基材3,9とで囲まれた間隙内に被成形物25を注入して壁部7を形成するので、第2の基材9と観察部5との間に壁部7を構成する被成形物25が入り込むおそれを完全に無くすことができ、覗き見防止フィルム1(1a)の製造における歩留まりを良くすることができる。
【0075】
さらに、真空引きによって第2の被成形物25を設けるようにすれば、観察部5間の間隙に隙間なくしかも
速く、第2の被成形物25を充填することができ、覗き見防止フィルムを1(1a)効率良く製造することができる。
【0076】
また、覗き見防止フィルム1によれば、壁部生成工程で壁部7を生成した後、周辺部位15を、各基材3,9の中央部位13から切り離すので、壁部7に欠陥が生成されているおそれのある周辺部位15を廃棄することができ、壁部7に欠陥が一切生成されていないもの(中央部位13)を製品として得ることができる。
【0077】
ところで、型19を用いて観察部5を生成したとき、
図7で示すように、観察部5に残膜(型19での第1の被成形物17の成形時に生成される残膜)39が形成されていてもよい。すなわち、覗き見防止フィルム1(1a)において、観察部5が、第1の基材3側で、所定の僅かな厚さの部位39を介してお互い連続していてもよい。
【0078】
また、覗き見防止フィルム1(1a)において、
図9に示すように、各基材3,9の周辺部のところ(周辺部位)15における観察部5の間の間隙の幅(壁部7の幅)が、各基材3,9の中央部のところ(中央部位)13から離れるにしたがってしだいに広く(グラデーション状態で広く)なっていてもよい。たとえば、周辺部位15において、観察部5の設置密度(単位面積あたりの設置個数)を一定に維持しておいて、
図9の左右方向、上下方向の少なくともいずれかにおける観察部5の寸法をしだいに小さくしてもよい。なお、観察部5の間の間隙の幅(壁部7の幅)が、しだいに広くなるのであれば、観察部5の設置密度を若干変更してもよい。また、周辺部位15における観察部5の形状を矩形状ではなく、円形や楕円状等の他の形状に変更してもよい。なお、楕円状に形成した場合には、楕円の長軸方向が被成形物25の流れ方向とほぼ一致していることが望ましい。
【0079】
これにより、被成形物25を中央部位13で硬化するときに未硬化の被成形物25が周辺部位15から中央部位13に流れる場合の流れの抵抗が少なくなって、未硬化の被成形物25がさらに流れやすくなり、壁部(中央部位13に存在する壁部)7での欠陥(微小な空隙)の発生をさらに一層確実に無くすことができるとともに、上述した中央部位13の周辺での欠陥(観察部5の崩れ等による欠陥)の発生を回避することができる。