(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な説明
定義
句「1つの(a)」または「1つの(an)」実体は、本明細書で使用される場合、その実体の1つまたは複数を指し、例えば1つの化合物(a compound)は、1つもしくは複数の化合物、または少なくとも1つの化合物を指す。したがって、用語「1つの(a)」(または「1つの(an)」)、「1つまたは複数の」および「少なくとも1つの」は、本明細書では交換可能に使用することができる。
【0023】
用語「約」(「約(〜)」でも表される)は、GS−7977の量、リバビリンの量、またはHCV RNAの量に関係する場合を除き、その単純な通常の「およそ」の意味を有する。GS−7977の量、リバビリンの量、またはHCV RNAの量に関する修飾語句「約」は、標準実験誤差を反映する。
【0024】
用語「任意選択の」または「必要に応じて」は、本明細書で使用される場合、その後に記載の事象または環境が生じる場合があるが、生じる必要がない場合もあり、この記載が、その事象または環境が生じる場合と生じない場合を含むことを意味する。
【0025】
用語「被験体」は、本明細書で使用される場合、哺乳動物を意味する。好ましくは、被験体はヒトである。
【0026】
用語「有効量」は、本明細書で使用される場合、被験体のHCV感染症の症状を低減するのに十分な量を意味する。
【0027】
用語「検出不可能な量」は、本明細書に記載のアッセイ方法によって決定されるHCV RNAの量を指し、これは約15IU/mLの検出限界(「LOD」)未満である。
【0028】
本明細書に記載の処置レジメンの1つに従って処置を受けた患者の持続性ウイルス学的奏功(SVR)は、HCV処置レジメンが完了し、本明細書に記載のアッセイ方法に従って測定して、処置後の一定期間にHCV RNAの量が検出不可能(すなわち、<約15IU/mL)である患者と定義される。SVR−Nは、本明細書に開示のHCV処置レジメンの1つが完了した後、N週間の持続性ウイルス学的奏功が得られることを示す略語である。例えば、SVR−4は、本明細書に開示のHCV処置レジメンの1つが完了した後、4週間の持続性ウイルス学的奏功が得られることを示す略語である。
【0029】
用語「調製物」または「剤形」は、活性化合物の固体および液体製剤の両方を含むことを企図し、当業者は、活性成分が、所望の用量および薬物動態パラメータに応じて様々な調製物で存在し得ることを理解されよう。
【0030】
用語「単位剤形」は、所定量の活性化合物を含有する物理的に別個の単位を指す。好ましい単位剤形は、1日用量もしくは1日下位単位用量、またはその適切な画分のGS−7977を含有する単位剤形である。
【0031】
用語「薬学的に許容される賦形剤」および「医薬賦形剤」は、本明細書で使用される場合、医薬組成物を調製するために使用され、一般に安全であり、非毒性の、生物学的にもその他の点でも望ましい化合物を指し、動物への使用ならびにヒト用医薬品への使用に許容される賦形剤を含む。
【0032】
RVRは、速やかなウイルス学的奏功を示す略語であり、処置4週目に、血中のHCV RNAレベルが検出不可能であることを指す。RVRの存在は、HCV GT−1患者におけるペグインターフェロン/リバビリンの組合せ処置による48週間の全処置過程で、最終SVRを予測するものとして報告されている(Poordadら、Clin. Infect. Dis.(2008年)46巻:78〜84頁)。
【0033】
QDは、その用量が1日1回投与されることを意味する。
【0034】
BIDは、その用量が1日2回投与されることを意味する。
【0035】
TIDは、その用量が1日3回投与されることを意味する。
【0036】
QIDは、その用量が1日4回投与されることを意味する。
【0037】
アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の最も高い活性は、肝細胞および横紋(骨格および心臓の)筋細胞に見出される。血清ALT活性の増大には、肝細胞の傷害または横紋筋の壊死が伴う場合がある。細胞が傷害を受けるかまたは死滅すると、ALTはサイトゾルから抜け出す。さらに、細胞壊死に続発して、または膜損傷を伴う細胞傷害の結果として、サイトゾルからALTの放出が生じ得る。ALT活性の定量は、肝損傷の相対的に高感度な指標になる。血清中のALT活性の増大機構には、損傷を受けた細胞からの酵素の放出、または薬物投与による酵素合成の増大などの酵素活性の誘導が挙げられる(Zeuzemら、Aliment Pharmacol Ther. 2006年10月15日;24巻(8号)1133〜1149頁)。
【0038】
インターロイキン28B(IL28B)遺伝子は、I型インターフェロンおよびIL−10ファミリーとの関係が密接でないサイトカインをコードする。IL28B遺伝子、インターロイキン28A(IL28A)およびインターロイキン29(IL29)は、19q13にマッピングされている染色体領域上にサイトカイン遺伝子クラスターを形成する、密接な関係がある3つのサイトカイン遺伝子である。この3つの遺伝子によってコードされるサイトカインの発現は、ウイルス感染によって誘導され得る。すべての3つのサイトカインは、インターロイキン10受容体、ベータ(IL10RB)およびインターロイキン28受容体アルファ(IL28RA)からなるヘテロ二量体のクラスIIのサイトカイン受容体と相互作用することが示されている(国立生物工学情報センター、Entrez Gene Entry for IL28B、Gene ID:282617、2010年10月23日更新)。
【0039】
肥満度指数(「BMI」)は、ヒトの体重および身長に基づく測定値であり、ヒトの身長に基づく健康体重を推定して平均身体組成を想定するのに使用される。BMIの単位はkg/m
2である。
【0040】
LODは、検出限界を示す略語である。LODは、HCV RNA測定に関して本明細書で使用される場合、一態様では約1IU/mL〜約60IU/mL、より好ましくは約5IU/mL〜約30IU/mL、さらにより好ましくは約10IU/mL〜約20IU/mLである。特に好ましい一実施形態では、LODは約15IU/mLである。
【0042】
IUは、国際単位を示す略語であり、生物活性または作用に基づく物質の量の尺度である。
【0043】
認識されているいくつかのHCV遺伝子型(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11)が存在し、これらはさらに異なるサブタイプ、1(1a、1bおよび1c)、2(2a、2b、2c)、3(3aおよび3b)、4(4a、4b、4c、4dおよび4e)、5(5a)、6(6a)、7(7aおよび7b)、8(8aおよび8b)、9(9a)、10(10a)および11(11a)に分類することができる。遺伝子型1は、北米および南米、欧州、アジア、オーストラリア、ならびにニュージーランドで見出された優勢型である。また遺伝子型2および3は、北米、欧州、オーストラリア、東アジアおよびアフリカのある地域にわたって広く分布している。アフリカのある地域では、遺伝子型4が優勢であり、他の地域(南アフリカなど)では、遺伝子型5が優勢である。本明細書に開示の方法は、HCV遺伝子型のそれぞれの、特に各遺伝子型サブタイプの処置に、独立に効果的であることが企図される。
【0044】
用語「インターフェロンを用いない」は、本明細書で使用される場合、インターフェロンまたはペグ化インターフェロンを被験体に投与することを含まない処置レジメンを指す。
【0045】
GS−7977、すなわち(S)−イソプロピル2−(((S)−(((2R,3R,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートは、Gilead Sciences,Inc.から利用可能であり、米国特許第7,964,580号に記載され、特許請求されている(米国特許出願公開第2010/0016251号、米国特許出願公開第2010/0298257号、米国特許出願公開第2011/0251152号および米国特許出願公開第2012/0107278号も参照)。GS−7977は、以下の構造を有する。
【0046】
【化1】
GS−7977は、結晶性または非晶質であってよい。結晶性形態および非晶質形態のGS−7977を調製する例は、参照によって共に組み込まれる米国特許出願公開第2010/0298257号(米国特許出願第12/783,680号)および米国特許出願公開第2011/0251152号(米国特許出願第13/076,552号)に開示されている。米国特許出願公開第2010/0298257号および/または米国特許出願公開第2011/0251152号に開示されているGS−7977の多形体1〜6は、そこに開示のXRPD法に従って測定される以下の特徴的なX線粉末回折(XRPD)パターンの2θ値を有する。
(1)約5.2、約7.5、約9.6、約16.7、約18.3および約22.2(多形体1)の2θ反射角度(°)、
(2)約5.0、約7.3、約9.4および約18.1(多形体1)の2θ反射角度(°)、
(3)約4.9、約6.9、約9.8、約19.8、約20.6、約24.7および約26.1(多形体2)の2θ反射角度(°)、
(4)約6.9、約9.8、約19.7、約20.6および約24.6(多形体3)の2θ反射角度(°)、
(5)約5.0、約6.8、約19.9、約20.6、約20.9および約24.9(多形体4)の2θ反射角度(°)、
(6)約5.2、約6.6、約7.1、約15.7、約19.1および約25.0(多形体5)の2θ反射角度(°)、および
(7)約6.1、約8.2、約10.4、約12.7、約17.2、約17.7、約18.0、約18.8、約19.4、約19.8、約20.1、約20.8、約21.8および約23.3(多形体6)の2θ反射角度(°)。
【0047】
あるいは多形体1および6は、米国特許出願公開第2010/0298257号(米国特許出願第12/783,680号)および米国特許出願公開第2011/0251152号(米国特許出願第13/076,552号)に開示の方法に従って測定される以下の特徴的なXRPDパターンの2θ値を特徴とする。
(1)約5.0および約7.3(多形体1)の2θ反射角度(°)、および
(2)約6.1および約12.7(多形体6)の2θ反射角度(°)。
【0048】
一態様では、開示される組成物は、GS−7977の多形体6を含む。多形体6は、およそ121℃で融解を開始し、室温および90%RHで水分吸着が0.2%未満であり、吸湿性でないことが見出された。多形体6は、40℃/75%RHの開条件下で30日間保存しても、化学的に安定である。
【0049】
一態様では、GS−7977は、その対応するリンベースのジアステレオマーの(S)−イソプロピル2−(((R)−(((2R,3R,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートを実質的に含まない。一実施形態では、GS−7977は、その対応するリンベースのジアステレオマーを少なくとも95%含まない。別の実施形態では、GS−7977は、その対応するリンベースのジアステレオマーを少なくとも97%含まない。別の実施形態では、GS−7977は、その対応するリンベースのジアステレオマーを少なくとも99%含まない。さらなる一実施形態では、GS−7977は、その対応するリンベースのジアステレオマーを少なくとも99.9%含まない。
【0050】
リバビリン、すなわち1−β−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドは、the Merck Index(第12版)、モノグラフ番号8365に記載されている(米国特許第4,530,901号も参照)。
【0051】
本明細書で使用される場合、「処置」または「処置する」は、有益なまたは所望の臨床結果を得るための手法である。有益なまたは所望の臨床結果には、検出可能であろうと検出不可能であろうと、症状の軽減、疾患程度の低下、疾患状態の安定化(すなわち悪化させない)、疾患の進行の遅延または緩徐、病状の緩和または寛解、および緩解(部分的でも全体的でも)が含まれるが、それらに限定されない。また「処置」は、処置を受けていない場合に予測される生存期間と比較して、生存期間が延長することを意味する場合がある。「処置」は、障害の病理の発症を防止し、または障害の病理を変える意図で実施される介入である。HCV感染症の「処置」という用語は、本明細書で使用される場合、HCV感染症に関連するか、もしくはHCV感染症によって媒介される疾患もしくは状態、またはその臨床症状の処置または予防も含む。
【0052】
組成物および単位剤形
第1の実施形態は、C型肝炎ウイルス(HCV)を処置するための、a)GS−7977、およびb)薬学的に許容される賦形剤を含む組成物を対象とする。
【0053】
第1の実施形態の第1の態様では、HCVを処置するための組成物は、約25%w/w〜約35%w/wのGS−7977を含む。別の態様では、組成物は、約30%w/w〜約35%w/wのGS−7977を含む。別の態様では、組成物は、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%または約35%w/wのGS−7977を含む。一下位実施形態では、組成物は、約30%w/wのGS−7977を含む。別の下位実施形態では、組成物は、約33%w/wのGS−7977を含む。別の下位実施形態では、組成物は、約33.33%w/wのGS−7977を含む。
【0054】
第1の実施形態の第2の態様では、組成物は、結晶性GS−7977を含む。一下位実施形態では、組成物は、(1)約5.2、約7.5、約9.6、約16.7、約18.3および約22.2、(2)約5.0、約7.3、約9.4および約18.1、(3)約4.9、約6.9、約9.8、約19.8、約20.6、約24.7および約26.1、(4)約6.9、約9.8、約19.7、約20.6および約24.6、(5)約5.0、約6.8、約19.9、約20.6、約20.9および約24.9、(6)約5.2、約6.6、約7.1、約15.7、約19.1および約25.0、または(7)約6.1、約8.2、約10.4、約12.7、約17.2、約17.7、約18.0、約18.8、約19.4、約19.8、約20.1、約20.8、約21.8および約23.3のXRPD2θ反射角度(°)を有する結晶性GS−7977を含む。別の下位実施形態では、組成物は、(1)約5.0および約7.3、または(2)約6.1および約12.7のXRPD2θ反射角度(°)を有する結晶性GS−7977を含む。好ましい一下位実施形態では、組成物は、(1)約5.2、約7.5、約9.6、約16.7、約18.3および約22.2のXRPD2θ反射角度(°)、または(2)約5.0、約7.3、約9.4および約18.1のXRPD2θ反射角度(°)を有する結晶性GS−7977を含む。別の好ましい下位実施形態では、組成物は、約6.1、8.2、10.4、12.7、17.2、17.7、18.0、18.8、19.4、19.8、20.1、20.8、21.8および23.3のXRPD2θ反射角度(°)を有する結晶性GS−7977を含む。別の好ましい下位実施形態では、組成物は、約5.0および約7.3のXRPD2θ反射角度(°)を有する結晶性GS−7977を含む。さらに好ましい一下位実施形態では、組成物は、約6.1および12.7のXRPD2θ反射角度(°)を有する結晶性GS−7977を含む。
【0055】
第1の実施形態の第3の態様では、薬学的に許容される賦形剤は、希釈剤、崩壊剤、流動促進剤および滑沢剤の少なくとも1つを含む。
【0056】
一下位実施形態では、希釈剤は、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、乾燥デンプン、硫酸カルシウム、セルロース、圧縮糖、菓子用砂糖、デキストレート、デキストリン、ブドウ糖、第二リン酸カルシウム二水和物、パルミトステアリン酸グリセリル、硬化植物油(タイプI)、イノシトール、カオリン、ラクトース、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、微結晶性セルロース、ポリメタクリレート、塩化カリウム、粉末化セルロース、粉糖、アルファ化デンプン、塩化ナトリウム、ソルビトール、デンプン、スクロース、球状糖(sugar sphere)、タルク、第三リン酸カルシウムおよびその組合せからなる群から選択される。好ましい一下位実施形態では、希釈剤は、リン酸二カルシウム、セルロース、圧縮糖、無水第二リン酸カルシウム、ラクトース、マンニトール、微結晶性セルロース、デンプン、第三リン酸カルシウムおよびその組合せからなる群から選択される。別の好ましい下位実施形態では、希釈剤は、マンニトール、微結晶性セルロースおよびその組合せからなる群から選択される。
【0057】
別の下位実施形態では、崩壊剤は、寒天、アルギン酸、ベントナイト、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、セルロース、カチオン交換樹脂、セルロース、ガム、柑橘類の果肉、コロイド状二酸化ケイ素、トウモロコシデンプン、クロスカルメロースナトリウム(例えば、Ac−Di−Sol(登録商標))、クロスポビドン、グアーガム、含水ケイ酸アルミニウム、イオン交換樹脂(例えば、ポラクリリン(polyacrin)カリウム)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、変性セルロースガム、加工トウモロコシデンプン、モンモリロナイトクレー、天然スポンジ、ポラクリリン(polyacrilin)カリウム、バレイショデンプン、粉末化セルロース、ポビドン、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、酒石酸またはクエン酸などの酸味料と混ぜ合わされた重炭酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、ケイ酸塩(例えば、Veegum(登録商標)HV)およびその組合せからなる群から選択される。好ましい一下位実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム(例えば、Ac−Di−Sol(登録商標))、クロスポビドン、微結晶性セルロース、加工トウモロコシデンプン、ポビドン、アルファ化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウムおよびその組合せからなる群から選択される。別の好ましい下位実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム(例えば、Ac−Di−Sol(登録商標))である。
【0058】
別の下位実施形態では、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、デンプン、デンプン誘導体およびその組合せからなる群から選択される。好ましい一下位実施形態では、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素を含む。
【0059】
別の下位実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、硬化植物油、軽鉱物油、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸亜鉛およびその組合せからなる群から選択される。好ましい一下位実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルクおよびその組合せからなる群から選択される。別の好ましい下位実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0060】
別の下位実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、a)約55%w/w〜約65%w/wの希釈剤、b)約2.5%w/w〜約7.5%w/wの崩壊剤、c)約0.25%w/w〜約0.75%w/wの流動促進剤、およびd)約1.25%w/w〜約1.75%w/wの滑沢剤を含む。好ましい一下位実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、a)約60%w/wの希釈剤、b)約5%w/wの崩壊剤、c)約0.5%w/wの流動促進剤、およびd)約1.5%w/wの滑沢剤を含む。別の好ましい下位実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、a)マンニトールおよび/または微結晶性セルロースを含む約60%w/wの希釈剤、b)約5%w/wのクロスカルメロースナトリウム、c)約0.5%w/wのコロイド状二酸化ケイ素、ならびにd)約1.5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。別の好ましい下位実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、a)約30%w/wのマンニトールおよび約30%w/wの微結晶性セルロース、b)約5%w/wのクロスカルメロースナトリウム、c)約0.5%w/wのコロイド状二酸化ケイ素、ならびにd)約1.5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0061】
第1の実施形態の第4の態様では、組成物は、コーティング剤をさらに含む。一下位実施形態では、コーティング剤は、水性フィルムコート組成物から形成され、この水性フィルムコート組成物は、フィルム形成ポリマー、ビヒクルとして水および/またはアルコールを含み、必要に応じてフィルムコーティング分野で公知のものなどの1つまたは複数のアジュバントを含む。別の下位実施形態では、コーティング剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrolidone)、ゼインおよびアクリルポリマー(例えば、メタクリル酸/メタクリル酸エステルコポリマー、例えばメタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー等)、ならびにポリビニルアルコールからなる群から選択される。別の下位実施形態では、コーティング剤は、ポリビニルアルコールを含む。
【0062】
第1の実施形態の第5の態様では、組成物は、約25%w/w〜約35%w/wの結晶性GS−7977、約30%w/wのマンニトールおよび約30%w/wの微結晶性セルロース、約5%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約0.5%w/wのコロイド状二酸化ケイ素、ならびに約1.5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。一下位実施形態では、組成物は、約30%w/w〜約35%w/wの結晶性GS−7977、約30%w/wのマンニトールおよび約30%w/wの微結晶性セルロース、約5%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約0.5%w/wのコロイド状二酸化ケイ素、ならびに約1.5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。別の下位実施形態では、組成物は、約30%w/wの結晶性GS−7977、約30%w/wのマンニトールおよび約30%w/wの微結晶性セルロース、約5%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約0.5%w/wのコロイド状二酸化ケイ素、ならびに約1.5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。一下位実施形態では、組成物は、約6.1、8.2、10.4、12.7、17.2、17.7、18.0、18.8、19.4、19.8、20.1、20.8、21.8および23.3のXRPD2θ反射角度(°)を有する約30%w/wの結晶性GS−7977、約30%w/wのマンニトールおよび約30%w/wの微結晶性セルロース、約5%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約0.5%w/wのコロイド状二酸化ケイ素、ならびに約1.5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。別の下位実施形態では、組成物は、約6.1および12.7のXRPD2θ反射角度(°)を有する約30%w/wの結晶性GS−7977、約30%w/wのマンニトールおよび約30%w/wの微結晶性セルロース、約5%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約0.5%w/wのコロイド状二酸化ケイ素、ならびに約1.5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。別の下位実施形態では、組成物は、約33%w/wの結晶性GS−7977、約30%w/wのマンニトールおよび約30%w/wの微結晶性セルロース、約5%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約0.5%w/wのコロイド状二酸化ケイ素、ならびに約1.5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。別の下位実施形態では、組成物は、約6.1、8.2、10.4、12.7、17.2、17.7、18.0、18.8、19.4、19.8、20.1、20.8、21.8および23.3のXRPD2θ反射角度(°)を有する約33%w/wの結晶性GS−7977、約30%w/wのマンニトールおよび約30%w/wの微結晶性セルロース、約5%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約0.5%w/wのコロイド状二酸化ケイ素、ならびに約1.5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。別の下位実施形態では、組成物は、約6.1および12.7のXRPD2θ反射角度(°)を有する約33%w/wの結晶性GS−7977、約30%w/wのマンニトールおよび約30%w/wの微結晶性セルロース、約5%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約0.5%w/wのコロイド状二酸化ケイ素、ならびに約1.5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。別の下位実施形態では、組成物は、コーティング剤をさらに含む。
【0063】
第2の実施形態は、C型肝炎ウイルス(HCV)を処置するための単位剤形を対象とし、上記組成物は、a)約400mgのGS−7977、およびb)薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0064】
第2の実施形態の第1の態様では、単位剤形は、結晶性GS−7977を含む。一下位実施形態では、組成物は、(1)約5.2、約7.5、約9.6、約16.7、約18.3および約22.2、(2)約5.0、約7.3、約9.4および約18.1、(3)約4.9、約6.9、約9.8、約19.8、約20.6、約24.7および約26.1、(4)約6.9、約9.8、約19.7、約20.6および約24.6、(5)約5.0、約6.8、約19.9、約20.6、約20.9および約24.9、(6)約5.2、約6.6、約7.1、約15.7、約19.1および約25.0、または(7)約6.1、約8.2、約10.4、約12.7、約17.2、約17.7、約18.0、約18.8、約19.4、約19.8、約20.1、約20.8、約21.8および約23.3のXRPD2θ反射角度(°)を有する結晶性GS−7977を含む。別の下位実施形態では、組成物は、(1)約5.0および約7.3、または(2)約6.1および約12.7のXRPD2θ反射角度(°)を有する結晶性GS−7977を含む。好ましい一下位実施形態では、単位剤形は、(1)約5.2、約7.5、約9.6、約16.7、約18.3および約22.2のXRPD2θ反射角度(°)、または(2)約5.0、約7.3、約9.4および約18.1のXRPD2θ反射角度(°)を有する結晶性GS−7977を含む。別の好ましい下位実施形態では、単位剤形は、約6.1、8.2、10.4、12.7、17.2、17.7、18.0、18.8、19.4、19.8、20.1、20.8、21.8および23.3のXRPD2θ反射角度(°)を有する結晶性GS−7977を含む。別の好ましい下位実施形態では、組成物は、約5.0および約7.3のXRPD2θ反射角度(°)を有する結晶性GS−7977を含む。さらに好ましい一下位実施形態では、組成物は、約6.1および12.7のXRPD2θ反射角度(°)を有する結晶性GS−7977を含む。
【0065】
第2の実施形態の第2の態様では、薬学的に許容される賦形剤は、希釈剤、崩壊剤、流動促進剤および滑沢剤の少なくとも1つを含む。
【0066】
一下位実施形態では、希釈剤は、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、乾燥デンプン、硫酸カルシウム、セルロース、圧縮糖、菓子用砂糖、デキストレート、デキストリン、ブドウ糖、第二リン酸カルシウム二水和物、パルミトステアリン酸グリセリル、硬化植物油(タイプI)、イノシトール、カオリン、ラクトース、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、微結晶性セルロース、ポリメタクリレート、塩化カリウム、粉末化セルロース、粉糖、アルファ化デンプン、塩化ナトリウム、ソルビトール、デンプン、スクロース、球状糖、タルク、第三リン酸カルシウムおよびその組合せからなる群から選択される。好ましい一下位実施形態では、希釈剤は、リン酸二カルシウム、セルロース、圧縮糖、無水第二リン酸カルシウム、ラクトース、マンニトール、微結晶性セルロース、デンプン、第三リン酸カルシウムおよびその組合せからなる群から選択される。別の好ましい下位実施形態では、希釈剤は、マンニトール、微結晶性セルロースおよびその組合せからなる群から選択される。
【0067】
別の下位実施形態では、崩壊剤は、寒天、アルギン酸、ベントナイト、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、セルロース、カチオン交換樹脂、セルロース、ガム、柑橘類の果肉、コロイド状二酸化ケイ素、トウモロコシデンプン、クロスカルメロースナトリウム(例えば、Ac−Di−Sol(登録商標))、クロスポビドン、グアーガム、含水ケイ酸アルミニウム、イオン交換樹脂(例えば、ポラクリリンカリウム)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、変性セルロースガム、加工トウモロコシデンプン、モンモリロナイトクレー、天然スポンジ、ポラクリリンカリウム、バレイショデンプン、粉末化セルロース、ポビドン、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、酒石酸またはクエン酸などの酸味料と混ぜ合わされた重炭酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、ケイ酸塩(例えば、Veegum(登録商標)HV)およびその組合せからなる群から選択される。好ましい一下位実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム(例えば、Ac−Di−Sol)、クロスポビドン、微結晶性セルロース、加工トウモロコシデンプン、ポビドン、アルファ化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウムおよびその組合せからなる群から選択される。別の好ましい下位実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム(例えば、Ac−Di−Sol)である。
【0068】
別の下位実施形態では、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、デンプン、デンプン誘導体およびその組合せからなる群から選択される。好ましい一下位実施形態では、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素を含む。
【0069】
別の下位実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、硬化植物油、軽鉱物油、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸亜鉛およびその組合せからなる群から選択される。好ましい一下位実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルクおよびその組合せからなる群から選択される。別の好ましい下位実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0070】
別の下位実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、a)約660mg〜約780mgの希釈剤、b)約30mg〜約90mgの崩壊剤、c)約3mg〜約9mgの流動促進剤、およびd)約15mg〜約21mgの滑沢剤を含む。好ましい一下位実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、a)約710mg〜約720mgの希釈剤、b)約60mgの崩壊剤、c)約6mgの流動促進剤、およびd)約18mgの滑沢剤を含む。別の好ましい下位実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、a)約716mgの希釈剤、b)約60mgの崩壊剤、c)約6mgの流動促進剤、およびd)約18mgの滑沢剤を含む。別の好ましい下位実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、a)マンニトールおよび/または微結晶性セルロースを含む約710mg〜約720mgの希釈剤、b)約60mgのクロスカルメロースナトリウム、c)約6mgのコロイド状二酸化ケイ素、ならびにd)約18mgのステアリン酸マグネシウムを含む。別の好ましい下位実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、a)マンニトールおよび/または微結晶性セルロースを含む約716mgの希釈剤、b)約60mgのクロスカルメロースナトリウム、c)約6mgのコロイド状二酸化ケイ素、ならびにd)約18mgのステアリン酸マグネシウムを含む。別の好ましい下位実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、a)約360mgのマンニトールおよび約356mgの微結晶性セルロース、b)約60mgのクロスカルメロースナトリウム、c)約6mgのコロイド状二酸化ケイ素、ならびにd)約18mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0071】
第2の実施形態の第3の態様では、単位剤形は、コーティング剤をさらに含む。一下位実施形態では、コーティング剤は、矯味剤をさらに含む。一下位実施形態では、コーティング剤は、水性フィルムコート組成物から形成され、この水性フィルムコート組成物は、フィルム形成ポリマー、ビヒクルとして水および/またはアルコールを含み、必要に応じてフィルムコーティング分野で公知のものなどの1つまたは複数のアジュバントを含む。別の下位実施形態では、コーティング剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼインおよびアクリルポリマー(例えば、メタクリル酸/メタクリル酸エステルコポリマー、例えばメタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー等)、ならびにポリビニルアルコールから選択される。別の下位実施形態では、コーティング剤は、ポリビニルアルコールを含む。別の下位実施形態では、単位剤形(unit dosage)は、約24mg〜約60mgのコーティング剤を含む。別の下位実施形態では、単位剤形は、約36mg〜約48mgのコーティング剤を含む。別の下位実施形態では、単位剤形は、約36mgのコーティング剤を含む。別の下位実施形態では、単位剤形は、約36mgのコーティング剤を含み、矯味剤をさらに含む。
【0072】
第2の実施形態の第4の態様では、単位剤形は、約400mgの結晶性GS−7977、約360mgのマンニトールおよび約356mgの微結晶性セルロース、約60mgのクロスカルメロースナトリウム、約6mgのコロイド状二酸化ケイ素、ならびに約18mgのステアリン酸マグネシウムを含む。一下位実施形態では、単位剤形は、約6.1、8.2、10.4、12.7、17.2、17.7、18.0、18.8、19.4、19.8、20.1、20.8、21.8および23.3のXRPD2θ反射角度(°)を有する約400mgの結晶性GS−7977、約360mgのマンニトールおよび約356mgの微結晶性セルロース、約60mgのクロスカルメロースナトリウム、約6mgのコロイド状二酸化ケイ素、ならびに約18mgのステアリン酸マグネシウムを含む。別の下位実施形態では、単位剤形は、約6.1および12.7のXRPD2θ反射角度(°)を有する約400mgの結晶性GS−7977、約360mgのマンニトールおよび約356mgの微結晶性セルロース、約60mgのクロスカルメロースナトリウム、約6mgのコロイド状二酸化ケイ素、ならびに約18mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0073】
第2の実施形態の第5の態様では、単位剤形は、カプセル剤または錠剤を含む。一下位実施形態では、単位剤形は、錠剤を含む。別の下位実施形態では、単位剤形は、錠剤を含み、コーティング剤をさらに含む。
【0074】
コーティング剤に関して、フィルム形成ポリマーは、典型的に、水性溶媒または有機溶媒ベースの溶液または水性分散液のいずれかで提供される。しかしポリマーは、乾燥形態で単独で、または他の成分(例えば、可塑剤および/または着色剤)との粉末混合物で提供することができ、これは、使用者によって水性ビヒクルと混合することによって溶液または分散液にされる。
【0075】
水性フィルムコート組成物は、単位剤形の表面への他の成分の送達を容易にするために、他の成分のためのビヒクルとして水をさらに含むことを理解されよう。ビヒクルは、必要に応じて、1つまたは複数の水溶性溶媒、例えば、アルコールおよび/またはケトンをさらに含むことができる。アルコールの例には、メタノール、イソプロパノール、プロパノール等が含まれるが、それらに限定されない。ケトンの非限定的な例は、アセトンである。当業者は、フィルム形成ポリマーとビヒクルの間の良好な相互作用を提供して良好なフィルム特性を確保するのに適したビヒクル成分を選択することができる。一般に、粘着強度が最も高く、したがって機械特性が最も良好なフィルムを生成するために、ポリマーとビヒクルの相互作用は、ポリマー鎖の伸展性を最大限にするように設計される。また成分は、密着性および接着性フィルムが達成されるように、単位剤形の表面上にフィルム形成ポリマーが良好に沈着するように選択される。
【0076】
適切な水性フィルムコーティング組成物には、West Point,Pa.のColorcon,Inc.から商標OPADRYおよびOPADRY II(非限定的な例には、Opadry II PurpleおよびOpadry II Yellowが含まれる)で市販されている組成物が含まれる。
【0077】
第3の実施形態は、C型肝炎ウイルスに感染している被験体に、a)約25〜35%w/wのGS−7977、およびb)薬学的に許容される賦形剤を含む組成物を投与する工程を含む、被験体を処置する方法を対象とする。
【0078】
第3の実施形態の第1の態様では、a)約25〜35%w/wのGS−7977、およびb)薬学的に許容される賦形剤を含む組成物は、リバビリンと組み合わせて被験体に投与される。
【0079】
第3の実施形態の第2の態様では、被験体はヒトである。
【0080】
第4の実施形態は、C型肝炎ウイルスに感染している被験体に、a)約400mgのGS−7977、およびb)薬学的に許容される賦形剤を含む単位剤形を投与する工程を含む、被験体を処置する方法を対象とする。
【0081】
第4の実施形態の第1の態様では、a)約400mgのGS−7977、およびb)薬学的に許容される賦形剤を含む単位剤形は、リバビリンと組み合わせて被験体に投与される。
【0082】
第4の実施形態の第2の態様では、被験体はヒトである。
【0083】
錠剤の調製
賦形剤の特定のタイプおよび量、ならびに用いる打錠技術の選択は、GS−7977および賦形剤のさらなる特性、例えば圧縮性、流動性、粒径、適合性および密度に応じて決まる。これについては、Remington:The Science and Practice of Pharmacy 2006年、第21版、Lippincott Williams & Wilkins、さらにHandbook of Pharmaceutical Excipients 1994年、A. WadeおよびP. J. Weller編集、The Pharmaceutical Press、第2版、Londonを参照されたい。調剤技術者は、GS−7977を含有する組成物を不安定にすることなく、またはそれらの処置活性を損なうことなく、本明細書の教示の範囲内で製剤を改変して、数々の製剤を特定の投与経路に合わせて提供することができる。
【0084】
錠剤は、乾燥造粒(例えば、ローラー圧縮)、湿潤造粒(例えば、流動床造粒および高せん断造粒)および直接圧縮を含む当技術分野で公知の方法に従って調製することができ、したがって、使用される賦形剤のタイプは変わることになる。乾燥造粒は、結晶性GS−7977を相対的に高濃度(例えば約33%)で含み、強度が高く破壊されにくい錠剤を、商業生産に適した規模で提供するのに特に適していることが見出されている。適切な乾燥造粒錠剤は、GS−7977、ならびに希釈剤、崩壊剤、流動促進剤および滑沢剤の1つまたは複数を含む顆粒を含み、ここで顆粒を、希釈剤、崩壊剤、流動促進剤および滑沢剤の1つまたは複数と混合すると、造粒混合物が形成され、それを圧縮すると錠剤が形成される。
【0085】
第5の実施形態は、約400mgのGS−7977を含む錠剤組成物を調製する方法を対象とし、上記方法は、粒内組成物と粒外組成物をブレンドして、ブレンドされた組成物を得る工程と、ブレンドされた組成物を圧縮して、錠剤組成物を得る工程と、必要に応じて錠剤組成物をコーティングする工程とを含む。
【0086】
第5の実施形態の第1の態様では、粒内組成物は、GS−7977、第1の粒内希釈剤、必要に応じて第2の粒内希釈剤、粒内崩壊剤、粒内流動促進剤および粒内滑沢剤を含み、粒外組成物は、第1の粒外希釈剤、必要に応じて第2の粒外希釈剤、粒外崩壊剤、粒外流動促進剤および粒外滑沢剤を含み、ここで第1の粒内希釈剤、第2の粒内希釈剤、第1の粒外希釈剤および第2の粒外希釈剤は、同じかまたは異なっており、粒内崩壊剤および粒外崩壊剤は、同じかまたは異なっており、粒内流動促進剤および粒外流動促進剤は、同じかまたは異なっており、粒内滑沢剤および粒外滑沢剤は、同じかまたは異なっている。
【0087】
第5の実施形態の第2の態様では、粒内組成物は、GS−7977、第1の粒内希釈剤、粒内崩壊剤、粒内流動促進剤および粒内滑沢剤を含み、粒外組成物は、第1の粒外希釈剤、第2の粒外希釈剤、粒外崩壊剤、粒外流動促進剤および粒外滑沢剤を含み、ここで第1の粒内希釈剤、第1の粒外希釈剤および第2の粒外希釈剤は、同じかまたは異なっており、粒内崩壊剤および粒外崩壊剤は、同じかまたは異なっており、粒内流動促進剤および粒外流動促進剤は、同じかまたは異なっており、粒内滑沢剤および粒外滑沢剤は、同じかまたは異なっている。
【0088】
第5の実施形態の第3の態様では、粒内組成物は、GS−7977、第1の粒内希釈剤、第2の粒内希釈剤、粒内崩壊剤、粒内流動促進剤および粒内滑沢剤を含み、粒外組成物は、第1の粒外希釈剤、粒外崩壊剤、粒外流動促進剤および粒外滑沢剤を含み、ここで第1の粒内希釈剤、第2の粒内希釈剤および第1の粒外希釈剤は、同じかまたは異なっており、粒内崩壊剤および粒外崩壊剤は、同じかまたは異なっており、粒内流動促進剤および粒外流動促進剤は、同じかまたは異なっており、粒内滑沢剤および粒外滑沢剤は、同じかまたは異なっている。
【0089】
第5の実施形態の第4の態様は、以下の工程の少なくとも1つを含む。
【0090】
(1)ふるい分け/ブレンディング:GS−7977および薬学的に許容される賦形剤を、製剤化過程の最中にふるい分けし、かつ/またはブレンドする。非限定的な一例では、最初にGS−7977および粒内賦形剤(第1の希釈剤、任意選択の第2の希釈剤、流動促進剤、崩壊剤;粒内滑沢剤以外)を、20メッシュ篩に通してふるい分けし、ブレンダーに添加し、第1のブレンディング時間にわたってブレンドして、初期ブレンドを生成する。一態様では、第1のブレンディング時間は、約5〜約30分の範囲である。別個に、粒内滑沢剤を20メッシュ篩に通過させ、初期ブレンドの一部と混合し、ブレンダーに添加し、第2のブレンディング時間にわたってブレンドする。一態様では、第2のブレンディング時間は、約1分〜約10分である。別の態様では、第2のブレンディング時間は、約1分〜約5分である。別の態様では、第2のブレンディング時間は、約5分〜約10分である。次に、粒外賦形剤(第1の希釈剤、任意選択の第2の希釈剤、流動促進剤、崩壊剤)(粒外滑沢剤以外)を、20メッシュ篩に通してふるい分けし、最終的なブレンディングで使用する。ブレンディング時間は、製剤化過程の規模が増大するにつれて延長し得ることが企図される。
(2)乾燥造粒:
(A)ローラー圧縮:GS−7977および薬学的に許容される賦形剤を、ローラー圧縮器に通過させて、圧縮物を生成する。次に、圧縮物を粉砕して(以下の通り)、顆粒を得る。非限定的な一例では、GS−7977、粒内賦形剤および滑沢剤を含むブレンドを、造粒が達成されるまでローラー圧縮器に通過させる。非限定的な例は、以下のパラメータを有する。造粒機の速度は約50〜約90rpmの範囲、より具体的には約70rpmであり、圧縮器の速度は、約4〜約6rpmの範囲、より具体的には約5rpmであり、圧力は、約65〜約100バール、より具体的には約75〜約100バールの範囲である。
(B)粉砕(粉砕/ふるい分けした顆粒の調製):GS−7977および薬学的に許容される賦形剤を粉砕し、かつ/またはふるい分けする。非限定的な一例では、GS−7977および粒内賦形剤をローラー圧縮器に通過させた後、材料をComillまたはFitz Millを使用して20メッシュ篩に通過させ/20メッシュ篩を介して押し出し、次に60メッシュ篩でふるい分けする。この非限定的な例では、60メッシュ篩上に残った材料は、許容される顆粒であるとみなされるが、60メッシュ篩を通過した材料は、微細物であるとみなされ、再びローラー圧縮器に循環させられる。この過程は、微細物の百分率が20%未満になるまで反復される。非限定的な一例では、粉砕速度は、約50〜約90rpmの範囲、より具体的には約70rpmである。
(3)最終的なブレンディング:GS−7977および粒内賦形剤を含み粉砕/ふるい分けされた顆粒を、最終的なブレンディングで粒外賦形剤とブレンドする。非限定的な一例では、GS−7977および粒内賦形剤(exceipients)を含む粉砕/ふるい分けされた顆粒を、粒外賦形剤(第1の希釈剤および/または第2の希釈剤、流動促進剤および崩壊剤)と共にブレンダー(例えば、ダブルコーンブレンダー、ビンブレンダーまたはVシェルブレンダー)に添加し、約10〜約30分間ブレンドする。粒外滑沢剤を20メッシュ篩に通過させ、ブレンドに添加する。ブレンド/混合物を約5分間ブレンドする。ブレンディング時間は、製剤化過程の規模が増大するにつれて延長し得ることが企図される。
(4)圧縮処理:最終ブレンドを、錠剤プレス機(例えば、Globe Pharma Mini Press)を使用して圧縮して、錠剤にする。
(5)必要に応じて、錠剤を、フィルムコーティング剤でフィルムコーティングする。
【0091】
第5の実施形態の第5の態様では、GS−7977を、微結晶性セルロース、マンニトール、クロスカルメロースナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む粒内賦形剤と、ブレンダー内でブレンドする。混合物を粉砕し、ステアリン酸マグネシウムの一部とブレンドし、次にローラー圧縮器およびミルを使用して乾燥造粒する。次に、得られた顆粒を、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む粒外賦形剤とブレンドする。追加のステアリン酸マグネシウムの一部を添加し、得られた組成物を混合して、33.33%w/wのGS−7977を含む粉末ブレンドを得る。粉末ブレンドを圧縮して錠剤コアにして、約400mgのGS−7977を含む錠剤を得る。錠剤コアをフィルムコーティングし、次に得られたフィルムコーティングされた錠剤をパッケージする。
【0092】
本明細書に記載の実施形態は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy 1995年、E. W. Martin編集、Mack Publishing Company、第19版、Easton、Pennsylvaniaに記載の材料および方法を使用して、表明された意図から逸脱することなく当業者によって改変され得る。Handbook of Pharmaceutical Excipients 1994年、A. Wade および P. J. Weller編集、The Pharmaceutical Press、第2版、Londonも参照されたい。当業者は、GS−7977を含有する組成物を不安定にすることなく、またはその処置活性を損なうことなく、本明細書の教示の範囲内で製剤を改変して、数々の製剤を提供することができる。以下の非限定的な例により、開示の方法および組成物の追加の態様に関するさらなる指針を提供する。
【0093】
処置方法
第6の実施形態は、有効量のGS−7977および有効量のリバビリンを、C型肝炎ウイルスに感染している被験体に一定期間投与する工程を含む、該被験体を処置する方法を対象とする。
【0094】
第6の実施形態の第1の態様では、一定期間は、約2週間〜約12週間、約3週間〜約12週間、約4週間〜約12週間、約5週間〜約12週間、約6週間〜約12週間、約7週間〜約12週間、約8週間〜約12週間、約9週間〜約12週間、約10週間〜約12週間、約11週間〜約12週間、および約12週間から選択される。一下位実施形態では、一定期間は12週間である。別の下位実施形態では、一定期間は8週間である。
【0095】
第6の実施形態の第2の態様では、GS−7977の有効量は、約100mg〜約800mg、約200mg〜約800mg、約400mg〜約800mg、約600mg〜約800mg、約100mg〜約600mg、約100mg〜約400mg、約100mg〜約200mg、約200mg〜約600mg、約200mg〜約400mg、約400mg〜約600mg、および約400mgから選択される1日用量である。一下位実施形態では、1日用量のGS−7977は、被験体にQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、被験体にQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、被験体にQDで投与される。
【0096】
第6の実施形態の第3の態様では、有効量のGS−7977は、有効量のリバビリンと組み合わせて被験体に投与され、この場合、投与は同時または交互に行われる。
【0097】
第6の実施形態の第4の態様では、リバビリンの有効量は、約600mg〜約1400mgおよび約800mg〜約1200mgから選択される1日用量である。一下位実施形態では、リバビリンの有効量は、1日用量で約1000mg〜約1200mgである。別の下位実施形態では、リバビリンの有効量は、被験体の体重に基づいて1日用量で約1000mg〜約1200mgである。別の下位実施形態では、リバビリンの有効量は、1日用量で約800mgである。別の下位実施形態では、リバビリンの1日用量は、被験体にQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。さらなる一下位実施形態では、リバビリンの1日用量は、被験体にBIDで投与される。
【0098】
第6の実施形態の第5の態様では、1日用量で約400mgのGS−7977は、1日用量で約800mg〜約1200mgのリバビリンと組み合わせて被験体に投与される。一下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、1日用量で約800mgのリバビリンと組み合わせて被験体に投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、1日用量で約1000mg〜約1200mgのリバビリンと組み合わせて被験体に投与される。
【0099】
第6の実施形態の第6の態様では、被験体は、HCV遺伝子型1、2、3、4、5もしくは6、またはその任意の組合せに感染している。一下位実施形態では、被験体は、HCV遺伝子型1、2もしくは3、またはその任意の組合せに感染している。
【0100】
第6の実施形態の第7の態様では、被験体は、一定期間が終了した後少なくとも12週間、HCV RNAの量が検出不可能である。一下位実施形態では、被験体は、一定期間が終了した後少なくとも24週間、HCV RNAの量が検出不可能である。別の下位実施形態では、被験体は、一定期間が終了した後少なくとも36週間、HCV RNAの量が検出不可能である。さらなる一下位実施形態では、被験体は、一定期間が終了した後少なくとも48週間、HCV RNAの量が検出不可能である。
【0101】
第6の実施形態の第8の態様では、被験体はヒトである。
【0102】
第6の実施形態の第9の態様では、有効量のGS−7977および有効量のリバビリンは、インターフェロンを用いない処置レジメンに従って被験体に投与される。一下位実施形態では、インターフェロンを用いない処置レジメンは、有効量のGS−7977および有効量のリバビリンを被験体に一定期間投与することからなる。
【0103】
第6の実施形態の第10の態様では、有効量のGS−7977は、GS−7977および本明細書に開示の少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む組成物を含む。
【0104】
第6の実施形態の第11の態様では、有効量のGS−7977は、GS−7977および本明細書に開示の少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む単位剤形を含む。
【0105】
第7の実施形態は、一定期間が終了した後少なくとも12週間、被験体のHCV RNAの量を検出不可能にするのに十分な有効量のGS−7977および有効量のリバビリンを、C型肝炎ウイルスに感染している被験体に該一定期間投与する工程を含む、該被験体を処置する方法を対象とする。
【0106】
第7の実施形態の第1の態様では、一定期間は、約2週間〜約12週間、約3週間〜約12週間、約4週間〜約12週間、約5週間〜約12週間、約6週間〜約12週間、約7週間〜約12週間、約8週間〜約12週間、約9週間〜約12週間、約10週間〜約12週間、約11週間〜約12週間、および約12週間から選択される。一下位実施形態では、一定期間は12週間である。別の下位実施形態では、一定期間は8週間である。
【0107】
第7の実施形態の第2の態様では、GS−7977の有効量は、約100mg〜約800mg、約200mg〜約800mg、約400mg〜約800mg、約600mg〜約800mg、約100mg〜約600mg、約100mg〜約400mg、約100mg〜約200mg、約200mg〜約600mg、約200mg〜約400mg、約400mg〜約600mg、および約400mgから選択される1日用量である。一下位実施形態では、1日用量のGS−7977は、被験体にQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、被験体にQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、被験体にQDで投与される。
【0108】
第7の実施形態の第3の態様では、有効量のGS−7977は、有効量のリバビリンと組み合わせて被験体に投与され、この場合、投与は同時または交互に行われる。
【0109】
第7の実施形態の第4の態様では、リバビリンの有効量は、約600mg〜約1400mgおよび約800mg〜約1200mgから選択される1日用量である。一下位実施形態では、リバビリンの有効量は、1日用量で約1000mg〜約1200mgである。別の下位実施形態では、リバビリンの有効量は、被験体の体重に基づいて1日用量で約1000mg〜約1200mgである。別の下位実施形態では、リバビリンの有効量は、1日用量で約800mgである。別の下位実施形態では、リバビリンの1日用量は、被験体にQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。さらなる一下位実施形態では、リバビリンの1日用量は、被験体にBIDで投与される。
【0110】
第7の実施形態の第5の態様では、1日用量で約400mgのGS−7977は、1日用量で約800mg〜約1200mgのリバビリンと組み合わせて被験体に投与される。一下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、1日用量で約800mgのリバビリンと組み合わせて被験体に投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、1日用量で約1000mg〜約1200mgのリバビリンと組み合わせて被験体に投与される。
【0111】
第7の実施形態の第6の態様では、被験体は、HCV遺伝子型1、2、3、4、5もしくは6、またはその任意の組合せに感染している。一下位実施形態では、被験体は、HCV遺伝子型1、2もしくは3、またはその任意の組合せに感染している。
【0112】
第7の実施形態の第7の態様では、被験体は、一定期間が終了した後少なくとも24週間、HCV RNAの量が検出不可能である。一下位実施形態では、被験体は、一定期間が終了した後少なくとも36週間、HCV RNAの量が検出不可能である。別の下位実施形態では、被験体は、一定期間が終了した後少なくとも48週間、HCV RNAの量が検出不可能である。
【0113】
第7の実施形態の第8の態様では、被験体はヒトである。
【0114】
第7の実施形態の第9の態様では、有効量のGS−7977および有効量のリバビリンは、インターフェロンを用いない処置レジメンに従って被験体に投与される。一下位実施形態では、インターフェロンを用いない処置レジメンは、有効量のGS−7977および有効量のリバビリンを被験体に一定期間投与することからなる。
【0115】
第7の実施形態の第10の態様では、有効量のGS−7977は、GS−7977および本明細書に開示の少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む組成物を含む。
【0116】
第7の実施形態の第11の態様では、有効量のGS−7977は、GS−7977および本明細書に開示の少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む単位剤形を含む。
【0117】
第8の実施形態は、一定期間が終了した後少なくとも12週間、ヒトのHCV RNAの量を検出不可能にするのに十分な有効量のGS−7977および有効量のリバビリンを、C型肝炎ウイルスに感染しているヒトに該一定期間投与する工程を含む、該ヒトを処置する方法を対象とする。
【0118】
第8の実施形態の第1の態様では、一定期間は、約2週間〜約12週間、約3週間〜約12週間、約4週間〜約12週間、約5週間〜約12週間、約6週間〜約12週間、約7週間〜約12週間、約8週間〜約12週間、約9週間〜約12週間、約10週間〜約12週間、約11週間〜約12週間、および約12週間から選択される。一下位実施形態では、一定期間は12週間である。別の下位実施形態では、一定期間は8週間である。
【0119】
第8の実施形態の第2の態様では、GS−7977の有効量は、約100mg〜約800mg、約200mg〜約800mg、約400mg〜約800mg、約600mg〜約800mg、約100mg〜約600mg、約100mg〜約400mg、約100mg〜約200mg、約200mg〜約600mg、約200mg〜約400mg、約400mg〜約600mg、および約400mgから選択される1日用量である。一下位実施形態では、1日用量のGS−7977は、ヒトにQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、ヒトにQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、ヒトにQDで投与される。
【0120】
第8の実施形態の第3の態様では、有効量のGS−7977は、有効量のリバビリンと組み合わせて被験体に投与され、この場合、投与は同時または交互に行われる。
【0121】
第8の実施形態の第4の態様では、リバビリンの有効量は、約600mg〜約1400mgおよび約800mg〜約1200mgから選択される1日用量である。一下位実施形態では、リバビリンの有効量は、1日用量で約1000mg〜約1200mgである。別の下位実施形態では、リバビリンの有効量は、ヒトの体重に基づいて1日用量で約1000mg〜約1200mgである。別の下位実施形態では、リバビリンの有効量は、1日用量で約800mgである。別の下位実施形態では、リバビリンの1日用量は、ヒトにQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。さらなる一下位実施形態では、リバビリンの1日用量は、ヒトにBIDで投与される。
【0122】
第8の実施形態の第5の態様では、1日用量で約400mgのGS−7977は、1日用量で約800mg〜約1200mgのリバビリンと組み合わせてヒトに投与される。一下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、1日用量で約800mgのリバビリンと組み合わせてヒトに投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、1日用量で約1000mg〜約1200mgのリバビリンと組み合わせてヒトに投与される。
【0123】
第8の実施形態の第6の態様では、ヒトは、HCV遺伝子型1、2、3、4、5もしくは6、またはその任意の組合せに感染している。一下位実施形態では、被験体は、HCV遺伝子型1、2もしくは3、またはその任意の組合せに感染している。
【0124】
第8の実施形態の第7の態様では、ヒトは、一定期間が終了した後少なくとも24週間、HCV RNAの量が検出不可能である。一下位実施形態では、ヒトは、一定期間が終了した後少なくとも36週間、HCV RNAの量が検出不可能である。別の下位実施形態では、ヒトは、一定期間が終了した後少なくとも48週間、HCV RNAの量が検出不可能である。
【0125】
第8の実施形態の第8の態様では、有効量のGS−7977および有効量のリバビリンは、インターフェロンを用いない処置レジメンに従ってヒトに投与される。一下位実施形態では、インターフェロンを用いない処置レジメンは、有効量のGS−7977および有効量のリバビリンを被験体に一定期間投与することからなる。
【0126】
第8の実施形態の第9の態様では、有効量のGS−7977は、GS−7977および本明細書に開示の少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む組成物を含む。
【0127】
第8の実施形態の第10の態様では、有効量のGS−7977は、GS−7977および本明細書に開示の少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む単位剤形を含む。
【0128】
第9の実施形態は、一定期間が終了した後少なくとも12週間、C型肝炎ウイルスに感染しているヒトのHCV RNAの量を約15IU/mL未満にするのに十分な有効量のGS−7977および有効量のリバビリンを、該ヒトに該一定期間投与する工程を含む、該ヒトを処置する方法を対象とする。
【0129】
第9の実施形態の第1の態様では、一定期間は、約2週間〜約12週間、約3週間〜約12週間、約4週間〜約12週間、約5週間〜約12週間、約6週間〜約12週間、約7週間〜約12週間、約8週間〜約12週間、約9週間〜約12週間、約10週間〜約12週間、約11週間〜約12週間、および約12週間から選択される。一下位実施形態では、一定期間は約12週間である。別の下位実施形態では、一定期間は約8週間である。
【0130】
第9の実施形態の第2の態様では、GS−7977の有効量は、約100mg〜約800mg、約200mg〜約800mg、約400mg〜約800mg、約600mg〜約800mg、約100mg〜約600mg、約100mg〜約400mg、約100mg〜約200mg、約200mg〜約600mg、約200mg〜約400mg、約400mg〜約600mg、および約400mgから選択される1日用量である。一下位実施形態では、1日用量のGS−7977は、ヒトにQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、ヒトにQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、ヒトにQDで投与される。
【0131】
第9の実施形態の第3の態様では、有効量のGS−7977は、有効量のリバビリンと組み合わせてヒトに投与され、この場合、投与は同時または交互に行われる。
【0132】
第9の実施形態の第4の態様では、リバビリンの有効量は、約600mg〜約1400mgおよび約800mg〜約1200mgから選択される1日用量である。一下位実施形態では、リバビリンの有効量は、1日用量で約1000mg〜約1200mgである。別の下位実施形態では、リバビリンの有効量は、ヒトの体重に基づいて1日用量で約1000mg〜約1200mgである。別の下位実施形態では、リバビリンの有効量は、1日用量で約800mgである。別の下位実施形態では、リバビリンの1日用量は、ヒトにQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。さらなる一下位実施形態では、リバビリンの1日用量は、ヒトにBIDで投与される。
【0133】
第9の実施形態の第5の態様では、1日用量で約400mgのGS−7977は、1日用量で約800mg〜約1200mgのリバビリンと組み合わせてヒトに投与される。一下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、1日用量で約800mgのリバビリンと組み合わせてヒトに投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、1日用量で約1000mg〜約1200mgのリバビリンと組み合わせてヒトに投与される。
【0134】
第9の実施形態の第6の態様では、ヒトは、HCV遺伝子型1、2、3、4、5もしくは6、またはその任意の組合せに感染している。一下位実施形態では、ヒトは、HCV遺伝子型1、2もしくは3、またはその任意の組合せに感染している。
【0135】
第9の実施形態の第7の態様では、ヒトは、一定期間が終了した後少なくとも24週間、HCV RNAの量が約15IU/mL未満である。一下位実施形態では、ヒトは、一定期間が終了した後少なくとも36週間、HCV RNAの量が約15IU/mL未満である。別の下位実施形態では、ヒトは、一定期間が終了した後少なくとも48週間、HCV RNAの量が約15IU/mL未満である。
【0136】
第9の実施形態の第8の態様では、有効量のGS−7977および有効量のリバビリンは、インターフェロンを用いない処置レジメンに従ってヒトに投与される。一下位実施形態では、インターフェロンを用いない処置レジメンは、有効量のGS−7977および有効量のリバビリンを被験体に一定期間投与することからなる。
【0137】
第9の実施形態の第9の態様では、有効量のGS−7977は、GS−7977および本明細書に開示の少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む組成物を含む。
【0138】
第9の実施形態の第10の態様では、有効量のGS−7977は、GS−7977および本明細書に開示の少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む単位剤形を含む。
【0139】
第10の実施形態は、約400mgのGS−7977および約800mg〜約1200mgのリバビリンを、C型肝炎ウイルスに感染しているヒトに一定期間投与することからなる、該ヒトを処置する方法を対象とする。
【0140】
第10の実施形態の第1の態様では、一定期間は、約2週間〜約12週間、約3週間〜約12週間、約4週間〜約12週間、約5週間〜約12週間、約6週間〜約12週間、約7週間〜約12週間、約8週間〜約12週間、約9週間〜約12週間、約10週間〜約12週間、約11週間〜約12週間、および約12週間から選択される。一下位実施形態では、一定期間は12週間である。別の下位実施形態では、一定期間は8週間である。
【0141】
第10の実施形態の第2の態様では、約400mgのGS−7977は、ヒトに毎日投与される。一下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、ヒトにQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、ヒトにQDで投与される。
【0142】
第10の実施形態の第3の態様では、約400mgのGS−7977は、約800mg〜約1200mgのリバビリンと組み合わせてヒトに投与され、この場合、投与は同時または交互に行われる。
【0143】
第10の実施形態の第4の態様では、約1000mg〜約1200mgのリバビリンは、ヒトに毎日投与される。一下位実施形態では、1日用量で約1000mg〜約1200mgのリバビリンは、ヒトにQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約1000mg〜約1200mgのリバビリンは、ヒトにBIDで投与される。さらなる一下位実施形態では、1日用量で1000mgまたは1200mgのリバビリンは、体重に基づいて被験体に投与される。
【0144】
第10の実施形態の第5の態様では、約800mgのリバビリンは、ヒトに毎日投与される。一下位実施形態では、1日用量で約800mgのリバビリンは、ヒトにQD、BID、TDまたはQIDで投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約800mgのリバビリンは、ヒトにBIDで投与される。
【0145】
第10の実施形態の第6の態様では、ヒトは、HCV遺伝子型1、2、3、4、5もしくは6、またはその任意の組合せに感染している。一下位実施形態では、ヒトは、HCV遺伝子型1、2もしくは3、またはその任意の組合せに感染している。
【0146】
第10の実施形態の第7の態様では、ヒトは、一定期間が終了した後少なくとも12週間、HCV RNAの量が検出不可能である。一下位実施形態では、ヒトは、一定期間が終了した後少なくとも24週間、HCV RNAの量が検出不可能である。別の下位実施形態では、ヒトは、一定期間が終了した後少なくとも36週間、HCV RNAの量が検出不可能である。さらなる一下位実施形態では、ヒトは、一定期間が終了した後少なくとも48週間、HCV RNAの量が検出不可能である。
【0147】
第10の実施形態の第8の態様では、約400mgのGS−7977は、GS−7977および本明細書に開示の少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む組成物を含む。
【0148】
第10の実施形態の第9の態様では、約400mgのGS−7977は、GS−7977および本明細書に開示の少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む単位剤形を含む。
【0149】
第11の実施形態は、有効量のGS−7977および有効量のリバビリンを含む、被験体のC型肝炎ウイルス感染症を処置するのに有用な組成物を対象とする。
【0150】
第11の実施形態の第1の態様では、組成物は、ペグインターフェロンを含まない。
【0151】
第11の実施形態の第2の態様では、GS−7977の有効量は、約100mg〜約800mg、約200mg〜約800mg、約400mg〜約800mg、約600mg〜約800mg、約100mg〜約600mg、約100mg〜約400mg、約100mg〜約200mg、約200mg〜約600mg、約200mg〜約400mg、約400mg〜約600mg、および約400mgのGS−7977で構成され、被験体に毎日投与される。一下位実施形態では、組成物は、約400mgのGS−7977を含み、被験体にQDで投与される。
【0152】
第11の実施形態の第3の態様では、リバビリンの有効量は、約600mg〜約1400mgまたは約800mg〜約1200mgで構成され、被験体に毎日投与される。一下位実施形態では、リバビリンの有効量は、約1000mg〜約1200mgで構成され、被験体に毎日投与される。別の下位実施形態では、リバビリンの有効量は、約1000mg〜約1200mgであり、被験体の体重に基づいて被験体に毎日投与される。別の下位実施形態では、リバビリンの有効量は、約800mgであり、被験体に毎日投与される。別の下位実施形態では、組成物は、有効量のリバビリンを含み、被験体にQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。さらなる一下位実施形態では、組成物は、有効量のリバビリンを含み、被験体にBIDで投与される。
【0153】
第11の実施形態の第4の態様では、組成物は、被験体にQDで投与される約400mgのGS−7977および被験体にBIDで投与される約800mg〜約1200mgのリバビリンを含む。一下位実施形態では、組成物は、被験体にQDで投与される約400mgのGS−7977および被験体にBIDで投与される約800mgのリバビリンを含む。別の下位実施形態では、組成物は、被験体にQDで投与される約400mgのGS−7977および被験体にBIDで投与される約100mg〜約1200mgのリバビリンを含む。
【0154】
第11の実施形態の第5の態様では、組成物は、C型肝炎ウイルスに感染している被験体を一定期間処置した後、その一定期間が終了した後少なくとも12週間、HCV RNAの量を検出不可能にすることができる。一下位実施形態では、組成物は、C型肝炎ウイルスに感染している被験体を一定期間処置した後、その一定期間が終了した後少なくとも24週間、HCV RNAの量を検出不可能にすることができる。別の下位実施形態では、組成物は、C型肝炎ウイルスに感染している被験体を一定期間処置した後、その一定期間が終了した後少なくとも36週間、HCV RNAの量を検出不可能にすることができる。さらなる一下位実施形態では、組成物は、C型肝炎ウイルスに感染している被験体を一定期間処置した後、その一定期間が終了した後少なくとも48週間、HCV RNAの量を検出不可能にすることができる。
【0155】
第11の実施形態の第6の態様では、組成物は、C型肝炎ウイルスに感染している被験体を一定期間処置した後、その一定期間が終了した後少なくとも12週間、HCV RNAを約15IU/mL未満にすることができる。一下位実施形態では、組成物は、C型肝炎ウイルスに感染している被験体を一定期間処置した後、その一定期間が終了した後少なくとも24週間、HCV RNAを約15IU/mL未満にすることができる。別の下位実施形態では、組成物は、C型肝炎ウイルスに感染している被験体を一定期間処置した後、その一定期間が終了した後少なくとも36週間、HCV RNAを約15IU/mL未満にすることができる。さらなる一下位実施形態では、組成物は、C型肝炎ウイルスに感染している被験体を一定期間処置した後、その一定期間が終了した後少なくとも48週間、HCV RNAを約15IU/mL未満にすることができる。
【0156】
第11の実施形態の第7の態様では、有効量のGS−7977は、GS−7977および本明細書に開示の少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む単位剤形を含み、被験体に投与される。一下位実施形態では、GS−7977および本明細書に開示の少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む単位剤形は、被験体にQDで投与される。
【0157】
第12の実施形態は、C型肝炎ウイルス感染症の処置を必要としている被験体を処置するための、有効量のGS−7977および有効量のリバビリンの使用を対象とする。
【0158】
第12の実施形態の第1の態様では、使用は、有効量のGS−7977および有効量のリバビリンを被験体に約2週間〜約12週間、約3週間〜約12週間、約4週間〜約12週間、約5週間〜約12週間、約6週間〜約12週間、約7週間〜約12週間、約8週間〜約12週間、約9週間〜約12週間、約10週間〜約12週間、約11週間〜約12週間、および約12週間から選択される一定期間投与することを含む。一下位実施形態では、一定期間は12週間である。別の下位実施形態では、一定期間は8週間である。
【0159】
第12の実施形態の第2の態様では、GS−7977の有効量は、約100mg〜約800mg、約200mg〜約800mg、約400mg〜約800mg、約600mg〜約800mg、約100mg〜約600mg、約100mg〜約400mg、約100mg〜約200mg、約200mg〜約600mg、約200mg〜約400mg、約400mg〜約600mg、および約400mgから選択される1日用量である。一下位実施形態では、1日用量のGS−7977は、被験体にQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、被験体にQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。別の下位実施形態では、1日用量で約400mgのGS−7977は、被験体にQDで投与される。
【0160】
第12の実施形態の第3の態様では、有効量のGS−7977は、有効量のリバビリンと併用され、この場合、GS−7977およびリバビリンの投与は同時または交互に行われる。
【0161】
第12の実施形態の第4の態様では、リバビリンの有効量は、約600mg〜約1400mgおよび約800mg〜約1200mgから選択される1日用量である。一下位実施形態では、リバビリンの有効量は、1日用量で約1000mg〜約1200mgである。別の下位実施形態では、リバビリンの有効量は、被験体の体重に基づいて、1日用量で約1000mg〜約1200mgである。別の下位実施形態では、リバビリンの有効量は、1日用量で約800mgである。別の下位実施形態では、リバビリン1日用量は、被験体にQD、BID、TIDまたはQIDで投与される。さらなる一下位実施形態では、リバビリン1日用量は、被験体にBIDで投与される。
【0162】
第12の実施形態の第5の態様では、GS−7977の有効量は、QDで約400mgであり、リバビリンの有効量は、BIDで約800mg〜約1200mgである。一下位実施形態では、GS−7977の有効量は、QDで約400mgであり、リバビリンの有効量は、BIDで約800mgである。別の下位実施形態では、GS−7977の有効量は、QDで約400mgであり、リバビリンの有効量は、BIDで約1000mg〜約1200mgである。
【0163】
第12の実施形態の第6の態様では、被験体は、HCV遺伝子型1、2、3、4、5もしくは6、またはその任意の組合せに感染している。一下位実施形態では、被験体は、HCV遺伝子型1、2もしくは3、またはその任意の組合せに感染している。
【0164】
第12の実施形態の第7の態様では、被験体は、一定期間が終了した後少なくとも12週間、HCV RNAの量が検出不可能である。一下位実施形態では、被験体は、一定期間が終了した後少なくとも24週間、HCV RNAの量が検出不可能である。別の下位実施形態では、被験体は、一定期間が終了した後少なくとも36週間、HCV RNAの量が検出不可能である。さらなる一下位実施形態では、被験体は、一定期間が終了した後少なくとも48週間、HCV RNAの量が検出不可能である。
【0165】
第12の実施形態の第8の態様では、被験体は、一定期間が終了した後少なくとも12週間、HCV RNAの量が約15IU/mL未満である。一下位実施形態では、被験体は、一定期間が終了した後少なくとも24週間、HCV RNAの量が約15IU/mL未満である。一下位実施形態では、被験体は、一定期間が終了した後少なくとも36週間、HCV RNAの量が約15IU/mL未満である。別の下位実施形態では、被験体は、一定期間が終了した後少なくとも48週間、HCV RNAの量が約15IU/mL未満である。
【0166】
第12の実施形態の第9の態様では、被験体はヒトである。
【0167】
第12の実施形態の第10の態様では、有効量のGS−7977および有効量のリバビリンは、インターフェロンを用いない処置レジメンに従って使用される。一下位実施形態では、インターフェロンを用いない処置レジメンは、有効量のGS−7977および有効量のリバビリンを被験体に一定期間投与することからなる。
【0168】
第12の実施形態の第11の態様では、有効量のGS−7977は、GS−7977および本明細書に開示の少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む組成物を含む。
【0169】
第12の実施形態の第12の態様では、有効量のGS−7977は、GS−7977および本明細書に開示の少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む単位剤形を含む。
【0170】
参照によって本明細書に組み込まれる2011年8月22日付けのFDA承認ラベルに従うと、COPEGUS(登録商標)(リバビリン)錠剤の推奨用量は、ペグインターフェロンと併用される場合、以下の表に示す通り、体重および処置を受けるHCV遺伝子型に応じて決まる。
【0171】
【化2】
ペグインターフェロンとの併用に適応があるCOPEGUS(登録商標)の1日用量は、800mg〜1200mgであり、2回分割用量(BID)で経口投与される。用量は、ベースラインの疾患特徴(例えば、遺伝子型)、治療への応答、およびレジメンの耐容性に応じて被験体に合わせて個別化されるべきである。上記ならびに下記の実施例に基づくと、リバビリンの有効量は、有効量のGS−7977と併用される場合、体重に応じて1日用量で1000mgまたは1200mgを含めて、800mgおよび1000mg〜1200mgを含むことを企図される。
【0172】
本明細書で報告したデータに基づくと、GS−7977の有効量は、QDで400mgであり、これはBID、TIDまたはQIDで投与することもできる。GS−7977の有効量が、100mg〜400mgおよびこの範囲内のあらゆる整数値を含み得ることも企図される。
【0173】
GS−7977は、併用投与される場合、リバビリンと共に被験体に投与される。すなわち、GS−7977の用量は、被験体がリバビリン用量を投与されるのと同じ期間に投与される。同時または交互投与が考慮されるが、このことは、GS−7977とリバビリンが同じ期間に投与され、毎日の特定の投与順は、GS−7977が先でリバビリンが後であってよく、GS−7977とリバビリンを一緒に投与することもでき、またはリバビリンが先でGS−7977が後であってもよい。GS−7977は、カプセル剤もしくは錠剤形態、または任意の他の適切な単位剤形で経口投与することができ、それと共にリバビリンを経口(カプセル剤または錠剤形態)投与することができる。当然のことながら、利用可能な場合には両方の医薬品の他種の投与も企図され、例えば、鼻腔用スプレーによる、口腔内または舌下投与剤形で、経皮で、坐剤で、徐放剤形による等が企図される。活性成分を破壊することなく、かつ/または被験体に有効量のGS−7977および/もしくは有効量のリバビリンが送達されるのを妨害することなく適切な投薬量が送達される限り、任意の投与形態が有効である。
【実施例】
【0174】
ローラー圧縮過程を使用するGS−7977製剤組成物
GS−7977の多形体1と、様々な定量的組成の賦形剤を含有する一連の製剤を調製し、ローラー圧縮過程を使用してスクリーニングして、粒状粉末特性、ならびに錠剤の崩壊時間および溶解時間に対する様々な希釈剤および圧縮助剤の影響を評価する。GS−7977の多形体1の感湿性に起因して、錠剤の水分吸着特性についても考察した。
【0175】
すべての製剤を、高硬度および低硬度レベルの両方で、錠剤に圧縮した。製剤および錠剤の性能を、錠剤崩壊時間、含量均一性および溶解率によって決定し、表1Aに提示した。
【0176】
表1A. ローラー圧縮過程を使用するGS−7977の多形体1の錠剤の製剤組成物
【0177】
【表1A】
表1Aの結果は、唯一の希釈剤として微結晶性セルロースを使用することによって(製剤A、B1、B2)、崩壊剤を組み込まなくても許容される硬度、崩壊性および溶解度を有する錠剤が生成されたことを示している。それとは対照的に、崩壊剤を用いずに、唯一の希釈剤としてマンニトールを組み込むことによって(製剤C)、圧縮性がより低下し、崩壊時間がより長くなり、その結果、溶解速度がより緩慢になった。微結晶性セルロースと併用すると、マンニトールレベルの充填剤総量が75%に上る場合には(製剤G)、崩壊剤が製剤に添加される限り、許容される錠剤が生成された。しかし、マンニトールレベルを下げると、より硬く、より強固な錠剤が生成された。リン酸二カルシウムをマンニトールと併用すると(製剤H)、溶解度および硬度に関して許容される錠剤は生成されなかった。表1Aのデータによって、微結晶性セルロースおよびマンニトール/微結晶性セルロースを、特に希釈剤として含有する製剤を使用することが支持される。
【0178】
ローラー圧縮/造粒過程を用いて調製した、表1Aの製剤B2およびG2を、さらに評価した。プロトタイプの錠剤バッチを、1瓶当たり錠剤30個でパッケージし、各瓶に分子ふるい(Tri−Sorb(登録商標))型の除湿剤を入れて、40℃/75%RHの条件下で安定な状態に置いた。表1Bに示したデータは、マンニトールの量が増大するにつれて(微結晶性セルロースの低減に伴い)、水分レベルが低下することを示している。
【0179】
表1B. ローラー圧縮過程を使用するGS−7977の多形体1の錠剤の安定性に関するデータ
【0180】
【表1B】
GS−7977 400mgの錠剤
GS−7977の多形体1を含む製剤(錠剤AおよびB)を、乾燥造粒によって調製した。製剤は、表2に記載の通り、GS−7977(多形体1)(33.33%)、マンニトール(30.00%)、微結晶性セルロース(29.67%)、クロスカルメロースナトリウム(5.00%)、コロイド状二酸化ケイ素(0.50%)およびステアリン酸マグネシウム(1.50%)を含有していた。
【0181】
表2. GS−7977多形体1 400mgの錠剤組成物
【0182】
【表2】
錠剤1個当たりGS−7977(多形体1)約400mgを含有する錠剤およびOpadry IIPurpleフィルムコーティング(表2の錠剤A)を、以下の通り調製した。
【0183】
(1)GS−7977(多形体1)および粒内賦形剤(マンニトール、クロスカルメロースナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素)を含む組成物を、20メッシュ篩に通してふるい分けし、ブレンダー(Vシェルブレンダー)に添加し、約10〜15分間ブレンドして、初期ブレンドを得た。別個に、粒内ステアリン酸マグネシウムを、20メッシュ篩に通過させ、初期ブレンドの一部と混合し、ブレンダーに添加し、約5分間ブレンドして、粒内ブレンドを得た。
【0184】
(2)別個に、粒外賦形剤である微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素を、最終的なブレンディングで使用するために、20メッシュ篩に通してふるい分けした(以下の工程(4))。
【0185】
(3)GS−7977、マンニトール、クロスカルメロースナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムを含む粒内ブレンドを、造粒が達成されるまで、造粒機に20メッシュ(0.84mm)粉砕篩、ならびに分離器に20および60メッシュ(0.25mm)篩の両方を備えたローラー圧縮器に通過させた。ローラー圧縮器のパラメータは、以下の通りであった。(i)造粒機の速度は、約50〜約90rpmの範囲、より具体的には約70rpmであり、圧縮器の速度は、約4〜約6rpmの範囲、より具体的には約5rpmであり、圧力は、約65〜約100バール、より具体的には約75〜約100バールの範囲である。平坦な直線の溝が付いたローラーを使用して、リボンを生成した。ローラー圧縮器を通過させると、材料は20メッシュ篩を通過し/20メッシュ篩を介して押し出され、次にそれを60メッシュ篩でふるい分けした。乾燥造粒機の分離器部分を使用して、顆粒を3つの分類(粗い顆粒、許容される顆粒、および微細な顆粒)に仕分けした。分離器の20メッシュ(0.84mm)篩上に保持された「粗い」顆粒を、0.055インチ(1.4mm)の円形篩を備えたComilに通過させた。60メッシュ篩上に保持された顆粒は、「許容される」顆粒とみなした。粉砕/ふるい分けした顆粒材料を、最終的なブレンディング工程にかけた。60メッシュ篩を通過させた材料は、「微細」であるとみなし、再びローラー圧縮器に循環させた。最小量(例えば、20%未満)の微細顆粒が残るまで、この過程を反復した。
【0186】
(4)工程(3)の粉砕/ふるい分けした顆粒、および工程(2)のふるい分けした粒外賦形剤(微結晶性セルロース、マンニトール、クロスカルメロースナトリウムおよび二酸化ケイ素)を、ブレンダー(Vシェルブレンダー)に添加し、約15分間ブレンドした。別個に、ステアリン酸マグネシウムを、20メッシュ篩に通過させた。ステアリン酸マグネシウムをブレンダーに添加し、約5分間ブレンドして、33.33%w/wのGS−7977を含む最終的な粉末ブレンドを得た。試料を均一にブレンドした後、ブレンダーからブレンドを取り出した。
【0187】
(5)最終ブレンドを、錠剤プレス機(例えば、Globe Pharma Mini Press)を使用して錠剤に圧縮して、約400mgのGS−7977を含むコーティングされていない1200mgの錠剤を得た。必要に応じて、ポリビニルアルコールを含むフィルムコーティング(Opadry IIPurple)のための15%w/w水性懸濁液を調製し、3%(2〜4%の範囲)の標的重量増加が達成されるように適用した。コーティング用の懸濁液を、標的パン速度5rpm(4〜8rpmの範囲)および排気温度46±5℃において300g/分/スプレーガン4つ(200〜400g/分/スプレーガン4つの範囲)でスプレーした。GS−7977錠剤を、1瓶当たり錠剤30個および除湿剤1グラムを入れてパッケージした。
【0188】
GS−7977(多形体1)400mgを含むコーティングされていない錠剤を、ブレンドに青色および赤色レーキを使用して、同様にして調製した(表2の錠剤B)。
【0189】
表3に記載の通り、GS−7977の多形体6(33.33%)、マンニトール(30.00%)、微結晶性セルロース(29.67%)、クロスカルメロースナトリウム(5.00%)、コロイド状二酸化ケイ素(0.50%)およびステアリン酸マグネシウム(1.50%)を含有する別の製剤(錠剤C)を調製した。水分グレードが低い微結晶性セルロース(PH112)を多形体1の製剤化に使用して、GS−7977の多形体1の安定性を改善したのに対して、多形体6の非吸湿性の性質に起因して、錠剤Cを製剤化する場合には、微結晶性セルロースのグレードをPH102に変更した。さらに、粒内組成物に高い割合の賦形剤を組み込むことによって、粉末が分離し、ブレンド状態が変動する潜在的な可能性を低減し、錠剤Cを製剤化するために錠剤含量の均一性を改善した。
【0190】
表3. GS−7977の多形体6 400mgの錠剤組成物
【0191】
【表3】
錠剤Cの製剤を、ステアリン酸マグネシウム以外の表3に列挙した粒内成分(すなわち、GS−7977、微結晶性セルロース、マンニトール、クロスカルメロースナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素)を、ブレンダー内でブレンドすることによって調製した。混合物を粉砕し、粒内ステアリン酸マグネシウムとブレンドし、ローラー圧縮過程のトレインおよびミルを使用して乾燥造粒した。得られたリボンを、粉砕用篩に通して粉砕し、次に粒外賦形剤(微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コロイド状二酸化(dioxiade)ケイ素、ステアリン酸マグネシウム)とブレンドして、33.33%w/wのGS−7977を含む粉末ブレンドを得た。粉末ブレンドを、各錠剤が約400mgのGS−7977を含み、標的の錠剤重量が1200mgになるまで圧縮した。フィルムコーティング過程のための水性懸濁液を調製し、3%の標的重量増加が達成されるように適用した。
【0192】
含水量を、錠剤A〜Cについて試験し、錠剤の安定性(60ccのHDPE瓶1つ当たり、30個の錠剤と1グラムのTri−sorb(登録商標)除湿剤)を、錠剤BおよびCについて試験した。その結果を表4に提示する。
【0193】
表4. GS−7977 400mgの錠剤に関する水分および安定性のデータ
【0194】
【表4】
表4の結果は、本明細書に記載の例示的な錠剤組成物が、水分および分解の両方に対して安定性を呈することを示している。
【0195】
錠剤Bの製剤を有する錠剤の溶解プロファイル(75RPM、装置II(パドル)、リン酸緩衝液、pH6.8、900mL)を、初期と、40℃および相対湿度75%で保存した後に試験した。その結果を表5に提示する。
【0196】
表5. GS−7977(多形体1)400mgの錠剤Bの組成物に関する溶解データ
【0197】
【表5】
GS−977とリバビリンとの組合せのインビトロ抗ウイルス相乗作用
GS−7977とリバビリンとの組合せによる抗ウイルス作用を、HCV遺伝子型1aレプリコンを使用して評価した(Robinsonら、Antimicrob. Agents Chemother.(2010年)54巻(8号):3099〜3106頁)。細胞を、10%HyClone FBS、100単位/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシンおよび0.1mM非必須アミノ酸を補充した、Gibco(登録商標)GlutaMAXを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を含有する細胞培養培地で増殖させた。レプリコン細胞を、0.5mg/mLのGeneticin(登録商標)中で維持した。細胞を、集密度に達する前の3〜4日ごとに継代させた。すべての化合物を、100%DMSOに供給し、化合物の連続希釈を100%DMSOで実施した。384ウェルプレートの各ウェルに、2000個の懸濁HCVレプリコン細胞および化合物溶液0.4μLを含有する細胞培養培地(Geneticin(登録商標)なし)90μLを添加した。最終アッセイウェルのDMSO濃度は、0.44%であった。プレートを、37℃において5%CO
2および湿度85%で3日間インキュベートした。
【0198】
CC
50アッセイのために、384ウェルプレート中の培地を吸引し、ウェルをそれぞれ1×PBS100μLで4回洗浄した。1×PBS中400nMカルセインAMを含有する体積50μLの溶液を、各ウェルに添加し、プレートを室温で30分間インキュベートした後、蛍光シグナル(励起490nm、発光520nm)を測定した。
【0199】
EC
50アッセイを、CC
50アッセイと同じウェルで実施した。カルセイン−PBS溶液を吸引し、体積20μLのDual−Glo(登録商標)ルシフェラーゼバッファーを各ウェルに添加した。プレートを室温で10分間インキュベートし、Dual−Glo(登録商標)Stop&Glo(登録商標)基質およびDual−Glo(登録商標)Stop&Glo(登録商標)バッファーの1:100混合物を含有する体積20μLの溶液を、各ウェルに添加した。プレートを室温で10分間インキュベートした後、発光シグナルを測定した。
【0200】
組合せの研究実験データを、PrichardおよびShipmanによって開発されたMacSynergy IIプログラムを使用して、2つの化合物の相乗作用について分析した(Prichardら、MacSyngergy(商標)II、Version 1.0、ミシガン大学アナーバー校(1993年))。2つの化合物の相乗作用の定義を、表6に提示する。
【0201】
表6. 2つの化合物の相乗作用の定義
【0202】
【表6】
GS−7977とリバビリンとの組合せは、35.3±3.2nM
2%のボリュームの相乗作用を示したが、これは相乗的相互作用を示す。GS−7977とリバビリンとの組合せの作用を分析する細胞傷害性の研究によって、最高濃度の組合せ薬物で85%を超える細胞生存率を示した(320nMのGS−7977、1600nMのリバビリン、細胞増殖に対して14.0±4.4%阻害)(Hebnerら、63
rd Annual Meeting of the American Association for the Study of Liver Diseases、Poster 1875、2012年11月12日も参照されたい)。これらの知見は、GS−7977をリバビリンと併用投与すると、GS−7977またはリバビリンの単剤療法と比較して、ウイルス抑制を増強する潜在的な可能性があることを支持している。
【0203】
GS−7977、リバビリンおよびGS−7977とリバビリンとの組合せに対するS282T変異のインビトロ感受性
インビトロ研究により、S282Tが、HCV遺伝子型1a、1bおよび2aレプリコン細胞においてGS−7977によって選択される一次変異であることが示された(Lamら、J. Virology(2011年)85巻(23号):12334〜12342頁;Lamら、Antimicrob. Agents Chemother.(2012年)56巻(6号):3359〜3368頁)。NS5BにおけるS282T変異を、1a−H77、1bのcon−1および2aのJFH1サブゲノムレプリコンにおける部位特異的変異誘発によって創製した。2b、3a、4a、5aまたは6aのNS5Bを含有する1bのcon−1ベースのキメラレプリコンも、S282T変異を有するように操作した(Wongら、Virology(2012年)429巻:57〜62頁参照)。GS−7977およびリバビリンに対するS282Tの複製能および薬物感受性を、一過性レプリコンアッセイで決定した。GS−7977およびリバビリンが個々に存在する状態、およびそれらが組み合わさって存在する状態で、GT2a中50%S282Tおよび50%WTの混合物を継代させることによって、GS−7977およびリバビリンに対するS282Tおよび野生型(WT)NS5Bの感受性をさらに研究した。変異体とWTの相対的百分率を、ディープシークエンシングによって評価した。
【0204】
NS5BのS282T変異を1b、1a、2a、2b、3a、4aおよび5aのHCVレプリコンに導入することによって、すべての7種類の遺伝子型についてGS−7977に対する感受性が低下し、EC
50値は、対応する遺伝子型の野生型と比較して2〜16倍増大した。驚くべきことに、S282Tレプリコンは、これらの7種類の遺伝子型について、それらの対応する野生型よりもリバビリンを用いる処置に対して3〜10倍感受性が高かった。EC
50値は、遺伝子型6aのS282T変異体ではシグナル対ノイズ比が低いことに起因して、算出されなかった。遺伝子型6aの変異体は、薬物感受性データを得るのに十分には複製されなかった。これらの研究の結果を、以下の表7および
図2に提示する。
【0205】
表7. 遺伝子型1〜6のレプリコンにおけるS282T変異体に対するGS−7977およびリバビリンの抗ウイルス活性
【0206】
【表7】
GT2aレプリコンの長期間の継代研究によって、GS−7977が単独でS282TよりもWTを阻害し、その結果、15日間で92%の変異体S282T集団が生じることが明らかになった。リバビリン単独では、WTよりもS282Tを抑制し、その結果、15日後に96%のWT集団が生じた。GS−7977とリバビリンとの組合せも、WTよりもS282Tを優先的に阻害し、その結果、30日間の処置後に91%のWT集団が生じた。継代研究の結果を、
図3に提示する(Hanら、63
rd Annual Meeting of the American Association for the Study of Liver Diseases、Poster 1078、2012年11月11日も参照されたい)。
【0207】
したがって、S282Tレプリコンは、インビトロでGS−7977に対して低い感受性を付与することが示されたが、変異体レプリコンは、野生型よりもリバビリンに対する感受性を増大することが実証された。このことは、GS−7977とリバビリンとの組合せによるCHC処置が、GS−7977単独による単剤療法と比較して、ウイルスのブレークスルーおよび耐性の発生を低下し得ることを示唆している。リバビリンに対するS282T変異体の過感受性は、S282T変異体の出現(emergency)の防止または遅延に関して、GS−7977およびリバビリンを含む組合せ処置に、追加の利点をもたらすことができる。
【0208】
ヒト臨床研究におけるHCV RNAの定量化
臨床試験のための定量的HCV RNA検査を、Roche COBAS(登録商標)AmpliPrep/COBAS(登録商標)HCV TaqMan(登録商標)アッセイを使用し、標準化自動RNA抽出システム、ならびに標準化対照および検定物質を使用して実施した。アッセイの確立されたLODは、15IU/mLであった(WHO標準品との95%ヒット率によって定義される)。血清試料を使用してHCV RNAレベルを測定した。
【0209】
また、参照によって組み込まれる米国特許出願公開第2010/0226885号(米国特許出願第12/376,180号)は、患者がHCV陰性状態を達成したかどうかを、HCV RNAレベルを測定するRT−PCRを使用して測定する方法を開示している。
【0210】
処置レジメン−P7977−0221およびPROTON臨床研究
第2a相の3つのコホートによるプラセボ対照研究(P7977−0221)により、処置未経験のGT1のHCV被験体で、GS−7977(100mg、200mgまたは400mg、QD)をペグインターフェロンおよびリバビリンと組み合わせて4週間処置し、その後SOCペグインターフェロンおよびリバビリンによってさらに44週間まで処置して評価した。すべての3つのGS−7977処置群で高いRVR(88〜94%)が観察された。GS−7977を中断した後、抗ウイルス応答の持続性(SVR−12およびSVR−24)は、400mgの処置群で最も高かった(それぞれ86.7%および80.0%)。SVR−12およびSVR−24率は、200mgのGS−7977処置レジメンを受けた患者では、それぞれ72.2%および83.3%であり、GS−7977処置を受けたがSVRを達成できなかった患者の大部分については、QD用量100mgのGS−7977を投与していた。
【0211】
第2b相のPROTON研究により、GS−7977、ペグインターフェロンおよびリバビリンの組合せを用いて、GS−7977の毎日の投薬レベルを200mgおよび400mgで12週間処置し、その後SOCペグインターフェロンおよびリバビリンを用いてさらに36週間まで処置して評価した。投薬レベル400mgのGS−7977を休止したがペグインターフェロン/リバビリン処置を投与し続けた後は、ウイルスブレークスルーはなかったのに対して、投薬レベル200mgのGS−7977を休止したがペグインターフェロン/リバビリン処置を投与し続けた後、かなり多数の被験体がウイルスブレークスルーを経験した。
【0212】
上記の研究により、1日用量レベル200mgのGS−7977と比較して、1日用量レベル400mgのGS−7977で効率の増強が示される。
【0213】
処置レジメン−ELECTRON臨床研究
進行中の第2a相ELECTRON臨床研究によって、GT1、GT2またはGT3のHCV感染症の被験体において、QDで400mgのGS−7977を、リバビリンおよび/またはペグインターフェロンと組み合わせて、または組み合わせずに8週間または12週間投与して評価した。予備試験データは、ペグインターフェロンの存在に関わらず、処置未経験のGT2またはGT3HCV患者をGS−7977とリバビリンとの組合せで処置した場合には、SVR−12が100%であり、処置未経験のGT1のHCV患者がGS−7977およびリバビリンによる組合せ処置を受けた場合には、SVR−12が84%であったことを実証している。比較として、処置未経験のGT2/GT3のHCV患者がGS−7977単剤療法を受けた場合には、60%しかSVR−12を達成しなかった。
【0214】
ELECTRON試験のパート1では、QDで400mgのGS−7977をリバビリン(RBV)だけ(体重により1000/12000mg、BID)と組み合わせた12週間のレジメン、および別個のアームで、処置未経験のHCV GT2またはGT3患者において4週、8週または12週間の短縮期間のペグインターフェロンと組み合わせて評価した。
群1:GS−7977(400mg、QD)とRBV(1000/1200mg、BID)で12週間(ペグインターフェロンなし)(GT2/GT3の処置未経験者)、ならびに
群2、3、4:GS−7977(400mg、QD)とRBV(1000/1200mg、BID)で12週間、およびPEG(毎週180μg)を1〜4週間だけ/PEG(毎週180μg)を1〜8週間だけ/PEG(毎週180μg)を1〜12週間(GT2/GT3の処置未経験者)。
【0215】
ELECTRON試験のパート2では、追加の30人の患者が、GS−7977単剤療法、ならびにGS−7977、RBVおよびPEGの組合せを用いる短縮期間による全療法の探究的レジメンに登録した。
群5:GS−7977(400mg、QD)単剤療法で12週間(GT2/GT3の処置未経験者)、
群6:GS−7977(400mg、QD)とPEG(毎週180μg)およびRBV(1000/1200mg、BID)で8週間(GT2/GT3の処置未経験者)、ならびに
群7:GS−7977(400mg、QD)とRBV(1000/1200mg、BID)で12週間(GT1の無応答者)。
【0216】
ELECTRON試験のパート3では、2つの追加のペグインターフェロンを用いないレジメンを、処置未経験のHCV GT1患者、および処置の経験があるHCV GT2またはHCV GT3患者で探求した。
群8:GS−7977(400mg、QD)とRBV(1000/1200mg、BID)で12週間(GT1の処置未経験者)、および
群9:GS−7977(400mg、QD)とRBV(1000/1200mg、BID)で12週間(GT2/GT3の処置経験者)。
【0217】
ELECTRON試験のパート4では、ペグインターフェロンを用いない2つのさらなるレジメンを追加した。
群10:GS−7977(400mg、QD)とRBV(1000/1200mg、BID)で8週間(GT2/GT3の処置未経験者)、および
群11:GS−7977(400mg、QD)とRBV(800mg、BID)で12週間(GT2/GT3の処置未経験者)。
【0218】
無応答者は、ペグインターフェロンおよびリバビリンによる処置を少なくとも12週間受けた後、ベースラインHCV RNAから<2log
10IU/mL低下した患者として定義した。
【0219】
処置経験患者は、ペグインターフェロンおよびリバビリンによる処置を少なくとも12週間受けた後、以下の応答のいずれかを有していた患者と定義した。(1)ベースラインHCV RNAから<2log
10IU/mL低下、(2)HCV RNAの≧log
10IU/mL低下、しかし処置終了時にHCV RNA>定量限界(「LOQ」)、および(3)処置終了時にHCV RNA<LOQ、しかしその後HCV RNA>LOQ(再発者)。
【0220】
ELECTRON試験の予備試験結果を以下に提示する。
【0221】
ELECTRON群1〜9の患者集団および人口統計を、以下の表8Aおよび8Bにまとめる。
【0222】
表8A. ELECTRON患者人口統計(群1〜5)
【0223】
【表8A】
表8B. ELECTRON患者人口統計(群6〜9)
【0224】
【表8B】
処置未経験のHCV GT2/GT3群1〜5の患者の結果の概要を、検出限界(LOD)未満の量のHCV RNAを有する患者の百分率に関するものとして、表9にまとめる。
【0225】
表9. ELECTRON群1〜5の患者の結果
【0226】
【表9】
表9から、GS−7977およびRBVで12週間処置したすべての処置未経験のHCV GT2およびGT3患者(群1〜4)では、全処置期間中(PEGありまたはなし)、HCV RNAの量が検出不可能であったことがわかる。GS−7977およびRBVの組合せで処置したこのようなすべての患者(PEGありまたはなし)では、処置終了後12週目にも24週目にも、HCV RNAの量が検出不可能であった。
【0227】
また表9により、GS−7977(400mg、QD)単剤療法を12週間受けた、すべてのHCV GT2/GT3の処置未経験患者(群5)で、全処置期間中、HCV RNAの量が検出不可能であったことが明らかである。しかし、GS−7977単剤療法を受けた患者の60%しか、SVR−12およびSVR−24を達成できなかった。
【0228】
リバビリン単独は、HCV RNAレベルに対してほとんどか全く作用しないことが報告されているので、群1(GS−7977+RBV)を群5(GS−7977単剤療法)と比較すると、GS−7977とリバビリンとの組合せは、SVR−4、SVR−8、SVR−12およびSVR−24率を相乗的に増大するようである。
【0229】
表10は、処置未経験のHCV GT2/GT3患者(N=10)について、QDで400mgのGS−7977と、BIDで1000/1200mg(体重に基づく)のRBVとの組合せを投与した患者(群1)に関する、処置期間(12週間)と処置後12週間(W24)までの平均HCV RNA値(log
10IU/mL)を提示している。表10はまた、処置未経験のHCV GT2/GT3患者(N=10)について、QDで400mgのGS−7977だけによる12週間のレジメンを受けた患者(群5)に関する、処置期間(12週間)の平均HCV RNA値(log
10IU/mL)を提示している。用語「D1(6時間)」および「D1(12時間)」は、それぞれ1日目の投薬後の1日目の6時間目および12時間目に行って記録した測定値を指す。表10に提示のデータは、
図1にも図示されている。
【0230】
表10. ELECTRON群1および群5のHCV RNA値(log
10IU/mL)
【0231】
【表10】
表10および
図1のデータは、HCV GT2/GT3の処置未経験患者を、GS−7977とRBVとの組合せ(上記の量)で処置すると、4〜12週間の処置期間中に検出限界未満の平均HCV RNAレベル、ならびにSVR−12が得られることを明示している。このデータによれば、GS−7977単剤療法を受けた患者でも、平均HCV RNA値が3〜12週間の処置期間中に検出限界未満であることが示される。しかし、また表10および
図1は、GS−7977とリバビリンとの組合せを12週間投与した患者(群1)では、GS−7977による単剤療法を投与した患者(群5)と比較して、処置休止後12週間にわたって低い平均HCV RNAレベルが維持されたことを示している。
【0232】
これらの結果によって、GS−7977とリバビリンとの組合せは、患者に、ペグインターフェロン処置を用いずにHCV処置を施すことができ、高いSVR−12率を達成できるという点で有利であることが実証される。
【0233】
すべての9つの完全に報告されたELECTRON試験コホートについて予備試験患者の結果の概要を、検出限界(LOD)未満の量のHCV RNAを有していた患者の百分率に関するものとして、表11にまとめる。
【0234】
表11. ELECTRON群1〜9の患者の結果
【0235】
【表11】
表11のデータは、GS−7977(400mg、QD)とRBVとの組合せによって処置すると、ペグインターフェロンの存在に関わらず、処置未経験のHCV GT2/GT3患者(群1〜4、6)ではSVR−12率が100%であったことを実証している。また表11のデータは、ペグインターフェロンなしにGS−7977とRBVとの組合せで処置したHCV GTlの患者(群8)ではSVR−12率が84%であったことを実証している。それとは対照的に、GT2/GT3の処置未経験患者に対するGS−7977による単剤療法(群5)では、SVR−12率が60%であった。
【0236】
群10に登録したすべての患者(処置未経験のGT2/GT3のHCV被験体における8週間のGS−7977+リバビリンの併用療法)で、速やかなウイルス学的奏功が達成され、処置中断や処置中のブレークスルーはなかった。
【0237】
HCVに感染した被験体を、有効量のGS−7977単独を投与するか、または有効量のRBVと併用投与して処置することは、普通ならばペグインターフェロンに関連して生じる副作用を回避できることを意味する。表12は、ELECTRON群1〜9の任意の処置群において、被験体の少なくとも15%で報告された有害事象を提示している。
【0238】
表12. ELECTRON群1〜9の任意の処置群において被験体の少なくとも15%で報告された有害事象
【0239】
【表12-1】
【0240】
【表12-2】
表12のデータによれば、GS−7977とリバビリンとの組合せを用いる処置レジメン(群1、7、8、9)では、ペグインターフェロンも用いる処置レジメン(群2、3、4)と比較して、いくつかのタイプの有害事象の発生率(%)が低いと報告されたことが明らかである。GS−7977とリバビリンを組み合わせ、インターフェロンを用いない処置レジメンでは、例えば、以下の有害事象の発生率の低下が報告された。血液およびリンパ系障害(貧血を含む)、疼痛および悪寒、代謝および栄養障害(食欲低下を含む)、筋骨格および結合組織の障害(筋肉痛、背痛および関節痛を含む)、神経系障害(頭痛およびめまい感を含む)、精神障害(不眠症を含む)、呼吸器、胸部および縦隔の障害(呼吸困難を含む)、ならびに皮膚および皮下組織の障害(そう痒、皮膚乾燥および脱毛を含む)。
【0241】
以下の表13のデータによれば、インターフェロンを用いない群1、5、7、8および9では、ペグインターフェロンを含む処置レジメンを受けた群2、3、4および6と比較して、グレード3およびグレード4の血液学的異常の頻度が少なかったことが明らかである。
【0242】
表13. ELECTRON群1〜9で報告されたグレード3/4の血液学的異常
【0243】
【表13】
ここでは示していないが追加の結果により、処置期間(12週)中、およびデータが利用可能な範囲で処置期間終了後の期間中、ELECTRON群1〜5のすべての患者においてALTレベルの速やかな正常化が示されている。
【0244】
ヒト臨床研究におけるGS−7977耐性
現在まで、GS−7977による処置中にウイルス学的ブレークスルーは観察されなかったが、このことは、耐性に対する障壁が強いことを示唆している。GS−7977単独を用いるか、またはリバビリンおよび/もしくはペグインターフェロンと組み合わせて用いる処置レジメンの、P7977−0221、PROTON、ELECTRON(群1〜9)およびATOMIC第2相ヒト臨床研究では、621人中53人の患者が、GS−7977を含有する処置の休止後にウイルス再発を経験した。ウイルス再発試料の集団シークエンシングは、S282Tが、53人の患者のわずか1人に検出されたことを示しており、この患者は、GT2bであり、12週間のGS−7977単剤療法が完了してから4週間で再発した。ディープシークエンシングによって、再発時にこのGT2b患者で99%のS282Tが明らかになった。集団およびクローン表現型分析では、GT2b S282Tを含有する試料は、対応するベースラインウイルスと比較して、GS−7977の影響を8〜13倍受けにくいことが実証された。再発を経験した他の52人の患者については、ベースラインおよび再発時のディープシークエンシングではS282Tが示されず、他の残りの患者については、集団またはディープシークエンシングではGS−7977耐性に関連するとされる特定のNS5B変異は同定されなかった(Svarovskaiaら、63
rd Annual Meeting of the American Association for the Study of Liver Diseases、Poster 753、2012年11月11日も参照されたい)。
【0245】
上記のことにより、GS−7977は耐性障壁が強いことが示される。特に、S282T変異は、GS−7977とリバビリンを組み合わせた処置レジメンを受けた患者では観察されなかった。
【0246】
GS−7977とリバビリンおよび必要に応じてペグインターフェロンを組み合わせた処置レジメンに関するSVR−4とSVR−12およびSVR−24の一致
Florianらは、ペグインターフェロン/リバビリンの組合せ処置、ならびにペグインターフェロン、リバビリンおよびテラプレビルまたはボセプレビルを組み合わせた処置レジメンを用いる試験を含む、HCV臨床試験の大集団データベースで、SVR−12およびSVR−24が一致し、SVR−12はSVR−24に対して98%の陽性予測値を有すると報告している(Florianら、AASLD 2011、Abstract LB−28;Martinot−Peignouxら、Hepatology(2010年)51巻(4号):1122〜1126頁も参照されたい)。
【0247】
GS−7977を単独で、またはリバビリンおよび必要に応じてペグインターフェロンと組み合わせた処置を少なくとも12週間受けた、処置未経験のGT1、GT2およびGT3患者のPROTON、ELECTRONおよびATOMIC第2相研究のHCVデータを評価した。400mgのGS−7977で少なくとも12週間処置を受けて、SVR−4およびSVR−12のデータ、またはSVR−4およびSVR−24のデータを有していた患者だけを分析の対象とした(患者596人中259人)。この分析によって、SVR−4を達成し、処置後12週間のデータが利用可能であった患者では、すべてのレジメンで、SVR−4とSVR−12およびSVR−24の両方とが99〜100%一致したことが見出された。これらの結果は、400mgのGS−7977およびリバビリンならびに必要に応じてペグインターフェロンによる処置を受けたGT1、GT3およびGT3のHCV患者では、SVR−4がSVR−12およびSVR−24と高度に一致することを示している(Lawitzら、GS−7977 Phase 2 Trials: Concordance of SVR4 with SVR12 and SVR24 in HCV Genotypes 1−3、EASL(2012年4月18〜22日))。
【0248】
上記のことは、本明細書に提示のSVRデータが、SVR−24、SVR−36およびSVR−48を含む長期SVR率の予測値となり得ることを示唆している。
【0249】
本明細書に開示のGS−7977を含む組成物および単位剤形は、水分および分解に対して良好な安定性を示し、望ましい溶解および崩壊プロファイルをもたらす。これらの組成物および単位剤形は、HCV感染症を処置するために、必要に応じてリバビリン、ペグインターフェロンまたは任意の他の抗ウイルス剤と併用することができる。
【0250】
さらに、上記のデータは、GS−7977をリバビリンと併用投与すると(ペグインターフェロンありまたはなし)、HCV GT1、GT2およびGT3の患者においてHCV RNAおよび処置終了時応答(EOTR)の速やかな低減が引き出されたことを示している。GS−7977をリバビリンおよび必要に応じてペグインターフェロンと組み合わせて投与した場合を含み、GS−7977による処置過程中にウイルスブレークスルーは観察されなかった。SVR−12は、GS−7977とリバビリンとの組合せを12週間投与したHCV GT2およびGT3の処置未経験患者では100%であり、GS−7977とリバビリンとの組合せを12週間投与したHCV GT1の処置未経験患者では84%であったが、これに対してGS−7977だけを投与したHCV GT2およびGT3の処置未経験患者では、SVR−12は60%であった。リバビリン単独は、ヒト臨床試験においてHCV RNAレベルにほとんどか全く作用しなかったことを考慮すると、上記の臨床データおよびインビトロデータは、GS−7977とリバビリンとの組合せが、HCV RNAレベルを相乗的に低減することを実証している。
【0251】
さらに、GS−7977をリバビリンと組み合わせて投与したELECTRON試験の処置アームでは、ペグインターフェロンも投与した処置アームと比較して、副作用の発生が少なかったことが報告された。このことは、GS−7977とリバビリンとの組合せを用いるがインターフェロンを用いない処置が、ペグインターフェロンを用いる処置レジメンよりも利点を付与し得ることを示唆している。
【0252】
またさらに、GS−7977に対して感受性が低いS282T変異を有するHCVレプリコンが、リバビリンに対して高い感受性を呈することを示すインビトロ結果によって、GS−7977とリバビリンとの組合せが、GS−7977による単剤療法と比較して耐性率の低下をもたらす処置レジメンを提供できることが示唆される。これまでに、GS−7977の単剤療法を受けた1人の患者で変異が観察されたことと比較して、GS−7977とリバビリンの併用療法を受けた患者では、S282T変異が観察されなかった。
【0253】
本明細書に記載の方法に従って、ペグインターフェロンを用いずに有効な療法を提供する能力には、HCV感染症に罹患している個体への治療選択肢を有意に改善する潜在可能性がある。
【0254】
本発明の上記の説明は、例示し説明するものであるが、本発明を網羅するものではなく、または開示事項に本発明を厳密に限定するものではない。上記の教示に照らして修正および改変を加えることも可能であり、または本発明を実施することによって修正および改変を加えることができる。