特許第5898654号(P5898654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5898654
(24)【登録日】2016年3月11日
(45)【発行日】2016年4月6日
(54)【発明の名称】腰壁パネルフレーム固定構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/00 20060101AFI20160324BHJP
【FI】
   E04B1/00 501J
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-163836(P2013-163836)
(22)【出願日】2013年8月7日
(65)【公開番号】特開2015-31133(P2015-31133A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2014年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】清水 智代
(72)【発明者】
【氏名】扇澤 紀幸
(72)【発明者】
【氏名】市岡 大幸
【審査官】 渋谷 知子
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−054406(JP,U)
【文献】 特開2012−117322(JP,A)
【文献】 実開平03−004803(JP,U)
【文献】 特開昭64−021134(JP,A)
【文献】 特開平08−218487(JP,A)
【文献】 特開平06−123129(JP,A)
【文献】 特開2011−012535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00
E04B 2/56
E04B 2/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁に固定される躯体側プレートと当該躯体側プレートから外向きに張り出す取付側プレートとからなり、上記取付側プレートの下部側には左右両側に突起部が設けられる一方、上記突起部よりも上側で締結部材が装着される腰壁パネルフレーム固定部材と、
取付面部の下部側には上記突起部が係合される下向きに開口する切欠きが形成される一方、上記切欠きよりも上側で上記締結部材が装着される腰壁接合部材と、
下部側には上記突起部が係合される下向きに開口する切欠きが形成される一方、上記切欠きよりも上側で上記締結部材が装着される腰壁パネルフレームと、を備え、
上記梁が交差して外壁の入隅をなす箇所に上記腰壁接合部材が位置しており、上記腰壁接合部材には2つの上記取付面部が交差配置されており、
上記躯体側プレートには、上記梁に固定されるための装着部が形成されており、当該装着部は上記取付側プレートを境に上記取付面部から遠い側の片側に位置していることを特徴とする腰壁パネルフレーム固定構造。
【請求項2】
請求項1に記載の腰壁パネルフレーム固定構造において、上記躯体側プレートは上記梁の外側で上フランジと下フランジの両方に接合された梁取合い部材によって上記梁に固定されることを特徴とする腰壁パネルフレーム固定構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の腰壁パネルフレーム固定構造において、上記腰壁接合部材には、少なくとも上記締結部材の装着箇所を補強する補強板が設けられていることを特徴とする腰壁パネルフレーム固定構造。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の腰壁パネルフレーム固定構造において、上記腰壁接合部材は、凸角部をなす曲げ板部材と凹角部をなす曲げ板部材とが、天板および補強板によって溶接固定されてなることを特徴とする腰壁パネルフレーム固定構造。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の腰壁パネルフレーム固定構造において、上記取付側プレートの上方であって上記腰壁パネルフレームと上記腰壁接合部材と間に、スペーサーが設けられていることを特徴とする腰壁パネルフレーム固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、腰壁パネルのフレームを躯体に固定する腰壁パネルフレーム固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、壁面を形成する壁パネルと壁パネルがコーナーパネルを介して接続されるバルコニーのコーナーパネル接続構造であって、コーナーパネルと当接する壁パネルの端部には、断面略U字形状になされた受け具が取り付けられ、前記コーナーパネルは型材で成形され、型材の断面形状は両端部が略直交するようになされ、端部には壁パネルとそれぞれ当接する壁パネル当接面が形成され、前記コーナーパネルが前記壁パネル当接面で前記受け具を介して壁パネルに接続されている構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−132090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術は、バルコニーの梁に腰壁パネルフレームを取り付ける際の作業性を向上できるものではなかった。
【0005】
この発明は、上記の事情に鑑み、梁に腰壁パネルフレームを取り付ける際の作業性を向上できる腰壁パネルフレーム固定構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の腰壁パネルフレーム固定構造は、上記の課題を解決するために、梁に固定される躯体側プレートと当該躯体側プレートから外向きに張り出す取付側プレートとからなり、上記取付側プレートの下部側には左右両側に突起部が設けられる一方、上記突起部よりも上側で締結部材が装着される腰壁パネルフレーム固定部材と、取付面部の下部側には上記突起部が係合される下向きに開口する切欠きが形成される一方、上記切欠きよりも上側で上記締結部材が装着される腰壁接合部材と、下部側には上記突起部が係合される下向きに開口する切欠きが形成される一方、上記切欠きよりも上側で上記締結部材が装着される腰壁パネルフレームと、を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記の構成であれば、上記梁に取り付けられた上記腰壁パネルフレーム固定部材を介して上記腰壁接合部材と上記腰壁パネルフレームとが、その下側では上記切欠きに上記突起部を係合させ、この突起部の上側では上記締結部材で固定されるので、上記梁に上記腰壁パネルフレームを取り付ける際の作業性が向上する。また、上記腰壁パネルフレームおよび上記腰壁接合部材に形成された切欠きに、上記取付側プレートの左右両側に設けられた上記突起部が係合するので、上記腰壁パネルフレームの重量を上記腰壁パネルフレーム固定部材で受け止めることができる。また、上記腰壁パネルフレームに加わる水平力(風圧力)を、上記切欠きと突起部を介して上記腰壁パネルフレーム固定部材が受け止めることができる。
【0008】
上記躯体側プレートは上記梁の外側で上フランジと下フランジの両方に接合された梁取合い部材によって上記梁に固定されていてもよい。これによれば、上記梁取合い部材を介して上記腰壁パネルフレーム固定部材が梁に固定されるので、上記腰壁パネルフレームの取り付けの剛性が向上する。
【0009】
柱の隣り合う2面の各々に上記梁が固定されており、上記柱の対角線上に上記腰壁接合部材が位置しており、上記腰壁接合部材には2つの上記取付面部が交差配置されていてもよい。これによれば、腰壁のコーナー箇所において上記腰壁パネルフレームの取り付けの作業性が向上する。
【0010】
上記躯体側プレートには、上記梁に固定されるための装着部が形成されており、当該装着部は上記取付側プレートを境に上記取付面部から遠い側の片側に位置していてもよい。これによれば、上記腰壁パネルフレーム固定部材の上記梁への装着が容易になる。
【0011】
上記腰壁接合部材には、少なくとも上記締結部材の装着箇所を補強する補強板が設けられていてもよい。これによれば、上記締結部材による締め込みで上記腰壁接合部材が変形するといった事態を防止することができる。特に、上記のように、上記腰壁パネルフレーム固定部材において上記装着部が片側に位置するために上記変形を生じさせる力が上記装着箇所に加わり易くなる場合でも、上記補強板によって上記腰壁接合部材の変形が防止される。
【0012】
上記取付側プレートの上方であって上記腰壁パネルフレームと上記腰壁接合部材と間に、スペーサーが設けられていてもよい。これによれば、上記取付側プレートの厚みによる上記腰壁パネルフレームと上記腰壁接合部材の取付面部との間隔を、上記取付側プレートの上方の位置でも確保することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明であれば、梁に腰壁パネルフレームを取り付ける際の作業性を向上できる等の諸効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態にかかる腰壁パネルフレーム固定構造を示した説明図である。
図2図1の腰壁パネルフレーム固定構造のa−a矢視の概略断面図(ハッチングを省略している)である。
図3図1の腰壁パネルフレーム固定構造のb−b矢視の概略断面図(ハッチングを省略している)である。
図4】同図(A)は図1の腰壁パネルフレーム固定構造の腰壁接合部材の平面図であり、同図(B)は同腰壁接合部材の正面図である。
図5】同図(A)は図1の腰壁パネルフレーム固定構造の腰壁パネルフレーム固定部材の正面図であり、同図(B)は同腰壁接合部材の側面図であり、同図(C)は同腰壁接合部材の平面図である。
図6図1の腰壁パネルフレーム固定構造の取付側プレートの下部側に設けられた突起部を示した説明図である。
図7図1の腰壁パネルフレーム固定構造の一部を拡大して示した説明図である。
図8】本発明の腰壁パネルフレーム固定構造の変形例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この実施形態の腰壁パネルフレーム固定構造は、例えば、バルコニー腰壁のコーナー部となる入隅部において構築されている。
【0016】
図1図2および図3に示すように、上記腰壁パネルフレーム固定構造は、腰壁パネル1と、例えばH型鋼からなる梁3に固定される躯体側プレート21とこの躯体側プレート21に直交して外向きに張り出すように接合された取付側プレート22とからなる腰壁パネルフレーム固定部材2と、角筒状の形状を有し、2つの取付面部51が交差配置されている腰壁接合部材5と、を備える。
【0017】
上記梁3は、柱6の外側の隣り合う2面の各々に固定されている。そして、上記柱6の対角線上の外側の位置に上記腰壁接合部材5が位置している。
【0018】
上記腰壁接合部材5は、図3に示しているように、上記柱6の上記対角線上において当該柱6の角に対向する凸角部を有する一方、上記取付面部51が交差する側の箇所(上記凸角部の対角線位置)に凹角部を有している。この凹角部には止水部材91が設けられている。そして、2枚の上記腰壁パネル1が、それらの端部を上記止水部材91に接するとともに各取付面部51に対向させて交差状に設けられる。なお、上記止水部材91の外側となる上記2枚の腰壁パネル1の端部間にも止水部材が設けられている。
【0019】
また、上記腰壁接合部材5は、例えば、図4にも示すように、上記凸角部をなす曲げ板部材5Aと上記凹角部をなす曲げ板部材5Bとが、2枚の補強板5Cおよび天板5Dによって溶接固定される。また、上記腰壁接合部材5の各取付面部51の上部側には、締結部材であるボルト82を装着するための孔51aが形成されており、この孔51aの形成箇所の裏面にナット51cが溶接等によって固定されている。また、上記腰壁接合部材5の各取付面部51の下部側には、下向きに開口する切欠き51bが形成されている。上記2枚の補強板5Cのうち上側に位置する補強板5Cは、上記ボルト82の装着箇所となる上記ナット51cの近くに設けられており、当該装着箇所を補強する。上記2枚の補強板5Cのうち下側に位置する補強板5Cは、上記切欠き51bの近くに設けられている。
【0020】
上記腰壁パネル1は、図3等に示されているように、そのフレーム11の表側に外壁面材12がビス13等によって固定された構造を有する。また、上記ボルト82が設けられる上記フレーム11の縦フレームの箇所と、上記切欠き11aが形成される上記縦フレームの箇所には、外側に凸となって上記取付側プレート22に接する突出面部が形成されている。上記突出面部は例えばプレス加工によって形成することができる。
【0021】
上記腰壁パネルフレーム固定部材2は、梁取合い部材4に固定されている。この梁取合い部材4は、上記梁3の外側の上フランジ31と下フランジ32の両方に例えば溶接等によって接合されている。また、上記梁取合い部材4には例えば1列で2個のボルト挿通孔が形成されている。
【0022】
そして、上記腰壁パネルフレーム固定部材2の上記躯体側プレート21にも例えば1列で2個のボルト挿通孔21aが形成されている(図5参照)。そして、上記取付側プレート22は上記躯体側プレート21の左右方向中央位置よりも上記腰壁接合部材5に近い位置に接合されており、上記ボルト挿通孔21aは上記躯体側プレート21の左右方向中央位置よりも上記腰壁接合部材5から遠い片側位置だけに形成されている。上記ボルト挿通孔21aに通されたボルト81を上記梁取合い部材4の裏面側のナットに螺合させることで、上記腰壁パネルフレーム固定部材2が上記梁3に固定される。
【0023】
なお、上記梁3の外側縁から上記腰壁パネル1までの間隔は、例えば10mmとなっており、この隙間に配置される上記躯体側プレート21の厚みが例えば6mmに設定されていることから、上記ボルト81は皿頭ボルトとされ、頭部が躯体側プレート21の面から出ないようにしている。また、例えば、上記腰壁パネルフレーム固定部材2における上記取付側プレート22の厚みは、例えば9mmとされている。また、上記取付側プレート22は、上記梁取合い部材4の高さよりも高くされている。
【0024】
図5(A)、図5(B)および図5(C)に示すように、上記取付側プレート22の上部側には、挿通孔22aが形成されている。この挿通孔22aには上記ボルト82が挿通される。また、上記取付側プレート22の下部側には左右両側に突起部22bが形成されている。なお、図5では図3における上記腰壁接合部材5の左側に配置される取付側プレート22を示しているが、上記腰壁接合部材5の右側に配置される取付側プレート22については、図5の構造に対して左右反転した構造を有することになる。
【0025】
図6に示しているように、上記取付側プレート22の下部側には螺子孔22cが形成されており、この螺子孔22cに頭無しで中央部にのみねじ部が形成された頭無しボルトが螺合される。この頭無しボルトにより、上記取付側プレート22の左右両面に突出する上記突起部22bが形成される。もちろん、上記突起部22bが上記頭無しボルトで作製されることに限られるものではない。
【0026】
図7に示しているように、一個の腰壁パネルフレーム固定部材2の例えば左側に上記腰壁パネル1のフレーム11の縦フレームが位置する。この縦フレームの下端には下向きに開口する切欠き11aが形成されており、この切欠き11aが上記両面に突出する突起部22bの一方に係合する。また、上記一個の腰壁パネルフレーム固定部材2の右側に上記腰壁接合部材5が位置する。そして、この腰壁接合部材5の一つの取付面部51の下部側に形成されている上記切欠き51bが上記両面に突出する突起部22bの他方に係合する。
【0027】
同様に、他の一個の腰壁パネルフレーム固定部材2の例えば右側に上記腰壁パネル1のフレーム11の縦フレームが位置する。この縦フレームの下端には下向きに開口する切欠き11aが形成されており、この切欠き11aが上記両面に突出する突起部22bの一方に係合する。また、上記一個の腰壁パネルフレーム固定部材2の左側に上記腰壁接合部材5が位置する。そして、この腰壁接合部材5の一つの取付面部51の下部側に形成されている上記切欠き51bが上記両面に突出する突起部22bの他方に係合する。
【0028】
ここで、例えば、上記2つの腰壁パネルフレーム固定部材2を上記梁取合い部材4に上記ボルト82によって留め付け、上記2個の腰壁パネルフレーム固定部材2の間に上から上記腰壁接合部材5を入れて上記突起部22bに上記切欠き51bを係合させる。そして、上記腰壁パネル1を、その切欠き11aが上記突起部22bの他方の側に係合するようにセットし、上記ボルト82を、上記フレーム11に形成された孔11bと、上記取付側プレート22の上部側に形成された上記挿通孔22aと、上記腰壁接合部材5の上部側に形成された孔51aとに通し、当該ボルト82を上記ナット51cに螺合させる。これにより、上記腰壁パネル1と上記腰壁接合部材5とが上記腰壁パネルフレーム固定部材2を介して上記梁3に固定される。上記ボルト82は、例えば、上記フレーム11における上側の横フレームの端部に形成されている隙間部から挿入され、当該隙間部から挿入される工具にて締めつけることができる。
【0029】
図8に示すように、上記腰壁パネル1の高さを高くして上端部に上向きに開口する切欠き11cを形成し、同様に上記腰壁接合部材5において上記ナット51cよりも上側の高さを高くし、各取付面部51の上端部に上向きに開口する切欠き51dを形成してもよい。そして、上記腰壁パネル1のフレーム11における縦フレームと各取付面部51の間にスペーサー7を設ける。このスペーサー7の厚さは上記取付側プレート22の厚さと同じにすることができる。また、上記スペーサー7には図示しない螺子孔が形成されており、この螺子孔に頭無しで中央部にのみねじ部が形成された頭無しボルトが螺合される。この頭無しボルトにより、上記スペーサー7の左右両面に突出する突起部71が形成される。上記突起部71の一方を上記切欠き11cに係合させ、上記突起部71の他方を上記切欠き51dに係合させることで、上記腰壁パネル1と上記腰壁接合部材5との上端側での連結を行うことが可能になる。また、上記スペーサー7によって、上記腰壁パネル1と上記腰壁接合部材5との下部側から上端側での間隔を一定にすることができる。なお、上記突起部71による係合構造ではなく、ボルト締結構造を採用することもできる。
【0030】
以上説明したように、上記梁3に取り付けられた上記腰壁パネルフレーム固定部材2を介して上記腰壁接合部材5と上記腰壁パネル1のフレーム11とが、その下側では上記切欠き11a,51bに上記突起部22bを係合させ、その上側では上記ボルト82で固定されるので、上記梁3に上記フレーム11を取り付ける際の作業性が向上する。また、上記フレーム11および上記腰壁接合部材5に形成された切欠き11a,51bに、上記取付側プレート22の左右両側に設けられた上記突起部22bが係合するので、上記フレーム11の重量を上記腰壁パネルフレーム固定部材2で受け止めることができる。また、上記フレーム11に加わる水平力(風圧力)を、上記切欠き11a,51bと突起部22bを介して上記腰壁パネルフレーム固定部材2で受け止めることができる。
【0031】
上記躯体側プレート21が上記梁3の外側で上フランジ31と下フランジ32の両方に接合された上記梁取合い部材4によって上記梁3に固定されていると、上記梁取合い部材4を介して上記腰壁パネルフレーム固定部材2が梁3に固定されるので、上記フレーム11の取り付けの剛性が向上する。
【0032】
上記柱6の隣り合う2面の各々に上記梁3が固定されており、上記柱6の対角線上に上記腰壁接合部材5が位置しており、上記腰壁接合部材5に2つの上記取付面部51が交差配置されていると、腰壁のコーナー箇所において上記フレーム11の取り付けの作業性が向上する。
【0033】
上記躯体側プレート21に上記梁3に固定されるための装着部(ボルト挿通孔21a)が形成され、当該装着部が上記取付側プレート22を境に上記取付面部51から遠い側の片側に位置していると、上記腰壁パネルフレーム固定部材2の上記梁3への固定が容易になる。
【0034】
上記腰壁接合部材5に少なくとも上記ボルト82の装着箇所(ナット51c)を補強する補強板5Cが設けられていると、上記ボルト82による締め込みで上記腰壁接合部材5が変形するといった事態を防止することができる。特に、上記のように、上記腰壁パネルフレーム固定部材2において上記装着部(ボルト挿通孔21a)が片側に位置するために上記変形を生じさせる力が上記装着箇所(ナット51c)に加わり易くなる場合でも、上記補強板5Cによって上記腰壁接合部材5の変形が防止される。
【0035】
上記取付側プレート22の上方であって上記フレーム11と上記腰壁接合部材5と間に、スペーサー7が設けられていると、上記取付側プレート22の厚みによる上記フレーム11と上記腰壁接合部材5の取付面部51との間隔を、上記取付側プレート22の上方の位置でも確保することができる。
【0036】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 腰壁パネル
11 フレーム(腰壁パネルフレーム)
11a 切欠き
11b 孔
11c 切欠き
2 腰壁パネルフレーム固定部材
21 躯体側プレート
21a ボルト挿通孔(装着部)
22 取付側プレート
22a 挿通孔
22b 突起部
3 梁
31 上フランジ
32 下フランジ
4 梁取合い部材
5 腰壁接合部材
51 取付面部
51c ナット(装着箇所)
51b 切欠き
5C 補強板
82 ボルト(締結部材)
6 柱
7 スペーサー
71 突起部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8