(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トリガ電極と放電電極とは、近接させた場合に、各電極間で放電が生じる可能性がある。従って、互いにある程度離間させる必要がある。ここで、従来の発光装置においては、トリガ電極がランプ筐体の本体部で接触しているため、当該接触位置から放電電極を遠ざける必要が生じる。しかしながら、ランプ筐体において放電電極を設置可能な領域は限られているにも関わらず、トリガ電極から遠ざけるためには、放電電極を相対的に小さくしなくてはならない。これにより、従来の発光装置では、ランプ筐体の全体的なサイズに比して、実際の放電領域が小さくなり、有効発光範囲を確保できないという問題があった。一方、放電電極を広く確保すると、トリガ電極と放電電極との間の放電の影響で、良好にランプの点灯ができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、良好なランプの点灯を可能とすると同時に、十分に広い有効発光範囲を確保できる発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発光装置は、内部に放電用ガスが封入され、光出射部を有するランプ筐体と、ランプ筐体の外表面上に設けられた放電電極と、ランプ筐体に形成され、当該ランプ筐体から外側へ向かって突出すると共に延在する管状部と、を備えるエキシマランプと、放電電極へ給電する給電部と、エキシマランプを支持するランプ支持部と、エキシマランプへトリガとなる電圧を印加するトリガ電極と、トリガ電極へ給電するトリガ給電部と、エキシマランプ、給電部、ランプ支持部、トリガ電極、及びトリガ給電部を収容する外部筐体と、を備え、トリガ電極は、管状部の外表面と点接触することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る発光装置によれば、エキシマランプは、外表面上に放電電極が設けられるランプ筐体を備えている。また、エキシマランプは、そのランプ筐体から外側へ向かって突出し、延在する管状部を備えている。管状部は、ランプ筐体から外側へ延在しているため、ランプ筐体の放電電極から十分な距離を確保することが可能である。トリガ電極は、このような管状部の外表面と点接触している。すなわち、ランプ筐体に設けられている放電電極の形状や大きさに関わらず、トリガ電極の接触部を放電電極から十分に離間させることが可能となる。これによって、トリガ電極と放電電極との間の放電を防止することでランプを良好に点灯可能とする一方で、ランプ筐体においては十分な範囲に放電電極を設けることができる。更に、点接触とすることで、電界を集中させ、一層良好にランプを点灯可能とする。以上によって、良好なランプの点灯を可能とすると同時に、十分に広い有効発光範囲を確保できる。
【0008】
本発明に係る発光装置において、トリガ電極は、管状部の延在方向と交差する方向に延び、先端部で管状部の外表面と点接触することが好ましい。このような構成とすることにより、トリガ電極の先端部にて、確実に管状部の外表面と点接触することができる。
【0009】
本発明に係る発光装置において、管状部の壁厚は、ランプ筐体の壁厚より小さいことが好ましい。管状部の壁厚を小さくすることで放電開始能力を高めることができる。一方で、ランプ筐体の壁厚を大きくすることで放電部分において高い強度(例えば、圧力に対する物理的強度や、放電耐性)を確保することができる。
【0010】
本発明に係る発光装置において、トリガ電極は、ランプ支持部側において管状部の外表面と点接触することが好ましい。このような構成により、エキシマランプをランプ支持部に設置すると同時に、トリガ電極が管状部と接触することが可能となる。これにより、トリガ電極を確実に管状部と接触させることができる。
【0011】
本発明に係る発光装置において、ランプ筐体は、一端側でランプ支持部に支持され、管状部は、ランプ筐体の一端側に形成され、ランプ支持部は、管状部を収容する溝部を有することが好ましい。このような構成により、ランプ筐体がランプ支持部で支持されると同時に、管状部が溝部に収納されて保護される。このように、管状部を溝部で保護することにより、トリガ電極と管状部とが点接触している状態を安定的に維持することができる。
【0012】
本発明に係る発光装置において、ランプ支持部は、溝部の底部に貫通孔を有し、トリガ電極は、貫通孔から突出していることが好ましい。このような構成により、トリガ電極は、貫通孔から突出している部分で確実に管状部と点接触し、貫通孔に囲まれる部分では当該貫通孔に保護される。これにより、トリガ電極と管状部とが点接触している状態を安定的に維持することができる。
【0013】
本発明に係る発光装置において、トリガ電極を支持するトリガ電極支持部を更に備え、トリガ電極支持部は、管状部に対してトリガ電極を押圧する押圧部材を有することが好ましい。これによって、押圧部材で押圧されたトリガ電極が、しっかりと管状部に点接触することができる。
【0014】
本発明に係る発光装置において、外部筐体は、ランプ支持部を固定する底面部と、当該底面部と対向する位置に配置される蓋部と、を備え、蓋部は、底面部と対向すると共に、ランプ筐体の外縁部と対向する枠状部と、当該枠状部に囲まれると共に光出射部を露出させる開口部と、を有し、エキシマランプは、蓋部の枠状部とランプ支持部とで挟まれることによって保持されることが好ましい。このような構造とすることにより、蓋部を閉めることで、上から押さえ込むようにエキシマランプを固定することが可能となる。これによって、管状部を確実にトリガ電極と点接触させることができる。
【0015】
本発明に係る発光装置において、外部筐体は、ランプ支持部を固定する底面部と、当該底面部と対向する位置に配置されるカバー部と、を備え、カバー部は、底面部と対向すると共に、ランプ筐体の外縁部と対向する枠状部と、当該枠状部に囲まれると共に光出射部を露出させる開口部と、枠状部の外縁部から底面部側へ向かって延びる側壁部と、を有し、エキシマランプは、カバー部の枠状部とランプ支持部とで挟まれることによって保持されることが好ましい。このような構造とすることにより、カバー部を閉めることで、上から押さえ込むようにエキシマランプを固定することが可能となる。これによって、管状部を確実にトリガ電極と点接触させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、良好なランプの点灯を可能とすると同時に、十分に広い有効発光範囲を確保できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る発光装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の実施形態に係る発光装置の斜視図である。
図1に示すように、発光装置100は、長方形平板状のエキシマランプ1を直方体状の外部筺体4内に収容すると共に、外部筺体4の上蓋(蓋部)8の中央部に長方形状の開口部8aを形成して、エキシマランプ1の出射面を露出させることによって構成されている。この発光装置100は、エキシマランプ1の内部空間に封入される放電用ガスに高周波電圧を印加することによって発光させ、発生した光を開口部8aから取り出すことができる装置である。筺体4の長手方向の一端側の側壁には、外部筺体4の内部空間の冷却のために、図示しない複数の吸気口から取り込まれた空気を排出する排気口14が設けられている。
【0020】
図2は、
図1に示す発光装置の分解斜視図である。
図3は、
図2に示すIII−III線に沿った断面図である。
図4は、エキシマランプ及びランプ支持部の構成を示す拡大図である。ただし、
図3は、各部品の位置関係を容易に理解するために、デフォルメされた状態で示されている。
図2〜
図4に示すように、エキシマランプ1は、出射光に対して透明な誘電体の材料により長方形平板状に形成されるランプ筐体2と、ランプ筐体2に形成される管状部20と、ランプ筐体2の前面2bの略全体にわたって形成されるメッシュ状の光通過電極(放電電極、光出射部)30と、ランプ筐体2の背面2cと対向して当該背面2cと接触する長方形状の背面電極(放電電極)3と、を備えて構成されている。光通過電極30は、前面2bの外周縁部に沿って長方形環状に形成された電極の内部領域にメッシュ状の電極を形成することによって構成されている。このエキシマランプ1の背面電極3と光通過電極30とは、放電用ガスが封入された内部空間を介して互いに対向している。従って、光通過電極30をグランド電位(接地電位)とし、背面電極3及び光通過電極30の間に高周波電圧を印加することによって内部空間の放電用ガスを発光させ、発生した光をランプ筐体2の前面2b側から出射させることができる。なお、高周波電圧とは1MHz以上の周波数を有する交流電圧である。
【0021】
エキシマランプ1の平板状のランプ筐体2は、長方形平板状の前面基板22と、前面基板22と同材質及び同形状に形成されると共に前面基板22と所定の間隔で対向するように配置される背面基板23とを備えている。厚み方向から見て、前面基板22の四方の外縁と背面基板23の四方の外縁は互いに一致するように配置されている。なお、「厚み方向」とは、前面基板22と背面基板23が対向する方向、すなわち前面2b及び背面2cに対して垂直な方向を示している。このランプ筐体2は、前面基板22と背面基板23の四方の外周縁部同士を、長方形環状の周面壁24でつなぐことで形成された内部空間28が封止されて気密性が保たれている。具体的には、周面壁24は、前面基板22の一対の長縁部と背面基板23の一対の長縁部同士を長手方向全長にわたって連結する一対の側面壁と、前面基板22の一対の短縁部と背面基板23の一対の短縁部同士を幅(短手)方向全長にわたって接合して連結する一対の側面壁とを備えて構成されている。周面壁24を構成する四方の側面壁は、それぞれ各基板22,23と垂直をなすように立設されている。なお、前面基板22、背面基板23及び周面壁24の壁厚はいずれも同じとされている。前面基板22の外表面がランプ筐体2の前面2bを構成する。背面基板23の外表面がランプ筐体2の背面2cを構成する。ランプ筐体2の一端2d側の一部が後述のランプ支持部11Aに支持され、他端2e側の一部が後述のランプ支持部11Bに支持される。
【0022】
ランプ筐体2の長手方向の一端2d側の周面壁24には、製造時に内部空間28の排気を行うと共に放電用ガスを封入するために用いられた管状部20が形成されている。この管状部20は、ランプ筐体2の幅方向及び厚み方向の中央位置に形成されている。管状部20は、ランプ筐体2の周面壁24から外側へ向かって突出し、ランプ筐体2の延在方向(長手方向)と同じ方向へ延在している。管状部20は、外周面20aが円筒面を構成するように、所定の内径及び外径を維持した状態にて軸性を有して水平に延び、先端部20bが封止されている。なお、通常のエキシマランプに形成されるチップ管は、製造上、止むを得ず形成されるものであるため、可能な限り短めになるようにランプ筐体2から僅かに突出した状態で封止されるものであり、十分な長さが確保されていない。すなわち、チップ管の外表面には、真直ぐに延びるような円筒面は形成されず、トリガ電極40との良好な点接触を実現できる形状とはなっていない場合が多い。また、その外表面と光通過電極30や背面電極3との距離も十分に確保できていない。一方、本実施形態の管状部20は、製造時の機能は従来のチップ管と同様であるが、従来のチップ管とは異なり延在することによって十分な長さが確保されている。従って、トリガ電極40との点接触に好適な外表面形状を確保することが可能となると共に、光通過電極30や背面電極3から十分に離間(放電の影響を受けない程度の距離、離間する)した領域を確保することができる。
【0023】
ランプ筐体2の前面2bに形成される光通過電極30は、金属膜によって形成されており、前面2bの外縁部を除いて、ほぼ全面に形成される。より詳細には、光通過電極30は、前面2bの外縁部に沿って長方形環状に形成される環状部と、環状部の内側領域で網状に形成されたメッシュ部とを有している。光通過電極30は、前面2bの略全面にわたって網状に形成されているため、内部空間で発生した光を前面2bから出射可能としている。なお、光通過電極30自体を透光性の材料で形成することによって、光を出射可能としてもよい。光通過電極30は、外部筐体4のグランド電極と電気的に接続されている。
【0024】
上述のようなエキシマランプ1において、ランプ筐体2及び管状部20の材質は、合成石英ガラス、溶融石英ガラスなどが好ましい。また、内部空間28に封入する放電用ガスとして、例えば、キセノンなどの希ガスや、希ガスとハロゲンガスの混合ガスを用いることが好ましい。放電用ガスのガス圧は、50〜100kPaとすることが好ましい。ランプ筐体2のサイズは、短手方向の大きさが45〜55mm、長手方向の大きさが490〜510mm、厚み方向の大きさが8〜10mmである。また、ランプ筐体2の壁厚は、管状部20の壁厚よりも大きいことが好ましい。例えば、ランプ筐体2の壁厚は1.5〜2mmであり、管状部20の壁厚(管壁の厚み)は0.5〜1mmである。
【0025】
ランプ筐体2の前面2b側には、前面2bの外周縁部と光通過電極30の長方形環状の外周縁部を覆うように、導電性材料、例えばステンレスの薄板などからなる長方形環状の枠状薄板(給電部)26が配置されている。枠状薄板26は、ランプ筐体2の前面2bの外周と略同一形状の外周を有すると共に、光通過電極30の長方形環状の縁部と略同一形状の内周を有している。なお、この枠状薄板26は、ランプ筐体2に対してロウ付けなどによって接合しても良い。この枠状薄板26は、エキシマランプ1に設けられた光通過電極30へ給電する給電部として機能する。
【0026】
ランプ筐体2の背面2c側の背面電極3は、エキシマランプ1の電極として機能するものであり、エキシマランプ1とは別体に設けられている。背面電極3は、光通過電極30の長方形環状の外周縁部と略同一の形状を有するアルミニウム製の長方形状の平板によって構成されている。そのため、電極の剥離といった問題が生じ難い。背面電極3は、ランプ筐体2の背面2cと対向して、背面2cに接触配置される。この背面電極3には、当該背面電極3へ給電するための給電部15が設けられている。給電部15は、背面電極3の外縁部に設けられた電極片を下方へ屈曲させることによって形成される。この給電部15は、高周波電源と配線を介して接続される。ランプ筐体2との接触面となる前面3aには、ランプ筐体2内部で発生した光を前面2b側に反射させるために、鏡面加工が施されている。なお、背面電極3の鏡面加工に代えて、ランプ筐体2の背面2cにアルミニウム等の金属蒸着によって直接電極層兼反射鏡を形成しても良い。この場合、背面電極3を電極層に給電するための給電部材として用いてもよいし、背面電極3の替わりに別途給電部材を設けても良い。エキシマランプ1のうち、光通過電極30と背面電極3に挟まれた領域は高周波電圧が印加される放電領域とされる。
【0027】
外部筐体4は、エキシマランプ1、枠状薄板26、ランプ支持部11A,11B、棒状支持部12、トリガ電極40、及びトリガトランス50を収容する、直方体状の箱体である。外部筐体4は、上面側が開放された底面長方形状のケース6と、当該ケース6の開放された上面を覆う上蓋(蓋部)8と、を備えている。ケース6及び上蓋8は導電性材料からなり、例えば、アルミニウムやステンレスなどの材質を採用できる。ケース6は、上蓋8と対向する底面部6aと、当該底面部6aの四方の外縁部からそれぞれ上方へ延びる側面部6bと、を備えている。上蓋8は、底面部6aと対向すると共に、ランプ筐体2の外縁部と対向する枠状部8bと、当該枠状部8bに囲まれると共に光通過電極30を露出させる開口部8aと、を有している。開口部8aは、枠状部8bの中央位置であって、エキシマランプ1と対向する領域に略長方形状に形成されている。
【0028】
上蓋8の四方の外縁部、すなわち枠状部8bの四方の外縁部は、ケース6の四方の側面部6bの上端面6cと略一致している。従って、枠状部8bの外縁部と側面部6bの上端面6cには、互いに対応する位置に貫通孔8cとネジ穴6dがそれぞれ形成されている。当該貫通孔8c及びネジ穴6dにネジ29を挿入することによって、ケース6と上蓋8とが固定される。枠状部8bの下面側の内縁部、すなわち開口部8a周辺には段差面8dが設けられている(
図3参照)。この段差面8dの四方の外縁部は、上方から見て、収納された枠状薄板26及びランプ筐体2の四方の外縁部よりも僅かに大きく設定されている。これにより、枠状薄板26及びランプ筐体2を収納し、上蓋8を固定する時の位置合わせが行い易くなる。
【0029】
外部筐体4の内部には、底面部6a上にランプ支持部11A,11Bと、棒状支持部12と、が設けられている。ランプ支持部11A,11Bは、底面部6aの長手方向の両端側に設けられ、エキシマランプ1を支持すると共に平面方向の位置決めを行う機能を有する。ランプ支持部11Aは、ランプ筐体2(及び背面電極3)を一端2d側で支持する。ランプ支持部11Bは、ランプ筐体2(及び背面電極3)を他端2e側で支持する。ランプ支持部11A,11Bは、底面部6aの両端側で、エキシマランプ1の幅方向に広がるような略直方体状の絶縁部材(例えば、セラミックス)を立設させることによって構成されている。これらのランプ支持部11A,11Bの互いに向かい合う側面同士の間隔は、エキシマランプ1の長手方向の長さよりも若干広くされている。ランプ支持部11A,11Bの詳細な構成については後述する。棒状支持部12は、底面部6a上に所定の間隔で複数箇所に設けられ、エキシマランプ1を下方から支持する機能を有する。
【0030】
棒状支持部12は、ランプ支持部11A,11Bから平面方向に所定の間隔で離間するように設けられている。この棒状支持部12は、底面部6aから上方の背面電極3へ向かって垂直に延び、エキシマランプ1を底面部6aから離間するように支持するものである。この棒状支持部12は、セラミックスなどの絶縁体によって形成されており、その上端部は縮径して先細となっていることが好ましい。従って、背面電極3の背面全体の面積に対して、棒状支持部12の先端部分の面積を極めて小さくすることができるため、棒状支持部12は、背面電極3を実質的に点接触で支持することができる。本実施形態では、棒状支持部12は、ランプ支持部11Aとランプ支持部11Bとの間において、長手方向に沿って一定間隔で一対ずつ配置されている。
【0031】
次に、
図4と
図5と
図6を参照して、ランプ支持部11A、ランプ筐体2、トリガ電極40周辺の構造について詳細に説明する。
図5は、ランプ支持部及びランプ筐体を短辺方向から見た一部断面図である。
図6は、
図5に示すVI−VIに沿った断面図であって、管状部付近を拡大した拡大断面図である。なお、理解を容易にするため、
図4には、ランプ支持部11A、ランプ筐体2及び管状部20のみが示されている。また、
図5には、ランプ支持部11A、エキシマランプ1、トリガ電極40、及びトリガトランス50のみが示されている。また、
図5では、ランプ支持部11Aのみの断面が示されている。
【0032】
図4及び
図5に示すように、ランプ支持部11Aは、ランプ筐体2の短辺方向に沿って延びるような略直方体状に形成されている。ランプ支持部11Aの一方の長辺側の縁部には、長辺方向へ延びるような長方形状の切り欠きが、長辺方向の両端側の一部をそれぞれ残存させるように設けられている。この切欠きが設けられることにより、水平に広がる段差面11aと、鉛直に広がる切欠面11bとを形成することができる。当該切り欠きは、他方のランプ支持部11Bと対向する対向面11cの上側に形成される。段差面11aは、対向面11cと垂直に形成され、切欠面11bは、対向面11cと平行に形成される。切欠面11bは、対向面11cと反対側の面である裏面11mと対向するように形成される。段差面11aは、エキシマランプ1を載置するための載置面として機能させることができ、切欠面11bは、エキシマランプ1の長手方向の位置決めを行うためのストッパ面として機能させることができる。段差面11aには、背面電極3の一端側が配置され、当該背面電極3を介してランプ筐体2の一端2d側が配置される。また、切欠部分の長手方向両端側の残存部分11d,11eの内側面同士の間隔は、ランプ筐体2の幅方向の長さと略同一とされているため、これらの残存部分11d,11eを、エキシマランプ1の幅方向の位置決め用のストッパとして機能させることができる。ランプ支持部11Aの上面11fは、ケース6の側面部6bの上端面6cよりも低い位置に形成される。また、上面11fは、ランプ支持部11Aに支持された状態でのランプ筐体2の前面2bよりも低い位置に形成される(
図3参照)。これによって、上蓋8をケース6に固定したときに、上蓋8がランプ支持部11Aの上面11fと干渉することが防止される。なお、他端2e側のランプ支持部11Bも、ランプ支持部11Aと同様の構成の段差面11a、切欠面11b、残存部分11d,11e、及び上面11fを有している。
【0033】
ランプ支持部11Aは、ランプ筐体2の管状部20を収容する溝部61を有している。溝部61は、切欠面11bから裏面11mへ向かって延びるU字状の溝である。溝部61は、切欠面11b及び裏面11mと垂直をなすように延びる。溝部61は、上方へ開口するようなU字状をなしており、上面11fで開口し、下側において半円を描くように湾曲するような形状となっている。切欠面11b及び裏面11mの対向方向から見た場合、U字状の溝部61は、溝の幅方向における中心線を介して左右線対称なU字をなしている。すなわち、溝部61は、上面11fから垂直に下方へ向かって延びる一対の平面状の側部62と、当該一対の平面の下端を連結するように下方へ凸となる半円筒面状の底部63と、を有する。また、溝部61の幅方向における中心線上に、底部63の最下端部63aが形成される。この最下端部63aは、切欠面11b及び裏面11mと垂直をなすように延びる直線を描く。
【0034】
一方、ランプ支持部11Aの段差面11aよりも下側の領域には、トリガトランス50を収納するための内部空間64が形成されている。この内部空間64は、溝部61の下方の位置に形成される。内部空間64は、トリガトランス50の形状に合わせて略直方体状の形状をなしており、ランプ支持部11Aの対向面11c及び底面で開口している。溝部61の底部63には、当該溝部61から下方へ延びて内部空間64で開口する貫通孔66が形成されている。貫通孔66は、中心が最下端部63a上に配置されるような円形をなし、内部空間へ鉛直に延び、内部空間64の上面64aで開口している。
【0035】
ランプ支持部11Aの貫通孔66には、当該貫通孔66内を鉛直方向に延びるトリガ電極40が配置されている。また、ランプ支持部11Aの内部空間64には、トリガトランス(トリガ給電部、トリガ電極支持部)50が収納されている。トリガ電極40は、エキシマランプ1へトリガとなるトリガ電圧を印加する機能を有している。トリガ電極40は、エキシマランプ1のうち、管状部20の外周面20aと点接触し、当該管状部20へトリガ電圧を印加する。トリガトランス50は、トリガ電極40へ給電する機能を有している。また、トリガトランス50は、トリガ電極40を支持する機能も有している。トリガトランス50は、上面50aから延びるトリガ電極40を取り囲むように、当該トリガ電極40と共に上方へ延びるトリガ電極支持筒(トリガ電極支持部)51を備えている。
【0036】
具体的に、トリガトランス50は、その上面50aが内部空間64の上面64aと対向又は接触し、その側面50bが内部空間64の側面64bと対向又は接触するように配置される。トリガトランス50の側面のうち、ランプ支持部11Aの対向面11cから露出する部分には、配線53が接続されている。貫通孔66の位置において、トリガトランス50の上面50aから上方へ向かって棒状又は針状のトリガ電極40が延びている。トリガ電極40は、例えば、外径が0.5〜2mm程度に設定される。このトリガ電極40は、先端が先細りとなっていてもよい。トリガ電極40は、貫通孔66を通って、上端が最下端部63aよりも上方まで延びている。すなわち、トリガ電極40は、上端側の一部が溝部61内に突出する。トリガ電極40は、鉛直方向に延びる中心軸線CL2が、貫通孔66の中心軸線と一致すると共に、溝部61の最下端部63aと垂直に交わるように配置されることが好ましい。また、貫通孔66の内部において、トリガ電極40の周りは、トリガ電極支持筒51で支持される。トリガ電極支持筒51としてスプリングプローブが用いられており、トリガ電極支持筒51は、トリガ電極40を上下方向に弾性移動可能とするバネ材(押圧部材)52を備えている。当該バネ材52によってトリガ電極40は、管状部20で押されることによって下方に弾性移動すると同時に、当該管状部20に押圧力を付与する。従って、当該バネ材52は、管状部20に対してトリガ電極を押圧する押圧部材として機能することができる。
【0037】
次に、エキシマランプ1を上述のように構成されたランプ支持部11Aに設置した場合における、各構成要素の位置関係について、
図4〜
図6を用いてより詳細に説明する。
【0038】
エキシマランプ1のランプ筐体2の背面2cの一端2d側は、背面電極3を介してランプ支持部11Aの段差面11a上に配置される。また、ランプ筐体2の一端2d側から延びる管状部20は、溝部61内に配置される。管状部20は、切欠面11bと垂直となすと共に、溝部61の幅方向における中央位置に配置される。すなわち、管状部20は、中心軸線CL1(ランプ筐体2の一端2dの周面壁24と直交する)が、溝部61の幅方向における中心線と一致するように配置される。上方から見たときに、中心軸線CL1は、溝部61の幅方向の中心線と重なる。また、本実施形態では、中心軸線CL1は、底部63の最下端部63aによって描かれる直線とも重なる。更に、管状部20の外周面20aの最下端部20cによって描かれる直線も、底部63の最下端部63aによって描かれる直線と重なる。中心軸線CL1及び最下端部20cの直線は、溝部61の側部62及び底部63と平行となる。
【0039】
また、このとき、ランプ筐体2の一端2d側の周面壁24は、切欠面11bから離間し、非接触とされていることが好ましい。これによって、当該部分での沿面放電を抑制することができる。また、管状部20の外周面20a及び先端部20bは、底部63及び側部62から離間し、非接触とされていることが好ましい。ランプ筐体2を外部筐体4に固定する際、ランプ筐体2をランプ支持部11Aへ押し付けるようにして固定する。従って、管状部20と底部63とが接触している場合、管状部に強い応力がかかり、クラックが生じて破損する可能性がある。特に、本実施形態のようにランプ筐体2の壁厚に比して管状部20の壁厚を薄くした場合、その影響は大きくなる。従って、管状部20を底部63から離間させて非接触とすることで、管状部20に応力がかかることを防止している。また、管状部20と底部63及び側部62とが接触している場合、ランプ支持部11Aを介してトリガ電極40と放電電極との間での沿面放電が発生する可能性がある。従って、管状部20を底部63及び側部62から離間させて非接触とすることで、トリガ電極40及び管状部20付近において沿面放電経路を排除できる。これにより、トリガ電極40が管状部20に点接触していることによる、電界集中の効果を一層高めることができる。ただし、非接触であることが特に好ましいが、管状部20が底部63及び側部62のいずれか又は両方と接触していても、本発明の効果を得ることができる。
【0040】
また、管状部20は、溝部61内に納まり、一部が溝部61より外側に出ないことが好ましい。具体的には、管状部20の先端部20bは、ランプ支持部11Aの裏面11mから外側へ突出しないことが好ましい。すなわち、裏面11mと先端部20bとが、
図5に示すように寸法T1離間していることが好ましい。また、管状部20の外周面20aは、ランプ支持部11Aの上面11fから上方へ突出しないことが好ましい。すなわち、上面11fと管状部20の最上端部とが、
図5に示すように寸法T2離間していることが好ましい。例えば、溝部61から管状部20が突出している場合、ランプ筐体2の交換や他の部品の交換作業時に、作業者の指と管状部20とが接触して破損してしまう可能性がある。前述のように管状部20は溝部61の内面から離間して非接触であるため、接触時の応力の影響が大きい。従って、管状部20が溝部61内に納まる構成とすることで、そのような破損を防止することができる。ただし、突出していないことが特に好ましいが、管状部20が裏面11m及び上面11fのいずれか又は両方から突出していても、本発明の効果を得ることができる。
【0041】
トリガ電極40は、管状部20の延在方向(中心軸線CL1が延びる方向)と交差(ここでは直交している)する方向に延び、先端部41にて、管状部20の外表面と点接触している。トリガ電極40は、管状部20のランプ支持部11A側の領域、すなわち、管状部20の下半分の領域において、外周面20aと点接触している。また、好適には、トリガ電極40は、外周面20aに対して接触点で垂直となるように点接触する。具体的には、トリガ電極40の中心軸線CL2は、管状部20の中心軸線CL1とP1にて垂直に交わる。これにより、トリガ電極40は、管状部20の最下端部20cとP2にて垂直に交わる。すなわち、トリガ電極40の先端部41が、管状部20の最下端部20cにて接触点P2で点接触する。また、このとき、管状部20の横断面の外円に接触点P2に対する接線TLを引いたとき、当該接線TLとトリガ電極40の中心軸線CL2とは、垂直となる(
図6参照)。更に、管状部20を接触点P2の位置で縦断面を切った場合、当該縦断面における外周面20a(ここでは最下端部20cが描く直線)とトリガ電極40の中心軸線CL2とは、垂直となる(
図5参照)。このような関係を満たした状態で点接触する場合、トリガ電極40は、しっかりと管状部20と接触することができる。なお、厳密に上述の関係が満たされていなくともよく、各部品の製造誤差や、作業の設置誤差の範囲で位置がずれることは許容される。
【0042】
ランプ筐体2が設置される前においては(
図4で示す状態)、トリガ電極40は上方からの力を受けていない。このときのトリガ電極40の突出量(先端部41と最下端部63aとの間の距離)は、ランプ筐体2を設置した時の管状部20の最下端部20cと最下端部63aとの間の距離よりも大きい。これによって、ランプ筐体2を設置したとき、トリガ電極40は、管状部20の外周面20aで押されることにより、下方へ弾性移動する。このようにトリガ電極40が弾性移動することにより、管状部20に無理な応力がかからない。同時に、トリガ電極40を管状部20に(破損の虞があるような応力がかからない範囲で)押圧することができるため、トリガ電極40と管状部20とをしっかりと接触させることができる。
【0043】
管状部20の延在方向における接触点P2の位置、すなわちトリガ電極40の配置位置は、管状部20の延在方向における中央位置に近いことが好ましい。すなわち、接触点P2は、管状部20の先端部20bから離間した位置であって、管状部20の基端(周面壁24側の端部)から離間した位置に配置されることが好ましい。先端部20bに近い領域では、封止の際に若干の変形を伴うことにより、管状部20の外表面が球状に丸まっているため、トリガ電極40が位置ずれして良好に点接触できない可能性がある。基端付近の領域(周面壁24から約10mm以内の範囲)では、トリガ電極40と放電電極との間に放電が発生する可能性がある。
【0044】
トリガトランス50の上面50aとランプ支持部11Aの内部空間64の上面64aとは、密着していてもよく、非接触となっていてもよい。また、トリガトランス50の側面50bとランプ支持部11Aの内部空間64の側面64bとは、密着していてもよく、非接触となっていてもよい。貫通孔66の内周面の内径は、トリガ電極40及びトリガ電極支持筒51の外径よりも大きく設定されることで、互いに非接触となることが好ましい。これによって、沿面放電を防止することができる。
【0045】
次に、本実施形態に係る発光装置100の作用・効果について説明する。
【0046】
まず、比較例に係る発光装置200について、
図7(a)を参照して説明する。トリガ電極40と放電電極(ここでは背面電極3だが、トリガ電極40を前面2b側に接触させた時は、光通過電極30との間で同様の関係が成り立つ)3とは、近接させた場合に、各電極間で放電が生じる可能性がある。従って、互いにある程度離間させる必要がある。ここで、比較例に係る発光装置200においては、トリガ電極40がランプ筐体2の本体部における背面2cで接触している。従って、当該接触位置から放電電極3の縁部を遠ざける必要が生じる。しかしながら、ランプ筐体2において放電電極を設置可能な領域は限られているにも関わらず、トリガ電極40から遠ざけるためには、放電電極3を相対的に小さくしなくてはならない。これにより、発光装置200では、ランプ筐体2の全体的なサイズに比して、実際の放電領域が小さくなり、有効発光範囲を確保できないという問題が生じる。
【0047】
一方、
図8(a)に示すように、トリガ電極40をランプ筐体2に接触させた状態で、無理やり放電電極3を広く確保した場合、次のような問題が生じる。すなわち、トリガ電圧を印加したときに、
図8(b)に示すように、トリガ電極40と放電電極3との間で放電が発生してしまう。この影響により、ランプ筐体2の内部には放電が入らないため、ランプが点灯ができない。例えば、同一の電源で複数本のエキシマランプを同時に点灯させる場合、エキシマランプごとの点灯にバラつきがあると、先に点灯したランプに電力が集中してしまう。これによって、未点灯のものは更に点灯し難くなってしまう。従って、良好なランプの点灯性能が求められていた。
【0048】
これに対して、本実施形態に係る発光装置100によれば、エキシマランプ1は、前面2bに光通過電極30が形成され、背面2cに背面電極3が配置されるランプ筐体2を備えている。また、エキシマランプ1は、そのランプ筐体2から外側へ向かって突出し、延在する管状部20を備えている。管状部20は、ランプ筐体2から外側へ延在しているため、ランプ筐体2の放電電極(光通過電極30、背面電極3)から十分な距離を確保することが可能である。トリガ電極40は、このような管状部20の外表面と点接触している。すなわち、ランプ筐体2に設けられている放電電極3,30の形状や大きさに関わらず、トリガ電極40の接触点P2を放電電極3,30から十分に離間させることが可能となる。これによって、
図7(b)に示すように、トリガ電極40と放電電極3,30との間の放電を防止することでランプを良好に点灯可能とする一方で、ランプ筐体2においては十分な範囲に放電電極3,30を設けることができる。従って、ランプ筐体2のサイズに対して、有効発光範囲を最大限に広く確保することができる。更に、点接触とすることで、電界を集中させ、一層良好にランプを点灯可能とする。これにより、比較的ガス圧が高いエキシマランプであっても、十分な電界強度を確保して、良好なランプの点灯性能を得ることができる。以上によって、良好なランプの点灯を可能とすると同時に、十分に広い有効発光範囲を確保できる。
【0049】
発光装置100において、トリガ電極40は、管状部20の延在方向と交差する(ここでは直交する)方向に延び、先端部41で管状部20の外周面20aと点接触している。このような構成とすることにより、トリガ電極40の先端部41にて、確実に管状部20の外表面と点接触することができる。
【0050】
発光装置100において、管状部20の壁厚は、ランプ筐体2の壁厚より小さい。管状部20の壁厚を小さくすることで放電開始能力を高めることができる。一方で、ランプ筐体2の壁厚を大きくすることで放電部分において高い強度(例えば、圧力に対する物理的強度や、放電耐性)を確保することができる。なお、管状部20の壁厚は、少なくともトリガ電極40との接触点P2において、ランプ筐体2の壁厚より小さく設定されている。すなわち、管状部20の付根付近は強度確保のためにランプ筐体2の壁厚と同等とされていても、接触点P2では、ランプ筐体2の壁厚より小さくされている。
【0051】
発光装置100において、トリガ電極40は、ランプ支持部11A側において管状部20の外周面20aと点接触している。このような構成により、エキシマランプ1をランプ支持部11Aに設置すると同時に、溝部61の底部63から突出したトリガ電極40が管状部20と接触できる。これにより、トリガ電極40を確実に管状部20と接触させることができる。
【0052】
発光装置100において、ランプ筐体2は、一端2d側でランプ支持部11Aに支持される。また、管状部20は、ランプ筐体2の一端2d側に形成されている。更に、ランプ支持部11Aは、管状部20を収容する溝部61を有する。このような構成により、ランプ筐体2がランプ支持部11Aで支持されると同時に、管状部20が溝部61に収納されて保護される。このように、管状部20を溝部61で保護することにより、トリガ電極40と管状部20とが点接触している状態を安定的に維持することができる。
【0053】
発光装置100において、ランプ支持部11Aは、溝部61の底部63に貫通孔66を有している。また、トリガ電極40は、貫通孔66から上方へ突出している。このような構成により、トリガ電極40は、貫通孔66から突出している部分で確実に管状部20と点接触し、貫通孔66に囲まれる部分では当該貫通孔66に保護される。これにより、トリガ電極40と管状部20とが点接触している状態を安定的に維持することができる。
【0054】
発光装置100において、トリガ電極40は、トリガトランス50及びトリガ電極支持筒51で支持されている。また、トリガトランス50は、管状部20に対してトリガ電極40を押圧するバネ材52を有する。これによって、バネ材52で押圧されたトリガ電極40が、しっかりと管状部20に点接触することができる。
【0055】
発光装置100において、エキシマランプ1は、上蓋8の枠状部8bとランプ支持部11A,11Bとで挟まれることによって保持される。このような構造とすることにより、上蓋8を閉めることで、上から押さえ込むようにエキシマランプ1を固定することが可能となる。これによって、管状部20を確実にトリガ電極40と点接触させることができる。
【0056】
[実施例]
上述の実施形態と同様な構成を有する発光装置において、エキシマランプとして次の構成のものを用いた。すなわち、ランプ筐体2及び管状部20の材質として合成石英ガラスを用い、ランプ筐体のサイズを50mm×500mm×9mmとすると共に壁厚を1.8mmとし、管状部20の長さを20mmとすると共に壁厚を0.75mm(外径6mm、内径4.5mm)に設定したものを採用した。また、内部空間28に放電用ガスとしてキセノンを66.7kPa封入した。また、トリガ電極40として、外径0.7mmのものを用い、先端部41で管状部20と点接触させた。このような発光装置において、
図9に示すように点灯電源から背面電極3及び光通過電極30に3kVp−p程度の電圧を印加し、トリガトランス50からトリガ電極40に20kVp−p程度の電圧を20Hzの繰り返し周波数で2秒間印加した。これによって、エキシマランプ1が点灯することが確認された。
【0057】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0058】
例えば、外部筐体は上述の実施形態の構成に限定されない。例えば、
図10に示す発光装置400のような外部筐体を採用してもよい。発光装置400の外部筐体4は、上述の上蓋8の構成に加え、枠状部8bの四方の外縁部から底面部6a側へ向かって下方に延びる側壁部8eを有したカバー部408を備えている。また、貫通孔8cは枠状部8bの外縁部ではなく、側壁部8eに形成されている。また、ケース6側のネジ穴6dも、側面部6bの上端面6cではなく、側面部6bの上縁部に形成されている。貫通孔8c及びネジ穴6dは互いに対応する位置に形成され、水平方向に形成されている。カバー部408をケース6に固定する時は、ケース6の上縁部を外側から側面部6bで覆うようにカバー部408を被せる。次に、カバー部408とランプ支持部11A,11Bでエキシマランプ1を挟みながら、水平方向からネジ29を締める。出射面となる枠状部8bからネジ止めの構成を排除することで、ネジ止め部からのゴミの脱落による汚染を無くすことができる。例えば、クリーンルーム内で使用する際は、当該構造を採用することが好ましい。
【0059】
また、本実施形態においては、エキシマランプ1は長方形状とされているが、形状は特に限定されない。エキシマランプ1の形状変更に伴い、外部筐体や支持構造などの構造が変更される。例えば、エキシマランプを円板状としてもよい。
【0060】
また、管状部20の形状は上述のものに限らず適宜変更してもよく、例えば、外周面20aが円筒面ではなく、多角筒面としてもよい。また、管状部20の設置位置も上述のものに限らず適宜変更してもよく、例えばランプ筐体2の短手方向の位置を適宜移動させてもよい。また、管状部20の壁厚も上述のものに限らず適宜変更してもよく、例えば場所によって壁厚保を変化させてもよい。また、管状部20の延びる方向も上述のものに限らず、例えば若干傾斜させてもよい。
【0061】
また、上述の実施形態では、特に好ましいとして、トリガ電極は、管状部の最下端部で垂直に点接触していた。しかし、ランプの点灯を出来る限り、トリガ電極が管状部と点接触している構造であれば、その接触角度や接触位置や接触態様は特に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、トリガ電極は、管状部の延在方向(中心軸線CL1)と直交するように延びていたが、傾斜をなして延びていてもよい。また、トリガ電極は、接触点での管状部の接線と垂直に接触していたが、接線と傾斜するように接触してもよい。トリガ電極は、溝部の底部から上方へ延びていたが、側面などから横方向へ延びていてもよい。また、管状部の上側からトリガ電極また、トリガ電極は真直ぐに延びる棒状又は針状の電極であったが、曲がった電極、屈曲した電極を用いてもよい。
【0062】
また、ランプ支持部の溝部の形状も上述の実施形態のものに限定されず、どのような形状の溝部としてもよい。あるいは、溝部がなくともよい(例えば、ランプ支持部の上面自体を管状部より低く設定し、当該上面からトリガ電極を突出させる)また、ランプ支持部の内部にトリガトランス及びトリガ電極を設ける構成としたが、トリガトランス及びトリガ電極を、ランプ支持部とは独立した位置に配置してもよい。