特許第5898660号(P5898660)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルストム テクノロジー リミテッドの特許一覧

特許5898660亜硫酸塩センサヘッドのクリーニング及び研削
<>
  • 特許5898660-亜硫酸塩センサヘッドのクリーニング及び研削 図000002
  • 特許5898660-亜硫酸塩センサヘッドのクリーニング及び研削 図000003
  • 特許5898660-亜硫酸塩センサヘッドのクリーニング及び研削 図000004
  • 特許5898660-亜硫酸塩センサヘッドのクリーニング及び研削 図000005
  • 特許5898660-亜硫酸塩センサヘッドのクリーニング及び研削 図000006
  • 特許5898660-亜硫酸塩センサヘッドのクリーニング及び研削 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5898660
(24)【登録日】2016年3月11日
(45)【発行日】2016年4月6日
(54)【発明の名称】亜硫酸塩センサヘッドのクリーニング及び研削
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/28 20060101AFI20160324BHJP
   G01N 27/38 20060101ALI20160324BHJP
【FI】
   G01N27/28 341A
   G01N27/38 355
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-190564(P2013-190564)
(22)【出願日】2013年9月13日
(65)【公開番号】特開2014-55954(P2014-55954A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2013年9月13日
(31)【優先権主張番号】61/700,459
(32)【優先日】2012年9月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/871,823
(32)【優先日】2013年4月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503416353
【氏名又は名称】アルストム テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】リカード ホカンソン
【審査官】 櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭52−147089(JP,U)
【文献】 特開平10−288592(JP,A)
【文献】 特開2008−134258(JP,A)
【文献】 特表2009−524045(JP,A)
【文献】 特開2007−114216(JP,A)
【文献】 特開2011−141168(JP,A)
【文献】 特開2009−092456(JP,A)
【文献】 実開昭52−147090(JP,U)
【文献】 実公昭45−023996(JP,Y1)
【文献】 実開昭60−048148(JP,U)
【文献】 特表平09−504376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/26−27/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体中に存在する特定の物質の検出及び測定用のセンサであって、
中央開口を取り囲む内縁部と、外縁部と、前記内縁部と前記外縁部との間に延びる平坦な上面とを有する基部と、
前記センサが浸漬される液体中に存在する特定の物質の検出及び測定用の、前記中央開口を取り囲む閉じた電極であって、前記基部の平坦な上面よりも上方に突出することで十分に露出されるように前記平坦な上面に固定された、非円形の形状又は非対称の形状を有する閉じた電極と、を備えることを特徴とする、センサ。
【請求項2】
前記基部は、プラスチック、ガラス又はセラミック材料から製造される、請求項1記載のセンサ。
【請求項3】
前記電極は、金属から製造される、請求項1記載のセンサ。
【請求項4】
前記電極は、銀、金、プラチナ又はそれらの組合せから製造される、請求項1記載のセンサ。
【請求項5】
前記電極は、長円形又は楕円形である、請求項1記載のセンサ。
【請求項6】
前記電極は、方形である、請求項1記載のセンサ。
【請求項7】
前記電極は、波形である、請求項1記載のセンサ。
【請求項8】
前記特定の物質は、亜硫酸塩である、請求項1記載のセンサ。
【請求項9】
前記液体は、水である、請求項1記載のセンサ。
【請求項10】
液体中に存在する特定の物質の検出及び測定用のセンサを使用する方法であって、
中央開口を取り囲む内縁部と、外縁部と、前記内縁部と前記外縁部との間に延びる平坦な上面とを有する基部と、前記基部の平坦な上面よりも上方に突出することで十分に露出されるように前記平坦な上面に固定された、非円形の形状又は非対称の形状を有する、前記中央開口を取り囲む閉じた電極とを備えるセンサを、液体中に存在する特定の物質の検出及び測定のために液体に浸漬し、
回転するセラミックストーンを使用して前記電極から残渣を定期的にクリーニングすることを特徴とする、方法。
【請求項11】
前記基部は、プラスチック、ガラス又はセラミック材料から製造される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記電極は、金属から製造される、請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記電極は、銀、金、プラチナ又はそれらの組合せから製造される、請求項10記載の方法。
【請求項14】
前記電極は、長円形又は楕円形である、請求項10記載の方法。
【請求項15】
前記電極は、方形である、請求項10記載の方法。
【請求項16】
前記電極は、波形である、請求項10記載の方法。
【請求項17】
前記特定の物質は、亜硫酸塩である、請求項10記載の方法。
【請求項18】
前記液体は、水である、請求項10記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願とのクロスリファレンス
本願は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる、「亜硫酸塩センサヘッドのクリーニング及び研削」という名称の、2012年9月13日に出願された、米国特許仮出願第61/700459号明細書の利益を請求する。
【0002】
発明の分野
本発明は、亜硫酸塩センサヘッドをクリーニング及び研削するための方法及び装置、特に電極変形及びその結果としてのセンサ信号形成における変化を低減又は排除する、亜硫酸塩センサ電極をクリーニング及び研削するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
液体中の特定の物質の存在を測定するために使用されるセンサは、通常、金属電極を使用する。センサ使用の期間にわたって、これらの電極は周期的にクリーニングされなければならない。今日、センサ電極のクリーニングは、回転するセラミック製のクリーニング及び研削「ストーン」を使用して行われる。クリーニングされる電極は、プラスチック基部に定着された比較的薄い金属のリングである。電極をクリーニングするために、回転するセラミックストーンの平坦な面が、プラスチック基部の表面を超えて延びる露出した電極リング面と接触させられる。これにより、セラミックストーンの回転が、電極リングの露出した面から残渣を除去する。次第に、電極リングは摩耗し、セラミックストーンも摩耗する。セラミックストーンが摩耗すると、前は平坦であったその表面に、溝が形成される。電極をクリーニングするためにこのような摩耗したセラミックストーンを使用すると、セラミックストーンの表面に形成された溝は、セラミックストーンの研削及びクリーニング能力を変化させる。その結果、電極の有効な研削及びクリーニングに欠陥が生じる。摩耗したセラミックストーンによって電極をクリーニング及び研削する際、電極は、電極が定着させられている隣接するプラスチック基部の表面の一部の上に「こすりつけられる」若しくは変形させられる。電極のこのこすりつけ若しくは変形は、電極の表面積及び機能を変化させる。これにより、電極変形は、電極の信号形成能力に欠陥を生じさせる。電極信号形成の欠陥は、不正確な検出を生じるため許容できないので、電極と、クリーニング及び研削のためのセラミックストーンとは、頻繁に交換されなければならない。
【0004】
頻繁な電極及びセラミックストーンの交換に関連する資本コスト及び運転コストにより、改良の必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の概要
本発明の課題は、溝を形成するセラミックストーン摩耗及び電極変形を従来技術のものよりも低減することである。本発明の電極センサ及びセラミックストーン装置及び方法は、以下に説明するように、前記課題及びその他の課題を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
液体中の特定の物質の存在を測定するために有効な本発明のセンサは、例えばプラチナ、銀、金などの金属、又は同様の特性を有する別の金属から製造された電極を有する。金属電極は、プラスチック基部の平坦な面に、この平坦な面よりも上方へ突出して十分に露出されるように固定される。センサを製造する際、コストを考慮してプラスチック基部が好ましい。しかしながら、セラミック又はガラスなどのその他の材料を、同様に電極を固定するための基部として使用することができる。金属電極が定着させられる基部は、好ましくは従来技術のものと同じ寸法及び設計のものであり、それにより、関連する機器の変更を必要とすることなく既存の機器において従来技術のものと容易に交換可能である。
【0007】
基部に固定された電極は、長円形、楕円形、方形又はその他の非円形、又は非対称に固定された円形のものである。長円形、楕円形、方形又はその他の非円形、又は非対称に固定された円形の電極を有するセンサは、従来技術のセンサよりも改良された電極摩耗及び延長されたセンサ作動寿命を提供する。
【0008】
上記で簡単に述べたように、本発明のセンサは、例えば液体又はスラリ中のイオンの量又は水中の亜硫酸塩の量などの、液体中の物質の量を検出及び計量するために有効である。しかしながら、使用時、センサ電極の表面に残渣が堆積する。残渣の堆積により、適切かつ正確なセンサ作動及び機能を保証するために、電極は、電極からの残渣除去のためのクリーニングを必要とする。これにより、周期的に電極から残渣を除去するために、電極は、回転するセラミックストーンの比較的平らな若しくは平坦な接触面に接触させられる。回転するセラミックストーンは一般的に研削及びクリーニングストーンと称される。セラミックストーンとの接触は残渣をこすり取り、クリーンな電極表面を再び露出させる。本発明の電極は非円形であるか、又は円形である場合は非対称に固定されているので、電極と接触するセラミックストーンの平坦な面はより均一に摩耗され、この面における溝形成を減じる又は排除する。セラミックストーンの比較的平坦な接触面における溝形成を減じる又は排除することによって、セラミックストーンによってクリーニングされる金属電極の変形又は「こすりつけ」も同様に減じられる又は排除される。これにより、センサ及びセラミックストーン両者の有効作動寿命が著しく延長される。センサ及びセラミックストーン両者の有効作動寿命の延長は、センサ及びセラミックストーンに関連した資本コスト及び作動コストの両者を減じる。
【0009】
液体中に存在する特定の物質の検出及び測定用の本発明のセンサは、内縁部と、外縁部と、内縁部と外縁部との間に延びる上面とを有する基部を備え、前記センサが浸漬される液体中に存在する特定の物質の検出及び測定のために前記上面に非円形又は非対称的な電極が固定されている。センサ基部は、プラスチック、ガラス又はセラミック材料から製造される。センサ電極は、銀、金、プラチナなどの金属又はそれらの組合せから製造される。電極は、長円形、楕円形、方形又は波形などの非円形である。これに代えて、センサ基部に非対称に固定されるならば、円形の電極が使用されてよい。センサによって検出及び測定される特定の物質の一例は、水中に存在する亜硫酸塩又は、液体又はスラリ中に存在するイオンである。
【0010】
液体中に存在する特定の物質の検出及び測定用の本発明のセンサを使用する方法は、内縁部と、外縁部と、内縁部と外縁部との間に延びる上面とを有する基部と、前記上面における非円形の又は非対称に固定された電極とを備えるセンサを、液体中に存在する特定の物質の検出及び測定のために液体に浸漬し、回転するセラミックストーンを使用して電極から残渣を周期的にクリーニングすることを含む。この方法によれば、センサ基部は、プラスチック、ガラス又はセラミック材料から製造される。電極は、銀、金、プラチナなどの金属又はそれらの組合せから製造される。非円形の電極は、長円形、楕円形、方形又は波形である。これに代えて、センサ基部に非対称に固定されるならば、円形の電極が使用されてよい。センサによって検出及び測定される特定の物質の一例は、水中に存在する亜硫酸塩又は、液体又はスラリ中に存在するイオンである。
【0011】
本発明のセンサ電極をクリーニング及び研削する方法は、回転するアームの周囲の非円形の経路をセラミックストーンがたどるようにセラミックストーンを回転するアームに中心からずらして取り付け、接触面の減じられた摩耗又は溝状の摩耗の防止とともに、センサ電極から残渣をクリーニング及び研削するためにセンサ電極をセラミックストーンの接触面と接触させることを含む。
【0012】
本発明のその他の課題及び特徴が以下の説明及び請求項から明らかになるであろう。
【0013】
ここで添付した図面を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】従来技術の電極センサの斜視図である。
図2】従来技術の摩耗した回転するセラミックストーンの斜視図である。
図3図2の摩耗したセラミックストーンと接触させられた後の、図1の電極センサの斜視図である。
図4】本開示によるセンサの斜視図である。
図5】本開示によるセンサの別の実施の形態の斜視図である。
図6】本開示によるセンサの別の実施の形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細な説明
図1には従来のセンサ10が示されている。センサ10は、外側面22と内側面20とによって形成されたプラスチック基部12を有する。内側面20は、基部12を貫通する中央開口24を形成している。基部12の外側面22と内側面20との間に、上面26と、反対側の底面(図示せず)とが延びている。内縁部16は、上面26と内側面20との交差部を形成している。同様に、外縁部14は、上面26と外側面22との交差部を形成している。上面26には円形の電極18が固定されており、この電極18は、内縁部16と外縁部14との間に等間隔で対称的に配置されている。使用時、液体中に存在する特定の物質を検出及び計量するために、電極18は液体に浸漬される。このような使用において時間が経つと、電極18に残渣が堆積し、継続的な適切な作動及び使用のために電極18をクリーニングする必要がある。
【0016】
図2には、センサ10の電極などの電極18をクリーニング及び研削するために有効な従来のセラミックストーン40が示されている。セラミックストーン40は、基部44を有し、関連する機器(図示せず)の回転するアーム(図示せず)に取外し可能に取り付けるために前記基部44を開口46が貫通している。基部44における開口46の反対側には、突出した接触部材42が設けられている。突出した接触部材42は、平坦な接触面54を有する。
【0017】
センサ10の電極18をクリーニング及び研削するためにセラミックストーン40を使用する際、接触面54は、電極18と直接的に接触するように配置される。セラミックストーン40が回転する際、セラミックストーン40の前側縁部52はセンサ10の上面26の一部に沿って移動する。これにより、接触部材42の内縁部50は上面26の内縁部16上を回転する。同様に、接触部材42の外縁部48は上面26の外縁部14上を回転する。時間が経つと、接触面54が電極18と直接的に接触しながら接触部材42が上面26に沿って回転するので、接触面54が摩耗して溝56が形成される。接触面54が摩耗してそこに溝56が形成されると、電極18の適切なクリーニング及び研削に欠陥を生じさせる。
【0018】
図3に最もよく示されるように、センサ10は、摩耗して接触面54に溝56を有するセラミックストーン40によるクリーニング及び研削により、変形させられている。残渣を除去するための電極のクリーニング及び研削のために電極18と直接的に接触して、溝56を備えるセラミックストーン40が回転すると、電極18は溝56によって変形させられる。変形した状態の電極18は、基部12の部分上に「こすりつけられる」。これにより、電極18の表面積が変化させられ、電極18の適切な作動及び機能に欠陥が生じる。
【0019】
上記で説明されかつ図1から図3に示されたようなセラミックストーン40に対する摩耗及びその結果としての電極18の変形に関連した問題を解決するために、本発明の装置の実施の形態がここに開示され、図4に示される。図4に示された本発明の装置は、図1に示されたものと共通の特徴を有する。これにより、図1のものと共通の図4に示された特徴は、前に数字"4"を付した同じ番号を使用して示されている。
【0020】
図4にはセンサ410が示されている。センサ410は、外側面422と内側面420とによって形成されたプラスチック基部412を有する。内側面420は、基部412を貫通する中央開口424を形成している。基部412の外側面422と内側面420との間に上面426と、反対側の底面(図示せず)とが延びている。内縁部416は、上面426と内側面420との交差部を形成している。同様に、外縁部414は、上面426と外側面422との交差部を形成している。上面426には非円形の電極418が固定されており、この電極418は、内縁部416と外縁部414との間に変化する間隔をもって配置されている。使用時、液体中に存在する特定の物質を検出及び計量するために、電極418は液体に浸漬される。このような使用において時間が経つと、電極418に残渣が堆積し、継続的な適切な作動及び使用のために電極418をクリーニングする必要がある。
【0021】
センサ410の電極418をクリーニング及び研削するための方法においてセラミックストーン40を使用する際、接触面54は、電極418と直接的に接触するように配置される。セラミックストーン40が回転する際、セラミックストーン40の前側縁部52はセンサ410の上面426の一部に沿って移動する。これにより、接触部材42の内縁部50は上面426の内縁部416上を回転する。同様に、接触部材42の外縁部48は上面426の外縁部414上を回転する。非円形の電極418は、内縁部416と外縁部414との間に変化する間隔をおいて配置されているので、接触面54が電極418と直接的に接触しながら接触部材42が上面426に沿って回転する際、接触面54が摩耗して溝56が形成されることはない。内縁部416と外縁部414との間の間隔におけるこの変化は、電極418がセラミックストーン40の接触面54を摩耗させて溝56を形成することを減じる又は防止する。従って、電極418の適切なクリーニング及び研削が保たれ、セラミックストーン40の有効寿命が保たれ、作動寿命が引き延ばされる。
【0022】
図1から図3を参照して上記で説明されたようなセラミックストーン40に対する摩耗及びその結果としての電極18の変形に関連した問題を解決するための別の実施の形態がここに開示され、図5に例示されている。図5に示された本発明の装置は、図1に示されたものと共通の特徴を有する。これにより、図1のものと共通の図5に示された特徴は、前に数字"5"を付した同じ番号を使用して示されている。
【0023】
図5にはセンサ510が示されている。センサ510は、外側面522と内側面520とによって形成されたプラスチック基部512を有する。内側面520は、基部512を貫通する中央開口524を形成している。基部512の外側面522と内側面520との間に上面526と、反対側の底面(図示せず)とが延びている。内縁部516は、上面526と内側面520との交差部を形成している。同様に、外縁部514は、上面526と外側面522との交差部を形成している。上面526には非円形の電極518が固定されており、この電極518は、内縁部516と外縁部514との間に変化する間隔をおいて配置されている。使用時、液体中に存在する特定の物質を検出及び計量するために、電極518は液体に浸漬される。このような使用において時間が経つと、電極518に残渣が堆積し、継続的な適切な作動及び使用のために電極518をクリーニングする必要がある。
【0024】
センサ510の電極518をクリーニング及び研削するための方法においてセラミックストーン40を使用する際、接触面54は、電極518と直接的に接触するように配置される。セラミックストーン40が回転する際、セラミックストーン40の前側縁部52はセンサ510の上面526の一部に沿って移動する。これにより、接触部材42の内縁部50は上面526の内縁部516上を回転する。同様に、接触部材42の外縁部48は上面526の外縁部514上を回転する。非円形の電極518は、内縁部516と外縁部514との間に変化する間隔で配置されているので、接触面54が電極518と直接的に接触しながら接触部材42が上面526に沿って回転する際、接触面54が摩耗して溝56が形成されることはない。内縁部516と外縁部514との間の間隔におけるこの変化は、電極518がセラミックストーン40の接触面54を摩耗させて溝56を形成することを減じる又は防止する。従って、電極518の適切なクリーニング及び研削が保たれ、セラミックストーン40の有効寿命が保たれ、作動寿命が引き延ばされる。
【0025】
図1から図3を参照して上記で説明されたようなセラミックストーン40に対する摩耗及びその結果としての電極18の変形に関連した問題を解決するためのさらに別の実施の形態がここに開示され、図6に例示されている。図6に示された本発明の装置は、図1に示されたものと共通の特徴を有する。これにより、図1のものと共通の図6に示された特徴は、前に数字"6"を付した同じ番号を使用して示されている。
【0026】
図6にはセンサ610が示されている。センサ610は、外側面622と内側面620とによって形成されたプラスチック基部612を有する。内側面620は、基部612を貫通する中央開口624を形成している。基部612の外側面622と内側面620との間に上面626と、反対側の底面(図示せず)とが延びている。内縁部616は、上面626と内側面620との交差部を形成している。同様に、外縁部614は、上面626と外側面622との交差部を形成している。上面626には非円形の電極618が固定されており、この電極618は、内縁部616と外縁部614との間に変化する間隔で配置されている。使用時、液体中に存在する特定の物質を検出及び計量するために、電極618は液体に浸漬される。このような使用において時間が経つと、電極618に残渣が堆積し、継続的な適切な作動及び使用のために電極618をクリーニングする必要がある。
【0027】
センサ610の電極618をクリーニング及び研削するための方法においてセラミックストーン40を使用する際、接触面54は、電極618と直接的に接触するように配置される。セラミックストーン40は回転する際、セラミックストーン40の前側縁部52はセンサ610の上面626の一部に沿って移動する。これにより、接触部材42の内縁部50は上面626の内縁部616上を回転する。同様に、接触部材42の外縁部48は上面626の外縁部614上を回転する。非円形の電極618は、内縁部616と外縁部614との間に変化する間隔で配置されているので、接触面54が電極618と直接的に接触しながら接触部材42が上面626に沿って回転する際、接触面54が摩耗して溝56が形成されることはない。内縁部616と外縁部614との間の間隔におけるこの変化は、電極618がセラミックストーン40の接触面54を摩耗させて溝56を形成することを減じる又は防止する。従って、電極618の適切なクリーニング及び研削が保たれ、セラミックストーン40の有効寿命が保たれ、作動寿命が引き延ばされる。
【0028】
非円形の電極418,518,618は、内縁部416,516,616と外縁部414,514,614との間の電極418,518,618の配置される間隔を変化させるあらゆる形状であってよい。このような形状は、長円形、楕円形、正方形及び波形を含む。容易な製造、ひいてはコスト削減のために、より複雑でない形状及び形態が好ましい。これに代えて、センサ基部に非対称に固定されるならば、円形の電極が使用されてよい。このように、非対称に固定された円形の電極は、内縁部16と外縁部14との間に一定の等間隔を有するように固定されない。
【0029】
図1から図3を参照して上記で説明されたようなセラミックストーン40に対する摩耗及びその結果としての電極18の変形に関連した問題を解決するための別のアプローチは、関連する機器(図示せず)の回転するアーム(図示せず)への開口46を通じたセラミックストーン40の取付けを変更することである。これにより、セラミックストーン40は、回転するアーム(図示せず)に、中心からずれて取り付けられ、その周囲をオフセット回転する。セラミックストーン40はもはや円形の経路に沿って回転せず、オフセット回転により長円形の経路に沿って回転するので、溝56は形成されない。さらに説明するために、長円形の経路に沿ってセラミックストーン40を回転させることによって、電極18と接触面54との接触は一定ではなく、接触面54のより広い表面領域にわたって変動する。接触面54のより広い表面領域における接触は、接触面54における溝56の摩耗を減じる又は防止する。
【0030】
センサ電極をクリーニング及び研削する装置及び方法に関連して好適な実施の形態が示されかつ説明されたが、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、前記実施の形態に対して様々な変更が当業者によって加えられてもよい。従って、発明は例示的に説明されているのであって、添付の請求の範囲に従ってのみ限定されるということが理解される。
【符号の説明】
【0031】
10,410,510,610 センサ、 12,412,512,612 プラスチック基部、 14,414,514,614 外縁部、 16,416,516,616 内縁部、 18,418,518,618 電極、 20,420,520,620 内側面、 22,422,522,622 外側面、 24,424,524,624 中央開口、 26,426,526,626 上面、 40 セラミックストーン、 42 接触部材、 44 開口、 46 開口、 50 内縁部、 52 前側縁部、 54 接触面、 56 溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6